JP2008275511A - インフルエンザウイルス抗原の免疫測定法及びそれに用いられる物 - Google Patents
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Abstract
【課題】インフルエンザウイルス抗原を高感度に測定し、さらには、簡便に測定できる方法及び装置を提供する。
【解決手段】抗インフルエンザウイルス抗体を用いるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法において、ノイラミニダーゼで処理した検体を含有する被験試料を前記抗体との抗体抗原反応に供する。免疫測定法は、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法が好ましく、特に、イムノクロマトグラフィー測定法であることが好ましい。ノイラミニダーゼは、検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液や、イムノクロマトグラフィー測定に使用する展開溶媒に含有させてよく、使用時に該抽出液や展開溶媒に投入したり、クロマト用膜担体に配置して使用できるように、凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させて形態としてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】抗インフルエンザウイルス抗体を用いるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法において、ノイラミニダーゼで処理した検体を含有する被験試料を前記抗体との抗体抗原反応に供する。免疫測定法は、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法が好ましく、特に、イムノクロマトグラフィー測定法であることが好ましい。ノイラミニダーゼは、検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液や、イムノクロマトグラフィー測定に使用する展開溶媒に含有させてよく、使用時に該抽出液や展開溶媒に投入したり、クロマト用膜担体に配置して使用できるように、凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させて形態としてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、インフルエンザウイルス抗原の高感度な免疫測定法、及び、該測定法に用いられる物に関するものであり、とりわけ、インフルエンザウイルス感染を迅速かつ簡便に診断するために有用な免疫測定法及び装置に関する。
高病原性鳥インフルエンザ診断は、現状では、ウイルス感染が疑われる病鳥から気管スワブまたはクロアカスワブ(総***腔スワブ)を採取し、これを発育鶏卵に接種して培養した後、ウイルスを分離する方法により行われている。しかし、この方法は、結果が得られるまでに数日を要し、迅速に結果が求められない点で不利である。また、近年開発された遺伝子検査(PCR法、LAMP法)を用いることにより、結果を得るまでにかかる時間は大幅に短縮されるが、かかる遺伝子検査には特別な機器及び技術を要するため、養鶏現場等で検査を行うことは出来ない。
一方、イムノクロマトグラフィー測定法およびイムノクロマト法テストストリップによる診断方法が開発されているが、迅速性には優れているものの、培養検査、遺伝子検査に比べ検出感度に劣っている。また、このような免疫測定法では検体成分による非特異的反応が起こりやすく、検体成分による抗原抗体反応の阻害により、本来得られるはずの感度が得られないことが多い。
従来、イムノクロマトグラフィー測定法に用いられる展開溶媒にウシ血清アルブミン(BSA)やその他の化合物を添加することにより、測定時の非特異的凝集および非特異反応を防止して感度を向上させることが提案されている(特許文献1)。しかし、インフルエンザウイルス、特にインフルエンザウイルスH5亜型に感染した鳥から採取した検体の感度が低いことが確認されており、さらに一層の感度向上が望まれていた。
そこで、本発明は、インフルエンザウイルス抗原を高感度に測定し、さらには、簡便に測定できる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、検体を各種酵素で処理することによるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定感度への影響について検討した結果、検体をノイラミニダーゼ(Neuraminidase)で処理して被験試料として用いた場合に、上記免疫測定感度が有意に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面によれば、抗インフルエンザウイルス抗体を用いるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法であって、ノイラミニダーゼで処理した検体を含有する被験試料を前記抗体との抗体抗原反応に供することを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原の免疫測定法が提供される。
この検出法における免疫測定法としては、特に限定されるものではないが、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法、とりわけELISA(Enzyme−linked immunosorbent assay)法、イムノクロマトグラフィー測定法などにおいて高い効果が得られる。
この検出法における免疫測定法としては、特に限定されるものではないが、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法、とりわけELISA(Enzyme−linked immunosorbent assay)法、イムノクロマトグラフィー測定法などにおいて高い効果が得られる。
したがって、本発明の他の局面によれば、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法である、前記インフルエンザウイルス抗原の免疫測定法が提供される。
かくして、本発明の好ましい実施形態によれば、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、インフルエンザウイルス抗原に対する第二の抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれるインフルエンザウイルス抗原と前記第二の抗体とを備えた複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法であって、クロマト展開の前またはクロマト展開と同時に、前記被験試料をノイラミニダーゼで処理することを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原のイムノクロマトグラフィー測定法が提供される。
前記ノイラミニダーゼによる処理は、最も単純には、前記混合液又は前記被験試料とノイラミニダーゼとを混合することにより行うことができる。具体的には、例えば、クロマト展開の前に、膜担体とは別体の容器中で前記混合液又は前記被験試料をノイラミニダーゼと混合することが挙げられる。ノイラミニダーゼを予め含浸部材に凍結乾燥状態で含浸させておき、該含浸部材を前記容器に投入することにより、被験試料をノイラミニダーゼで処理できるようにしてもよい。
