以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、画像演出手段30と、電飾演出手段40と、音声演出手段50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80とを備える。これらの構成要素のうち、表示窓12、メダル投入口13、クレジット数表示部14、MAXベットボタン15、一枚投入ボタン16、ベット枚数表示部17、スタートレバー18、停止ボタン19a,19b,19cと、清算ボタン21、払出数表示部22、メダル放出口23、メダル受皿24等は、回胴式遊技機の筐体の前扉に設けられている。一方、回胴リール11a,11b,11c、回胴リール駆動手段66a,66b,66c、主制御基板70、演出制御基板80等は、回胴式遊技機の筐体内部に設けられている。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これらのリール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板70は、投入メダル検出センサ61からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数を計数して貯留し、クレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板70は、ゲームにおいて所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダルを賭けてゲーム(遊技)を行う旨を指示するための遊技指示手段であり、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、メダルを一枚、二枚又は三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、メダルを一枚賭けてゲームを行うことが選択され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、メダルを二枚賭けてゲームを行うことが選択され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、メダルを三枚賭けてゲームを行うことが選択される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。これにより、主制御基板70は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームにおいて賭けられたメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「壱」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「弐」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板70は、ベット枚数表示部17の「参」の部分に対応するランプを点灯させる。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが六つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインと、表示窓12の左部の真ん中から中央部の真ん中に向かって延び、その中央部の真ん中から右下に向かって延びるラインとである。メダルを何枚賭けるかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。メダルを一枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。メダルを二枚賭けてゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、メダルを三枚賭けてゲームを行う場合には、六つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、六つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
スタートレバー(スタート手段)18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲーム(遊技)に必要な数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、前回のゲーム開始信号の受信時から所定時間(4.1秒)経過した後、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて内部抽選処理を行うと共に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。これらの停止ボタン19a,19b,19cは本発明の停止手段に該当する。第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、それらの回胴リール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、大きく分けて、大当りである大役(ボーナス)と、小当りである小役とがある。大役には、例えば、赤色の数字「7」の図柄及び青色の数字「7」の図柄(BB図柄)のうちいずれかが有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビッグボーナス(BB)と、「BAR」の図柄(RB図柄)が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役になると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームに突入する。また、RBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームに突入する。
一方、小役には、例えば、スイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(スイカ小役)と、ベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(ベル小役)と、チェリー図柄が有効な入賞ライン上の左側の位置に停止した場合の役(チェリー小役)とがある。かかる小役が成立したときには、それぞれ所定枚数のメダルが払い出される。その他に、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役(リプレイ)がある。このリプレイが成立した場合には、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームに賭けたメダルと同数のメダルが自動投入され、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイはメダルの払出しがないことから、リプレイを小役に含めていないが、次の遊技のための賭数設定すなわち新たなメダルの投入操作が不要なので、その遊技に使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイを小役として取扱うことも可能である。また、役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃わなかった場合には、外れとなる。
払出数表示部22は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像演出手段30は、画像を表示することにより遊技の演出を行うものであり、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像演出手段30として液晶表示装置を用いている。かかる画像演出手段30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶パネル31を制御する液晶制御基板32とを有する。画像演出手段30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技の演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像演出手段30の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。
電飾演出手段40は、図2に示すように、トップランプ41と、パネルランプ42と、冷陰極管ランプ43と、バックライトランプ44とからなる。ここで、トップランプ41、パネルランプ42、冷陰極管ランプ43はそれぞれ、本発明の第一電飾演出手段に該当し、バックライトランプ44は本発明の第二電飾演出手段に該当する。かかる電飾演出手段40は、電飾により、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりする。この電飾演出手段40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。
トップランプ41は、図1に示すように、前扉の内側上部に設けられており、12個のトップLEDユニット(不図示)と、12個のトップLED基板41A,41B,・・・,41Lとを有する。12個のトップLEDユニットはそれぞれ、トップLED基板41A,41B,・・・に搭載されており、各トップLED基板41A,41B,・・・は当該トップLEDユニットの点灯を制御する。具体的に、前扉の内側上部の左側には、トップLED基板41A、トップLED基板41B、トップLED基板41Cがこの順番で上から下へ向かう方向に沿って配置されている。前扉の内側上部の右側には、トップLED基板41D、トップLED基板41E、トップLED基板41Fがこの順番で上から下へ向かう方向に沿って配置されている。また、前扉の内側上部の中央上段には、トップLED基板41G、トップLED基板41H、トップLED基板41Iがこの順番で左から右へ向かう方向に沿って配置されている。そして、前扉の内側上部の中央下段には、トップLED基板41J、トップLED基板41K、トップLED基板41Lがこの順番で左から右へ向かう方向に沿って配置されている。
パネルランプ42は、図1に示すように、前扉の内側であって表示窓12の両側に設けられており、8個のパネルLEDユニット(不図示)と、8個のパネルLED基板42A,42B,・・・,42Hとを有する。8個のパネルLEDユニットはそれぞれ、パネルLED基板42A,42B,・・・に搭載されており、各パネルLED基板42A,42B,・・・は当該パネルLEDユニットの点灯を制御する。具体的に、表示窓12の左側には、パネルLED基板42A、パネルLED基板42B、パネルLED基板42C、パネルLED基板42D、パネルLED基板42Eがこの順番で上から下へ向かう方向に沿って配置されている。また、表示窓12の右側には、パネルLED基板42F、パネルLED基板42G、パネルLED基板42Hがこの順番で上から下へ向かう方向に沿って配置されている。
冷陰極管ランプ43は、図1に示すように、前扉の内側であって表示窓12の上方に設けられている。この冷陰極管ランプ43は、図2に示すように、冷陰極管(不図示)と、冷陰極管基板43Aとを有する。冷陰極管としては、いわゆる蛍光灯が用いられる。冷陰極管基板43Aは、冷陰極管の点灯を制御する。冷陰極管ランプ43は、遊技の演出を行うだけでなく、回胴リール11a,11b,11cに光を照射して、回胴リール11a,11b,11cに記された図柄の視認性を良くするという役割をも果たしている。
バックライトランプ44は、図2に示すように、9個のバックライト(不図示)と、3個のバックライト基板44A,44B,44とを有する。3個のバックライト基板44A,44B,44Cにはそれぞれ、3個のバックライトが搭載されている。各バックライト基板44A,44B,44Cは当該3個のバックライトの点灯を個別に制御する。3個のバックライト基板44A,44B,44Cはそれぞれ、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの内部に設けられている。ここで、各バックライト基板44A,44B,44Cは、それに搭載されている3個のバックライトが上下方向に並ぶように配置されている。以下では、各バックライト基板44A,44B,44Cにおいて、上側に位置するバックライトを「上バックライト」、中央に位置するバックライトを「中バックライト」、下側に位置するバックライトを「下バックライト」とも称することにする。
