JP2008276823A - 光ピックアップおよび光情報処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる基板厚さの光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子の光束を向上する。
【解決手段】光記録媒体からの反射光の回折光を抑制するため、収差補正素子105の基板上の光軸垂直面内に、光束の波長よりも大きいピッチの同心円状の回折格子を有し、回折格子の凸部に光束の波長よりも小さいピッチの周期状のサブ波長構造を重畳する。サブ波長構造が重畳された回折格子では、入射光の偏光方向によって回折効率が異なり、収差補正素子105と光記録媒体の間に1/4波長板があるため、光源から光記録媒体へ向かう入射光束と、光記録媒体から反射して回折素子に入射する反射光束の偏光方向は直交する。サブ波長構造の溝方向に平行な偏光方向の入射光束は0次透過光と+1次回折光が生じ、溝方向と直交する偏光方向の反射光束は0次透過光が主たる光束となり、受光素子の光束が向上する。
【選択図】図8

Description

本発明は、光情報処理装置と、これに用いられる光ピックアップに係り、特に、透明基板厚が異なることで、記録密度が異なる2種類以上の光記録媒体に記録、再生を良好に行うための互換性を有する光ピックアップおよび光情報処理装置に関するものである。
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD、記録容量4.7GBのDVDなどの光記録媒体が普及しつつある。そして、近年、さらなる記録密度の向上および大容量化の要求が強くなっている。
このような光記録媒体の記録密度を向上させる手段としては、光記録媒体に情報の書き込みまたは読み出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、あるいは、光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって集光され、光記録媒体上に形成されるビームスポットを小径化することが有効である。
そこで、例えば「CD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nmとされているのに対して、「CD系光記録媒体」よりも高記録密度化がなされた「DVD系光記録媒体」では、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が660nmとされている。そして、光記録媒体は、前述したように、さらなる記録密度の向上および大容量化が望まれており、そのためには、対物レンズのNAを0.65よりもさらに大きく、あるいは、光源の波長を660nmよりもさらに短くすることが望まれている。
このような大容量の光記録媒体および光情報処理装置として、特許文献1に記載されているような、2つの規格が提案されている。1つは、青色の波長領域の光源とNA0.85の対物レンズを用いて、22GB相当の容量確保を満足する「Blu−ray Disc」の規格(以下、BDという)である。もう1つは、青色波長は同じであるが、NA0.65の対物レンズを用いて、20GB相当の容量確保を満足する「HD−DVD」の規格(以下、HDという)である。
前者はDVD系に比べ短波長化、高NA化の変更により大容量化を行い、後者は高NA化を行わない代わりに信号処理の工夫により線記録密度の向上を可能とし、ランド・グルーブ記録の採用により大容量化を行っている。
また、BDとHDは、光源の発振波長が405nm程度の青紫色半導体レーザ光源を用いる点で共通しているが、光記録媒体は基板厚さがそれぞれ0.1mm、0.6mmと異なる。
そして、2つの異なる光記録媒体を1つの光ピックアップ装置を用いて記録あるいは再生するものとしては、球面収差補正用のホログラムを併設し、2重焦点を有する光ピックアップの構成が提案されている(特許文献1参照)。すなわち、0次透過光で基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体に集光し、+1次回折光で基板1.2mmのCD系光記録媒体に集光する。
また、BDに対して最適化された対物レンズと光源との間の光路上に、光記録媒体(HD)に光源から出射の光束の偏光方向を90度回転させる液晶素子と、偏光方向が回転された光束を選択的に回折して、BDとHDとの基板厚の違いで生じる収差を相殺する収差を付与する偏光ホログラム素子を配置して、BD,HDのいずれにも光スポットを記録面に形成可能な光ピックアップが提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−050648号公報 特開2006−309807号公報 特開2001−051122号公報
前記手段のような構成とすることにより、基板厚の異なる2種類の光記録媒体への集光が可能となる。しかしながら、光記録媒体からの反射光がホログラム素子を通過する際にも回折してしまい光量が小さくなる。光記録媒体からの反射光量が小さくなると、受光素子で受光する信号光そのものが小さくなり、再生信号が劣化するという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、単一の対物レンズで、異なる基板厚さを有する2種類の光記録媒体(具体的にはBD、HD)の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させた光ピックアップおよび光情報処理装置を提案することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した光ピックアップは、光束の入射面と記録面との間隔である基板厚が互いに異なる第1の光記録媒体と第2の光記録媒体とを含む複数種類の光記録媒体のいずれかにアクセスし、情報の記録、再生および消去のうち少なくとも1つを行う光ピックアップにおいて、光源と、第1の光記録媒体に対して最適化され、光源から出射された光束をアクセス対象の光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、光源と対物レンズとの間の光路上に配置され、対物レンズを介した戻り光束を分岐する偏光分岐素子と、偏光分岐素子と対物レンズとの間の光路上に配置され、光束を0次透過光と+1次回折光の2つの回折光に配分する回折構造を有し、0次透過光が第1の光記録媒体への集光に用いられ、+1次回折光が第2の光記録媒体への集光に用いられ、回折構造は、光束が第2の光記録媒体の基板を透過する際に生じる収差を相殺する収差を付与し、対物レンズを介して第2の光記録媒体の記録面に集光させる回折素子と、回折素子と光記録媒体との間の光路上に配置され、入射する光束に1/4波長の光学的位相差を付与する1/4波長板と、偏光分岐素子で分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光素子とを備え、回折素子は、基板上の光軸垂直面内に、光束の波長よりも大きいピッチを有する表面凹凸型の同心円状の回折格子を有し、回折格子の凸部は、光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が重畳されてなり、光源から回折素子に入射する光束の偏光方向は、サブ波長構造の溝方向と略同一であることを特徴とする。
以上の構成により、サブ波長構造が重畳された回折格子では、その入射光偏光方向によって、回折効率が異なり、回折素子と光記録媒体の間に1/4波長板を介在しているため、光源から光記録媒体へ向かう回折素子入射光束と、光記録媒体から反射して回折素子に入射する光束の偏光方向は直交してなるため、サブ波長構造が重畳された回折素子ではサブ波長構造の溝方向に平行な偏光方向の光が入射した場合は0次透過光と+1次回折光が生じ、溝方向と直交する偏光方向の光束が入射した場合は0次透過光が主たる光束となる。
よって、往路では0次透過光と+1次回折光が生じ、復路では0次透過光が主たる光束となり、良好な信号光が検出できる。
また、請求項2に記載した光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、回折素子と1/4波長板が一体化されてなり、1/4波長板は光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造によって形成されたことを特徴とする。
以上の回折素子と1/4波長板の一体化によって、部品点数および組付工数の削減が可能となり、光ピックアップの薄型化ができる。また、1/4波長板もサブ波長構造によって形成することにより、両面ともに同じ加工プロセスが採用でき、成型のような工法を選択した場合に、1回のプロセスにより作製することができる。
また、請求項3〜5に記載した光ピックアップは、請求項1の光ピックアップにおいて、対物レンズの一方の面に光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が形成されてなり、一方の面のサブ波長構造は回折素子の機能として作用すること、または、一方の面のサブ波長構造は1/4波長板の機能として作用すること、あるいは、対物レンズの光源側の面および光記録媒体側の面に光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が形成されてなり、光源側の面のサブ波長構造は回折素子の機能として作用し、光記録媒体側の面のサブ波長構造は1/4波長板の機能として作用することを特徴とする。
以上の構成により、回折素子,1/4波長板,対物レンズの3つの素子の一体化等によって、部品点数および組付工数を削減することが可能となり、光ピックアップの薄型化が可能となる。
また、請求項6に記載した光情報処理装置は、光記録媒体の記録面に光束を照射して情報の記録、再生および消去のうち少なくとも1つを行う光情報処理装置において、光情報処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことを特徴とする。
以上のような光ピックアップを具備する光情報処理装置によれば、異なる基板厚さを有する2種類の光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させ、安定した信号検出が可能な装置を得ることができる。
本発明によれば、単一の対物レンズで、異なる基板厚さを有する2種類の光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させ、安定した信号検出ができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1における光ピックアップの全体構成を示す概略図である。単一の対物レンズ107により、2種類の光記録媒体を異なるNA(開口数)で記録または再生を行う互換型の光ピックアップである。
ここで、2種類の光記録媒体は、基板厚がそれぞれ0.1mm,0.6mmであり、開口数がそれぞれNA0.85,NA0.65であり、使用波長がλ1=395〜415nmであり、それぞれの光記録媒体がBD系(Blu−ray Disc)、HD系(HD−DVD)の各光記録媒体に対応する。
図1に示すように、BD系光記録媒体108a、HD系光記録媒体108bに対して、光ピックアップは、半導体レーザ101,コリメートレンズ102,偏光ビームスプリッタ103,プリズム104,収差補正素子105,1/4波長板106,対物レンズ107,検出レンズ109,受光素子110より構成される。光源である半導体レーザ101の中心波長は405nmであり、対物レンズ107のNAは0.85である。またHD系光記録媒体108bに対してNAは0.65で集光させる。NAの切り替えは収差補正素子105により制限される。BD系光記録媒体108aの基板厚は0.1mm、HD系光記録媒体108bの基板厚は0.6mmである。
