以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、回胴式遊技機の一例であるスロットマシン1を示す斜視図である。このスロットマシン1は、例えば遊技メダルを媒体として遊技を行うタイプのものであり、いわゆる「パチスロ機」と称されているものである。この他に、遊技球を媒体として遊技を行うタイプの回胴式遊技機(いわゆる「パロット機」)もあり、こちらも本発明の実施形態として好適である。先ず、スロットマシン1の構成について説明する。
スロットマシン1は箱形状の筐体2を備え、スロットマシン1は、この筐体2を介して遊技場(ホール)の島設備に釘打ち等によって設置される。図1中、左斜め下方はスロットマシン1の正面に相当し、通常、ホール内で遊技者はスロットマシン1に正面から相対するようにして着席する。筐体2は正面側が開口しており、この開口は前面扉4により開閉可能となっている。図1には前面扉4が閉じた状態で示されているが、前面扉4は、例えばその左側端部が図示しないヒンジ機構を介して筐体2に連結されている。また前面扉4の右側端部には、その内側(裏側)に図示しない施錠装置が設けられており、これに対応して筐体2の右側の内壁面にも図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように前面扉4が閉じた状態で、その施錠装置は筐体2の施錠具とともに前面扉4の開放を不能にしている。
前面扉4の右側縁部にはシリンダ錠4aが設けられており、例えば、遊技場の管理者が専用キーを用いてシリンダ錠4aを時計回りに捻ると、施錠装置が作動して前面扉4の開放が可能な状態となる。なおシリンダ錠4aを反時計回りに捻ると、スロットマシン1において発生したエラー状態を解除することができる。
前面扉4の奥、つまり筐体2の内部には、表示体として3つのリール6,8,10が設置されている。リール6,8,10はいずれも円環状に成形されており、その周囲には複数の図柄(図示されていない)が間隔をおいて一列に付されたリール帯が巻かれている。図柄には複数の種類があり、例えば数字の「7」やアルファベットの「BAR」等の文字列をデザインしたもの、「ベル」等の縁起物をデザインしたもの、「チェリー」や「スイカ」等の青果類をデザインしたものの他、スロットマシン1のゲームコンセプトに基づいてデザインされたキャラクターの図柄、あるいは当選種類の1つである「リプレイ」を意味する図柄等が挙げられる。なお、ここでは図柄の種類を例示しているに過ぎず、特にこれらに限定されない。
前面扉4の縦方向でみて、その中央から上側の位置にパネル部12が配置されており、このパネル部12には、例えばスロットマシン1のゲームコンセプトに基づく装飾が施されている。また、パネル部12の中央位置には矩形状の表示窓(表示部)14が形成されており、この表示窓14は透明な板状部材によって構成されている。前面扉4が閉じた状態で、表示窓14はちょうど3つのリール6,8,10の前面側に位置する。この状態で、遊技者は表示窓14の板状部材を透過してリール6,8,10の図柄を視認することができる。通常、表示窓14内では、各リール6,8,10について縦方向に3つの図柄を遊技者が有効に視認することができる(図柄は図示されていない)。なお表示窓14は、各リール6,8,10に対応して3分割されている形態であってもよい。
表示窓14内で横方向に並んだ3つのリール6,8,10同士の間では、例えば水平方向及び斜め方向にみた図柄の組合せ態様が構成されている。水平方向については、3つのリール6,8,10につき、上段・中段・下段の各位置で図柄を3つずつ組合せた態様が構成される。また斜め方向については、左リール6の上段位置、中リール8の中段位置、右リール10の下段位置で図柄を3つ組合せた態様が構成されるほか、左リール6の下段位置、中リール8の中段位置、右リール10の上段位置で図柄を3つ組合せた態様が構成される。なお、図柄の組合せ態様は一例に過ぎず、水平方向と斜め方向とを合成した方向に図柄の組合せ態様が構成されてもよい。
パネル部12には、例えば表示窓14の左側に3つのベット数表示部12aが設けられている。これらベット数表示部12aは、1回ごとの遊技で遊技者が投じたメダルの枚数(「ベット数」、「掛け数」等と称する。)を表示するためのものである。前面扉4の裏面側には、ちょうどベット数表示部12aの背後に図示しない照明器具(白熱ランプ又はLEDを備えたもの)が設置されており、ベット数表示部12aでは、照明器具による透過光を用いてベット数の表示(発光表示)が行われるものとなっている。遊技者は、ベット数表示部12aの表示から現在のベット数を知るとともに、表示窓14内での図柄の組合せ態様に関する有効ラインの数を知ることができる。例えば、ベット数が3枚の場合、水平方向で上段・中段・下段の3本の有効ラインに加えて、斜め方向で右上がりの有効ラインと右下がりの有効ラインが形成される。なお、有効ラインの数や形態は一例に過ぎず、これより多くても少なくてもよい。
前面扉4には、表示窓14の直ぐ右下方にメダル投入口16が設けられている。遊技者が投入したメダルはメダル投入口16を通じて1枚ずつ受け入れられ、遊技に投じた枚数として計上される。なお1回の遊技に投じることができる最大枚数(例えば3枚)を超えてメダルが投入されると、その分はクレジットとして貯留される。パネル部12の表示窓14の下方にクレジット表示部12bが設けられており、クレジットとして貯留されたメダルの枚数は、このクレジット表示部12bにて数値表示される。なおクレジットは、例えば最大で50まで貯留することができる。
前面扉4の裏側には、メダル投入口16から筐体2の内部に延びる案内路(図示されていない)が形成されており、投入されたメダルは案内路に沿って1列で(1枚ずつ)案内される。メダルの投入を受け付け可能な状態であれば、投入されたメダルは筐体2の内部で払出装置(図1には示されていない)のホッパに受け止められる。クレジット数が上限を超えると、それ以上のメダルを投入しても受け付けられなくなる。前面扉4の下部中央にはメダル排出口26が形成されており、さらに前面扉4の下縁部にはメダル受皿28が形成されている。なおメダルの投入が受け付けられない状態であれば、メダル投入口16から投入されたメダルはメダル排出口26を通じてメダル受皿28に返却される。
また前面扉4には、パネル部12の左下方にスタートレバー18が設置されている。このスタートレバー18は、各リール6,8,10の回転を開始(始動)させるために遊技者によって操作(押下)される。遊技にメダルを投じた状態でスタートレバー18が操作されると、各リール6,8,10が一斉に回転を始める。なお、1回の遊技でスタートレバー18の操作は1度だけ行えばよく、繰り返しスタートレバー18を操作しても、その操作は有効ではない。
また、クレジット表示部12bの右横にはスタートランプ12c、インサートランプ12d及びリプレイランプ12eが配置されている。このうちスタートランプ12cは、遊技に投じたメダルがそのとき必要な最少枚数(例えば1〜3)を満たすと点灯し、スタートランプ12cの点灯は、スタートレバー18の操作が可能な状態になったことを意味する。またインサートランプ12dは、遊技に投じるためのメダルの投入が可能な状態で点灯する他、追加のメダルを投入することでクレジットの貯留が可能な状態でも点灯する。リプレイランプ12eは、遊技の結果が再遊技、つまり「リプレイ」に該当する場合に点灯する。なお、「リプレイ」を含めて遊技の結果については後述する。
メダル投入口16の奧には、案内路の上流位置に切り替え機構(図示されていない)が設けられており、この切り替え機構は、例えばソレノイドを用いてメダルの案内先を案内路又はメダル排出口26のいずれかに切り替える動作を行う。クレジット数が上限に達した場合は、切り替え機構が作動してメダルの案内先をメダル排出口26に切り替え、それ以上のメダルの投入を受け付けなくする。また、1回の遊技でスタートレバー18が操作されると、リール6,8,10が停止するまで切り替え機構が作動し、それ以上のメダルの受け付けを不能にする。なおリール6,8,10の停止後でも、遊技の結果が「リプレイ」であった場合は切り替え機構が作動して、次回の遊技ではメダルの投入を受け付けない。
前面扉4には、スタートレバー18の右側に3つの停止ボタン20,22,24が横並びに配置されている。これら停止ボタン20,22,24は、順番にそれぞれ左・中・右のリール6,8,10に対応している。リール6,8,10が一定速度で回転している状態で遊技者が停止ボタン20,22,24を1つずつ操作(押下)すると、対応するリール6,8,10の回転が個別に停止する。なお、既に停止させたリール6,8,10について、繰り返し同じ停止ボタン20,22,24を操作しても、その操作は有効ではない。
遊技者により停止ボタン20,22,24が操作され、全てのリール6,8,10が回転を停止すると、表示窓14内で表示された図柄の組合せ態様から遊技の結果が判定される。例えば、有効ライン上に「ベル」や「スイカ」等の同種の図柄が3つ揃う組合せ態様が表示された場合、それぞれ「ベル」又は「スイカ」という小役に入賞したと判定され、各小役について予め決められた枚数のメダルが払い出される。小役に対応する図柄の組合せ態様には、3つのリール6,8,10で同種の図柄を組合せるものの他、例えば左リール6に「チェリー」の図柄があれば、他のリール8,10の図柄は何でもよい組合せ態様(「チェリー」−「ANY」−「ANY」)もある。このような組合せ態様は実質的に単独の図柄だけで構成されているため、2本の有効ラインが交差する位置(上段又は下段の位置)で「チェリー」の図柄が停止していた場合、複合入賞となって払い出し枚数が加算される。
表示窓14の下方には、上記のクレジット表示部12bとは別に払出枚数表示部12fが設けられており、ここには1回ごとの入賞時に払い出されたメダルの枚数が表示される。なおクレジットモードの場合、その最大数に達するまでの間は払い出された枚数分がクレジットに加算される。また、クレジットモード中にメダルの払い出しによってクレジット数が上限を超えると、その分はクレジットの増加としてではなく実際のメダルとしてメダル排出口26から払い出され、メダル受皿28に蓄えられる。
この他、3つのリール6,8,10の停止時に上述した「リプレイ」に対応する図柄の組合せ態様が表示されていれば、その遊技の結果は再遊技と判定される。遊技の結果が再遊技であれば、新たにメダルを投じることなく、今回の遊技に投じたメダルの枚数(ベット数又は掛け数)と同じ条件で次回の遊技を実行、つまりリプレイすることができる。なお、遊技の結果が再遊技と判定されると、上記のリプレイランプ12eが点灯して再遊技が可能であることを表示する。またベット数表示部12aでは、前回の遊技に投じたメダル枚数の表示が復元される。
一方、有効ライン上に例えば赤色の「7」−「7」−「7」等の図柄の組合せ態様が表示されると、いわゆる「ビッグボーナスゲーム」等の特別遊技状態に移行する利益が遊技者に与えられる。あるいは、有効ライン上に例えば白色の「7」−「7」−「7」等の図柄の組合せ態様が表示されると、いわゆる「レギュラーボーナスゲーム」等の特別遊技状態に移行する利益が遊技者に与えられる(メダルは払い出されない)。特別遊技状態に移行すると、遊技者に有利な条件で遊技が進行し、例えば、通常よりも高頻度に「ベル」や「スイカ」等の小役に入賞する機会が得られたり、入賞に対する払い出し枚数が増加したり、通常では入賞することがない種類の小役に入賞したりすることが可能になる。また場合によっては、特別遊技状態の終了後、高確率で上記の「リプレイ」の結果が得られる状態(リプレイタイム)に移行する利益が遊技者に与えられることもある。
