JP2008259084A - 光通信システムにおける光強度設定方法および光通信装置 - Google Patents

光通信システムにおける光強度設定方法および光通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性の確保およびノイズ成分の抑制を共に達成可能な、光通信システムにおける光強度設定方法および光通信装置、それを用いた量子暗号鍵配布システムを提供する。
【解決手段】送信器10と受信器20とが光伝送路30で接続され、送信器10が受信器20から到達した光信号を折り返すことで情報送信を行う。受信器20は通常光モードで光パルスを送信器10へ送信し、送信器10がモニタ101で到達した光信号の光強度IAinをモニタする。減衰量制御部102は、光強度IAinから固定減衰量ATFIXを減算し、折り返す光信号の光強度IAoutを設定値ITARGETまで減衰させるために必要な可変減衰量ATを決定する。微弱光モードにおいて、可変減衰器103は可変減衰量ATに設定され、受信器20の2値減衰器200は固定減衰量ATFIXに設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は光通信システムに係り、特に光強度を減衰させて通信を行うシステムにおける光強度設定方法および光通信装置に関する。
急激な成長を続けるインターネットは、便利である反面、その安全性に大きな不安を抱えており、通信の秘密保持の為に暗号技術の必要性が高まっている。現在一般的に用いられている暗号方式は、DES(Data Encryption Standard)やTriple DESといった秘密鍵暗号と、RSA(Rivest Shamir Adleman)や楕円曲線暗号の様な公開鍵暗号に分類される。しかしこれらは「計算の複雑性」を元にその安全性を保証する暗号通信方法であり、膨大な計算量や暗号解読アルゴリズムの出現によって解読されてしまう危険性を常に孕んでいる。こういった背景の下、量子暗号鍵配布システム(QKD)は、「絶対に盗聴されない」暗号鍵配布技術として注目されている。
QKDでは一般に通信媒体として光子を使用し、その偏光、位相等の量子状態に情報を載せて伝送を行う。伝送路の盗聴者は伝送中の光子をタッピングする等して情報を盗み見るが、Heisenbergの不確定性原理により、1度観測されてしまった光子を完全に観測前の量子状態に戻すことは不可能となり、このことによって正規の受信者が検出する受信データの統計値に変化が生じる。この変化を検出することにより受信者は伝送路における盗聴の有無を検出することができる。
光子の位相を利用した量子暗号鍵配布方法の場合、送信器および受信器(通例に従って、適宜、「Alice」および「Bob」と呼ぶ。)で光学干渉計を組織し、各々の光子にAliceおよびBobでそれぞれランダムに位相変調を施す。この変調位相深さの差によって出力0あるいは1が得られ、その後、出力データを測定したときの条件の一部分をAliceとBobとで照合することによって最終的にAlice−Bob間で同一ビット列を共有することができる。しかしながら、ここで共有した乱数列には光子受信器ノイズ、古典通信信号から洩れ込むノイズ、干渉計の精度に起因するノイズ等の外乱によって発生する誤りが含まれている上に、盗聴者(以下、適宜「Eve」と呼ぶ。)の盗聴行為によって発生する誤りも含まれている可能性がある。したがって、AliceおよびBobは、共有乱数列中の誤りを除去する誤り訂正処理およびEveの保持しうる情報量を篩い落とす秘匿増強処理を実行することで最終暗号鍵を得ている。
このような量子暗号鍵配布システムで最も実用化に適した構成として頻繁に用いられているのはプラグアンドプレイ(Plug & Play)方式である。以下、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2等に記載されたPlug&Play方式について説明する。
1)Plug&Playシステム
図1はPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示す概略的ブロック図である。送信器1と受信器2とが光伝送路3によって接続されているものとする。Plug&Play方式では、量子暗号鍵を受信する受信器2に設けられたパルス光源LDが光パルスPを生成する。光パルスPは光サーキュレータCIRを通って光カプラCPLにより2分割され、一方の光パルスP1は短いパスSPを通って偏光ビームスプリッタPBSを通過して光伝送路3へ送出され、他方の光パルスP2は長いパスLPを通って偏光ビームスプリッタPBSで反射して光伝送路3へ送出される。こうして、受信器2から時間的に分割され偏光が直交した2つの光パルスP1、P2が送信器1へ送信される。
