JP2008275794A - 中間転写装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】像担持体3上に形成されたトナー像を移動可能な中間転写体2上に転写後、この中間転写体2上の前記トナー像を記録体Pへ転写定着又は転写する前に、さらに、前記トナー像を転写する中間転写装置において、前記トナー像を支持する中間転写体13、前記トナー像を加熱する加熱手段15、及び前記トナー像をその表面から加圧変形する加圧変形手段16を有し、上流側に設けた前記トナー像を加熱する加熱領域Hがこの加熱領域より下流側に設けた前記トナー像を変形する変形領域Fより広い中間転写装置。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、ベルト状の像担持体と、その像担持体に接触状態に配置されて周回移動する無端状の中間転写ベルトと、その中間転写ベルトに転写されたトナー像をトナーの溶融温度以上に加熱溶融する加熱ローラと、その加熱ローラの下流側で中間転写ベルトを支持する支持ローラと中間転写ベルトを介して圧接する加圧ローラとを備え、その加圧ローラと中間転写ベルトとの間に送り込まれた転写材(記録体)に中間転写ベルト上のトナー像を転写定着するようにしている画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、像担持体上のトナー像をベルト状の中間転写体上に転写し、その中間転写体上のトナー像を、加熱ローラと加圧ローラとが中間転写体を介して圧接する定着ニップ部に達する前に中間転写体のベルト内面側に設けた像形成物質一体化手段として機能する面状ヒータによりベルトを通して加熱し、そのトナー像を軟化あるいは溶融させることにより結合させて少なくとも一部を結着させて一体化させ、その一体化したトナー像を定着ニップ部で記録体に転写定着させるようにした画像形成装置が開示されている。
さらに、特許文献3には、像形成物質を担持する像担持体と、その像担持体上の像形成物質を一体化する像形成物質一体化手段とを備え、その一体化手段により一体化した未定着画像を記録体に転写定着部で転写定着を行なう転写定着装置が開示されている。
この転写定着装置は、上記転写定着部の記録体搬送方向上流側に、像形成物質一体化手段により一体化したトナーの記録体と接触する面に粘着性を付与する粘着付与手段を設けている。この粘着付与手段は、輻射熱により粘着性を付与するか、又は定着助剤を塗布することにより粘着性を付与するように構成されている。
図12は従来技術における、粗い記録体へのトナー画像の転写とその後の定着装置で定着する状態を示す概略図である。記録体へトナー画像を転写した後に定着装置で定着すると、トナー面積率は若干広がるが、粗い記録体の場合、加圧変形されるのは凸部なのでより変形率は小さい。従って、粗い表面の記録体では目標となる画像濃度を満足するにはトナー量を多くする必要がある。
このように、繊維の凹凸でトナーの変形率が異なり、凸部の変形率が大きくなる。上述したように、とくに、表面の粗い記録体の場合、この影響で加圧定着後のトナー像の面積にバラツキが生じ粒状性が低下する。
また、繊維の凹部にあるトナーは加圧部材とは非接触、又は加圧力が小さいため、変形が小さくなり、凹凸部でのトナーの表面性に差が生じて光沢ムラ等となり画質が低下する問題がある。
上述した特許文献1の転写定着装置においても、記録体に転写する前の中間転写ベルト上のトナー像を加熱ローラによりトナーの溶融温度以上に加熱してトナー全体が変形した状態で記録体に転写される。
従って、転写定着時の定着ニップ部での加圧によって、記録体表面に存在する紙繊維の凹凸の影響を受けてトナーが変形し易くなり、凸部は変形面積が広がり、凹部では加圧力があまり伝わらず変形面積が小さくなる。これによりトナー像の面積バラツキが大きくなって、粒状性のムラや光沢ムラ等が生じて画質が低下してしまう問題がある。
また、特許文献2の転写定着装置においても同様に、トナー像全体が加熱され変形し、トナー全体の粘度が低下して、記録体への定着時にはトナーの高さが40〜80%程度変化して記録体表面の凹凸によりトナー像の面積の広がりにバラツキが生じて画質が低下し易い。