パネル部12には、表示窓14の右側に沿って例えば3つの遊技状態表示部12hが形成されている。パネル部12の裏面側には、ベット数表示部12aと同様に照明器具が設置されており、上記のように特別遊技状態に移行するか、もしくは特別遊技状態への移行が可能な状態(内部抽選で当選した状態)になると、照明器具によって遊技状態表示部12hが点灯表示される。なお、特に有効ライン上に図柄の組合せ態様が表示されていなければ、その遊技の結果は入賞や再遊技、特別遊技状態への移行等はなかったものと判定される。
上記のようにして1回ごとに遊技の結果が判定されると、遊技者により改めて次回の遊技に投じるメダルの枚数が決定される。払出枚数表示部12fの左側には3つのベットランプ12gが設けられており、これら3つのベットランプ12gは、その回の遊技に投じるメダルの必要枚数に応じた数を点灯表示する。例えば、その回の遊技に3枚のメダルを投じる必要があれば、3つのベットランプ12gが全て点灯する。このときメダル投入口16を通じて遊技者が3枚のメダルを投入する操作を行えば、それによって遊技に投じるメダルの枚数(3枚掛け、3ベット)が決定される。なお必要枚数は、1回の遊技あたり2枚(2枚掛け、2ベット)又は1枚(1枚掛け、1ベット)でもよい。
また、表示窓14の左下方にはベットボタン30及びMAXベットボタン32がそれぞれ設置されており、遊技者はこれらボタン30,32を操作することで、クレジットの残数を用いて遊技に投じるメダルの枚数を決定することもできる。ベットボタン30が1回押下されるとクレジットの数が1ずつ減り、その分が遊技に投じたメダルの枚数として充当される。最大枚数に達するまで繰り返しベットボタン30が押下されると、それぞれ押下された回数分だけクレジット数が減り、代わりにベット数が加算される。また、充分なクレジットの残数(3以上)があれば、遊技者がMAXベットボタン32を1回操作することで、その回の遊技に投じることができる最大枚数(例えば3枚)をクレジット残数から差し引き、その分を遊技に投じたメダルの枚数として充当することができる。
なお、スロットマシン1による遊技を終了する場合、遊技者は次回の遊技に投じるメダルの枚数を決定する必要はない。ベットボタン30の左側には精算ボタン34が設けられており、クレジットの残数がある場合、遊技者が精算ボタン34を操作することにより、その残数を精算してメダルの返却を受けることができる。精算ボタン34が押下されると、メダル排出口26を通じてメダル受皿28にメダルが返却される。
前面扉4の下部分で、メダル受皿28よりも上側には装飾パネル36が設置されている。この装飾パネル36には、スロットマシン1の機種名が表示されているほか、そのゲームコンセプトに基づく装飾が施されている。また前面扉4には、その上縁部や左右側縁部に沿ってトップランプ38、左パネルランプ40、右パネルランプ42等が設置されている。これらランプ38,40,42は、例えば内蔵するLEDから発する光を拡散して発光し、遊技に伴う演出を実行することができる。
また前面扉4には、表示窓14の上方位置に液晶表示器44が設置されている。この液晶表示器44は、画像や文字等を表示することで遊技に伴う演出を実行することができる。さらに前面扉4の裏側には、例えばメダル排出口26の両側や液晶表示器44の両側に図示しないスピーカが設置されており、これらスピーカは、効果音や音声、BGM等を出力することで遊技に伴う演出を実行することができる。
次に、スロットマシン1の制御に関する構成について説明する。図2は、スロットマシン1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。スロットマシン1は主制御装置100を備え、この主制御装置100は主に、スロットマシン1における遊技の進行を制御する。主制御装置100には、中央演算処理装置である主制御CPU102を実装した回路基板が装備されており、主制御CPU102は、図示しないCPUコアとともにROM102a、RAM102b等の半導体メモリを集積したLSIパッケージとして構成されている。
図示されていないが、主制御装置100には主制御CPU102の他に、入出力ドライバ(インタフェース)や乱数発生用カウンタ、各種IC等が装備されており、これらは主制御CPU102とともに回路基板上に実装されている。また回路基板上には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述したスタートレバー18や停止ボタン20,22,24には、それぞれの操作を検出する始動操作センサ104や停止操作センサ106が装備されている。遊技者により行われるスタートレバー18の操作(始動操作)や停止ボタン20,22,24の操作(停止操作)は、それぞれ始動操作センサ104、停止操作センサ106を用いて検出される。なお停止操作センサ106は、3つの停止ボタン20,22,24ごとに設けられている。これらセンサ104,106の検出信号は主制御CPU102に入力され、主制御CPU102は入力された検出信号に基づいて、遊技者による始動操作又は停止操作を受け付ける処理を行う。
同様に、ベットボタン30やMAXベットボタン32にも、それぞれベットボタンセンサ108,110が装備されており、遊技者によるベットボタン30又はMAXベットボタン32を用いて遊技にメダルを投じる操作(投入操作)は、それぞれのセンサ108,110を用いて検出される。また、上述したメダルの案内路にも投入メダルセンサ112が装備されており、遊技者がメダル投入口16を通じて遊技にメダルを投じる操作(投入操作)は、投入メダルセンサ112を用いて検出される。なお投入メダルセンサ112は、遊技に投じるものとしてでなく、クレジットの貯留分として投入されたメダルを検出することもできる。これらセンサ108,110,112の検出信号もまた主制御CPU102に入力されている。主制御CPU102は入力された検出信号に基づいて、遊技者による投入操作を受け付けたり、クレジットの貯留数を加減算したりする処理を行う。
上述したベット数表示部12aやクレジット表示部12b、スタートランプ12c、インサートランプ12d、リプレイランプ12e、払出枚数表示部12f、ベットランプ12g及び遊技状態表示部12hは、制御に関する構成上、これらを遊技情報表示装置114として一括することができる。例えば、遊技情報表示装置114はベット数表示部12a及び遊技状態表示部12hの照明器具(白熱ランプ又はLED)とその駆動回路であったり、クレジット表示部12b及び払出枚数表示部12fの7セグメントLEDとその駆動回路であったり、あるいは、スタートランプ12c、インサートランプ12d、リプレイランプ12e及びベットランプ12gのLEDとその駆動回路であったりする。主制御CPU102は、遊技の進行状況に応じて遊技情報表示装置114を制御し、各種表示部やランプ類を動作させる処理を行う。また主制御CPU102は、インサートランプ12dの駆動とともに切り替え機構のソレノイドを動作させる処理を行う。
上述した3つのリール6,8,10は、リール駆動装置116によって回転及び停止される。リール駆動装置116は、各リール6,8,10に対応して3つのステッピングモータを内蔵しており、また、各ステッピングモータにはインデックスセンサが装備されている。主制御CPU102は、出力ドライバを通じて各ステッピングモータに駆動パルス(例えば1−2相励磁信号)を出力し、リール6,8,10を回転させたり、所定の位置で停止させたりする制御を行う。リール駆動装置116からは、インデックスセンサの検出信号が主制御CPU102に出力される。主制御CPU102は、インデックスセンサの検出信号に基づいて各リール6,8,10の回転に関する位置(例えば、基準位置からのステップ数)を検出することができる。
払出装置118は、実際にメダルを払い出すための機構(モータ及び駆動回路)や実際に払い出したメダルを検出する払出センサを備える他、投入されたメダルを蓄えるホッパとしての機能をも備えている。払出装置118は、例えば筐体2の底面上に設置されており、メダルを蓄えるホッパ部分は上面が大きく開口しており、上記の案内路を通過したメダルは、前面扉4の奧で払出装置118のホッパ部分に投下される。また払出装置118は、そのモータを回転させてメダルを1枚ずつ、連続的にスロットマシン1の正面に向けて射出することができる。射出されたメダルは前面扉4の裏側でメダル排出口26に導かれ、メダル受皿28に払い出される。主制御CPU102は払出装置118のモータに駆動信号を出力し、メダルの払い出しやクレジットの精算等を実行させる処理を行う。払出装置118からは、払出センサから検出信号が主制御CPU102に出力され、主制御CPU102は、検出信号に基づいて払出枚数をカウントしたり、モータの駆動を停止させたりする処理を行う。
上記の主制御装置100とは別に、スロットマシン1は制御上の構成としてサブ制御装置120を備えている。このサブ制御装置120は、スロットマシン1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。サブ制御装置120にもまた、中央演算処理装置であるサブ制御CPU122を実装した回路基板が装備されている。サブ制御CPU122もまた、ROM122aやRAM122b等の半導体メモリを集積したLSIパッケージとして構成されている。
またサブ制御装置120には、図示しない入出力ドライバや各種のICが装備されている他、音響駆動部124やランプ駆動部126が装備されている。このうち音響駆動部124は、例えばサウンドROMやアンプ(いずれも図示されていない)を備えており、前面扉4に装備されたスピーカ128を駆動して音響出力を行う。またランプ駆動部126は、例えばPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、LEDを含むランプ130に与られえる駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)してその発光・点滅等の動作を管理する。ランプ130は、上記のトップランプ38や左パネルランプ40、右パネルランプ42での発光動作による演出を行う他、リール6,8,10の表面を照明したり、あるいはリール6,8,10の内周側から透過光(バックライト)を照射して図柄を照らし出したりする演出を行う。
サブ制御CPU122は、主制御CPU102から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、音響駆動部124やランプ駆動部126に指令を与えてスピーカ128から実際に音を出力させたり、ランプ130を発光させたりする処理を行う。
またスロットマシン1には表示ユニット140が装備されており、上記の液晶表示器44は、表示ユニット140の一部に組み込まれた状態で前面扉4の裏側に実装されている。表示ユニット140は表示制御装置142を備えており、この表示制御装置142は液晶表示器44による表示動作を制御する。表示制御装置142には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU144とともに、表示プロセッサである表示制御VDP146を実装した回路基板が装備されている。このうち表示制御CPU144は、図示しないCPUコアとともにROM144a、RAM144b等の半導体メモリを集積したLSIパッケージとして構成されている。また表示制御VDP146は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM146aやVRAM146b等の半導体メモリを集積したLSIパッケージとして構成されている。なおVRAM146bは、その記憶領域の一部をフレームバッファ146cとして利用することができる。