別法としては、ノイラミニダーゼを膜担体に配置しておき、前記混合液をクロマト展開させた時に前記混合液とノイラミニダーゼとが混合するようにしてもよい。
別法としては、ノイラミニダーゼを膜担体に配置しておき、前記混合液をクロマト展開させた時に前記混合液とノイラミニダーゼとが混合するようにしてもよい。
また、本発明によれば、本発明のイムノクロマトグラフィー測定法を実施するのに好適な装置として、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップと、検体を希釈して前記膜担体にクロマト展開できるように被験試料を調製するための展開溶媒とを少なくとも備えてなるインフルエンザウイルス抗原検出用キットであって、さらに、前記展開溶媒に添加するノイラミニダーゼを備えていることを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原検出用キットが提供される。
このキットでは、検体は、クロマト展開前に、ノイラミニダーゼを含有する展開溶媒と混合され、ノイラミニダーゼによる処理が確実に行われ、また、イムノクロマト法テストストリップは従来と同様の構成のものをそのまま使用できるので、好都合である。
このキットにおいては、ノイラミニダーゼを予め含浸部材に凍結乾燥状態で含浸させておき、検体を含有する容器中に該含浸部材を投入することにより、ノイラミニダーゼで処理された被験試料が得られるようにしてもよい。
このキットにおいては、ノイラミニダーゼを予め含浸部材に凍結乾燥状態で含浸させておき、検体を含有する容器中に該含浸部材を投入することにより、ノイラミニダーゼで処理された被験試料が得られるようにしてもよい。
また、本発明によれば、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップであって、ノイラミニダーゼが前記膜担体の前記第二の抗体が配置されている箇所又はその近傍に配置されていることを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原検出用イムノクロマト法テストストリップが提供される。ノイラミニダーゼは凍結乾燥状態で配置することが好ましい。また、ノイラミニダーゼは含浸部材に含浸された状態で膜担体に配置されてもよく、例えば、膜担体に連接された含浸部材に第二の抗体とともに含浸させておいてもよい。
このイムノクロマト法テストストリップでは、検体は、クロマト展開と同時に、膜担体に配置されたノイラミニダーゼによって処理されるので、従来のイムノクロマト法テストストリップと同様の操作で本発明の測定法が実施できるので、好都合である。
このイムノクロマト法テストストリップでは、検体は、クロマト展開と同時に、膜担体に配置されたノイラミニダーゼによって処理されるので、従来のイムノクロマト法テストストリップと同様の操作で本発明の測定法が実施できるので、好都合である。
さらに、本発明によれば、上記免疫測定法を実施するのに好適な物として、検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液であって、ノイラミニダーゼを含有することを特徴とする免疫測定用抽出液が提供される。
さらに、本発明によれば、上記免疫測定法を実施するのに好適な他の物として、検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液調製キットであって、溶媒と、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸した含浸部材とを備え、使用時に該溶媒に該含浸部材を添加して抽出液を調製できるようにした、免疫測定用抽出液調製キットが提供される。
上記抽出液が、イムノクロマトグラフィー測定用展開溶媒としての組成を備えている場合は、該抽出液を用いて検体を希釈することにより、イムノクロマトグラフィー測定用の被験試料としてそのまま使用できる。
さらに、本発明によれば、上記免疫測定法を実施するのに好適な他の物として、検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液調製キットであって、溶媒と、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸した含浸部材とを備え、使用時に該溶媒に該含浸部材を添加して抽出液を調製できるようにした、免疫測定用抽出液調製キットが提供される。
上記抽出液が、イムノクロマトグラフィー測定用展開溶媒としての組成を備えている場合は、該抽出液を用いて検体を希釈することにより、イムノクロマトグラフィー測定用の被験試料としてそのまま使用できる。
本発明によれば、抗インフルエンザウイルス抗体を用いるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法において、検体をノイラミニダーゼで処理して前記抗体との抗体抗原反応に供することとしたので、測定時の非特異的凝集および非特異反応を防止して免疫測定感度を向上させることができる。
インフルエンザウイルス、特にインフルエンザウイルスH5亜型に感染した鳥から採取した検体の免疫測定感度が従来低かった原因として、気管スワブおよびクロアカスワブなどの検体に含まれる生体成分(細胞成分や粘膜成分など)にウイルスが結合したまま、閉じ込められている可能性が推測された。
本発明によれば、上記検体に含まれる生体成分の表面の糖鎖を切断する活性を有するノイラミニダーゼを用いて検体を予め酵素処理することとしたので、生体成分からより多くのヘマグルチニン分子、ウイルス粒子が遊離し、抗体抗原反応に関与するようになり、感度が向上したものと考えられる。この効果は、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法、とりわけ、イムノクロマトグラフィー測定法において有効と考えられ、特に、インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を認識する抗体を使用する検出系において有効と考えられる。
インフルエンザウイルス、特にインフルエンザウイルスH5亜型に感染した鳥から採取した検体の免疫測定感度が従来低かった原因として、気管スワブおよびクロアカスワブなどの検体に含まれる生体成分(細胞成分や粘膜成分など)にウイルスが結合したまま、閉じ込められている可能性が推測された。
本発明によれば、上記検体に含まれる生体成分の表面の糖鎖を切断する活性を有するノイラミニダーゼを用いて検体を予め酵素処理することとしたので、生体成分からより多くのヘマグルチニン分子、ウイルス粒子が遊離し、抗体抗原反応に関与するようになり、感度が向上したものと考えられる。この効果は、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法、とりわけ、イムノクロマトグラフィー測定法において有効と考えられ、特に、インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を認識する抗体を使用する検出系において有効と考えられる。
