JP2008264631A - 排ガス浄化用フィルタ触媒 - Google Patents

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【課題】 本発明は、フィルタ隔壁へのパティキュレートの許容堆積量を増大させて、再生処理の頻度を低減して燃費の悪化を生じることのない排ガス浄化用フィルタ触媒を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、セラミックハニカム構造体であって、ガス流入孔と、ガス流出孔と、このガス流入孔とガス流出孔とを区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを持つフィルタ本体と、少なくともガス流出孔を複数の副孔に分ける副隔壁と、その副隔壁の表面に形成された排ガス浄化層とを有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス浄化用フィルタ触媒に関する。より詳しくは、ディーゼルエンジン等の排気ガス中に含まれるパティキュレート(粒子状物質)を捕集して処理するウォールフロー型のディーゼル排ガス浄化用フィルタ触媒に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガスによる環境汚染において問題となっているのはNOxとパティキュレートである。このパティキュレートは、微粒子状物質であり、主として固体状炭素微粒子(SOOT)と有機溶媒可溶分(SOF)とからなっている。このようなパティキュレートの処理手段としては、セラミック製の目封止タイプのハニカム体(ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPFという))が知られている。DPFは、セラミックハニカム構造体のセル下流端の開口部を目封止したガス流入孔と、セル上流端の開口部を目封止したガス流出孔と、ガス流入孔とガス流出孔とを区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁を持つものであり、フィルタ隔壁の細孔で排ガスを濾過してフィルタ隔壁にパティキュレートを捕集することでパティキュレートの排出を抑制するものである。
しかしDPFでは、パティキュレートの体積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したパティキュレートを定期的に除去して再生する必要がある。
従来は、圧損が上昇した場合にバーナあるいは電気ヒータなどで堆積したパティキュレートを燃焼させることでDPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、パティキュレートの体積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、それによる熱応力でDPFが破損する場合もある。
そこで近年では、DPFのセル隔壁にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)等の貴金属からなる触媒金属を担持した連続再生式DPFが開発されている。
このような連続再生式のフィルタとして、フィルタ隔壁の表面や内部に形成された気孔内に触媒金属が担持され、この気孔内にパティキュレートを導入して燃焼させる排ガス浄化用フィルタ触媒が提案されている(特許文献1参照)。かかる排ガス浄化用フィルタ触媒は、フィルタの隔壁の気孔の表面に均一に触媒が担持されているので、この気孔内でパティキュレートを燃焼させて効率的に除去するものである。
しかしながら、上記の排ガス浄化用フィルタ触媒は、フィルタ隔壁の表面上にコート層を形成して触媒を担持させる従来のフィルタに比べて、コート層の厚さが薄いので、担持させる触媒の総量が少ない。そのため燃焼により除去されるパティキュレートよりも捕集されるパティキュレートの方が多く、徐々にパティキュレートが堆積することにより、排ガスのフィルタ隔壁の通過を阻害してフィルタの圧損が増大することがある。
