JP2008262668A - 磁気ヘッド、ヘッドアセンブリ及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、ヘッドアセンブリ及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】主磁極膜の主要部を構成するめっき膜のシード膜となる電極膜による保磁力の増大を回避し、ポールイレーズの問題を緩和した垂直記録用の磁気ヘッドを提供すること。
【解決手段】垂直記録素子は、垂直磁界を放出する主磁極膜40を含み、スライダによって支持されている。主磁極膜40は、電極膜13と、めっき膜14とを含んでおり、電極膜13は、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、Niとの合金膜であり、めっき膜14は、電極膜13の上で成長させた磁性膜である。
【選択図】図5

Description

本発明は、磁気ヘッド、ヘッドアセンブリ及び磁気記録再生装置に関する。
近年、ハードティスクドライブ(HDD)などの磁気記録装置に搭載される磁気ヘッドの分野では、ハードディスクなどの磁気記録媒体に対する記録密度の向上の観点から、記録方式が長手記録方式から垂直記録方式に移行しつつある。垂直記録方式では、高い線記録密度が得られると共に、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくくなるという利点が得られる。
垂直記録方式の磁気ヘッドは、磁束を発生するコイル膜と、記録媒体に磁束を導く磁極膜とを備えている。磁極膜は、シード膜となる電極膜の上に、電気めっきすることによって形成されためっき膜で構成される。
ところで、ハードティスクドライブ(HDD)の記録容量の向上には、磁気ヘッドの磁極膜幅を狭くしてトラック密度を高密度化させると同時に、媒体の保磁力を高めて記録分解能を向上させる必要がある。
このような高い保磁力の媒体に対して、十分なオーバライト特性(OW)を確保するためには、磁気ヘッドの主磁極膜が高い飽和磁束密度を持たなければならない。そこで従来は、主磁極膜の主要部を構成するめっき膜を、高い飽和磁束密度を有する材料、例えば、FeCo系の材料やCoNiFeの3元系合金膜、Fe、FeNといった高い飽和磁束密度を有する材料を用いるとともに、そのシード膜となる電極膜も、高い飽和磁束密度を有する材料によって構成していた。例えば、特許文献1は、FeCoNi系電極膜の上にFeCoNi系めっき膜を形成した主磁極を開示している。この主磁極の飽和磁束密度(BS)は2.4Tに達すると記載されている。
また、特許文献2は、非磁性導電層の上に、FeCo 系合金めっき膜を形成し、このめっき膜を電極膜として、その上にFeNi系合金めっき膜を形成した主磁極膜を開示している。この場合、FeCo系合金電極膜(めっき膜)の飽和磁束密度は、約2.4T(テスラ)であり、FeNi系合金めっき膜の飽和磁束密度は、約2.0T(テスラ)である。FeCo系合金めっき膜を、FeCoNi系合金めっき膜に代えることも予想されるところであり、この場合は、飽和磁束密度は約2.3T(テスラ)になる。
しかし、垂直記録用の磁気ヘッドにおいては、単に、飽和磁束密度を高くすればよいというわけではなく、主磁極膜によって磁気記録媒体に記録された信号が、記録時以外に消去されてしまう(ポールイレーズ)現象を回避しなければならない。
垂直記録用の磁気ヘッドにおいて、記録用の主磁極膜は、磁化困難軸を、空気ベアリング面の方向へ向け、磁化回転モードにより記録を行っている。つまり、空気ベアリング面の方向への残留磁化をできるだけ小さくすることによって、記録動作をしていない時に余分な磁束を出さないようにし、ポールイレーズを回避している。このような機能を確保するためには、主磁極膜の保磁力Hcは低くなければならないのである。
ところが、従来は、特許文献1や、特許文献2などに見られるように、主磁極膜の主要部となるめっき膜のみならず、そのシード膜となる電極膜についても、高い飽和磁束密度を得ることに主眼がおかれ、電極膜を磁性材料によって形成するのが一般的であった。高い飽和磁束密度の磁性膜は、同時に保磁力も高くなる。このため、ポールイレーズの問題には充分には対応し切れなかった。
ポールイレーズの問題を意識した先行技術も存在するが、電極膜を磁性材料によって構成する点では一貫しており、ただ、めっき膜の飽和磁束密度を低下させることにより対応するものであり、オーバライト特性が犠牲にならざるを得なかった。
例えば、FeCo系、FeCoNi系、NiFe系合金を用いた各磁極膜について、保磁力Hcの観点から検討すると、まず、飽和磁束密度2.4TのFeCo系合金電極膜の上に、飽和磁束密度2.3TのFeCoNi系合金めっき膜を形成した磁極膜では、高いオーバライト特性は得られるが、ポールイレーズ特性は明らかに低下する。その原因は、2.4Tの電極膜のHcの方が2.3Tの電極膜のHcよりも大きいことによる。
飽和磁束密度2.4Tを有するFeCo系合金電極膜の上に、飽和磁束密度2.0TのFeNi系合金めっき膜でなる磁極膜を形成した磁気ヘッドでは、ポールイレーズ特性は確保できるが、更なる高記録密度を達成するには、オーバーライト特性が不足する。
電極膜及びめっき膜を、飽和磁束密度2.4TのFeCo系合金で形成した磁気ヘッドでは、オーバーライト特性は向上するが、FeCo系合金が、もともと、良好な軟磁気特性は得られにくい材料であるために、ポールイレーズ特性を悪化させる。
電極膜及びめっき膜を、飽和磁束密度2.0TのFeNi系合金めっき膜で形成した磁気ヘッドでは、保磁力が小さいためにポールイレーズ特性は向上するが、オーバライト特性が劣化する。
電極膜及びめっき膜を、飽和磁束密度2.3TのFeCoNi系合金めっき膜を形成した磁気ヘッドでは、オーバライト特性の向上は期待できるが、ポールイレーズ特性の観点からは、飽和磁束密度2.0TのFeNi系合金めっき膜と比較すると、特性マージンが小さくなる。
更に、安定したヘッド製造プロセスを実現するには、電極膜の膜剥がれを回避しなければならないから、上述した保磁力の低下とともに、電極膜の密着強度を増大させるような膜構造を実現する必要もある。
特開2006−253252号公報 特開2006−269690号公報
本発明の課題は、主磁極膜の主要部を構成するめっき膜のシード膜となる電極膜による保磁力の増大を回避し、ポールイレーズの問題を緩和した垂直記録用の磁気ヘッドを提供することである。
本発明のもう1つの課題は、膜剥がれを防止するのに有効で、安定したヘッド製造プロセスの実現に寄与しえる膜構造を有する垂直記録用の磁気ヘッドを提供することである。
本発明のもう一つの課題は、高い飽和磁束密度を確保し得る主磁極膜を有する垂直記録用の磁気ヘッドを提供することである。
本発明の更にもう1つの課題は、上述した垂直記録用の磁気ヘッドを用いたヘッドアセンブリ、及び、磁気記録再生装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る磁気ヘッドでは、垂直記録素子の主磁極膜において、めっきのシード膜となる電極膜を、白金族から選択された少なくとも一種の元素とニッケル(Ni)との合金膜で構成する。