半導体レーザ101からの出射光は、コリメートレンズ102により略平行光にされる。コリメートレンズ102を通過した光束は偏光ビームスプリッタ103に入射し、プリズム104より偏向される。収差補正素子105を通過して、1/4波長板106で円偏光に変換され、対物レンズ107を介して集光されることにより、情報の記録、再生がされる。そして、BD系光記録媒体108a,HD系光記録媒体108bからの反射光は、1/4波長板106を通過した後、往路の光束の偏光方向とは直交する直線偏光に変換され、偏光分岐素子の偏光ビームスプリッタ103により反射、入射光と分離して偏向され、検出レンズ109により受光素子110上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
本実施形態1において、対物レンズ107は厚さ0.1mmのBD系光記録媒体108aを高精度に記録,再生できるように最適に設計されている。設計波長は405nmであり、波長405nmでは波面収差0.01λrms以下と十分小さくなるよう設計されている。
これは対物レンズが、高NA化、短波長化に伴い製造誤差の影響を受けやすく、言い方をかえると製造マージンが狭いため、本実施形態1では対物レンズ107は2種類の光記録媒体のうちのBD系光記録媒体108aに対応した設計としている。なお、本実施形態1の対物レンズ107は、厚さ0.1mmのBD系光記録媒体108aに最適に設計されているが、これに限定されるものではない。
例えば、情報記録面を2層有する2層BD(Blu−ray Disc)の光記録媒体では、情報記録面として光束の入射側から0.075mmと0.100mmの位置に情報記録面を有するため、その中間値の厚さ0.0875mmを設計中央値とした対物レンズであってもよい。
図2に対物レンズの具体的な構成例を示す。本実施形態1の対物レンズ107は両面非球面形状であり、面の頂点を原点とし、光軸方向をX軸とした直交座標系において、rを近軸曲率半径、κを円錐形数、A,B,C,D,E,F,G,H,J,…を非球面係数とするとき、面の光軸方向の距離xと半径Rの関係より、非球面形状は、(数1)
Figure 2008276823
で表される。各面および各領域の面データを(表1)に示す。
Figure 2008276823
対物レンズに用いるガラスの硝材は住田光学製のKVC81であり、対物レンズの有効瞳半径は2.15mmである。なお、対物レンズの材料としては、ガラスに限らず、樹脂を用いてもよい。
使用波長がλ=405nm、基板厚が0.1mmのBD系光記録媒体108aに対して良好な収差特性となるよう設計されたNA=0.85で用いる対物レンズ108を、使用波長は同一のλ=405nmで基板厚さが0.6mmのHD系光記録媒体108bにNA=0.65で用いたときに発生する波面収差を図3に示す。図3は横軸に入射瞳径をとり、縦軸に波面収差を表す。図3は位相差分布の2次元的な断面形状を表しているが、実際には縦軸(NA=0)に関して回転対称な3次元的な分布となっている。このような発生収差を補正するために、回折機能を利用すればよい。
図4は、一般的な対物レンズの基板厚みと発散度の関係を示したグラフである。図4において、横軸は基板厚、縦軸は対物レンズに入射する光束の発散度の関数である使用状態における対物レンズの倍率である。対物レンズより基板側へ出射する光束は常に収斂光であるので、対物レンズに収斂光が入射するときの符号を「+」、発散光が入射するときの符号は「−」とする。また、この倍率が「0」のときは、対物レンズへは平行光が入射する。
図4の中の曲線は各基板厚に対し、波面収差を最小とする倍率を結んだものであり、例えば基板厚0.1mmで平行光入射が最良の場合、基板厚が厚くなるほど「−」すなわち発散光、薄くなるほど「+」すなわち収斂光を入射させてやると収差が小さくなるということが一般に知られる。よって、本実施形態1においては、対物レンズ107は基板厚0.1mmのBD系光記録媒体108aで最適化されたレンズであるため、基板厚0.6mmのHD系光記録媒体108bに集光するときは発散光を入射させることにより収差を抑制することが可能となる。このような発散光を作り出す手段として本発明では回折を利用する。
回折素子である収差補正素子105の回折面は、図5に示すように光束が通過する範囲内に、同心円状に分割された2つの領域105a,105bを有する。第1の領域105aはHD系光記録媒体に対するNA0.65の領域に相当し、本実施形態1では半径1.6mmと設定する。第1の領域105aには、回折構造が形成されてなり、波長405nmの光束が入射すると、その光量の大半は、0次透過光と+1次回折光に振り分けられる。
また、第2の領域105bは、HD系光記録媒体に対するNA0.65からBD系光記録媒体に対するNA0.85の領域に相当し、本実施形態1では半径1.6mmから2.15mmに設定する。領域105bは回折構造が形成されない平坦な構造となっている。
回折面の領域105aは、光軸垂直面内で光軸中心に同心円状のパターンからなる回折構造が形成されていて、+1次回折光と同時に0次透過光を生成する。つまり入射光の一部を0次透過光、一部を+1次以上の回折光として出射するため、対物レンズ107と組み合わせた2焦点レンズの構成となる。同じ波長で、異なる基板厚を有するBD,HD系光記録媒体上にそれぞれ回折限界まで集光するスポットを形成する。この回折面により、回折された光束と回折されない光束は、光軸上の異なる焦点位置に集光され、それぞれの光記録媒体にスポットを形成する。
また、本実施形態1では対物レンズ107が基板厚0.1mmのBD系光記録媒体で最適設計されているため、基板厚0.6mmのHD系光記録媒体を収差補正素子なしで集光させた場合、無視できない球面収差が発生する。これに対して、収差補正素子105の第1の領域105aで+1次回折された波長405nmの光束は、収差補正素子105を配置せずに対物レンズ107で波長405nmの光束をHD系光記録媒体の情報記録面に集光させた際に発生する球面収差を補正するような回折構造が形成されてなる。
