JP2008276203A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたトリミング性を有し、かつ、延伸時においても透明性の維持された光学フィルムを提供する。
【解決手段】アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)及びアクリル系ゴム(C)を含む樹脂組成物からなる光学フィルムであって、ヘイズ値が0.0〜0.8%である、光学フィルム。また、前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−アクリロニトリル共重合体である光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に偏光板保護フィルムや位相差フィルムとして用いるための、新規な光学フィルムに関する。
近年、ディスプレイ市場の拡大に伴い、より鮮明に画像を見たいという要求が高まっており、用いられる光学材料として、単に透明性を有しているだけでなく、より高度な光学特性が付与された材料が必要とされてきている。そのような光学特性の一つとして、複屈折性がある。一般に、高分子は分子主鎖方向とそれに垂直な方向とでは屈折率が異なるため、複屈折を生じる。光学材料としての用途によっては、この複屈折を厳密にコントロールすることが求められている。例えば、液晶の偏光板に用いられる保護フィルムの場合は、全光線透過率が同じであっても、複屈折がより小さい高分子材料成形体が必要とされる。代表的なものとして、トリアセチルセルロースからなるフィルムが挙げられるが、トリアセチルセルロースフィルムは透湿度が高く、高温多湿の条件下での耐久性が劣るという欠点を有している。
一方、複屈折を利用することにより、直線偏光を円偏光に変えたり(1/4波長板等)、液晶が持つ複屈折を補償する(位相差フィルムなどの光学補償フィルム等)ことが可能となる。このような複屈折性光学材料としてはポリカーボネートがよく知られている。最近では液晶ディスプレイが大型化し、それに伴い位相差フィルムなどの高分子光学素子の大型化も必要である。しかし、光学素子を大型化すると、外力の偏りが生じるため、光学素子が外力による複屈折変化の生じやすい材料からなる場合、複屈折の分布が生じ、コントラストが不均一となるという問題点がある。外力による複屈折変化の生じやすさは光弾性係数によって表されるが、前述のポリカーボネートは、光弾性係数が大きいため、これらに代わる光弾性係数の小さい複屈折性光学材料が切望されている。
光弾性係数が小さく、負の複屈折性を持つ材料としてアクリル系樹脂が知られている。しかし、アクリル系樹脂は、靭性(トリミング性)に劣るため脆くて割れやすく、フィルムの破断等の際には亀裂が生じ、生産性が乏しい。この問題を解決する為にアクリル系樹脂に強靭性改良剤を含有させた組成物が開示されている(特許文献1)。しかし、強靭性改良剤を大量に用いているために、延伸されたフィルムは透明性を失うという問題がある。また、上記文献には、トリミング工程におけるマイクロクラックや亀裂発生の解決(トリミング性)に係わる記載は全く無い。
また、機械的強度の向上を目的として、アクリル系樹脂にスチレン系エラストマー、スチレン−ブタジエンゴム等を含有させる方法が開示されている(特許文献2)。しかし、比較的スチレン系エラストマーが少量でかつ原反にも関らず、ヘイズ値が1.0%を超える実施例が存在し、延伸したフィルムはさらにヘイズ値が高くなるという問題がある。またスチレン−ブタジエンゴムを含有したアクリル系樹脂は明細書中に記載はあるが、実施例がないためその効果は不明である。
特開平5−119217号公報 特開2006−284881号公報
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、優れたトリミング性を有し、かつ、延伸時においても透明性の維持された光学フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究を行った結果、アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)及びアクリル系ゴム(C)を必須成分として含む樹脂組成物を成形してなる光学フィルムであって、さらに、ヘイズ値を特定の範囲に設定することで、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)及びアクリル系ゴム(C)を含む樹脂組成物からなる光学フィルムであって、ヘイズ値が0.0〜0.8%である、光学フィルム。
(2)前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)である、上記(1)記載の光学フィルム。
(3)前記スチレン−アクリロニトリル共重合体(B―1)中のアクリロニトリル含量が、1〜40質量%である、上記(2)記載の光学フィルム。
(4)前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)である、上記(1)記載の光学フィルム。
(5)前記スチレン−メタクリル酸共重合体(B―2)中のメタクリル酸含量が、0.1〜50質量%である、上記(4)記載の光学フィルム。
(6)前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)である、上記(1)記載の光学フィルム。
(7)前記スチレン−無水マレイン酸共重合体(B―3)中の無水マレイン酸含量が、0.1〜50質量%である、上記(6)記載の光学フィルム。
(8)前記アクリル系樹脂(A)及び前記スチレン系樹脂(B)の合計量100重量部に対して、前記アクリル系ゴム(C)の含有量が0.5重量部以上50重量部以下である、上記(1)〜(7)のいずれか記載の光学フィルム。
(9)前記アクリル系ゴム(C)が多層構造粒子形態である、上記(1)〜(8)のいずれか記載の光学フィルム。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか記載の光学フィルムからなる偏光板保護フィルム。
(11)上記(1)〜(9)のいずれか記載の光学フィルムからなる位相差フィルム。
本発明によれば、優れたトリミング性を有し、かつ、延伸時においても透明性の維持された光学フィルムを提供することができる。本発明の光学フィルムは、優れたトリミング性を有しているため、トリミング工程におけるマイクロクラックや亀裂等の発生を低減することが可能であり、光学フィルムの生産性を向上させることができる。また、本発明の光学フィルムは、一定の倍率で延伸された場合でも優れた透明性を維持するため、液晶ディスプレイ等の位相差フィルムや偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。
以下、本発明を、好ましい実施の形態とともに詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明の光学フィルムは、必須成分として、アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)及びアクリル系ゴム(C)を含む樹脂組成物からなり、さらに、ヘイズ値が0.0%〜0.8%である。
アクリル系樹脂(A)