このため、パティキュレート堆積量が所定量に到達した時点で、ポスト噴射あるいは軽油噴霧などによって排ガス中に燃料を添加して堆積したパティキュレートを強制的に燃焼させるDPF再生処理が必要である。このDPF再生処理は排ガス浄化用フィルタ触媒の床温を600〜650℃にコントロールして行われるが、フィルタ隔壁の気孔表面上には均一に触媒が担持されているので、この気孔内でパティキュレートが完全燃焼されて発熱量が増大する。また、この排ガス浄化用フィルタ触媒は、燃焼により発生した熱がセル壁内部を通過するウオールフロー型の構造のために受熱効率が高い。このため、パティキュレートの堆積量が多い場合には、熱の蓄積が増大して熱応力により破損するおそれがあった。そこでパティキュレートの堆積量を抑制して頻繁に燃焼させる必要があり、再生頻度の増加による燃費悪化の一因にもなっていた。
特開平9−94434号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、フィルタ隔壁へのパティキュレートの許容堆積量を増大させて、再生処理の頻度を低減して燃費の悪化を生じることのない排ガス浄化用フィルタ触媒を提供することを課題とする。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、セラミックハニカム構造体であって、ガス流入孔と、ガス流出孔と、このガス流入孔とガス流出孔とを区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを持つフィルタ本体と、少なくともガス流出孔を複数の副孔に分ける副隔壁と、その副隔壁の表面に形成された排ガス浄化層とを有することを特徴とする。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒において、排ガス浄化層は、多孔質酸化物と酸化触媒とからなる酸化触媒層を含むものとすることができる。
また、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒において、副隔壁は、ガス流出孔の略四角形の断面を略一文字状に二分割あるいは略十文字状に四分割するものとすることができる。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、排気ガス流に対して、入口端が開放され出口端が目封止されたガス流入孔と、入口端が目封止され出口端が開放されたガス流出孔と、このガス流入孔とガス流出孔とを区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを有するウォールフロー型の排ガス浄化用フィルタ触媒であって、ガス流出孔に排ガス浄化層を形成した副隔壁が設けられている。ガス流入孔へ流入した排気ガス中のパティキュレートは、フィルタ隔壁によって捕集されフィルタ隔壁の内部または表面上に堆積する。捕集されたパティキュレートは再生処理により燃焼されるが、フィルタ隔壁には排ガス浄化層は形成されていないので、フィルタ隔壁上ではCOガスとCOガスとを生じる不完全燃焼となる。このため、パティキュレート燃焼時の発熱量が小さく、排ガス浄化用フィルタ触媒の温度上昇は低くなる。不完全燃焼により生じたCOガスは、フィルタ隔壁内を通過してガス流出孔へ進入し、ガス流出孔に設けられた副隔壁に沿って流出する。この時、COガスは、副隔壁に形成された排ガス浄化層の酸化触媒と接触するのでその触媒作用によってCOガスとなる。この酸化反応により生じる反応熱は、主として排ガスとともに外部へ放出され副隔壁に蓄熱されることは少ないので、排ガス浄化用フィルタ触媒を過熱させることはない。従って、従来よりも多量のパティキュレートをフィルタ隔壁に堆積させることができ、結果的にDPF再生処理の頻度を低下させることができる。つまりDPF再生処理による排ガス浄化用フィルタ触媒の破損を回避するとともに、燃費の悪化を抑制することができる。
本発明の好適な一実施の形態を図1及び2を参照しながら説明する。
図1に本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒の構成を模式的に示す。(a)は本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒の部分断面図であり、(b)は、排ガス浄化用フィルタ触媒を排ガス入り側(A視)から見た部分平面図であり、(c)は、排ガス出側(B視)から見た部分平面図である。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒10は、フィルタ本体12と副隔壁14とこの副隔壁14に形成した排ガス浄化層16とを有する。
