JP2008274951A - 2サイクル内燃機関 - Google Patents

2サイクル内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2008274951A
JP2008274951A JP2008118379A JP2008118379A JP2008274951A JP 2008274951 A JP2008274951 A JP 2008274951A JP 2008118379 A JP2008118379 A JP 2008118379A JP 2008118379 A JP2008118379 A JP 2008118379A JP 2008274951 A JP2008274951 A JP 2008274951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide
cylinder
engine according
exhaust port
stem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008118379A
Other languages
English (en)
Inventor
Sebastian Sekira
セキラ セバスチャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KTM Sportmotorcycle AG
Original Assignee
KTM Sportmotorcycle AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KTM Sportmotorcycle AG filed Critical KTM Sportmotorcycle AG
Publication of JP2008274951A publication Critical patent/JP2008274951A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D13/00Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing
    • F02D13/02Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation
    • F02D13/028Controlling the engine output power by varying inlet or exhaust valve operating characteristics, e.g. timing during engine operation for two-stroke engines
    • F02D13/0284Variable control of exhaust valves only
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2400/00Control systems adapted for specific engine types; Special features of engine control systems not otherwise provided for; Power supply, connectors or cabling for engine control systems
    • F02D2400/04Two-stroke combustion engines with electronic control
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】シリンダ内に調整スライドを収容するための製作をより単純化して大幅に製造を簡素化する。
【解決手段】シリンダ(2)と、これに着脱可能に固定されたシリンダヘッド(4)とを備える2サイクル内燃機関が提供され、シリンダ(2)は、主排気口(12)と少なくとも1つの補助排気口(13)とを有し、補助排気口(13)は、調整スライド部材によって少なくとも部分的に覆われ得、調整スライド部材は、シリンダ軸に対して斜めに配置されてアクチュエータ(19)によって軸方向に作動されるスライドステム(16)によって作動され得、調整スライド部材は、スライドステム(16)に連結された共通の調整スライド(14)とおよびシリンダヘッド(4)を貫通するスライドステム(16)と一体的に構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダと、これに着脱可能に固定されたシリンダヘッドとを備える2サイクル内燃機関に関する。シリンダは、主排気口と少なくとも1つの補助排気口とを有することを特徴とし、補助排気口は、複数の調整スライド部材によって少なくとも部分的に覆われうる。調整スライド部材は、シリンダ軸に対して斜めに配置されてアクチュエータによって軸方向に作動されるスライドステムによって作動されうる。
かかる2サイクル機関は、たとえば、オートバイまたは全地形型車両(ATV)に動力を供給するために採用されるような火花点火内燃機関であり、該機関において、シリンダの掃気は、シリンダ壁に設けられてピストンによる制御を受ける開口部を介して行われる。
このような機関は、燃料と空気の混合物がこれを通してシリンダの燃焼室にアクセスする複数の掃気経路と、排気ガスがこれを通して燃焼室から掃気される少なくとも1つの排気経路とを有することを特徴とする。
排気ガスの掃気を悪化させる流れ抵抗を最小にすることで高出力を達成するためには、排気口の寸法は大きい必要がある。しかしながら、排気口の寸法を大きくすると、機関のピストン上に設けられるピストンリングが、排気口の上側または下側の計測縁(metering edge)において捕捉されて、シリンダボアまたはピストンリングおよびピストンのそれぞれに損傷をもたらすおそれがある。この問題を回避するために、排気口は、ピストンリングを案内することによって排気口の縁においてピストンリングが捕捉されることを防止するのに役立つウェブを有していてもよい。しかしながら、このようなウェブは、流れ抵抗を有し、さらには製造上の技術的な欠点をもたらす。
こうした理由から、機関を動力源とする車両の走行方向に通常は位置する主排気口に加えて、主排気口から角度間隔をあけて補助排気口を設け、ピストンリングが捕捉されにくくなるように補助排気口を小さく構成するか、さもなくば燃焼後の排気ガスを燃焼室から掃気するために全体としてより大きな流れ断面を利用できるようにすることが知られている。
新しいガスの掃気損失がない理想形の交換掃気を達成する試みにより2サイクル機関の性能を高めるために、複数の排気口調整部材を設けることが知られている。排気口調整部材は、低い機関速度RPM域において機関の排気口を少なくとも部分的に覆い、これにより、機関のタイミングをシリンダの充填がより良好になるように変更し、低い機関速度RPM域における機関の動力およびトルク応答を向上させるとともに、そのようにして達成することができる機関速度に応じた排気のタイミング変化により、機関速度曲線に沿ったより十分なトルク特性を得られるようにする。
こうした目的のために機関の主排気口を少なくとも部分的に覆うように形成された板である調整スライド(control slides)が知られている。調整スライドは、ローラまたはバレル形に形成されたいわゆる回転スライド(rotary slide)であり、例えば電動サーボモータによって生じる自身の自然回転軸まわりの回転運動によって、機関の補助排気口を制御するように用いられる。このような排気制御構造を有する2サイクル機関は、設計が複雑であり、製造に費用がかかるという問題がある。