送信器1には、光減衰器ATT、ファラデーミラーFMおよび位相変調器PMAが設けられている。受信した光パルスP1およびP2はファラデーミラーFMで反射することで偏光状態が90度回転し、光減衰器ATTで強度設定されて受信器2へ返送されるが、その際、位相変調器PMAは光パルスP2が通過するタイミングで光パルスP2のみを位相変調する。
受信器2の偏光ビームスプリッタPBSは、送信器1から受信した光パルスP1およびP2*aの偏光状態が送信時とは90度回転していることから、これら受信パルスをそれぞれ送信時とは異なるパスへ導く。すなわち受信した光パルスP1は長いパスLPを通り、位相変調器PMBを通過するタイミングで位相変調され、位相変調された光パルスP1*bが光カプラCPLに到達する。他方、送信器1で位相変調された光パルスP2*aは送信時とは異なる短いパスSPを通って同じく光カプラCPLに到達する。したがって、送信器1で位相変調された光パルスP2*aと受信器2で位相変調された光パルスP1*bとが干渉し、その結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出される。なお、光子検出器としてはアバランシェ・フォトダイオード(Avalanche Photo Diode)が用いられる。
このように、Plug&Play方式では、受信器2から送信器1へ時間的に分割され偏光が直交した2つの光パルスを送信し、送信器1で光の進行方向を反転させると同時に偏光方向を90度回転させ、時間的に分割された2つの光子パルスの間に位相差を与えて受信器2へ送り返すという往復型構成を採用している。このような折り返し構成により、光子パルスを時間的に分割する干渉計と時間的に再び結合させる干渉計は同一のものになるため、干渉計の光路差が光子パルスの往復時間より長い時間だけ一定に保たれば精度の良い干渉を実現できる。
このPlug&Play方式では、暗号鍵配布の媒体となる光子信号(以下、量子信号という。)は受信器2で生成され、光伝送路3を通して送信器1へと送られ、送信器1において所定の位相変調および強度設定を施されて受信器2へと送り返される。したがって送信器1において変調および強度設定を精度良く行うためには、量子信号自身からそのタイミング情報および光強度情報を得る必要がある。
2)タイミングおよび光強度の設定
非特許文献2には、受信器2から到達した量子信号からタイミング情報を得る方法として、送信器1に受信器2からの量子信号をモニタする光検出器を設け、そのモニタ信号からクロック情報を抽出し位相変調に用いる構成が示されている。
しかしながら、この構成では受信器2から送信器1へ送られる量子信号の光強度を十分に高くしないと、抽出したクロックの位相雑音が大きくなる。ところが、受信器1から出力される量子信号光強度を高く設定すると、伝送路3でのRayleigh後方散乱成分も高くなり、送信器1で折り返された正規の信号光は後方散乱ノイズ光に埋もれてしまうという問題が生じる。以下、具体的な数値を挙げて説明する。
まずレイリー(Rayleigh)後方散乱光強度は以下の数式で記述される。
Figure 2008259084
ここで、P:Rayleigh後方散乱光強度、Pin:ファイバへの入力光強度、Cs:Rayleigh後方散乱係数、α:伝送損失、L:伝送距離である。
一般的なシングルモードファイバSMF(Single Mode Fiber) に対するRayleigh後方散乱係数Csは、波長1550nmで約−70dBmである。従って、L=40kmのSMFでは、送信光強度に対して−30.75dBの後方散乱光が観測される。
一方、40kmの往復分の伝送路損失(−0.25dB/km×40km×2=−20dB)と送信器1での光学損失(約10dB)とを考慮すると、受信器2に戻ってくる主信号の光強度は送信光強度に対して−30dBとなる。後方散乱光は連続光、正規の光信号はパルス光であるから光子検出時には計算通りのSN比とはならないものの、本例では信号光と同等の強度のノイズ光が観測される計算となる。なお、往復型のシステムにおいて、信号光の強度をノイズ光に対して大きくするには、送信器1の光学損失を可能な限り小さくすることが必要であることがわかる。
量子信号光強度を低くして後方散乱ノイズ光を低減し、かつ、送信器1からの出力時の量子信号光強度を単一光子レベルに設定する為には、送信器1への入力時の量子信号の光強度が単一光子レベルより送信器1の光学損失分(ここでは約10dB)だけ高くなっている状態が理想である。この場合、繰り返し周波数62.5MHz、量子信号波長1550nmとすれば、平均光子数0.1(photon/pulse)の光パルスの強度は−91.0dBmであるから、送信器1からの出力時の量子信号をこの状態にするには送信器1への入力時の量子信号光強度はせいぜい−80dBm程となる。勿論、この様な微弱強度の光信号からは精度の良いクロック抽出は行えない。
