JP2008276613A - 移動体判定装置、コンピュータプログラム及び移動体判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる移動体判定装置、コンピュータプログラム及び移動体判定方法を提供する。
【解決手段】CPU25は、画素領域を設定し、注目画素の位置を設定する。CPU25は、設定した画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位方向により特定される特定画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する。撮像画像上での注目画素の位置における移動体の見かけの大きさ、移動速度に応じて、画素領域の画素ブロックの大きさ及びフレーム数並びに画素間隔及びフレーム間隔を変化させる。
【選択図】図2
【解決手段】CPU25は、画素領域を設定し、注目画素の位置を設定する。CPU25は、設定した画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位方向により特定される特定画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する。撮像画像上での注目画素の位置における移動体の見かけの大きさ、移動速度に応じて、画素領域の画素ブロックの大きさ及びフレーム数並びに画素間隔及びフレーム間隔を変化させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、道路を含む領域を撮像装置で撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定する移動体判定装置、該移動体判定装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラム及び移動体判定方法に関する。
円滑な交通を実現し、あるいは交通事故を未然に防止するために詳細な交通情報を提供することが求められている。例えば、道路の所定の地点を通過する車両の通過台数又は平均速度等のマクロな交通パラメータを取得することができる装置のみならず、個々の車両の位置又は動きを精度良く計測することができる装置が求められている。
これらの計測装置は屋外に設置されることが多く、様々な環境変化に対応した安定性のある計測精度が要求されている。また、これらの装置を用いた社会インフラを普及させるためには、安価な装置を提供することも不可欠である。
このような装置の一例として、画像処理技術を利用した画像式車両感知器の普及が進んでいる。例えば、車両が存在しない道路を撮像した撮像画像を予め作成しておき、車両が道路を走行する際に撮像した撮像画像との差分を算出して車両のみの情報を抽出する。その後エッジを抽出し、抽出したエッジの分布により車両位置を検出する装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、車両又はその他の輝度分布そのものを特徴量とし、ニューラルネットワーク等で車両を判別する方式もあるが、様々な環境下でのパターンデータを予め準備しておくことは現実的ではなく、かつ判別に要する処理時間も膨大となることから安価な装置として実現することは非常に困難であった。
一方、動画像に基づいて注目画素の周辺及び時間方向での局所領域での相関特徴量を抽出して、動作特徴の統計的な分布を考慮した場合に分布の集中する通常動作と、その分布から大きく逸脱する異常動作とを識別する立体高次局所自己相関特徴抽出手法が提案されている(非特許文献1参照)。
特開平5−307695号公報
南里 卓也、他1名、「複数人動画像からの異常動作検出」、情報処理学会研究報告、2004−CVIM−145、pp179−186、2004年9月11日
しかしながら、特許文献1の例にあっては、日照変化、天候変化などの外部環境変化の影響により、路面上の影、路面標記、路面反射、あるいは樹木の揺れなどを車両として誤って計測するという問題があり、抜本的な解決はなされていない。また、非特許文献1の例にあっては、撮像画像内で通常動作又は異常動作の有無を識別することができるものの、撮像画像上のどの位置に通常動作を行う対象物が存在するのか、また、撮像画像上のどの位置に異常動作を行う対象物が存在するのかは識別することができない。従って、非特許文献1の手法を交通流監視等に適用したとしても、車両、人などの移動体が何処に存在するのか判定することができなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定し、設定した画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する。抽出した特徴量ベクトルを画素領域内の注目画素毎に加算し、加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換して移動体の種別を判定することにより、外部環境変化の影響を受けることなく、移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる移動体判定装置、該移動体判定装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラム及び移動体判定方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る移動体判定装置は、道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定する移動体判定装置において、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定する設定手段と、該設定手段で設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する抽出手段と、前記画素領域内の注目画素毎に前記抽出手段で抽出した特徴量ベクトルを加算する加算手段と、該加算手段で加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する変換手段とを備え、該変換手段で変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定するように構成してあることを特徴とする。
