JP2008264803A - コイラードラムおよびコイラードラムを使用した圧延設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】「かき傷」の発生を防止することにより、圧延材12の歩留りを向上させる。
【解決手段】コイラードラム24は、圧延材12の端部が挿入される開口部38を有する略円筒状のドラム本体28、開口部38からドラム本体28の内側へ圧延材12の端部を導入する帯板状のガイド板状部30、圧延材12を巻き取る際に圧延材12の端部を係止する係止部32を備えている。そして、係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面は、圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみに合致する膨らみを有する曲面に形成されている。したがって、コイラードラム24に圧延材12を巻き取る初期段階からコイラードラム24の外面に圧延材12を沿わせることができ、圧延材12のスリップによる「かき傷」の発生を防止できる。
【選択図】図10

Description

本発明は、コイラーファーネスの主要部を構成するコイラードラム、および2つのコイラーファーネスとコイラーファーネス間に配設された圧延機とを備える圧延設備に関する。
圧延材は、通常、加熱された厚肉のスラブを圧延機に複数回パスさせて圧延することによって製造される。上記圧延機の内、仕上げ圧延設備10’に付いては、本発明と図を共用して説明するが、従来、数パスの可逆圧延により圧延材12(例えばホットコイル)を得る1基の「圧延機16」と、その左右両側に装備され、圧延材12の温度を保持する「保温炉26」と、その内部に設置され、圧延機16にて圧延された圧延材12を巻き取る或いは巻き取った圧延材12を送り出す「コイラードラム24’」とで構成された「ステッケルミル」が幅広く用いられている。なお、コイラーファーネス14は、「保温炉26」と「コイラードラム24’」及びこれらの回転駆動装置(図示せず)とで構成される。
一般的な圧延設備10’であるステッケルミルは、図1に示すように、2つのコイラーファーネス14と、2つのコイラーファーネス14間に配設された圧延機16とを備えており、各コイラーファーネス14においては、保温炉26の内部にコイラードラム24’が回転自在に配設されている。また、従来のコイラードラム24’は、図11に示すように、圧延材12が巻き付けられる略円筒状のドラム本体24a’を有しており、このドラム本体24a’には、圧延材12の端部が挿入されるスリット状の開口部38’が最大幅の圧延材12(例えばホットコイル)より若干長め目の長さで軸方向へ延びて形成されている。
ステッケルミル10’を用いて所定厚さの圧延材12(例えばホットコイル)を製造する際には、粗圧延装置(図示せず)で圧延された圧延材12が圧延機16に送り込まれて1パス目の圧延がなされ、然る後、圧延材12の一方端部が一方のコイラーファーネス14を構成する保温炉26の出入り口50を通ってコイラードラム24’の開口部38’に挿入され、その状態で圧延機16の送り出しに合わせてコイラードラム24’のドラム本体24a’に圧延材12の他方端部を残してその殆どが巻き付けられる。
1パス目が終了すると圧延材12は逆方向に送られることになり、巻き取り側のコイラードラム24’が逆転して圧延材12が圧延機16側に送り出されて第2回目のパスがなされる。そして当該圧延材12の他方端部から圧延機16を通って圧延され、然る後、他方のコイラーファーネス14を構成する保温炉26の出入り口50を通ってコイラードラム24’の開口部38’に挿入され、その状態でコイラードラム24’のドラム本体24a’に圧延材12が巻き取られる。このように2つのコイラーファーネス14間で圧延材12がやり取りされながら、圧延機16で圧延材12が所定厚さになるまで圧延される。
なお、「コイラードラム」の具体的構成及び動作については、特許第3419699号公報(特許文献1)が参考になる。
特許第3419699号公報
従来のステッケルミル10’(図1)では、コイラードラム24’の開口部38’に圧延材12の端部が挿入され、その状態でコイラードラム24’のドラム本体24a’に圧延材12が巻き付けられるため、圧延材12が巻き付けられる初期段階では、図11に示すように、圧延材12の端部が係止する係止部32’の直上部分において、圧延材12が形成するカーブとコイラードラム24’の外面の膨らみとが合致せず、これらの間に隙間Sが生じていた。そのため、特に第1巻き目から第2巻き目の圧延材12の巻き付け過程において、圧延材12の締め付け力により隙間Sが押し潰されると、その分だけ圧延材12の第1巻き目がコイラードラム24’の外面をスリップする。