さらに、特許文献3の転写定着装置では、像担持体上の像形成物質を加熱した後、像担持体と接触する面の温度を記録体に接触している面の温度より低くするか、又は定着助剤を用いて像形成物質が記録体と接触する面の粘性を付与したりして、記録体表面の凹凸に対して像形成物質を変形しにくくし、転写定着時における面積の広がりバラツキを軽減している。
高温にすると中間転写体の温度も上昇し、その熱が像担持体へ移動し、像担持体の温度が上昇することになる。この温度上昇により像担持体近傍にある部材の温度が上昇しその性能に影響を及ぼすことになる。
例えば、現像器やクリーニング装置内のトナーが凝集したり固着したりするなどの問題が発生する。また、転写定着時の加圧力を大きくした場合、中間転写体の耐久性が低下することになる。
また、トナー像を記録体と接触する前に変形させ、記録体へ転写したトナー像の表面は、中間転写体の表面が転写され、平滑な状態となっている。しかし、記録体の表面が粗い場合は、この平滑な画像部と記録体の表面との光沢差が大きい画像となる。
さらに、特許文献3の転写定着装置では、中間転写体上でトナー像を変形するのに、中間転写体と対向する回転体を加熱してトナー像を溶融している。しかし、トナー像と部材の付着力は、高温な部材の方がトナーとの付着力が高いために、トナー像が加熱している部材へオフセットし易い。
そこで、本発明の目的は、記録体上に転写定着されたトナー像が、記録体表面の凹凸に因ってトナー像の変形面積にバラツキが生じることにより発生する画質低下や画像のかすれ、部分的な定着不良を防止し、中間転写体の加熱により、他の部材へ熱の影響を及ぼさず、トナー像変形時のオフセットを防止し、低エネルギでトナー像を変形する転写定着装置及びこれを備える画像形成装置を提供することにある。
請求項2の発明は、像担持体から1次中間転写体を介して転写されたトナー像を支持する2次中間転写体を備え、該2次中間転写体から記録体へ転写定着又は転写する中間転写装置において、前記2次中間転写体上の前記トナー像を加熱する加熱手段、及び前記トナー像を加圧変形する加圧変形手段を有し、この加圧変形手段に対向してこれとともにトナー像加圧変形部を構成する前記2次中間転写体としての回転体を配置し、この回転体は前記加熱手段を備え、前記回転体の径が前記加圧変形手段の径よりも大きいことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記回転体がローラであることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記回転体がベルトであることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記2次中間転写体は加熱ローラを含む複数のローラにより支持されたベルトであり、前記加熱ローラに対する前記ベルトの巻き付き角が、前記2次中間転写体上のトナー像を加圧変形するための変形角よりも広く、最大で180度以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記加圧変形手段が、前記2次中間転写体を介して対向している、回転しないフラットな面を保持することを特徴とする。
請求項7の発明は、前記加圧変形手段を少なくとも2箇所以上備えていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、感光体表面に静電潜像を形成し、トナー現像により可視像を形成し、この可視像を中間転写装置上に転写し、重ね合わせ状態に転写された合成カラー画像を、タイミングを合わせて、給紙・搬送部からの記録体に前記転写した合成カラー画像を定着し、排紙する画像形成装置において、前記中間転写装置として、請求項1乃至7項の何れか1項記載の中間転写装置を適用する画像形成装置を特徴とする。
請求項9に記載の発明は、感光体表面に静電潜像を形成し、トナー現像により可視像を形成し、この可視像を1次中間転写体上に転写し、重ね合わせ状態に1次転写された合成カラー画像を2次中間転写体上に静電気力によって2次転写し、さらに、この2次転写した合成カラー画像を3次転写体上に搬送し、タイミングを合わせて、給紙・搬送部からの記録体に3次転写した合成カラー画像を定着し、排紙する画像形成装置において、前記2次中間転写体として、請求項1乃至7項の何れか1項記載の中間転写装置を適用する画像形成装置を特徴とする。