第2発明に係る移動体判定装置は、第1発明において、前記設定手段は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で前記画素領域の画素ブロックの大きさを小さく/大きく設定するように構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る移動体判定装置は、第1発明又は第2発明において、注目画素と変位情報により特定される画素との画素間隔は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で小さい/大きいことを特徴とする。
第4発明に係る移動体判定装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記設定手段は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で前記画素領域の時系列に並べた画素ブロックの数を多く/少なく設定するように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る移動体判定装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、注目画素が存在する画素ブロックと変位情報により特定される画素が存在する画素ブロックとの時間間隔は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で大きい/小さいことを特徴とする。
第6発明に係る移動体判定装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記加算手段で加算した特徴量ベクトルを前記画素領域内の注目画素数で除算して正規化する正規化手段を備え、前記変換手段は、前記正規化手段で正規化した特徴量ベクトルを変換するように構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る移動体判定装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかにおいて、前記加算手段で加算した特徴量ベクトルの各要素の変動量を複数の撮像時点に亘って算出する変動量算出手段を備え、前記抽出手段は、前記変動量算出手段で算出した変動量が所定の閾値以下である場合、該変動量に対応する要素を除外して特徴量ベクトルを抽出するように構成してあることを特徴とする。
第8発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータを、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定する手段と、設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する手段と、前記画素領域内の注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算する手段と、加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する手段と、変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定する手段として機能させることを特徴とする。
第9発明に係る移動体判定方法は、道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定する移動体判定方法において、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定し、設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出し、前記画素領域内の注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算し、加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換し、変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定することを特徴とする。
第1発明、第8発明及び第9発明にあっては、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成された画素領域を設定し、設定した画素領域内で注目画素の位置を設定する。設定した画素領域は、撮像画像上の2方向及び時間方向の3次元の領域となる。設定した画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位情報により特定される画素(特定画素)との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する。画素領域内で注目画素を移動させ、位置が異なる注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算する。変位情報は、注目画素から見た特定画素の変位方向であり、例えば、変位方向は注目画素を中心とする3×3×3画素の領域の26方向(26通り)とすることができる。相関特徴量を求める場合、変位方向の組み合わせ数だけ特徴量が生成される。例えば、組み合わせ数が251である場合、特徴量ベクトルは251次元ベクトルとなる。これにより、従来の手法(例えば、エッジ検出など)に比べて抽出することができる特徴量が増え、かつ時間変化による動きの特徴も抽出することができるため、複雑な特徴を注目画素毎に精度良く抽出することができる。
加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する。変換係数は予め決定しておくことができる。例えば、変換係数は、移動体の種別(車両あり、人あり、車両・人なしなど)が判明している学習用データ(例えば、数百から数千フレーム、フレームレートは1秒間で30フレーム)を用いて特徴量ベクトルを抽出し、回帰分析、主成分分析、判別分析などの多変量解析手法により求めることができる。変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定する。これにより、画素領域の基準となる撮像時点の撮像画像における画素ブロックにおいて、車両あり、人あり、車両・人なしなどの移動体の種別を判定することができる。また、画素領域の画素ブロックの重なりを許して撮像画像全体に走査して同様の処理を繰り返すことにより、撮像画像上の移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる。