本発明の免疫測定法において、検体をノイラミニダーゼで処理するためには、検体とノイラミニダーゼとを、適当な水系溶媒、例えば、水、生理食塩水または緩衝液中で混合すればよい。ノイラミニダーゼの酵素活性は37℃において最も高くなるが、上記処理は通常室温で行える。溶媒のpHは、必要に応じて、適当なpH調整剤を用いて、ノイラミニダーゼの至適pH(4.5〜7.0)に合わせることが好ましい。但し、イムノクロマトグラフィー測定法においては、展開溶媒のpHは6.7〜7.7の範囲とすることが好ましい。緩衝液としては、例えば、トリス緩衝液およびリン酸緩衝液などが挙げられ、その他、HEPES(2−ヒドロキシピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)緩衝液なども使用できる。pH調整剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウムなどが使用できる。
本発明においては、溶媒に所定量のノイラミニダーゼを含有せしめたものを、検体の抽出液の形態で提供することもできる。この場合、検体を抽出液に添加して希釈することで、ノイラミニダーゼによる処理を実施できる。この処理液は、そのまま、被験試料として免疫測定に供することができ、好都合である。
なお、該抽出液は、保存時におけるノイラミニダーゼの失活を防止するために、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させておき、使用時に、溶媒に該含浸部材を添加することで上記抽出液を調製できる免疫測定用抽出液調製キットの形態としてもよい。含浸部材としては、例えば、ガラス繊維不織布、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類などが使用できる。
なお、該抽出液は、保存時におけるノイラミニダーゼの失活を防止するために、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させておき、使用時に、溶媒に該含浸部材を添加することで上記抽出液を調製できる免疫測定用抽出液調製キットの形態としてもよい。含浸部材としては、例えば、ガラス繊維不織布、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類などが使用できる。
本発明の免疫測定法がイムノクロマトグラフィー測定法である場合は、溶媒に所定量のノイラミニダーゼを含有せしめたものを、イムノクロマトグラフィー測定用展開溶媒の形態で提供することもできる。この場合、検体を展開溶媒に添加して希釈することで、ノイラミニダーゼによる処理を実施できる。この処理液は、そのまま、被験試料として従来のイムノクロマトテストストリップを用いた測定に供することができ、好都合である。
なお、このイムノクロマトグラフィー測定用展開溶媒は、保存時におけるノイラミニダーゼの失活を防止するために、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させておき、使用時に、展開溶媒に該含浸部材を添加することで上記展開溶媒を調製できる免疫測定用展開溶媒調製キットの形態としてもよい。含浸部材としては、例えば、ガラス繊維不織布、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類などが使用できる。
上記抽出液及び展開溶媒は、必要に応じ、界面活性剤、防腐剤、無機塩、特開2003-344406に記載の重合体等の各種添加剤を含有しても良い。
なお、このイムノクロマトグラフィー測定用展開溶媒は、保存時におけるノイラミニダーゼの失活を防止するために、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸部材に含浸させておき、使用時に、展開溶媒に該含浸部材を添加することで上記展開溶媒を調製できる免疫測定用展開溶媒調製キットの形態としてもよい。含浸部材としては、例えば、ガラス繊維不織布、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類などが使用できる。
上記抽出液及び展開溶媒は、必要に応じ、界面活性剤、防腐剤、無機塩、特開2003-344406に記載の重合体等の各種添加剤を含有しても良い。
本発明で使用する抗インフルエンザウイルス抗体は、特に限定されるものではなく、各種免疫測定法において通常使用されているポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を使用できる。このうち、反応特異性の点から、通常、モノクローナル抗体を使用することが好ましい。本発明の免疫測定法が、第一の抗体と第二の抗体との間に前記抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法、特に、イムノクロマトグラフィー測定法である場合は、第一の抗体及び第二の抗体の少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体であることが好ましい。
本発明の免疫測定法は、インフルエンザウイルスH5亜型の検出感度を向上させるために有効であるため、抗インフルエンザウイルス抗体として、インフルエンザウイルスH5亜型を認識する抗体を使用することが好ましい。
本発明の免疫測定法は、インフルエンザウイルスH5亜型の検出感度を向上させるために有効であるため、抗インフルエンザウイルス抗体として、インフルエンザウイルスH5亜型を認識する抗体を使用することが好ましい。
ポリクローナル抗体は、例えば、インフルエンザウイルスを抗原として常法に従って動物を免疫し、その抗血清から取得することができる。
モノクローナル抗体は、例えば、インフルエンザウイルスを抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、この免疫された動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめ、増殖せしめた株を前記のようにして得られた精製蛋白を使用して、たとえば、酵素標識免疫法などにより選別することで、取得することができる。
モノクローナル抗体は、例えば、インフルエンザウイルスを抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、この免疫された動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめ、増殖せしめた株を前記のようにして得られた精製蛋白を使用して、たとえば、酵素標識免疫法などにより選別することで、取得することができる。
本発明のイムノクロマトグラフィー測定法は、公知のイムノクロマト法テストストリップの構成に準拠して容易に実施できる。
一般に、かかるイムノクロマト法テストストリップは、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の抗体と、前記抗原の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。第一の抗体および第二の抗体は、上述のように、それぞれポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても良いが、少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体であることが好ましい。通常は、第一の抗体及び第二の抗体は「ヘテロ」の組み合わせで用いられ、すなわち、抗原上の位置および構造の何れもが異なる各抗原決定基をそれぞれ認識する第一の抗体及び第二の抗体が組み合わせて用いられる。しかしながら、第一の抗原決定基と第二の抗原決定基は抗原上の位置が異なっていれば構造的に同一であってもよく、その場合、第一の抗体および第二の抗体は「ホモ」の組み合わせのモノクローナル抗体であってよく、すなわち、第一の抗体および第二の抗体の両方に同一のモノクローナル抗体が使用できる。