コイラードラム24’は高温中で、高い張力をかけて圧延材12の巻き取りを行うため、圧延材12との接触面において、次第に堆積物(例えば酸化物)の堆積或いは表面変形が発生して凹凸を生じる。そして、この巻き取り作業中に次第に生成されたコイラードラム24’表面(特に、開口部38’のガイド板状部30’側の長手内側縁38a’外面上)の堆積物の凹凸或いは表面変形の凹凸によって圧延材12の表面に前記スリップによる「かき傷」と称される表面欠陥が生じることがあった。特に、第1パス目に形成された「かき傷」はその後の圧延作業により細長く伸ばされるため、先端のかなり長い面積部分が不良部分となって製品として使用することができず、圧延材12の歩留りが低下するという問題があった。
それゆえに、本発明の主たる課題は、圧延材の第1巻き目のコイラードラムとの接触面に発生し易い「かき傷」、特に、第1パス目の「かき傷」の発生を防止することにより、圧延材の歩留りを向上させることのできるコイラードラム及び圧延設備を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「圧延機16の両側に配置され、圧延材挿脱用の出入り口50を有する保温炉26内に回転自在に配置され、前記保温炉26の内部において圧延材12の巻き取り又は送り出しを行うコイラードラム24であって、
前記保温炉26内に挿し込まれた前記圧延材12の端部が挿入される開口部38を有し、前記圧延材12が巻き付けられる略円筒状のドラム本体28、
前記開口部38における一方の長手内側縁38aから前記ドラム本体28の内側へ向かって傾斜して形成され、前記開口部38から前記ドラム本体28の内側へ前記圧延材12の端部を導入するガイド板状部30、
前記開口部38における他方の長手内側縁38bに前記ガイド板状部30と対向して形成され、前記圧延材12を巻き取る際に前記圧延材12の端部を係止する係止部32を備えており、
前記係止部32の外面32b及びそれに連なる前記ドラム本体28の外面は、前記圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみに合致する膨らみ(以下、この部分を膨らみ部28aとする。)を有する曲面に形成されていることを特徴とするコイラードラム」であり、請求項2に記載した発明は、前記膨らみ部28aに関し、「前記膨らみ(即ち、膨らみ部28a)を構成する曲面の半径rはドラム本体28の半径Rより小に形成され、ドラム本体28と膨らみ部28aの境界部分28bは直線或いはなだらかな凸曲面で繋がれている」ことを特徴とする。また、請求項3では「膨らみ部分のドラム本体28の外面に対する高さPは、ドラム本体の直径の1.5%〜2.5%である」ことを特徴とする。
本発明によれば、係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面が、圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみ(この膨らみは後述の数値実験からも分かるように、圧延材12の肉厚によって大きく変化しない。)に合致する膨らみを有する曲面(膨らみ部28a)に形成されているので、コイラードラム24に圧延材12を巻き取る初期段階からコイラードラム24の外面に圧延材12を沿わせることができる。したがって、コイラードラム24の係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面と、圧延材12との間に従来のような隙間S(図11)が生じることはなく或いはこれを大幅に減じて、圧延材12のスリップによる「かき傷」の発生を防止できる。なお、後述するように膨らみ部28aが過大になるとコイラードラム24が偏心してスムーズな回転を阻害するので、膨らみ部28aの大きさは自ずとその限界があり、最大はドラム本体の直径の2.5%以下が実用上回転に支障を生じず好ましい。
請求項4に記載した発明は、「圧延材12を互いにやり取りする2つのコイラーファーネス14と、前記コイラーファーネス14間に配設され、前記圧延材12を圧延する圧延機16とを備える圧延設備10において、前記コイラーファーネス14のそれぞれは、請求項1〜3のいずれかに記載したコイラードラム24と、前記コイラードラム24を収容する保温炉26とを有していることを特徴とする圧延設備10」である。