本発明において、アクリル系樹脂(A)とは、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はこれらの誘導体を単量体成分として含む重合体を意味する。アクリル系樹脂(A)としては、特に限定されず、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステルより選ばれる1種以上の単量体を重合したものが挙げられる。
なお、アクリル系樹脂(A)には、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの誘導体と、他の単量体成分を共重合したものも含まれるが、このような他の単量体成分の含量(共重合割合)は、アクリル系樹脂(A)に対して50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満である。
これらの中でも、メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体は、後述するスチレン系樹脂(B)の好適例である、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)との相溶性が高いため好ましい。
メタクリル酸メチルを単量体成分として含む重合体としては、メタクリル酸メチルの単独重合体でも、メタクリル酸メチルと他の単量体との共重合体であってもよい。メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル以外のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸アルキルエステル類;スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレンやα−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類等が挙げられる。これらの単量体は、1種又は2種以上組み合わせて使用することもできる。このような他の単量体成分の共重合割合は、メタクリル酸メチルに対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
これらのメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体の中でも、特にアクリル酸アルキルエステル類が、これを共重合させて得られるアクリル系樹脂の耐熱分解性に優れ、成形加工時の流動性が高くなる傾向にあるため好ましい。なお、ここでの耐熱分解性とは、高温時でのアクリル系樹脂の分解のし難さを意味する。
メタクリル酸メチルにアクリル酸アルキルエステル類を共重合させる場合のアクリル酸アルキルエステル類の使用量は、耐熱分解性の観点から、単量体混合物全体に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、耐熱性の観点から15質量%以下であることが好ましい。0.2質量%以上14質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上12質量%以下であることがさらに好ましい。
アクリル酸アルキルエステル類の中でも、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルが、少量のメタクリル酸メチルと共重合させるだけでも、前述の成形加工時の流動性に関して著しい改善効果が得られるため好ましい。
アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、成形体の強度の観点から、好ましくは5万以上、より好ましくは7万以上であり、成形加工性、流動性の観点から、好ましくは20万以下、より好ましくは15万以下である。なお、ここでの重量平均分子量は、アクリル系樹脂(A)が下記の2種以上の混合物である場合には、その平均値を意味する。
アクリル系樹脂(A)としては、組成、分子量などの異なる2種以上のアクリル系樹脂の混合物であってもよい。
また、アクリル系樹脂(A)として、アイソタクチックポリメタクリル酸エステルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルを同時に用いることもできる。
アクリル系樹脂(A)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から公知の方法で製造することもできる。アクリル系樹脂(A)を製造する方法としては、例えばキャスト重合、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、アニオン重合等の一般に行われている重合方法を用いることができる。中でも、光学用途としては不都合な微小異物の混入を低減することが可能であるため、懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が好ましい。
溶液重合を行う場合には、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調製した溶液を用いることができる。塊状重合により重合させる場合には、通常行われるように加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合反応に用いられる開始剤としては、ラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使用することができ、例えば、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を用いることができる。
特に、90℃以上の高温下で重合を行う場合には、溶液重合が一般的であるので、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などが好ましい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。これらの開始剤は、例えば、全体のモノマー100質量%に対して、0.005〜5質量%の範囲で用いることが好ましい。
重合反応において、必要に応じて用いられる分子量調節剤としては、ラジカル重合において一般に用いられる任意のものが使用でき、例えば、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化合物が特に好ましいものとして挙げられる。これらの分子量調節剤は、アクリル系樹脂(A)の分子量が、上記の好ましい範囲内に制御されるような濃度範囲で添加する。
アクリル系樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特公昭63−1964号公報等に記載されている方法等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂(A)として、メタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルと、他の1種類以上の単量体とを共重合させた3元以上の共重合体を用いることができる。
メタクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルと共重合させる他の単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン及びp−t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル及び(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル類が挙げられる。
アクリル系樹脂(A)の23℃における未延伸時の光弾性係数は、好ましくは−60×10-12Pa-1以上、より好ましくは−30×10-12Pa-1以上、さらに好ましくは−6×10-12Pa-1以上である。アクリル系樹脂(A)の光弾性係数が上記範囲内であると、本発明の光学フィルムの光弾性係数の絶対値が小さくなる傾向にあるため好ましい。
本発明における「光弾性係数」とは、外力による複屈折の変化の生じやすさを表す係数で、これに関しては種々の文献に記載があり(例えば化学総説、No.39、1998(学会出版センター発行))、下式により定義される係数である。
R[Pa-1]=Δn/σR Δn=nx−ny
(式中、CR:光弾性係数、σR:伸張応力[Pa]、Δn:応力付加時の複屈折、nx:伸張方向と平行な方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な方向の屈折率)
光弾性係数の値がゼロに近いほど、外力による複屈折の変化が小さく、光学特性に優れていることを意味する。
また、本発明における「固有複屈折」とは、配向に依存した複屈折の大きさを表す値で、下式により定義される。
固有複屈折=npr−nvt
ここで、nprは、一軸性の秩序をもって配向した高分子の配向方向と平行な方向の屈折率、nvtはその配向方向と垂直な方向の屈折率である。
すなわち、本発明において、固有複屈折が負である樹脂とは、樹脂を構成する高分子が一軸性の秩序をもって配向して形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなる樹脂をいう。
スチレン系樹脂(B)
本発明において、スチレン系樹脂(B)とは、少なくともスチレン系単量体を単量体成分として含む重合体を意味する。ここで、スチレン系単量体とは、その構造中にスチレン骨格を有する単量体を意味する。
スチレン系単量体としては、その構造中にスチレン骨格を有する単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン;α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル化合物単量体が挙げられ、中でも、スチレンが好ましい。
スチレン系樹脂(B)は、スチレン系単量体の単独重合体でも、スチレン系単量体と他の単量体成分との共重合体であってもよい。スチレン系単量体と共重合可能な単量体成分としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート単量体等の不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、イタコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、クロルマレイン酸などの無水物である不飽和ジカルボン酸無水物単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン単量体などが挙げられ、これらの2種以上を共重合してもよい。このような他の単量体成分の共重合割合は、スチレン系単量体に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
スチレン系樹脂(B)としては、特に、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)が、耐熱性、透明性等の光学材料に求められる特性に関して、特に優れているため好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)の場合、共重合体中のアクリロニトリルの共重合割合は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは1〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜25質量%である。共重合体中のアクリロニトリルの共重合割合が1〜40質量%の範囲内である場合、透明性に優れた共重合体が得られる傾向にあるため好ましい。
スチレン−メタクリル酸共重合体(B―2)の場合、共重合体中のメタクリル酸の共重合割合は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜40質量%であり、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。共重合体中のメタクリル酸の共重合割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れた共重合体が得られる傾向にあり、50質量%以下であれば透明性に優れた共重合体が得られる傾向にあるため好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(B―3)の場合、共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.1〜40質量%であり、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合が0.1質量%以上であると耐熱性に優れた共重合体が得られる傾向にあり、50質量%以下であれば透明性に優れた共重合体が得られる傾向にあるため好ましい。
スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)及びスチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)の共重合組成は、例えば、次のようにして測定することができる。
スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)の場合、試料を熱プレス機を用いてフィルムに成形し、日本分光社製FT−410を用いて、フィルムの1603cm-1、2245cm-1におけるアクリロニトリル基に由来する吸光度を測定する。アクリロニトリル含量が既知のスチレン−アクリロニトリル共重合体を用いてあらかじめ求めておいた、スチレン−アクリロニトリル共重合体中のアクリロニトリル量と1603cm-1、2245cm-1の吸光度比の関係を用いて、(スチレン−アクリロニトリル)共重合体中のアクリロニトリル含量を定量する。
スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)の場合、試料を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なう。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)とメタクリル酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位とメタクリル酸単位のモル比を求める。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:メタクリル酸単位=104:86)から、スチレン−メタクリル酸共重合体中のメタクリル酸の共重合割合を求める。
スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)の場合、試料を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なう。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)と無水マレイン酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位と無水マレイン酸単位のモル比を求める。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位=104:98)から、スチレン−無水マレイン酸共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合を求める。
スチレン系樹脂(B)の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上であり、樹脂組成物の成形加工性、流動性の観点から、好ましくは80万以下、より好ましくは50万以下である。なお、ここでの重量平均分子量は、スチレン系樹脂(B)が下記の2種以上の混合物である場合には、その平均値を意味する。
スチレン系樹脂(B)としては、組成、分子量などの異なる2種以上のスチレン系樹脂の混合物であってもよい。
また、スチレン系樹脂(B)は、共役ジエン単量体やスチレン系単量体のベンゼン環の不飽和二重結合が水素添加されていてもよい。その際の水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
スチレン系樹脂(B)の製造方法としては、特に限定されず、公知のアニオン、塊状、懸濁、乳化または溶液重合法を採用することができる。中でも、光学用途としては不都合な微小異物の混入を低減することが可能であるため、懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合法が好ましい。
スチレン系樹脂(B)の23℃のおける未延伸時の光弾性係数は、好ましくは60×10-12Pa-1以下であり、より好ましくは30×10-12Pa-1以下であり、さらに好ましくは6×10-12Pa-1以下である。スチレン系樹脂(B)の光弾性係数が上記範囲内であると、本発明の光学フィルムの光弾性係数の絶対値が小さくなる傾向にあるため好ましい。
アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)は相溶することが好ましい。相溶は、樹脂(A)、(B)の組成(共重合組成を含む)、配合比率、混練温度、混練圧力、冷却温度、冷却速度などを適宜選択することにより実現できる。相溶(missible)については、『高性能ポリマーアロイ』(高分子学会編集、平成3年丸善株式会社発行)に詳しい記載がある。アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)が相溶すると、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)が使用中に相分離を起こして透明性が低下することがなく、これらを含む樹脂組成物を成形した成形体の全光線透過率を高めることが可能となる。
本発明の光学フィルムにおいては、アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)の含有量や質量比を調整することにより、その光弾性係数を制御することができる。
本発明における樹脂組成物におけるアクリル系樹脂(A)の含有量は、0.1〜99.9質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがさらに好ましく、30〜70質量部であることがとりわけ好ましい。スチレン系樹脂(B)の含有量は、0.1〜99.9質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがさらに好ましく、30〜70質量部であることがとりわけ好ましい。
また、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の含有量の合計は、樹脂組成物に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがとりわけ好ましい
本発明の樹脂組成物において、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))は、光弾性係数及び光学特性の観点から、好ましくは20/80〜60/40であり、より好ましくは30/70〜50/50である。
本発明の樹脂組成物は、アクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比((A)/(B))を大きくすると、成形体の屈折率が小さくなる傾向を示し、逆に、質量比((A)/(B))を小さくすると、成形体の屈折率が大きくなる傾向を示す。従って、樹脂の質量比((A)/(B))を調整することにより、所望の屈折率を有する成形体を容易に製造することができる。
樹脂組成物の屈折率、アクリル系ゴムの屈折率を調整することにより、両者の屈折率と合わせることができ、より透明性が向上する。
アクリル系ゴム
本発明において、アクリル系ゴムとは、常温でゴム状のアクリル系ポリマーであれば特に限定されないが、透明性及び強度の観点から、多層構造粒子の形態を有するゴム粒子が好ましい。多層構造粒子とは、コア−シェル構造からなる2層構造、中心硬質層、軟質層、最外硬質層からなる3層構造、軟質層と最外硬質層との間にさらに中間硬質層を有する4層構造等の多層構造を有する粒子を意味する。
2層構造のアクリル系ゴム粒子とは、ゴム状ポリマーからなるコア層と、アクリル系のガラス状ポリマーからなるシェル層からなるコア−シェル構造のゴム粒子を言う。2層構造のアクリル系ゴム粒子では、コア層にゴム状ポリマーを使用することで、該ポリマーが応力の集中点として働くため光学フィルムのトリミング性が向上する。また、シェル層にアクリル系のガラス状ポリマーを使用することで、ゴム粒子とマトリクス樹脂(アクリル系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B))との相溶性が向上しゴム粒子の樹脂中への分散性が高まる。
コア層に用いられるゴム状ポリマーとしては、常温でゴム状であれば特に限定されず、例えば、ブタジエンを主成分とするゴム状重合体(例えば、ブタジエン単独重合体、ブタジエン−芳香族ビニル共重合体等)や、アクリル酸アルキルエステルを主成分とするゴム状重合体(例えば、ブチルアクリレート−スチレン共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合体等)等を用いることができ、中でも、強度、生産性及び透明性の観点から、ブタジエン−スチレン共重合体が好ましい。
シェル層に用いられるガラス状ポリマーとしては、常温でガラス状のアクリル系ポリマーであれば特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレート−メチルアクリレート共重合体等を用いることができる。