このような排気制御を備えた2サイクル機関では、低RPM速度域におけるトルク曲線の十分な増加はすでに達成されているものの、中程度および高いRPM速度範囲においてもより十分なトルク曲線と高いピーク動力を得るために、主排気口および補助排気口に設けられた調整スライド部材は、たとえば、排気部分の対応する共鳴設計を介して、排気口が覆われていないときに所望の特性が達成されるように制御される。
ドイツ特許出願公開第19535069号から、湾曲したシリンダ壁と排気系内の調整スライドの間のデッドスペースを小さくするための湾曲した調整スライドを特徴とする2サイクル機関が公知である。これは、2サイクル機関の動力およびトルク応答においてデッドスペースが不利であるためである。ただし、この公知の2サイクル機関は、1つの主排気口だけしか有していない。
アメリカ特許第5,752,476号からは、上述のような、主排気口のための調整スライド部材と、補助排気口のための回転スライド部材とを特徴とする2サイクル機関が公知である。
オーストリア実用新案出願公開第005299号からは、機関の排気ガスによって加圧されるアクチュエータを特徴とする2サイクル機関が知られている。このアクチュエータは、機関のシリンダの領域に配置される。しかしながら、このような公知の2サイクル機関を公知のオートバイのフレーム内に設けると、フレームの操舵ヘッドチューブから路面に向けて下方に曲げられる先導管(leading tube)または控え管(bracing tube)をアクチュエータが邪魔することになる。
アメリカ特許第6,244,227号からは、この目的のために設けられた加圧ガス源からのガスによって加圧されるアクチュエータによって作動される2サイクル機関における排気口制御用の弁アセンブリが公知である。
カナダ特許出願公開第2355038号からは、それぞれ別個の制御スライド部材によって少なくとも部分的に覆ったり覆わなかったりされうる主排気口および補助排気口を特徴とする2サイクル機関が知られている。この目的のために、バネの力に抗してガス加圧アクチュエータによって作動されるヨークが設けられており、主排気口部材および2つの補助排気口部材は、まず最初に補助排気口部材、ついで主排気口部材がそれぞれ独立して作動するように、ヨークに固定されている。換言すると、公知の調整スライド部材アセンブリは、調整スライド部材のためにシリンダ内に加工された3つの別個の溝または凹部を要する3つの別個の調整スライド部材を含む。これには、個々の調整スライド部材を案内するために、シリンダの凹部内に壁と案内部分とが必要となり、製造が複雑になり費用もかかる。これに加えて、互いに異なる複数の異なる制御スライド部材を製造して、機関を製造する際にそれらを組み立てなければならない。
上記に基づいて、本発明は、主排気口に加えて、調整スライド部材によって少なくとも部分的に覆われうる補助排気口と、そのために設けられた調整スライドとを含む2サイクル内燃機関を規定する主題によって、上記した欠点を取り除き、シリンダ内に調整スライドを収容するための製作をより単純化して大幅に製造を簡素化することを目的とする。
本発明は、この目的を達成するために、請求項1に記載の特徴を含む。その有益な態様については、さらなる請求項に記載されている。
本発明は、シリンダと、これに着脱可能に固定されたシリンダヘッドとを備える2サイクル内燃機関を規定し、前記シリンダは、主排気口と少なくとも1つの補助排気口とを有し、補助排気口は、複数の調整スライド部材によって少なくとも部分的に覆われ得、調整スライド部材は、シリンダ軸に対して斜めに配置されてアクチュエータによって軸方向に作動されるスライドステムによって作動され得、調整スライド部材は、スライドステムに連結された共通の調整スライドおよびシリンダヘッドを貫通するスライドステムと一体的に構成される。
排気口を少なくとも部分的に覆ったり覆わなかったりするために、調整スライド部材は、共通の調整スライドおよび2サイクル機関のシリンダヘッドを貫通する調整スライドに連結されたスライドステムと一体的に構成される。この構成は、シリンダヘッドの加工をわずかに複雑にはするものの、調整スライドを作動するために設けられるアクチュエータが、オートバイのフレームチューブを邪魔してオートバイフレームの複雑な修飾が必要になるということが無くなり、従来技術と比較しての利点を有する。さらに、調整スライドの一体構成により、6個の中間溝などの複数の収容位置の代わりに、シリンダ内にはただ1つの共通収容位置のみを加工すればよいということになり、主排気口および補助排気口のための別々の調整スライド部材に対する個々に独立した複数の収容位置を作成する場合よりも、より簡単に製造を行うことができるようになる。全体としてみれば、シリンダの加工が簡略化されることになる。
本発明のさらなる1つの実施形態において、調整スライドは、シリンダボアの曲率にほぼ対応するように湾曲して形成されている主部材と、これに一体的に連結されたほぼ真っ直ぐに形成されている補助部材とを有するように提供される。
このことは、換言すると、主排気口を部分的に覆ったり覆わなかったりする主部材は、シリンダボアの曲率に対応する曲率を有することになり、性能に悪影響を与える主部材と排気口の間のデッドスペースが避けられるとともに、主部材と一体的に構成された補助部材は、ほぼ真っ直ぐに構成される。このように、主部材は、シリンダボアの曲率にほぼ対応するように湾曲している。このことは、たとえば押出または鋳造部分として製造される調整スライドの製造を容易にするだけでなく、機関のシリンダに対する、調整スライドの巻き角を小さくすることにもなる。これは、大きな巻き角は、機関冷却のための経路を形成するのを妨害することがあるからである。巻き角が大きくなると、機関の高度に熱応力のかかった排気に必要な容積を、シリンダ内の調整スライドに対する凹部を構成するために必要な容積分だけ、本発明に従う機関の高度に熱応力のかかった排気部分の効率的な冷却を犠牲にして低減しなければならなくなる。巻き角がさらに大きくなると、調整スライドと収容位置の間の接触面が過大となり、加工許容誤差のために収容部位内に、調整スライドが付着しやすくなるおそれもある。これを回避することで、かえって製造が複雑化するおそれがある。これに加えて、シリンダ壁内の長い周方向凹部は、シリンダが補強用リブから常に自由でなければならないことから、シリンダを歪曲しやすくすることにもなる。
本発明の別のさらなる実施形態において、主部材と補助部材は、垂直軸においてその高さが異なるように構成されている。このことで、上述のような従来技術から知られる複数部分からなる調整スライドと比べて、本発明の調整スライドの質量は小さくなり、本発明による2サイクル機関の反応を既知のものに比べて実質的に向上させることになるが、これは、本発明による調整スライドでは、既知の板状の複数部分からなる調整スライドの場合と比べてアクチュエータによる作動において克服すべき慣性モーメントが低いためである。
本発明の別の態様において、補助部材は、主部材と対向しない部分に、補助部材の前面と背面を接続する面を有し、この面は、前面と背面の間に曲率中心を有する。このことは、換言すると、補助部材は、主部材と対向しない外側部分にある対応する部材の前面と背面を接続する湾曲して構成された面を有することを特徴とし、調整スライドが、シリンダ内に付着する傾向を確実に小さくする。このことは、本発明の2サイクル機関が燃料/オイル混合物で動作し、燃焼後のオイル成分が排気部分に堆積を発生する傾向にあることから、特に重要である。真っ直ぐに形成され、補助部材の領域において鋭い縁を有した調整スライドを用いることにより、上記の堆積物が、たとえば、上述のような複数部分からなる調整スライドの場合のように、シリンダ内の凹部に付着してしまうこともある。これとは関係なく、そうした鋭い縁は、その線接触による摩耗を増大させることになる。