一般に、かかるイムノクロマト法テストストリップは、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の抗体と、前記抗原の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。第一の抗体および第二の抗体は、上述のように、それぞれポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であっても良いが、少なくとも何れか一方がモノクローナル抗体であることが好ましい。通常は、第一の抗体及び第二の抗体は「ヘテロ」の組み合わせで用いられ、すなわち、抗原上の位置および構造の何れもが異なる各抗原決定基をそれぞれ認識する第一の抗体及び第二の抗体が組み合わせて用いられる。しかしながら、第一の抗原決定基と第二の抗原決定基は抗原上の位置が異なっていれば構造的に同一であってもよく、その場合、第一の抗体および第二の抗体は「ホモ」の組み合わせのモノクローナル抗体であってよく、すなわち、第一の抗体および第二の抗体の両方に同一のモノクローナル抗体が使用できる。
イムノクロマト法テストストリップの具体例としては、例えば、図1に示されるテストストリップが挙げられる。図1において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。
該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、第一の抗体が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。
図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体をクロマト展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する抗体を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。
該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、第一の抗体が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。
図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体をクロマト展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する抗体を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
含浸部材2は、前記第一の抗体が結合する第一の抗原決定基と異なる部位に位置する第二の抗原決定基にて前記抗原と抗体抗原反応する第二の抗体を含浸せしめた部材からなる。当該第二の抗体は、適当な標識物質で予め標識される。
図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
第二の抗体の標識物質としては、使用可能なものであればいかなる物質であってもよく、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられる。
このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便に判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。
呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。
当該含浸部材2は、標識された第二の抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便に判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。
呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。
当該含浸部材2は、標識された第二の抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
図1に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3のクロマト展開の開始点側(すなわち図1の左側、以下「上流側」と記す、また、その逆の側、すなわち図1の右側を、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマト法テストストリップを作成できる。
さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
試料添加用部材5としては、例えば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。
吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
さらに、市販品の場合、図1のイムノクロマト法テストストリップは、試料添加用部材5と捕捉部位31の上方にそれぞれ被験試料注入部と判定部が開口された適当なプラスチック製ケース内に収容されて提供される。
かくして、生体試料などからなる検体を、ノイラミニダーゼを含有した展開溶媒と混合してクロマト展開可能な混合液を得た後、当該混合液を図1に示されるイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識された第二の抗体と混合する。
その際、該混合液中に検出対象抗原が存在すれば、抗原抗体反応により検出対象抗原と第二の抗体との複合体が形成される。
この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の抗体と抗原抗体反応して捕捉される。
このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により捕捉部位31が発色するので、直ちに、検出対象抗原を定性的または定量的に測定することができる。
その際、該混合液中に検出対象抗原が存在すれば、抗原抗体反応により検出対象抗原と第二の抗体との複合体が形成される。
この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の抗体と抗原抗体反応して捕捉される。
このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により捕捉部位31が発色するので、直ちに、検出対象抗原を定性的または定量的に測定することができる。