音声演出手段50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の下部の左側、右側に設けられており、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。かかる音声演出手段50は、音声を発生することにより遊技の演出を行うものである。音声演出手段50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。
主制御基板70及び演出制御基板80は、回胴式遊技機の内部に取り付けられている。ここで、主制御基板70と演出制御基板80とは別の基板に形成されている。そして、演出制御基板80は、主制御基板70と通信ケーブル線を介して接続されている。
主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70は、図2に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU(主制御手段)74とを備えている。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、遊技状態の管理、乱数値に基づく内部抽選処理、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、演出制御基板80へのコマンドの送信処理等を行う。
まず、遊技状態の管理について詳しく説明する。図3は各遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態の回胴式遊技機では、八つの遊技状態が設定されている。すなわち、「BB未作動時の一般遊技状態」と、「RTA遊技状態」と、「RTB遊技状態」と、「BB内部中状態」と、「RB内部中状態」と、「BB作動時の一般遊技状態」と、「BB作動時のRB内部中状態」と、「RB作動中状態」とである。ここで、図3では、「BB作動時の一般遊技状態」、「BB作動時のRB内部中状態」及び「RB作動中状態」をまとめて「ボーナス遊技状態」として示している。また、以下では、「RTA遊技状態」及び「RTB遊技状態」をまとめて「RT遊技状態」とも称することにする。
BB未作動時の一般遊技状態とは、通常の遊技状態のことである。回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態にある場合に、乱数値に基づく内部抽選によりBB又はRBに当選すると、図3に示すように、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態からRTA遊技状態に移行する。具体的には、BB未作動時の一般遊技状態において内部抽選によりBB又はRBに当選した場合、そのBBフラグやRBフラグをストックとしてRAM73に記憶し、遊技状態が必ずRTA遊技状態に移行する。但し、後述するCPU74のリール制御により、BB未作動時の一般遊技状態のときに、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。
RT遊技状態は、乱数値に基づく内部抽選処理においてリプレイに当選する確率が高く設定された遊技状態である。かかるRT遊技状態は、内部抽選においてリプレイに高確率で当選してもリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃わないデータを混ぜ合わせて、実際にリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃う確率を一般遊技中のリプレイ当選確率とほぼ同じにしているので、表面上は一般遊技状態と変わらない。つまり、リプレイに内部当選しても実際に入賞することは少なく、一般遊技とほぼ同じ割合でしか入賞しないので、遊技者は一般遊技とRT遊技との判別ができない。また、このRT遊技状態は、所定回数消化するまで継続する。RTA遊技状態ではRT遊技の回数が多く設定され、RTB遊技状態ではRT遊技の回数が少なく設定されている。その他の点については、RTA遊技状態とRTB遊技状態とは全く同じである。RT遊技状態のときに、内部抽選によりBB又はRBに当選しても、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。但し、内部抽選によりBB又はRBに当選した回数はそれぞれ、BBストック数、RBストック数としてカウントされ、RAM73に記憶される。後に、RT遊技状態が解除された場合、遊技状態がBB内部中又はRB内部中といわれる状態に移行し、遊技者がBB図柄又はRB図柄を有効な入賞ラインに揃えることができる状態となる。このように、RT遊技状態を設けたことにより、RT遊技状態が解除されると、ストックされていたBB、RBが抽選により放出されて、遊技者はメダルを大量に獲得することが可能となる。
尚、上記RT遊技状態においては、リプレイに内部当選してもリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃わないデータを混ぜ合わせることにより、リプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃わないように制御して、RT遊技状態を一般遊技状態と表面上区別がつかないようにしているが、RT遊技状態においてリプレイ図柄が揃わないデータを混入させずに、又は混入割合を減らし、RT遊技状態中にリプレイに内部当選するとほぼ必ずリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うように制御するゲーム仕様にしてもよい。かかる仕様の場合、遊技者はRT遊技中、所有メダルの数を減らすことなく遊技を継続することも可能となる。
また、回胴式遊技機がRTA遊技状態にある場合、内部抽選によりスイカ小役又はチェリー小役に当選し、所定の条件を満たすと、図3に示すように、遊技状態がRTA遊技状態からRTB遊技状態に移行する。そして、回胴式遊技機がRTA遊技状態又はRTB遊技状態にある場合に、予め設定されたRT遊技の回数が消化されると、図3に示すように、遊技状態が、RTA遊技状態又はRTB遊技状態からBB内部中状態又はRB内部中状態に移行する。
BB内部中状態は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりBB図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。回胴式遊技機がBB内部中状態にある場合、BB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、図3に示すように、遊技状態はBB内部中状態からBB作動時の一般遊技状態(ボーナス遊技状態)に移行する。また、RB内部中状態は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりRB図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。回胴式遊技機がRB内部中状態にある場合、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、図3に示すように、遊技状態はRB内部中状態からRB作動中状態(ボーナス遊技状態)に移行する。
BB作動時の一般遊技状態は、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームを実行する遊技状態である。回胴式遊技機がBB作動時の一般遊技状態にある場合、内部抽選によりRBシフトに当選し、遊技者がRB移行図柄(JACKIN図柄又はRB図柄)を有効な入賞ライン上に揃えることにより、遊技状態はRB作動中状態に移行する。遊技者がRB移行図柄を有効な入賞ライン上に揃えられないと、遊技状態はBB作動時の一般遊技状態からBB作動時のRB内部中状態に移行する。BB作動時のRB内部中状態は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作によりRB移行図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。そして、回胴式遊技機がBB作動時のRB内部中状態にある場合、RB移行図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、遊技状態はBB作動時のRB内部中状態からRB作動中状態に移行する。また、RB作動中状態は、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームを実行する遊技状態である。
回胴式遊技機がBB作動時の一般遊技状態にある場合、予め定められたBBゲームの遊技数が消化された時点において、BBストック数又はRBストック数が「1」以上であれば、遊技状態はBB作動時の一般遊技状態からRTA遊技状態に移行し、一方、BBストック数及びRBストック数がともに「0」であれば、BB未作動時の一般遊技状態に移行する。同様に、回胴式遊技機がRB作動中状態にある場合、予め定められたRBゲームの遊技数が消化された時点において、BBストック数又はRBストック数が「1」以上であれば、遊技状態はBB作動中状態からRTA遊技状態に移行し、一方、BBストック数及びRBストック数がともに「0」であれば、BB未作動時の一般遊技状態に移行する。
次に、乱数値に基づく内部抽選処理について詳しく説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。また、乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号を受けたときに、乱数値を取得する。CPU74は、その乱数値に基づいて内部抽選処理を行う。
ROM72には、各種のプログラムの他に、取得された乱数値と当選内容(BB、RB、各種小役、リプレイ、不当選)との対応関係を示すデータが、後に詳述する図4に示すように遊技状態毎に格納されている。すなわち、本実施形態では、0から65535までの合計65536個の全数値データを、所定数の当選エリアに振り分けている。ここで、当選エリアの最大数は、当選内容の種類に対応して、図4に示すように「0」から「6」までの7個である。そして、遊技状態毎に、各当選エリアに所定の当選内容を対応させている。このような、65536個の全数値データを所定数の当選エリアに振り分け、各当選エリアに当選内容を対応させたデータは、内部抽選処理の際に用いられる抽選データを構成し、かかる抽選データがROM72に記憶されているのである。CPU74は、乱数発生手段71によって取得された乱数値を、ROM72に記憶されている抽選データと照合することにより、内部抽選を行う。例えば、回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態にあり、乱数発生手段71によって乱数値Aが取得された場合、CPU74は、図4に示すような抽選データを用いて、その乱数値Aが当選エリア「0」,「1」,・・・,「6」のいずれに振り分けられているのかを照合する。そして、乱数値Aが当選エリア「2」に振り分けられていれば、内部抽選の結果はベル小役の当選ということになる。尚、当選エリアの個数、各当選エリアに振り分けられる数値データの個数は、一般には、遊技状態毎に異なる。
図4は各遊技状態について当選エリアと当選内容との対応関係を示すデータの一例を示す図である。このデータは、ROM72に記憶された抽選データの一部を構成する。この例では、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態、RTA遊技状態、RTB遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態である場合には、65536個の全数値データの範囲を「0」から「6」までの7つの当選エリアに区分している。遊技状態がBB作動時の一般遊技状態である場合には、全数値データの範囲を「0」から「3」までの4つの当選エリアに区分し、遊技状態がBB作動時のRB内部中状態である場合には、全数値データの範囲を「0」から「2」までの3つの当選エリアに区分している。そして、遊技状態がRB作動中状態である場合には、全数値データの範囲を「0」及び「1」の2つの当選エリアに区分している。