本発明に係る磁気ヘッドによれば、電極膜は、主磁極膜の飽和磁束密度及び保磁力を決定する要素からは除外され、主磁極膜の飽和磁束密度及び保磁力は、専ら、電極膜の上に形成されためっき膜の磁気的特性によって定まる。したがって、主磁極膜を構成するめっき膜の材料、組成を適切に選択することにより、飽和磁束密度を必要な値に設定するとともに、保磁力を所定の値に低下させることが可能になる。
しかも、めっきのシード膜となる電極膜が、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、ニッケル(Ni)との合金膜であるから、この電極膜の下地となる無機絶縁膜に対する密着強度が高くなる。このため、電極膜、及び、その上のめっき膜の膜剥がれが防止され、安定したヘッド製造プロセスを実現することが可能になる。
実際的な観点からは、電極膜の上に形成されるめっき膜は、飽和磁束密度2.3T以上の磁極膜であることが好ましい。飽和磁束密度が2.3T以上であれば、将来の技術の進展を考慮しても、要求される高記録密度化に対応しえることは勿論、保磁力低下に対応することもできる。
この種の磁気ヘッドは、通常、上述した垂直記録素子及び再生素子を含む複合型となる。再生素子としては、巨大磁気抵抗効果素子(GMR)や、強磁性トンネル接合素子(TMR)などを用いることができる。
本発明は、更に、ヘッドアセンブリ及び磁気記録再生装置を開示する。ヘッドアセンブリは、上述した磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含む。ヘッド支持は、磁気ヘッドにロール運動及びピッチ運動を許容するように、磁気ヘッドを支持する。本発明において、ヘッドアセンブリには、磁気ヘッドをヘッド支持装置(ジンバル)に取り付けたHGA(Head Gimbal Assembly)、HGAをアームに取り付けたHAA(Head Arm Assembly)が含まれる。
本発明に係る磁気記録再生装置は、上述したヘッドアセンブリと、磁気記録媒体とを含む。磁気記録再生装置の代表例は、ハードディスクと称される磁気記録媒体を用いたハードディスク装置(HDD)である。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
1.磁気ヘッド
図1〜図3には、高速回転する磁気記録媒体、例えばハードディスクと組み合わせて用いられる磁気ヘッドが図示されている。このような磁気ヘッドは、一般には、浮上型と称される。もっとも、本発明に係る磁気ヘッドは、必ずしも浮上型である必要はない。例えば、磁気記録媒体に接触するような磁気ヘッドであってもよい。
まず、図1を参照すると、磁気ヘッドは、例えばアルティックなどの非磁性絶縁材料により構成された略直方体構造を有するスライダの基体211の一面に、記録処理および再生処理の双方を実行する薄膜素子212が取り付けられている。基体211は、浮上特性に直接関与するエアベアリング面220を有しており、エアベアリング面220と直交する他の面に、薄膜素子212が取り付けられている。
薄膜素子212の詳細は、図2〜図4に図示されている。図2〜図4において、X、Y、Z軸方向の寸法をそれぞれ「幅」、「長さ」および「厚さまたは高さ」と表記する。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面70に近い側および遠い側をそれぞれ「前方」および「後方」と表記すると共に、前方に位置することおよび後方に位置することをそれぞれ「前進」および「後退」と表記する。
図2〜図4に図示された磁気ヘッドは、記録および再生の双方を実行可能な複合型ヘッドである。この磁気ヘッドは、基板1上に、絶縁膜2と、磁気抵抗効果(MR:magneto-resistive effect)を利用した再生ヘッド部100Aと、分離膜9と、垂直記録方式の記録処理を実行する記録ヘッド部100Bと、オーバーコート膜21とがこの順に積層されたものである。
基板1は、例えば、アルティック(AlO・TiC)などのセラミック材料により構成されており、絶縁膜2、分離膜9およびオーバーコート膜21は、例えば、酸化アルミニウム(AlO:以下、単に「アルミナ」という)などの非磁性絶縁性材料により構成されている。
再生ヘッド部100Aは、例えば、下部リードシールド膜3と、シールドギャップ膜4と、上部リードシールド膜30とがこの順に積層されたものである。シールドギャップ膜4には、エアベアリング面70に露出するように再生素子(MR素子8)が埋設されている。エアベアリング面70とは、絶縁膜2からオーバーコート膜21に至る一連の構成要素を支持している基板1の一端面を基準として一義的に規定されるものであり、すなわち基板1の一端面を含む面である。
下部リードシールド膜3および上部リードシールド膜30は、いずれもMR素子8を周辺から磁気的に分離するものであり、エアベアリング面70から後方に向かって延びている。下部リードシールド膜3は、例えば、ニッケル(Ni)鉄合金(NiFe)などの磁性材料により構成されている。この場合のニッケル(Ni)鉄合金(NiFe)は、例えば、Ni:80重量%、Fe:20重量%のような組成比となるようなものである。上部リードシールド膜30は、例えば、非磁性膜6を挟んで2つの上部リードシールド膜部分5、7が積層されたものである。上部リードシールド膜部分5、7は、例えば、いずれもニッケル(Ni)鉄合金などの磁性材料により構成されている。非磁性膜6は、例えば、ルテニウム(Ru)またはアルミナなどの非磁性材料により構成されている。上部リードシールド膜30は必ずしも積層構造を有している必要はなく、磁性材料の単膜構造を有していてもよい。
シールドギャップ膜4は、MR素子8を周辺から電気的に分離するものであり、例えばアルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。このMR素子8は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR:giant magneto-resistive effect)またはトンネル磁気抵抗効果(TMR:tunneling magneto-resistive effect)などを利用するものである。
記録ヘッド部100Bは、非磁性膜11と、第1の非磁性膜15と、磁極膜50と、磁気連結用の開口部(バックギャップ16BG)が設けられたギャップ膜16と、絶縁膜19の内部に埋設されたコイル膜18と、磁性膜60とを含むいわゆるシールド型垂直記録素子である。
磁極膜50は、エアベアリング面70から後方に向かって延びている。磁極膜50は、補助磁極膜10、第2の非磁性膜12および主磁極膜40を含んでいる。
補助磁極膜10は、エアベアリング面70よりも後退した位置からバックギャップ16BGまで延びている。この補助磁極膜10は、例えば、主磁極膜40に対してリーディング側に配置されていると共に、図2に示したように、矩形型の平面形状(幅W2)を有している。非磁性膜11は、補助磁極膜10を周囲から電気的および磁気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