フィルタ本体12は、多孔質セラミックハニカム構造体であって、ガス流入孔18と、ガス流出孔20と、これらを区画してガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁22とを有する。ここで、多孔質セラミックハニカム構造体は、1mm〜2.5mm程度のセル径を有する蜂の巣状のセル複合体からなるものであり、該セル複合体の各セルはセル孔がフィルタ隔壁22によって囲まれて形成されている。フィルタ隔壁は、0.15mm〜0.5mm程度の壁厚を持つ。
また、ガス流入孔18は、排ガスGがフィルタ本体12に侵入する際の入口となるセル孔であり、排ガス流れ方向の上流側に位置するセル上流端が開口し、排ガス下流側に位置するセル下流端が目封止されて閉口したセル孔である。ガス流出孔20は、排ガスGがフィルタ本体12を流通する際に排ガスGの出口となるセル孔であり、セル上流端が目封止されて閉口し、セル下流端が開口したセル孔である。ガス流入孔18からフィルタ本体12に侵入した排ガスGはフィルタ隔壁22を通過し、パティキュレートが濾過された排ガスがガス流出孔20から排出される。
フィルタ本体12は耐熱性セラミックスで形成されたものを使用できる。具体的には市販の多孔質ハニカム型セラミック製DPFを使用することもでき、原料としては、一般的に使用されるコージェライトやSiCなどの耐熱性セラミックス原料を用いることができる。ここで良好な排ガスの浄化を行うためにはガス流入孔18とガス流出孔20とからなるセル密度が31.0セル/cm以上であることが好ましい。
副隔壁14は、フィルタ本体12の少なくともガス流出孔20を複数の副孔20aに分ける隔壁であり、ガス流出孔20とほぼ平行にセル下流端に向かって延在している。このため、副隔壁14は圧損に対する関与が小さく、パティキュレート捕集能も大きくない。
フィルタ本体12のガス流出孔20の断面を略四角形とし、ガス流出孔20を副隔壁14によって二分割、あるいは四分割した場合、フィルタ本体12にガスが流入する際のガス流入抵抗を余り上昇させることなく副隔壁14を設けることが可能であり、その厚さは50〜300μm程度とするとよい。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒10においては、副隔壁14のみに酸化触媒を担持した排ガス浄化層16が形成されており、フィルタ隔壁22にはこのような排ガス浄化層は形成されていない。
フィルタ隔壁22はその内部及び/またはその表面にガス流通の際のガス流路となる細孔(図示しない)を有する。細孔の大きさは特に限定はないが、この細孔内にパティキュレートを導入してこの細孔内でパティキュレートを捕集するためには、パティキュレートが流入できる程度の大きさにするとよい。具体的には、パティキュレートの平均粒径は10〜30nmであり、また、パティキュレートは通常直鎖状に繋がっているので、細孔の大きさはこれより大きくすることが好ましく、20〜40μm程度にするとよい。
また、副隔壁14の表面に形成される排ガス浄化層は、多孔質酸化物と酸化触媒とからなる酸化触媒層を有する。
多孔質酸化物は、比表面積が大きい酸化物であり、例えば、Al、ZrO、CeO、TiO、SiO、ゼオライトなどの酸化物あるいはこれらの複数種からなる複合酸化物を使用することができる。
酸化触媒は、触媒反応によってパティキュレートの酸化を促進するものであればよく、Pt、Rh、Pd等の貴金属および、Ag、Cu、Fe、Ni、Co、Mn等の金属から選ばれる一種または複数種を用いることができる。中でも、Pt、Rh、Pd等の貴金属が好適である。
排ガス浄化層は少なくとも上記の多孔質酸化物と酸化触媒とを含むことが好ましいが、その他、NOx吸着剤、NOx吸蔵還元触媒などに代表される種々の排ガス浄化成分を含有する層としてもよい。排ガス浄化層はこれら各排ガス浄化成分を混合して一層とすることもできるし、また各々の排ガス浄化成分を別々の層に形成した2層以上の多層としてもよい。
次に、図2を参照しながら本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒10の作用について説明する。図2は、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒10の作用を説明する部分断面模式図であり、フィルタ隔壁22にはパティキュレートPが堆積している。