第2発明にあっては、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で画素領域の画素ブロックの大きさを小さく/大きく設定する。移動体が近くに存在する場合には撮像画像上での見かけの大きさが大きくなるため、画素ブロックの大きさを大きくする。これにより、画素領域の撮像画像上の2方向の大きさを大きくして広い範囲の特徴量を抽出することができ、精度良く移動体の種別を判定することができる。また、移動体が遠くに存在する場合には撮像画像上での見かけの大きさが小さくなるため、画素ブロックの大きさを小さくする。これにより、画素領域の撮像画像上の2方向の大きさを小さくして移動体の種別を精度良く判定しつつ、不要な処理を削除して処理労力を低減することができる。
第3発明にあっては、注目画素と変位情報により特定される画素との画素間隔を、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で小さく/大きくする。移動体が近くに存在する場合には撮像画像上での見かけの大きさが大きくなるため、画素間隔を大きくして変位方向の長さを長くする。これにより、広い範囲の特徴量を抽出することができ、精度良く移動体の種別を判定することができる。また、移動体が遠くに存在する場合には撮像画像上での見かけの大きさが小さくなるため、画素間隔を小さくして変位方向の長さを短くする。これにより、移動体の見かけの大きさに応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。
第4発明にあっては、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で画素領域の時系列に並べた画素ブロックの数を多く/少なく設定する。移動体が近くに存在する場合には撮像画像上での見かけの移動速度が速く、短い時間でも移動体の移動量が大きいため、画素ブロックの数を少なくする。これにより、画素領域の時間方向の長さを短くして移動体の移動速度に応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。また、移動体が遠くに存在する場合には撮像画像上での見かけの移動速度が遅く、長い時間でないと移動体の移動量が大きくならないため、画素ブロックの数を多くする。これにより、長い時間に亘って特徴量を抽出することができ、精度良く移動体の種別を判定することができる。
第5発明にあっては、注目画素が存在する画素ブロックと変位情報により特定される画素が存在する画素ブロックとの時間間隔を、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で大きく/小さくする。移動体が近くに存在する場合には撮像画像上での見かけの移動速度が速く、短い時間でも移動体の移動量が大きいため、時系列に並んだ画素ブロックの時間間隔を短くする。これにより、移動体の移動速度に応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。また、移動体が遠くに存在する場合には撮像画像上での見かけの移動速度が遅く、長い時間でないと移動体の移動量が大きくならないため、時系列に並んだ画素ブロックの時間間隔を長くする。これにより、長い時間に亘って特徴量を抽出することができ、精度良く移動体の種別を判定することができる。
第6発明にあっては、加算した特徴量ベクトルを画素領域内の注目画素数(例えば、注目画素の総数)で除算して正規化する。正規化した特徴量ベクトルを変換係数で変換して種別判定値を求める。これにより、画素領域の2方向又は時間方向の大きさに依存しない相関特徴量を求めることができる。
第7発明にあっては、加算した特徴量ベクトルの各要素の変動量を複数の撮像時点に亘って算出する。例えば、予め移動体の種別(車両あり、人あり、車両・人なしなど)が判明している学習用データを用いて、複数の撮像時点(例えば、数百から数千フレーム)で特徴量ベクトル(画素領域内の注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算した特徴量ベクトル)を抽出し、抽出した特徴量ベクトルの各要素(251次元ベクトルの場合、251要素)の変動量を算出する。変動量が所定の閾値以下である場合、すなわち、移動体の種別に関わらず特徴量が変化しない要素を除去する。移動体の種別を判定する場合、移動体の種別に関わらず特徴量がほとんど変化しない要素を除去した特徴量ベクトル(部分特徴量ベクトル)を抽出する。これにより、移動体の種別判定に不要な特徴量を求める必要がなくなり、移動体の種別判定の精度を維持しつつ処理量を削減することができ、移動体の種別の判定をより安価な装置で実現することが可能となる。
本発明にあっては、外部環境変化の影響を受けることなく、移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る移動体判定装置を用いた移動体判定の概要を示す模式図である。図1に示すように、交差点手前の停止線P付近の路上10m程度の位置にビデオカメラ1を設置する。ビデオカメラ1は、交差点への流入路又は流出路の数十m程度の範囲を移動体の種別(例えば、車両あり、人あり、車両・人なし)を判定する判定領域として撮像する。
ビデオカメラ1には、所要の映像ケーブルを介して本発明に係る移動体判定装置2を接続してある。移動体判定装置2は、ビデオカメラ1で撮像して得られた時系列の撮像画像(動画像)を処理して移動体の種別を判定する。移動体判定装置2は、交通管制センタに設置されたセンタ装置3との間で有線又は無線通信により通信を行うことができる。移動体判定装置2は、移動体の種別の判定結果をセンタ装置3へ出力する。なお、ビデオカメラ1と移動体判定装置2とは一体型であってもよい。
図2は移動体判定装置2の構成を示すブロック図である。図において、1はビデオカメラである。ビデオカメラ1は撮像して得られた撮像画像を映像信号(アナログ信号)として画像入力部21へ出力する。画像入力部21は、取得した映像信号をA/D変換部22へ出力する。
A/D変換部22は、入力された映像信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号を画像データとして画像メモリ23へ記憶する。CPU25は、画像入力部21を介してビデオカメラ1から入力された撮像画像を画像データとして、ビデオカメラ1のフレームレート(撮像時点の間隔、例えば、1秒間に30フレーム)と同期して、1フレーム単位(例えば、480×640画素)で画像メモリ23に記憶する。