第2の非磁性膜12は、例えば、補助磁極膜10および主磁極膜40を互いに連結させるために、エアベアリング面70から補助磁極膜10の最前端位置まで延びており、アルミナまたは窒化アルミニウムなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。もっとも、第2の非磁性膜12の及ぶ範囲は任意に設定可能である。
第2の非磁性膜12のエアベアリング面70に平行な断面形状は、図3に示したように、U字型をなしており、第2の非磁性膜12の内側に主磁極膜40(後述する先端部40A)が埋設されている。第2の非磁性膜12は、例えば、ALD法により形成されたものであり、主磁極膜40の周囲(下面および両側面)に沿って均一な厚さを有している。
第1の非磁性膜15は、主磁極膜40を周囲から電気的および磁気的に分離するためのものである。第1の非磁性膜15は、第2の非磁性膜12の外側に埋設されており、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
第1及び第2の非磁性膜15、12は、いずれも非磁性絶縁性材料により構成されているが、形成方法の違いに起因して互いに異なる組成を有している。すなわち、第1の非磁性膜15は、不活性ガスを使用するスパッタリング法などにより形成され、その形成方法に起因して不活性ガスを含んでいる。ここに、不活性ガスとは、例えば、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)またはキセノン(Xe)などである。これに対して、第2の非磁性膜12は、不活性ガスを使用しないALD法などにより形成され、この形成方法の故に不活性ガスを含んでいない。第1及び第2の非磁性膜15、12が不活性ガスを含んでいるか否かについては、例えば、走査透過電子顕微鏡(STEM:scanning transmission electron microscopy )−エネルギー分散型X線分光(EDS:energy-dispersive X-ray spectroscopy)などの組成分析方法を使用して特定可能である。
また、第1及び第2の非磁性膜15、12は、上記した形成方法の違いに起因して、特定の成分の量に差を有している。すなわち、ALD法では水やトリメチルアルミニウム(TMA:trimethyl aluminium)を使用するのに対して、スパッタリング法では上記した水等を使用しないことに伴い、水素(H)の含有量は、第1の非磁性膜15よりも第2の非磁性膜12において多くなっている。
主磁極膜40は、エアベアリング面70からバックギャップ16BGまで延びている。この主磁極膜40は、例えば、図2に示したように、エアベアリング面70から後方に向かって延びる先端部40Aと、その先端部40Aの後方に連結された後端部40Bとを含んでいる。先端部40Aは、実質的な磁束の放出部分(いわゆる磁極膜)であり、記録トラック幅を規定する一定幅W1を有している。後端部40Bは、先端部40Aに磁束を供給する部分であり、幅W1よりも大きな幅W2を有している。この後端部40Bの幅は、例えば、後方において一定(幅W2)であり、前方において先端部40Aへ近づくにしたがって次第に狭まっている。この主磁極膜40の幅がW1からW2へ拡がり始める位置は、いわゆるフレアポイントFPである。
エアベアリング面70に近い側における主磁極膜40の端面40Mは、例えば、図5に示したように、トレーリング側に位置する長辺およびリーディング側に位置する短辺をそれぞれ上底および下底とする逆台形形状(高さH)である。具体的には、端面40Mは、トレーリング側に位置する上端縁E1(幅W1)と、リーディング側に位置する下端縁E2(幅W4)と、2つの側端縁E3とにより画定された形状を有しており、その幅W4は幅W1よりも小さくなっている。この上端縁E1は、磁極膜50のうちの実質的な記録箇所であり、その幅W1は約0.2μm以下である。端面40Mのベベル角θ(下端縁E2の延びる方向と側端縁E3との間の角度)は、例えば、90°未満の範囲内において任意に設定可能である。
ギャップ膜16は、磁極膜50と磁性膜60とを磁気的に分離するためのギャップであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料またはルテニウムなどの非磁性導電性材料により構成されている。このギャップ膜16の厚さは、約0.03μm〜0.1μmである。
コイル膜18は、磁束を発生させるものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されている。このコイル膜18は、図2に示したように、バックギャップ16BGを中心として巻回された巻回構造(スパイラル構造)を有している。
絶縁膜19は、コイル膜18を周辺から電気的に分離するものであり、例えば、加熱時に流動性を示すフォトレジストまたはスピンオングラス(SOG:Spin On GlaSS )などの非磁性絶縁性材料により構成されている。この絶縁膜19の最前端位置はスロートハイトゼロ位置TPであり、そのスロートハイトゼロ位置TPとエアベアリング面70との間の距離はいわゆるスロートハイトTHである。図2では、例えば、スロートハイトゼロ位置TPがフレアポイントFPに一致している場合を示している。
磁性膜60は、磁極膜50から放出される磁束のうち、その広がり成分を取り込むことにより垂直磁界の勾配を急峻化させると共に、記録媒体から戻る磁束を取り込むことにより、記録ヘッド部100Bと記録媒体80との間において磁束を循環させるものである。磁性膜60は、磁極膜50のトレーリング側においてエアベアリング面70から後方に向かって延びることにより、前方においてギャップ膜16により磁極膜50から隔てられていると共に後方においてバックギャップ16BGを通じて磁極膜50に連結されている。エアベアリング面70に近い側における磁性膜60の端面60Mは、例えば、図2に示したように、幅W1よりも大きな幅W3を有する矩形形状である。この磁性膜60は、例えば、互いに別体をなすライトシールド膜17およびリターンヨーク膜20を含んでいる。
ライトシールド膜17は、主に、垂直磁界勾配の増大機能を担うものであり、例えば、ニッケル(Ni)鉄合金または鉄系合金などの高飽和磁束密度磁性材料により構成されている。特に、ライトシールド膜17は、磁極膜50から放出された磁束の広がり成分を取り込むことにより、(1)垂直磁界の磁界勾配を増大させ、(2)記録幅を狭め、(3)垂直磁界に斜め磁界成分を含めるものである。ただし、ライトシールド膜17は、リターンヨーク膜20と同様に、磁束の循環機能を兼ねる場合もある。このライトシールド膜17は、ギャップ膜16に隣接しながらエアベアリング面70から後方に向かって延びており、その後端において絶縁膜19に隣接している。これにより、ライトシールド膜17は、絶縁膜19の最前端位置(スロートハイトゼロ位置TP)を規定する役割を担っている。