すでに述べたように、主部材と一体的に構成された補助部材は、実際には真っ直ぐである。本発明の別のさらなる実施形態において、主排気方向に位置する補助部材の前面に接する面は、主部材の曲率中心およびスライドステムの長手方向中心線を含む面に対して、約55度から約90度の範囲の角度をなす。たとえば、本発明による2サイクル機関の長手方向におけるシリンダの垂直軸が、スライドステムの長手方向中心線と一致する場合には、主部材の曲率中心はこの面内に位置し、スライドステムの長手方向中心線は、補助部材の前面において、上述の接面に対して約55度から約90度の角度をなす。好ましい実施形態において、この角度は、上記シリンダの排気部分内のデッドスペースを最小限にし、シリンダヘッドをシリンダに固定するためのボルト止めの位置を最適化し、シリンダ内に構成されるクーラントジャケットを好適に配置し、シリンダヘッドガスケットをシリンダとシリンダヘッドの間の部分を封止するために十分な幅に構成し、さらに、シリンダとシリンダヘッドの加工を簡単にするために、たとえば85度となる。
本発明のさらに別の実施形態において、シリンダの長手方向中心線とスライドステムの長手方向中心線は、約10度から約45度の範囲、特に約13度から約16度の範囲の角度をなす。この構成により、調整スライドとそのステムを作動させるために設けられるアクチュエータをシリンダヘッドの領域内に配置できるようになり、たとえば、本発明による2サイクル機関内のオートバイフレームの位置が、フレームのシリンダの長手方向中心軸とオートバイのフロントホイールの間にきて、アクチュエータが操舵ヘッドチューブから路面に向けて下方に曲げられる先導管または控え管を邪魔することを回避し、これにより、オートバイフレームの高価な設計や製造を回避することができる。これに加えて、上述の角度範囲は、性能に悪影響を及ぼす排気スライドの除覆(uncover)が小さくなった場合に、主排気口内の上述のデッドスペースのサイズを任意に増加させることを保証する。この構成は、シリンダヘッドの機械加工をわずかに複雑なものとはするものの、このように構成される2サイクル機関において実質的な動力およびトルクの利点をもたらす。
本発明によって提供される調整スライドは、そのステムの軸方向に作動され、換言すると、ステムを収容する穴または凹部において軸方向に脱着される。調整スライドがシリンダ内で傾くのを回避するとともに、上述のような排気中の堆積を考慮して、本発明によれば、ステムの長さの一部分のみにおいて形成されるステムの円筒部分において、調整スライドの軸長手方向の案内を達成する。この目的のために、本発明のさらに別の実施形態において、調整スライドの頂部は雄ネジをきったピン形状部分とし、この場合、スライドステムは雌ネジをきったシェル形状部分によって画定されうる。このことは、換言すると、ステムのシェル形状部分は、ステム、すなわち調整スライドをシリンダ内の凹部内で軸長手方向に案内する機能を同時に有していることを意味する。したがって、調整スライドの案内は、円筒状部分によって行われ、主部材と補助部材とを含むスライド部材は、定位置から外れての回転を防止する際にのみ凹部と接触するので、付着の危険が実質的に減少する。
シェル状部分は、スライドステムの長さのうち一部にのみ設けられているので、シェル状部分と収容穴の間のスライド設置を形成するために、全長にわたってシリンダ内の軸を収容する穴を構成する必要はもはやないが、ステムを収容する穴の長さの一部にわたるこのような構成とすることにより、製造がさらに簡単になる。たとえば、収容穴にあるステムが、シェル状部分から動くことによって得られる部分の外側の部分において、収容穴は、たとえば、スライドステムと穴の間の許容誤差状況が何ら著しい重要性をもたないような、より大きな径を持つように簡単に作成することができる。長手方向ガイドの一部に精密に機械加工すべき収容穴も、比較的高い製造の精密性が要求されるスライド部材に対する湾曲した収容部に比べて、製造のコスト効果が遙かに大きい。
シリンダの壁内の補助排気口は、本発明による2サイクル機関内の円筒状シェル表面の垂直軸の方向において、主排気口に比べてはるかに小さい長手方向範囲にしか及ばないことを特徴とする。アクチュエータによって作動される調整スライドの質量を最小限にするために、本発明のさらに別の実施形態においては、主部材は、補助部材から始まってスライドステムの方向に上方に曲げられ、換言すると、補助部材は主部材ほどは高くないため、補助排気口を部分的に覆うことができるが、上述のような既知の複数部分からなる調整スライドとは異なり、アクチュエータの運動と対抗するために、はるかに小さい慣性質量を示す必要がある。
本発明のさらに別の実施形態において、主部材の長手方向中心線の方向に沿って、補助部材は主部材の上面および下面を越えて突出する。これにより、補助排気口の主排気口に対する除覆および被覆の角度を変更することにより、本発明による2サイクル機関のタイミングを変更できるようになる。本発明のさらに別の実施形態において、アクチュエータは、シリンダヘッドの領域内に設けられ、ガス圧を収容してスライドステムと連結されるように構成される。ガス圧によるアクチュエータの加圧は、本発明による2サイクル機関からの排気ガスによって行われ、この目的のために、アクチュエータは排気部分および/または機関の排気系に流体連通可能に接続されている。
機関RPM速度が増大すると、排気ガスの質量流量が増加し、このアクチュエータを加圧している排気ガスによって、アクチュエータは主排気口および補助排気口の部分から一体型調整スライドを引っ張り、これが本発明による2サイクル機関の動力特性およびトルク特性に直接影響を与えることになる。この動力およびトルク応答は、機関の走行寿命および堆積などによって排気部分に存在する汚れに関わりなく、実際には一定に維持される必要がある。本発明による2サイクル機関のこのような一貫した応答を達成するために、アクチュエータは、スライドステムが排気口を除覆するためのバネ手段の作用に抗するのを促す2つのピストン面を有することを特徴とする。
いずれのピストン面も排気ガスを介して加圧することができ、単一のピストン面しか持たない場合に比べて、同じ寸法で発生する、アクチュエータがスライドステムを作動させる力は2倍となる。このことにより、バネ手段を、スライドステムのストロークの変化なしに上記に対応したより大きなバネ定数を持つように構成することが可能になる。換言すると、より堅いバネを選ぶことができる。これにより、排気口を除覆および被覆する際に利用できる力がより大きくなるので、調整スライドの凹部およびスライドステムを収容する穴における摩擦状態の変化が、小さい力での力の絶対値と比較して、著しく小さい影響しか持たない。その結果、本発明による2サイクル機関の排気部分において具現する摩擦状態の変化は、スライドステムを作動させるために必要な小さい力よりも、動力およびトルク応答に与える影響が小さい。このことから、本発明による機関は、その走行寿命やあらゆる堆積物、調整スライドとその凹部またはバネを製造する際の回避できない加工許容誤差とは無関係に、再現性のある応答を達成でき、結果として、調整スライドおよび凹部をコストを抑えながらより大きな許容誤差で加工することが可能になる。