サブ制御CPU122のROM122aには、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、サブ制御CPU122は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のようにスピーカ128やランプ130を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器44を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。サブ制御CPU122は、表示制御CPU144に対して演出に関する基本的な情報を送信し、これを受け取った表示制御CPU144は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU144は、表示制御VDP146に対してさらに詳細な制御信号を出力し、これを受け取った表示制御VDP146は、制御信号に基づいて画像ROMの記憶領域にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM146bに転送する。さらに表示制御VDP146は、VRAM146b上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファ146cに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器44の各画素を個別に駆動する。
その他、図示していないが、筐体2の内部には電源ユニットが内蔵されている。この電源ユニットは島設備から外部電力(例えばAC100V、24V等)を取り込み、そこから必要な電力(例えばDC24V、12V等)を生成する。電源ユニットで生成された電力は、主制御装置100やサブ制御装置120、表示ユニット140をはじめ、スロットマシン1の各所に供給される。なお電源ユニットは、スロットマシン1の設定を変更したり、主制御CPU102のRAM102bをリセットしたりする際にも用いられる。「設定」は、予め定められたスロットマシン1の機械割を複数段階に変更するためのものであり、「設定」には例えば1から6までの段階が用意されている。なお、ここでは「設定」やその変更、リセット等の詳細については省略する。
また、主制御CPU102は図示しない外部端子板を通じてスロットマシン1の外部に信号(メダルイン信号、メダルアウト信号、遊技ステータス信号等)を出力することができる。外部端子板から出力する信号は、例えば遊技場のホールコンピュータで集計される。
以上がスロットマシン1の制御に関する構成例である。続いて、主制御CPU102やサブ制御CPU122により実行される制御上の処理について説明する。なお、以下では特に本実施形態と直接関係しない処理(タイマ割込処理、停電時処理、電源投入時処理、設定変更処理等)の説明を省略する。
〔メイン処理〕
先ず図3は、主制御CPU102により実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。このメイン処理は、スロットマシン1の電源投入後に実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS10:メダル投入処理では、主制御CPU102は投入メダルセンサ112又はベットボタンセンサ108,110からの検出信号を確認する。いずれかの検出信号を受け取ると、主制御CPU102は例えばRAM102b上でベット数カウンタをインクリメントし、それに伴って遊技情報表示装置114に駆動信号を出力する。これにより、ベット数表示部12aではベット数カウンタの値に応じた表示が行われる。
ベット数カウンタが上限(例えば3)に達すると、主制御CPU102はベットボタン30,32の操作を無効にし、それに伴って遊技情報表示装置114に駆動信号を出力する。これにより、例えばMAXベットボタン32の内蔵LEDは消灯するが、引き続きインサートランプ12dは点灯する。また引き続き、主制御CPU102は投入メダルセンサ112からの検出信号を確認し、その検出信号を受け取ると、例えばRAM102b上でクレジット数カウンタをインクリメントし、それに伴って遊技情報表示装置114に駆動信号を出力する。これにより、クレジット表示部12bにてクレジット数カウンタに応じた数値表示が行われる。
なお、主制御CPU102は投入メダルセンサ112又はベットボタンセンサ108,110からの検出信号を受け取ると、その都度、サブ制御CPU122に投入処理コマンドを送信する。投入処理コマンドには、遊技者による投入操作やクレジットを追加する操作が受け付けられた旨の情報が含まれる他、例えばそのときのベット数カウンタの値やクレジット数カウンタの値等の情報が含まれている。
ステップS12:スタートレバー処理では、ベット数カウンタの値が必要枚数(例えば3)に達していると、主制御CPU102はスタートレバー18の操作を受け付け可能にし、それに伴って遊技情報表示装置114に駆動信号を出力する。これにより、スタートランプ12cが点灯した状態となる。
ステップS14:主制御CPU102は、必要枚数分のメダルが投入済みであり、かつ、スタートレバー18が操作されたか否かを判断する。これらの条件は、ベット数カウンタの値と始動操作センサ104からの検出信号に基づいて判断することができる。主制御CPU102はベット数カウンタの値を参照しつつ、始動操作センサ104からの検出信号が入力されたか否かを確認し、いずれかの条件が満たされていなければ(No)、主制御CPU102はステップS10〜ステップS14を繰り返す。
なお、ステップS14で始動操作センサ104からの検出信号を受け取った場合、主制御CPU102はスタートレバー18の操作を受け付け不可にし、それに伴って遊技情報表示装置114に駆動信号を出力する。これにより、スタートランプ12c及びインサートランプ12dがともに消灯する。また、主制御CPU102は上述した切り替え機構を作動させ、メダル投入口16から案内路に通じる経路をメダル排出口26に切り替える。
また主制御CPU102は、始動操作センサ104からの検出信号を受け取った場合、始動操作コマンドをサブ制御CPU122に送信する。始動操作コマンドは、遊技者によるスタートレバー18の操作が受け付けられた旨の情報が含まれる。合わせて主制御CPU102は、図示しない外部端子板を通じて枚数分のメダルイン信号を出力する。
ステップS16:先のステップS14で両方の条件が満たされたと判断すると(Yes)、主制御CPU102は次に抽選処理を行う。抽選処理では、主制御CPU102は乱数発生カウンタから乱数(例えば10進数表記で0〜65535のいずれか)を取得し、その値をキャッシュする。そして主制御CPU102は、ROM102aから読み出した抽選テーブルを参照し、取得した乱数値がいずれかの当り値と一致しているか否かを判断する。抽選テーブルには、全乱数値(0〜65535)の中でいくつかの当選範囲及び非当選範囲が規定されており、さらに当選範囲に対しては何らかの当選種類(当選役)が割り当てられている。これら当選種類は、上述した図柄の「ベル」や「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「7」等に対応している。なお「7」は、色の違いにより複数の当選種類に対応する。また当選範囲には、複数の当選種類を兼ねるものもある。例えば、1つの当選範囲が「スイカ」と「7」を兼ねる場合があったり、「チェリー」と「7」を兼ねる場合があったりする。いずれにしても、全乱数値の数(65536)に占める当り値の数(N)で当選の確率(N/65536)が決められている。なお抽選テーブルは、上記の「設定1」〜「設定6」ごとに用意されており、一般的に「設定1」で最も当選の確率が低く、「設定6」で最も当選の確率が高い。
また主制御CPU102は、抽選の結果に基づいてRAM102上に抽選結果フラグをセットする。抽選結果フラグは、今回の遊技で抽選の結果を判別するために用いる内部情報であり、非当選であればデフォルトのままであり、当選であれば当選種類に応じた当選フラグがそれぞれセットされる。
なお、主制御CPU102は抽選処理を行うと、サブ制御CPU122に当選番号コマンドを送信する。当選番号コマンドには、抽選の結果が非当選であるか、または当選であればいずれの当選種類に該当するかの情報が含まれる。
ステップS18:次に主制御CPU102は、回胴回転処理を実行する。この処理では、主制御CPU102は前回の遊技でリール6,8,10の回転を始動してからの経過時間を確認する。主制御CPU102は例えばタイマカウンタを内蔵しており、このタイマカウンタの読み書き用レジスタには、予め設定された計時情報(例えば4.1秒)が記憶されている。前回の遊技でリール6,8,10の回転を始動させると、主制御CPU102は読み書き用レジスタの計時情報をタイマカウンタにロードし、その後、所定の割り込み周期ごとにタイマカウンタをデクリメントする。そして主制御CPU102は、タイマカウンタの値を読み書き用のレジスタを通じて参照し、その値が0になっていればリール駆動装置116に駆動パルスを出力する。これにより、3つのリール6,8,10が回転を開始する。
ステップS20:リール6,8,10を回転させると、次に主制御CPU102は回胴停止処理を実行する。この処理は、いわゆる「リール制御」に相当するものである。主制御CPU102はリール6,8,10の回転速度が一定になったことを確認すると、各停止ボタン20,22,24について停止操作センサ106の機能を有効にする。例えば、停止ボタン20,22,24にLEDが内蔵していれば、これを点灯させたり、発光色を切り替えたりする処理を合わせて行う。
次に主制御CPU102は、抽選結果フラグに対応するリール制御テーブルをROM102aから読み出してRAM102上に格納する。リール制御テーブルには、予め各リール6,8,10の停止位置を個別に制御するための情報が記録されている。具体的には、主制御CPU102が停止操作センサ106からの検出信号を受け付けた時点から、各リール6,8,10のステッピングモータを停止させるまでのステップ数(駆動パルスの出力回数)が記録されている。これにより、表示窓14内では見かけ上、有効ライン上に停止してはならない図柄が追い出されたり、逆に停止してよい図柄が引き込まれたりして停止(いわゆる「滑り」が発生)する。
また主制御CPU102は、いずれかの停止ボタン20,22,24について停止操作センサ106からの検出信号を受け取ると、リール制御テーブルに基づいてリール駆動装置116の動作を制御する。合わせて主制御CPU102は、停止操作センサ106から検出信号を受け取った順に第1停止フラグ、第2停止フラグ、第3停止フラグをそれぞれRAM102b上にセットするとともに、既に停止済みのリール6,8,10については、それぞれについて停止済みフラグをセットする。
主制御CPU102は回胴停止処理を実行すると、サブ制御CPU122に操作回胴コマンド、押下位置コマンド及び停止位置コマンドを送信する。このうち操作回胴コマンドには、左リール6、中リール8、右リール10のいずれについて停止操作がなされたかを表す情報が含まれる。また押下位置コマンドには、各リール6,8,10について、表示窓14内にいずれの図柄が位置する状態で停止ボタン20,22,24が押下されたかを表す情報が含まれる。そして停止位置コマンドには、各リール6,8,10の停止位置、つまり、表示窓14内の上段・中段・下段の各位置に停止した図柄の種類(いわゆる「出目」)を表す情報が含まれる。
回胴停止処理では、主制御CPU102がリール制御テーブルに基づいて各リール6,8,10の停止位置を個別に制御する結果、可能な限り当選種類に対応する図柄が有効ライン上に停止する。例えば、当選種類に対応する図柄が「スイカ」であり、そのときの有効ラインが下段に決定されているとする。この場合、たとえ「スイカ」の図柄が上段に位置するタイミングで停止ボタン20,22,24が操作されたとしても、下段位置に「スイカ」の図柄を停止させるべく、主制御CPU102はリール6,8,10を図柄2つ分だけ余計に回転させた位置で停止させる。なお、リール制御テーブルによって余計に回転させる(滑らせる)範囲は予め決まっている(例えば最大で図柄4つ分)ため、停止ボタン20,22,24が操作されたタイミングによっては下段の有効ライン上に「スイカ」の図柄が停止しないことがある。