リターンヨーク膜20は、磁束の循環機能を担うものであり、例えば、ライトシールド膜17と同様の磁性材料により構成されている。このリターンヨーク膜20は、図4に示したように、ライトシールド膜17のトレーリング側においてエアベアリング面70から絶縁膜19上を経由してバックギャップ16BGまで延びており、前方においてライトシールド膜17に連結されていると共に後方においてバックギャップ16BGを通じて磁極膜50に連結されている。
オーバーコート膜21は、磁気ヘッドを保護するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
次に、本発明の特徴部分である主磁極膜40について、図6を参照して述べる。主磁極膜40は、電極膜13と、めっき膜14とを含んでいる。電極膜13は、磁気ヘッドの製造工程において、めっき膜14を成長させるために使用されるものである。本発明で特徴的な点は、電極膜13を、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、ニッケル(Ni)との合金膜で構成することである。
本発明に係る磁気ヘッドによれば、主磁極膜の主要部となる磁性膜をめっき膜14として形成する際に、そのシード膜となる電極膜13を、白金族から選択された少なくとも一種の元素とニッケル(Ni)との合金膜で構成するので、電極膜13は、非磁性膜となる。したがって、電極膜13は、主磁極膜の磁気特性、即ち、飽和磁束密度及び保磁力を決定する要素からは、除外される。主磁極膜の飽和磁束密度及び保磁力は、専ら、電極膜13の上に形成されためっき膜14の磁気的特性によって定まる。したがって、めっき膜14の材料、組成を適切に選択することにより、飽和磁束密度を必要な値に設定するとともに、保磁力を所定の値に低下させることが可能になる。
しかも、めっきのシード膜となる電極膜13が、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、ニッケル(Ni)との合金膜であるから、この電極膜13の下地となる無機絶縁膜に対する密着強度が高くなる。このため、電極膜13、及び、その上のめっき膜14の膜剥がれが防止され、安定したヘッド製造プロセスを実現することが可能になる。電極膜13及びめっき膜14の密着強度の増大、それによる膜剥がれ防止の観点から、図7に図示するように、電極膜13とその下の第2の非磁性膜12との間に、密着力を高める密着膜121を設けることも有効である。
白金族には、周知のように、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、及び、イリジウム(Ir)の5つの元素が含まれる。本発明では、基本的には、これらの元素の全てを利用することができる。その中でもパラジウム(Pd)が適している。もっとも、電極膜13がPdNi系合金膜で構成されていても、その組成によっては、オーバライト特性(OW)、ポールイレーズ(PE)及び膜の剥がれに、異なる結果が生じる。
表1は、電極膜13の材質及び組成が、オーバライト特性(OW)、ポールイレーズ(PE)及び膜の剥がれに及ぼす影響について実験した結果を示している。サンプルS1〜S4及びS8〜S10のそれぞれにおいて、100個を実験に供した。ポールイレーズ(PE)は、磁気記録媒体への書き込みにおいて、エラーを生じたセクター数が「0」のものをAランクとし、6%未満のものをBランクとし、Aランク及びBランクに属するものの、全体に対する割合を百分率で表示したものである。
Figure 2008262668

参考として、代表的な膜の磁気特性を、表2に示す。
Figure 2008262668
表2中、何れのサンプルにおいても、膜厚を約0.5μmとし、225℃−3時間−200(Oe)でアニールした場合の値である。Hceは磁化容易軸方向の保磁力、Hchは磁化困難軸方向の保磁力である。
表1を参照すると、電極膜13及びめっき膜14の両者がNiFe系合金によって構成されたサンプルS1は、主磁極膜の飽和磁束密が2.0Tとなるため、ポールイレーズ特性(PE)はよいものの、オーバライト特性(OW)が28dBと著しく悪くなる。
電極膜13がNiFe系合金によって構成され、めっき膜14がFeCoNi系合金膜によって構成されたサンプルS2、電極膜13がFeCo系合金膜によって構成され、めっき膜14がFeNi系合金膜によって構成されたサンプルS3でも、同様の傾向が見られる。
電極膜13がFeCo系合金によって構成され、めっき膜14がFeCoNi系合金膜によって構成されたサンプルS4では、オーバライト特性(OW)は高いものの、ポールイレーズ特性(PE)が65%と、著しく悪くなる。
電極膜13がPd膜によって構成したサンプルS5〜S6は、電極膜13の密着強度が不足し、膜の剥がれを生じている。
これに対して、電極膜13がPdNi系合金膜で構成されたサンプルS8〜S10は、オーバライト特性(OW)が38〜40dBの高い値を示すとともに、ポールイレーズ特性(PE)も90〜92%の高いレベルにあり、しかも膜の剥がれを生じていない。
次に、表1において、電極膜13がPdNi膜で構成されている場合でも、Ni組成が2at%と低いサンプルS7の場合、膜の剥がれが生じているのに対し、Ni組成が5〜20at%の範囲にあるサンプルS8〜S10では膜の剥がれを生じない。即ち、表1を見る限り、膜の剥がれを防止するためには、PdNi膜におけるNi組成は5at%以上である必要がある。Ni組成が23at%を超えると、電極膜13が磁性膜としての特性を示すようになるから、好ましくない。安全を見込むと、Ni組成は20at%以下であることが好ましい。
以上をまとめると、好ましい電極膜13の例は、95at%〜80at%の範囲のPdと、5at%〜20at%の範囲のNiとを含むPdNi系合金膜ということになる。この好ましい電極膜13であれば、膜の剥がれが防止され、安定したヘッド製造プロセスを実現することが可能になる。
電極膜13及び磁極膜の密着強度の増大、それによる膜剥がれ防止の観点からは、図7に図示するように、電極膜13と第2の非磁性膜12との間に、電極膜13の密着力を高める密着膜121を設けることが有効である。
本発明では、更に、電極膜13の上に、飽和磁束密度2.3T以上の磁極膜を、めっき膜14として成長させる。したがって、本発明に係る磁気ヘッドでは、垂直磁気記録機能は、専ら、飽和磁束密度2.3T以上のめっき膜14が受け持つ。飽和磁束密度2.3T以上であれば、将来の技術の進展に対応して要求される高記録密度化に対応しえることは勿論、保磁力を低下させることもできる。
めっき膜14としては、FeCoNi系合金膜が適している。もっとも、飽和磁束密度2.3Tを満たす範囲では、他の磁性材料でなるめっき膜14であってもよい。めっき膜14として、FeCoNi系合金膜を用いた場合、飽和磁束密度2.3T以上に設定するための組成は、図8に示すFe、Co及びNiの三元系図から求めることができる。
図8を参照すると、
Fe80Co20の組成を示す点P1、
Fe70Co25Niの組成を示す点P2、