前記アクチュエータは、換気および/または負圧付与のための膨張室に並置される2つの圧力室を有する筐体を有することを特徴とするが、これは、たとえば本発明による機関の排気口から周囲へのガス圧によって圧力室を加圧する際に2つのピストン面の変位に対する望ましくない抵抗を何ら示さない。しかしながら、一実施形態において、膨張室は、負圧をかけるようにしてもよく、たとえば、本発明による2サイクル機関の吸気部分に流体連通する接続部によって接続してもよい。2サイクル機関の吸気作用のために、吸気部分には、周囲圧力に比べて小さい圧力が存在する。流体連通可能に接続されることにより、これには制限器(restrictor)を有してもよいが、小さい圧力は膨張室に続き、調整スライドの再現性のある作動のためには、2サイクル機関の排気部分および/または排気路に存在する小さい圧力で十分となる。前述の制限器は、異なる開口角度を特徴とする絞り弁または異なる吸気断面を除覆する気化器スライド弁によって促進される吸気部分における圧力の変化が、膨張室内の圧力状態に殆どまたは全く影響を与えないようにし、その内部に存在する圧力が吸気部分内の圧力と実際上、独立するようにするものである。
本発明のさらに別の実施形態において、2つの圧力室は可撓性の圧力ダイヤフラムを有することを特徴とし、圧力ダイヤフラムは、ポット形状の筐体部材と圧力室間に配置されたアクチュエータの隔壁との間に配置され、スライドステムを作動させるために協動するように連結された第1および第2のピストンに位置するピストン面によって支持される。このようにして、排気ガスの圧力は圧力ダイヤフラムに作用することができ、圧力ダイヤフラムは、上記のようにして第1および第2のピストンを加圧してアクチュエータを軸運動させて、スライドステムをその収容穴内で軸線方向に作動させ、結果として調整スライドを作動させる。
前記圧力ダイヤフラムは、構成部品およびオイル、ならびに機関の排気ガス中に存在する温度と適合するように、メチルビニルシリコーンゴム、特にフルオロシリコーンゴムフルオロメチルポリシロキサンから形成することができ、また、実質的により良好な耐浸性を有することから、燃料中に鉱物オイルおよび合成オイルを含んでも、本発明による2サイクル機関の再現性のある応答は達成される。
本発明のさらに別の実施形態において、シリンダ内の調整スライドを収容するために設けられる凹部は、調整スライドと形状およびサイズをほぼ補い合うように加工され、凹部はスライドステムを収容するための穴に接続される。調整スライドを一体的に構成することにより、シリンダ内の凹部を、公知の構成のように、複数部分からなる調整スライドに対する案内溝を配置することなく、シリンダ内に構成することができ、中間ウェブなどの必要なく製造時の加工を簡単にすることができる。
本発明によって提供されるような2サイクル機関の好ましい実施形態において、シリンダの垂直軸において、補助排気口の下側計測縁は、非作動時に調整スライドの主部材の下側計測縁とほぼ同じ高さになるように配置される。このような実施形態において、調整スライドの補助部材の下側計測縁は、調整スライドの主部材の下側計測縁と同じ高さに配置され、調整スライドの対応する動作によって、主部材の下側計測縁と補助部材の下側計測縁の両方が動作して補助排気口および主排気口を同時に除覆するようにする。
上述したように、スライドステムの長手方向中心線は、シリンダの長手方向中心線に対して約10度から約45度の角度をなす。これにより、主排気口が完全に除覆されると、調整スライドの主部材の下側が突出し、主排気口内にわずかに入り、2サイクル機関の燃焼室から排気ガスを掃気する際の流れに対して抵抗を示すことになる。これを回避するために、本発明のさらに別の実施形態において、調整スライドの主排気部材は、上方への湾曲が排気の方向に向かって低減された凹部を下側計測縁に有することを特徴とし、この凹部は、下側計測縁が主排気口の上側縁とほぼ面一となり、主排気口が覆われていないときの前述の流れ抵抗の問題を回避するようになっている。
本発明のさらなる実施形態によれば、スライドステムを作動させるガスによって加圧されるピストンを1つしか有しないことを特徴とし、このピストンは、機関の排気ガスによっておよび/または機関のクランクケース内で加圧されたガスによって作動させることができる。この目的のために、アクチュエータを、たとえば、機関のクランクケース内の圧力によってさらに加圧してもよく、これにより、調整スライドをその通常の被覆位置に維持するバネのバネ定数を変えることができる。
変形した実施形態において、アクチュエータは、たとえば遠心力などによって電気的および/または機械的に動力が供給されるアクチュエータであり、調整スライドを主排気口および/または補助排気口を部分的に覆う位置から作動させる。本発明を図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照すると、図3に示されるI−Iの方向の断面図が示される。
図示した2サイクル内燃機関1は、図3に示すように、シリンダ2と、シリンダヘッドボルト3によって前記シリンダに着脱可能に固定されたシリンダヘッド4とを含む。
シリンダ2内には、穴(bore)5が加工されており、この穴に沿って、ピストン6が上死点および下死点の間を往復移動する。
シリンダ2およびシリンダヘッド4は、熱交換器(図示せず)から放出された熱を除去する循環冷却剤のための冷却剤経路7を有することを特徴とする。
穴5を形成するシリンダ2の壁には、シリンダ2の燃焼室に新鮮なガスを導入するための、吸気口8、いわゆる移送経路が加工されており、この場合においては前記吸気口8のうちの4つが穴5のシェル面の周縁に沿って設けられている。同様にして、上昇経路すなわち支持経路9によって新鮮なガスを燃焼室に導入することができ、支持経路9によるこの新鮮な空気は、シリンダヘッド4の方向に指向され、吸気口8によって導入された新鮮なガスが確実に上方に向けられ、導入された新鮮なガスが、点火プラグコネクタ11が設けられた点火プラグ10によって閉じられたシリンダヘッド4内に形成された燃焼室の屋根によって反転されるような還流掃気を達成することを保証する。
この還流により、燃焼後のガスを、主排気口12と、2つの補助排気口13(選択した断面の図であるため、図1にはそのうち1つしか示されていない)を介してシリンダ2の燃焼室から掃気することができる。
図4および5を参照して、調整スライド14が、主排気口12および補助排気口13をいかにして部分的に被覆し、本発明による2サイクル内燃機関1の動力およびトルク応答を著しく向上させるか、すなわち、排気部分に制御を有しない内燃機関に比べてより十分な動力およびトルク曲線を達成するかを詳細に説明する。
図1を参照して、低い方の位置にある、すなわち、主排気口12および補助排気口13の両方を部分的に覆っている調整スライド14を説明する。
バネ15によって作動されるスライドステム16を有することを特徴とする調整スライド14は、図5に詳細に示されるようにボルト止めによって着脱可能に接続されている。
この構成において、スライドステム16は、シリンダ2内にドリルで開けられた収容穴17およびシリンダヘッド4内にドリルで開けられた収容穴18を貫通する。
ガス圧によって動力が供給されるアクチュエータ19によって作動されるスライドステム16は、シリンダヘッドボルト3によってシリンダヘッド4に着脱可能に固定される。
シリンダ内の燃焼によって形成された排気ガスは、溢流口8を介して導入される新鮮なガスの流れによって掃気され、支持経路9はこのようにして排気経路20内の圧力の増加を保証する。