また、各遊技状態について、それぞれの当選エリアには次のような当選内容を割り当てている。すなわち、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がRTA遊技状態又はRTB遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「BB」又は「RB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。
遊技状態がRB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「RB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」及び「RB」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」及び「RB」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」及び「RB」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ」及び「RB」を、当選エリア「5」に対しては「RB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」及び「RB」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がBB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「BB」を、当選エリア「1」に対しては「チェリー小役」及び「BB」を、当選エリア「2」に対しては「ベル小役」及び「BB」を、当選エリア「3」に対しては「スイカ小役」及び「BB」を、当選エリア「4」に対しては「リプレイ」及び「BB」を、当選エリア「5」に対しては「RB」及び「BB」を、当選エリア「6」に対しては「BB」をそれぞれ、割り当てている。
遊技状態がBB作動時の一般遊技状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「小役グループ」を、当選エリア「2」に対しては「スイカ小役」を、当選エリア「3」に対しては「RBシフト」をそれぞれ、割り当てている。遊技状態がBB作動時のRB内部中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「RBシフト」を、当選エリア「1」に対しては「小役グループ」及び「RBシフト」を、当選エリア「2」に対しては「スイカ小役」及び「RBシフト」をそれぞれ、割り当てている。ここで、「小役グループ」当選とは、小役を構成する図柄のうち所定の図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、所定枚数のメダルが払い出されるというものである。また、「RBシフト」当選とは、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、遊技状態が当該BB作動時の一般遊技状態又はBB作動時のRB内部中状態からRB作動中状態に移行するというものである。この「RBシフト」当選は、「BB」当選又は「RB」当選と同様に、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの押下操作により、RB図柄が有効な入賞ライン上に揃えられるまで、「RBシフト」当選という内部状態が次のゲームに持ち越される。したがって、遊技者がRB図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができないと、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態にあったときには、BB作動時のRB内部中状態に移行し、遊技状態がBB作動時のRB内部中状態にあったときには、そのままBB作動時のRB内部中状態が維持される。また、遊技状態がRB作動中状態である場合には、当選エリア「0」に対しては「不当選」を、当選エリア「1」に対しては「役物」をそれぞれ、割り当てている。ここで、「役物」当選とは、所定の図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、所定枚数のメダルが払い出されるというものである。
また、各遊技状態について当選エリアと65536個の数値データの範囲との対応関係を示すデータが設定されている。このデータも、ROM72に記憶された抽選データの一部を構成する。例えば、BB未作動時の一般遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータでは、当選エリア「0」に対応する数値データの範囲は、65536分の47699の確率で「不当選」に当選するような範囲に設定されている。当選エリア「1」に対応する数値データの範囲は、65536分の837の確率で「チェリー小役」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「2」に対応する数値データの範囲は、65536分の6810の確率で「ベル小役」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「3」に対応する数値データの範囲は、65536分の660の確率で「スイカ小役」に当選するような範囲に設定されている。そして、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、65536分の8980の確率で「リプレイ」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「5」に対応する数値データの範囲は、65536分の220の確率で「RB」に当選するような範囲に設定され、当選エリア「6」に対応する数値データの範囲は、65536分の330の確率で「BB」に当選するような範囲に設定されている。
このように、BB未作動時の一般遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータにおいては、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、約7.3回に1回だけリプレイに当選するような確率に設定されている。これに対し、RT遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータにおいては、当選エリア「4」に対応する数値データの範囲は、約1.2回に1回、リプレイに当選するような確率に設定されている。このように、RT遊技状態では、リプレイに当選する確率はとても高くなっている。また、RT遊技状態において、リプレイ以外の他の役に当選する確率は、BB未作動時の一般遊技状態において当該役に当選する確率とほぼ同じに設定されている。尚、他の遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータでも、同様に、各当選エリアに対応する数値データの範囲が所定の範囲に設定されている。ここでは、これらのデータの内容についての詳しい説明を省略する。
CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値に基づいて内部抽選処理を行う。すなわち、CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値を抽選データと照合することにより、内部抽選を行う。具体的には、CPU74は、まず、当該遊技状態についての当選エリアと数値データの範囲との対応関係を示すデータに基づいて、今回の乱数値が振り分けられる当選エリアを認識する。次に、CPU74は、当該遊技状態についての当選エリアと当選内容との対応関係を示すデータに基づいて、その認識した当選エリアに対応する当選内容を認識する。そして、CPU74は、その当選内容から、今回の内部抽選の結果がいずれの役の当選であるか、役の不当選であるかを決定する。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理について詳しく説明する。CPU74は、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
外れ制御とは、有効な入賞ラインにはいずれの役も成立しないように、リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果は外れとなる。また、遊技機がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態のいずれかにあり、内部抽選の結果がBB又はRBの当選である場合にも、CPU74は外れ制御を行う。したがって、この場合に、BB図柄又はRB図柄が有効な入賞ライン上に揃うことはない。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号をすでに受けていれば、乱数値に基づく内部抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板80へのコマンドの送信処理について詳しく説明する。主制御基板70から演出制御基板80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、内部抽選の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。
CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを作成し、その作成した操作コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが作成される。すなわち、スタートレバー18の押下時には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが作成される。第一停止ボタン19aの押下時には、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが作成され、第二停止ボタン19bの押下時には、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、第三停止ボタン19cの押下時には、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが作成される。また、メダルの投入時には、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨の操作コマンドが作成され、MAXベットボタン15の押下時には、MAXベットボタン15が一回押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、一枚投入ボタン16の押下時には、一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが作成される。しかし、実際に、CPU74は、メダルの投入時、MAXベットボタン15の押下時、一枚投入ボタン16の押下時にあっては、いずれも全く同じ内容の操作コマンドを作成することにしている。
また、CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の内部抽選を行うと共に、その内部抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板80に出力する。この演出コマンドの内容は内部抽選の結果等を示すものであるが、演出制御基板80はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。