本発明においては、被験試料がクロマト展開と同時にノイラミニダーゼで処理されるように、上記イムノクロマト法テストストリップの適当な箇所にノイラミニダーゼを例えば凍結乾燥状態で配置しておくこともできる。この場合、上記のように展開溶媒にノイラミニダーゼを含有させておかなくてもよく、従来と同様の展開溶媒を用いて従来と同様の操作で、本発明の高感度な測定が行えるので、好都合である。
ノイラミニダーゼを配置する箇所は、上記イムノクロマト法テストストリップの捕捉部位31よりも上流側であれば特に限定されないが、長い処理時間を確保するために、試料添加用部材5又は含浸部材2等のノイラミニダーゼを含浸し得る部材に配置しておくことが好ましい。
ノイラミニダーゼを配置する箇所は、上記イムノクロマト法テストストリップの捕捉部位31よりも上流側であれば特に限定されないが、長い処理時間を確保するために、試料添加用部材5又は含浸部材2等のノイラミニダーゼを含浸し得る部材に配置しておくことが好ましい。
本発明において、検体としては、特に制限はないが、例えば、クロアカスワブ、気管スワブ、糞便、鼻腔吸引液、鼻腔ぬぐい液および咽頭ぬぐい液、血液(全血でも、血清でも、血漿でもよい)、唾液、尿、臓器乳剤等が挙げられる。イムノクロマトグラフィー測定の場合、検体は、通常、展開溶媒で希釈して被験試料として膜担体に注入される。
なお、全血を被験試料として用いるときで、特に標識抗体の標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が用いられる場合、前記試料添加用部材に血球捕捉膜部材を配置しておくことが好ましい。血球捕捉膜部材は、前記含浸部材と前記試料添加用部材との間に積層することが好ましい。これにより、赤血球が膜担体に展開されるのが阻止されるので、膜担体の捕捉部位における呈色標識の集積の確認が容易になる。血球捕捉膜部材としては、カルボキシメチルセルロース膜が用いられ、具体的には、アドバンテック東洋株式会社から販売されているイオン交換濾紙CM(商品名)や、ワットマンジャパン株式会社から販売されているイオン交換セルロースペーパーなどを用いることができる。
下記の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
参考例1(イムノクロマト法テストストリップの作成)
(1)金コロイド溶液の調製
加熱によって沸騰させた超純水99mlに、1%(v/w)塩化金酸水溶液1mlを加え、さらに、その1分後に1%(v/w)クエン酸ナトリウム水溶液1.5mlを加えて加熱し5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却した。次いで、この溶液に200mM炭酸カリウム水溶液を加えてpH9.0に調製し、これに超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド溶液を得た。
(1)金コロイド溶液の調製
加熱によって沸騰させた超純水99mlに、1%(v/w)塩化金酸水溶液1mlを加え、さらに、その1分後に1%(v/w)クエン酸ナトリウム水溶液1.5mlを加えて加熱し5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却した。次いで、この溶液に200mM炭酸カリウム水溶液を加えてpH9.0に調製し、これに超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド溶液を得た。
(2)金コロイド標識抗インフルエンザウイルスH5亜型抗体溶液の調製
インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対して結合性を有する抗体(以下、抗H5抗体)を下記の手順でそれぞれ金コロイド標識した。
抗H5抗体の蛋白換算重量1μg(以下、抗体の蛋白換算重量を示すとき、単に、その精製蛋白質の重量分析による重量数値で示す)と上記(1)の金コロイド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの抗体のことごとくを金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%となるように10%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面をことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識抗H5抗体(以下、「金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600×G、30分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%トリトン(Triton)-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コロイド標識抗体溶液を得た。
インフルエンザウイルスH5亜型のヘマグルチニン蛋白に対して結合性を有する抗体(以下、抗H5抗体)を下記の手順でそれぞれ金コロイド標識した。
抗H5抗体の蛋白換算重量1μg(以下、抗体の蛋白換算重量を示すとき、単に、その精製蛋白質の重量分析による重量数値で示す)と上記(1)の金コロイド溶液1mlとを混合し、室温で2分間静置してこの抗体のことごとくを金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%となるように10%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面をことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識抗H5抗体(以下、「金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(5600×G、30分間)して金コロイド標識抗体を沈殿せしめ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%トリトン(Triton)-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コロイド標識抗体溶液を得た。
(3)イムノクロマト法テストストリップの作成
図1に示されるイムノクロマト法テストストリップを下記の手順で作成した。
図1に示されるイムノクロマト法テストストリップを下記の手順で作成した。
(3−1)捕捉部位の形成
幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。
抗H5抗体1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から7.5mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、インフルエンザウイルスH5亜型と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位31とした。
幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース膜をクロマトグラフ媒体のクロマト展開用膜担体3として用意した。
抗H5抗体1.0mg/mlが含有されてなる溶液0.5μlを、このクロマト展開用膜担体3におけるクロマト展開開始点側の末端から7.5mmの位置にライン状に塗布して、これを室温で乾燥し、インフルエンザウイルスH5亜型と金コロイド標識抗体との複合体の捕捉部位31とした。