ステップS22:主制御CPU102は、3つのリール6,8,10の全てが停止済みか否かを判断する。未だいずれかのリール6,8,10が回転中であれば(No)、主制御CPU102はステップS20の回胴停止処理を実行する。3つのリール6,8,10が全て停止したと判断すると(Yes)、主制御CPU102は次のステップS24に進む。
ステップS24:3つのリール6,8,10が全て停止済みになると、主制御CPU102は結果判定処理を行う。この処理では、主制御CPU102は表示窓14内の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様に基づいて遊技の結果を判定する。上記のように、下段の有効ライン上に「スイカ」の図柄が3つ揃って停止する組合せ態様が表示されていると、主制御CPU102は「スイカ」の小役に入賞したと判定する。これ以外にも、「ベル」の図柄の組合せ態様が表示されていたり、「チェリー」の図柄の組合せ態様が表示されていたりした場合、主制御CPU102はそれぞれ「ベル」、「チェリー」の小役に入賞したと判定する。
あるいは、「リプレイ」の図柄の組合せ態様が表示されていると、主制御CPU102は遊技の結果を再遊技と判定する。また、「7」の図柄の組合せ態様が表示されていた場合、主制御CPU102は遊技の結果を特別遊技状態への移行として判定する。特に図柄の組合せ態様が入賞や再遊技、特別遊技状態への移行に該当していなければ、主制御CPU102は遊技の結果を「その他」と判定する。「その他」と判定されるのは、そもそも抽選で非当選であった場合か、もしくは当選していても、ステップS20の回胴停止処理において当選に対応する図柄の組合せ態様を表示することができなかった場合である。前者の場合はいわゆる「はずれ」であるが、後者の場合は遊技者が停止ボタン20,22,24を操作するタイミングがリール制御テーブルの条件に合わなかったことに起因するため、いわゆる当選役の「取りこぼし」か、もしくは意図的な「はずし」である。
なお、結果判定処理で小役に入賞したと判定した場合、主制御CPU102は対応する払出予定数の値(例えば10,15等)をRAM102b上に書き込む。それ以外の場合、主制御CPU102は払出予定数の値を0(デフォルト)のままとする。
ステップS26:遊技の結果を判定すると、主制御CPU102は次に払出処理を行う。この処理では、主制御CPU102はRAM102に記録された払出予定数の値を参照して払出装置118の動作を制御する。クレジットモードの場合、払出予定数に0以外の値が記録されていれば、主制御CPU102はクレジット数カウンタの値を参照し、最大数に達していなければ、払出予定数の値をクレジット数カウンタの値に加算し、その分を払出予定数から減算する。クレジット数カウンタの値が最大数に達すると、主制御CPU102は払出装置118のモータに駆動信号を出力し、実際にメダルの払出動作を実行させる。そして主制御CPU102は、払出装置118の払出センサから検出信号を受け取ると、その分を払出予定数から減算し、値が0になると払出装置118のモータを停止させる。
また、主制御CPU102は払出処理を実行すると、サブ制御CPU122に回胴停止後コマンドを送信する。回胴停止後コマンドには、全てのリール6,8,10が停止した旨を表す情報が含まれる。なおメダルの払い出しがある場合、主制御CPU102は、図示しない外部端子板を通じて枚数分のメダルアウト信号を出力する。
なお、結果判定処理で再遊技と判定した場合、主制御CPU102は今回の遊技で記憶したベット数カウンタの値を保持(又は復元)してステップS10に移行する。この場合、上記のように新たなメダルの投入が受け付けられない。また、結果判定処理で特別遊技状態への移行と判定した場合、主制御CPU102はRAM102b上に特別遊技状態フラグをセットし、例えばメイン処理とは別の特別遊技中処理に移行する。それ以外の場合、主制御CPU102は当選フラグを消去して払出処理を終了し、ステップS10に戻る。ただし、特別遊技状態への移行に該当する当選フラグ(例えば「7」の図柄に対応するもの)がセットされていた場合であって、結果判定処理で図柄の組合せ態様が表示されていないと判定した場合、主制御CPU102は当選フラグを消去することなく払出処理を終了し、ステップS10に戻る。
特に図示しないが、上記の特別遊技中処理に移行すると、主制御CPU102は例えば「ビッグボーナスゲーム」や「レギュラーボーナスゲーム」等と称する特別遊技状態で遊技の進行を制御する。合わせて主制御CPU102は、図示しない外部端子板を通じて遊技ステータス信号を出力する。この場合、主制御CPU102はRAM102b上の当選フラグを消去し、また基本的な遊技情報(必要枚数、抽選テーブル等)を特別遊技中のものに書き換える。これにより、特別遊技状態に移行する前の通常時(通常遊技状態)とは異なる条件で遊技が進行する。特に抽選テーブルは、通常時のものより小役の当選確率が高く設定されているため、毎回の遊技で高確率で小役に当選し、その結果、高い頻度で入賞によるメダルの払い出しを受ける機会が遊技者に与えられる。なお特別遊技状態は、その間の払出枚数が規定枚数に達したときの遊技で終了となる。
〔演出制御メイン処理〕
次に図4は、サブ制御CPU122により実行される演出制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。この演出制御メイン処理は、スロットマシン1の電源投入後に実行される。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS40:サブ制御CPU122は、コマンド待ち処理を実行する。コマンド待ち処理では、サブ制御CPU122は主制御CPU102から送信されるコマンドを待ち受ける。通常、遊技の進行に伴って主制御CPU102から送信されるコマンドは、時系列順にすると以下の通りとなる。
(1)投入処理コマンド・・・メダルを投入又はベットボタン30,32を押下する投入操作が受け付けられたことを表す。
(2)始動操作コマンド・・・スタートレバー18を押下する始動操作が受け付けられたことを表す。
(3)当選番号コマンド・・・抽選の結果が非当選であるか、もしくは当選であれば、その当選種類(小役、リプレイ、ボーナス)を表す。
(4)回胴回転コマンド・・・リール6,8,10の回転が開始したこと(回胴始動)を表す。
(5)操作回胴コマンド・・・左リール6、中リール8、右リール10のいずれについて停止ボタン20,22,24が操作されたかを表す。
(6)押下位置コマンド・・・各リール6,8,10について、表示窓14内にどの図柄が位置するタイミングで停止ボタン20,22,24が押下されたかを表す。
(7)停止番号コマンド・・・各リール6,8,10について、表示窓14内にどの図柄が停止したかを表す。
(8)回胴停止後コマンド・・・全てのリール6,8,10が停止したことを表す。
上記(1)〜(8)のコマンドは、遊技者の操作が受け付けられたことに応じて順番に送信されるものである。したがってサブ制御CPU122は、コマンド待ち処理でいずれかのコマンドを受信すると、以下の各ステップS42,S44,S46,S48を通じてコマンドの種類を解析し、その結果に基づいて処理を分岐させている。
ステップS42:コマンド待ち処理で主制御CPU102からコマンドを受信すると、サブ制御CPU122はコマンドの種類が抽選に関するものであるか否かを判断する。抽選に関するコマンドには、上記(3)の当選番号コマンドが該当する。
ステップS44:主制御CPU102から受信したコマンドが抽選コマンドでなければ(ステップS42:No)、サブ制御CPU122はコマンドの種類が操作に関するものであるか否かを判断する。操作に関するコマンドには、例えば上記(1)の投入処理コマンド、(2)の始動操作コマンド及び(5)の操作回胴コマンドが該当する。
ステップS46:主制御CPU102から受信したコマンドがさらに操作に関するコマンドでもなければ(ステップS44:No)、サブ制御CPU122はコマンドの種類が上記(7)の停止番号コマンドに該当するか否かを判断する。
ステップS48:主制御CPU102から受信したコマンドがさらに停止番号コマンドにも該当していなければ(ステップS46:No)、サブ制御CPU122はコマンドの種類が上記(8)の回胴停止後コマンドに該当するか否かを判断する。
ステップS50:主制御CPU102から受信したコマンドがさらに回胴停止コマンドにも該当していなければ(ステップS48:No)、サブ制御CPU122はその他の処理を実行する。例えば上記(4)の回胴回転コマンドを受信した場合、サブ制御CPU122は例えば音響駆動部124に対してリール始動音を出力させる指示を与える。これにより、リール6,8,10が回転を開始する際にスピーカ128から効果音を出力する演出が実行される。
また、ステップS50で主制御CPU102からエラー(メダル逆行、メダル切れ等)に関するコマンドを受信した場合、サブ制御CPU122は音響駆動部124やランプ駆動部126、表示制御CPU144にエラー情報を出力させる指示を与える。あるいは、主制御CPU102から上記(6)の押下位置コマンドを受信した場合、サブ制御CPU122はリール6,8,10ごとにコマンドの内容をRAM122bに記憶させる。
ステップS52:主制御CPU102から(3)の当選番号コマンドを受信した場合(ステップS42:Yes)、サブ制御CPU122は演出内容の抽選を行う。この抽選は、例えばROM122aに格納されている「演出抽選テーブル」に基づいて行われる。ROM122aのテーブル格納領域には、複数のテーブルデータを含む演出テーブル群が格納されている。演出テーブル群は、大きく分けて「演出抽選テーブル」と「演出データテーブル」とに分類される。このうち「演出抽選テーブル」は、演出実行の可否を含めた演出内容を抽選で決定するためのものである。また「演出データテーブル」は、演出内容の中身を詳細に規定したものである。なお、「演出抽選テーブル」や「演出データテーブル」の詳細については別図を参照しながら後述する。
ステップS54:サブ制御CPU122は、先のステップS52で演出内容の抽選に当選したか否かを確認する。非当選の場合(No)、サブ制御CPU122はステップS40のコマンド待ち処理に戻り、今回の遊技では「演出データテーブル」を用いた演出の実行を指示しない。なおこの場合、液晶表示器44には通常時の画像が表示されたままとなる。通常時の画像とは、例えば何らかの場所、場面等を想起させる背景(ステージ)の中にキャラクター等の人物が存在している状態を示したものであり、そこから見かけ上の大きな変化(ストーリー的な発展)が見られないものが該当する。
ステップS56:先のステップS52で演出内容の抽選に当選した場合(Yes)、サブ制御CPU122は演出組合せデータを取得する。演出組合せデータは、「演出データテーブル」中の「演出組合せデータテーブル」を参照することで取得される。
ステップS58:次にサブ制御CPU122は、前回の遊技で取得した演出組合せデータを削除する。なお、本実施形態における演出組合せデータの取得については、別の図面を用いて詳しく後述する。
以上のステップS54〜ステップS58は主にスタートレバー18の操作が受け付けられた場合の処理であるが、それ以外の投入操作や停止操作が受け付けられた場合は以下の処理が行われる。
ステップS60:主制御CPU102から操作に関するコマンドを受信した場合(ステップS44:Yes)、サブ制御CPU122は実行予定の演出があるか否かを確認する。具体的には、サブ制御CPU122はRAM122b上の格納領域にアクセスし、先のステップS56で取得した演出組合せデータの有無を確認する。このとき演出組合せデータを取得済みであることを確認すると(Yes)、サブ制御CPU122は次のステップS62に進む。