トナー像を変形するには、変形時にトナー像が溶融する温度になる必要があるが、本発明によれば、他部材への熱による影響なしに、広い加熱領域のため、瞬時にトナー像に必要な熱を与えるよりも、低温で時間を掛けて熱を与えることができ、効率よく所定の温度にすることができる。
図1に示す画像形成装置であるタンデム型カラー複写機Aは、装置本体中央部に画像形成部1と、2次中間転写体となる中間転写装置12と、その下方に記録体Pの給紙部1Bを構成する給紙カセット19、給紙部から記録体を取り出して給送する搬送部20、21、22を設けている。
画像形成部1には、水平方向に延びる転写面を有する1次中間転写体となる中間転写ベルト2を配置し、中間転写ベルト2は駆動ローラ9と従動ローラ10との間に張架して矢示B方向に回動可能にしている。中間転写ベルト2の転写面上には、ドラム状である感光体(像担持体)3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の移動方向に沿って間隔を置いて並置してある。
これらのドラム状の感光体(像担持体)3Y、3M、3C、3B(以下、特定しない場合には単に感光体3という)は、色分解色と補色関係にある色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のそれぞれの像形成物質であるトナーによる潜像を表面に形成する。
各感光体3の周りには、また、光書き込み手段としての書き込み装置5Y、5M、5C、5B(以下、特定しない場合には単に書き込み装置4という)を配置している。各感光体3の周りには、さらに、現像装置6Y、6M、6C、6B(以下、特定しない場合には単に現像装置6という)と、1次転写ローラ7Y、7M、7C、7B(以下、特定しない場合には単に1次転写ローラ7という)と、クリーニング装置8Y、8M、8C、8B(以下、特定しない場合には単にクリーニング装置8という)とをそれぞれ配置している。
各現像装置6には、それぞれ現像する色に対応したカラーのトナーが収容されている。従動ローラ10と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置11を設けている。
また、駆動ローラ9と対向する位置に、2次中間転写手段となる中間転写装置12が配置され、2次転写ローラ14を設けて中間転写ベルト2及び2次中間転写ベルト(2次中間転写体)13を介して2次転写部T2を形成している。また、2次転写ローラ14と駆動ローラ9との間にはトナーを転写させるために電界を発生させるように2次転写ローラ14に電圧を印加している。
3次転写装置を形成する3次転写ローラ18は2次中間転写ベルト13を介して対向する位置に加圧ローラ17を配置し、図示してない加圧手段により加圧ローラ17を3次転写ローラ18へ加圧し、記録体Pへトナー像を転写する3次転写部T3を形成している。
加熱ローラ15は対向する位置に配置されたトナーを変形させる加圧変形ローラ16と2次中間転写ベルト13を介して圧接しており、図示してない加圧手段により加熱ローラ15を加圧し、加熱ローラ15と加圧変形ローラ16とでトナー変形部Gを形成している。
加熱ローラ15による加熱領域H(図3)は、加圧変形ローラ16による変形領域F(図3)と同領域(一致する)か、又は変形領域Fより上流の位置から開始(上流側に位置ずれ)している。加熱領域Hを上流に持ってくることでトナー画像がトナー変形部Gに入る前に、トナー画像が溶融し、変形し易くなる効果がある。また、加熱領域Hを変形領域Fより広くすれば、よりトナー画像に熱を与えることができ、溶融し易くなる効果がある。
記録体Pは給紙カセット19から3次転写部T3に搬送するように搬送部である給紙ローラ20、搬送ローラ21、レジストローラ22を用いて給紙される。記録体Pは、3次転写部T3を通過した後、定着装置26へ搬送される。この定着装置26には、定着ローラ方式を用いる。
定着ローラ27は図示してないハロゲンヒータを内包している。定着ローラ27に対向した加圧ローラ28は定着ローラ27を加圧している。定着ローラ27は所定の温度に制御され、搬送された記録体Pを定着ローラ27と加圧ローラ28の圧接部で加熱、加圧する。
定着ローラ27は、金属製の芯金に弾性層を有し、0.1〜0.5mmのシリコンゴム層を設ける。さらに、表面に離型性向上のためにシリコンオイルのような離型剤を塗布、又はフッ素系樹脂の層を付加して使用する。ここではフッ素系樹脂層は表層硬度を低硬度にするために10μmのPFAチューブを使用している。