(3−2)金コロイド標識抗体含浸部材
5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布に、金コロイド標識抗体溶液37.5μlを含浸せしめ、これを室温で乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部材2とした。
(3−3)イムノクロマト法テストストリップの作成
上記クロマト展開用膜担体3、上記標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を用いて、図1と同様のイムノクロマト法テストストリップを作成した。
5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布に、金コロイド標識抗体溶液37.5μlを含浸せしめ、これを室温で乾燥させて金コロイド標識抗体含浸部材2とした。
(3−3)イムノクロマト法テストストリップの作成
上記クロマト展開用膜担体3、上記標識抗体含浸部材2の他に、試料添加用部材5として綿布と、吸収用部材4として濾紙を用意した。そして、これらの部材を用いて、図1と同様のイムノクロマト法テストストリップを作成した。
実施例1(酵素の選択)
添加回収率の向上を目的として、添加剤として使用する酵素の評価を実施した。評価にはProtease, TypeXIV(150mU/mL)、Proteinase, TypeXXIV(120mU/mL)、Proteinase K(420mU/mL)、Thermolysin(160mU/mL)、Subtilisin A, TypeVIII(180mU/mL)、Trypsin(75mU/mL)、Trypsin, TypeI(28mU/mL)、α-Chymotrypsin(850mU/mL)、Protease, TypeXX(442mU/mL)、Protease(130mU/mL)、Neuraminidase(Arthrobactor ureafaciens)(50mU/mL)を使用した。
添加回収率の向上を目的として、添加剤として使用する酵素の評価を実施した。評価にはProtease, TypeXIV(150mU/mL)、Proteinase, TypeXXIV(120mU/mL)、Proteinase K(420mU/mL)、Thermolysin(160mU/mL)、Subtilisin A, TypeVIII(180mU/mL)、Trypsin(75mU/mL)、Trypsin, TypeI(28mU/mL)、α-Chymotrypsin(850mU/mL)、Protease, TypeXX(442mU/mL)、Protease(130mU/mL)、Neuraminidase(Arthrobactor ureafaciens)(50mU/mL)を使用した。
400mMトリス緩衝液(pH7.5)にインフルエンザ感染の無い陰性鶏より採取された気管スワブを懸濁し、これにインフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を400ng/mlになるよう添加し、擬似陽性検体を調製した。前述の酵素を擬似陽性検体に添加し、15分間室温にて反応させた後、100μLを参考例1で作成したインフルエンザウイルスH5亜型抗原検出用イムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上にマイクロピペットで滴下しクロマト展開させた。室温で15分放置後、捕捉部位31における捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)で観察した。また、ウイルスを添加せずに(Blank)同様の実験を行った。また、対照として、緩衝液単独(対照1)、及び、酵素を添加せずに気管スワブのみ添加した緩衝液(対照2)を用いた。
捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(顕著な着色)の4段階(但し、各段階における弱めの着色についてはwを付記した)に区分して判定し、それぞれイムノクロマトリーダーにより呈色強度を数値化した。結果を表1に示す。
表1の結果より、添加回収率の向上に寄与した酵素はノイラミニダーゼ(Neuraminidase)であることが示された。ノイラミニダーゼ添加によるBlankにおける非特異的呈色も確認されなかった。なお、他の酵素では感度上昇に寄与しているものでも、金コロイド標識抗体の凝集傾向が認められた。
実施例2(ノイラミニダーゼと抗体抗原反応及び非特異的反応との関係の検討)
400mMトリス緩衝液(pH7.5)に酵素としてノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を最終濃度1.0mU、2.5mU、5.0mU及び10mUになるように添加した検体抽出液を調製した。そして、インフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を上記検体抽出液で希釈して100ng/mLおよび200ng/mLに調製し、被験試料とした。そして、被験試料100μlを参考例1で作成したイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上にマイクロピペットで滴下してクロマト展開させた。室温で15分放置後、捕捉部位31における捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)で観察した。
400mMトリス緩衝液(pH7.5)に酵素としてノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を最終濃度1.0mU、2.5mU、5.0mU及び10mUになるように添加した検体抽出液を調製した。そして、インフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を上記検体抽出液で希釈して100ng/mLおよび200ng/mLに調製し、被験試料とした。そして、被験試料100μlを参考例1で作成したイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上にマイクロピペットで滴下してクロマト展開させた。室温で15分放置後、捕捉部位31における捕捉量を肉眼およびイムノクロマトリーダー(大塚電子製)で観察した。
捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)の3段階に区分して判定し、それぞれイムノクロマトリーダーにより呈色強度を数値化した。対照として、ノイラミニダーゼ無添加(濃度0mU/T)の被験試料を用いた。結果を表2及び表3に示す。
表2及び表3の結果より、上記2種類のノイラミニダーゼを用いた場合に呈色が有意に低下することは無く、何れも反応阻害及び非特異的反応の原因とならないことが確認された。また、酵素としてプロテアーゼ使用する場合に生じるような金コロイド標識抗体の凝集も確認されなかった。
実施例3(ノイラミニダーゼの添加量の検討)