また、第2の領域105bは回折構造が形成されない平坦部であり、波長405nmの光束をそのまま透過させる。BD系光記録媒体に対しては対物レンズ107により集光され、HD系光記録媒体に対しては集光されず、図6(b)に示すような散乱光となり集光には作用せず、記録,再生に影響しない。すなわち、特別な構造やコートを行わずにHD系光記録媒体108に対するNA0.65の制限を行う。図6(a)は光線図を示し、図6(b)は集光点での様子を示す。なお、図6(a)では説明の意図を明確にするために、対物レンズ107と収差補正素子105の間に配置する1/4波長板の記載を省略してある。
図7は図5のA−A’線の断面図であり回折面(領域105a)の実形状を示す図である。この回折面と対物レンズの組み合わせにより、2焦点レンズを実現し、BD,HD系光記録媒体に良好な集光スポットを形成する。
収差補正素子105で回折面の領域105aの断面は図7に示されるような断面形状をもつ同心円状に形成された複数の輪帯状凹凸部からなる。輪帯状凹凸部のピッチは、回折構造がレンズ効果を有するように内側から外側に向かって徐々に変化している。そして、輪帯状凹凸部のピッチは、HD系光記録媒体に対しては、+1次回折光で収差を補正するよう設定される。
この回折面の光路差関数は(数2)
Figure 2008276823
と定義される。
ただし、光軸垂直面の光軸と交わる点を原点とし、光軸方向をX軸とした直交座標系において、φは光路差関数、Rは半径(光軸からの距離)、C1,C2,…は光路差係数である。
回折面の領域105aの光路差係数を(表2)に示す。
Figure 2008276823
2つの異なる光記録媒体を1つの光ピックアップを用いて記録あるいは再生するものとして、特許文献1に球面収差補正用のホログラムを併設し、2重焦点を有する光ピックアップの構成が提案されていることは前述のとおりである。これにより、基板厚の異なる2種類の光記録媒体への集光が可能となるが、光記録媒体からの反射光がこのホログラム素子を通過する際にも回折してしまい、光量が小さくなり、例えば往路回折効率として、0次透過光40%,+1次回折光20%とした場合、復路でも同様の回折効率となる。このように、光記録媒体からの反射光量が小さくなると、受光素子で受光する信号光そのものが小さくなり、再生信号が劣化することになる。
そこで本実施形態1では、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制した光ピックアップを提案することを目的とし、回折素子(収差補正素子105)は、基板上の光軸垂直面内に、光束の波長よりも大きいピッチを有する表面凹凸型の同心円状の回折格子を有し、この回折格子の凸部は、光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造(SubWavelength Structure:SWS)が重畳され、光源から回折素子に入射する光束の偏光方向は、サブ波長構造の溝方向と略同一の光ピックアップ構成とした。この構成により、往路では0次透過光と+1次回折光が生じ、復路では0次透過光が主たる光束となる光ピックアップを実現している。
サブ波長構造が重畳された回折格子では、後述するとおり、その入射光の偏光方向によって回折効率が異なる。本実施形態1では、回折素子(収差補正素子105)と光記録媒体108の間に1/4波長板106を介在しているため(図1参照)、光源から光記録媒体へ向かう回折素子の入射光束と、光記録媒体から反射して回折素子に入射する光束の偏光方向は直交してなる。
サブ波長構造が重畳された回折素子ではサブ波長構造の溝方向に平行な偏光方向の光束が入射した場合は0次透過光と+1次回折光が生じ、溝方向と直交する偏光方向の光が入射した場合は0次透過光が主たる光束となる。
以下に、サブ波長構造に関して説明する。収差補正素子105(回折素子)の各回折格子面のランド部(凸部)には、図8に示すような構造性複屈折を呈する(発現する)サブ波長構造が構成されている。ここで、構造性複屈折とは、光束の波長よりも短い周期でストライプ状構造に、ストライプに平行な偏光成分(TE波)とストライプに垂直な偏光成分(TM波)とで感じる屈折率が異なり、複屈折作用が生じることをいう。
ここで、以下の説明のため、図9を参照して用語について説明する。図9は形成された「断面矩形波形状の微細凹凸構造」を説明図的に示している。微細凹凸構造の凹凸は断面が「矩形波形状」であり、このような矩形波形状の凹凸が、図面に直交する方向へ均一な断面形状で形成されている。したがって、微細凹凸構造における凸部は図面に直交する方向に長い「凸状」をなし、凹部は図面に直交する方向に長い「凹状」をなす。凸状をなす凸部を「ランド」と呼び、凹状をなす凹部を「スペース」と呼ぶ。
また、断面矩形波形状の微細凹凸構造のピッチ:Pは、図9に示すように、ランド・スペースの1対をなすランドとスペースのランド幅:aとスペース幅:bの和(a+b)である。また、スペース底部に対するランドの高さを「溝深さ:d」、フィリングファクタ:fは「a/P」とする。
微細凹凸構造がサブ波長構造であると、そのピッチよりも大きい波長の光は回折せず「0次透過光」としてそのまま透過する(このときの透過率を「0次透過率」という)が、入射光に対して複屈折性を示す。
すなわち、図9に示すように、微細凹凸構造へ「空気領域から入射」する入射光において、微細凹凸構造の周期方向(図面の左右方向)に平行に振動する偏光成分:TM、ランド長手方向(図面に直交する方向)に平行に振動する偏光成分TEに対し、微細凹凸構造は「屈折率が異なる媒質」のように作用する。
微細凹凸構造の部分における有効屈折率を、偏光成分:TMにつきn(TM)、偏光成分:TEについてn(TE)とすると、これらの有効屈折率は、微細凹凸構造が形成された材料の屈折率:n、微細凹凸構造のフィリングファクタ:fを用いて(数3),(数4)
Figure 2008276823
Figure 2008276823
のように表される。
また、図10は屈折率n(横軸)の媒質に、フィリングファクタがf=0.5でサブ波長構造(SWS)を形成したときの有効屈折率(縦軸)である。破線が「n//」(TE方向の有効屈折率)、実線が「n⊥」(TM方向の有効屈折率)を表している。なお、波長は405nmである。「n//」が「n⊥」に比して大きい。
