JP2008259591A - 蛍光観察用光源装置及びそれを用いた蛍光観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体の観察部位からの蛍光と反射光との光量バランスを調整することにより、取得される被検体の画像における観察部位の識別を容易にすること。
【解決手段】この蛍光観察用光源装置1は、赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光及び反射光を撮像する蛍光観察装置に用いられる蛍光観察用光源装置であって、蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光成分と、所定波長域より長波長である蛍光波長を含む照明光成分とを同時に照射する光源2と、光源2によって被検体に照射される照明光成分の強度を調整する光学フィルタ3及びスライド機構6からなる調整機構とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】この蛍光観察用光源装置1は、赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光及び反射光を撮像する蛍光観察装置に用いられる蛍光観察用光源装置であって、蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光成分と、所定波長域より長波長である蛍光波長を含む照明光成分とを同時に照射する光源2と、光源2によって被検体に照射される照明光成分の強度を調整する光学フィルタ3及びスライド機構6からなる調整機構とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検体からの蛍光及び反射光を撮像する蛍光観察装置に用いられる蛍光観察用光源装置及びそれを用いた蛍光観察装置に関するものである。
近年、蛍光色素等の蛍光試薬が投与された観察部位から発せられる蛍光像に基づき、生体についての様々な情報を取得する技術が検討されている。このような技術の例として、下記特許文献1には、ランプ及びフィルタを用いて励起光を被検体に照射し、励起光のうちのわずかな光量を透過させ、且つ蛍光の波長域を透過させる観察用フィルタを通じて、撮像素子によってその蛍光像を撮像する装置が開示されている。このような装置は、蛍光の波長域とは異なる励起光の波長域の微弱な光強度の部分を透過させて背景用照明光として利用しようとするものである。また、下記特許文献2には、被検体に励起光を出射する光源と照明光を出射する光源とを有し、それぞれの光源の照射に応じて得られる蛍光観察画像及び通常観察画像を撮像する検出装置が提案されている。
特開2006−20727号公報
特開2006−14868号公報
蛍光観察において蛍光及び反射光を観察する場合、観察対象、観察目的等によって適切な照明光の光量が異なる。また、観察部位に存在する蛍光試薬の量などによって蛍光の光量は変化するので、照明光の最適な光量も変化する。しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、蛍光試薬からの蛍光と観察部位からの反射光との相対的な像レベルの調整ができず、被検体全体における蛍光箇所が把握しにくい傾向にある。また、背景用照明光の波長と蛍光の波長とが異なるため観察用フィルタの透過波長域が必然的に広くなり、結果として撮像素子に入射する自家蛍光等に起因するノイズが増大し取得画像が不明瞭になるという問題もある。
一方、上記特許文献2記載の検出装置では、蛍光観察画像と通常観察画像とを撮像するタイミングが異なるため、2つの像において時間的なズレが生じてしまい、被検体における観察部を適切に観察することが困難である。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、被検体の観察部位からの蛍光と背景部からの反射光との光量バランスを調整することにより、取得される被検体の画像における観察部位の識別を容易にする蛍光観察用光源装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の蛍光観察用光源装置は、赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光を撮像する蛍光観察装置に用いられる蛍光観察用光源装置であって、蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光と、所定波長域より長波長である蛍光波長を含む照明光とを同時に照射する光照射部と、光照射部によって照射される照明光の強度を調整する調整機構と、を備える。
