JP2008267345A - 電動圧縮機 - Google Patents

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恭弘 沖
Shigeki Iwanami
重樹 岩波
Susumu Kusada
享 草田
Tadashi Hotta
忠資 堀田
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Abstract

【課題】運転停止時にも、高圧貯油室に所定量の潤滑油を貯留させ、運転起動時に、直ちに軸受部に潤滑油を送給可能にする電動圧縮機を提供する。
【解決手段】電動圧縮機は、容器11内に設けられた低圧油溜り19と、圧縮機構部20の吐出室27内に設けられる高圧貯油室29とを備え、主軸受部50に高圧貯油室29側からオイルを強制的に送給し、低圧油溜り19と高圧貯油室29とを連通する連通孔75を備え、運転時には連通孔75を閉じ、運転停止時には連通孔75を開く弁74が、連通孔75に設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジング内にモータと圧縮機構とを備える電動圧縮機に関し、特に電動圧縮機における軸受部の潤滑の改善に関する。
従来より電動圧縮機の内部には、その軸受部を適切に滑動させるために潤滑油が供給される。そのような電動圧縮機として、潤滑油を電動圧縮機内で繰り返し循環させる構成のものが知られている。これは圧縮機構から吐出された圧縮後の高圧冷媒を外郭ハウジング内に充満させる一方で、冷媒とともに圧縮機構から吐出された潤滑油を外郭ハウジングの下部に貯め、その潤滑油を圧縮機構の軸受け部に送給する。その潤滑油を送給する構成として、特許文献1のように、低圧潤滑油が貯留する低圧室と高圧潤滑油が貯留する高圧潤滑油室との圧力差により供給するものが知られている。
特開2002−295369号公報
特許文献1による低圧シェル式電動横型スクロール圧縮機は、図3に示すような構成となっている。即ち、固定スクロール2aの一端面にはセンタケーシング2cの一端面が接合されており、そのセンタケーシング2cの他端面にはモータハウジング1aが接合されている。また、固定スクロール2aの他端面にはフロントハウジング1bが接合されている。こうして、フロントハウジング1b、固定スクロール2a、センタケーシング2c及びモータハウジング1aで圧縮機の外郭ハウジング1が形成されていて、この外郭ハウジング1内に、固定スクロール2a、旋回スクロール2b及びセンタケーシング2c等からなる圧縮機構部2と、モータハウジング1a内に配置されて、旋回スクロール2bを旋回駆動する電動機部3とが配設されている。電動機部3の主軸4はセンタケーシング2cの軸受部5aで軸支され、主軸4の先端に形成されたクランク軸4aが旋回スクロール2bのボス部の軸受部5bで支承されることによって、旋回スクロール2bは電動機部3により旋回駆動される。
フロントハウジング1bには、旋回スクロール2bから吐出された吐出冷媒中の潤滑油を分離するオイルセパレータ8が設けられている。このオイルセパレータ8は、遠心力を用いた分離機構を有するタイプである。分離された潤滑油は、点線に示すように、フィルター8aを通過して高圧貯油室6に一旦貯留される。
高圧貯油室6に貯留された潤滑油は、点線に示すように、ガスケット9に形成された溝(図示せず)、固定スクロール2a及び旋回スクロール2bに形成された給油路7を通って、旋回スクロール2bの背面側に圧送され、クランク軸4aの軸受部5bとセンタケーシング2cの軸受部5aとに給油するようになっている。
このようにして、高圧貯油室6から給油路7を通って旋回スクロール2bの背面側に圧送され、軸受部5a及び5bで使用され、或いはこれら軸受部5a,5bに過剰に供給された潤滑油は、軸受部5a,5bから自重落下し、モータハウジング1a内の底部に形成された、低圧の貯油部1cに貯留されるようになっている。センタケーシング2cの低所には、この貯油部1cに対応した位置に移送路2dが穿設されていて、モータハウジング1aの貯油部1cと、圧縮機構部2の吸入部とを連通している。このようにして、潤滑油は圧力差を利用して軸受部に供給され、圧縮機構部2を介して循環されるようになっている。