ステップS62:サブ制御CPU122は演出実行処理を実行する。演出実行処理の詳細については後述するが、ここでは実際に液晶表示器44やスピーカ128、トップランプ38、左右のパネルランプ40,42等による演出動作が制御される。
ステップS64:先のステップS60で操作に関するコマンドを受信しても、そのとき演出組合せデータを取得済みであることが確認されなければ(ステップS62:No)、サブ制御CPU122はその他演出処理を実行する。この処理は、ステップS50と同種のものである。例えば(1)の投入処理コマンドを受信していた場合、サブ制御CPU122は音響駆動部124に対してメダル投入音を出力させる指示を与える。あるいは(5)の操作回胴コマンドを受信していた場合、サブ制御CPU122は音響駆動部124に対してリール停止音を出力させる指示を与える。これにより、遊技者による操作に応じてスピーカ128から各種の効果音を出力する演出が実行される。
ステップS66:主制御CPU102から上記(7)の停止番号コマンドを受信した場合(ステップS46:Yes)、サブ制御CPU122は停止したリール6,8,10の位置、つまり、表示窓14内でいずれの図柄が表示されているか(いわゆる「停止出目」)をRAM122bに記憶させる。
ステップS68:サブ制御CPU122は、RAM122bに記憶させた停止出目に基づいて出目演出処理を実行する。例えば、現時点で左リール6に続き中リール8が停止し、右リール10が未だ回転中である場合を想定する。サブ制御CPU122は、RAM122bに記憶させた停止出目を参照し、左リール6及び中リール8の2つについて、有効ライン上に「7」の図柄が2つまで揃った状態(いわゆる「テンパイ」の状態)であることが確認されると、音響駆動部124及びランプ駆動部126に対して出目演出を指示する。これにより、例えばスピーカ128から効果音(いわゆる「テンパイ音」)を出力させたり、左右のパネルランプ40,42を点灯・点滅させたりする演出が実行される。なお、特に演出を実行する必要がなければ(いわゆる「テンパイ」でない場合)、サブ制御CPU122はステップS68で演出を指示しない。
ステップS70:主制御CPU102から上記(8)の回胴停止後コマンドを受信した場合(ステップS48:Yes)、サブ制御CPU122は結果判定演出処理を実行する。この処理では、RAM122bに記憶させた停止出目を参照し、3つのリール6,8,10により有効ライン上に何らかの図柄の組合せ態様が表示されたか否かを確認する。その結果、例えば「ベル」や「スイカ」等の図柄が有効ライン上に3つ揃う組合せ態様が表示されていれば、音響駆動部124及びランプ駆動部126に対して入賞演出を指示する。これにより、スピーカ128からメダルの払出音を出力させたり、トップランプ38や左右のパネルランプ40,42を点灯・点滅させたり、あるいは、リール6,8,10のバックランプを点滅させて有効ライン上の各図柄を強調したりする演出が実行される。
このように、サブ制御CPU122は上記の演出制御メイン処理を実行し、遊技の進行に伴う演出動作を制御している。さらに本実施形態では、ステップS56で取得した演出組合せデータに基づき、遊技者による始動操作、第1停止操作〜第3停止操作、そして投入操作が順番に受け付けられたことに応じて、サブ制御CPU122は段階的に変化(又は進行)していく内容の演出の実行を制御している。以下、段階的な演出の実行とサブ制御CPU122による制御の詳細について説明する。
サブ制御CPU122により段階的な演出の実行が制御されるのは、先のステップS54で演出内容の抽選に当選した場合である。先ず、演出内容の抽選について詳細に説明する。
図5は、演出制御メイン処理のステップS54で演出内容の抽選に用いられる「演出抽選テーブル」の一例を示したものである。この「演出抽選テーブル」は、「非当選」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「ビッグボーナス(BBと表記)」及び「レギュラーボーナス(RBと表記)」の各抽選結果に対して、それぞれ規定の確率で複数の演出番号を割り当てるものである。サブ制御CPU122は、例えばRAM122b上に抽選用乱数の格納領域を確保しており、この抽選用乱数の値(例えば0〜65535)を一定の割り込み周期(例えば数ミリ秒周期)でインクリメントしている。そしてサブ制御CPU122は、演出内容の抽選を行うタイミングで抽選用乱数の値を別の記憶領域にキャッシュし、この値が「演出抽選テーブル」中の当選値に該当していれば、それによって対応する演出番号を選択する。
具体的には、図5中に例えば「29000」と表記されているものは、その当選値が29000個あることを意味する。全乱数値の数である「65536」を分母とすると、抽選結果が「非当選」の場合に「演出番号1」が割り当てられる確率は65536分の29000である。同様に、抽選結果が「リプレイ」の場合に「演出番号1」が割り当てられる確率は65536分の6400であり、抽選結果が「チェリー」の場合に「演出番号3」が割り当てられる確率は65536分の8000である。一方、抽選結果が「ビッグボーナス」又は「レギュラーボーナス」の場合に「演出番号1」〜「演出番号3」が割り当てられる確率はいずれも0である。逆に、抽選結果が「ビッグボーナス」又は「レギュラーボーナス」以外の場合に「演出番号34」又は「演出番号35」が割り当てられる確率は0である。なお、図5では煩雑化を防止するため、当選値の数と演出番号の対応について一部だけを表記している。
いずれにしても、サブ制御CPU122は「演出抽選テーブル」に基づき、演出を実行するか否かと、演出を実行する場合はその演出内容(具体的には「演出番号1〜N」)を抽選で決定する。したがって、当選番号コマンドで表される抽選結果が「非当選」であれば、サブ制御CPU122は「演出抽選テーブル」の中から「非当選」のカラムを参照し、そのとき抽選用乱数の値に対応する「演出番号1〜N」を選択する。このとき抽選用乱数の値が当選値に該当していなければ、サブ制御CPU122は特に「演出番号」を選択しない。この場合、演出内容の抽選には当選しなかったことになる。
次に図6は、上記の「演出データテーブル」に属する「演出組合せデータテーブル」の一例を示したものである。この「演出組合せデータテーブル」では、始動操作時(「レバー押下時」と表記)、第1停止操作時〜第3停止操作時(「第1押下時」〜「第3押下時」と表記)及び投入操作時(「ベット押下時」と表記)の各段階で実行するべき演出の基本データが定義されている。さらに演出基本データは、先のステップS54で選択した「演出番号1」〜「演出番号N」ごとに組合せが定義されている。なお図6では煩雑化を防止するため、「演出番号1〜N(数千程度)」の一部のデータだけを示している。
例えば、サブ制御CPU122が演出内容の抽選で「演出番号1216」を選択した場合を想定する。この場合、次にサブ制御CPU122は「演出組合せデータテーブル」を参照し、そこからレバー押下時「0660」、第1押下時「0611」、第2押下時「0002」、第3押下時「0640」及びベット押下時「0009」の演出組合せデータを取得する。そしてサブ制御CPU122は、取得した演出組合せデータをRAM122b上の格納領域に格納する。なお上記の処理は、演出制御メイン処理中のステップS56で行われる。
次にサブ制御CPU122は、取得した演出組合せデータに基づいて演出基本データを生成する。演出基本データは、遊技者による始動操作、第1〜第3停止操作、そして投入操作が受け付けられるごとに実行するべき演出の詳細を具体的に規定したものとなる。
図7は、演出基本データの一例を示す図である。図7では、上記のようにサブ制御CPU122が「演出番号1216」を選択し、それによって「演出組合せデータテーブル」から「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」の演出組合せデータを取得した場合を想定している。
一方、ROM122a内には、演出組合せデータの「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」にそれぞれ対応して、以下の複数種類の演出基本データが予め格納されている。
(1)トップランプ演出用パターンデータ番号・・・トップランプ38の点灯パターンを規定するもの。
(2)左パネルランプ演出用パターンデータ番号・・・左パネルランプ40の点灯パターンを規定するもの。
(3)右パネルランプ演出用パターンデータ番号・・・右パネルランプ42の点灯パターンを規定するもの。
(4)サウンド演出用パターンデータ番号・・・スピーカ128から出力させる音(例えば音声、楽曲、効果音等)の内容を規定するもの。
(5)画像演出用パターンデータ番号・・・液晶表示器44により表示させる画像(動画を表示させる画像群を含む)の内容を規定するもの。
(6)実行時間・・・開始から終了(演出の完了)までの所要時間を規定するもの。
(7)優先順位・・・演出基本データ内での相対的な優先順位の高低を規定するもの。
なお、上記(1)〜(3)で規定する各点灯パターンは、例えばLEDに印加する駆動電圧の波形パターンとして記述されている。波形パターンには、LEDを全点灯又は全消灯させる場合の他、点灯時の階調をデューティ制御するパターンも含まれる。
サブ制御CPU122は、演出組合せデータの「0660」,「0611」,「0002」,「0640」及び「0009」にそれぞれ対応する演出基本データをROM122aから読み出し、これらを番号別のグループに配列してRAM122bの格納領域に記憶させる。図7中、最も上位に配列されている演出基本データのグループ(番号「0660」)は、段階的な演出の中で最初に使用されるものであり、段階が進むにつれて番号「0611」,「0002」,「0640」,「0009」の順番に各演出基本データのグループが使用されることになる。なお図7は、演出基本データとしてRAM122bのメモリ空間上に配列された値(コード)を可視(文字)化して示したものである。
以上のように、サブ制御CPU122が演出基本データを生成し、これをRAM122bの格納領域に記憶させると、次にサブ制御CPU122は、演出実行処理(ステップS62)及びコマンド待ち処理(ステップS40)において液晶表示器44やスピーカ128、ランプ38,40,42等の動作を具体的に制御する。
図8は、演出実行処理の手順を詳細に示すフローチャートである。また図9は、コマンド待ち処理(ステップS40)の手順を詳細に示すフローチャートである。以下、図8,図9を参照して、以降の処理を各手順に沿って説明する。
〔図8:演出実行処理〕
ステップS600:サブ制御CPU122は、演出タイマーの値が0であるか否かを確認する。RAM122b上には、演出タイマーの値を格納する領域が確保されており、この演出タイマーの値は、これ以降のステップS604において、演出の段階ごとに演出基本データ中の実行時間を参照してセットされる。この時点では未だステップS604を実行しておらず、演出タイマーの値は0なので(Yes)、サブ制御CPU122は次にステップS602に進む。
ステップS602:サブ制御CPU122は、演出基本データの実行を各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)に指示する。なお演出基本データは、演出の段階ごとに使用される。例えば便宜上、本実施形態において始動操作時を「第1段階」、第1停止操作時を「第2段階」、第2停止操作時を「第3段階」、第3停止操作時を「第4段階」、そして投入操作時を「第5段階」とすると、第1段階の演出では、図7中の最も上位に配列された演出基本データ(番号「0660」)の実行が指示される。