排気経路20からの分岐は、流体連通する接続部分、すなわち、シリンダ2内に加工されて機関1のシリンダヘッド4の対応する圧力路22に接続された圧力路21である。排気経路20内に存在する圧力は、圧力路21および圧力路22を介して、アクチュエータ19の方向に進み、アクチュエータ19において、第1の圧力室23を加圧する。第1の圧力室23は、図3に詳細に示される外側圧力路25を介して、アクチュエータ19内に加工された第2の圧力室24に接続する。このようにして、排気経路20内に存在する圧力は、2つの圧力室23,24を加圧することができ、各圧力室において、図6および7から詳細にわかるように、それに作用する圧力ダイヤフラムを有するピストンが配置される。
排気経路20内に存在する排気ガス圧力は、調整スライド14が排気経路20内における圧力上昇時にバネ15の作用に抗するように上昇できるようにされている。換言すると、主排気口12および補助排気口13が完全に覆っていない調整スライド14が最上の位置に位置して排気経路20の主排気口12および補助排気口13から排気経路20の流れが解放されるまで、機関1の機関速度RPMは増加する。
図4を参照すると、それの上に配置されるスライドステム16を含む調整スライド14が拡大して示されている。
調整スライド14は、バレル部5およびシリンダ2の壁のそれぞれの曲率に適合するように構成された主部材26を含み、補助部材27がそれらに一体的に接続される。
図4から直接わかるように、補助部材27は、主部材26に比べて、スライドステム16の長手方向中心線28または主部材26の垂直軸の方向において低く加工されており、これにより、調整スライド14を作動するための反対向きの慣性モーメントが、公知の複数部分からなる調整スライドの場合に比べて低くなる。
図5を参照すると、主部材26がその下側計測縁30にいかにして弓状凹部29を含むかが示されているが、この凹部は主排気の方向において高さが低く、主排気口が除覆されて流れに対する抵抗を示さない場合に、調整スライド14の主部材26の下側計測縁30の末端が、主排気口12の上側縁とほぼ面一となることを保証する。
調整スライド14の頂部は、図5から明らかなように、スライドステム16のシェル状部分32内に加工された雌ねじと着脱可能に係合する雄ねじを有するピン状部分31となっている。
このシェル状部分32は、同時にシリンダ2内の収容穴17内のスライドステム16を長手方向に案内する働きをする。シェル状部分の上には、図1に示されるようにバネ15のための板状の対抗保持部(counterhold)33が加工されている。図5から直接明かなように、スライドステム16は、板状の対抗保持部33の上下において、シェル状部分32においてよりも小さい外径を有することを特徴とし、シェル状部分32においてよりも小さい外径を有するこれらの2つの部分34を介して、油分を含んだ排気ガスがスライドステム16における円筒状部分35の部分に接近し、該スライドステムにおいて、後者がアクチュエータ19内を軸方向に案内され、この部分には同時にスライドステム16の低摩擦運動のために十分な潤滑剤の膜が提供されている。
円筒状部分35の上方には、スライドステム16の雄ねじ部分36が設けられており、これにより、アクチュエータ19のピストン内に空けられた雌ねじ穴にねじ込むことが可能になる。
ここで図6および7を参照すると、アクチュエータ19の断面図が示されているが、アクチュエータ19は、その上に配置されたスライドステム16ならびに調整スライド14を含んでいる。図6は、スライドステム16が降下位置にある、換言すると、主排気口12および補助排気口13を部分的に被覆する位置にある状況を示しており、図7は、スライドステム16が上昇位置にある、換言すると、主排気口12および補助排気口13を覆わない位置にある状況を示す。
アクチュエータ19は、第1の圧力室23と、第2の圧力室24とを含み、そのいずれも排気経路20からの圧力によって加圧可能である。
2つの圧力室23,24中に存在する排気ガス圧力は、そのそれぞれに位置する圧力ダイヤフラム37を加圧する。圧力ダイヤフラム37は、たとえばショア硬度が60で、ポット状筐体部材38と加圧室23,24間に配置された隔壁39の間に密に締め付けられたシリコーンゴムフルオロメチルポリシロキサンからなるものであってもよい。2つの圧力ダイヤフラム37は、放射状の内側部分において第1の下側ピストン40および第2の上側ピストン41と接触して、2つの圧力室23,24を形成する。この構成において、ダイヤフラム37は、ピストン40の第1のピストン面42およびピストン41の第2のピストン面43と接触し、前記ピストン面同士は、協働してスライドステム16を作動させるように、溝内に配置された止め輪(circlip)44によって着脱可能に接続されている。
アクチュエータ19内の第1の圧力室23の上方には第1の膨張室45が設けられ、第2の圧力室24の上方には第2の膨張室46が同様に形成されている。第2の膨張室46は、たとえば筐体部材38の上部において、図6および7に示すようにポートの形状をした導管によって、またさらなるポート(図示せず)によって周囲空気と連通するために、圧力空間による2つのピストン40,41の作動に対抗することはない。
図8A、8Bおよび8Cを参照すると、調整スライド14およびそのスライドステム16の様々な実施形態が示されている。図8Aに示すような実施形態は、補助部材27の末端がそれらの下側計測縁によって主部材26と面一になる図1〜7に示されるようなものと同様である。図8Bは、補助部材27が下側計測縁を含んだ実施形態を示し、この下側計測縁は、補助部材27が主部材26の垂直軸およびスライドステム16の長手方向中心線の方向に上昇させられる点で主部材26のものとは異なる。図8Cに示すような調整スライド14の変形した実施形態の類似の構成においては、補助部材27は、スライドステム16の長手方向中心線28に沿って下方に変位され、種々の下側計測縁が形成される。
図9Aを参照すると、図4に示したような制御摺動体14の実施形態の上下図(top-down view)が示されている。直接みてとれるように、調整スライド14は、湾曲して構成される主部材26と、主部材26と一体的に接続するように真っ直ぐに加工された補助部材27とを含む。この構成において、補助部材27は、矢印Gによって示されるようなシリンダ2からのガス流の方向に前面を向けた前面47と、下流の後面48とを含む。前面47に形成される接面は、主排気Gの方向に配置される補助部材27の前面47および主部材26の曲率中心Kおよびスライドステム16の長手方向中心線28を含む面に対して85度の角度範囲をなす。この角度範囲は、排気ガスが集まりうる調整スライド14とバレル5の間のデッドスペースの位置に関して、またシリンダヘッドボルト止め、冷却剤ジャケット、シリンダヘッドガスケットに関して、たとえばシリンダの加工に関して、有益であることが分かっている。
図9Bを参照すると、上述したような補助部材27の前面に対する接面と、曲率中心Kおよび長手方向中心線28を含む面との間の角度が90度である、図9Aに示した実施形態と類似の実施形態が示されている。図9Cに示される実施形態のように、この角度を55度として、調整スライド14の補助部材27が湾曲した主部材26とほぼ真っ直ぐに連続するようにしてもよい。
図10を参照すると、図8A,8Bおよび8Cに示した様々な調整スライドを利用した2サイクル機関の定性的な動力曲線が示されている。
曲線51に対する縦方向の点線49は、補助排気口13の除覆開始時の機関速度RPMをプロットしたものであり、縦方向の点線50は、補助排気口13が完全に除覆された時の機関速度RPMをプロットしたものである。