上記構成よりなる従来の電動圧縮機において、運転時は、常に高圧貯油室6に潤滑油が貯留しているが、運転停止時には、高圧貯油室6に潤滑油がほとんど無くなるという問題がある。そして、所定時間の運転停止状態の後に起動するとき、軸受部5a,5bには潤滑油が送給されないため、軸受部5a,5bが焼き付き等の損傷を受ける恐れがある。
運転停止時に高圧貯油室6に潤滑油がほとんど無くなるのは、以下の理由による。すなわち、電動圧縮機が運転停止すると、旋回スクロール2bの回転は停止するため、オイルセパレータ8へは潤滑油を含んだ冷媒が送給されなくなる。このため、高圧貯油室6へは、オイルセパレータ8により分離された潤滑油が供給されなくなる。一方、高圧貯油室6の内圧は、保持されておりすぐには低下しない。このため、高圧貯油室6に貯留された潤滑油は、運転停止後に所定時間が経過するまでは、引き続いて内圧に押されて低圧室S側へ流出を続ける。こうして運転停止後、数分間経過後には高圧貯油室6に潤滑油がほとんど無くなることとなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転停止時にも、高圧貯油室に所定量の潤滑油を貯留させ、運転起動時に、直ちに軸受部に潤滑油を送給可能にする電動圧縮機を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項の記載の電動圧縮機を提供する。
請求項1に記載の電動圧縮機は、容器11内に、主軸40を回転駆動する電動機部30と、主軸40が連結された可動部材22が作動することで、吸入部26を介して圧縮室25へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部20と、主軸40を回転可能に軸支する軸受部50と、容器11内に設けられた低圧油溜り19と、圧縮機構部20の吐出室27内に設けられる高圧貯油室29とを備え、軸受部50に高圧貯油室29側からオイルを強制的に送給し、低圧油溜り19と高圧貯油室29とを連通する連通孔75を備え、運転時には連通孔75を閉じ、運転停止時には連通孔75を開く弁74が、連通孔75に設置されていることを特徴とする。
これにより、運転停止後に高圧貯油室29の潤滑油がほとんど無くなったとき、弁が開き、連通孔75を介して低圧油溜り19側から潤滑油が高圧貯油室29内へ流入する。そして、起動時には、その直後から軸受部50に高圧貯油室29側からオイルを強制的に送給することが可能となる。また、運転時には連通孔75は閉じられているので、高圧貯油室29から直接的に低圧油溜り19へ潤滑油が流出して、軸受部50に潤滑油が送給されなくなることを防止可能となる。
請求項2の電動圧縮機は、連通孔75に設置されている弁74は、低圧油溜り19側から高圧貯油室29側へのオイルの流れのみを許容する逆止弁74であることを特徴とする。これにより、簡素な構造の弁にすることが可能となる。
請求項3の電動圧縮機は、連通孔75が、低圧油溜り19の液面19aより下側に配置されていることを特徴とする。これにより、低圧油溜り19の潤滑油が高圧貯油室29内へ流入可能となる。
請求項4の電動圧縮機は、連通孔75が、高圧貯油室29の底面29aより上側に配置されていることを特徴とする。これにより、底面29aに落ちた異物が連通孔75に詰ることを防止できる。
請求項5の電動圧縮機は、逆止弁74が、板状の弁74とケーシング24側の弁座24bとで構成されていることを特徴とする。これにより、逆止弁74を簡素な構造とすることが可能となり、また弁74の質量を小さくすることにより弁の応答性を向上することが可能となる。
請求項6の電動圧縮機は、冷媒がCO冷媒であることを特徴とする。CO冷媒は、高圧の超臨界状態で使用されるため、高圧貯油室29と低圧油溜り19との差圧が大きくなる。このため、従来技術においてCO冷媒を使用した場合には、運転停止後に非常に短い時間で高圧貯油室29の潤滑油がほとんど無くなる。ゆえに、請求項1の作用効果が顕著となる。
請求項7の電動圧縮機は、横置き型式であることを特徴とする。オイル分離機構28の配置や構成が容易となり、高圧貯油室29と低圧油溜り19の配置や構成も容易となる。
なお、上記各手段の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、図面に従って本発明の実施形態の電動圧縮機について説明する。以下の説明においては、本発明をスクロール型圧縮機に具体化させた実施形態に基づいて説明するが、本発明はスクロール型に限定されるものではなく他の回転式の圧縮機にも適用できるものである。図1は、本発明の実施形態の電動圧縮機の断面図である。