図5はCPU74が生成する演出コマンドを説明するための図である。ここで、図5には、回胴式遊技機がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態にある場合に生成される演出コマンドのみを示しており、その他の遊技状態にある場合に生成される演出コマンドについては省略している。
図5の例に示すように、遊技状態の如何にかかわらず、乱数値に基づく内部抽選の結果が当選エリア「1」〜「4」の当選、すなわち小役・リプレイの当選である場合には、当該小役・リプレイの当選に対応する演出コマンド「13」〜「16」が選ばれる。具体的には、スイカ小役の当選に対しては演出コマンド「13」が、ベル小役の当選に対しては演出コマンド「14」が、チェリー小役の当選に対しては演出コマンド「15」が、リプレイの当選に対しては演出コマンド「16」が選ばれる。
一方、乱数値に基づく内部抽選の結果が当選エリア「0」、「5」、「6」の当選である場合には、遊技状態に応じた所定の演出コマンドが選ばれる。具体的に、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態における不当選を表す演出コマンド「1」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態におけるRB当選を表す演出コマンド「2」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、BB未作動時の一般遊技状態におけるBB当選を表す演出コマンド「3」が選ばれる。
また、遊技状態がRT遊技状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、RT遊技状態におけるRB当選又はBB当選を表す演出コマンド「4」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、RT遊技状態におけるRB当選を表す演出コマンド「5」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、RT遊技状態におけるBB当選を表す演出コマンド「6」が選ばれる。
また、遊技状態がRB内部中状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選を表す演出コマンド「7」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選を表す演出コマンド「8」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、RB内部中状態におけるRB当選及びBB当選を表す演出コマンド「9」が選ばれる。更に、遊技状態がBB内部中状態であるとき、当選エリア「0」の当選に対しては、BB内部中状態におけるBB当選を表す演出コマンド「10」が選ばれる。当選エリア「5」の当選に対しては、BB内部中状態におけるRB当選及びBB当選を表す演出コマンド「11」が選ばれる。そして、当選エリア「6」の当選に対しては、BB内部中状態におけるBB当選を表す演出コマンド「12」が選ばれる。
このように、演出コマンド「1」〜「12」は、乱数値に基づく内部抽選の結果(どの当選エリアに当選したのか)だけではなく遊技機の遊技状態をも表し、一方、演出コマンド「13」〜「16」は、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態、RT遊技状態、RB内部中状態、BB内部中状態のうちのいずれであっても、小役・リプレイの当選という内部抽選の結果のみを表す。主制御基板70は、所定の演出コマンドを演出制御基板80に送信すると、演出制御基板80はその演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定し、その決定した遊技の演出内容にしたがって画像演出手段30、電飾演出手段40、音声演出手段50を制御する。
尚、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態、BB作動時のRB内部中状態、RB作動中状態にある場合には、主制御基板70のCPU74は、乱数値に基づく内部抽選の結果及び遊技機の遊技状態に対応する内容の演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板80に送信する。
演出制御基板80は、主に遊技の演出に関する制御を行う。かかる演出制御基板80は、図2に示すように、ROM(記憶手段)81と、RAM82と、CPU(演出制御手段)83とを有する。ROM81には、遊技の演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。
また、ROM81には、プログラムの他に、各種のデータが格納されている。例えば、画像演出手段30を制御するための複数の画像演出用パターンデータ、トップランプ41を制御するための複数のトップランプ演出用パターンデータ、パネルランプ42を制御するための複数のパネルランプ演出用パターンデータ、冷陰極管ランプ43を制御するための複数の冷陰極管ランプ演出用パターンデータ、バックライトランプ44を制御するための複数のバックライトランプ演出用パターンデータ、音声演出手段50を制御するための複数の音声演出用パターンデータがROM81に格納されている。ここで、トップランプ演出用パターンデータ、パネルランプ演出用パターンデータ及び冷陰極管ランプ演出用パターンデータはそれぞれ、本発明の第一電飾演出用パターンデータに該当し、バックライトランプ演出用パターンデータは、本発明の第二電飾演出用パターンデータに該当する。
更に、ROM81は、複数の演出組合せデータを格納している。各演出組合せデータは、各演出手段30,41,42,43,44,50に行わせる遊技演出の内容に対応するパターンデータを特定するための情報を含むものである。CPU83は、主制御基板70から演出コマンドが送られる度に、当該演出コマンドに基づいて、ROM81に格納されている複数の演出組合せデータの中から一つの演出組合せデータを決定する。そして、CPU83は、その決定した演出組合せデータに含まれる各パターンデータを特定するための情報にしたがって当該各パターンデータをROM81から取得し、その取得した当該各パターンデータに基づいて各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する。
次に、ROM81に格納されているデータの内容をさらに詳しく説明する。図6はROM81に格納されているデータの内容を説明するための図である。ROM81のデータ格納領域としては、図6に示すように、抽選データインデックステーブル格納領域81a、抽選データテーブル格納領域81b、演出組合せデータテーブル格納領域81c、演出基本データ格納領域81d、画像演出用パターンデータ格納領域81e、トップランプ演出用パターンデータ格納領域81f、パネルランプ演出用パターンデータ格納領域81g、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ格納領域81h、バックライトランプ演出用パターンデータ格納領域81i、音声演出用パターンデータ格納領域81j、サウンド特性データ格納領域81k等がある。抽選データインデックステーブル格納領域81a及び抽選データテーブル格納領域81bに格納されているデータは、CPU83が主制御基板70から送られた演出コマンドに基づいて特定の演出組合せデータを決定する際に利用される。
抽選データインデックステーブル格納領域81aには、抽選データインデックステーブルが格納されている。図7は抽選データインデックステーブルを説明するための図である。抽選データインデックステーブルには、図7に示すように、演出モードと抽選データインデックス番号との対応関係が示されている。抽選データインデックス番号は、後述する複数の抽選データテーブルに付与された管理番号である。各演出モードは遊技状態と関連付けられている。具体的に、RT遊技状態には、RT遊技の残数に応じて、演出モード2〜10が対応する。また、RB内部中状態には、演出モード11が対応し、BB内部中状態には、演出モード12が対応する。そして、これらの遊技状態以外の一般の遊技状態、例えばBB未作動時の一般遊技状態には、演出モード1が対応する。
主制御基板70は、RT遊技の残数に関する情報等もコマンドとして演出制御基板80のCPU83に送信する。このため、CPU83は、主制御基板70から送られた演出コマンドとその他のコマンドとに基づいて、遊技機の遊技状態を認識することができる。例えば、演出コマンドが「1」、「2」、「3」である場合には、CPU83は、当該演出コマンドに基づいて遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であると認識する。演出コマンドが「4」、「5」、「6」である場合には、CPU83は、当該演出コマンドに基づいて遊技状態がRT遊技状態であると認識する。また、CPU83は、RT遊技の残数に関する情報に基づいて遊技状態がRT遊技状態であるか否かを認識することができる。更に、前回の演出内容の決定処理時におけるRT遊技の残数が「0」でない場合であって、今回、RT遊技の残数が「0」である場合には、CPU83は、遊技状態がBB内部中状態又はRB内部中状態であることを認識する。そして、このとき、演出コマンドが「7」、「8」、「9」である場合には、CPU83は遊技状態がRB内部中状態であると認識し、演出コマンドが「10」、「11」、「12」である場合には、遊技状態がBB内部中状態であると認識する。演出コマンドが「13」〜「17」である場合には、CPU83は、主制御基板70から送られた他のコマンドに基づいて遊技状態を認識することができる。こうして、CPU83は、遊技状態を認識すると、それに対応した演出モードを特定した後、抽選データインデックステーブルから、その特定した演出モードに対応する抽選データインデックス番号を決定する。
抽選データテーブル格納領域81bには、各抽選データインデックス番号に対応した抽選データテーブルが格納されている。図8は抽選データテーブルを説明するための図である。図8では、抽選データインデックス番号「1」に対応する抽選データテーブルを示している。各抽選データテーブルには、図8に示すように、乱数値に基づく内部抽選の結果(どの当選エリアに当選したか)毎に、組合せ番号と抽選確率との対応関係が記述されている。ここで、組合せ番号とは、各演出組合せデータに付与された管理番号のことである。各演出手段30,41,42,43,44,50に行わせる遊技演出の具体的な内容については、CPU83が決定する。本実施形態では、演出の具体的な内容は演出組合せデータに記述されており、抽選により所定の演出組合せデータが決定される。この抽選の確率が抽選データテーブルに記述されているのである。図8に記載された各数値を65536で除した値が抽選確率である。例えば、当選エリア「2」の当選という内容を示す演出コマンド「14」が主制御基板70から送られた場合、CPU83は、当該抽選データテーブルにおいて当選エリア「2」の欄に記載された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。そして、当該演出抽選で当選した組合せ番号を決定する。
演出組合せデータテーブル格納領域81cには、演出組合せデータテーブルが格納されている。図9は演出組合せデータを説明するための図である。演出組合せデータテーブルには、図9に示すように、各組合せ番号に対応する演出組合せデータが記述されている。各演出組合せデータは、遊技者による所定の操作タイミング毎に各演出手段30,41,42,43,44,50に行わせる遊技演出の内容に対応するパターンデータを特定するための情報を含んでいる。具体的に、演出組合せデータにおいては、操作タイミングとして、スタートレバー18の押下時(レバー押下時)、第一停止ボタン19aの押下時(第一押下時)、第二停止ボタン19bの押下時(第二押下時)、第三停止ボタン19cの押下時(第三押下時)、及びメダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時(ベット押下時)の合計五つの操作タイミングが設定されている。ここで、本実施形態では、パターンデータを特定するための情報として、演出基本データの番号を用いている。