Fe50Co45Niの組成を示す点P3及び
Fe40Co60の組成を示す点P4
を結ぶ線によって囲まれた斜線表示領域が、飽和磁束密度2.3T以上となる領域である。
斜線表示領域内は、
40at%≦Fe≦80at%、20at%≦Co≦60at%、0at%≦Ni≦5at%
の範囲である。この中でも、特に好ましくは、62at%のFe、35at%のCo、及び、3at%のNiを含むFeCoNi系合金めっき膜14が好ましい。
めっき膜14をFeCoNi系合金とした場合、電極膜13との好ましい組み合わせは、表1を参照して説明した好ましい組成範囲のPdNi系合金膜でなる電極膜13を用いることである。特に好ましい組み合わせは、62at%のFe、35at%のCo、及び、3at%のNiの組成からなるめっき膜14と、95at%〜80at%の範囲のPdと、5at%〜20at%の範囲のNiの組成からなる電極膜13の組み合わせである。表3は、上述した組み合わせの範囲に入るサンプルS21〜S26について、その組成とともに、オーバライト特性(OW)及びポールイレーズ特性(PE)を示している。
Figure 2008262668
表3に示すように、62at%のFe、35at%のCo、及び、3at%のNiの組成からなるめっき膜14と、95at%〜80at%の範囲のPd及び5at%〜20at%の範囲のNiの組成からなる電極膜13との組み合わせになるサンプルS21〜S26は、39〜40dBの高いオーバライト特性(OW)とともに、80〜94%の優れたポールイレーズ特性(PE)を示している。
めっき膜14を、飽和磁束密度2.3T以上の磁性膜としたことによって得られる利点をまとめると、下記のとおりである。
(a)飽和磁束密度2.4TのFeCo系合金電極膜13の上に、飽和磁束密度2.3TのFeCoNi系合金めっき膜14でなる磁極膜を形成した磁気ヘッドとの対比では、これと遜色ないオーバライト特性(OW)が得られるとともに、低下した保磁力が得られ、それによってポールイレーズ特性が改善される。
(b)飽和磁束密度2.4Tを有するFeCo系合金電極膜13の上に、飽和磁束密度2.0TのFeNi系合金めっき膜14でなる磁極膜を形成した磁気ヘッドとの対比では、遜色ないポールイレーズ特性が得られるとともに、オーバライト特性(OW)を改善することができる。
(c)電極膜13及びめっき膜14を、飽和磁束密度2.4TのFeCo系合金で形成したものとの対比では、ポールイレーズ特性を大幅に改善しえる。
(d)電極膜13及びめっき膜14を、飽和磁束密度2.0TのFeNi系合金で形成したものとの対比では、オーバライト特性(OW)を改善しえる。
図1〜図7に示した実施例では、補助磁極膜10が主磁極膜40に対してリーディング側に配置されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図9及び図10に示すように、補助磁極膜10が主磁極膜40に対してトレーリング側に配置されるようにしてもよい。この場合には、補助磁極膜10が主磁極膜40上に配置されることにより、その補助磁極膜10の配置範囲においてギャップ膜16が部分的に取り除かれる。
また、補助磁極膜10の周囲に、実質的にスロートハイトゼロ位置TPを規定するための非磁性膜22が埋設されると共に、補助磁極膜10とコイル膜18との間に、そのコイル膜18を補助磁極膜10から電気的に分離するための絶縁膜23が配置される。これらの非磁性膜22および絶縁膜23は、例えば、非磁性膜11、15と同様の非磁性絶縁性材料により構成されている。リターンヨーク膜20は、後方において補助磁極膜10に連結される。補助磁極膜10、ライトシールド膜17および絶縁膜22の表面は、平坦化されているのが好ましい。また、第2の非磁性膜12は、例えば、主磁極膜40と同様にバックギャップ23BGまで延びていてもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
2.磁気ヘッドの製造方法
次に、図11〜図22を参照し、本発明に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。本発明に係る製造方法は、磁気ヘッドの製造工程中、特に、垂直記録素子の製造方法に向けられている。垂直記録素子の製造工程に至るまでの工程は、既に知られており、特に説明を要しない。概説すれば、めっき法またはスパッタリング法に代表される膜形成技術、フォトリソグラフィ法に代表されるパターニング技術、ドライエッチング法、ウェットエッチング法に代表されるエッチング技術、又はCMP(chemical mechanical polishing )法に代表される研磨技術などを含む既存の薄膜プロセスを使用して、一連の構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。
図1〜図9などを参照しながら、概説すると、磁気ヘッドを製造する際には、まず、基板1上に絶縁膜2を形成したのち、その絶縁膜2上に、下部リードシールド膜3と、MR素子8が埋設されたシールドギャップ膜4と、上部リードシールド膜30(上部リードシールド膜部分5、7、非磁性膜6)とをこの順に積層形成することにより、再生ヘッド部100Aを形成する。
その後、再生ヘッド部100A上に分離膜9を形成したのち、その分離膜9上に、非磁性膜11、15により周囲を埋設された磁極膜50(補助磁極膜10、第2の非磁性膜12、主磁極膜40)と、ギャップ膜16と、絶縁膜19により埋設されたコイル膜18と、磁性膜60(ライトシールド膜17、リターンヨーク膜20)とをこの順に積層形成することにより、記録ヘッド部100Bを形成する。最後に、記録ヘッド部100B上にオーバーコート膜21を形成したのち、機械加工や研磨加工を利用してエアベアリング面70を形成することにより、磁気ヘッドが完成する。
磁気ヘッドのうち、本発明の対象である垂直記録素子の部分の製造にあたっては、非磁性膜11を形成したのち、まず、図11に示したように、その非磁性膜11上に、開口部91Kを有するレジストパターン91を形成する。このレジストパターン91を形成する際には、非磁性膜11の表面にレジストを塗布してレジスト膜を形成したのち、フォトリソグラフィ法を使用してレジスト膜をパターニング(露光・現像)する。この場合、開口部91Kが非磁性膜11から離れるにしたがって次第に広がると共に、内壁91Wの傾斜角度ω(内壁91Wと非磁性膜11の表面との間の角度)がベベル角θ(図5参照)に等しくなるように、露光条件を調整する。
その後、図12に示すように、ドライ膜形成方法を使用して、少なくとも開口部91Kにおけるレジストパターン91の内壁91Wを覆うことにより、その開口部91Kを狭めるように第2の非磁性膜12を形成する。
第2の非磁性膜12を形成する際には、例えば、ALD法を使用して、レジストパターン91の表面(内壁91Wを含む)および開口部91Kにおける非磁性膜11の露出面を覆うようにする。この場合には、特に、ALD法の膜形成温度(いわゆる基板温度)がレジストパターン91の変形温度(ガラス転移温度)よりも低くなるようにする。このALD法を使用することにより、均一な厚さの第2の非磁性膜12により、内壁91Wが覆われるため、その内壁91Wに対応する第2の非磁性膜12の内壁12Wの傾斜角度Φ(内壁12Wと非磁性膜11の表面との間の角度)が傾斜角度ωに等しくなる。