電動圧縮機10は、密閉容器としての外郭ハウジング11と、この外郭ハウジング11内に収容された圧縮機構部20、及び電動機部30とから構成されている。この電動圧縮機10は、横置きの電動圧縮機とされ、図1において下面が設置面とされ、右側に圧縮機構部20が左側に電動機部30が配置され、両者は、主軸としてのシャフト40によって接続されている。そして電動機部30により圧縮機構部20が駆動されるようになっている。
電動圧縮機を横置き型式とすることにより、オイル分離機構28の配置や構成が容易となり、高圧貯油室29と低圧油溜り19の配置や構成も容易となる。
外郭ハウジング11は、円筒状の本体ハウジング12、前部ハウジング13及び後部ハウジング14とから構成されている。これらのハウジング12,13,14が固着されて、外郭ハウジング11内には密閉された空間が形成されるようになっている。本体ハウジング12には、圧縮機構部20の吸入部に接続する吸入パイプ15と、同じく圧縮機構部20の吐出部に接続する吐出パイプ16とが設けられている。この吸入パイプ15から冷凍サイクルからの低圧の冷媒及び低温のオイル(潤滑油)とが混合したガスが、外郭ハウジング11内に流入するようになっている。
電動機部30は、主軸としてのシャフト40に固定される回転子31と、この回転子31の外周側に配置される固定子32とから構成されている。固定子32は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。この電動機部30には、図示しない外部電源から電力が供給されるようになっており、これにより回転子31が回転駆動され、それとともにシャフト40も回転駆動するようになっている。
圧縮機構部20は、センタケーシング21と、可動部材としての旋回スクロール部材22、固定スクロール部材23及び後部ケーシング24を備えている。センタケーシング21は、本体ハウジング12の内周面に焼嵌め又は圧入により固着されている。センタケーシング21の中心部には、シャフト40を貫挿する孔が設けられており、この孔に軸受が固定されて、シャフト40を回転可能に軸支する主軸受部50となっている。一方、本体ハウジング12の電動機部側には、シャフト40を支持するための支持部材17が本体ハウジング12の内周面に固定されており、この支持部材17の中央部には、芯出し部材18が固着されている。芯出し部材18の中央部にもシャフト40を貫挿する孔が設けられ、この孔に軸受が固定されてシャフト40を回転可能に軸支する副軸受部60となっている。
シャフト40内には、内部を軸方向に貫通しているオイル通路41が設けられていると共に、シャフト40の先端には、シャフト40の中心軸から偏心したクランク部42が設けられていて、このクランク部42が旋回スクロール部材22に連結されることで、シャフト40の回転に伴なって、旋回スクロール部材22が偏心回転運動をするようになっている。
旋回スクロール部材22は、略円形をした旋回スクロール端板部22aと、この端板部22aの片側に形成され、円筒形状をしたボス部22cと、このボス部22cが形成されている端板部22aの他面側に形成されている渦巻き形状をした旋回スクロール羽根部22bとからなる。ボス部22bには、軸受が圧入固定されていてシャフト40のクランク部42に回転自在に支持されている。
旋回スクロール部材22に対して偏心した位置で対向して、回転方向に180度ずらして噛み合う固定スクロール部材23が設けられ、この固定スクロール部材23はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。固定スクロール部材23は、略円形をした固定スクロール端板部23aと、旋回スクロール羽根部22bと略同形状をした渦巻状の固定スクロール羽根部23bとからなり、この旋回スクロール羽根部22bと相対するように組み付けられる。旋回スクロール羽根部22bと固定スクロール羽根部23bとが噛み合うことによって、それらの渦巻状の羽根部22b,23b間に冷媒を取り込んで圧縮する三日月状の作動室(圧縮室)25が複数個形成されるが、2つのスクロール部材22,23の共通の中心部領域には、圧縮された冷媒の圧力が最も高くなる高圧作動室が1つだけ形成される。この固定スクロール端板部23aの略中央には、高圧作動室から圧縮された冷媒を吐出するための吐出口23cが形成されている。