CPU83は、主制御基板70から演出コマンドが送られたときに、前述の演出抽選を行い、その演出抽選で決定した組合せ番号に対応する演出組合せデータをROM81の演出組合せデータ格納領域81cから読み出す。例えば、演出抽選により組合せ番号「86」に当選した場合、CPU83は、図9に示すように、レバー押下時に対して演出基本データ番号「71」が、第一押下時に対して演出基本データ番号「91」が、第二押下時に対して演出基本データ番号「2」が、第三押下時に対して演出基本データ番号「92」が、そして、ベット押下時に対して演出基本データ番号「56」がそれぞれ割り当てられたデータを、演出組合せデータとして取得する。こうして取得した演出組合せデータはRAM82に記憶される。CPU83は、主制御基板70から操作コマンドを送られたときに、RAM82に記憶されている演出組合せデータに含まれる、当該操作コマンドの内容に対応する操作時における各演出基本データ番号(各パターンデータを特定するための情報)にしたがって各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する。すなわち、その演出組合せデータに記述されている内容が、今回、スタートレバー18が押下された時から次回、スタートレバー18が押下されるまでの間において、上記の各操作タイミング時に行うべき遊技の演出内容となる。また、各演出組合せデータには、確定フラグという項目が含まれている。例えば、確定フラグの項目に「BET_FIX」と記述されている場合には、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に表示される画面がその後もそのまま維持され、一方、「NULL」と記述されている場合には、画面は維持されない。
演出基本データ格納領域81dには、複数の演出基本データが格納されている。図10は演出基本データを説明するための図である。各演出基本データには、図10に示すように、当該演出基本データの番号、画像演出用パターンデータ番号、トップランプ演出用パターンデータ番号、パネルランプ演出用パターンデータ番号、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号、バックライトランプ演出用パターンデータ番号、音声演出用パターンデータ番号が含まれる。ここで、画像演出用パターンデータ番号とは、各画像演出用パターンデータに付与された管理番号である。また、トップランプ演出用パターンデータ番号とは、各トップランプ演出用パターンデータに付与された管理番号であり、パネルランプ演出用パターンデータ番号とは、各パネルランプ演出用パターンデータに付与された管理番号である。そして、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号とは、各冷陰極管ランプ演出用パターンデータに付与された管理番号であり、バックライトランプ演出用パターンデータ番号とは、各バックライトランプ演出用パターンデータに付与された管理番号である。さらに、音声演出用パターンデータ番号とは、各音声演出用パターンデータに付与された管理番号である。かかるパターンデータ番号により一つのパターンデータが特定される。
画像演出用パターンデータ格納領域81eには、画像演出手段30を制御するための複数の画像演出用パターンデータが格納されている。CPU83による画像演出の制御は次のように行われる。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されている画像演出用パターンデータ番号に対応する画像演出用パターンデータをROM81の画像演出用パターンデータ格納領域81eから読み出し、その読み出した画像演出用パターンデータを画像演出手段30の液晶制御基板31に出力する。これにより、液晶制御基板31は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像を液晶パネル32上に表示する。
トップランプ演出用パターンデータ格納領域81fには、トップランプ41を制御するための複数のトップランプ演出用パターンデータが格納されている。各トップランプ演出用パターンデータには、トップランプ演出用パターンデータ番号が付与されている。図11はトップランプ演出用パターンデータを説明するための図である。各トップランプ演出用パターンデータには、一又は複数のトップランプ演出制御データが含まれる。このトップランプ演出制御データは、駆動時間、各トップLEDユニットの点灯/消灯等についての情報を有する。この点灯/消灯についての情報は、当該トップLEDユニットを点灯するか、消灯するかを特定するものである。駆動時間についての情報は、各トップLEDユニットを点灯又は消灯しておく時間を特定するものである。また、トップランプ演出用パターンデータに複数のトップランプ演出制御データが含まれる場合には、CPU83は、トップランプ演出制御データの記述順に、各トップランプ演出制御データを処理することになる。
図11の例では、トップランプ演出用パターンデータ番号「1」に対応するトップランプ演出用パターンデータには、一つのトップランプ演出制御データが含まれる。そのトップランプ演出制御データは、100msの期間、12個のトップLEDユニットをすべて消灯するという内容のものである。また、トップランプ演出用パターンデータ番号「19」に対応するトップランプ演出用パターンデータには、複数のトップランプ演出制御データが含まれる。そのうち、第一番目のトップランプ演出制御データは、50msの期間、12個のトップLEDユニットをすべて消灯するという内容のものであり、第二番目のトップランプ演出制御データは、70msの期間、前扉の左右両側に設けられた6個のトップLEDユニットを点灯し、前扉の中央部に設けられた6個のトップLEDユニットを消灯するという内容のものである。したがって、かかるトップランプ演出用パターンデータに基づいてトップランプ41を制御すると、12個のトップLEDユニットはそれぞれ所定のパターンで点灯/消灯を行うことになる。
CPU83は、トップランプ41を次のように制御する。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されているトップランプ演出用パターンデータ番号に対応するトップランプ演出用パターンデータをROM81のトップランプ演出パターンデータ格納領域81fから読み出し、その読み出したトップランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のトップランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各トップLED基板41A,41B,・・・に送出する。これにより、各トップLED基板41A,41B,・・・は、その制御信号に基づいて当該トップLEDユニットの点灯/消灯を制御する。
パネルランプ演出用パターンデータ格納領域81gには、パネルランプ42を制御するための複数のパネルランプ演出用パターンデータが格納されている。各パネルランプ演出用パターンデータには、パネルランプ演出用パターンデータ番号が付与されている。図12はパネルランプ演出用パターンデータを説明するための図である。各パネルランプ演出用パターンデータには、一又は複数のパネルランプ演出制御データが含まれる。このパネルランプ演出制御データは、駆動時間、各パネルLEDユニットの点灯/消灯等についての情報を有する。この点灯/消灯についての情報は、当該パネルLEDユニットを点灯するか、消灯するかを特定するものである。駆動時間についての情報は、各パネルLEDユニットを点灯又は消灯しておく時間を特定するものである。また、パネルランプ演出用パターンデータに複数のパネルランプ演出制御データが含まれる場合には、CPU83は、パネルランプ演出制御データの記述順に、各パネルランプ演出制御データを処理することになる。
図12の例では、パネルランプ演出用パターンデータ番号「1」に対応するパネルランプ演出用パターンデータには、一つのパネルランプ演出制御データが含まれる。そのパネルランプ演出制御データは、1000msの期間、表示窓12の左側に設けられた5個のパネルLEDユニットを消灯し、表示窓12の右側に設けられた3個のパネルLEDユニットを点灯するという内容のものである。また、パネルランプ演出用パターンデータ番号「2」に対応するパネルランプ演出用パターンデータには、複数のパネルランプ演出制御データが含まれる。そのうち、第一番目のパネルランプ演出制御データは、20msの期間、表示窓12の左側に設けられた5個のパネルLEDユニットと表示窓12の右側の中央及び下段に設けられた2個のパネルLEDユニットとを消灯し、表示窓12の右側の上段に設けられた1個のパネルLEDユニットだけを点灯するという内容のものであり、第二番目のパネルランプ演出制御データは、20msの期間、表示窓12の左側に設けられた5個のパネルLEDユニットと表示窓12の右側の下段に設けられた1個のパネルLEDユニットとを消灯し、表示窓12の右側の上段及び中央に設けられた2個のパネルLEDユニットを点灯するという内容のものである。したがって、かかるパネルランプ演出用パターンデータに基づいてパネルランプ42を制御すると、8個のパネルLEDユニットはそれぞれ所定のパターンで点灯/消灯を行うことになる。
CPU83は、パネルランプ42を次のように制御する。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されているパネルランプ演出用パターンデータ番号に対応するパネルランプ演出用パターンデータをROM81のパネルランプ演出パターンデータ格納領域81gから読み出し、その読み出したパネルランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のパネルランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各パネルLED基板42A,42B,・・・に送出する。これにより、各パネルLED基板42A,42B,・・・は、その制御信号に基づいて当該パネルLEDユニットの点灯/消灯を制御する。
冷陰極管演出用パターンデータ格納領域81hには、冷陰極管ランプ43を制御するための複数の冷陰極管ランプ演出用パターンデータが格納されている。各冷陰極管ランプ演出用パターンデータには、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号が付与されている。冷陰極管ランプ演出用パターンデータには、一又は複数の冷陰極管ランプ演出制御データが含まれる。この冷陰極管ランプ演出制御データは、駆動時間、点灯/消灯等についての情報を有する。この点灯/消灯についての情報は、冷陰極管を点灯するか、消灯するかを特定するものである。駆動時間についての情報は、冷陰極管を点灯又は消灯しておく時間を特定するものである。また、冷陰極管ランプ演出用パターンデータに複数の冷陰極管ランプ演出制御データが含まれる場合には、CPU83は、冷陰極管ランプ演出制御データの記述順に、各冷陰極管ランプ演出制御データを処理することになる。
CPU83は、冷陰極管ランプ43を次のように制御する。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されている冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号に対応する冷陰極管ランプ演出用パターンデータをROM81の冷陰極管ランプ演出用パターンデータ格納領域81hから読み出し、その読み出した冷陰極管ランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数の冷陰極管ランプ演出制御データに従って所定の制御信号を冷陰極管基板43Aに送出する。これにより、冷陰極管基板43Aは、その制御信号に基づいて冷陰極管の点灯/消灯を制御する。