これにより、音響駆動部124に対してはサウンド演出用パターンデータ番号「0001」の実行が指示され、また、表示ユニット140に対しては画像演出用パターンデータ番号「0021」の実行が指示される。これを受けて音響駆動部124は、指示された番号「0001」に対応する音源ファイルをサウンドROMから読み出し、音声や楽曲、効果音等を再生してスピーカ128から出力させる処理を行う。また表示ユニット140では、表示制御VDP146が指示された番号「0021」に対応する画像(動画)ファイルを画像ROM146aから読み出し、これを元に液晶表示器44を駆動して実際の画像(動画)を表示させる処理を行う。
ステップS604:演出の実行に伴い、サブ制御CPU122は演出タイマーの値をセットする。演出の第1段階では、図7中の最も上位に配列されている実行時間「1800ms」が演出タイマーの値にセットされる。
以上の手順を終えると、ひとまずサブ制御CPU122は演出制御メイン処理に戻る(リターン)。続いてサブ制御CPU122は、演出制御メイン処理のステップS40に進み、図9のコマンド待ち処理を実行する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
ステップS400:サブ制御CPU122は、演出タイマーデクリメント処理を実行する。この処理では、例えばサブ制御CPU122が有する基本クロックを用いて経過時間をRAM122bに累計しておき、その累計値を演出タイマーの値から減算する。
ステップS402:次にサブ制御CPU122は、演出タイマーの値が0になったか否かを確認する。未だ演出タイマーの値が0でなければ(No)、サブ制御CPU122はステップS412に進む。
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102からコマンドを受信したか否かを確認する。コマンドを受信していない間は(No)、サブ制御CPU122はステップS400及びステップS402を繰り返し実行する。これにより、時間の経過に伴い演出タイマーの値がデクリメントされていくことになる。
〔始動操作→第1停止操作時〕
演出タイマーの値が0になるまで間は、第1段階の演出を実行中であると考えることができる。ただし、第1段階の演出が実行中であっても、遊技者による次の操作が受け付けられることがある。このような場合、本実施形態では演出基本データ中の優先順位を参照して以下の制御が行われる。
サブ制御CPU122はステップS412でコマンドを受信したことを確認し(Yes)、演出制御メイン処理に復帰する。そしてサブ制御CPU122は、ステップS44で操作に関するコマンドを受信したと判断する(ステップS44:Yes)。また、次のステップS60では、RAM122bに演出組合せデータが記憶されていることを確認すると(ステップS60:Yes)、次に演出実行処理(図8)に移行する。
〔図8:演出実行処理〕
ステップS600:ここでもサブ制御CPU122は、演出タイマーの値が0になったか否かを確認するが、第1制御例では演出タイマーの値が0になる前に演出実行処理に移行するので(No)、サブ制御CPU122は次にステップS606に進む。
ステップS606:サブ制御CPU122は、ここで次の段階(第2段階)の演出基本データ中の優先順位「3」を参照し、現在(第1段階)の優先順位「7」と比較する。その結果、次の段階の優先順位の方が低いことを確認し(No)、サブ制御CPU122は以下の第1制御例に示す手順を実行する。
〔第1制御例・・・先の段階の優先順位 > 後の段階の優先順位〕
ステップS608:サブ制御CPU122は、次の段階の演出基本データを保留にする。この場合、サブ制御CPU122は引き続き第1段階の演出基本データをRAM122b上でカレントの値として扱い、第2段階の演出基本データに対して保留フラグをセットする。なおRAM122b上の演出基本データの格納領域には、保留フラグを書き込むためのビットが予め確保されている。この結果、各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126)では引き続き、先の第1段階の演出基本データを実行する指示が有効のまま維持される。そして、サブ制御CPU122は演出実行処理から演出制御メイン処理に復帰すると、コマンド待ち処理(図9)に移行する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
サブ制御CPU122は、ステップS400で同じく演出タイマーデクリメント処理を行い、次にステップS402で演出タイマーの値が0になったか否かを確認する。この後、時間の経過に伴い演出タイマーの値が0になると(Yes)、サブ制御CPU122は次にステップS404に進む。
ステップS404:サブ制御CPU122は、保留している演出基本データがあるか否かを確認する。第1制御例では、第2段階の演出基本データが保留になっているため(Yes)、サブ制御CPU122は次にステップS406を実行する。
ステップS406:サブ制御CPU122は、それまで保留にしていた第2段階の演出基本データの実行を各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)に指示する。具体的には、図7中の最上位から2番目に配列された演出基本データ(番号「0611」)の実行が指示されることになる。
これにより、音響駆動部124に対してはサウンド演出用パターンデータ番号「0001」の実行が指示され、また、表示ユニット140に対しては画像演出用パターンデータ番号「0022」の実行が指示される。音響駆動部124は、引き続き指示された番号「0001」に対応する音源ファイルをサウンドROMから読み出し、音声や楽曲、効果音等を再生してスピーカ128から出力させる処理を行う。また表示ユニット140では、表示制御VDP146が指示された番号「0022」に対応する画像(動画)ファイルを画像ROM146aから読み出し、これを元に液晶表示器44を駆動して実際の画像(動画)を表示させる処理を行う。
ステップS408:次にサブ制御CPU122は、ここで次の第2段階の演出タイマーを新たにセットする。これにより、第2段階の演出基本データ中の実行時間「1000ms」が演出タイマーの値にセットされる。
ステップS410:サブ制御CPU122は、実行した演出を保留から削除する。これにより、第2段階の演出基本データについて、それまでの保留フラグが消去される。なお、ステップS408とステップS410の順序は入れ替えてもよい。
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102から次にコマンドを受信するまでの間(No)、ステップS400で演出タイマーをデクリメントしながらコマンドの受信待ちとなる(ステップS412:No)。この間に演出タイマーの値が0になった場合であっても(ステップS402:Yes)、サブ制御CPU122はステップS404で保留にしている演出基本データがないことを確認すると(Yes)、引き続きステップS412で主制御CPU102からのコマンドを待ち受ける。
〔第1制御例のまとめ〕
以上のように、第2段階の演出よりも第1段階の演出の優先順位が高かった場合、第2段階の演出に対応する第1停止操作が受け付けられた場合であっても、サブ制御CPU122は後に続く第2段階の演出を保留にして、優先順位が高い第1段階の演出の実行を優先する。これにより、遊技者が始動操作に続いて第1停止操作をスピーディーに行った場合でも、第1段階の演出を充分に遊技者に対して訴求させることができる。
また、第2段階の演出が保留されていても、第1段階の演出が予定通り完了すると、その後に第2段階の演出が実行されるため、保留されている第2段階の演出にも遊技者が触れる機会を充分に確保することができる。
さらに遊技の進行との関係からみれば、第1段階の演出を優先することで以下の利点がある。すなわち、遊技者がスタートレバー18を操作すると、これを契機に主制御CPU102により内部的な抽選が実行され、当選か非当選かがその段階で既に決定している。ただし抽選の結果は、これを遊技者が直ちに感得できないことから、遊技者は演出の内容からこれを推測しようとする傾向にある。第1段階の演出は始動操作に応じて実行されるものであるから、遊技者に対して何らかの事項(当選の可能性)を示唆するための演出に適しており、たとえ第1段階の演出を実行中に次の第1停止操作が素早く行われたとしても、引き続き第1段階の演出を継続することにより、遊技者に対して演出に接する機会を確実に保証することができる。
〔第1→第2停止操作時〕
続いて、第2停止操作が受け付けられた場合の制御内容について説明する。ここでは、第1停止操作時の演出基本データを実行中であり、コマンド待ち処理(図9)のステップS402において、演出タイマーの値が未だ0でない間に次の第2停止操作が受け付けられた場合を想定する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102から第2停止操作時の操作回胴コマンドを受信すると(Yes)、図4の演出制御メイン処理に復帰する。そしてサブ制御CPU122は、操作に関するコマンドを受信したことを確認すると(ステップS44:Yes)、続いて実行予定の演出基本データ(第3段階)がRAM122bに記憶されていることを確認し(ステップS60:Yes)、図8の演出実行処理に進む。
〔図8:演出実行処理〕
ステップS600:上記のように、ここでは第2段階の演出基本データを実行中であるので、演出タイマーの値は未だ0になっていない(No)。したがってサブ制御CPU122は次にステップS606に進む。
ステップS606:サブ制御CPU122は、ここで次の段階(第3段階)の演出基本データ中の優先順位「9」を参照し、現在(第2段階)の優先順位「7」と比較する。その結果、次の段階の優先順位の方が高いことを確認し(Yes)、サブ制御CPU122は以下の第2制御例に示す手順を実行する。
〔第2制御例・・・先の段階の優先順位 < 後の段階の優先順位〕
ステップS602:サブ制御CPU122は、第3段階の演出基本データの実行を各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)に指示する。具体的には、図7中の最上位から3番目に配列された演出基本データ(番号「0002」)の実行が指示されることになる。
これにより、音響駆動部124に対してはサウンド演出用パターンデータ番号「0001」の実行が指示され、また、表示ユニット140に対しては画像演出用パターンデータ番号「0023」の実行が指示される。音響駆動部124は、引き続き指示された番号「0001」に対応する音源ファイルをサウンドROMから読み出し、音声や楽曲、効果音等を再生してスピーカ128から出力させる処理を行う。また表示ユニット140では、表示制御VDP146が指示された番号「0023」に対応する画像(動画)ファイルを画像ROM146aから読み出し、これを元に液晶表示器44を駆動して実際の画像(動画)を表示させる処理を行う。
ステップS604:次にサブ制御CPU122は、ここで次の第3段階の演出タイマーを新たにセットする。これにより、第3段階の演出基本データ中の実行時間「1900ms」が演出タイマーの値にセットされる。
以上の手順を終えると、ひとまずサブ制御CPU122は演出制御メイン処理に戻る(リターン)。続いてサブ制御CPU122は、演出制御メイン処理のステップS40に進み、図9のコマンド待ち処理を実行する。そしてサブ制御CPU122は、ステップS400で演出タイマーをデクリメントしながらコマンドの受信待ちとなる(ステップS412:No)。この間、各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126)では第3段階の演出基本データを実行する指示に基づいて演出動作が行われる。なお、この間に演出タイマーの値が0になった場合であっても(ステップS402:Yes)、サブ制御CPU122はステップS404で保留にしている演出基本データがないことを確認すると(Yes)、引き続きステップS412で主制御CPU102からのコマンドを待ち受ける。