固定スクロール部材23と旋回スクロール部材22の2つの渦巻状の羽根部23b,22bとが噛み合わされた外周側に位置する固定スクロール部材23に吸入室である吸入部26が形成されている。この吸入部26は吸入パイプ15に接続していて、この吸入パイプ15が図示しない冷凍サイクルの低圧側と接続している。
固定スクロール部材23の羽根部23bと反対側には、吐出室27を形成する後部ケーシング24が設けられている。この後部ケーシング24はボルト等によりセンタケーシング21に固定されている。吐出室27は、吐出口23cを介して高圧作動室(圧縮室)25と連通している。吐出室27にはリード弁27aが設けられている。このリード弁27aは吐出室27側に開く構成とされており、吐出室27内の高圧冷媒が作動室25に逆流することを防止する弁である。
更に吐出室27内にはオイル分離機構28が設けられており、このオイル分離機構28の下部には高圧貯油室29が設けられている。したがって、吐出室27内に吐出された、冷媒とオイルとが混合した吐出ガスはオイル分離機構28によって高圧冷媒ガスと高温のオイル(潤滑油)とに分離され、高圧冷媒ガスは吐出管16より図示しない冷凍サイクルの高圧側へと送られ、高温のオイルは高圧貯油室29内に一時的に貯溜する。
一方、外郭ハウジング11内をセンタケーシング21によって仕切られた、電動機部30が収容された密閉空間S内の下部には、低圧油溜り19が形成されている。なお、冷媒ガスの吸入部26は、センタケーシング21に設けた連通孔21aによって低圧油溜り19が形成されている低圧側の密閉空間Sと連通している。また、支持部材17には、複数の連通孔17aが設けられ、センタケーシング21にも複数の連通孔21bが設けられ、固定スクロール部材23にも複数の連通孔23bが設けられており、低圧油溜り19が連通するようになっている。
固定スクロール部材23及び旋回スクロール部材22には、高圧貯油室29内のオイルを旋回スクロール部材22のボス部22c内の底部へと導入する給油通路70が形成されている。この給油通路70には絞り部71が設けられている。ボス部22c内の底部に達したオイルは、一部はシャフト40内のオイル通路41を副軸受部60側の端部から、低圧油溜り19へと回収される。
シャフト40の主軸受部50には、シャフト40内のオイル通路41と連通し、主軸受部50を通って圧縮機構部20の吸入部26へと開口している高温オイルの主軸受側オイル通路51が形成されている。この主軸受側オイル通路51は、主軸受部50に対応するシャフト40の外周面に軸方向に延びている略矩形状の主溝43を形成することによって形成される。主溝43の一端は、孔44によってオイル通路41に連通し、主溝43の他端は、センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を介して吸入部26に連通している。
また、シャフト40の副軸受部60にも、シャフト40内のオイル通路41と連通し、副軸受部60を通って低圧油溜り19へと放出される高温オイルの副軸受側オイル通路61が形成されている。この副軸受側オイル通路61は、副軸受部60に対応するシャフト40の外周面を軸方向に平面でカットすることによって得られる略円弧状断面の副溝45によって得られる。副溝45の一端は、孔46によってオイル通路41に連通し、副溝45の他端は開放されている。
このようにして、高圧貯油室29のオイルは、給油通路70を通り、その一部はシャフト40内のオイル通路41から主軸受側オイル通路51を通って主軸受部50に供給され、その後、圧縮機構部20の吸入部26に取り込まれ冷媒中に混合される。オイル通路41を通る他の一部のオイルは、副軸受側オイル通路61を通って副軸受部60に供給され、その後低圧油溜り19へ放出される。オイル通路41を通る残りのオイルは、シャフト40の開放側からそのまま低圧油溜り19へと放出される。
次に上記のように構成された電動圧縮機10の作動について説明する。電動機部30に外部から電力が供給されると、回転子31が回転駆動し、それに伴いシャフト40が回転する。このシャフト40が回転することに伴いシャフト40の先端のクランク部42が所定の偏心量をもってシャフト40のまわりを回転し、クランク部42に連結された旋回スクロール部材22は旋回する。これにより、圧縮機構部20の作動が行われる。
圧縮機構部20の作動に伴う冷媒及びオイル(潤滑油)の流れは以下のように行われる。