補助記憶部28は、本発明のコンピュータプログラムPGを記録したCD−ROM29が挿入されることにより、CD−ROM29に記録されたコンピュータプログラムPGをRAM24に記憶する。なお、コンピュータプログラムPGを記録する媒体は、CD−ROM29に限定されず他の記録媒体であってもよく、あるいは、インターネットからダウンロードすることもできる。CPU25は、RAM24に記憶されたコンピュータプログラムPGを実行する。移動体判定装置2は、CD−ROM29に記録したコンピュータプログラムPGがRAM24に読み込まれ、読み込まれたコンピュータプログラムPGをCPU25で実行することにより、移動体の種別判定処理を行う。なお、移動体の種別判定処理は、コンピュータプログラムに代えて、専用のハードウエア回路で実現することもできる。
画像メモリ23は、画像入力部21を介して取得された撮像画像を画像データとして、フレーム毎に記憶する。
記憶部27は、コンピュータプログラムPGをCPU25で実行することにより、得られた特徴量ベクトルの抽出結果、移動体の種別の判定処理結果を各フレームの画素毎に対応させて記憶している。また、記憶部27は、学習用データを用いて算出された変換係数を記憶している。また、記憶部27は、特徴量ベクトルの各要素のうち、相関特徴量を抽出する必要のない要素に関する情報を記憶している。
通信部26は、移動体判定装置2で判定した移動体の位置及び種別に関する情報を、センタ装置3へ出力する。
CPU25は、撮像画像上で所要の大きさの画素ブロックを複数設定する。撮像画像上の画素ブロックの位置は、画素ブロックの一部が相互に重なり合うように配置することもでき、離隔して配置することもでき、あるいは、重なり合う画素ブロックと離隔する画素ブロックが混在することもできる。なお、画素ブロックの設定は、CPU25が行う代わりに、予め定めておくこともできる。CPU25は、撮像時点が異なる複数の撮像画像それぞれの画素ブロックを時系列に複数並べて構成された画素領域を設定し、設定した画素領域内で注目画素の位置を設定する。設定した画素領域は、撮像画像上の2方向及び時間方向の3次元の領域となる。
CPU25は、設定した画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位情報により特定される画素(特定画素)との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する。画素領域内で注目画素を移動させ、位置が異なる注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算する。すなわち、注目画素毎に抽出した個々の特徴ベクトルを画素領域内のすべての画素及び撮像時点について加算する。変位情報は、注目画素から見た画素領域内の特定画素の変位方向であり、例えば、変位方向は注目画素を中心とする3×3×3画素の領域の26方向(26通り)とすることができる。画素領域で特徴量ベクトルを抽出する場合、変位方向の組み合わせ数だけ特徴量が生成される。例えば、組み合わせ数が251である場合、特徴量ベクトルは251次元ベクトルとなる。
CPU25は、加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する。CPU25は、変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定する。なお、変換係数は予め決定しておくことができる。例えば、変換係数は、移動体の種別(車両あり、人あり、車両・人なしなど)が判明している学習用データ(例えば、数百から数千フレーム、1秒間で30フレーム)を用いて特徴量ベクトルを抽出し、回帰分析、主成分分析、判別分析などの多変量解析手法により求めることができる。これにより、画素領域の基準となる撮像時点の撮像画像における画素ブロックにおいて、車両あり、人あり、車両・人なしなどの移動体の種別を判定することができる。画素領域の画素ブロックの重なりを許して撮像画像全体に走査して同様の処理を繰り返すことにより、撮像画像上の移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる。
図3は撮像画像の一例を示す説明図である。図3に示すように、撮像画像上の近距離に対応する領域をブロックAとし、遠距離に対応する領域をブロックCとし、その中間である中距離に対応する領域をブロックBとして3分割する。図3に示すように、ブロックAはブロックBよりも大きく、ブロックBはブロックCよりも大きくなるように設定してある。なお、後述するように分割したブロック毎に画素領域の大きさを変化させる。また、画素ブロックA、B、Cには、それぞれ複数の画素ブロックを設定してある。撮像画像上の画素ブロックの位置は、画素ブロックの一部が相互に重なり合うように配置することもでき、離隔して配置することもでき、あるいは、重なり合う画素ブロックと離隔する画素ブロックが混在することもできる。
撮像画像の距離に対応する領域の分割数は3に限定されるものではなく、4以上に分割することもできる。また、撮像画像を分割する分割線は、横方向(水平走査線方向)に限定されるものではなく、撮像する道路の向き、道路状況に応じて縦方向、斜め方向など適宜設定することができる。
図4は各ブロックにおける画素領域の一例を示す説明図である。画素領域は、撮像時点が異なる複数の撮像画像それぞれの画素ブロックを時系列に複数並べて構成したものであり、撮像画像上の2方向及び時間方向の3次元の領域である。画素領域の大きさは、縦画素数×横画素数(画素ブロック)×フレーム数で設定される。また、画素間隔は、例えば、画素領域内の注目画素とその注目画素からの変位情報(変位方向)により特定される特定画素との画素の間隔であり、撮像画像上での変位の長さを示す。また、フレーム間隔は、例えば、画素領域内の注目画素が存在するフレームとその注目画素からの変位情報(変位方向)により特定される特定画素が存在するフレームとのフレームの間隔であり、時間方向での変位の長さを示す。
図4に示すように、ブロックA(撮像画像の近距離に対応する領域)では、画素領域の大きさは、9画素×9画素(9×9画素ブロック)×5フレームであり、画素領域内の注目画素と特定画素との画素間隔は3画素、フレーム間隔は1フレームである。
図5はブロックAにおける画素領域の構成例を示す説明図である。図5に示すように、画素領域は、時刻t、…、t−4における5つの撮像画像(5フレーム)内の9画素×9画素の画素ブロックを時系列に5フレーム分並べて構成される。なお、各フレームの時間間隔は、フレームレートが30フレーム/秒であれば、1/30秒である。