太線の曲線51は、図8Aに示される調整スライドを用いた場合の機関速度RPMに対する動力のプロットであり、したがって曲線51は、2サイクル機関の動力の継続的増加を示す。ソフトな開始のために波線52でプロットされるような動力特性が求められる場合には、補助排気口13の除覆が進行した図8Bに示すような調整スライドを用いるとよいが、線53によってプロットされるような動力特性が求められる場合には、補助排気口13の除覆が遅延した図8Cに示すような調整スライドを用いるとよい。「進行した」または「遅延した」という用語は、2サイクル機関のクランク角度における被覆時間について言うものである。
図11を参照すると、図12および図13に関するシリンダ2の断面が示されている。
図12は、収容穴17、ならびにスライドステム16のシェル状部分32の図11に示されるXII−XII断面の図である。シリンダ2内に加工された凹部54は、調整スライド14の構成と形状およびサイズを補い合うように形成されている。図12のXで示す詳細は拡大図にあり、シェル状部分32と収容穴17の間において、スライド設置位置には嵌合いが加工されている。この嵌合いは、シェル状部分32が収容穴17とともに制御摺動体14の案内機能を引き継ぐことができるようにする。凹部54には、制御摺動体14に対する実質的により大きな嵌合いが加工されている。これは、案内機能を全くまたは最小限にしか行わず、すなわち、凹部54に対する調整スライド14の最小限の回転によって、凹部54と調整スライド14の間で線の接触が起こることを示している。この状況は、図13に示すような拡大した詳細Yには凹部54と調整スライド14の間の間隙が示されているが、詳細Xにはそのような間隙が示されていないことからもわかる。これにより、収容穴17とシェル状部分32を対にするに際して、有意により大きい許容誤差で凹部54の複雑な幾何形状の加工ができることになるが、これは、凹部54のように複雑な幾何形状を有する形状よりも、対応するきつく嵌合するように穴開けを行うほうがはるかに簡単なためである。
上記で詳細には説明していない本発明のあらゆる特徴に関しては、請求項および図面を参照されたい。
本発明による2サイクル機関の実施形態を示す図3に示した断面I−Iの図である。 同様に図3に示した断面II−IIの図である。 2サイクル機関の実施形態の上下図である。 本発明による2サイクル機関の制御摺動体の主排気口の方向における前面図。 図4に示した調整スライドのV−V断面図。 スライドステムを含んだアクチュエータを、排気口を部分的に覆う位置にある調整スライドとともに示した上下図。 非被覆状態で示される調整スライドとともに示す図6と同様の作動方向の図。 調整スライドの様々な実施形態の上下図。 調整スライドの様々な実施形態の上下図。 図8A、図8B、および図8Cに示した調整スライドを用いた場合の2サイクル機関の様々な動力曲線をプロットしたグラフ。 断面XII−XIIおよびXIII−XIIIとともに示したシリンダの断面図。 図11に示したXII−XIIで示される断面の断片図であり、Xの拡大詳細図も示されている。 図11に示したXIII−XIIIで示される断面の断片図であり、Yの拡大詳細図も示されている。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダ
3 シリンダヘッドボルト
4 シリンダヘッド
5 バレル
6 ピストン
7 冷却剤経路
8 吸気口
9 支持経路
10 点火プラグ
11 点火プラグコネクタ
12 主排気口
13 補助排気口
14 調整スライド
15 バネ
16 スライドステム
17 収容穴
18 収容穴
19 アクチュエータ
20 排気経路
21 流体連通接続部
22 流体連通接続部
23 第1の圧力室
24 第2の圧力室
25 圧力導管
26 主部材
27 補助部材
28 長手方向中心線、垂直軸
29 凹部
30 下側計測縁
31 ピン状部分
32 シェル状部分
33 板状の対抗保持部
34 部分
35 円筒状部分
36 部分
37 圧力ダイヤフラム
38 ポット状筐体部材
39 部分
40 第1のピストン
41 第2のピストン
42 ピストン面
43 ピストン面
44 止め輪
45 第1の膨張室
46 第2の膨張室
47 前面
48 後面
49 除覆の開始
50 除覆の終了
51,52,53 動力曲線
54 凹部
G シリンダから出るガス流の方向
K 曲率中心

Claims (23)

  1. シリンダ(2)と、これに着脱可能に固定されたシリンダヘッド(4)とを備える2サイクル内燃機関であって、前記シリンダ(2)は、主排気口(12)と少なくとも1つの補助排気口(13)とを有し、前記補助排気口(13)は、複数の調整スライド部材によって少なくとも部分的に覆われ得、前記調整スライド部材は、シリンダ軸に対して斜めに配置されてアクチュエータ(19)によって軸方向に作動されるスライドステム(16)によって作動され得、前記調整スライド部材は、前記スライドステム(16)に連結された共通の調整スライド(14)および前記シリンダヘッド(4)を貫通するスライドステム(16)と一体的に構成されることを特徴とする2サイクル内燃機関。
  2. 前記調整スライド(14)は、前記シリンダ(2)の曲率にほぼ対応するように湾曲して形成されている主部材(26)と、これに一体的に接続されてほぼ真っ直ぐに形成されている補助部材(27)とを有することを特徴とする請求項1に記載の2サイクル機関。
  3. 前記主部材(26)および補助部材(27)は、垂直軸における高さが異なるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の2サイクル機関。
  4. 前記補助部材(27)は、前記主部材(26)と対向しない部分に、補助部材(27)の前面(47)と後面(48)を接続する面を有し、この面は前面(47)と後面(48)の間に曲率中心を有することを特徴とする請求項2または3に記載の2サイクル機関。
  5. 前記主排気口(12)の方向に位置する前記補助部材(27)の前面(47)に接する面は、前記主部材(26)の曲率中心(K)および前記スライドステム(16)の長手方向中心線(28)を含む面に対して、約55度から約90度の範囲の角度をなすことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の2サイクル機関。
  6. 前記シリンダ(2)の長手方向中心線と前記スライドステム(16)の長手方向中心線(28)は、約10度から約45度の範囲、特に約13度から約16度の範囲の角度をなすことを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  7. 前記調整スライド(14)の頂部は、雄ねじが切られたピン状部分(31)となっており、前記スライドステム(16)は、雌ねじが切られたシェル状部分(32)によって画定されうることを特徴とする前出の請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  8. 前記主部材(26)は、前記補助部材(27)から開始して前記スライドステム(16)の方向に上方へ曲げられていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の2サイクル機関。
  9. 前記主部材(26)の垂直軸(28)の方向に沿って、前記補助部材(27)は前記主部材(26)の上面および下面から突出することを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の2サイクル機関。