まず圧縮機構部30作動により、外部の冷凍サイクル系から吸入パイプ15から圧縮機構部20の吸入部26内に低圧の冷媒と低温のオイルの混合ガスが流入する。なお、吸入パイプ15から流入する冷媒は原則として気体である。この混合ガスは、圧縮機構部20の作動室25内に入り圧縮された後に吐出口23cから吐出室27内に吐出される。なお、吸入部26内の混合ガスの一部は、センタケーシング21の連通孔21aを通って低圧側密閉空間S内に流入する。
吐出室27内の圧縮された混合ガスは、オイル分離機構28によって高温の冷媒ガスと高温のオイルとに分離され、高温の冷媒ガスは吐出管16から外部の冷凍サイクル系に送られる。一方、高温のオイルは高圧貯油室29に一時的に貯溜され、その後給油通路70を通って、シャフト40のオイル通路41から主軸受部50及び副軸受部60に供給されて、それらの軸受を潤滑する。主軸受側オイル通路51によって主軸受部50に供給される高温オイルは、その後センタケーシング21と旋回スクロール部材22とによって形成される隙間を通って吸入部26に取り込まれ、吸入パイプ15から吸入された混合ガス(冷媒と低温のオイル)と一緒になって作動室25内に流入する。
一方、副軸受側オイル通路61によって副軸受部60に供給された高温オイルは、そのまま低圧油溜り19へと流出される。なお、一部の高温オイルはオイル通路41を通ってそのまま低圧油溜り19へと流出される。低圧油溜り19の油量が増加した場合は、センタケーシング21の連通孔21aを通って、吸入部26内に運ばれる。
なお、本発明においては、冷媒として吸入ガスの加熱度が大きいCO2を使用することで大きな効果が得られる。CO冷媒は、高圧の超臨界状態で使用されるため、高圧貯油室29と低圧油溜り19との差圧が大きくなる。このため、従来技術においてCO冷媒を使用した場合には、運転停止後に非常に短い時間で高圧貯油室29の潤滑油がほとんど無くなる。ゆえに、本発明の作用効果が顕著となる。
次に本実施形態の特徴とする構成について図2を参照しながら説明する。図2は、図1の高圧貯油室29を拡大した図である。後部ケーシング24の下部には、高圧貯油室29が設けられている。そして、高圧貯油室29を囲繞する壁24aには、高圧貯油室29と低圧油溜り19とを連通する連通孔75が、高圧貯油室29の底面29aよりやや上の位置に配置されている。これにより、底面29aに落ちた異物が連通孔75に詰ることを防止できる。また、連通孔75は、低圧油溜り19の液面19aより下側に配置されている。これにより、低圧油溜り19の潤滑油が高圧貯油室29内へ流入可能となる。
さらに、この連通孔75を開閉する逆止弁機能を持つ板弁74が、壁24aの内部に配置されている。そして、板弁74の相手側である弁座24bが壁24aの内部に形成されている。逆止弁機能は、板弁74と弁座24bとで形成される。逆止弁機能により、低圧油溜り19側から高圧貯油室29側へのオイルの流れのみが許容される。そして、板弁74の左方向の移動を規制するストッパ72が、壁24aに圧入されている。ストッパ72と板弁74との間には隙間73が存在しており、板弁74が、所定距離の制限を受けて左右に移動することを可能にしている。
板弁74は、重力方向と直角方向に移動して開閉する。これにより、板弁74が異物を噛み込みにくくなる。このとき弁座面は、重力方向に沿う方向に設置される。そして、異物が流入したとき、異物自身の重力により隙間73の下方に落下するため、弁座面には付着しにくいからである。板弁を採用することにより、逆止弁を簡素な構造とすることが可能となり、また弁の質量を小さくすることにより弁の応答性を向上することが可能となる。図2における板弁74は、電動圧縮機の運転時の位置状態を示している。
電動圧縮機の運転時には、高圧貯油室29の内圧が約10MPaとなり、低圧油溜り19を押圧する圧力が約3MPaとなる。このため、板弁74には高圧貯油室29側から低圧油溜り19側に約7MPaの差圧を受ける。これにより、板弁74は右方向に押されて、連通孔75を閉塞する。これにより、運転中に高圧貯油室29から直接的に低圧油溜り19へ潤滑油が流出して、主軸受部50に潤滑油が送給されなくなることを防止可能となる。