シリコン層のみでも低硬度であるが、その耐久性を考慮すると、薄層のフッ素系樹脂の使用が効果的である。ここで言う低硬度とは微小硬度であり、例えば、使用温度におけるユニバーサル硬度において、記録体の粗さに対応した進入量20μmで1N/cm2以下が好ましい。これは薄層となったトナーを記録体の凹凸へ追従させる効果がある。
その静電潜像は、イエローのトナーを収容した現像装置6により現像されてトナー像(可視像)となり、そのトナー像は所定のバイアスが印加された1次転写ローラ7により中間転写ベルト2上に1次転写される。
同様に、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する各感光体3M、3C、3B上にもそれぞれ対応する色のトナー像が形成され、その各色のトナー像が中間転写ベルト2上に順次重ね合わせ状態に1次転写されていく。
そして、その1次転写後に各感光体3上に残留したトナーは、各クリーニング装置8により除去される。また、各トナー像の転写後には、各感光体3の電位が図示してない除電ランプによって除電されて初期化され、次の作像工程に備える。
2次中間転写ベルト13へ搬送されたトナー画像は加熱ローラ15と加圧変形ローラ16との間(トナー変形部G)に搬送される。加熱ローラ15は所定の温度に制御されている。
搬送されたトナー画像は加熱ローラ15の熱によって加熱され、加圧変形ローラ16の加圧によって変形し、トナー画像の面積率が高くなる。その後、加圧ローラ17と3次転写ローラ18との間(3次転写部T3)に搬送される。
トナー画像が3次転写部T3のニップ部に突入するタイミングに合わせ、給紙・搬送部の給紙カセット19の給紙コロ20が回転し、記録体Pの最上紙から1枚ずつ分離されて給紙される。
その給紙された記録体Pは、搬送ローラ対21により停止状態にあるレジストローラ対22まで搬送されていったん停止する。記録体Pは、レジストローラ対22に先端が突き当てられることにより斜め送り(スキュー)が修正される。その後、2次中間転写ベルト13上のトナー画像の先端と一致する正確なタイミングで3次転写部T3に向けて送り出される。
トナー変形部Gで変形されたトナー画像と記録体Pは、3次転写部T3で圧接すると同時に加圧されながら搬送される。トナー画像が転写された後の記録体Pは定着装置26へ搬送される。その後、図示してない排紙トレイ等に排出される。
なお、2次中間転写ベルト13を、この2次中間転写ベルト13の裏面から加熱するので、薄層にするほど加熱効率は高くなるが、この場合には、ベルト寿命や耐久性を考慮する必要がある。
また、ベルト表層の弾性層は変形したトナー画像を記録体Pへ転写する3次転写部T3において、トナー画像を記録体Pの表面に追従させることができ、3次転写部において転写性を確保するのに効果的である。
例えば、粗い記録体へ薄層にされたトナー画像を転写するには、3次転写部T3の加圧力を高くするか、トナー画像を軟化させるために2次中間転写ベルト13をより加熱することで効果がある。しかし、高加圧による部材の耐久性の低下や、高温加熱による消費エネルギの増大、さらに、2次中間転写ベルト13を通じて1次中間転写ベルト2に熱が回り込み、画像形成部1が昇温して画像流れやブロッキングなどの問題が発生する。
このような問題を防止するため、記録体Pの表面凹凸に追従する部材が好ましい。ここでは、部材の表面硬度が従来のJIS硬度のように記録体繊維間隔より広い領域で測定する硬度では追従性に対応できず、ミクロ的な硬度であるユニバーサル硬度で対応できる。そこで、記録体Pと接触する2次中間転写ベルト13の部材表層硬度としてHU1.0N/mm2以下(侵入量20μm、)を用いる。
また、ここでは2次転写ベルト13の表層を弾性層としたが、トナー画像の安定した離型性と劣化防止のため、さらに表層として弾性層を厚さ5〜20μmのフッ素系樹脂系材料であるPFA(四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)やPTFE(四フッ化エチレン共重合体樹脂)で形成(チューブ)しても有効である。