フィルタ本体12のセル上流端からガス流入孔18に流入した排ガスG中のパティキュレートPは、フィルタ隔壁22によって捕集されてフィルタ隔壁22のガス流入孔18の表面やフィルタ隔壁内に堆積する。フィルタ隔壁22には酸化触媒層(排ガス浄化層)が形成されていないので、パティキュレートPのフィルタ隔壁22への堆積量は徐々に増加する。パティキュレートの堆積が所定量に到達すると(差圧が所定値以上になると)、ポスト噴射あるいは軽油噴霧などによって燃料が排ガス中に添加されるので、堆積したパティキュレートPは強制的に燃焼される。
しかし、上記のようにフィルタ隔壁22には酸化触媒を担持した排ガス浄化層が形成されていないので、パティキュレートPは完全燃焼することができず不完全燃焼してCOガスとCOガスとを生じる。このCOガスとCOガスとを含む不完全燃焼ガスgは、フィルタ隔壁22の細孔を通過してガス流出孔20に流入し、副隔壁14に接触しながらガス流出孔20内を流出端方向に流通する。副隔壁14には酸化触媒を担持した排ガス浄化層16が形成されているので、不完全燃焼ガス中のCOガスはこの酸化触媒16に接触することで酸化が促進され、COガスとなってガス流出孔20から大気中に放出される。
すなわち、フィルタ隔壁22の表面及び内部における不完全燃焼による発熱量は、触媒作用を伴う完全燃焼による発熱量に比べて小さく、また、副隔壁では不完全燃焼で発生したCOガスのみを触媒作用で酸化させるので、その発熱量も小さい。従って、捕集されたパティキュレートを2段階に分けて完全燃焼させることになるので、燃焼による発熱量が分散され排ガス浄化用フィルタ触媒の床温上昇を抑制することができる。このように、パティキュレートの堆積量が同じであれば、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒を用いることで、従来の排ガス浄化用フィルタ触媒に比べて再生処理時の床温を低くすることができる。言い換えると、再生処理時の床温が同じであれば、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、従来の排ガス浄化用フィルタ触媒に比べてより多くのパティキュレートをフィルタ隔壁に堆積することが可能である。つまり、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、パティキュレートの再生限界量(パティキュレート堆積許容限界量ともいう)を増大させることができる。
以下、実施例と比較例とにより本発明の排ガス浄化フィルタ触媒について更に詳しく説明する。
<排ガス浄化用フィルタ触媒>
(実施例)
本実施例の排ガス浄化用フィルタ触媒は、フィルタ本体と、フィルタ本体のガス流出孔を十字状に四分割する副隔壁とを有し、副隔壁には酸化触媒層が形成されている。
フィルタ本体の材料としては断面φ160mm、長さ100mmのコージェライト製多孔質セラミックハニカム構造体を用いた。この多孔質セラミックハニカム構造体は容積2リットル、気孔率65%、セル密度46.5cells/cmであり、ガス流入孔となるセル孔のセル下流端と、ガス流出孔となるセル孔のセル上流端とを、フィルタ本体と同材料によりなる目詰め栓で封止してフィルタ本体としたものである。
ガス流出孔は四角形の断面を持ち、副隔壁によって十字状に四分割されて、セルの一辺が0.5mmの四角形の断面を持つ副孔に分けられている。また、ガス流入孔は四角形の断面を持ちセル径1.2mmであり、フィルタ隔壁の壁厚は0.3mm、副隔壁の壁厚は0.15mmである。
排ガス浄化層は、多孔質酸化物として平均粒径1μmのAlを含み、酸化触媒としてのPtが担持されている。この排ガス浄化層(酸化触媒層)は副隔壁の表面には形成されているが、フィルタ隔壁には形成されていない。
上記のような本実施例の排ガス浄化用フィルタ触媒は、以下のようにして作製した。
まず、平均粒径0.5μmのAl粉末20質量%、アルミナゾルなどのバインダ5質量%を含むスラリーを調整した。次いで、このスラリー中にフィルタ本体の排ガス流入端側が鉛直方向の上側となるようにして浸漬した。このようにしてガス流出孔のフィルタ隔壁と副隔壁表面にスラリーを付着させた。 この後、フィルタ本体をスラリーから取り出し、フィルタ本体のガス流出孔側から吸引してフィルタ隔壁に付着したスラリーをガス流入孔からの吸引空気によって除去した。この時、空気は副隔壁の表面に沿ってガス流出孔内を流通するので、副隔壁に付着したスラリーは副隔壁の表面に残存している。この後、フィルタ本体を250℃で乾燥し、さらに500℃で30分間焼成して副隔壁の表面に酸化触媒を担持させる多孔質酸化物層を形成した。