2層構造のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、特開昭53−58554号公報、特開昭55−94917号公報等に開示されているゴム粒子を用いることができる。
3層構造又は4層構造等のアクリル系ゴム粒子とは、ゴム状ポリマーからなる軟質層と、ガラス状ポリマーからなる硬質層が、3層以上積層した多層構造のゴム粒子を言う。これらの軟質層に用いられるゴム状ポリマー及び硬質層に用いられるガラス状ポリマーは、上記2層構造のアクリル系ゴム粒子で挙げたものと同様なものを用いることができる。
3層構造又は4層構造等のアクリル系ゴム粒子としては、例えば、以下の公報に開示されたゴム粒子を用いることができる。
例1(特公昭60−17406号公報):
「(イ)メチルメタクリレート単独又はメチルメタクリレートとこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化重合させて、25℃以上のガラス転移点をもつ、メチルメタクリレートを主体とした重合体の分散液を形成させる第一層形成工程、(ロ)この生成物に、単独で重合させたときにガラス転移点が25℃以下の共重合体を形成する、アルキルアクリレートを主体とし、さらにこれと共重合可能な単量体及び多官能性架橋剤の少なくとも一方と、混合物全重量に基づき0.1〜5重量%の多官能グラフト剤を含有する混合物を加えて乳化重合させる第二層工程、及び(ハ)この生成物に、単独で重合させたときに25℃以上のガラス転移点をもつ重合体を形成する、メチルメタクリレート又はこれを主体とする単量体混合物に連鎖移動剤を段階的に増加させ、多段階で乳化重合させる第三層形成工程から成る、第三層の分子量が内側から外側に向かって次第に小さくなっている多層構造アクリル系樹脂成形材料の製造方法。」によって得られる多層構造のアクリル系ゴム粒子。
例2(特開平8−245854公報):
「ポリマーの溶融開始温度が235℃以上であり、かつ、内層に単独で重合した場合のガラス転移温度Tgが25℃以下あるポリマーを含む少なくとも1層の軟質重合体層と、および最外層に単独で重合した場合にTgが50℃以上であるポリマーを含む硬質重合体層とを有するアクリル系多層構造ポリマーの乳化ラテックスを凝固して得られる凝固粉を含むアクリル系多層構造ポリマー粉体であって、乾燥後の凝固粉の粒径212μm以下の微粉の割合が40重量%であり、かつ、乾燥後の凝固粉の水銀圧入法で測定した孔径5μm以下の空隙体積が単位面積当たり0.7cc以下であるアクリル系多層構造体ポリマー粉体。」
例3(特公平7−68318号公報):
「(イ)メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート1〜10重量%及び、これらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリール、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体0.01から0.3重量%からなる単量体混合物を重合して得られる最内硬質層重合体25〜45重量%、(ロ)上記最内硬質層重合体存在下に、n−ブチルアクリレート70〜90重量%、スチレン10〜30重量%及びこれらと共重合可能なα,β−不飽和カルボン酸のアリール、メタリル、またはクロチルエステルから選ばれる少なくとも1種からなるグラフト結合性単量体1.5から3.0重量%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合体35〜45重量%、
(ハ)上記最内硬質層および軟質層からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレート90〜99重量%、アルキル基の炭素数が1〜8である単量体混合物を重合して得られる最外硬質層重合体20〜30重量%とからなり、
(ニ)軟質層重合体/(最内硬質層重合体+軟質層重合体)の重量比が0.45〜0.57であり、
(ホ)平均粒子径が0.2〜0.3μmである、多層構造アクリル系重合体であって、さらに当該多層構造アクリル系重合体をアセトンにより分別した場合に、
(ヘ)グラフト率が20〜40重量%であり、
(ト)当該アセトン不溶部の引っ張り弾性率が1000〜4000kg/cm2 、であることを特徴とする多層構造アクリル系重合体。」
その他、3層構造又は4層構造等のアクリル系ゴム粒子として、例えば、特公昭55−27576号公報、特公昭58−1694号公報、特公昭59−36645号公報、特公昭59−36646号公報、特公昭62−41241号公報、特開昭59−202213号公報、特開昭63−27516号公報、特開昭51−129449号公報及び特開昭52−56150号公報出願S50−124647号公報等に記載されたアクリル系ゴム粒子を使用することもできる。
本発明の樹脂組成物中のアクリル系ゴムの含有量は、トリミング性及び透明性の観点からアクリル系樹脂(A)及びスチレン系樹脂(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上50重量部以下であり、より好ましくは2重量部以上35重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以上20重量部以下である。アクリル系ゴムの含有量が、0.5重量部よりも少ないと、光学フィルムのトリミング性が劣るため、トリミング工程においてマイクロクラックや亀裂等が生じるおそれがあり、50重量部を超えると、光学フィルムを延伸した場合に透明性が悪化するおそれがある。
なお、トリミング工程とは、光学フィルムを製造する際に、フィルムの幅を一定に揃えるために両端を切り落とす工程を意味する。この際、フィルムがトリミング性に劣っていると、該工程中にマイクロクラックや亀裂現象等が起こり、光学フィルムの生産性が著しく低下することとなる。
また、本発明においては、樹脂組成物中に、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)、アクリル系ゴム(C)以外の重合体を混合することができる。そのような重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂;及びフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられ、これらの1種以上を混合することができる。混合する他の重合体の割合は、樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲内で、樹脂組成物中に、各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。配合することができる添加剤としては、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