バックライト演出用パターンデータ格納領域81iには、バックライトランプ44を制御するための複数のバックライトランプ演出用パターンデータが格納されている。各バックライトランプ演出用パターンデータには、バックライトランプ演出用パターンデータ番号が付与されている。図13はバックライトランプ演出用パターンデータを説明するための図である。各バックライトランプ演出用パターンデータには、一又は複数のバックライトランプ演出制御データが含まれる。このバックライトランプ演出制御データは、駆動時間、各バックライトの点灯/消灯等についての情報を有する。この点灯/消灯についての情報は、当該バックライトを点灯するか、消灯するかを特定するものである。ここで、本実施形態では、バックライトとしてフルカラー点灯が可能なものを用いている。このため、点灯/消灯についての情報は、当該バックライトを点灯する場合にはその点灯色を指定することにしている。駆動時間についての情報は、各バックライトを点灯又は消灯しておく時間を特定するものである。また、バックライトランプ演出用パターンデータに複数のバックライトランプ演出制御データが含まれる場合には、CPU83は、バックライトランプ演出制御データの記述順に、各バックライトランプ演出制御データを処理することになる。
図13の例では、バックライトランプ演出用パターンデータ番号「13」に対応するバックライトランプ演出用パターンデータには、複数のバックライトランプ演出制御データが含まれる。そのうち、第一番目のバックライトランプ演出制御データは、100msの期間、3個の下バックライトを白色に点灯し、3個の中バックライトを赤色に点灯し、3個の上バックライトを白色に点灯するという内容のものである。第二番目のバックライトランプ演出制御データは、100msの期間、3個の下バックライトを白色に点灯し、3個の中バックライトを黄色に点灯し、3個の上バックライトを白色に点灯するという内容のものである。したがって、かかるバックライトランプ演出用パターンデータに基づいてバックライトランプ44を制御すると、9個のバックライトはそれぞれ所定のパターンで点灯/消灯を行うことになる。
CPU83は、バックライトランプ44を次のように制御する。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されているバックライトランプ演出用パターンデータ番号に対応するバックライトランプ演出用パターンデータをROM81のバックライトランプ演出用パターンデータ格納領域81iから読み出し、その読み出したバックライトランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のバックライトランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各バックライト基板44A,44B,・・・に送出する。これにより、各バックライト基板44A,44B,・・・は、その制御信号に基づいて当該バックライトの点灯/消灯を制御する。
音声演出用パターンデータ格納領域81jには、音声演出手段50を制御するための複数の音声演出用パターンデータが格納されている。各音声演出用パターンデータには、音声演出用パターンデータ番号が付与されている。図14は音声演出用パターンデータを説明するための図である。各音声演出用パターンデータには、一又は複数の音声演出制御データが含まれる。この音声演出制御データは、遅延時間、フレーズ番号、再生開始/終了等についての情報を有する。フレーズ番号についての情報は、演出対象となるサウンド要素データを特定するものである。遅延時間についての情報は、当該サウンド要素データに対して再生の開始又は終了処理をいつ行うかを特定するものである。例えば、遅延時間がゼロである場合には、当該サウンド要素データに対して直ちに再生の開始又は終了処理が行われる。一方、遅延時間がゼロでない場合には、当該遅延時間が経過したときに、当該サウンド要素データに対して再生の開始又は終了処理が行われる。また、再生開始/終了についての情報は、当該サウンド要素データについて再生を開始するのか、終了するのかを示すものである。尚、複数のサウンド要素データは、例えばサウンドROM(不図示)に格納されている。
図14の例では、音声演出用パターンデータ番号「1」に対応する音声演出用パターンデータには、一つの音声演出制御データが含まれる。その音声演出制御データは、フレーズ番号「1」のサウンド要素データを直ちに再生するという内容のものである。また、音声演出用パターンデータ番号「18」に対応する音声演出パターンデータには、二つの音声演出制御データが含まれる。そのうち、一方の音声演出制御データは、フレーズ番号「20」のサウンド要素データを直ちに再生するという内容のものであり、他方の音声演出制御データは、フレーズ番号「21」のサウンド要素データを2600ms経過後に再生するという内容のものである。
また、サウンド特性データ格納領域81kには、複数のサウンド特性データが格納されている。各サウンド特性データには、フレーズ番号が付与されている。図15はサウンド特性データを説明するための図である。サウンド特性データは、サウンド要素データの特性を示すものである。一つのサウンド要素データに対しては、一つのサウンド特性データが作られている。すなわち、サウンド要素データとサウンド特性データとは一対一に対応している。
サウンド特性データは、図15に示すように、フレーズ番号、ボリューム、パンポット、再生開始/終了、再生方法、モノラル/ステレオ、再生時間等についての情報を含んでいる。フレーズ番号についての情報は、当該サウンド特性データに対するサウンド要素データを特定するものである。ボリュームについての情報は、当該サウンド要素データを再生する際の音量を指定するものであり、パンポットについての情報は、当該サウンド要素データを再生する際のパンポットを指定するものである。再生開始/終了についての情報は、当該サウンド要素データについて再生を開始するのか、終了するのかを示すものである。再生方法についての情報は、当該サウンド要素データを一回だけ再生するのか、繰り返し再生するのか等を示すものである。モノラル/ステレオについての情報は、当該サウンド要素データがモノラルであるかステレオであるかを示すものである。再生時間についての情報は、当該サウンド要素データを再生するのに要する時間、すなわちサウンドの長さを示すものである。
図15の例では、フレーズ番号「0」に対応するサウンド要素データについてのサウンド特性データには、再生時の音量及びパンポットにそれぞれデフォルト設定を使用すること、当該サウンド要素データを即時に一回だけ再生すること、当該サウンド要素データがモノラルであり、その再生に要する時間がゼロであることが記述されている。また、フレーズ番号「3」に対応するサウンド要素データについてのサウンド特性データには、再生時の音量及びパンポットにそれぞれデフォルト設定を使用すること、当該サウンド要素データを即時に繰り返し再生すること、当該サウンド要素データがステレオであり、その再生に要する時間が485msであることが記述されている。
CPU83による音声演出制御は次のようにして行われる。すなわち、CPU83は、所定の操作タイミング時に、RAM82に記憶されている演出組合せデータから当該操作タイミング時における演出基本データ番号を特定した後、その特定した演出基本データ番号に対応する演出基本データを決定する。次に、CPU83は、その決定した演出基本データに記述されている音声演出用パターンデータ番号に対応する音声演出用パターンデータをROM81の音声演出用パターンデータ格納領域81jから読み出し、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれる一又は複数の音声演出制御データに従って音声処理を行う。具体的には、CPU83は、当該音声演出制御データに含まれるフレーズ番号に基づいて、所定のサウンド特性データをROM81のサウンド特定データ格納領域81kから読み出すと共に、所定のサウンド要素データをサウンドROMから読み出す。そして、かかるサウンド要素データを所定のデータ形式にデコードした後、ボリューム回路、パンポット(定位)回路及びバスブースト回路を介して音信号として出力する。こうして出力された音信号は、音声演出手段50に送られる。
このように、本実施形態では、CPU83は、演出組合せデータに基づいて各演出手段30,41,42,43,44,50を制御している。かかる演出組合せデータの作成はとても容易に行うことができる。すなわち、それぞれの演出手段30,41,42,43,44,50を制御するためのパターンデータを選択し、その選択したパターンデータの組合せを指定するだけで、演出組合せデータを作成することができる。このため、本実施形態の回胴式遊技機では、演出組合せデータの数を自由に且つ容易に増やして、多彩な内容の遊技の演出を行うことが可能である。例えば、ある同一の画像を表示して演出を行う場合に、音声による演出内容を異ならしめたり、また、同一の画像及び同一の音声による演出を行う場合に、電飾による演出内容を異ならしめたりして、遊技演出のバリエーションを増やすことができる。実際、本実施形態の回胴式遊技機では、各種のパターンデータを多数登録しており、数万から数十万通りの遊技の演出が可能である。
また、各演出組合せデータには、スタートレバー18が操作されてから各停止ボタン19a,19b,19cがすべて操作されるまでの間にバックライトランプ44が変化のない同一の演出を行うようなバックライトランプ演出用パターンデータを特定するための情報が含まれていることが望ましい。これは、三つの回胴リール11a,11b,11cが駆動開始してからすべて停止するまでの間に、バックライトランプ44による演出内容が変更されると、図柄の視認性が変化してしまい、遊技者が停止ボタン19a,19b,19cを操作する際にかかる図柄の視認性の変化による影響を受けて、停止ボタン19a,19b,19cの押下タイミングを誤ってしまうおそれがあるからである。第三停止ボタン19cが押下された後にあっては、バックライトランプ44による演出内容を自由に変更することができる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板70が行う処理の手順について説明する。図16は主制御基板70が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御基板70のCPU74は、ベットボタン操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、かかる検出信号を受けると、CPU74は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく内部抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、ROM72に格納されている抽選データに基づいて、当該取得された乱数値がどの当選エリアに属するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選であるかを決定する。その後、CPU74は、その内部抽選の結果に基づいて演出コマンドを生成し、その作成した演出コマンドを演出制御基板80に送信する(S4)。例えば、いま、回胴式遊技機は、BB未作動時の一般遊技状態にあるとする。そして、主制御基板70のCPU74は、乱数値に基づく内部抽選を行い、当選エリア「2」の当選、すなわちベル小役の当選であるという結果が得られたとする。このとき、CPU74は、図5に示すように、当選エリア「2」の当選という内部抽選の結果に対応する、BB未作動時の一般遊技状態における演出コマンド「14」を生成する。
次に、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御して、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cを回転させる(S6)。