或いは、本発明の蛍光観察装置は、赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光を撮像する蛍光観察装置であって、被検体に照射する光を生成する光源装置と、被検体からの蛍光及び反射光を撮像する撮像装置と、被検体と撮像装置との間に設けられ、蛍光波長近傍の光のみを透過する蛍光フィルタとを備え、光源装置は、蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光と、所定波長域より長波長である蛍光波長を含む照明光とを同時に照射する光照射部と、光照射部によって照射される照明光の強度を調整する調整機構とを有する。
このような蛍光観察用光源装置及び蛍光観察装置によれば、所定波長域の励起光と励起光より長波長の蛍光波長を含む照明光とが光照射部によって同時に照射され、照明光の強度が調整機構によって調整可能にされる。これにより、被検体から発せられる蛍光による像とその蛍光と同じ波長域の反射光による背景像とが同時に観察可能にされ、両者の像レベルが適切に制御されることにより、被検体における蛍光試薬を投与された観察部位の識別が容易となる。特に、赤外領域に蛍光波長を有する場合に照明光を蛍光と同一の波長を含むように設定することで、撮像素子側の観察用フィルタの透過波長域を狭くすることができるので、蛍光像及び背景像を同時に得る際のノイズの影響を低減することができる。
光照射部は白色光源を有することが好ましい。この場合、1つの光源で励起光と照明光とを含む光を照射することができ、光源装置の小型化が容易になる。
また、調整機構は、所定波長域の光を透過し、且つ蛍光波長の光を遮断する第1の光学フィルタと、光学フィルタの位置を光照射部の光軸に対して交わる方向に移動させる位置調整部とを有することも好ましい。かかる調整機構を備えれば、第1の光学フィルタを位置調整部によって移動させることにより、光照射部から第1の光学フィルタを透過して出射される照明光の強度を、励起光の強度に対して増減させることができる。この場合、第1の光学フィルタを移動させる機構を追加するだけで済むため、設計が容易でコストダウンが可能になる。
さらに、第1の光学フィルタは、蛍光波長の光及び蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第1の領域と、蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第2の領域を含むことも好ましい。こうすれば、調整機構により第1の光学フィルタを光照射部の光軸に対して移動させることで、蛍光波長よりも長波長の光を遮断しつつ、被検体に向けて透過させる照明光の強度を、励起光の強度に対して増減させることができる。その結果、被検体における熱による悪影響や取得される被検体像の画質低下を防止することができる。
またさらに、光照射部の光軸上に設けられた蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第2の光学フィルタをさらに備えることも好ましい。かかる第2の光学フィルタを備えれば、蛍光波長よりも長波長の光を遮断することで、被検体における熱による悪影響や取得される被検体像の画質低下を防止することができる。
さらにまた、光照射部は、励起光を照射する励起光源と、照明光を照射する照明光源と、励起光源及び照明光源の光軸上に配置され、励起光と照明光とを合成するダイクロイックミラーとを有し、調整機構は、照明光源における照明光の照射強度を調整可能に構成されていることも好ましい。この場合、ダイクロイックミラーにより励起光と照明光とが合成され、照明光源から照射される照明光の強度は調整機構によって調整されるので、光照射部から出射される照明光の強度を励起光の強度に対して増減させることができる。この場合、照明光の強度の調整を光源側で直接調整できるため、再現性の高い高精度な観察が可能になる。
また、光照射部から発せられた光を被検体に導光するファイバをさらに備え、励起光と照明光とは、ファイバ内で均一に合成された後に被検体に向けて照射されることも好ましい。かかる構成を採れば、光照射部から出射された励起光及び照明光をファイバを通して被検体に照射させることで、被検体に照射する際の両者の分布を均一にすることができ、観察される蛍光像及び背景像における画像ムラを防止することができる。
本発明によれば、被検体の観察部位からの蛍光と背景部からの反射光との光量バランスを調整することにより、取得される被検体の画像における観察部位の識別を容易にすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る蛍光観察用光源装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る蛍光観察用光源装置1の概略構成図である。同図に示す蛍光観察用光源装置1は、人体等の被検体におけるリンパ節等を含む観察部位に対して所定波長の励起光を照射して、その観察部位から発せられる蛍光による像を観察する際に使用される光源装置である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る蛍光観察用光源装置1の概略構成図である。同図に示す蛍光観察用光源装置1は、人体等の被検体におけるリンパ節等を含む観察部位に対して所定波長の励起光を照射して、その観察部位から発せられる蛍光による像を観察する際に使用される光源装置である。