400mMトリス緩衝液(pH7.5)にインフルエンザ感染の無い陰性鶏より採取された気管スワブを懸濁し、これにインフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を所定量添加し、擬似陽性検体を調製した。ノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を、擬似陽性検体に最終濃度0、1.0、2.5、5.0及び10mU/Tになるように添加し、被験試料とした。気管スワブを添加しない以外同様の被験試料(実施例2)を対照とした。そして、実施例2と同様の方法で、被験試料をイムノクロマト法テストストリップに滴下して、捕捉量を観察した。
400mMトリス緩衝液(pH7.5)にインフルエンザ感染の無い陰性鶏より採取された気管スワブを懸濁し、これにインフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を所定量添加し、擬似陽性検体を調製した。ノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を、擬似陽性検体に最終濃度0、1.0、2.5、5.0及び10mU/Tになるように添加し、被験試料とした。気管スワブを添加しない以外同様の被験試料(実施例2)を対照とした。そして、実施例2と同様の方法で、被験試料をイムノクロマト法テストストリップに滴下して、捕捉量を観察した。
捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)の3段階に区分して判定し、それぞれイムノクロマトリーダーにより呈色強度を数値化した。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値(実施例2、表3の数値と同じ)に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表4及び表5に示す。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値(実施例2、表3の数値と同じ)に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表4及び表5に示す。
表4及び表5の結果から、ノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)及びノイラミニダーゼ(III)を使用した何れの場合も、最終濃度1.0mU/T以上において有意な感度向上効果が確認された。また、最適な濃度は2.5mU/Tであることが示された。また、10mU/T添加した場合においても同様の効果が認められ、非特異的反応は確認されなかった。
実施例4(ノイラミニダーゼを含浸部材に含浸させた例)
ノイラミニダーゼ(III)を酵素溶解液に溶かし、15mm×5mmのグラスファイバーパッド(ガラス繊維不織布)からなる含浸部材に含浸させたものを凍結乾燥させることにより酵素含浸パッドを作製した。ノイラミニダーゼ濃度は1パッドあたり、0、1.5、 3.0、 4.0および5.0mU/Tとした。
ノイラミニダーゼ(III)を酵素溶解液に溶かし、15mm×5mmのグラスファイバーパッド(ガラス繊維不織布)からなる含浸部材に含浸させたものを凍結乾燥させることにより酵素含浸パッドを作製した。ノイラミニダーゼ濃度は1パッドあたり、0、1.5、 3.0、 4.0および5.0mU/Tとした。
400mMトリス緩衝液(pH7.5)にインフルエンザ感染の無い陰性鶏より採取された気管スワブを懸濁し、これにインフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を所定量添加し、擬似陽性検体を調製した。柔軟なプラスチック製チューブに擬似陽性検体1mLを入れ、該チューブに上記酵素含浸パッドを添加し、チューブを揉むことにより抽出操作および反応を行い被験試料とした。また、気管スワブを添加しない以外同様被験試料を対照とした。そして、実施例2と同様の方法で、被験試料をイムノクロマト法テストストリップに滴下して、捕捉量を観察した。
捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)、++(顕著な着色)の4段階に区分して判定し、それぞれイムノクロマトリーダーにより呈色強度を数値化した。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表6に示す。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表6に示す。
表6の結果より、ノイラミニダーゼを含有する酵素含浸パッドを擬似陽性検体に添加することにより、有意な感度上昇効果(添加回収率の向上)が確認され、酵素添加形態として、凍結乾燥させた酵素を含有する含浸パッドを用いた場合でも実施例3と同様の効果が得られることがわかった。
実施例5(ノイラミニダーゼをイムノクロマト法テストストリップの含浸部材に含浸させた例)
ノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を酵素溶解液に溶かし、参考例1のイムノクロマト法テストストリップの金コロイド標識抗体含浸部材に含浸させ、凍結乾燥させた。ノイラミニダーゼ濃度は含浸部材あたり、0、1.5、 3.0、 4.0および5.0mU/Tとした。
ノイラミニダーゼ(Arthrobactor ureafaciens)又はノイラミニダーゼ(III)を酵素溶解液に溶かし、参考例1のイムノクロマト法テストストリップの金コロイド標識抗体含浸部材に含浸させ、凍結乾燥させた。ノイラミニダーゼ濃度は含浸部材あたり、0、1.5、 3.0、 4.0および5.0mU/Tとした。
400mMトリス緩衝液(pH7.5)にインフルエンザ感染の無い陰性鶏より採取された気管スワブを懸濁し、これにインフルエンザウイルスであるA/Dk/Mong/54/01-Dk/Mong/47/01(H5N1)株を所定量添加し、擬似陽性検体を調製し、被験試料とした。また、気管スワブを添加しない以外同様の被験試料を対照とした。そして、実施例2と同様の方法で、被験試料をイムノクロマト法テストストリップに滴下して、捕捉量を観察し、評価した。
捕捉量は、その量に比例して増減する赤紫色の呈色度合いを肉眼で−(着色なし)、±(微弱な着色)、+(明確な着色)の3段階に区分して判定し、それぞれイムノクロマトリーダーにより呈色強度を数値化した。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表7及び表8に示す。
添加回収率は、各濃度における対照のイムノクロマトリーダーの数値に対する、各被験試料におけるイムノクロマトリーダーの数値を百分率として示したものである。検体成分による反応阻害が大きいほど、回収率が低下することとなる。結果を表7及び表8に示す。
表7及び表8の結果より、ノイラミニダーゼをイムノクロマト法テストストリップの含浸部材に配置した場合でも、有意な感度上昇効果(添加回収率の向上)が得られることがわかる。
本発明は、インフルエンザウイルス抗原を高感度に免疫測定、特に、イムノクロマトグラフィー測定することを可能にするものであり、インフルエンザウイルス、とりわけインフルエンザウイルスH5亜型に起因する鳥、ヒト等の疾病を迅速かつ簡便に診断するために有用である。
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材
Claims (26)