このような添加剤としては、例えば、二酸化珪素等の無機充填剤;酸化鉄等の顔料;ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤;離型剤;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤;アクリレート基を有するフェノール酸化防止剤;りん系熱安定剤等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤;難燃剤;帯電防止剤;有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤;着色剤;ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物等の紫外線吸収剤;その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。これら添加剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
上記各種添加剤の中でも、特に、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、ラクトン系化合物等の紫外線吸収剤は、これを添加した樹脂組成物の光弾性係数の絶対値を小さくする効果を有しているため好ましい。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物がより好ましい。これらは、単独で用いても、2種以上併用してもよい。
添加剤は、その20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下である場合に、得られる樹脂組成物の成形加工性に優れるため好ましい。蒸気圧(P)のより好ましい範囲は1.0×10-6Pa以下であり、さらに好ましい範囲は1.0×10-8Pa以下である。ここで、成形加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、添加剤のロールへの付着が少ないことなどを示す。添加剤がロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるため、光学用材料として好ましくないものとなるおそれがある。
また、添加剤は、融点(Tm)が80℃以上である場合に、得られる樹脂組成物の成形加工性に優れるため好ましい。融点(Tm)のより好ましい範囲は130℃以上であり、さらに好ましい範囲は160℃以上である。
さらに、添加剤は、23℃から260℃まで20℃/分の速度で昇温した場合の重量減少率が50%以下である場合に、得られる樹脂組成物の成形加工性に優れるため好ましい。重量減少率のより好ましい範囲は15%以下であり、さらに好ましい範囲は2%以下である。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて、樹脂成分、必要に応じて耐加水分解抑制剤や上記その他の成分を添加して溶融混練して製造することができる。
光学フィルム
本発明の光学フィルムの製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記樹脂組成物を、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法で成形することによって製造することでき、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法を用いることもできる。
本発明の光学フィルムの製造方法としては、例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し成形することができる。押し出し成形により成形体を得る場合は、事前に各樹脂成分を溶融混錬してもよいが、押し出し成形時に溶融混錬を経て成形することもできる。また各樹脂成分に共通の良溶媒、例えば、クロロホルム等の溶媒を用いキャスト成形し未延伸フィルム、シートを得ることも可能である。
さらに必要に応じて、未延伸フィルム、シートを機械的流れ方向(MD)に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向(TD)に横一軸延伸することができる。例えば、工業的には、ロール延伸またはテンター延伸による1軸延伸法、ロール延伸とテンター延伸の組み合わせによる逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸フィルムを製造することができる。
延伸倍率は、少なくともどちらか一方向に、好ましくは0.1%以上200%以下であり、より好ましくは1%以上200%以下であり、さらに好ましくは2%以上200%以下である。延伸倍率を上記範囲に設計することにより、透明性、複屈折、強度の観点で好ましい延伸成形体(フィルム)が得られる傾向にある。
延伸倍率は、得られた延伸フィルムをガラス転移温度よりも20℃以上高い温度で収縮させ以下の関係式から決定できる。また、ガラス転移温度はDSC法や粘弾性法により求めることができる。
延伸倍率(%)=[(収縮前の長さ/収縮後の長さ)−1]×100
本発明において、フィルムとは厚さが300μm以下のものを意味し、シートとは厚さが300μmを超えるものを意味する。また、本発明において、フィルムの厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、シートの厚さは、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
本発明の光学フィルムは、23℃における光弾性係数の絶対値が0〜5×10-12/Pa、好ましくは0〜3×10-12/Pa、より好ましくは0〜2×10-12/Paである。光学フィルムの光弾性係数が上記範囲内であれば、外力による複屈折の変化が少ないため、これを大型の液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れたものとなる。光弾性係数は、樹脂成分の質量比、組成比を調整することや、上記添加剤を添加することにより、所望の範囲に調整することが可能である。
本発明の光学フィルムにおいては、樹脂組成物の組成やアクリル系樹脂(A)とスチレン系樹脂(B)の質量比、フィルムの厚み、及び延伸倍率等を好ましい範囲内に設計することにより、面内レタデーション(Re)と厚み方向レタデーション(Rth)を制御することができる。
本発明において、面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)は、下式により定義される値である。
Re =(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2)−nz)×d
(式中、nx:成形体面内において屈折率が最大となる方向をxとした場合のx方向の主屈折率、ny:成形体面内においてx方向に垂直な方向をyとした場合のy方向の主屈折率、d:成形体の厚み(nm)を示す)
本発明における光学フィルムの好ましい面内レタデーション(Re)の値は0〜400nmであり、さらに好ましくは5〜350nmであり、とりわけ好ましくは20nmを超え350nm以下である。
本発明の光学フィルムを1/4波長板として用いる場合、そのReの絶対値は、100nm以上180nm以下であることが好ましく、より好ましくは120nm以上160nm以下、さらに好ましくは130nm以上150nm以下である。
また、本発明の光学フィルムを1/2波長板としても用いる場合、そのReの絶対値は、240nm以上320nm以下であることも好ましく、より好ましくは260nm以上300nm以下、さらに好ましくは270nm以上290nm以下である。