請求項1〜4に記載した発明によれば、圧延材12を巻き取る初期段階からコイラードラム24の外面(特に、係止部32の外面)に圧延材12を沿わせることができるので、圧延材12のスリップによる「かき傷」の発生を防止でき、圧延材12の歩留りを向上させることができる。
図1は、本発明が適用された圧延設備10を示す簡略図である。この圧延設備10は、ステンレススラブ等を繰り返し圧延することによって、所定厚さの圧延材12(例えば、ホットコイル)を製造するものであり、圧延材12を互いにやり取りする2つのコイラーファーネス14と、コイラーファーネス14間に配設され、圧延材12を圧延する圧延機16と、圧延材12の厚さを測定する板厚測定装置18と、圧延材12をコイラーファーネス14へ搬送する(或いは逆にコイラーファーネス14から搬出する)複数の搬送ローラ20と、搬送される圧延材12をコイラーファーネス14の出入り口50へガイドする複数のガイドローラ22とによって構成されている。
コイラーファーネス14は、図1に示すように、コイラードラム24と、コイラードラム24を収容する保温炉26及びこれらの回転駆動装置(図示せず)とによって構成されている。48は保温炉26のハウジングである。
コイラードラム24は、保温炉26の内部において圧延材12の巻き取りおよび送り出しを行うものであり、図2〜図8に示すように、開口部38が形成されたドラム本体28と、ガイド板状部30と、係止部32と、内面に形成された複数の周方向リブ34と、複数の軸方向リブ36とを有している。
ドラム本体28は、外周面に圧延材12が巻き付けられる略円筒状の部材(通常は、中央部分が周辺部より若干膨れた太鼓状)であり、ドラム本体28の周壁には、圧延材12の端部が挿入されるスリット状(或いは長方形状)の前記開口部38が軸方向へ延びて形成されている。また、ドラム本体28の軸方向両端部には、回転駆動装置(図示省略)の回転軸に取り付けられるフランジ40が、テーパ状(或いはビンの頸のような形状)に縮径された縮径部42を介して形成されており、このフランジ40には、固定ボルト(図示省略)が挿通される複数のボルト挿通孔44が形成されている。そして、この中空ドラム本体28に対して、ガイド板状部30、係止部32、内部に複数の周方向リブ34および複数の軸方向リブ36が一体的に形成されている。なお、コイラードラム24にはコイラーファーネス14内に設置された時、図示しないシャフトが挿通されている。前記シャフトには耐火材が張着されている。
ガイド板状部30は、開口部38からドラム本体28の内側へ圧延材12の端部を導入する帯板状の部分であり、開口部38における一方の長手内側縁38aからドラム本体28の内側へ向かって所定角度で傾斜して形成されている。そして、ガイド板状部30には、圧延設備10のメンテナンス時に行われるコイラーファーネス14の昇温或いは冷却時に発生して、ガイド板状部30に加わる熱応力(或いは熱歪み)或いはその他の応力を逃がすための複数のスリット38cが軸方向に対して直角方向に形成されており、スリット38cの基部には、応力集中を避けるための円形孔38dが形成されている。
係止部32は、開口部38に挿入された圧延材12を係止する部分であり、開口部38における他方の長手内側縁38bにガイド板状部30と対向して形成されている。係止部32の厚さは、圧延材12から付与される締め付け力及び巻き取り時の張力による曲げ応力に耐え得る強度を確保するために、ドラム本体28の厚さよりも十分に厚く設定されている。また、係止部32の係止面32aは、ガイド板状部30に沿って導入された圧延材12の端部を受け取るために、ガイド板状部30のガイド面30aと対向する所定角度(奥に行くほど次第に開口幅が狭くなるよう)に傾斜して形成されている。
そして、係止部32における開口部38よりも外側の部分及びそれに連なる部分は、少なくとも係止部32の外面32bの全長にわたって巻き取り初期段階(特に、第1パス目の巻き取り初期段階)に膨らんだ圧延材12の内面に当接するように従来よりも外側へ膨らんで形成されており、この膨らんだ部分(図5中の格子線で示した部分が「膨らみ部28a」である。)の外面、すなわち「係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面」は、巻き取り初期段階における圧延材12のスリップを防止するために、「圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみ」に合致する膨らみを有する曲面に形成されている。