〔第2制御例のまとめ〕
以上のように、第2段階の演出よりも次の第3段階の演出の優先順位が高かった場合、第2停止操作が受け付けられたことに応じてサブ制御CPU122は、現在実行中の第2段階の演出から第3段階の演出に切り替える制御を実行する。したがって、遊技者が第1停止操作に続いて第2停止操作をスピーディーに行うと、これに応じて第3段階の演出を遊技者に対して迅速に訴求させることができる。
また遊技者からみれば、自己が第2停止操作を行ったことに応じて演出の内容が切り替わる変化に接するため、遊技が具体的に進行していることを改めて実感しやすくなる。したがって、それまで第2段階の演出に遊技者があまり興味を示していなかったとしても、遊技の進行に合わせて第3段階に進んだ演出の内容に対して遊技者の興味を引きつけることができる。
さらに遊技の進行との関係からみれば、第3段階の演出を優先することで以下の利点がある。例えば、遊技者が第1停止操作に続いて第2停止操作を行い、左リール6に続いて中リール8が停止した場合を想定する。このとき表示窓14内に表示されている図柄の組合せ態様から、遊技者が何らかの当選が得られた可能性があることを推測した場合、第2停止のタイミングで演出の内容を素早く第3段階に切り替えることにより、遊技者に対する訴求力を充分に発揮することができる。
〔第2→第3停止操作時〕
続いて、第3停止操作(最終停止操作)が受け付けられた場合の制御内容について説明する。ここでは、第2停止操作時の演出基本データを実行中であり、コマンド待ち処理(図9)のステップS402において、演出タイマーの値が未だ0でない間に第3停止操作が受け付けられた場合を想定する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102から第3停止操作時の操作回胴コマンドを受信すると(Yes)、図4の演出制御メイン処理に復帰する。そしてサブ制御CPU122は、操作に関するコマンドを受信したことを確認すると(ステップS44:Yes)、続いて実行予定の演出基本データ(第4段階)がRAM122bに記憶されていることを確認し(ステップS60:Yes)、図8の演出実行処理に進む。
〔図8:演出実行処理〕
ステップS600:上記のように、ここでは第3段階の演出基本データを実行中であるので、演出タイマーの値は未だ0になっていない(No)。したがってサブ制御CPU122は次にステップS606に進む。
ステップS606:サブ制御CPU122は、ここで次の段階(第4段階)の演出基本データ中の優先順位「2」を参照し、現在(第3段階)の優先順位「9」と比較する。その結果、次の段階の優先順位の方が低いことを確認し(No)、サブ制御CPU122は以下の第3制御例に示す手順を実行する。なお第3制御例は、基本的に上記の第1制御例と同じである。
〔第3制御例〕
ステップS608:サブ制御CPU122は、引き続き第3段階の演出基本データをRAM122b上でカレントの値として扱い、第4段階の演出基本データに対して保留フラグをセットする。この結果、各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126)では引き続き、先の第3段階の演出基本データを実行する指示が有効のまま維持される。そして、サブ制御CPU122は演出実行処理から演出制御メイン処理に復帰すると、コマンド待ち処理(図9)に移行する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
サブ制御CPU122は、ステップS400で同じく演出タイマーデクリメント処理を行い、次にステップS402で演出タイマーの値が0になったか否かを確認する。この後、時間の経過に伴い演出タイマーの値が0になると(Yes)、サブ制御CPU122は次にステップS404に進む。
ステップS404:サブ制御CPU122は、保留している演出基本データがあるか否かを確認する。ここでは、第4段階の演出基本データが保留になっているため(Yes)、サブ制御CPU122は次にステップS406を実行する。
ステップS406:サブ制御CPU122は、それまで保留にしていた第4段階の演出基本データの実行を各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)に指示する。具体的には、図7中の最上位から4番目に配列された演出基本データ(番号「0640」)の実行が指示されることになる。
これにより、音響駆動部124に対してはサウンド演出用パターンデータ番号「0001」の実行が指示され、また、表示ユニット140に対しては画像演出用パターンデータ番号「0022」の実行が指示される。音響駆動部124は、引き続き指示された番号「0001」に対応する音源ファイルをサウンドROMから読み出し、音声や楽曲、効果音等を再生してスピーカ128から出力させる処理を行う。また表示ユニット140では、表示制御VDP146が指示された番号「0022」に対応する画像(動画)ファイルを画像ROM146aから読み出し、これを元に液晶表示器44を駆動して実際の画像(動画)を表示させる処理を行う。
ステップS408:次にサブ制御CPU122は、ここで次の第4段階の演出タイマーを新たにセットする。これにより、第4段階の演出基本データ中の実行時間「800ms」が演出タイマーの値にセットされる。
ステップS410:サブ制御CPU122は、実行した演出を保留から削除する。これにより、第4段階の演出基本データについて、それまでの保留フラグが消去される。
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102から次にコマンドを受信するまでの間(No)、ステップS400で演出タイマーをデクリメントしながらコマンドの受信待ちとなる(ステップS412:No)。この間に演出タイマーの値が0になった場合であっても(ステップS402:Yes)、サブ制御CPU122はステップS404で保留にしている演出基本データがないことを確認すると(Yes)、引き続きステップS412で主制御CPU102からのコマンドを待ち受ける。
〔第3制御例のまとめ〕
以上のように、第4段階の演出よりも第3段階の演出の優先順位が高かった場合、第4段階の演出に対応する第3停止操作が受け付けられた場合であっても、サブ制御CPU122は後に続く第4段階の演出を保留にして、優先順位が高い第3段階の演出の実行を優先する。これにより、遊技者が第2停止操作に続いて第3停止操作をスピーディーに行った場合でも、その前の第3段階の演出を充分に遊技者に対して訴求させることができる。
また、第4段階の演出が保留されていても、第3段階の演出が予定通り完了すると、その後に第4段階の演出が実行されるため、保留されている第4段階の演出にも遊技者が触れる機会を充分に確保することができる。
さらに遊技の進行との関係からみれば、第3段階の演出を優先することで以下の利点がある。上記のように、遊技者が第2停止操作を行った時点で、表示窓14内に表示されている図柄の組合せ態様から何らかの当選が得られた可能性があることを推測した場合を想定する。この場合、たとえ第3停止操作を素早く行ったとしても、先の第3段階の演出を継続しておくことで、遊技者が自己の推測について何らかの根拠を演出内容に求めようとする欲求に対し、充分な訴求力を発揮させることができる。
〔第3停止操作→投入操作時〕
続いて、第3停止操作後に投入操作(ベットボタン30,32の押下、又はメダルの投入)が受け付けられた場合の制御内容について説明する。ここでは、第3停止操作時の演出基本データを実行中であり、コマンド待ち処理(図9)のステップS402において、演出タイマーの値が未だ0でない間に次の投入操作が受け付けられた場合を想定する。
〔図9:コマンド待ち処理〕
ステップS412:サブ制御CPU122は、主制御CPU102から投入処理コマンドを受信すると(Yes)、図4の演出制御メイン処理に復帰する。そしてサブ制御CPU122は、操作に関するコマンドを受信したことを確認すると(ステップS44:Yes)、続いて実行予定の演出基本データ(第5段階)がRAM122bに記憶されていることを確認し(ステップS60:Yes)、図8の演出実行処理に進む。
〔図8:演出実行処理〕
ステップS600:上記のように、ここでは第4段階の演出基本データを実行中であるので、演出タイマーの値は未だ0になっていない(No)。したがってサブ制御CPU122は次にステップS606に進む。
ステップS606:サブ制御CPU122は、ここで次の段階(第5段階)の演出基本データ中の優先順位「4」を参照し、現在(第4段階)の優先順位「2」と比較する。その結果、次の段階の優先順位の方が高いことを確認し(Yes)、サブ制御CPU122は以下の第4制御例に示す手順を実行する。なお第4制御例は、上記の第2制御例と基本的に同様である。
〔第4制御例〕
ステップS602:サブ制御CPU122は、第5段階の演出基本データの実行を各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)に指示する。具体的には、図7中の最下位に配列された演出基本データ(番号「0009」)の実行が指示されることになる。
これにより、音響駆動部124に対してはサウンド演出用パターンデータ番号「0001」の実行が指示され、また、表示ユニット140に対しては画像演出用パターンデータ番号「0025」の実行が指示される。音響駆動部124は、引き続き指示された番号「0001」に対応する音源ファイルをサウンドROMから読み出し、音声や楽曲、効果音等を再生してスピーカ128から出力させる処理を行う。また表示ユニット140では、表示制御VDP146が指示された番号「0025」に対応する画像(動画)ファイルを画像ROM146aから読み出し、これを元に液晶表示器44を駆動して実際の画像(動画)を表示させる処理を行う。
ステップS604:次にサブ制御CPU122は、ここで次の第5段階の演出タイマーを新たにセットする。これにより、第5段階の演出基本データ中の実行時間「1500ms」が演出タイマーの値にセットされる。
以上の手順を終えると、ひとまずサブ制御CPU122は演出制御メイン処理に戻る(リターン)。続いてサブ制御CPU122は、演出制御メイン処理のステップS40に進み、図9のコマンド待ち処理を実行する。そしてサブ制御CPU122は、ステップS400で演出タイマーをデクリメントしながらコマンドの受信待ちとなる(ステップS412:No)。この間、各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126)では第5段階の演出基本データを実行する指示に基づいて演出動作が行われる。なお、この間に演出タイマーの値が0になった場合であっても(ステップS402:Yes)、サブ制御CPU122はステップS404で保留にしている演出基本データがないことを確認すると(Yes)、引き続きステップS412で主制御CPU102からのコマンドを待ち受ける。
〔第4制御例のまとめ〕
以上のように、第4段階の演出よりも次の第5段階の演出の優先順位が高かった場合、次の投入操作が受け付けられたことに応じてサブ制御CPU122は、現在実行中の第4段階の演出から第5段階の演出に切り替える制御を実行する。したがって、遊技者が第3停止操作に続いて次に投入操作をスピーディーに行うと、これに応じて第5段階の演出を遊技者に対して迅速に訴求させることができる。
また遊技者からみれば、自己が次の投入操作を行ったことに応じて演出の内容が切り替わる変化に接するため、遊技が具体的に進行していることを改めて実感しやすくなる。したがって、それまで第4段階の演出に遊技者があまり興味を示していなかったとしても、遊技の進行に合わせて第5段階に進んだ演出の内容に対して遊技者の興味を引きつけることができる。