以下の実施形態における蛍光観察用光源装置1を用いた被検体の観察部位の検出に際しては、被検体の観察部位内に蛍光色素(蛍光試薬)を予め注入する。そして、観察部位内に蓄積された蛍光色素からの蛍光を観察して観察部位におけるリンパ節等を検出する。蛍光色素は光源装置1の具体的な構成などを考慮して適宜に選択されるが、例えば、波長域750nm〜800nmの励起光で励起され、蛍光の中心波長が約845nmであるICG(インドシアニングリーン)が用いられる。赤外領域に蛍光波長及び励起波長を有する蛍光試薬を用いることで、生体組織による吸収散乱の影響が少なく、生体の深部を観察することが可能となる。
図1に示すように、蛍光観察用光源装置1は、光源(光照射部)2と、調整機構としての光学フィルタ3及びスライド機構(位置調整部)6と、光学フィルタ4と、導光ファイバ7とを備えている。光源2は、被検体に投与される蛍光色素の励起波長と、その蛍光色素から発せられる蛍光の波長とを、発光波長域として含む光を照射する。具体的には、蛍光色素としてICGを用いる場合は、光源2として、波長域750nm〜800nmの励起光成分と、励起光より長波長である蛍光波長845nmを含む照明光成分とを同時に照射可能なものが使用される。なお、ここでいう励起光成分とは、被検体に照射されて観察部位における蛍光を励起して蛍光像を生じさせるための光成分であり、照明光成分とは、被検体に照射されて観察部位の表面における反射像を生じさせるための光成分である。このような光源としては、可視光から赤外光までの発光波長特性を有するキセノンランプやハロゲンランプ等の白色光源が好適に用いられる。
光源2の前方における光源2の光軸LA1上には、光学フィルタ3が設けられている。この光学フィルタ3は、励起光の波長域の光を透過し、蛍光の波長域の光を遮断する。例えば、蛍光色素がICGの場合は、光学フィルタ3としては、810nm以上の波長域の光を遮断する光学フィルタ素子が用いられる。図2は、光源2から光学フィルタ3を透過して照射される光の波長特性を示すグラフである。同図に示すように、光源2から直接照射される白色光は、励起光の波長域750nm〜800nm及び蛍光波長845nmを含み、可視光領域から赤外領域までにわたる発光波長特性を有している。これに対して、光源2の前方に光学フィルタ3を設けた場合に光学フィルタ3を透過して照射される光は、蛍光波長845nmを含む長波長領域が遮断されている一方、約800nmより短波長の領域では、直接照射される白色光の特性とほぼ同じ特性を有していることがわかる。
図1に戻って、上記の光学フィルタ3は、スライド機構6によって光軸LA1に対して垂直な面に沿ってスライド可能に支持されている。このスライド機構6は、光源2からの光の一部を導光ファイバ7に入射させるためのものである。スライド機構6の構造については光学フィルタ3の形状に応じて適宜選択されるが、光学フィルタ3の端部が挿入される枠状構造体が、ねじ、つまみ等により光学フィルタ3と一体でスライド可能に構成されたものや、モータや圧電素子等の駆動部によってその枠状構造体がスライド可能にされたもの等が挙げられる。
このようなスライド機構6は、光源2から導光ファイバ7に導かれる光束Bの一部が光学フィルタ3を透過し、光束Bの外縁側の他の一部が光学フィルタ3の端部より外側を通過するように光学フィルタ3をスライドさせる。これにより、光束Bのうちの光学フィルタ3の外側を通過する部分の割合が調整される。光束Bのうちの光学フィルタの外側を通過する光は810nm以上の波長域を有している。このことから、スライド機構6が、光源2から導光ファイバ7に入射する蛍光波長を含む照明光成分の強度を、励起光成分に対して調整する機能を持つことを意味する。
さらに、光源2と光学フィルタ3との間における光軸LA1上には、光束Bの全部をカバーするように光学フィルタ4が設けられている。この光学フィルタ4は、光源2からの光のうち蛍光波長よりも長波長の光成分を遮断する。蛍光色素としてICGを用いる場合は、例えば、光学フィルタ4として、1000nm以上の波長成分を遮断するものが用いられる。