また、図4に示すように、ブロックB(撮像画像の中距離に対応する領域)では、画素領域の大きさは、7画素×7画素(7×7画素ブロック)×7フレームであり、画素領域内の注目画素と特定画素との画素間隔は2画素、フレーム間隔は2フレームである。
図6はブロックBにおける画素領域の構成例を示す説明図である。図6に示すように、画素領域は、時刻t、…、t−6における7つの撮像画像(7フレーム)内の7画素×7画素の画素ブロックを時系列に7フレーム分並べて構成される。
また、図4に示すように、ブロックC(撮像画像の遠距離に対応する領域)では、画素領域の大きさは、3画素×3画素(3×3画素ブロック)×9フレームであり、画素領域内の注目画素と特定画素との画素間隔は1画素、フレーム間隔は3フレームである。
図7はブロックCにおける画素領域の構成例を示す説明図である。図7に示すように、画素領域は、時刻t、…、t−8における9つの撮像画像(9フレーム)内の3画素×3画素の画素ブロックを時系列に9フレーム分並べて構成される。
次に特徴量ベクトルの抽出法について説明する。以下の説明ではブロックBにおける画素領域を用いて説明するが、他のブロックA、Cについては画素領域の大きさ、画素間隔及びフレーム間隔が異なるだけで特徴量ベクトルの抽出法は同様である。また、画素領域のうち5画素×5画素の画素ブロックを例示し、画素間隔は2画素、フレーム間隔は2フレームとして説明する。
図8は特徴量ベクトル抽出例を示す説明図である。図8に示すように、フレーム間隔を2フレームとして(すなわち、1フレームおきに)、5画素×5画素の画素ブロックを3フレーム分(時刻t、t−2、t−4)時系列に並べて構成してある。また、注目画素は時刻t−2のフレームの画素ブロックの中心にある。
CPU25は、撮像画像上の注目画素毎に式(1)に基づいて特徴量ベクトルVijを抽出する。
ここで、i、jは撮像画像上の注目画素の位置を示す。また、rは画素領域内の注目画素の位置を示し、r=(x、y、z)、z=t、t−2、t−4である。また、a1、a2、…、aNは、注目画素から見た変位方向(変位情報)であり、Nは変位方向の数を表す。r+a1、r+a2、…、r+aNは、注目画素と相関特徴量を算出する特定画素の位置を表すことになる。また、f(r)、f(r+a1)、…は、各画素の輝度値を表す。なお、f(r)、f(r+a1)、…は、輝度値に代えて、時間差分又は背景差分結果を二値化した値とすることもできる。
変位方向の数Nは、例えば、注目画素を中心とする3×3×3画素の領域の26方向(26通り)とすることができる。画素領域で特徴量ベクトルを抽出する場合、相関特徴量を求めるために選択する選択画素の数に応じた変位方向の組み合わせ数だけ特徴量が生成される。例えば、f(r)、f(r+a1)、…として二値化した値を用いる場合、相関特徴量を求める選択画素の数を1〜3とすると、選択画素の数が1である場合は、注目画素が1つ選択されるため、組み合わせ数は1個である。また、選択画素の数が2である場合は、注目画素と他の1つの特定画素の組み合わせ数は13個である。また、選択画素の数が3である場合は、注目画素と他の2つの特定画素の組み合わせ数は237個である。なお、画素領域内で注目画素を移動させることにより重複する組み合わせは除外してある。これにより、組み合わせ数が251となり、特徴量ベクトルは251次元ベクトルとなる。
すなわち、f(r)、f(r+a1)、…として二値化した値を用いる場合、式(1)において、f(r)、f(r+a1)、…それぞれを掛け合わす組み合わせが251通りあることになる。なお、撮像画像を予め二値化しておくことにより、f(r)、f(r+a1)、…を掛け合わせた値は1又は0のいずれかの値をとることになる。また、式(1)においてdrで積分する処理は、画素領域内で注目画素を移動させ、移動させる都度特徴量ベクトルを求めることに相当する。したがって、特徴量ベクトルの各要素(251次元ベクトルの場合251要素)は、注目画素の移動の都度加算されることになり、加算処理後の特徴量ベクトルを抽出することができる。
加算処理後の特徴量ベクトルは、画素領域内の注目画素数(例えば、注目画素の総数)で除算することにより、正規化することができる。これにより、抽出した特徴量ベクトルは、画素領域の撮像画像上の2方向又は時間方向の大きさに依存しない値として求めることができる。
次に特徴量ベクトルの各要素の算出例について説明する。図9は選択画素の数が2である場合の特徴量ベクトルの算出例を示す説明図である。図9に示すように、注目画素rは時刻t−2のフレームの画素ブロックの中心に存在し、その座標をr(x、y、t−2)とする。また、変位方向a1をa1(−2、0、0)とする。なお、この場合、変位方向の長さ、すなわち、相関特徴量を算出する際の画素間隔は2画素である。特定画素の座標r+a1は、r+a1(x−2、y、t−2)となり、特徴量ベクトルの要素v1は、v1=f(r)・f(r+a1)となる。
図10は選択画素の数が3である場合の特徴量ベクトルの算出例を示す説明図である。図10に示すように、注目画素rは時刻t−2のフレームの画素ブロックの中心に存在し、その座標をr(x、y、t−2)とする。また、変位方向a1をa1(−2、0、0)、変位方向a2をa2(0、2、0)とする。なお、この場合も変位方向の長さ、すなわち、相関特徴量を算出する際の画素間隔は2画素である。特定画素の座標r+a1は、r+a1(x−2、y、t−2)となり、特定画素の座標r+a2は、r+a2(x、y+2、t−2)となる。特徴量ベクトルの要素v2は、v2=f(r)・f(r+a1)・f(r+a2)となる。
図11は時間方向に変位した場合の特徴量ベクトルの算出例を示す説明図である。図11に示すように、注目画素rは時刻t−2のフレームの画素ブロックの中心に存在する。また、変位方向amは、注目画素から見て時刻tのフレームの特定画素の方向であり、その特定画素の座標はr+amとなる。また、変位方向anは、注目画素から見て時刻t−4のフレームの特定画素の方向であり、その特定画素の座標はr+anとなる。この場合、変位方向の長さ、すなわち、相関特徴量を算出する際のフレーム間隔は2フレームである。特徴量ベクトルの要素vkは、vk=f(r)・f(r+am)・f(r+an)となる。