ここでは、前述のとおり、2次中間転写装置12は、2次中間転写体である2次中間転写ベルト13が加熱ローラ15と接触してからトナー変形部Gまでの加熱領域Hを形成する。加熱ローラ15を通して2次中間転写ベルト13を加熱し、その熱でトナー画像を加熱した後、加熱ローラ15と加圧変形ローラ16との変形領域Fにより、熱と圧力によってトナー画像を変形する。
この加熱領域Hは、2次中間転写ベルト13が加熱ローラ15を通してこの2次中間転写ベルト13上へ熱を伝達できる時間以上の領域にすることが好ましい。これにより、トナー画像の加熱温度を十分変形させるために必要な軟化温度にすることができ、より効率的に変形させることができる。
このため、トナー変形部Gで加圧されたトナー画像は温度の高い2次中間転写ベルト13との付着力が高くなり、加圧変形ローラ16へトナーがオフセットするのを防止する効果がある。
その後、トナー変形部Gを通過したトナー画像は3次転写部T3へ搬送され、記録体Pと接触侠圧することでトナー画像を記録体Pへ転写する。この転写は上流でトナー画像に与えた熱によりトナー画像が軟化しているので記録体Pに付着し易いという効果を利用している。
この効果をより高く得るには、3次転写部T3から変形部Gへの移動時間を短くすれば、トナー像からの放熱を少なくできるので、トナー温度を低下させずに維持するので、より付着し易い効果が得られる。
トナー画像を作成する場合に、必要な画像濃度を得ることが目標の1つとなる。この必要な画像濃度は、記録体Pの表面粗さによって適正値が異なり、表面粗さが粗いほどトナー量が多く必要になってくる。
その理由は、前述したように、記録体Pへトナー画像を転写すると、記録体表面の微細な凹凸が影響し、凹部へトナーが入り込むため、100%ベタ画像ではそのトナー面積率が低くなることにある。
例えば、トナー粒径6μmを用いてトナー量0.4mg/cm2で100%ベタ画像を作成する場合、トナー画像転写後は平滑度の高い(Rz2μm)記録体ではトナー面積率は90%である。
これに対し、平滑度の悪い(Rz50μm)記録体では80%となる。定着装置により変形した後の面積は高平滑97%で、低平滑は82%と変形率は小さく、目標とする画像濃度を得るには0.5mg/cm2のトナー量が必要であった。
また、本実施の形態では2次中間転写ベルト13は3次転写部T3での転写性を確保するため表層を低硬度にしている。そのため、トナー変形部Gにおいてより変形させるために、変形ローラ16の表層は2次中間転写ベルト13より高硬度としているため、トナー画像の変形率を大きくでき、少ないトナー量でトナー面積率を確保することができる。
これまで、加熱ローラ15を用いた中間転写装置について述べているが、他の加熱方式としてIHコイル23を用いることにより中間転写ベルト13自体を発熱させてトナー画像を加熱する方式もある。
駆動ローラ9と対向する位置に、2次中間転写を行う中間転写装置12が配置され、2次転写ローラ14を設けて中間転写ベルト2及び2次中間転写ベルト13を介して2次転写部T2を形成している。
また、2次転写ローラ14と駆動ローラ9の間にはトナーを転写させるために電界を発生させるように2次転写ローラ14に電圧を印加している。前記実施形態では加熱ローラとして機能したローラ15はここでは2次中間転写ベルト13の支持ローラとしてのみ用い、ローラ15、16の上流側に配置したIHコイル30が2次中間転写ベルト13自体を発熱させてトナー画像を加熱する構成となっている。
ここで示す2次転写装置12の全体構造は図2に示した2次転写装置12と同様である。従って、同一部分には同一の符号を付して、本実施の形態で必要以外の重複する説明は省略する。
加熱ローラ15を用いた構成よりも加熱領域H(図5)を広く取ることができ、加熱ローラ15による中間転写ベルト13への熱伝導よりも、瞬時に中間転写ベルト13を加熱することができ、低エネルギでトナー画像の加熱を行なうことができる。
2次転写装置12の全体構造は図2に示した2次転写装置12と同様である。従って、同一部分には同一の符号を付して、本実施の形態で必要以外の重複する説明は省略する。
上述した第1の実施の形態に対し、この第3の実施の形態では、加熱ローラ15の径を加圧変形ローラ16の径より大きくしている。これによって、中間転写ベルト13が加熱ローラ15と接触している面積、すなわち、加熱領域Hが広くなり、トナー画像への熱量が増える。従って、トナー画像が軟化し易くなり、変形効率が高くなる。