その後、少なくとも第2の非磁性膜12が形成された開口部91Kを埋め込むように、主磁極膜40を形成するための磁性膜を形成する。具体的には、例えば、図13に示すように、スパッタリング法を使用して、第2の非磁性膜12上に電極膜13を形成する。電極膜13は、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、Niとの合金膜であり、その材料組成については、既に述べたとおりである。
次に、電極膜13をシード膜として電気めっき処理を施し、図14に示すように、電極膜13上の開口部91Kを埋め込むようにめっき膜14を成長させる。めっき膜14は、既に述べたように、飽和磁束密度が2.3T以上となるように形成される。その好ましい材料及び組成については、既に述べたとおりである。念のため、述べると、めっき膜14は、Fe、Co、Niのうち、少なくとも、Fe及びCoを含んでおり、好ましくは、その組成が、
40at%≦Fe≦80at%、20at%≦Co≦60at%、0at%≦Ni≦5at%
の範囲にある。
その後、少なくともレジストパターン91が露出するまで、第2の非磁性膜12、電極膜13およびめっき膜14を選択的に除去することにより、図15に示すように、第2の非磁性膜12が形成された開口部91Kを埋め込むように、磁性膜パターンとして主磁極膜40を形成する。これらの第2の非磁性膜12、電極膜13およびめっき膜14を除去する際には、例えば、CMP法などの研磨法や、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etching)などのエッチング法を使用可能である。この主磁極膜40が形成される際には、第2の非磁性膜12の傾斜角度Φに等しくなるようにベベル角θが決定され、すなわちベベル角θがレジストパターン91の傾斜角度ωに等しくなる。
その後、図16に示すように、例えば有機溶媒による洗浄処理またはアッシング処理を使用して、残存しているレジストパターン91を除去したのち、例えばスパッタリング法を使用して、図17に示すように、第2の非磁性膜12および主磁極膜40を覆うように第1の非磁性膜15を形成する。その後、例えばCMP法を使用して、少なくとも第2の非磁性膜12および主磁極膜40が露出するまで第1の非磁性膜15を選択的に除去(研磨)することにより、図18に示すように、第2の非磁性膜12、主磁極膜40、第1の非磁性膜15を平坦化する。この研磨処理では、例えば、主磁極膜40の幅W1および高さHが所望の値となるように研磨量を調整する。
最後に、後工程においてエアベリング面70を形成し、主磁極膜40の端面40Mおよび磁性膜60の端面60Mを形成する。エアベアリング面70を形成する際には、例えば、研磨条件などの加工条件を調整することにより、主磁極膜40および第1及び第1の非磁性膜15、12の間の硬さの差を利用して、図5に示したように、第2の非磁性膜12が第1の非磁性膜15よりも後退すると共に、主磁極膜40が第2の非磁性膜12よりも前進し、その端面40Mがエアベアリング面70に位置するようにする。
上述した実施例では、第2の非磁性膜12を、ALD法によって形成している。ALD法を用いること自体は、本発明の直接の主題ではないが、その利点について、その適用工程である図12、及び、図1〜図7等を参照して述べる。
第1及び第2の非磁性膜12、15のいずれをも、スパッタリング法などにより形成した場合、両者の硬さに差が生じないため、エアベアリング面70を加工すると、第2の非磁性膜12が第1の非磁性膜15よりも後退しない。この場合には、先端部40Aが全体に渡って第2の非磁性膜12により周囲を囲まれ、その先端部40Aに対する第2の非磁性膜12の接触面積が最大になるため、先端部40Aに与える第2の非磁性膜12において、残留応力の影響が大きくなりすぎ、その先端部40Aの磁区構造が固定(ドメインロック)されやすくなる。これにより、先端部40Aの磁区構造は、主磁極膜40の形成当初の状態から変化してしまう。先端部40Aの磁区構造が固定されると、非記録時において主磁極膜40の残留磁束が先端部40Aを通じて漏洩しやすくなるため、ポールイレージャの発生確率が高くなる。
これに対して、第2の非磁性膜12をALD法により形成し、第1の非磁性膜15をスパッタリング法などにより形成する工程を採用した場合、両者の硬さに差が生じるため、エアベアリング面70を加工する際、両者の硬さの違いを利用して、第2の非磁性膜12が第1の非磁性膜15よりも後退させるなどの加工方法を採ることができる。
また、上述した磁気ヘッドの製造方法では、(1)開口部91Kを有するレジストパターン91を形成し、(2)開口部91Kを狭めるように第2の非磁性膜12を形成し、(3)第2の非磁性膜12が形成された開口部91Kを埋め込むように電極膜13およびめっき膜14を積層形成し、(4)レジストパターン91が露出するまで第2の非磁性膜12、電極膜13およびめっき膜14を選択的に除去することにより、開口部91Kに主磁極膜40(先端部40A)を形成している。この場合には、開口部91Kを狭めるために、膜厚制御性に優れたドライ膜形成方法を使用して第2の非磁性膜12を形成すれば、膜厚制御が困難な不溶化膜を利用する従来の場合と比較して、最終的な開口幅(先端部40Aの形成幅)がばらつきにくくなる。これにより、フォトリソグラフィ法とほぼ同等の精度を確保しつつ、そのフォトリソグラフィ法では実現し得ない幅(約0.2μm以下)となるようにトレーリングエッジ幅W1が微細化される。
しかも、主磁極膜40を形成するために膜形成工程として、第2の非磁性膜12の形成工程しか要しないため、付加膜の形成工程以外に剥離膜の形成工程も要する従来の場合と比較して、工程数が少なくて済む。これにより、主磁極膜40の形成工程が簡単化する。したがって、磁気ヘッドの製造工程を高精度化および簡単化することができる。
ALD法以外の方法を使用した場合には、レジストパターン91の内壁91Wを覆うように第2の非磁性膜12を形成すると、開口部91Kの深さまたは傾斜角度ωによっては第2の非磁性膜12の厚さが内壁91Wに沿って変化するため、傾斜角度Φが傾斜角度ωからずれる可能性がある。この厚さの変化としては、例えば、非磁性膜11から離れるにしたがって第2の非磁性膜12の厚さが次第に厚くなることが想定される。この場合には、ベベル角θが傾斜角度ωからずれるため、トレーリングエッジ幅W1およびベベル角θが目標値からずれてしまう。この場合におけるトレーリングエッジ幅W1およびベベル角θの決定精度は、従来の場合よりも高くなるものの、厳格な精度が要求される製造仕様下では十分でない可能性がある。