図12は注目画素の特徴量ベクトルの例を示す説明図である。図12に示すように、撮像画像上の注目画素rijの特徴量ベクトルVijは、上述の処理を行うことにより、Vij(v1、v2、…、v251)のように抽出することができる。画素領域全体に走査して同様の処理を繰り返すことにより、画素領域の各画素の特徴量ベクトルを抽出することができる。
画素領域の画素毎に抽出した特徴量ベクトルVijに変換係数を乗算して移動体判定値に変換することができる。式(2)、式(3)は変換式の一例である。
式(2)において、Aは変換係数であり、特徴量ベクトルが251次元のベクトルである場合、変換係数Aも、251次元のベクトルとすることができ、変換結果である移動体判定値(種別判定値)Rは、例えば、0〜1の間の実数とすることができる。
変換係数Aは、例えば、移動体の種別(例えば、車両あり、移動体なし)が判明している学習用データ(例えば、数百から数千フレーム)を用いて特徴量ベクトルを抽出し、回帰分析、主成分分析、判別分析などの多変量解析手法により求めることができる。
また、式(3)において、Bは変換係数であり、特徴量ベクトルが251次元のベクトルである場合、変換係数Bも、251次元のベクトルとすることができ、変換結果である移動体判定値(種別判定値)Sは、例えば、0〜1の間の実数とすることができる。
変換係数Bは、例えば、移動体の種別(例えば、人あり、移動体なし)が判明している学習用データ(例えば、数百から数千フレーム)を用いて特徴量ベクトルを抽出し、回帰分析、主成分分析、判別分析などの多変量解析手法により求めることができる。
図13は移動体の種別判定の例を示す説明図である。式(2)により求めた移動体判定値Rが「1」に近い場合、車両ありと判定することができ、また、移動体判定値Rが「0」に近い場合、移動体なしと判定することができる。
また、同様に、式(3)により求めた移動体判定値Sが「1」に近い場合、人ありと判定することができ、また、移動体判定値Sが「0」に近い場合、移動体なしと判定することができる。
これにより、画素領域の基準となる撮像時点の撮像画像(上記の場合は時刻t)における画素ブロックにおいて、車両あり、人あり、車両・人(移動体)なしなどの移動体の種別を判定することができる。画素領域の画素ブロックの重なりを許して撮像画像全体に走査して同様の処理を繰り返すことにより、撮像画像上の移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる。
移動体判定値の算出例は、一例であって上述の例に限定されるものではない。例えば、変換係数A、Bを251次元のベクトルではなく、2×251の行列(例えば、変換行列C)にすることにより、移動体判定値を2次元の値として求め、二次元座標上の位置に応じて、車両あり、人あり、移動体なしと判定するようにしてもよい。なお、この場合でも、変換行列Cは、移動体の種別(例えば、車両あり、人あり、移動体なし)が判明している学習用データ(例えば、数百から数千フレーム)を用いて特徴量ベクトルを抽出し、回帰分析、主成分分析、判別分析などの多変量解析手法により求めることができる。
図14は各フレームでの特徴量ベクトルの抽出例を示す説明図である。なお、画素領域は、ブロックBにおける画素領域を用いて説明する。また、画素領域のうち5画素×5画素の画素ブロックを例示し、画素間隔は2画素、フレーム間隔は2フレームとして説明する。図14(a)に示すように、時刻tのフレームが入力された場合、特徴量ベクトルを抽出する領域は、時刻t、t−2、t−4の3つのフレームの各画素ブロック(5画素×5画素)で構成される。画素領域内の注目画素に対して特徴量ベクトルを抽出し、画素領域内で注目画素を移動させ、移動させる都度特徴量ベクトルの各要素を加算して得られた特徴量ベクトルを、変換係数により移動体判定値に変換して移動体の種別判定を行う。撮像画像上の全画素について同様の処理を行った後、図14(b)に示すように、時刻t+1のフレームが入力される。
時刻t+1では、特徴量ベクトルを抽出する領域は、時刻t+1、t−1、t−3の3つのフレームの各画素ブロック(5画素×5画素)で構成される。画素領域内の注目画素に対して特徴量ベクトルを抽出し、画素領域内で注目画素を移動させ、移動させる都度特徴量ベクトルの各要素を加算して得られた特徴量ベクトルを、変換係数により移動体判定値に変換して移動体の種別判定を行う。撮像画像上の全画素について同様の処理を行い、以下同様に次のフレームが入力され、同様の処理を繰り返す。
図15は変換係数を算出する処理手順を示すフローチャートである。CPU25は、学習用撮像画像を取得し(S11)、画素領域を設定する(S12)。この場合、撮像画像上の画素ブロックの位置がブロックA、B、Cのいずれに存在するかに応じて、図4で示したように画素領域を設定する。CPU25は、画素領域内で注目画素の位置を設定する(S13)。なお、注目画素の走査順序は適宜設定することができるが、一例としては、画素ブロックの左上の位置から開始し、右下の位置まで走査することができる。また、注目画素の時間方向の走査順序についても適宜設定することができ、例えば、時刻の古いフレームから時刻の新しいフレームに向かって走査することができる。
CPU25は、画素領域内の注目画素に対して抽出した特徴量ベクトルを画素領域内の全注目画素について加算することにより(加算後の)特徴量ベクトルを抽出し(S14)、抽出した特徴量ベクトルの各要素を画素領域内の注目画素総数で除算して正規化する(S15)。
CPU25は、撮像画像の全画素の処理を終了したか否かを判定し(S16)、全画素の処理が終了していない場合(S16でNO)、ステップS12以降の処理を繰り返す。全画素の処理が終了した場合(S16でYES)、CPU25は、全フレームの処理を終了したか否かを判定し(S17)、全フレームの処理が終了していない場合(S17でNO)、ステップS11以降の処理を繰り返す。
全フレームの処理が終了した場合(S17でYES)、CPU25は、抽出した特徴量ベクトルの各要素の変動量を算出する(S18)。なお、変動量は、特徴量ベクトルの要素毎に、その最大値と最小値との差分として求めることができるが、これに限定されるものではない。
CPU25は、変動量が所定の閾値以下であるか否かを判定し(S19)、変動量が所定の閾値以下である場合(S19でYES)、その変動量に対応する特徴量ベクトルの要素を除去要素とする(S20)。すなわち、移動体の種別に関わらず特徴量がほとんど変化しない要素を除去する。CPU25は、抽出した特徴量ベクトルに基づいて多変量解析により変換係数を算出し(S21)、処理を終了する。また、変動量が所定の閾値以下でない場合(S19でNO)、CPU25は、ステップS21の処理を行う。なお、変動量の大小判定は、すべての要素について行う。