  10. 前記スライドステム(16)は、前記シリンダ(2)の円筒状凹部(17)内にスライド設置するための円筒部を有することを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  11. 前記アクチュエータ(19)は、前記シリンダヘッド(4)の領域に配置され得、ガス加圧用に前記スライドステム(16)と連結して構成されうる特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  12. 前記アクチュエータ(19)は、バネ(15)の作用に抗して排気口(12,13)の覆いを外すに際して前記スライドステム(16)を作動させる2つのピストン面(42,43)を有することを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  13. 前記アクチュエータ(19)は、排気ガスを用いて作動され得、かつ、流体連通接続部(21,22)によって機関(1)の排気口および/または排気系に接続されることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  14. 前記アクチュエータ(19)は、換気および/または負圧付与のための膨張室(45,46)に並置された2つの圧力室(23,24)を有する筐体を備えることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  15. 前記2つの圧力室(23,24)は可撓性の圧力ダイヤフラム(37)を有し、前記圧力ダイヤフラム(37)は、前記圧力室(23,24)間に配置された前記アクチュエータ(19)の隔壁(39)とポット状筐体部材(38)との間に設けられており、かつ、前記スライドステム(16)を作動させるために協動するように連結された第1および第2のピストン(40,41)にあるピストン面(42,43)によって支持されていることを特徴とする請求項14に記載の2サイクル機関。
  16. 前記圧力ダイヤフラム(37)は、メチルビニルシリコーンゴム、特にフルオロシリコーンゴムフルオロメチルポリシロキサンからなることを特徴とする請求項15に記載の2サイクル機関。
  17. 前記シリンダ(2)は、前記調整スライド(14)を収容するための凹部(54)を有し、前記凹部(54)は、前記調整スライド(14)と形状およびサイズをほぼ補い合うように形成されており、前記凹部(54)は、前記スライドステム(16)を収容する穴(17)によって接続されていることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  18. 前記シリンダ(2)の垂直軸において、前記補助排気口(13)の下側計測縁は、非作動時の前記調整スライド(14)の主部材(26)の下側計測縁(30)とほぼ同じ高さになるように配置されていることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  19. 前記調整スライド(14)の主部材(26)は前記下側計測縁(30)に凹部(29)を有しており、前記主部材(26)の上方への湾曲は、前記主排気口(12)が覆われていないとき、前記下側計測縁(30)が前記主排気口(12)の上側縁とほぼ面一となるように、排気の方向に向かって小さくなることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  20. 前記アクチュエータ(19)は、前記スライドステム(16)を作動させるガス加圧ピストンを有しており、前記ガス加圧ピストンは、機関(1)の排気ガスによっておよび/または機関(1)のクランクケース内で加圧されたガスによって作動されうることを特徴とする上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  21. 前記アクチュエータは、電気的および/または機械的に動力が供給されるアクチュエータであることを特徴とする前出の請求項のいずれかに記載の2サイクル機関。
  22. 二輪車に動力を与えるための機関としての上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関の用途。
  23. 上記請求項のいずれかに記載の2サイクル機関を備えるオートバイ。
JP2008118379A 2007-05-02 2008-04-30 2サイクル内燃機関 Withdrawn JP2008274951A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102007020579A DE102007020579A1 (de) 2007-05-02 2007-05-02 Zweitaktbrennkraftmaschine

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008274951A true JP2008274951A (ja) 2008-11-13

Family

ID=39709027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008118379A Withdrawn JP2008274951A (ja) 2007-05-02 2008-04-30 2サイクル内燃機関

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8201526B2 (ja)
EP (1) EP1988270B1 (ja)
JP (1) JP2008274951A (ja)
AT (1) ATE455941T1 (ja)
AU (1) AU2008201689B2 (ja)
DE (2) DE102007020579A1 (ja)
ZA (1) ZA200803771B (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103967606A (zh) * 2013-01-24 2014-08-06 曾礼 燃料气动马达
US9404399B2 (en) * 2013-07-31 2016-08-02 Brp-Rotax Gmbh & Co Kg Exhaust valve assembly for a two-stroke engine
US9341092B2 (en) 2014-07-31 2016-05-17 BRP—POWERTRAIN GMBH & Co. KG Exhaust valve assembly for a two-stroke internal combustion engine
EP3199787B1 (en) 2016-01-31 2019-02-13 BRP-Rotax GmbH & Co. KG Exhaust valve assembly for a two-stroke internal combustion engine
US11396853B2 (en) * 2019-06-28 2022-07-26 Brp Us Inc. Exhaust valve, exhaust valve assembly and exhaust valve system for two-stroke internal combustion engines, two-stroke internal combustion engine having same and method for cleaning an exhaust valve

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5692314A (en) * 1979-12-27 1981-07-27 Yamaha Motor Co Ltd Exhaust timing controlling apparatus for two-cycle engine