ここで、「合致する」とは、厳密な意味でなく、いうなれば「形状及び位置がある幅を持って一致する」という意味であり、膨らみ部28aの「曲率」だけでなく「膨らみの程度」もがほぼ一致することを意味する。換言すれば「スリップ」が実質的に認められない範囲(スリップ長がほぼゼロの範囲)を言う。また、「第2巻き目が重なる直前」とは、「圧延材12の端部を開口部38に挿入した状態で圧延材12に張力を付与しながら最初の一巻きを完了する直前」を意味し、「第2巻き目が重なる直前における膨らみ(特に、第1パス目の膨らみが重要)」の程度は、ドラム本体28の直径、圧延材12の材質、厚さ又は圧延材12に加えられる張力或いはこれによる締め付け力等によって定まるものであるが、後述の数値実験から分かるようにほぼ一定である。
なお、「係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面の膨らみ」を「圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみ」と合致させるようにしたのは、これらの膨らみが合致するときに圧延材12のスリップをドラム本体28の回転性を損なうことなく有効に防止できるからであり、かかる効果は、発明者による以下の実験により確認されている。
[数値実験]
(a)実験方法
図9に示すように、ドラム本体28に厚さの異なる3種類(厚さ:15mm,17mm,19mm)の圧延材12を巻き取ったときの「圧延材の膨らみ高」、「スリップ長」、「接触面圧」及び「摩擦力」を測定した(図9)。ドラム本体28の直径は1460mmであり、装置能力の面から±10%の増減は可能である。本実験例ではドラム本体28の直径は1460mmとした。また、ドラム本体28の長さは本実験例では2200mmである。
この際、「圧延材の膨らみ高」については、膨らみ部28aが形成されていない従来のドラム本体24a’を用いて係止部32’の外面32b’において、ドラム本体24a’が巻き取り開始から180度回転した時点と360度回転した時点において測定した。つまり、従来のドラム本体(図11)の係止部32’の外面32b’およびその近傍において、当該回転時点におけるコイラードラム24’の外面と圧延材12との間に生じた隙間Sの最大高さを「圧延材の膨らみ高さ」として測定した。なお、前記360度回転した時点は、前記「第2巻き目が重なる直前」に相当する。また、「スリップ長さ」、「接触面圧」及び「摩擦力」については、膨らみ部28aの高さが0mmである従来のドラム本体24a’(図11)と、膨らみ部28aの高さPが異なる8種類(高さ:15mm、25mm、35mm、45mm、55mm、65mm、75mm、85mm)のドラム本体28(図5)について測定した。なお、第1巻き目で形成された圧延材12の膨らみの上に圧延材12の第2巻き目が巻き付けられる過程で、ガイド板状部30に連なるドラム本体の長手内側縁38aの近傍に生じた圧延材12とドラム本体28の相対変位の総量を「スリップ長さ」とし、圧延材12の表面に生じた単位面積当たりの荷重の、圧延材12の表面に垂直な成分の最大値を「接触面圧」、圧延材12の表面に平行な成分の最大値を「摩擦力」とした。なお、本実験で用いた圧延材12の材質はステンレス鋼である。
(b)実験結果
図9の表より、圧延材12の厚さ(15mm、17mm、19mm)に拘わらず、360度回転した時点における「圧延材の膨らみ高」は「24〜25mm」でほぼ一定であり、厚さによる変動が少ないことが分かる。また、全ての厚さにおいて、「膨らみ部28aの高さP」が25mm以上のときに、「かき傷」解消に最も有効な「スリップ長さ」の急減が実現し、かつ「かき傷」発生の原因となる接触面圧及び摩擦力も抑制できることが分かる。(なお、圧延材12の厚さ(17mm、19mm)にあっては、Pが15mmの場合でもスリップ長はほぼゼロであるが、板厚によってP値を変えることが出来ないので、全板厚に共通する範囲Pが25mm以上を採用した)。
このことから、「膨らみ部の高さP」が「360度回転した時点における圧延材の膨らみ高」とほぼ一致するとき、換言すると、「係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面の膨らみ(即ち、膨らみ部28a)」が「圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみ」と合致するときに「スリップ」を有効に防止できることが分かる。