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU74は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させると共に、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させると共に、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。更に、CPU74は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させると共に、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを演出制御基板80に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、所定の図柄が有効な入賞ライン上に揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、CPU74は、所定数のメダルを払い出す(S8)。以上で、図16に示す処理フローが終了するが、その後、CPU74は、再びステップS1から処理を開始する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において演出制御基板80が行う処理の手順について説明する。図17は演出制御基板80が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
演出制御基板80のCPU83は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に対する演出基本データの番号を認識する。その後、CPU83は、その認識した番号の演出基本データにしたがって、画像演出手段30、トップランプ41、パネルランプ42、冷陰極管ランプ43、バックライトランプ44及び音声演出手段50を制御する(S11)。これにより、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の所定回数の押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。
次に、CPU83は、内部抽選の結果に基づいて生成された演出コマンドが主制御基板70から送られると、演出組合せデータの抽選処理を行う(S12)。具体的には、CPU83は、主制御基板70から送られた演出コマンド等に基づいて所定の抽選データテーブルを特定する。いま、回胴式遊技機はBB未作動時の一般遊技状態にあり、演出制御基板80のCPU83は演出コマンド「14」を主制御基板70から受け取ったとする。CPU83は、まず、抽選データインデックステーブルから所定の抽選データインデックス番号を決定する。この場合、CPU83は、主制御基板70から送られた遊技状態を特定するコマンドに基づいて、遊技状態がBB未作動時の一般遊技状態であると認識するので、図7に示すように、抽選データインデックス番号「1」が選ばれる。次に、CPU83は、図8に示すような、抽選データインデックス番号「1」に対応する抽選データテーブルを特定する。演出コマンド「14」は当選エリア「2」の当選ということを意味するので、CPU83は、図8に示す抽選データテーブルにおいて当選エリア「2」の欄に示された抽選確率を用いて、演出組合せデータの抽選を行う。この抽選の結果、例えば、組合せ番号「86」の演出組合せデータが選ばれたとする。ここで、図8の例では、この組合せ番号「86」に当選する確率は600/65536である。CPU83は、こうして選ばれた演出組合せデータをRAM82に記憶する。すなわち、RAM82に記憶されていた前回のゲーム時に決定された演出組合せデータは、今回のゲーム時に決定された演出組合せデータによって書き換えられる。
図18は組合せ番号「86」の演出組合せデータに対する遊技演出の内容を説明するための図である。この組合せ番号「86」の演出組合せデータの内容は、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止した後に内部抽選の結果を告知するものである。実際、組合せ番号「86」の演出組合せデータには、レバー押下時については演出基本データ番号「71」が、第一停止時については演出基本データ番号「91」が、第二停止時については演出基本データ番号「2」が、第三停止時については演出基本データ番号「92」が、そして、ベット押下時については演出基本データ番号「56」が指定されている。
ここで、演出基本データ番号「71」に対応する演出基本データには、画像演出用パターンデータ番号として「A30A」が、トップランプ演出用パターンデータ番号として「1」が、パネルランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、バックライトランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、そして、音声演出用パターンデータ番号として「70」が指定されている。演出基本データ番号「91」に対応する演出基本データには、画像演出用パターンデータ番号として「A30D」が、トップランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、パネルランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、バックライトランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、そして、音声演出用パターンデータ番号として「90」が指定されている。演出基本データ番号「2」に対応する演出基本データには、画像演出用パターンデータ番号として「なし」が、トップランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、パネルランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、バックライトランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、そして、音声演出用パターンデータ番号として「なし」が指定されている。演出基本データ番号「92」に対応する演出基本データには、画像演出用パターンデータ番号として「A30E」が、トップランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、パネルランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、バックライトランプ演出用パターンデータ番号として「1」が、そして、音声演出用パターンデータ番号として「91」が指定されている。そして、演出基本データ番号「56」に対応する演出基本データには、画像演出用パターンデータ番号として「A100」が、トップランプ演出用パターンデータ番号として「2」が、パネルランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、バックライトランプ演出用パターンデータ番号として「なし」が、そして、音声演出用パターンデータ番号として「55」が指定されている。
次に、CPU83は、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、スタートレバー18の押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データにしたがって、画像演出手段30、トップランプ41、パネルランプ42、冷陰極管ランプ43、バックライトランプ44及び音声演出手段50を制御する(S13)。これにより、スタートレバー18の押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。すなわち、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たしている。
具体的に、CPU83は、演出基本データ「71」に記述されている画像演出用パターンデータ番号「A30A」に対応する画像演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した画像演出用パターンデータを画像演出手段30の液晶制御基板31に出力する。これにより、スタートレバー18の押下時には、液晶パネル32上に、図18(a)に示す画像が表示される。この図18(a)の画像には、主人公が望遠鏡で何かを眺めている様子が描かれている。また、CPU83は、演出基本データ「71」に記述されているトップランプ演出用パターンデータ番号「1」に対応するトップランプ演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出したトップランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のトップランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各トップLED基板41A,41B,・・・に送出する。これにより、各トップLED基板41A,41B,・・・は、その制御信号に基づいて当該トップLEDユニットの点灯/消灯を制御する。これに対し、演出基本データ「71」においては、パネルランプ演出用パターンデータ番号、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号、バックライトランプ演出用パターンデータ番号としてそれぞれ、「なし」が指定されているので、CPU83は、パネルLED基板42A,42B,・・・、冷陰極管基板43、バックライト基板44A,44B,44Cには制御信号を送出しない。更に、CPU83は、演出基本データ「71」に記述されている音声演出用パターンデータ番号「70」に対応する音声演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれる一又は複数の音声演出制御データに従って音声処理を行う。
その後、CPU83は、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第一停止ボタン19aの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データにしたがって、各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する(S14)。これにより、第一停止ボタン19bの押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。
具体的に、CPU83は、演出基本データ「91」に記述されている画像演出用パターンデータ番号「A30D」に対応する画像演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した画像演出用パターンデータを画像演出手段30の液晶制御基板31に出力する。これにより、第一停止ボタン19aの押下時に、図18(b)に示す画像が表示される。この図18(b)の画像には、図18(a)の画面で主人公が眺めていた対象である駕籠が描かれている。但し、その駕籠に何が乗っているのかは明らかにされていない。一方、演出基本データ「91」では、トップランプ演出用パターンデータ番号、パネルランプ演出用パターンデータ番号、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号、バックライトランプ演出用パターンデータ番号としてそれぞれ、「なし」が指定されているので、CPU83は、トップLED基板41A,41B,・・・、パネルLED基板42A,42B,・・・、冷陰極管基板43、バックライト基板44A,44B,44Cには制御信号を送出しない。また、CPU83は、演出基本データ「91」に記述されている音声演出用パターンデータ番号「90」に対応する音声演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれる一又は複数の音声演出制御データに従って音声処理を行う。