図11は、屈折率n=2.5の材料にフィリングファクタf=0.5、ピッチP=0.4μmのサブ波長構造を重畳形成された回折素子に、波長405nmの光束が入射したときの、0次透過率および+1次回折効率の溝深さ依存性を示す図である。
図11において、溝深さd=0.12μmのところでは、TE方向の回折効率は0次透過光が40%、+1次回折光は20%、一方、TM方向の回折効率は0次透過光が90%、+1次回折光は5%以下である。
図11に示すように、溝深さdが0から増すにつれある深さ(TE方向の0次透過光の場合、0.2μm)までは、0次透過光は減少し、+1次回折光は増える。また、その変化は屈折率が大きいほど顕著となることが公知である。本実施形態1では回折格子にサブ波長構造を重畳させることにより、屈折率の偏光方向依存性をもたせている。このため、図11においてはTE方向のほうが、溝深さ依存性が顕著に表れている。
このような特性を利用すれば、往路では0次透過光と+1次回折光が生じ、復路では0次透過光を主たる光束とすることが可能である。すなわち、往路ではTE方向とサブ波長構造の溝方向を一致させればよい。復路では、1/4波長板により往路と直交する偏光方向の光束(TM方向の光束)が収差補正素子105に入射する。
図12はサブ波長構造のピッチと透過率の関係を示す図である。図12(a)はTE方向、図12(b)はTM方向の透過率に相当する。図12の各線は、サブ波長構造を形成するための材料屈折率に相当する。なお、図12の計算条件としては、フィリングファクタf=0.5μm、溝深さd=0.12μm、波長405nmである。また、ピッチP=0.25μm以上では透過率が減少している。これは回折光の発生によるものである。P=0.25μm(波長よりも1/2)以下であれば、0次透過光のみのサブ波長機能が発現することがわかる。よって、本願のサブ波長構造としては、波長の1/2以下のピッチが望ましい。
光記録媒体108を記録,再生するときに、対物レンズ107はトラッキング制御により、光軸に対して垂直方向に±0.5mm程度の範囲内で移動する。ところが、HD系光記録媒体108bに対しては、収差補正素子105により回折を受けるため、収差補正素子105が移動せずに、対物レンズ107だけが移動すると、収差が発生して集光スポットが劣化してしまう。そこで、収差補正素子105と対物レンズ107を一体化させ、トラッキング制御時に一体で移動させることにより、良好な集光スポットを得る構成とするのが望ましい。
収差補正素子105と対物レンズ107を一体化する方法としては、対物レンズ107と1/4波長板106と収差補正素子105を1つの鏡筒に固定したものを、対物レンズ107を稼動させるアクチュエータ(図示しない)に搭載する方法、あるいはアクチュエータに直接、対物レンズ107,1/4波長板106,収差補正素子105を固定してもよい。
次に、1/4波長板の構成として、前述した収差補正素子と同様に構造性複屈折を用いてもよい。1/4波長板に形成する微細凹凸構造がサブ波長構造であると、前述したように、そのピッチよりも大きい波長の光は回折せず「0次透過光」としてそのまま透過する(このときの透過率を「0次透過率」という)が、入射光に対して複屈折性を示す。
すなわち、図13に示すように、微細凹凸構造へ「空気領域から入射」する入射光において、微細凹凸構造の周期方向(図面の進相軸方向)に平行に振動する偏光成分:TM、ランド長手方向(図面の遅相軸方向)に平行に振動する偏光成分TEに対し、微細凹凸構造は「屈折率が異なる媒質」のように作用する。
また、微細凹凸構造の部分における有効屈折率として、偏光成分:TMをn(TM)、偏光成分:TEをn(TE)とし、微細凹凸構造が形成された材料の屈折率:n、微細凹凸構造のフィリングファクタ:fを用いて表すと、前述の(数3),(数4)となる。
このため、透過光における偏光成分:TMに対し、偏光成分:TEは位相が「δ」だけ遅れることになる。すなわち、溝深さ:dを用いると、微細凹凸構造の「光学的厚さ」は、偏光成分:TMに対して「d×n(TM)」、偏光成分:TEに対して「d×n(TE)」であるので、これら光学的厚さの差:d{n(TE)−n(TM)}に応じて「位相遅れ:δ」が生ずる。この「位相遅れ:δ」が「リタデーション」である。
n(TE)、n(TM)は、材料の屈折率:nと、フィリングファクタ:fにより決定され、リタデーション:δは、屈折率:n、フィリングファクタ:f、溝深さ:dにより定まるから、結局、リタデーションδは材料(屈折率nが定まる)と微細凹凸構造の形態(フィリングファクタ:fと溝深さ:dが定まる)を調整することにより所望のものを得ることができる。なお、1/4波長板のサブ波長構造の溝方向は入射光の偏光方向に対して45度の方向で設定されてなる。
次に、回折素子の作製方法について簡単に説明する。材料として光透過性で熱可塑性の樹脂を用いれば樹脂成形金型に形成された微細形状を転写すればよい。すなわち、蒸着のような長時間を要するプロセスを用いないため大量生産が可能である。図14(a)〜(e)に金型作製工程の断面図を示す。すなわち、金型は電子銃による電子線を金型基板上のレジストの一部領域に照射する電子線露光技術によりパターニングし、現像した後(図14(a),(b))、反応性イオンエッチングなどにより金型基板を掘り込み(図14(c),(d))、その後に転写工程で金型を容易に引き離せるように剥離材料を塗布する工程からなる(図14(e))。
また、図15(a)〜(c)に樹脂に回折構造を転写する工程断面図を示す。基板45の上に、樹脂46を配置し(図15(a))、樹脂46に金型40を押し当て、金型40の表面を樹脂46のTg温度(融点)より僅かに高い温度に加熱し、樹脂46に金型40を押し当てる(図15(b))。樹脂46が金型40にならって変形した後、徐々に樹脂を除冷し形状を転写して、樹脂46と金型40を剥離する(図15(c))。