さらに遊技の進行との関係からみれば、第5段階の演出を優先することで以下の利点がある。例えば、遊技者が第3停止操作を行うと3つのリール6,8,10が全て停止するが、このとき表示窓14内に表示されている図柄の組合せ態様から、遊技者が特に入賞の結果を得られなかったことを知った場合、遊技者は次の遊技に向けて気持ちを新たに切り替えて次の投入操作(ベットボタン30,32の押下又はメダルの投入)を行うことになる。第4制御例では、この投入操作のタイミングで演出の内容を素早く第5段階に切り替えることにより、遊技者が次の遊技に集中する契機を与えることができる。
逆に、表示窓14内に表示されている図柄の組合せ態様(いわゆる「チャンス目」)から、遊技者が例えば「ビッグボーナス」に当選した可能性があることを推測した場合、遊技者は次の遊技で「早く次の演出内容を知りたい」との積極的な意識を持って次の投入操作(ベットボタン30,32の押下又はメダルの投入)を行うことがある。第4制御例では、この投入操作のタイミングで演出の内容を素早く第5段階に切り替えることにより、遊技者が次の遊技への期待感を高く維持することに寄与することができる。
〔別の制御例〕
以上の第1〜第4制御例では、先の段階の演出を実行中に次の段階に対応する操作が受け付けられた場合を想定しているが、以下では先の段階の演出が完了した後に次の段階に対応する操作が受け付けられた場合を想定する。
すなわち、本実施形態では第1〜第5段階の演出基本データにそれぞれ実行時間が割り当てられており、ある段階の演出を開始してから実行時間が経過すると、その段階の演出はひとまず完了したと考えられる。なお、ここでは「完了」と表記しているが、実行時間が経過した後も各演出装置(表示ユニット140、音響駆動部124、ランプ駆動部126等)はそれまでの演出基本データを実行し続けていてもよい。したがって、例えば実行時間の経過後(演出タイマーの値が0になった後)に液晶表示器44の画面中に何らかの画像(動画)が表示され続けていても、その演出は予定された内容を既に「完了」している。
図9のコマンド待ち処理において、演出タイマーの値が0になると(ステップS402:Yes)、サブ制御CPU122は保留にしている演出基本データがないことを確認し(ステップS404:No)、ステップS412で単に主制御CPU102からのコマンドを待ち受けた状態となる。
主制御CPU102からコマンドを受信すると(ステップS412:Yes)、サブ制御CPU122は図4の演出制御メイン処理に戻る。そしてサブ制御CPU122は、主制御CPU102から操作に関するコマンドを受信したことを確認すると(ステップS44:Yes)、次に実行予定の演出基本データを記憶していることを確認し(ステップS60:Yes)、図8の演出実行処理に移行する。
演出実行処理では、サブ制御CPU122は、既に演出タイマーの値が0であることを確認する(ステップS600:Yes)。この場合、サブ制御CPU122はステップS606を実行しないので、優先順位に係わらず、そのままステップS602で次の段階の演出基本データの実行を各演出装置に指示する。そしてサブ制御CPU122は、ステップS604で演出タイマーをセットすると、図4の演出制御メイン処理に復帰する。
以上の説明から本実施形態の詳細は既に明らかとなっているが、以下に第1〜第4制御例に関して、実際のタイムチャートとともに表示される画像の例を示しつつ説明する。
図10は、上記の第1〜第4制御例について、遊技者の操作に応じて段階的に演出が実行された場合のタイムチャートである。また図11は、第1〜第3段階でそれぞれ表示される第1〜第3画像群の一部(1フレーム)を示す図である。図12は、第4及び第5段階でそれぞれ表示される第4,第5画像群の一部(1フレーム)を示す図である。
〔第1段階〕
図10中(A):遊技者によるスタートレバー18の操作が受け付けられると、そのタイミング(図中「レバー」と表記)から第1段階の演出が実行される。これにより、液晶表示器44には第1画像群(演出基本データ番号「0660」)が表示される。
図12中(A):第1画像群は、例えばある列車内に男性のキャラクターが乗車しており、そのキャラクターが不意に車室扉の方を振り返り、どこか興味深い視線を向けるという一連のシーンを表現したものである。このような第1画像群を表示することで、遊技者に対して「果たして車室扉の向こうから何か表れるのか?」といった興味を抱かせることができる。なお、このときスピーカ128から「おや?」のような台詞を出力させてもよい。
第1段階の演出を実行中に遊技者による第1停止操作が受け付けられると、そのタイミング(図中「第1停止」と表記)では第2段階の演出に進まず、引き続き第1段階の演出が継続して実行される。これは、上記のように第2段階よりも第1段階の方が演出の優先順位が高いからである。したがってこの場合、液晶表示器44には第1画像群(演出基本データ番号「0660」)が引き続き表示されている。
このとき遊技者からみれば、自己が次の第1停止操作を行ったにもかかわらず、演出の内容が次の段階に進まないことになる。これにより、遊技者に対して何らかの違和感を覚えさせたり、改めて第1画像群を注視させたりする契機をつくることができ、それによって演出の訴求力を一層高めることができる。
〔第2段階〕
図10中(B):第1段階の演出が開始されてから規定の実行時間(1800ms)が経過すると、そのタイミングから次の第2段階の演出が実行される。これにより、液晶表示器44の画面は第2画像群(演出基本データ番号「0611」)の表示に切り替わる。
図12中(B):第2画像群は、先のキャラクターが視線を向けた車室扉が大写しになるという一連のシーンを表現したものである。このような第2画像群を表示することで、遊技者に対して「いよいよ車室扉の向こうから何かが表れるに違いない」といった新たな興味を抱かせることができる。なお、このときスピーカ128から何らかの効果音を出力させてもよい。
〔第3段階〕
図10中(C):第2段階の演出を実行中に、遊技者による第2停止操作が受け付けられると、そのタイミング(図中「第2停止」と表記)から第2段階の演出が実行される。これは、上記のように第2段階よりも第3段階の方が演出の優先順位が高いからである。これにより、液晶表示器44には第3画像群(演出基本データ番号「0002」)が表示される。
図12中(C):第3画像群は、大写しになった車室扉がおもむろに開き、そこから金色の制服を着た車掌が登場するという一連のシーンを表現したものである。通常、この種のスロットマシン1で用いる演出は、表示する「色」によって当選した種類に対応する図柄を示唆(又は告知、教示、開示)する。例えば、「黄色」であれば「ベル」、「緑色」であれば「スイカ」、「赤色」であれば「チェリー」、「青色(水色)」であれば「リプレイ」を意味するといった具合である。そうすると、「金色」には特に対応する図柄がないことから、暗に「7(ボーナス)」に対応することを示唆することができるのである。このような第3画像群を表示することで、遊技者に対して「ボーナスに当選したかも知れない」、又は「ボーナスに当選したに違いない」といった期待感を抱かせることができる。なお、このときスピーカ128から特別な効果音を出力させたり、あるいは、トップランプ38等を激しく点滅させたりしてもよい。
第3段階の演出を実行中に遊技者による第3停止操作が受け付けられると、そのタイミング(図中「第3停止」と表記)では第4段階の演出に進まず、引き続き第3段階の演出が継続して実行される。これは、上記のように第4段階よりも第3段階の方が演出の優先順位が高いからである。したがってこの場合、液晶表示器44には第3画像群(演出基本データ番号「0002」)が引き続き表示されている。
このとき遊技者からみれば、自己が次の第3停止操作を行ったにもかかわらず、演出の内容が次の段階に進まないことになる。これにより、そこで遊技者に対して何らかの違和感を覚えさせたり、改めて第3画像群を注視させたりする契機をつくることができ、それによって演出の訴求力を一層高めることができる。
また、リール6,8,10の停止操作(第1〜第3停止操作)を一気に終えてしまう傾向にある遊技者に対して以下の利点がある。すなわち、遊技者の第2停止操作から第3停止操作までの時間間隔が極端に短かった場合(例えば0.3秒程度)であっても、第3停止操作を行ったタイミングでは未だ第4段階に進まず、引き続き第3段階の演出が継続して実行されることから、そこで遊技者に対して第3画像群を充分に触れさせることができ、それによって演出の訴求力を一層高めることができる。特に、第3画像群は上記のように当選の可能性を大きく示唆する内容であることら、本実施形態ではこの第3画像群に遊技者を確実に触れさせる機会を設けることで、演出本来の目的を存分に発揮することができる。
〔第4段階〕
図10中(D):第3段階の演出が開始されてから規定の実行時間(1900ms)が経過すると、そのタイミングから次の第4段階の演出が実行される。これにより、液晶表示器44の画面は第4画像群(演出基本データ番号「0640」)の表示に切り替わる。
図12中(D):第4画像群は、先の車掌が奧に引っ込み、車室扉が再び閉まるという一連のシーンを表現したものである。このような第4画像群を表示することで、遊技者に対して「先ほどの車掌は何だったのか?」といった別の興味や探求心を抱かせることができる。なお、このときスピーカ128から扉が閉まるときの効果音を出力させてもよい。
〔第5段階〕
図10中(E):第4段階の演出を実行中に、遊技者による次の投入操作が受け付けられると、そのタイミング(図中「ベット」と表記)から第5段階の演出が実行される。これは、上記のように第4段階よりも第5段階の方が演出の優先順位が高いからである。これにより、液晶表示器44には第5画像群(演出基本データ番号「0009」)が表示される。
図12中(E):第4画像群は、先のシーンから場面が大きく変わり、座席でリラックスしているキャラクターと、その向こうの車窓外でのどかな風景が流れていくという一連のシーンを表現したものである。第5画像群は、例えば演出の通常画面として使用することができる。したがって、このような第5画像群を表示することにより、遊技者に対してそれまでの緊張感を解きほぐし、次の遊技に向けて新たに気持ちを切り替える契機を与えることができる。
以上のように本実施形態によれば、遊技者の利益に関わる演出や、遊技者に対して確実に触れさせたい演出の内容を遊技者が見逃したり、遊技者の目にほとんど留まらなかったりすることを防止し、訴求力の高い演出を確実に実行することができる。
〔その他の実施形態〕
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々の変形を伴って実施することができる。一実施形態で挙げた演出組合せデータはあくまで好ましい例示であり、これ以外にも多数の演出組合せデータを用いることは当然に可能である。
また、一実施形態では第1段階(始動操作時)の方が第2段階(第1停止操作時)より優先順位が高い場合を挙げているが、これらの優先順位を逆にしてもよい。同様に、第2段階(第1停止操作時)の方が第3段階(第2停止操作時)より優先順位が高くてもよいし、第3段階(第2停止操作時)よりも第4段階(第3停止操作時)の優先順位が高くてもよい。あるいは、第4段階(第3停止操作時)の方が第5段階(投入操作時)より優先順位が高くてもよい。
また、ステップS608における演出基本データの保留処理により、保留している演出基本データが複数になる場合には、最も後の段階の演出基本データのみを保留として残すか、もしくは、保留とされた演出基本データの中で最も優先順位が高い演出基本データのみを保留とするか、もしくは、複数の演出基本データの全てを保留とするかのいずれであってもよい。
さらに、ステップS608で複数の演出基本データを保留とした場合、ステップS406において、最も優先順位が高い演出を実行し、それまで保留されていた他の演出基本データを保留から削除することとしてもよい。