トナー変形部を構成する中間転写体として、中間転写ベルト13を用いている。この中間転写ベルト13は薄肉のため、熱伝導率が高く、トナー画像へ熱を伝え易い。また、フレキシブルに形状を変えることができるため、部品スペースを低く抑えることができる。
このように、トナー像を均一に変形するには、平滑で安定した部材上で行ない、中間転写体からトナー像へ熱を効率よく伝える必要がある。このため、中間転写体として中間転写ベルト13を用いることで、薄肉で熱が伝わり易く、トナー像を効率よく加熱することができる。
ここで示す中間転写ローラ25の周辺の構成は図2に示した2次転写装置12の周辺の構成と同様である。従って、同一部分には同一の符号を付して、本実施の形態で必要以外の重複する説明は省略する。
この実施形態では、中間転写ベルト13に代えて中間転写ローラ(中間転写体)25を用いている。クリーニング装置29は中間転写ローラ25の周部に設けられている。
この中間転写ローラ25は安定してトナー画像を保持することができ、トナー画像変形時のバラツキが少ない。また、1つの部品の周部に2次転写部T2、変形部G、3次転写部T3の機能を集中することができ、部品コストを抑えることができる。
トナー像を均一に変形するには、平滑で安定した部材上で行う必要がある。中間転写ローラ25を用いることで、平滑で安定したローラ上で、トナー像を均一に変形することができる。
また、1個のローラによって、像担持体(1次転写ベルト)からのトナー像転写、トナー像変形、記録体へのトナー像転写の機能を担うことができ、部品点数が少なくて済む。
トナー像を加圧変形する加圧変形部において、トナー像を加熱している中間転写体である回転体(中間転写ローラ25)の径が大きい。このため、中間転写体上のトナー像が、これを加圧変形させる対向する回転体(加圧変形ローラ16)とのニップ部に突入するまでに、トナー像が回転体(中間転写ローラ25)から熱を得る時間(距離)が増える。
トナー像に熱を掛ける時間が増えれば、回転体(中間転写ローラ25)の加熱温度を、トナーが瞬時に溶融するために必要な温度より低くしても、十分な熱量を与えることができる。
中間転写ベルト13を用いる中間転写装置において、加熱ローラ15に対する中間転写ベルト13の巻き付き角を、トナー像を変形するトナー変形部におけるニップ角よりも大きくする。
これによって、中間転写ベルト13が加熱ローラ15と接触する面積、すなわち加熱領域Hが広くなり、トナー画像への熱量が増える。よって、トナー画像が軟化し易くなり、変形効率が高くなる。
トナー像を保持している中間転写ベルト13が、トナー像を加熱する回転体(加熱ローラ15)に巻き付いている角度が大きいほど、中間転写ベルト13に熱が伝わる領域が増え、トナー像に熱が伝わり易い。ここで、加熱領域Hを広くするために中間転写ベルト13の巻き付き角を180度以上にした方が良好な効果を得られると考えられる。
しかしながら、巻き付き角を180度以上にするには、トナー像を加熱している回転体(加熱ローラ15)の径を大きくするか、追加部品を用いて中間転写ベルト13の巻き付き角を増やす必要があり、大径による消費熱量の増大や追加部品によるコストアップが課題となり、逆効果となってしまう。
中間転写ベルト13を用いた中間転写装置12において、トナー変形部Gfが、加圧変形ローラ16とフラットな部材16fで構成されている。これによって、トナー変形部Gfが、これまでの第1乃至第5の実施の形態におけるトナー変形部Gよりも広くなり、軟化したトナー画像を変形する時間が増え、変形効率が高くなる。
また、加圧変形ローラ16を低硬度にすれば、トナー変形部Gfがさらに広くなり、より変形し易くなる。さらに、中間転写ベルト13が加熱領域を通過した後に、変形領域においてフラットな部材16fを配置することで、トナー像を保持していない中間転写ベルト13の裏面に対し冷却効果を生み出す。
中間転写体(中間転写ベルト13)上でトナー像を効率よく加圧変形するために、トナー像加圧変形手段(加圧変形ローラ16)は、中間転写体を介して、それに対向しているフラットを有する部材を配置している。
これにより、トナー像加圧変形手段とフラットな面を有する部材とで構成されるニップ幅が、回転体同士でニップを形成するよりもニップ幅を広く形成することができ、トナー像を効率よく変形することができる。