以上のように作製される偏光選択性機能を発現させるサブ波長構造は、1種類の材質へのダイレクト加工でよく、材質の制約もない。そのため、高パワーや短波長の光を用いる場合は、ガラスを用いればよく、選択できる材質の範囲は多数存在する。さらに、複屈折性結晶を必要とせず、ガラスや樹脂などの容易に、しかも安価に入手できる材料で作製でき、フォトリソグラフィの手法やナノインプリントの手法で簡単に多数個同時に製作することができる。
また、前述の図1に示した実施形態1の変形例として、収差補正素子105と波長板106を別体に備えた構成とは異なり、この2素子を一体化したものであってもよい。すなわち、平面基板の光源側の面に、収差補正素子105の機能を、平面基板の対物レンズ側の面に、1/4波長板106の機能を設けたものである。これにより、部品点数を少なくでき、組付工数を減らせるとともに、光ピックアップの薄型化が図れる。
サブ波長構造の格子(微細凹凸構造)の断面形状は、矩形波形状に限られるものでなく、台形形状もしくは三角形形状もしくは部分円形状または部分楕円形状であってもよい。
さらに、1/4波長板として図16に示すように、回折構造(回折格子、サブ波長構造)の面上に、多層膜を形成したものであってもよい。特に、特許文献3で開示されているように高屈折率材料(例えば、Si)と低屈折率材料(例えば、S)をある所定条件で積層することにより、入射する偏光方向に応じて位相差を付与できる。電子ビームリソグラフィおよびドライエッチング技術で加工された凹凸パターン上に、スパッタデポジションとスパッタエッチングを組み合わせたプロセスにより作製できる。
また、本実施形態1の別の変形例として、収差補正素子105、1/4波長板106の機能を対物レンズ107に備えてもよい。例えば、図17(b),(c)に収差補正素子105の領域105aの機能を対物レンズ106と一体化した構成図を示す。図17(b),(c)のように対物レンズ107面に回折面が形成されていると、対物レンズ107と収差補正素子105との軸ずれによる波面劣化が低減できるだけでなく、組み付け工程も低減し、低コスト化を実現できる。同様に、図17(a),(b)に、1/4波長板106の機能を対物レンズ107と一体化した構成図を示す。
なお、対物レンズ107の面へ形成する回折面は、収差補正素子105、1/4波長板106の回折面どちらか一方でもよい。その場合、対物レンズ107の入射側の面、出射側の面どちらに形成してもよい。
また、回折面の形成は、対物レンズ107と一体に成形してもよいし、対物レンズ107面上に樹脂層を上塗りして、この樹脂上に回折構造を形成してもよい。その場合、回折構造の材料としては、紫外線硬化樹脂が製造上適している。
以上のような光ピックアップの構成により、単一の対物レンズで、異なる基板厚さを有する2種類の光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成でき、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させて、安定した信号を検出することができる。
(実施形態2)
図18は本発明の実施形態2における光ピックアップの全体構成を示す概略図である。本実施形態2では4種類の光記録媒体を記録再生するものであって、前述の図1に示した光ピックアップにおいては、半導体レーザ101から出射した波長405nmの光束でBD,HD系の2つの光記録媒体に集光するものであったが、光ピックアップ構成としてはこれに限定されるものではなく、図18のような構成であってもよい。
図18に示す4種類の光記録媒体は、基板厚がそれぞれ0.1mm,0.6mm,0.6mm,1.2mmであり、開口数がそれぞれNA0.85,NA0.65,NA0.65,NA0.45であり、使用波長がそれぞれλ1=395〜415nm,λ2=650〜670nm,λ3=770〜805nmであり、それぞれがBD系,HD系,DVD系,CD系の各光記録媒体に対応する。
図18に示す左側のBD,HDの光学系は、図1と同じ構成であるため右側のDVD,CDの光学系について説明する。
DVD系光記録媒体108c、CD系光記録媒体108dに対して、光ピックアップは、中心波長が660nmの半導体レーザ201a,中心波長785nmの半導体レーザ201bを1つにパッケージ化された2波長レーザ200,コリメートレンズ202,偏光ビームスプリッタ203,プリズム204,1/4波長板206,対物レンズ207,検出レンズ209,受光素子210より構成される。対物レンズ207はDVD系,CD系の2つの基板に集光可能な公知の回折レンズであり、DVD系に対してNAは0.65、CD系に対してNAは0.50である。
まず、DVD系光記録媒体108cに対して、中心波長が660nmの半導体レーザ201aから出射した光束は、コリメートレンズ202,偏光ビームスプリッタ203を経て、プリズム204より偏向される。そして、1/4波長板206,対物レンズ207を介して、DVD系光記録媒体108cに集光される。DVD系光記録媒体108cの基板厚は0.6mmであり、対物レンズ207のNAは0.65である。開口数(NA)の切り替えは、対物レンズ207により制限される。DVD系光記録媒体108cからの反射光は対物レンズ207,1/4波長板206を通過した後、偏光ビームスプリッタ203により偏向され、検出レンズ209を介して受光素子210上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
次に、CD系光記録媒体108dに対して、中心波長が785nmの半導体レーザ201bから出射した光束は、コリメートレンズ202,偏光ビームスプリッタ203を経て、プリズム204より偏向される。そして、1/4波長板206,対物レンズ207を介して、CD系光記録媒体108dに集光される。CD系光記録媒体108dの基板厚は1.2mmであり、対物レンズ207のNAは0.50である。開口数(NA)の切り替えは、対物レンズ207により制限される。CD系光記録媒体108dからの反射光は対物レンズ207,1/4波長板206を通過した後、偏光ビームスプリッタ203により偏向され、検出レンズ209を介して受光素子210上に導かれ、再生信号,フォーカス誤差信号,トラック誤差信号が検出される。