これに対して、ALD法を使用した場合には、図11に示したように、第2の非磁性膜12の厚さが内壁91に沿って均一になるため、傾斜角度Φが傾斜角度ωに等しくなる。この場合には、図15に示したように、ベベル角θが傾斜角度ωに等しくなるため、トレーリングエッジ幅W1およびベベル角θが目標値に一致する。したがって、傾斜角度ωに基づいてベベル角θが制御されることにより、トレーリングエッジ幅W1およびベベル角θの決定精度が十分に高くなるため、主磁極膜40をより高精度に形成することができるのである。
特に、ALD法の膜形成温度がレジストパターン91のガラス転移温度よりも低くなるようにすることにより、第2の非磁性膜12の形成工程においてレジストパターン91が変形しにくくなる。この場合には、発泡現象に起因してレジストパターン91の形状が崩れたり、あるいは流動現象に起因して傾斜角度ωが形成当初の値から変化することが防止される。したがって、この観点においても主磁極膜40を高精度に形成することができる。
また、本実施の形態では、第1の非磁性膜15を研磨する際の研磨処理を利用して主磁極膜40の幅W1および高さHを決定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図17および図18に示すように、めっき膜14等を形成する際の研磨処理を利用して幅W1および高さHを決定してもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
上記形態では、内壁91Wが非磁性膜11の表面に対して傾斜するようにレジストパターン91を形成することにより(傾斜角度ω<90°)、逆台形型の断面形状を有するように主磁極膜40を形成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図19、図20に示すように、内壁91Wが非磁性膜11の表面に対して直交するようにレジストパターン91を形成することにより(傾斜角度ω=90°)、矩形型の断面形状を有するように主磁極膜40を形成してもよい。この場合においても、同様の効果を得ることができる。
3.ヘッドアセンブリ
本発明は、更に、ヘッドアセンブリを開示する。ヘッドアセンブリは、上述した磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含む。ヘッド支持は、磁気ヘッドにロール運動及びピッチ運動を許容するように、磁気ヘッドを支持する。本発明において、ヘッドアセンブリには、磁気ヘッドをヘッド支持装置(ジンバル)に取り付けたHGA(Head Gimbal Assembly)、HGAをアームに取り付けたHAA(Head Arm Assembly)が含まれる。
図21は本発明に係るヘッドアセンブリの正面図、図22は、図21に図示されたヘッドアセンブリの底面図である。図示されたヘッドアセンブリは、HGAであり、サスペンション203と、磁気ヘッド228とを含む。サスペンション203は、ロードビーム221と、フレクシャ202とを含む。ロードビーム221は、中央を通る長手方向軸線の自由端近傍に、荷重用ディンプル227を有する。
フレクシャ202は薄いバネ板材で構成され、一方の面がロードビーム221の荷重用ディンプル227を有する側の面に取り付けられ、荷重用ディンプル227から押圧荷重を受けている。フレクシャ202の他方の面には、磁気ヘッド228が取り付けられている。フレクシャ202は、ロードビーム221の荷重用ディンプル227を有する側に結合されている。
フレクシャ202は、中央に舌状部222を有する。舌状部222は、一端がフレクシャ202の横枠部223に結合されている。フレクシャ202の横枠部223は両端が外枠部225、226に連なっている。外枠部225、226と舌状部222との間には、舌状部222の周りに、溝224が形成されている。舌状部222の一面には磁気ヘッド228が接着などの手段によって取り付けられ、荷重用ディンプル227の先端がバネ接触している。
磁気ヘッド228は、スライダの空気ベアリング面とは反対側の一面がサスペンション203の舌状部222に取り付けられている。磁気ヘッド228には、図示しない可撓性リード線などが接続される。
図23はHAAの正面図である。図示されたHAAは、サスペンション203と、磁気ヘッド228と、アーム204とを含む。アーム204は、適当な非磁性金属材料、例えば、アルミ合金等を用いて一体成形されている。アーム204には、取り付け孔が備えられている。取り付け孔は、磁気ディスク装置に含まれる位置決め装置に取り付けるために用いられる。サスペンション203は、一端がアーム204に、例えばボール接続構造等によって固定されている。
4.磁気記録再生装置
次に、本発明の磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の構成について説明する。図24は磁気記録装置の構成を示している。この磁気記録装置は、上記した磁気ヘッドを搭載したものであり、例えばハードディスクドライブである。
この磁気記録装置は、図24に示したように、例えば、筐体200の内部に、情報が磁気的に記録される記録媒体80に対応する複数の磁気ディスク(例えばハードディスク)201と、各磁気ディスク201に対応して配設され、磁気ヘッドを一端部において支持する複数のサスペンション203と、このサスペンション203の他端部を支持する複数のアーム204とを備えている。磁気ディスク201は、筐体200に固定されたスピンドルモータ205を中心として回転可能になっている。アーム204は、動力源としての駆動部206に接続されており、筐体200に固定された固定軸207を中心として、ベアリング208を介して旋回可能になっている。
駆動部206は、例えば、ボイスコイル膜モータなどの駆動源を含んで構成されている。この磁気記録装置は、例えば、固定軸207を中心として複数のアーム204が一体的に旋回可能なモデルである。図25では、磁気記録装置の内部構造を見やすくするために、筐体200を部分的に切り欠いて示している。
磁気ヘッド228は、本発明に係る磁気ヘッドである。この磁気ヘッドは、情報の記録時または再生時において磁気ディスク201が回転すると、その磁気ディスク201の記録面(磁気ヘッドと対向する面)とエアベアリング面220との間に生じる空気流を利用して、磁気ディスク201の記録面から浮上する。
記録媒体80は、例えば、図25に示したように、磁気ヘッドに近い側および遠い側にそれぞれ配置される磁化膜81および軟磁性膜82を含んでいる。磁化膜81は、情報が磁気的に記録されるものであり、軟磁性膜82は、記録媒体80中における磁束の流路(いわゆるフラックスパス)として機能するものである。この種の記録媒体80は、一般に、垂直記録用の二膜記録媒体と呼ばれている。もちろん、記録媒体80は、例えば、上記した磁化膜81および軟磁性膜82と共に他の膜を含んでいてもよい。