学習用のデータを用いて、移動体の種別に関わらず特徴量がほとんど変化しない要素を予め除去要素として特定しておくことができる。これにより、移動体の種別を判定する場合、移動体の種別判定に不要な特徴量を求める必要がなくなり、移動体の種別判定の精度を維持しつつ処理量を削減することができ、移動体の種別の判定をより安価な装置で実現することが可能となる。
図16は移動体の種別を判定する処理手順を示すフローチャートである。CPU25は、撮像画像を取得し(S31)、画素領域を設定する(S32)。この場合、撮像画像上の画素ブロックの位置がブロックA、B、Cのいずれに存在するかに応じて、図4で示したように画素領域を設定する。CPU25は、撮像画像上で注目画素の位置を設定する(S33)。なお、注目画素の走査順序は適宜設定することができるが、一例としては、画素ブロックの左上の位置から開始し、右下の位置まで走査することができる。また、注目画素の時間方向の走査順序についても適宜設定することができ、例えば、時刻の古いフレームから時刻の新しいフレームに向かって走査することができる。
CPU25は、除去要素の有無を判定し(S34)、除去要素がある場合(S34でYES)、除去要素を除外して画素領域内の注目画素に対して抽出した特徴量ベクトル画素領域内の全注目画素について加算することにより(加算後の)部分特徴量ベクトルを抽出する(S35)。なお、除外できる要素の数に応じて、部分特徴量ベクトルの次元は251より少なくなる。
除去要素がない場合(S34でNO)、CPU25は、画素領域内の注目画素に対して抽出した特徴量ベクトル画素領域内の全注目画素について加算することにより(加算後の)特徴量ベクトルを抽出する(S36)。CPU25は、抽出した特徴量ベクトル(又は部分特徴量ベクトル)の各要素を画素領域内の注目画素総数で除算して正規化する(S37)。
CPU25は、特徴量ベクトルを変換係数で移動体判定値に変換し(S38)、移動体判定値に応じて移動体の種別を判定する(S39)。CPU25は、撮像画像の全画素の処理を終了したか否かを判定し(S40)、全画素の処理が終了していない場合(S40でNO)、ステップS32以降の処理を繰り返す。
全画素の処理が終了した場合(S40でYES)、CPU25は、全フレームの処理を終了したか否かを判定し(S41)、全フレームの処理が終了していない場合(S41でNO)、ステップS31以降の処理を繰り返す。全フレームの処理が終了した場合(S41でYES)、CPU25は、処理を終了する。
図17は本発明に係る移動体判定装置を用いた移動体判定の他の例を示す模式図である。図17に示すように、交差点角の路上10m程度の位置にビデオカメラ1を設置する。ビデオカメラ1は、交差点内を移動体の種別(例えば、車両あり、人あり、車両・人なし)を判定する判定領域として撮像する。
ビデオカメラ1には、所要の映像ケーブルを介して移動体判定装置2を接続してある。移動体判定装置2は、ビデオカメラ1で撮像して得られた時系列の撮像画像(動画像)を処理して移動体の種別を判定する。移動体判定装置2は、交通管制センタに設置されたセンタ装置3との間で有線又は無線通信により通信を行うことができる。移動体判定装置2は、移動体の種別の判定結果をセンタ装置3へ出力する。なお、ビデオカメラ1と移動体判定装置2とは一体型であってもよい。移動体判定装置2の構成、動作は上述の例と同様であるので説明は省略する。
以上説明したように、本発明にあっては、画素領域の基準となる撮像時点の撮像画像における画素ブロックにおいて、車両あり、人あり、車両・人なしなどの移動体の種別を判定することができる。画素領域の画素ブロックの重なりを許して撮像画像全体に走査して同様の処理を繰り返すことにより、撮像画像上の移動体の位置及び種別を精度良く判定することができる。
また、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で画素領域の画素ブロックの大きさを小さく/大きく設定することにより、移動体の種別を精度良く判定しつつ、不要な処理を削除して処理労力を低減することができる。また、注目画素と変位情報により特定される画素との画素間隔を、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で小さく/大きくすることにより、広い範囲の特徴量を抽出することができ、かつ、移動体の見かけの大きさに応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。
また、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で画素領域の時系列に並べた画素ブロックの数を多く/少なく設定することにより、移動体の見かけの移動速度に応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。また、注目画素が存在する画素ブロックと変位情報により特定される画素が存在する画素ブロックとの時間間隔を、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で大きく/小さくすることにより、移動体の見かけの移動速度に応じて精度良く移動体の種別を判定することができる。
また、特徴量ベクトルを画素領域内の注目画素総数で除算して正規化することにより、画素領域の撮像画像上の2方向又は時間方向の大きさに依存しない特徴量ベクトルを求めることができる。また、部分特徴量ベクトルを抽出することで、移動体の種別判定に不要な特徴量を求める必要がなくなり、移動体の種別判定の精度を維持しつつ処理量を削減することができ、移動体の種別の判定をより安価な装置で実現することが可能となる。
上述の実施の形態において、画素領域の画素ブロックの大きさ及びフレーム数、並びに画素間隔及びフレーム間隔は、あくまで一例であって、これに限定されるものではない。撮像画像上の注目画素の位置が遠距離に対応するか近距離に対応するかに応じて適宜設定することができる。
上述の実施の形態においては、移動体の種別に関わらず特徴量がほとんど変化しない要素を予め除去要素として特定する構成であったが、これに限定されるものではなく、除去要素を予め特定しない構成とすることもできる。この場合、図15に例示したステップS19、S20の処理は不要となり、図16に例示したステップS34、S35の処理も不要となる。