一方、電動圧縮機の運転停止時より所定時間経過後には、高圧貯油室29の内圧は、低圧油溜り19を押圧する圧力と同じ圧力の約3MPaとなる。すなわち、高圧貯油室29の内圧が低圧室Sの内圧と均等となる。このときまでに高圧貯油室29の潤滑油はほとんど無くなっている。そして、低圧油溜り19の油面19aと連通孔75の位置との落差による油圧が、板弁74に掛かり、板弁74が左方向へ押されて連通孔が開く。これにより、低圧油溜り19側から潤滑油が高圧貯油室29内へ流入する。そして、高圧貯油室29の油面が低圧油溜り19の油面と同じ位置になる。このため、起動時には、十分な油量が高圧貯油室29に貯留されている。そして、起動時には、その直後から主軸受部50に高圧貯油室29側からオイルを強制的に送給することが可能となる。
こうして、板弁74は、電動圧縮機の運転時には連通孔75を閉じ、電動圧縮機の運転停止時には連通孔75を開く。この板弁74には、小さいバネ定数および小さい荷重でセットされたバネを付勢させても良い。また、板弁に替えて、ボール弁やスプール弁を配置しても良い。さらには、自動弁である逆止弁に替えて、例えば、電子制御弁を配置しても良い。さらには、使用冷媒をCO冷媒に替えて、通常のフロン冷媒にしても勿論良い。
以上説明したように、本発明の電動圧縮機では、運転停止時にも、高圧貯油室に所定量の潤滑油を貯留させ、運転起動時に、直ちに軸受部へ潤滑油を送給することができる。
本発明の実施形態の電動圧縮機の断面図である。 図1の高圧貯油室の拡大断面図である。 従来の電動圧縮機の断面図である。
符号の説明
10 電動圧縮機
11 外郭ハウジング(密閉容器)
17 支持部材
19 低圧側油溜め
20 圧縮機構部
21 センタケーシング
22 旋回スクロール部材(可動部材)
23 固定スクロール部材
24 後部ケーシング
25 作動室(圧縮室)
26 吸入部
27 排気室
28 オイル分離機構
29 高圧貯油室
30 電動機部
31 回転子
32 固定子
40 シャフト(主軸)
41 オイル通路
43 主溝(主軸受側オイル通路)
45 副溝(副軸受側オイル通路)
50 主軸受部
51 主軸受側オイル通路
60 副軸受部
61 副軸受側オイル通路
70 給油通路
71 絞り部
72 ストッパ
73 隙間
74 板弁
75 連通孔
80 流出防止部

Claims (7)

  1. 容器(11)内に、
    主軸(40)を回転駆動する電動機部(30)と、
    前記主軸(40)が連結された可動部材(22)が作動することで、吸入部(26)を介して圧縮室(25)へ導入された冷媒を圧縮する圧縮機構部(20)と、
    前記主軸(40)を回転可能に軸支する軸受部(50)と、
    前記容器(11)内に設けられた低圧油溜り(19)と、
    前記圧縮機構部(20)の吐出室(27)内に設けられる高圧貯油室(29)と、
    を備え、前記軸受部(50)に前記高圧貯油室(29)側からオイルを強制的に送給する電動圧縮機(10)において、
    前記低圧油溜り(19)と前記高圧貯油室(29)とを連通する連通孔(75)を備え、運転時には前記連通孔(75)を閉じ、運転停止時には前記連通孔(75)を開く弁(74)が、前記連通孔(75)に設置されていることを特徴とする電動圧縮機(10)。
  2. 前記連通孔(75)に設置されている前記弁(74)は、前記低圧油溜り(19)側から前記高圧貯油室(29)側へのオイルの流れのみを許容する逆止弁(74)であることを特徴とする請求項1または2に記載の電動圧縮機(10)。
  3. 前記連通孔(75)は、前記低圧油溜り(19)の液面(19a)より下側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動圧縮機(10)。
  4. 前記連通孔(75)は、前記高圧貯油室(29)の底面(29a)より上側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動圧縮機(10)。
  5. 前記逆止弁(74)は板状の弁(74)とケーシング(24)側の弁座(24b)とで構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の電動圧縮機(10)。
  6. 前記冷媒はCO冷媒であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電動圧縮機(10)。
  7. 横置き型式であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電動圧縮機(10)。
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