US4672925A (en) * 1985-03-09 1987-06-16 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Two-cycle engine
JPH0635832B2 (ja) * 1985-09-11 1994-05-11 本田技研工業株式会社 2サイクルエンジンの排気時期制御装置
DD260729A1 (de) * 1987-05-20 1988-10-05 Zschopau Motorrad Veb Auslasssystem fuer eine zweitakt-brennkraftmaschine
AT399204B (de) * 1991-01-14 1995-04-25 Bombardier Rotax Gmbh Vorrichtung zur auslasszeitsteuerung eines zylinders einer zweitakt-brennkraftmaschine
JP3312252B2 (ja) * 1991-11-13 2002-08-05 ヤマハ発動機株式会社 2サイクルエンジンの排気バルブ装置
DE19535069A1 (de) 1995-09-21 1996-03-14 Horst Seel Zweitaktmotor mit gekrümmtem Schieber zur Steuerung der Auslaß-Steuerwinkel
JP3620159B2 (ja) 1996-08-26 2005-02-16 スズキ株式会社 2サイクルエンジンの排気制御装置
CA2223770A1 (en) 1997-12-05 1999-06-05 Bombardier Inc. Valve assembly using pressurized medium for controlling operating conditions of a two-stroke engine
US6189494B1 (en) * 1998-05-14 2001-02-20 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Exhaust timing control apparatus for two-cycle engines
US6158215A (en) * 1998-11-12 2000-12-12 Polaris Industries Inc. Varible exhaust resonance chamber valve system for two-cycle engines
US6216648B1 (en) * 1999-05-14 2001-04-17 Arctic Cat, Inc. Internal combustion engine with pneumatically controlled variable exhaust valve
US6418890B1 (en) * 1999-11-05 2002-07-16 Bombardier-Rotax Gmbh Control assembly for exhaust timing control
AT5299U1 (de) 1999-11-05 2002-05-27 Bombardier Rotax Gmbh Vorrichtung zur auslasszeitsteuerung eines zylinders einer zweitakt-brennkraftmaschine
US6213065B1 (en) * 1999-11-10 2001-04-10 Bruce Roland Kahlhamer Two-cycle engine exhaust port regulator
CA2355038A1 (en) 2001-08-14 2003-02-14 Bombardier-Rotax Gmbh Two-cycle engine including improved exhaust valve mechanism, and method
US6886507B2 (en) * 2003-04-01 2005-05-03 Darrell Olson Exhaust valve for two-cycle engine
CA2495501A1 (en) * 2004-01-30 2005-07-30 Brp-Rotax Gmbh & Co., Kg. Exhaust-outlet control for 2-stroke engine

Also Published As

Publication number Publication date
AU2008201689B2 (en) 2012-07-12
US20080283029A1 (en) 2008-11-20
EP1988270B1 (de) 2010-01-20
AU2008201689A1 (en) 2008-11-20
ATE455941T1 (de) 2010-02-15
DE502008000325D1 (de) 2010-03-11
ZA200803771B (en) 2009-05-27
DE102007020579A1 (de) 2008-11-06
EP1988270A1 (de) 2008-11-05
US8201526B2 (en) 2012-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4803059B2 (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
US6257191B1 (en) Rotary valve system
JPH0355647B2 (ja)
JP2004360656A (ja) 空気掃気型の2サイクルエンジン
JP2008274951A (ja) 2サイクル内燃機関
US11891930B2 (en) Exhaust valve assembly for a two-stroke internal combustion engine
CN105143614A (zh) 旋转式发动机、气体压缩机及液体泵
JP2003519314A (ja) バルブ制御を有する内燃機関
JP2008516142A (ja) 回転機械分野の組立体を有するvツイン構造
JPH11303617A (ja) 船外機用エンジン
US11401840B2 (en) Apparatus and method for valve timing in an internal combustion engine
EP3128149A1 (en) Two stroke engine
US8925502B1 (en) Hydraulically actuated valve assembly for an engine
JP7183548B2 (ja) 内燃機関
US6283070B1 (en) Apparatus and method for sealing internal combustion engines
JP4256242B2 (ja) 4サイクルエンジンの吸気装置
JP2017529486A (ja) 平衡シールアセンブリを含むロータリーデバイス
JPH0247570B2 (ja)
JPS6352222B2 (ja)
JP2872760B2 (ja) 2サイクルエンジンの排気装置
JP4285014B2 (ja) 船外機の補機取付構造
JPS6236129B2 (ja)
JPS5851377Y2 (ja) ロ−タリピストンエンジンの吸気装置
JP2001082245A (ja) 強制空冷式の頭上弁式内燃機関
JP2624947B2 (ja) 船外機

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110705