また、本発明においては、光学フィルムの厚み方向レタデーション(Rth)を負の値に設計することが可能であるが、Rthを負の値に設計することにより液晶ディスプレイ用の好ましい光学補償フィルムが得られる。特に、水平電界(IPS)モード液晶ディスプレイ用として好ましい。好ましいRthの値は−1000nm〜−1nmであり、さらに好ましくは、−500nm〜−5nmであり、とりわけ好ましくは−400nm〜−10nmである。Rthの値は、MD、TD方向の延伸倍率、フィルム厚さ、アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)の質量比により調整することができる。
本発明の光学フィルムは、優れたトリミング性を有し、かつ、延伸時においても透明性が維持されるため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のフレキシブルディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム;1/4波長板、1/2波長板等の位相差板;視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム;ディスプレイ前面板;ディスプレイ基板;ソフトレンズ等に好適に用いることができる。
本発明の光学フィルムには、例えば反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能化処理を適宜施してもよい。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって限定されるものではない。
(1)測定方法
本明細書中の各物性等の測定方法は次の通りである。
(I)光弾性係数の測定及び固有複屈折の正負の判断
(光弾性係数の測定)
Macromolecules 2004,37,1062−1066で詳細に記載された複屈折測定装置を用いる。レーザー光の経路にフィルムの引っ張り装置を配置し、幅7mmのフィルムの試験片に23℃で伸張応力をかけながら、その複屈折を測定する。伸張時の歪速度は0.3%/分(チャック間:30mm、チャック移動速度:0.1mm/分)とする。
このようにして測定した値について、複屈折(Δn)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から、最小二乗近似により初期線形領域の直線の傾きを求め、光弾性係数(CR)を算出する。傾きの絶対値が小さいほど光弾性係数が0に近く、光学特性に優れていることを示す。
(固有複屈折の正負の判断)
ガラス転移温度以上、ガラス転移温度+50℃以下の範囲内で伸張応力をかけながら延伸を行い、急冷固化し、23℃におけるnpr−nvtを測定する。npr−nvtが負の場合、固有複屈折が負、npr−nvtが正の場合、固有複屈折が正と判断する。
(II)分子量の測定
1)アクリル系樹脂
東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8120+8020)カラムに、東ソー株式会社製TSKスーパーHH−M(2本)とスーパーH2500(1本)を直列に並べ、検出器として示差屈折検出器を用いる。測定試料となるアクリル系樹脂0.02gを20ccのTHF溶媒に溶解し、注入量10ml、展開流量0.3ml/minで、溶出時間と、強度を測定する。ジーエルサイエンス株式会社製の重量平均分子量が既知の単分散のメタクリル系樹脂を標準試料とした検量線を用いて、測定試料のアクリル系樹脂の重量平均分子量を求める。
2)スチレン系樹脂
GPC(測定装置:東ソー株式会社製GPC−8020、検出器:示差屈折検出器(RI)、カラム:昭和電工製Shodex K−805、801連結)を用い、溶媒はクロロホルム、測定温度40℃で、市販標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を求める。
(III)共重合割合の測定
1)アクリル系樹脂(A)(メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体)
試料となる共重合体を熱プレス機を用いてフィルムに成形した後、日本分光社製FT−410を用いてフィルムの吸光度を測定する。あらかじめ共重合割合が求められた共重合体の吸光度を測定し、フィルムとの吸光度比の関係から、各単量体成分の共重合割合を定量する。
2)スチレン系樹脂(B)(スチレン−無水マレイン酸共重合体)
試料となるスチレン−無水マレイン酸共重合体を重クロロホルムに溶解し、日本電子製1H−NMR(JNM ECA−500)を用い、周波数500MHz、室温にてNMR測定を行なった。測定結果より、スチレン単位中のベンゼン環のプロトンピーク(7ppm付近)と無水マレイン酸単位中のアルキル基のプロトンピーク(1〜3ppm付近)の面積比から、試料中のスチレン単位と無水マレイン酸単位のモル比を求める。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位=104:98)から、スチレン−無水マレイン酸共重合体中の無水マレイン酸の共重合割合を求める。
(IV)面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)
(面内レタデーション(Re)の測定)
シックネスゲージを用いてフィルムの厚さd(nm)を測定する。この値を大塚電子株式会社製複屈折測定装置RETS−100に入力し、測定面が測定光と垂直になるように試料を配置し、23℃で回転検光子法により面内レタデーション(Re)を測定・算出する。
(厚み方向レタデーション(Rth)、Nzの測定)
Metricon社製レーザー屈折計Model2010を用いて、23℃で光学フィルムの平均屈折率nを測定する。そして、平均屈折率nとフィルム厚さd(nm)を大塚電子(株)社製複屈折測定装置RETS−100に入力し、23℃で厚み方向レタデーション(Rth)を測定・算出する。
(V)ヘイズの測定
フィルムのヘイズ値をASTM D1003に準拠し測定を行う。
(VI)トリミング性の評価
トリミング工程における、光学フィルムのマイクロクラック、亀裂及び避けの発生の有無を観察する。
マイクロクラック、亀裂及び裂けの状態を、以下の評価基準を用いて評価する。
○ : マイクロクラック、亀裂、裂けが認められない状態
× : マイクロクラック、亀裂、裂けが認められる状態
(2)原料の準備
(i)アクリル系樹脂(A)
メタクリル酸メチル89.2重量部、アクリル酸メチル5.8重量部、及びキシレン5重量部からなる単量体混合物に、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,3−トリメチルシクロヘキサン0.0294重量部、及びn−オクチルメルカプタン0.115重量部を添加し、均一に混合した。この溶液を内容積10リットルの密閉耐圧反応器に連続的に供給し、攪拌下に平均温度130℃、平均滞留時間2時間で重合した後、反応器に接続された貯層に連続的に送り出し、一定条件下で揮発分を除去し、さらに押出機に連続的に溶融状態で移送し、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体ペレットを得た。得られた共重合体のアクリル酸メチルの共重合割合は6.0%、重量平均分子量は145,000、ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、3.8kg荷重のメルトフロー値は1.0g/分であった。また、23℃におけるその光弾性係数(未延伸)は、−4.4×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(ii)スチレン系樹脂(B)
スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)
装置の全てがステンレス鋼で製作されているものを用いて、連続溶液重合を行った。スチレン91.7質量部、無水マレイン酸8.3質量部の比率で合計100質量部を準備した(ただし、両者は混合しない)。メチルアルコール5質量部、重合開始剤として1,1−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.03質量部をスチレンに混合し、第1調合液とした。0.95kg/hr.の速度で連続して内容積4Lのジャケット付き完全混合重合機に供給した。
一方、70℃に加熱した無水マレイン酸を、第二調合液として0.10kg/hr.の速度で同一重合機へ供給し、111℃で重合を行った。重合転化率が54%となったところで、重合液を重合機から連続して取り出し、まず230℃に予熱後、230℃に保温し、20torrに減圧された脱揮器に供給し、平均滞留0.3時間経過後、脱揮器の低部のギヤポンプより連続して排出し、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)を得た。
得られたスチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)は無色透明で、中和滴定による組成分析の結果、スチレンの共重合割合85質量%、無水マレイン酸単位の共重合割合15質量%であった。ASTM−D1238に準拠して測定した230℃、2.16kg荷重のメルトフローレート値は2.0g/10分であった。また、23℃におけるその光弾性係数(未延伸)は、4.1×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(iii)アクリル系ゴム(C)
ブチルアクリレート−スチレン共重合体のゴム状ポリマーとメチルメタクリレート共重合体のガラス状ポリマーからなるコア−シェル構造を有するアクリル系ゴム粒子(ガンツ化成株式会社製スタフィロイド:屈折率1.52)を用いた。
(3)光学フィルムの製造
表1に記載された配合比の樹脂組成物を用い、テクノベル製Tダイ装着押し出し機(KZW15TW−25MG−NH型/幅150mmTダイ装着/リップ厚0.5mm)を用いて、スクリュー回転数、押し出し機のシリンダー内樹脂温度、Tダイの温度を表1に示す条件に調整し押し出し成形をすることにより実施例1の未延伸フィルムを得た。フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に垂直な方向をTD方向とした。
そして、未延伸フィルムを幅が50mmになるように切り出し、表1に示す条件で1軸延伸(チャック間:50mm、チャック移動速度:500mm/分)を引っ張り試験機を用いて行い、実施例2〜4、比較例1、2の一軸延伸フィルムを得た。
表1には、組成、成形条件、延伸条件、得られたフィルムの厚み、レタデーション、光弾性係数の絶対値、ヘイズ及びトリミング評価を示した。
表1及び図1に示した結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の光学フィルムは、優れたトリミング性を有しているため、トリミング工程においてマイクロクラックや亀裂等が発生しなかった。また、延伸した場合においても、一定の倍率まではヘイズ値が光学フィルムとして良好な範囲内(0〜0.8%)にあり、透明性が維持されていることが確認できた。
これに対して、比較例1の光学フィルムは、ヘイズ値が光学フィルムとして良好な範囲内にはなく、透明性に劣っていた。
また、比較例2の光学フィルムは、アクリル系ゴム(C)を含有していないためトリミング性に劣り、トリミング工程においてマイクロクラック、亀裂及び裂けの発生が観察された(図2〜4)。
本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のフレキシブルディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム;1/4波長板、1/2波長板等の位相差板;視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム;ディスプレイ前面板;ディスプレイ基板;ソフトレンズ等に好適に用いることができる。
実施例1の光学フィルムの断面図を示す。 比較例2の光学フィルムの断面図であり、トリミング工程におけるマイクロクラックの状態を示している。 比較例2の光学フィルムの断面図であり、トリミング工程における亀裂の状態を示している。 比較例2の光学フィルムの断面図であり、トリミング工程における裂けの状態を示している。

Claims (11)

  1. アクリル系樹脂(A)、スチレン系樹脂(B)及びアクリル系ゴム(C)を含む樹脂組成物からなる光学フィルムであって、
    ヘイズ値が0.0〜0.8%である、光学フィルム。
  2. 前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−1)である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記スチレン−アクリロニトリル共重合体(B―1)中のアクリロニトリル含量が、1〜40質量%である、請求項2記載の光学フィルム。
  4. 前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−メタクリル酸共重合体(B−2)である、請求項1に記載の光学フィルム。
  5. 前記スチレン−メタクリル酸共重合体(B―2)中のメタクリル酸含量が、0.1〜50質量%である、請求項4記載の光学フィルム。
  6. 前記スチレン系樹脂(B)が、スチレン−無水マレイン酸共重合体(B−3)である、請求項1に記載の光学フィルム。
  7. 前記スチレン−無水マレイン酸共重合体(B―3)中の無水マレイン酸含量が、0.1〜50質量%である、請求項6記載の光学フィルム。
  8. 前記アクリル系樹脂(A)及び前記スチレン系樹脂(B)の合計量100重量部に対して、前記アクリル系ゴム(C)の含有量が0.5重量部以上50重量部以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 前記アクリル系ゴム(C)が多層構造粒子形態である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルムからなる偏光板保護フィルム。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルムからなる位相差フィルム。
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