光源2の光軸LA1上には、光源2からの光を被検体に導光するための光ファイバである導光ファイバ7が設けられている。この導光ファイバ7は、光源2から出射された後に光学フィルタ4,3を透過した光が入射可能な位置に配置される。ここで、光源2から導光ファイバ7に入射する光は励起光成分と照明光成分が2次元的に異なる分布となっているが、その励起光成分と照明光成分とが導光ファイバ7を通過することにより導光ファイバ7内で合成される。その結果、導光ファイバ7内を通過して被検体に照射された光においては、励起光成分及び照明光成分の分布が2次元的に均一化される。
次に、上述した蛍光観察用光源装置1を含む蛍光観察装置の一例である内視鏡装置について説明する。
図3に示す内視鏡装置10は、蛍光観察用光源装置1と、内視鏡ユニット11と、撮像装置ユニット12と、データ処理装置13と、画像記憶装置14と、画像表示装置15とを備えている。内視鏡ユニット11の硬性鏡16には、光源装置1の導光ファイバ7が挿入され、光源装置1から照射される励起光成分L1及び照明光成分L2を含む光が、導光ファイバ7により被検体の観察部位Sに導かれる。
また、硬性鏡16内には、観察部位Sから発せられる蛍光像L3及び観察部位Sからの反射光により結ばれる反射像L4を撮像装置ユニット12に導く像伝送手段であるリレーレンズ17が設けられている。リレーレンズ17の硬性鏡16の先端側には対物レンズ18が、リレーレンズ17の硬性鏡16の基端側には接眼レンズ19が設けられている。リレーレンズ17は、対物レンズ18によって結像された蛍光像及び反射像を接眼レンズ19に伝送する。
硬性鏡16の基端部には、結像レンズ21が内蔵された結合器20を介して撮像装置ユニット12が取り付けられている。結像レンズ21は、リレーレンズ17及び接眼レンズ19によって伝送された蛍光像及び反射像を撮像装置ユニット12内のCCDカメラである撮像装置22上に結像する。撮像装置ユニット12内における結像レンズ21と撮像装置22との間には、光学フィルタ(蛍光フィルタ)23が配置されている。光学フィルタ23は、撮像装置22上に蛍光像及び反射像を透過させ、光源装置1からの励起光成分によって発生した反射光を含むノイズ成分を遮断するために、蛍光波長近傍の光成分のみ透過させるバンドパスフィルタである。撮像装置22は、蛍光像L3及び反射像L4が同時に重畳された画像である観察画像をデータ処理装置13に出力する。
データ処理装置13は、撮像装置用電源24及び画像処理部25を有する。撮像装置用電源24は、撮像装置22に接続されて撮像装置22に対して電力を供給する。画像処理部25は、撮像装置22から出力される観察画像を受け取り、輝度やコントラスト調整等の各種画像処理を実行する。そして、データ処理装置13において画像処理が施された観察画像データは、データ処理装置13に接続された画像記憶装置14に記憶されるとともに、データ処理装置13に接続された画像表示装置15にて観察画像Imとして表示される。
以上説明した蛍光観察用光源装置1によれば、所定波長域の励起光成分と励起光成分より長波長の蛍光波長を含む照明光成分とが光源2によって同時に照射され、励起光成分に対する照明光成分の強度がスライド機構6によって調整可能にされる。これにより、蛍光観察装置において被検体から発せられる蛍光像とその蛍光と同じ波長域の反射光による反射像とが同時に観察可能にされ、スライド機構6によって観察箇所や観察距離に応じて両者の像レベルが適切に制御されることにより、被検体における蛍光色素を投与された観察部位の識別が容易となる。ここでいう像レベルとは、蛍光像及び反射像の輝度値、または、蛍光像と反射像とのコントラストである。像レベルの制御は、例えば、検者が画像表示装置15に表示された画像を確認しながら行う。この場合、検者はスライド機構6を操作することで、画像表示装置15上の蛍光像に対する反射像のコントラストを最適に調節する。特に、赤外領域に蛍光波長を有するICGを用いる場合に照明光成分を蛍光波長と同一の波長を含むように設定することで、蛍光観察装置の撮像素子側の観察用フィルタの透過波長域を狭くすることができるので、蛍光像及び反射像を同時に得る際の撮像素子におけるノイズによる熱の影響を低減することができる。
また、スライド機構6によって光学フィルタ3をスライドさせることにより、光源2から光学フィルタ3を透過して出射される照明光成分の強度を、励起光成分の強度に対して増減させることができる。この場合、光学フィルタ3をスライドさせる機構を追加するだけで済むため、設計が容易でコストダウンが可能になる。
また、光学フィルタ4を設けて蛍光色素の蛍光波長よりも長波長の赤外光成分を含む光を遮断することで、被検体における熱による悪影響や撮像素子で取得される被検体像の画質低下、内視鏡装置の温度上昇を抑えることができる。すなわち、光源としてキセノンランプやハロゲンランプ等の白色光源を用いた場合は、光源から発せられる光は、可視光から赤外光まで(約2μmまで)の波長を含む。この波長成分のうち1000nmより大きい波長成分を被検体に照射することは、被検体や内視鏡先端の温度を上昇させたり、内視鏡内のレンズや画像レンズでの色収差に起因する観察画像の解像度低下を引き起したりするおそれがある。光学フィルタ4によりこれらの悪影響を防止することができる。