続いて、この多孔質酸化物層が副隔壁に形成されたフィルタ本体をジニトロジアミン白金を含む硝酸水溶液に浸漬して副隔壁の表面の多孔質酸化物層にPtを担持させた。そして、前記と同様にフィルタ本体のガス流出孔側から吸引して、フィルタ隔壁に含浸したジニトロジアミン白金を含有する水溶液を除去した。このようにして副隔壁のみにPtを担持させたフィルタ本体を250℃で乾燥し、さらに500℃で30分間焼成して副隔壁の表面にPtを担持した酸化触媒層を有する実施例の排ガス浄化用フィルタ触媒を得た。このようにして得られた実施例のフィルタ触媒の副隔壁にはフィルタ本体の容積1リットルあたり30gのAlが保持されており、酸化触媒層におけるPtの担持量は、フィルタ本体の容積1リットルあたり0.5gであった。
(比較例)
本比較例の排ガス浄化用フィルタ触媒は、従来の排ガス浄化用フィルタ触媒であり、フィルタ本体のフィルタ隔壁に酸化触媒を含む排ガス浄化層が形成されている。
フィルタ本体の材料としては断面φ160mm、長さ100mmのコージェライト製多孔質セラミックハニカム構造体を用いた。この多孔質セラミックハニカム構造体は容積2リットル、気孔率65%、気孔の大きさ10〜100μm、セル密度46.5cells/cmであり、ガス流入孔となるセル孔のセル下流端と、ガス流出孔となるセル孔のセル上流端とを、フィルタ本体と同材料によりなる目詰め栓で封止してウォールフロー型のフィルタ本体としたものである。なお、副隔壁は備えていない。また、ガス流入孔とガス流出孔は四角形の断面を持ちセル径1.2mmであり、フィルタ隔壁の壁厚は0.3mmである。
排ガス浄化層は、多孔質酸化物として平均粒径0.5μmのAlを含み、酸化触媒としてのPtが担持されている。この排ガス浄化層はフィルタ隔壁の表面と内部の気孔表面に形成されている。
排ガス浄化層は、Ptをフィルタ本体の容積1リットルあたり0.5g保持し、フィルタ隔壁にはフィルタ本体の容積1リットルあたり30gのAlを保持している。
上記のような本比較例の排ガス浄化用フィルタ触媒は、以下のようにして製作した。
まず、平均粒径0.5μmのAl粉末20質量%、アルミナゾルなどのバインダ5質量%を含むスラリーを調整し、上記のフィルタ本体のガス流入孔側からこのスラリーを吸引してフィルタ隔壁にAlスラリーを含浸させた。この後、フィルタ本体をスラリーから取り出してフィルタ本体のガス流出孔側からさらに吸引して余分なスラリーを除去した。次いで、フィルタ本体を250℃で乾燥し、さらに500℃で30分間焼成してフィルタ隔壁の表面と内部に酸化触媒を担持させる多孔質酸化物層を形成した。
続いてこの多孔質酸化物層が形成されたフィルタ本体の流入孔側からPt粉末9質量%を含む硝酸水溶液を含浸させてフィルタ隔壁の内部及び表面の多孔質酸化物層にPtを担持させた。この後、250℃で乾燥し、さらに500℃で30分間焼成してフィルタ隔壁の表面と内部に排ガス浄化層を有する比較例の排ガス浄化用フィルタ触媒を得た。
<パティキュレート燃焼試験>
上記の実施例及び比較例の排ガス浄化用フィルタ触媒を用いてパティキュレート燃焼試験を実施し、ハニカム構造体が破損することなくDPF再生処理が可能な各々のパティキュレート堆積許容限界量を求めた。
まず、実施例及び比較例の各排ガス浄化用フィルタ触媒について、パティキュレートの堆積量を変化させて各々5水準の供試フィルタ触媒を作製した。なお、各供試フィルタ触媒のパティキュレート堆積量はパティキュレートの捕集時間を変えることにより変化させた。
次に、図3に示すように、得られた供試フィルタ触媒10の上流側にストレートフロー型の酸化触媒30を配置して排ガス浄化用装置50とした。ストレートフロー型の酸化触媒30は、乗用車のディーゼルエンジンの酸化触媒として通常用いられるものであり、ここでは18461−0R030(容量:1.3L、Pt:3g/L)を用いた。この排ガス浄化用装置50をディーゼルエンジンの排気側に設置して約300℃の排ガスGを流入させた。この時、エンジンの運転条件は、回転数:2000rpm、トルク:100N・m、吸入空気量(Ga):40g/sであった。そして、酸化触媒30の出側p1における温度が300℃に到達したところで、軽油噴霧40を開始した。軽油噴霧量は一定値とした。噴霧された軽油が酸化触媒30で燃焼されて供試フィルタ触媒10の床温(図3のp2点で測定)が700℃に到達したところで軽油噴霧40を停止して運転条件をアイドル条件(エンジン回転数:700rpm、トルク:0N・m、Ga=12g/s)とした。この間、供試フィルタ触媒10の流出側近傍のp3点における温度変化を測定し、パティキュレートの燃焼によって生じる最高温度Tmaxを求めるとともに、供試フィルタ触媒を取り出して破損の有無を目視確認した。