また、CPU83は、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第二停止ボタン19bの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データにしたがって、各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する(S15)。これにより、第二停止ボタン19bの押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。具体的に、この場合、演出基本データ「2」においては、すべてのパターンデータとして「なし」が指定されているので、CPU83は、液晶制御基板31、トップLED基板41A,41B,・・・、パネルLED基板42A,42B,・・・、冷陰極管基板43、バックライト基板44A,44B,44C、及び各スピーカ51,52,53にはデータを送出しない。したがって、第二停止ボタン19bの押下時には、画像表示の切り替えが行われず、図18(b)に示す画像がそのまま表示される。
更に、CPU83は、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、第三停止ボタン19cの押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データにしたがって、各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する(S16)。これにより、第三停止ボタン19cの押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。
具体的に、CPU83は、演出基本データ「92」に記述されている画像演出用パターンデータ番号「A30E」に対応する画像演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した画像演出用パターンデータを画像演出手段30の液晶制御基板31に出力する。これにより、第一停止ボタン19aの押下時に、図18(d)に示す画像が表示される。この図18(d)の画像には、駕籠に乗っている「ベル」が描かれている。また、CPU83は、演出基本データ「92」に記述されているバックライトランプ演出用パターンデータ番号「1」に対応するバックライトランプ演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出したバックライトランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のバックライトランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各バックライト基板44A,44B,・・・に送出する。これにより、各バックライト基板44A,44B,・・・は、その制御信号に基づいて当該バックライトの点灯/消灯を制御する。これに対し、演出基本データ「92」においては、トップランプ演出用パターンデータ番号、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号、パネルランプ演出用パターンデータ番号としてそれぞれ、「なし」が指定されているので、CPU83は、トップLED基板41A,41B,・・・、冷陰極管基板43、パネルLED基板42A,42B,・・・には制御信号を送出しない。更に、CPU83は、演出基本データ「92」に記述されている音声演出用パターンデータ番号「91」に対応する音声演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれる一又は複数の音声演出制御データに従って音声処理を行う。
このような内容の画像演出では、第三停止ボタン19cの押下時、すなわち三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止した時に表示される図18(d)の画像により、今回の内部抽選ではベル小役に当選していたことを遊技者に報知することができる。したがって、今回のゲームで三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃い、ベル小役が成立していれば、遊技者は、図18(d)の画像を見て、自己の技量によりベル図柄が有効な入賞ライン上に揃ったので、遊技機がそれを祝福するような演出を行っていると感じることになる。一方、今回のゲームで三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃っていなければ、遊技者は、図18(d)の画像を見て、今回のゲームではベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えるべきであった、ベル図柄を取りこぼしてしまったと反省することになる。このように、遊技者の各操作タイミングに対応して変化する一連の演出を行うことができる。
以上で、図17に示す処理フローが終了するが、その後、CPU83は、再びステップS11から処理を開始することになる。ゲームはスタートレバー18の操作により開始するので、ステップS12の処理から次に図17の処理フローを開始したときのステップS11の処理までが、今回のゲーム時に行われる処理ですなわち、上述したステップS16が終了した後、CPU83は、メダル投入口13からメダルが所定個数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが主制御基板70から送られると、RAM82に記憶されている演出組合せデータの中から、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に対する演出基本データの番号を認識し、その認識した番号の演出基本データにしたがって、各演出手段30,41,42,43,44,50を制御する(S11)。これにより、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、各演出手段30,41,42,43,44,50は所定の遊技の演出を行う。
具体的に、CPU83は、演出基本データ「56」に記述されている画像演出用パターンデータ番号「A100」に対応する画像演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した画像演出用パターンデータを画像演出手段30の液晶制御基板31に出力する。これにより、メダル投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、図18(e)に示す画像が表示される。また、CPU83は、演出基本データ「56」に記述されているトップランプ演出用パターンデータ番号「2」に対応するトップランプ演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出したトップランプ演出用パターンデータに含まれる一又は複数のトップランプ演出制御データに従って所定の制御信号を各トップLED基板41A,41B,・・・に送出する。これにより、各トップLED基板41A,41B,・・・は、その制御信号に基づいて当該トップLEDユニットの点灯/消灯を制御する。これに対し、演出基本データ「56」においては、パネルランプ演出用パターンデータ番号、冷陰極管ランプ演出用パターンデータ番号、バックライトランプ演出用パターンデータ番号としてそれぞれ、「なし」が指定されているので、CPU83は、パネルLED基板41A,41B,・・・、冷陰極管基板43、バックライト基板44A,44B,44Cには制御信号を送出しない。更に、CPU83は、演出基本データ「56」に記述されている音声演出用パターンデータ番号「55」に対応する音声演出用パターンデータをROM81から読み出し、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれる一又は複数の音声演出制御データに従って音声処理を行う。以上で、今回のゲーム時に演出制御基板80が行う処理が終了する。
本実施形態の回胴式遊技機では、演出制御基板のROMに、複数の画像演出用パターンデータ、複数のトップランプ演出用パターンデータ、複数のパネルランプ演出用パターンデータ、複数の冷陰極管ランプ演出用パターンデータ、複数のバックライトランプ演出用パターンデータ、複数の音声演出用パターンデータを格納すると共に、各演出手段に行わせる遊技演出の内容に対応するパターンデータを特定するための情報を含む複数の演出組合せデータを格納している。演出制御基板のCPUは、主制御基板から演出コマンドが送られる度に、当該演出コマンドに基づいてROMに格納されている複数の演出組合せデータの中から一つの演出組合せデータを決定し、且つ、その決定した演出組合せデータに含まれる各パターンデータを特定するための情報にしたがって当該各パターンデータをROMから取得し、その取得した当該各パターンデータに基づいて各演出手段を制御する。このように、各演出手段によって行われる遊技演出の内容は、演出組合せデータによって定まる。内部抽選結果毎に遊技演出の内容に対応する特別なデータを個別に作成しておき、主制御基板がかかる特別なデータに基づいて各演出手段を制御するのではない。したがって、本実施形態の回胴式遊技機では、それぞれの演出手段を制御するためのパターンデータを選択し、その選択したパターンデータの組合せを指定することにより、演出組合せデータを容易に作成することができるので、演出組合せデータの数を自由に増やして、多彩な内容の遊技の演出を行うことが可能である。しかも、かかるデータ構造により遊技演出に関する制御が簡易化されるので、回胴式遊技機の開発期間の短縮とその開発費用の低減を図ることができる。
また、本実施形態の回胴式遊技機では、演出制御基板のCPUがバックライトの点灯/消灯をも制御することにより、遊技演出における主制御基板の負担を軽減することができる。しかも、画像演出手段、音声演出手段、トップランプ、パネルランプ及び冷陰極管ランプだけでなくバックライトをも加えて、これらの演出手段による演出内容に対応するパターンデータの組合せを指定することができるので、パターンデータの組合せの自由度をさらに高めて、より多彩な内容の遊技の演出を行うことが可能である。
更に、本実施形態の回胴式遊技機では、各演出組合せデータには、スタートレバーの押下時、各停止ボタンの押下時、及びメダル投入時又はMAXベットボタン若しくは一枚投入ボタンの押下時のそれぞれにおいて各演出手段に行わせる遊技の演出の内容に対応するパターンデータを特定するための情報が含まれている。そして、演出制御基板のCPUは、主制御基板から操作コマンドが送られたときに、演出コマンドに基づいて決定された演出組合せデータに含まれる、当該操作コマンドの内容に対応する操作時における各パターンデータを特定するための情報にしたがって各演出手段を制御する。これにより、演出制御基板のCPUは、各演出手段に対して、遊技者の各操作に応じて変化する一連の演出を実行させたり、遊技に密着した内容の演出を実行させたりすることができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の実施形態では、演出組合せデータに、スタートレバーの押下時、三つの停止ボタンの押下時、及びメダル投入時又はMAXベットボタン若しくは一枚投入ボタンの押下時の合計五つの操作タイミングに対する遊技の演出内容に関する情報が含まれている場合について説明したが、演出組合せデータで定める操作タイミングとしては、これら五つの操作タイミングにさらに別の操作タイミングを加えたものを用いてもよく、また、上記の五つの操作タイミングのうちから選択された二つ、三つ又は四つの操作タイミングを用いてもよい。
また、上記の実施形態では、乱数値に基づく内部抽選の結果が小役・リプレイの当選であるときには、かかる演出コマンドの送信とともに遊技状態を特定する別のコマンドが主制御基板から演出制御基板に送られる場合について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、主制御基板から演出制御基板に送られる演出コマンドとして、その遊技状態も一意に決定できるものを用いてもよい。これは、演出コマンドのビット数を増やし、内部抽選の結果だけでなく遊技状態をも特定する演出コマンドを送信するようにすることにより可能となる。
更に、上記の実施形態では、本発明を回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、本発明を、パチンコ機、ポーカーゲーム機、マージャンゲーム機、ダーツゲーム機等の各種遊技機に適用してもよい。