また、光源2から発せられた光を、導光ファイバ7によって被検体の観察部位に導くことで、被検体に照射する際の両者の2次元的分布を均一にすることができ、観察される蛍光像及び反射像における画像ムラを防止することができる。
図4は、蛍光色素を含む蛍光体が埋め込まれた半円型の試料を対象にして、蛍光観察用光源装置1を用いて取得された観察画像を示す図であり、(a)は、蛍光観察用光源装置1から照射される照明光成分の強度を最適に調整した際の観察画像、(b)は、励起光成分に対して照明光成分の強度を上げた場合の観察画像、(c)は、照明光成分を完全にカットした場合の観察画像である。これらの図に示すように、照明光成分が強すぎたり弱すぎたりすると試料における蛍光像の位置の識別が困難である一方(図4(b)及び図4(c))、蛍光観察用光源装置1を用いて照明光成分の強度を適切に制御することによって、被検体の観察部位においてどの部分から蛍光が発せられているのかを容易に識別することができる(図4(a))。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態である蛍光観察用光源装置31概略構成図である。蛍光観察用光源装置31の第1実施形態との相違点は、被検体に照射される励起光成分と照明光成分とを別々の光源によって生成する点である。
具体的には、同図に示すように、蛍光観察用光源装置31には、励起光源としての光源32aと、光源32aの光軸LA1と交差する光軸LA2を有するように配置された発光素子(照明光源)32bが設けられている。この光源32aは、励起波長を含むキセノンランプやハロゲンランプ等の白色光源であり、発光素子32bは、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)等の半導体発光素子であり、使用される蛍光色素の蛍光波長を含む照明光成分を照射する。ただし、光源32aにより照射された光は、図示しない光学フィルタまたはダイクロイックミラー34によって、励起光の波長域の光を透過し、蛍光の波長域の光を遮断している。また、光源32aの発光波長には、可視光が含まれていても良い。例えば、蛍光色素がICGの場合は、光源32aは、発光波長が800nm以下の波長成分を含み、発光素子32bは、発光波長が蛍光波長845nmの光成分を含む。さらに、発光素子32bには、発光素子32に供給する駆動電流を調整するための駆動回路(調整機構)33が接続されている。発光素子32bは、この駆動回路33によって照射強度を調整可能にされている。
光源32aの光軸LA1と発光素子32bの光軸LA2とが交差する位置には、ダイクロイックミラー34が配設されている。このダイクロイックミラー34は、その面が光軸LA1及び光軸LA2に対して斜めになるように設けられ、光源32aから入射する励起光成分を光軸LA3に沿った方向に透過させ、発光素子32bから入射する蛍光波長を含む照明光成分を光軸LA3に沿った方向に反射させる。このようなダイクロイックミラー34は、光源32aから出射された励起光成分と、発光素子32bから出射された照明光成分とを、共通の光軸LA3に沿って進行する光として合成して、導光ファイバ7内へと導く。
このような構成の蛍光観察用光源装置31によれば、ダイクロイックミラー34により励起光成分と照明光成分とが合成され、発光素子32bから照射される照明光成分の強度は駆動回路33によって調整されるので、発光素子32bから出射される照明光成分の強度を励起光成分の強度に対して増減させることができる。この場合、照明光成分の強度の調整を発光素子の駆動電流によって直接調整できるため、再現性の高い高精度な蛍光観察が可能になる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、蛍光観察用光源装置1においては、2枚の光学フィルタ3,4に換えて、2つの領域を有する光学フィルタを使用しても良い。具体的には、図6に示す本発明の変形例である蛍光観察用光源装置41のように、2つの領域43a,43bを有する光学フィルタ43が、光源2の光軸LA1上においてその光軸LA1に直交する面に沿ってスライド可能に支持される。光学フィルタ43は、領域43aにおいて蛍光波長及び蛍光波長よりも長波長の光を遮断し、領域43bにおいて蛍光波長よりも長波長の光を遮断する性質を有する。例えば、光学フィルタ43は、領域43aにおいて810nm以上の波長域の光を遮断し、領域43bにおいて1000nm以上の波長域の光を遮断する。