図25に示した上向きの矢印は、磁気ヘッドに対して記録媒体80が相対的に移動する進行方向Mを示している。上記した「トレーリング側」とは、進行方向Mに向かって移動する記録媒体80の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流出する側(進行方向Mにおける前方側)をいい、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における上側をいう。これに対して、流れの流入する側(進行方向Mにおける後方側)は「リーディング側」と呼ばれ、ここでは厚さ方向における下側をいう。主磁極膜40のうちの記録箇所である上端縁E1はトレーリングエッジTEと呼ばれており、その幅W1はトレーリングエッジ幅と呼ばれている。
上述した磁気記録再生装置の行う記録及び再生動作について、図25を参照して説明する。即ち、情報の記録時において、図示しない外部回路から記録ヘッド部100Bのうちのコイル膜18に電流が流れると、記録用の磁束Jが発生する。この磁束Jは、磁極膜50のうちの補助磁極膜10および主磁極膜40に収容されたのち、先端部40Aへ向けて流れる。この際、フレアポイントFPにおいて磁束Jが絞り込まれることにより集束するため、最終的にトレーリングエッジTE近傍に集中する。このトレーリングエッジTE近傍に集中した磁束Jが外部へ放出されることにより垂直磁界が発生すると、その垂直磁界により磁化膜81が磁化されるため、記録媒体80に情報が磁気的に記録される。
この場合には、磁束Jのうちの広がり成分がライトシールド膜17に取り込まれるため、垂直磁界の勾配が増大する。このライトシールド膜17に取り込まれた磁束Jは、リターンヨーク膜20を経由して磁極膜50に再供給される。
磁極膜50から記録媒体80に向けて放出された磁束Jは、磁化膜81を磁化したのちに軟磁性膜82を経由してリターンヨーク膜20に取り込まれる。この際、磁束Jの一部は、ライトシールド膜17においても取り込まれる。これらのライトシールド膜17およびリターンヨーク膜20に取り込まれた磁束Jは、やはり磁極膜50に再供給される。これにより、記録ヘッド部100Bと記録媒体80との間において磁束Jが循環する。
ここで、本発明に係る磁気ヘッドでは、書き込みに重要なトレーリングエッジTEでの結晶粒径も小さくなるので、結晶粒径の増大化による保磁力増大の問題点解決に寄与しえる。
一方、情報の再生時においては、再生ヘッド部100AのMR素子8にセンス電流が流れると、記録媒体80からの再生用の信号磁界に応じてMR素子8の抵抗値が変化する。この抵抗変化が電圧変化として検出されることにより、記録媒体80に記録されている情報が磁気的に再生される。
この磁気記録装置では、上記した磁気ヘッドを搭載しているので、磁気記録装置の動作特性を安定化すると共に製造工程を高精度化および簡単化することができる。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る磁気ヘッドの斜視図である。 本発明に係る磁気ヘッドに含まれる垂直記録素子の部分を概略的に示す平面図である。 図2の3−3線断面図である。 図2の4−4線断面図である。 図1〜図4に示した磁気ヘッドにおける垂直記録素子の磁極構造を示す端面図である。 磁極部分の拡大断面図である。 他の例における磁極部分の拡大断面図である。 Fe、Co及びNiの三元系図である。 別の例における図2の3−3線断面図である。 別の例における図2の4−4線断面図である。 図1〜図7に示した磁気ヘッドの製造工程を示す図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。 図12に示した工程の後の工程を示す図である。 図13に示した工程の後の工程を示す図である。 図14に示した工程の後の工程を示す図である。 図15に示した工程の後の工程を示す図である。 図16に示した工程の後の工程を示す図である。 図17に示した工程の後の工程を示す図である。 磁気ヘッドの別の製造工程を示す図である。 図19に示した工程の後の工程を示す図である。 本発明に係るHGAの平面図である。 図21に示したHGAの底面図である。 本発明に係るHAAの平面図である。 本発明に係る磁気記録装置の斜視図である。 図24に示した磁気記録再生装置の記録動作を説明する図である。
符号の説明
40 主磁極膜
13 電極膜
14 めっき膜

Claims (12)

  1. スライダと、垂直記録素子とを含む磁気ヘッドであって、
    前記垂直記録素子は、垂直磁界を放出する主磁極膜を含み、前記スライダによって支持されており、
    前記主磁極膜は、電極膜と、めっき膜とを含んでおり、
    前記電極膜は、白金族から選択された少なくとも一種の元素と、Niとの合金膜であり、
    前記めっき膜は、前記電極膜の上で成長させた磁性膜である、
    磁気ヘッド。
  2. 請求項1に記載された磁気ヘッドであって、前記電極膜は、Pd、Ru又はRhの少なくとも一種を含有する、磁気ヘッド。
  3. 請求項2に記載された磁気ヘッドであって、前記電極膜は、PdNi系合金であって、95at%〜80at%の範囲のPdと、5at%〜20at%の範囲のNiとを含む、磁気ヘッド。
  4. 請求項1に記載された磁気ヘッドであって、前記めっき膜は、飽和磁束密度が2.3Tである、磁気ヘッド。
  5. 請求項4に記載された磁気ヘッドであって、前記めっき膜は、Fe、Co、Niのうち、少なくとも、Fe及びCoを含む、磁気ヘッド。
  6. 請求項5に記載された磁気ヘッドであって、前記めっき膜は、その組成が、40at%≦Fe≦80at%、20at%≦Co≦60at%、0at%≦Ni≦5at%の範囲にある、磁気ヘッド。
  7. 請求項6に記載された磁気ヘッドであって、前記めっき膜は、62at%のFe、35at%のCo、及び、3at%のNiを含む、磁気ヘッド。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載された磁気ヘッドであって、ALD(atomic layer deposition )法により形成された非磁性膜を有しており、前記電極膜は、前記非磁性膜の上に付着されている、磁気ヘッド。
  9. 請求項8に記載された磁気ヘッドであって、前記電極膜と前記非磁性膜との間に、前記非磁性膜に対する前記電極膜の密着力を高める密着膜を有する。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載された磁気ヘッドであって、更に、再生素子を含む、磁気ヘッド。
  11. 磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含むヘッドアセンブリであって、
    前記磁気ヘッドは、請求項1乃至10の何れかに記載されたものであり、
    スライダと、垂直記録素子とを含んでおり、
    前記ヘッド支持は、前記磁気ヘッドにロール運動及びピッチ運動を許容するように、前記磁気ヘッドを支持する、
    ヘッドアセンブリ。
  12. ヘッドアセンブリと、磁気記録媒体とを含む磁気記録再生装置であって、
    前記ヘッドアセンブリは、請求項11に記載されたものであり、前記磁気記録媒体との協働により、前記磁気記録媒体に対して磁気記録を与える、磁気記録再生装置。
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