また、Pが0の場合に対してPが15mmではいずれの板厚でもスリップは急減し、25mmではいずれの板厚でもスリップゼロを達成している。従って、Pが25mm以上について、スリップ解消による歩留まり向上に関しては、「臨界的意義」を認めることが出来る。
なお、「係止部32の外面32b及びそれに連なるドラム本体28の外面の膨らみ(即ち、膨らみ部28a)」が「圧延材12の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみ」と「合致」しなくても、それより高ければ「スリップ」を有効に防止できるとも言えるが、この高さが高くなり過ぎるとドラム本体28の断面形状が真円から遠ざかるため、ドラム本体28の回転性が損なわれる。したがって、「合致」することが「スリップ防止」及び「回転性」の両面において最も好ましいと言え、これを数値的に言えば、膨らみ部28aの最大高さPは25mm〜35mmが「合致範囲」といえる。ここで、膨らみ部28aの最大高さPが25mm未満であると板厚15mmでは「スリップ長」が発生して「かき傷」を有効に防止できず、逆に35mmを超えると、「スリップ長」を抑制して「かき傷」を解消することができるものの膨らみ部28aの重量が過大となり、ドラム本体28の円滑な回転性が損なわれる。以上から膨らみ部分のドラム本体の外面に対する高さPは、膨らみ部分の高さP/ドラム本体の直径が1.5%〜2.5%となる範囲であることが最適であるといえる。
圧延設備を示す簡略図 コイラーファーネスを構成するコイラードラムを示す斜視図 コイラードラムを示す正面図 コイラードラムの中央断面図 図4におけるV−V線切断端面図 図4におけるVI−VI線切断端面図 図4におけるVII−VII線切断端面図 図4におけるVI−VI線の断面図 スリップ防止効果を検証する実験結果を示す表 圧延材をコイラードラムに巻き取る状態を示す部分断面図 従来のコイラーファーネスを構成するコイラードラムを示す断面図
符号の説明
10… 圧延設備
12… 圧延材
14… コイラーファーネス
16… 圧延機
18… 板厚測定装置
24… コイラードラム
26… 保温炉
28… ドラム本体
30… ガイド板状部
32… 係止部
32a… 係止部の内面
32b… 係止部の外面
34… 周方向リブ
38… 開口部
38a,38b… 長手内側縁
38c… スリット
40… フランジ
42… 縮径部
44… ボルト挿通孔
48… ハウジング
50… 出入り口

Claims (4)

  1. 圧延機の両側に配置され、圧延材挿脱用の出入り口を有する保温炉内に回転自在に配置され、前記保温炉の内部において圧延材の巻き取り又は送り出しを行うコイラードラムであって、
    前記保温炉内に挿し込まれた前記圧延材の端部が挿入される開口部を有し、前記圧延材が巻き付けられる略円筒状のドラム本体、
    前記開口部における一方の長手内側縁から前記ドラム本体の内側へ向かって傾斜して形成され、前記開口部から前記ドラム本体の内側へ前記圧延材の端部を導入するガイド板状部、
    前記開口部における他方の長手内側縁に前記ガイド板状部と対向して形成され、前記圧延材を巻き取る際に前記圧延材の端部を係止する係止部を備えており、
    前記係止部の外面及びそれに連なる前記ドラム本体の外面は、前記圧延材の巻き取り初期段階の第2巻き目が重なる直前における膨らみに合致する曲面に形成されていることを特徴とするコイラードラム。
  2. 前記膨らみを構成する曲面の半径はドラム本体の半径より小に形成され、ドラム本体と膨らみ部分の境界部分は直線或いはなだらかな凸曲面で繋がれていることを特徴とする請求項1に記載のコイラードラム。
  3. 膨らみ部分のドラム本体の外面に対する高さPは、ドラム本体の直径の1.5%〜2.5%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイラードラム。
  4. 圧延材を互いにやり取りする2つのコイラーファーネスと、前記コイラーファーネス間に配設され、前記圧延材を圧延する圧延機とを備える、圧延設備において、
    前記コイラーファーネスのそれぞれは、請求項1〜3にいずれかに記載したコイラードラムと、前記コイラードラムを収容する保温炉とを有していることを特徴とする圧延設備。
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