この第7の実施の形態は、また、第6の実施の形態のようなトナー変形部Gfを有し、加熱方式がIHコイル30を用いている構成の中間転写装置を示している。ローラによる加熱方式に比べ、中間転写体ベルト13を加熱するための熱エネルギを少なくでき、加熱領域を広くすることも可能である。さらに、フラットな部材16fによりトナー変形部Gfの範囲を広くとれ、加熱、加圧領域ともに効率を高くすることができる。
中間転写体25上のトナー画像を加熱後、変形するトナー変形部Gを2箇所以上(第8の実施の形態ではGa、Gbの2箇所)設けていることで、変形効率が高くなる。ここで、加熱領域は最初のトナー変形部Gaよりも上流に配置することで、トナー画像を変形し易くする。
上述した中間転写装置を画像形成装置に適用すれば、トナー像を平滑な中間転写体上で変形し、変形したトナー像を記録体に転写トナー像を中間転写体から加熱し、加圧することによって変形中間転写体上でトナー像を効率よく変形させることができる。
Claims (9)
- 像担持体から1次中間転写体を介して転写されたトナー像を支持する2次中間転写体を備え、該2次中間転写体から記録体へトナー像を転写定着又は転写する中間転写装置において、前記2次中間転写体上の前記トナー像を加熱する加熱手段、及び前記トナー像を加圧変形する加圧変形手段を有し、前記加熱手段によって前記トナー像を加熱する加熱領域の面積がそれよりも下流側に設けた前記加圧変形手段による変形領域よりも広いことを特徴とする中間転写装置。
- 像担持体から1次中間転写体を介して転写されたトナー像を支持する2次中間転写体を備え、該2次中間転写体から記録体へ転写定着又は転写する中間転写装置において、前記2次中間転写体上の前記トナー像を加熱する加熱手段、及び前記トナー像を加圧変形する加圧変形手段を有し、
この加圧変形手段に対向してこれとともにトナー像加圧変形部を構成する前記2次中間転写体としての回転体を配置し、この回転体は前記加熱手段を備え、前記回転体の径が前記加圧変形手段の径よりも大きいことを特徴とする中間転写装置。 - 前記回転体がローラであることを特徴とする請求項2記載の中間転写装置。
- 前記回転体がベルトであることを特徴とする請求項2記載の中間転写装置。
- 前記2次中間転写体は加熱ローラを含む複数のローラにより支持されたベルトであり、前記加熱ローラに対する前記ベルトの巻き付き角が、前記2次中間転写体上のトナー像を加圧変形するための変形角よりも広く、最大で180度以下であることを特徴とする請求項1記載の中間転写装置。
- 前記加圧変形手段が、前記2次中間転写体を介して対向している、回転しないフラットな面を保持することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の中間転写装置。
- 前記加圧変形手段を少なくとも2箇所以上備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の中間転写装置。
- 感光体表面に静電潜像を形成し、トナー現像により可視像を形成し、この可視像を中間転写装置上に転写し、重ね合わせ状態に転写された合成カラー画像を、タイミングを合わせて、給紙・搬送部からの記録体に前記転写した合成カラー画像を定着し、排紙する画像形成装置において、前記中間転写装置として、請求項1乃至7項の何れか1項記載の中間転写装置を適用することを特徴とする画像形成装置。
- 感光体表面に静電潜像を形成し、トナー現像により可視像を形成し、この可視像を1次中間転写体上に転写し、重ね合わせ状態に1次転写された合成カラー画像を2次中間転写体上に静電気力によって2次転写し、さらに、この2次転写した合成カラー画像を3次転写体上に搬送し、タイミングを合わせて、給紙・搬送部からの記録体に3次転写した合成カラー画像を定着し、排紙する画像形成装置において、前記2次中間転写体として、請求項1乃至7項の何れか1項記載の中間転写装置を適用することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2007-04-26 JP JP2007117629A patent/JP2008275794A/ja active Pending
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