このようにして得られたパティキュレート堆積量と最高温度Tmax、クラックの発生限界との関係を図4に示す。ここで、○は、パティキュレート燃焼試験後、目視検査によりクラックが認められなかったもの、×は、クラックが認められたものである。
図4から最高温度Tmax(℃)は、パティキュレート堆積量Mに比例して増加することが分かる。実施例の供試フィルタ触媒により得られた結果を実線Iで、また、比較例の供試フィルタ触媒により得られた結果を破線IIで示した。すなわち、パティキュレート堆積量が同じであれば、実線Iの最高温度Tmax(℃)は破線IIの最高温度Tmax(℃)に対して低下していることが分かる。なお、図4のグラフでは、パティキュレート堆積許容限界量Mは比較例のパティキュレート堆積許容限界量を1とした比率で示してある。
本試験では、実施例のパティキュレート堆積許容限界量は1.4であった。つまり、実施例の排ガス浄化用フィルタ触媒は、従来の排ガス浄化用フィルタ触媒の1.4倍のパティキュレートを堆積でき、その再生頻度を低減できるので、従来の排ガス浄化用フィルタ触媒に比べて燃費を向上することができるわけである。
なお、本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、上記の実施例では、副隔壁をガス流出孔の断面略四角形の辺に垂直に設けたが、図5に示すように対角線状に設けてもよい。図5は、排ガス浄化フィルタ触媒を排ガスの流出側から見た部分平面図であり、図1と同様の箇所には同一の符号を付してある。副隔壁14をガス流出孔20の対角線上に設けることでハニカム構造体の剛性を高めることができる。また、ガス流入孔にもガス流出孔と同様に排ガス浄化層を有する副隔壁を設けてもよい。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒は、ディーゼルエンジン等の排ガス中に含まれるパティキュレートを捕集して処理するウォールフロー型排ガス浄化用フィルタ触媒として好適である。
本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒の構成を示す模式図であり、(a)は部分断面図、(b)は、排ガス浄化用フィルタ触媒を排ガス入り側(A視)から見た部分平面図、(c)は、排ガス出側(B視)から見た部分平面図である。 本発明の排ガス浄化用フィルタ触媒10の作用を説明する部分断面模式図である。 パティキュレート燃焼試験に用いた排ガス浄化用装置の構成を説明する概略図である。 パティキュレート堆積量と触媒床温との関係を示すグラフである。 副隔壁の他の態様を示す排ガス出側から見た部分平面図である。
符号の説明
10:排ガス浄化用触媒 12:フィルタ本体 14:副隔壁 16:排ガス浄化層(酸化触媒層) 18:ガス流入孔 20:ガス流出孔 22:フィルタ隔壁 30:ストレートフロー型酸化触媒 40:燃料噴射 50:排ガス浄化装置

Claims (3)

  1. セラミックハニカム構造体であって、ガス流入孔と、ガス流出孔と、該ガス流入孔と該ガス流出孔とを区画し、ガス流通の際のフィルタとなるフィルタ隔壁とを持つフィルタ本体と、
    少なくとも該ガス流出孔を複数の副孔に分ける副隔壁と、
    該副隔壁の表面に形成された排ガス浄化層とを有することを特徴とする排ガス浄化用フィルタ触媒。
  2. 前記排ガス浄化層は、多孔質酸化物と酸化触媒とからなる酸化触媒層を含む請求項1に記載の排ガス浄化用フィルタ触媒。
  3. 前記副隔壁は、前記ガス流出孔の略四角形の断面を略一文字状に二分割あるいは略十文字状に四分割する請求項1または2に記載の排ガス浄化用フィルタ触媒。
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