このような光学フィルタ43は、スライド機構6によって、光束Bの一部が光学フィルタ43の領域43aを透過し、光束Bの縁部側の他の一部が光学フィルタ3の領域43bを透過するように光学フィルタ43をスライドさせることで、光束Bにおける照明光成分の割合を調整することができると同時に、1枚の光学フィルタで波長1000nm以上の長波長成分をカットすることができる。
また、本発明の蛍光観察装置は内視鏡装置に限定されず、外科的に曝露された組織を観察する際に使用されてもよい。この場合においても、照明光の強度を励起光の強度に対して増減させることで、蛍光と反射光との光量バランスを最適化することができる。また、このような構成によれば、手術中などで曝露された組織に対する蛍光観察が可能となる。励起光及び照明光が観察対象部位に均一に照射されるように光源を配置すれば、光源装置は導光ファイバを必ずしも備えていなくてもよい。
また、本発明の蛍光観察装置の用途はリンパ節の観察のみに限定されず、赤外蛍光イメージング装置として広く用いることができる。例えば、本発明の蛍光観察装置は血管中の血流を観察することも可能であり、冠状動脈バイパスグラフト(CABG)外科手術などで使用することもできる。
1,31,41…蛍光観察用光源装置、2,32a…光源(光照射部、励起光源)、3,43…光学フィルタ(調整機構)、4…光学フィルタ、6…スライド機構(調整機構、位置調整部)、7…導光ファイバ、10…内視鏡装置(蛍光観察装置)、32b…発光素子(光照射部、照明光源)、33…駆動回路(調整機構)、34…ダイクロイックミラー(光照射部)、43a,43b…領域、LA1,LA2…光軸、S…観察部位(被検体)。
Claims (8)
- 赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光を撮像する蛍光観察装置に用いられる蛍光観察用光源装置であって、
前記蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光と、前記所定波長域より長波長である前記蛍光波長を含む照明光とを同時に照射する光照射部と、
前記光照射部によって照射される前記照明光の強度を調整する調整機構と、
を備えることを特徴とする蛍光観察用光源装置。 - 前記光照射部は白色光源を有することを特徴とする請求項1記載の蛍光観察用光源装置。
- 前記調整機構は、
前記所定波長域の光を透過し、且つ前記蛍光波長の光を遮断する第1の光学フィルタと、
前記光学フィルタの位置を前記光照射部の光軸に対して交わる方向に移動させる位置調整部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光観察用光源装置。 - 前記第1の光学フィルタは、前記蛍光波長の光及び前記蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第1の領域と、前記蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第2の領域を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の蛍光観察用光源装置。 - 前記光照射部の光軸上に設けられた前記蛍光波長よりも長波長の光を遮断する第2の光学フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光観察用光源装置。
- 前記光照射部は、前記励起光を照射する励起光源と、前記照明光を照射する照明光源と、前記励起光源及び前記照明光源の光軸上に配置され、前記励起光と前記照明光とを合成するダイクロイックミラーとを有し、
前記調整機構は、前記照明光源における前記照明光の照射強度を調整可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の蛍光観察用光源装置。 - 前記光照射部から発せられた光を前記被検体に導光するファイバをさらに備え、
前記励起光と前記照明光とは、前記ファイバ内で均一に合成された後に前記被検体に向けて照射される、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光観察用光源装置。 - 赤外領域に蛍光波長を有する蛍光試薬を含む被検体からの蛍光を撮像する蛍光観察装置であって、
前記被検体に照射する光を生成する光源装置と、
前記被検体からの前記蛍光及び反射光を撮像する撮像装置と、
前記被検体と前記撮像装置との間に設けられ、前記蛍光波長近傍の光成分を透過する蛍光フィルタとを備え、
前記光源装置は、
前記蛍光試薬を励起する所定波長域の励起光と、前記所定波長域より長波長である前記蛍光波長を含む照明光とを同時に照射する光照射部と、
前記光照射部によって照射される前記照明光の強度を調整する調整機構とを有する、
ことを特徴とする蛍光観察装置。
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