光記録媒体の透明基板厚、記録密度が異なるBD系,HD系,DVD系,CD系光記録媒体に記録、再生を良好に行うことができる互換性を有する光ピックアップが構成できる。
また、本実施形態2の変形例として、前述した図18に示した4種類の光記録媒体に対応する光ピックアップの構成に限定されるものでなく、図19のような構成であってもよい。図19の構成ではプリズム104の代わりに波長選択ビームスプリッタ211を配置し、BD,HDの光学系のコリメートレンズ102と偏光ビームスプリッタ103の間に波長選択ビームスプリッタ212を介してDVD,CDの光学系の光路を設ける構成とした。
波長選択ビームスプリッタ211は波長405nmの光束は反射し、波長660nm,波長785nmの光束は透過する多層膜プリズムであり、波長選択ビームスプリッタ212は波長405nmの光束は透過し、波長660nm,波長785nmの光は反射する多層膜プリズムである。このような多層膜プリズムを用いることによりBD,HDの光学系とDVD,CDの光学系の光路を共有することが可能となり、結果、光学系の小型化が可能となる。
(実施形態3)
図20は本発明の実施形態3における光情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。実施形態1,2の光記録媒体に対して、情報信号の記録および再生を行う装置であり、前述した光ピックアップに相当する91を備えて構成されている。そして光記録媒体108を回転操作するスピンドルモータ98と、情報信号の記録,再生を行うに当たって使用される光ピックアップ91と、光ピックアップ91を光記録媒体108の内外周に移動操作するための送りモータ92と、所定の変調および復調処理を行う変復調回路94と、光ピックアップ91のサーボ制御などを行うサーボ制御回路93と、光情報処理装置の全体の制御を行うシステムコントローラ96とを備えている。
以下に、本実施形態3の光情報処理装置の動作について説明する。スピンドルモータ98は、サーボ制御回路93により駆動制御され、所定の回転数で回転駆動される。すなわち、記録,再生の対象となる光記録媒体108は、スピンドルモータ98の駆動軸上にチャッキングされ、サーボ制御回路93により駆動制御されるスピンドルモータ98によって、所定の回転数で回転操作される。
光ピックアップ91は、光記録媒体108に対する情報信号の記録および再生を行うとき、前述したように、回転駆動される光記録媒体108に対してレーザ光を照射し、その戻り光を検出する。この光ピックアップ91は、変復調回路94に接続されている。そして、情報信号の記録を行う際には、外部回路95から入力され変復調回路94によって所定の変調処理が施された信号が光ピックアップ91に供給される。光ピックアップ91は、変復調回路94から供給される信号に基づいて、光記録媒体108に対して、光強度変調が施されたレーザ光を照射する。また、情報信号の再生を行う際には、光ピックアップ91は、回転駆動される光記録媒体108に対して、一定の出力のレーザ光を照射し、その戻り光から再生信号が生成され、この再生信号が変復調回路94に供給される。
また、この光ピックアップ91は、サーボ制御回路93にも接続されている。そして、情報信号の記録再生時に、回転駆動される光記録媒体108によって反射されて戻ってきた戻り光から、前述したように、フォーカスサーボ信号およびトラッキングサーボ信号が生成され、それらのサーボ信号がサーボ制御回路93に供給される。
変復調回路94は、システムコントローラ96および外部回路95に接続されている。この変復調回路94は、情報信号を光記録媒体108に記録するときには、システムコントローラ96による制御のもとで、光記録媒体108に記録する信号を外部回路95から受け取り、この信号に対して所定の変調処理を施す。変復調回路94によって変調された信号は、光ピックアップ108に供給される。また、この変復調回路94は、情報信号を光記録媒体108から再生するときには、システムコントローラ96による制御のもとで、光記録媒体108から再生された再生信号を光ピックアップ91から受け取り、この再生信号に対して所定の復調処理を施す。そして、変復調回路94によって復調された信号は、変復調回路94から外部回路95へ出力される。
送りモータ92は、情報信号の記録および再生を行うとき、光ピックアップ91を光記録媒体108の径方向で所定の位置に移動させるためのものであり、サーボ制御回路93からの制御信号に基づいて駆動される。すなわち、この送りモータ92は、サーボ制御回路93に接続されており、サーボ制御回路93により制御される。
サーボ制御回路93は、システムコントローラ96による制御のもとで、光ピックアップ91が光記録媒体108に対向する所定の位置に移動されるように、送りモータ92を制御する。また、サーボ制御回路93は、スピンドルモータ98にも接続されており、システムコントローラ96による制御のもとで、スピンドルモータ98の動作を制御する。すなわち、サーボ制御回路93は、光記録媒体108に対する情報信号の記録および再生時に、光記録媒体108が所定の回転数で回転駆動されるように、スピンドルモータ98を制御する。
光情報処理装置に本発明の光ピックアップを具備していれば、異なる基板厚さを有する光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させ、安定した信号検出ができ、情報の記録、再生品質の精度を高めることができる。
本発明に係る光ピックアップおよび光情報処理装置は、単一の対物レンズで、異なる基板厚さを有する2種類の光記録媒体の記録面に、良好なスポットを形成するとともに、光記録媒体からの反射光の回折光を抑制し受光素子で受光する信号光を向上させ、安定した信号検出ができ、透明基板厚が異なることで、記録密度が異なる2種類以上の光記録媒体に記録、再生を良好に行うものとして有用である。