以上に開示された実施の形態及び実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態及び実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての修正や変形を含むものと意図される。
1 ビデオカメラ
2 移動体判定装置
21 画像入力部
22 A/D変換部
23 画像メモリ
24 RAM
25 CPU
26 通信部
27 記憶部
28 補助記憶部
29 CD−ROM
2 移動体判定装置
21 画像入力部
22 A/D変換部
23 画像メモリ
24 RAM
25 CPU
26 通信部
27 記憶部
28 補助記憶部
29 CD−ROM
Claims (9)
- 道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定する移動体判定装置において、
撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定する設定手段と、
該設定手段で設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する抽出手段と、
前記画素領域内の注目画素毎に前記抽出手段で抽出した特徴量ベクトルを加算する加算手段と、
該加算手段で加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する変換手段と
を備え、
該変換手段で変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定するように構成してあることを特徴とする移動体判定装置。 - 前記設定手段は、
撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で前記画素領域の画素ブロックの大きさを小さく/大きく設定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の移動体判定装置。 - 注目画素と変位情報により特定される画素との画素間隔は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で小さい/大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体判定装置。
- 前記設定手段は、
撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で前記画素領域の時系列に並べた画素ブロックの数を多く/少なく設定するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動体判定装置。 - 注目画素が存在する画素ブロックと変位情報により特定される画素が存在する画素ブロックとの時間間隔は、撮像画像の遠距離/近距離に対応する領域で大きい/小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動体判定装置。
- 前記加算手段で加算した特徴量ベクトルを前記画素領域内の注目画素数で除算して正規化する正規化手段を備え、
前記変換手段は、
前記正規化手段で正規化した特徴量ベクトルを変換するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の移動体判定装置。 - 前記加算手段で加算した特徴量ベクトルの各要素の変動量を複数の撮像時点に亘って算出する変動量算出手段を備え、
前記抽出手段は、
前記変動量算出手段で算出した変動量が所定の閾値以下である場合、該変動量に対応する要素を除外して特徴量ベクトルを抽出するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動体判定装置。 - コンピュータに、道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータを、撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定する手段と、
設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出する手段と、
前記画素領域内の注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算する手段と、
加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換する手段と、
変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定する手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 道路を含む領域を撮像して得られた時系列の撮像画像に基づいて移動体の種別を判定する移動体判定方法において、
撮像時点が異なる複数の撮像画像の各撮像画像内の画素ブロックを時系列に複数並べて構成される画素領域を設定し、
設定した画素領域内の注目画素と該注目画素からの変位情報により特定される画素との相関に基づいて特徴量ベクトルを抽出し、
前記画素領域内の注目画素毎に抽出した特徴量ベクトルを加算し、
加算した特徴量ベクトルを所定の変換係数で種別判定値に変換し、
変換した種別判定値に基づいて移動体の種別を判定することを特徴とする移動体判定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007121048A JP2008276613A (ja) | 2007-05-01 | 2007-05-01 | 移動体判定装置、コンピュータプログラム及び移動体判定方法 |
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ID=40054472
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010267055A (ja) * | 2009-05-14 | 2010-11-25 | Sony Corp | 動体検出装置と動体検出方法およびコンピュータ・プログラム |
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2007
- 2007-05-01 JP JP2007121048A patent/JP2008276613A/ja active Pending
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