- 抗インフルエンザウイルス抗体を用いるインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法であって、ノイラミニダーゼで処理した検体を含有する被験試料を前記抗体との抗体抗原反応に供することを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原の免疫測定法。
- 前記免疫測定法が、インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体との間に該抗原をサンドイッチするサンドイッチ式免疫測定法である、請求項1に記載のインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法。
- インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を検出するための、請求項1または2に記載のインフルエンザウイルス抗原の免疫測定法。
- インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、インフルエンザウイルス抗原に対する第二の抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれるインフルエンザウイルス抗原と前記第二の抗体とを備えた複合体を前記捕捉部位に捕捉させるイムノクロマトグラフィー測定法であって、クロマト展開の前またはクロマト展開と同時に、前記被験試料をノイラミニダーゼで処理することを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原のイムノクロマトグラフィー測定法。
- 前記混合液又は前記被験試料にノイラミニダーゼを混合することにより、前記被験試料をノイラミニダーゼで処理する、請求項4に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- 膜担体とは別体の容器中で前記混合液又は前記被験試料にノイラミニダーゼを混合した後、これをクロマト展開せしめる、請求項5に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- ノイラミニダーゼは予め含浸部材に凍結乾燥状態で含浸されており、該含浸部材を前記容器に投入することにより、前記混合液又は前記被験試料をノイラミニダーゼで処理する、請求項6に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- ノイラミニダーゼを膜担体に配置しておき、前記混合液をクロマト展開させた時に前記混合液とノイラミニダーゼとが混合するようにした、請求項5に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- 前記第二の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項4に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項9に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を検出するための、請求項5乃至10の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー測定法。
- インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップと、検体を希釈して前記膜担体にクロマト展開できるように被験試料を調製するための展開溶媒とを少なくとも備えてなるインフルエンザウイルス抗原検出用キットであって、さらに、前記展開溶媒に添加するノイラミニダーゼを備えていることを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原検出用キット。
- ノイラミニダーゼは予め含浸部材に凍結乾燥状態で含浸されており、展開溶媒を含有する容器中に該含浸部材を投入して用いられる、請求項12に記載のインフルエンザウイルス抗原検出用キット。
- 前記第二の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている、請求項12に記載のインフルエンザウイルス抗原検出用キット。
- 前記膜担体がニトロセルロース膜である、請求項14に記載のインフルエンザウイルス抗原検出用キット。
- インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を検出するための、請求項12乃至15の何れか1項に記載のインフルエンザウイルス抗原検出用キット。
- インフルエンザウイルス抗原に対する第一の抗体と第二の抗体と膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなるイムノクロマト法テストストリップであって、ノイラミニダーゼが前記膜担体の前記第二の抗体が配置されている箇所又はその近傍に配置されていることを特徴とする、インフルエンザウイルス抗原検出用イムノクロマト法テストストリップ。
- ノイラミニダーゼは凍結乾燥状態で配置されている、請求項17に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
- ノイラミニダーゼは含浸部材に含浸された状態で膜担体に配置されている、請求項17に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
- 前記第二の抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項17に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
- 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項20に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
- インフルエンザウイルスヘマグルチニン抗原を検出するための、請求項17乃至21の何れか1項に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
- 検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液であって、ノイラミニダーゼを含有することを特徴とする免疫測定用抽出液。
- イムノクロマトグラフィー展開溶媒として使用される請求項23に記載の免疫測定用抽出液。
- 検体を希釈してインフルエンザ抗原の免疫測定に供する被験試料を得るための抽出液調製キットであって、溶媒と、ノイラミニダーゼを凍結乾燥状態で含浸した含浸部材とを備え、使用時に該溶媒に該含浸部材を添加して抽出液を調製できるようにした、免疫測定用抽出液調製キット。
- イムノクロマトグラフィー展開溶媒として使用される請求項25に記載の免疫測定用抽出液調製キット。
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---|---|---|---|
JP2007121000A JP2008275511A (ja) | 2007-05-01 | 2007-05-01 | インフルエンザウイルス抗原の免疫測定法及びそれに用いられる物 |
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