本発明の実施形態1における光ピックアップの全体構成を示す概略図 対物レンズの具体的な構成例を示す図 基板厚さの異なる系光記録媒体に発生する波面収差を示す図 対物レンズの基板厚みと発散度の関係を示したグラフ 収差補正素子の回折面を示す図 収差補正素子の(a)は光線図、(b)は集光点での様子を示す図 収差補正素子を示す図5のA−A’線の断面図 収差補正素子の回折格子とサブ波長構造の構成を示す図 サブ波長構造である微細凹凸の構造を示す断面図 屈折率nの媒質にサブ波長構造を形成したときの有効屈折率を示す図 0次透過率および1,2次回折効率の溝深さ依存性を示す図 サブ波長構造のピッチと透過率の関係の(a)TE方向、(b)TM方向を示す図 微細凹凸構造へ入射光と偏光成分:TEと偏光成分:TMを示す図 金型作製工程(a)〜(e)を示す工程断面図 樹脂に回折構造を転写する工程(a)〜(c)を示す工程断面図 回折構造(回折格子、サブ波長構造)上に、多層膜を形成した1/4波長板を示す斜視図 収差補正素子、1/4波長板の機能を対物レンズに備えた(a)は上面、(b)は断面、(c)は下面を示す図 本発明の実施形態2における光ピックアップの全体構成を示す概略図 本実施形態2における変形例の光ピックアップの全体構成を示す概略図 本発明の実施形態3における光情報処理装置の概略構成を示す図
符号の説明
40 金型
45 基板
46 樹脂
91 光ピックアップ
92 送りモータ
93 サーボ制御回路
94 変復調回路
95 外部回路
96 システムコントローラ
98 スピンドルモータ
101,201a,201b 半導体レーザ
102,202 コリメートレンズ
103,203 偏光ビームスプリッタ
104,204 プリズム
105 収差補正素子
106,206 1/4波長板
107,207 対物レンズ
108 光記録媒体
108a BD系光記録媒体
108b HD系光記録媒体
108c DVD系光記録媒体
108d CD系光記録媒体
109,209 検出レンズ
110,210 受光素子
200 2波長レーザ
211,212 波長選択ビームスプリッタ

Claims (6)

  1. 光束の入射面と記録面との間隔である基板厚が互いに異なる第1の光記録媒体と第2の光記録媒体とを含む複数種類の光記録媒体のいずれかにアクセスし、情報の記録、再生および消去のうち少なくとも1つを行う光ピックアップにおいて、
    光源と、
    前記第1の光記録媒体に対して最適化され、前記光源から出射された光束をアクセス対象の光記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路上に配置され、前記対物レンズを介した戻り光束を分岐する偏光分岐素子と、
    前記偏光分岐素子と前記対物レンズとの間の光路上に配置され、光束を0次透過光と+1次回折光の2つの回折光に配分する回折構造を有し、
    前記0次透過光が第1の光記録媒体への集光に用いられ、
    前記+1次回折光が第2の光記録媒体への集光に用いられ、
    前記回折構造は、前記光束が前記第2の光記録媒体の基板を透過する際に生じる収差を相殺する収差を付与し、前記対物レンズを介して前記第2の光記録媒体の記録面に集光させる回折素子と、
    前記回折素子と前記光記録媒体との間の光路上に配置され、入射する光束に1/4波長の光学的位相差を付与する1/4波長板と、
    前記偏光分岐素子で分岐された戻り光束を所定の受光位置で受光する受光素子とを備え、
    前記回折素子は、基板上の光軸垂直面内に、光束の波長よりも大きいピッチを有する表面凹凸型の同心円状の回折格子を有し、前記回折格子の凸部は、光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が重畳されてなり、
    前記光源から前記回折素子に入射する光束の偏光方向は、前記サブ波長構造の溝方向と略同一であることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記回折素子と前記1/4波長板が一体化されてなり、
    前記1/4波長板は光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造によって形成されたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  3. 前記対物レンズの一方の面に光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が形成されてなり、
    前記一方の面のサブ波長構造は回折素子の機能として作用することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  4. 前記対物レンズの一方の面に光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が形成されてなり、
    前記一方の面のサブ波長構造は1/4波長板の機能として作用することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  5. 前記対物レンズの光源側の面および光記録媒体側の面に光束の波長よりも小さいピッチを有する表面凹凸型の周期状のサブ波長構造が形成されてなり、
    前記光源側の面のサブ波長構造は回折素子の機能として作用し、
    前記光記録媒体側の面のサブ波長構造は1/4波長板の機能として作用することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  6. 光記録媒体の記録面に光束を照射して情報の記録、再生および消去のうち少なくとも1つを行う光情報処理装置において、
    前記光情報処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップを備えたことを特徴とする光情報処理装置。
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