タイミング情報を得る方法としては、送信器1と受信器2との間でクロック情報を別波長で伝送する方法が非特許文献3に記載されているが、送信器1からの出力光の強度を単一光子レベルに設定するための光強度情報を得る方法について開示していない。
これに対して、特許文献2には、量子信号の光強度を高く設定した状態でクロック情報と光強度情報を得る「トレーニングモード」と、得られたクロック情報と光強度情報とを用いて量子信号の光強度を単一光子レベルに減衰し暗号鍵共有を行う「通信モード」とを導入したシステムが提案されている。
特表2000−517499号公報 特開2005−260911号公報 "Automated 'plug & play' quantum key distribution", G. Ribordy, J. -D. Gautier, N. Gisin, O. Guinnard and H. Zbinden, Erec. Lett., Vol.34, No.22, pp.2116 "An Experimental Realization of Quantum Cryptosystem", Toshio Hasegawa, Tsuyoshi Nishioka, Hirokazu Ishizuka, Jun'ichi Abe, Katsuhiro Shimizu, Mitsuru Matsui, Shigeaki Takeuchi, IEICE TRANS. FUNDAMENTALS, Vol.E85-A, No.1, pp149 "An Autocompensating Fiber-Optic Quantum Cryptography System Based on Polarization Splitting of Light", Donald S. Nethune, William P. Risk, Journal of Quant. Elec., Vol.36, No.3, pp340 "Temperature independent QKD system using alternative-shifted phase modulation method", ECOC2004, Tu4.5.3, A. Tanaka "Balanced, gated-mode photon detector for quantum-bit discrimination at 1550nm", A. Tomita, Optics letters, Vol. 27, pp.1827-1829
上述したように、後方散乱ノイズ光を抑制するためには受信器2から出力する光強度を低く設定する必要があるが、送信器1への入力時の光強度は出力時の単一光子レベルより当該送信器1の光学損失分だけ高くすることが理想的である。その際、送信器1の光学損失は可能な限り小さいことが望ましい。
また、送信器1で設定する光強度は厳密に設計値に沿った値であることが必須である。量子信号の光強度が設計値より高い場合は、1パルスに2個以上の光子を含む確率が高くなるので盗聴者(Eve)に漏洩する鍵情報が増加し、暗号鍵共有の安全性が低下する。逆に、量子信号の光強度が設計値より低い場合は、受信器2に到着する量子信号の光強度も低くなるので共有する暗号鍵の生成速度が低下する。従って、光強度は、このトレードオフを考慮して設計し、光強度設定は厳密に設計値に合致させることが必要となる。
このような観点から光強度をどのように設定すべきかが重要な課題として認識された。例えば、トレーニングモードと通信モードとを切り替える方式のシステム(特許文献2)において、上記Rayleigh散乱によるノイズ成分を抑制するための可変光減衰器ATTを受信器2に設置した場合、受信器2は必要な減衰量の情報を送信器1から受信する必要がある。光伝送路3の光学損失は、伝送路長やコネクションポイントの数によって決定される為、受信器2は予め光伝送路3の光学損失を知ることができないからである。従って、送信器1がトレーニングモードにおいて入力光強度をモニタし、その光強度情報もしくは設定すべき減衰量を受信器2へ通知する。受信器2は、送られてきた情報に基づいて、通信モードで送信器1からの量子信号光強度が単一光子レベルになる様に可変光減衰器ATTの減衰量を設定する。このような手順で光強度を設定する必要があるために、モード切り替え時のシーケンスが複雑化する。
このシーケンスの複雑化を避ける為には、光強度モニタ、可変光減衰器制御を送信器1の内部にまとめることが望ましいが、光強度設定の為の可変光減衰器を送信器1に設置したのでは、Rayleigh後方散乱光によるノイズ成分増加は避けることが出来ない。
さらに、新たなる盗聴行為が可能となるために安全性が低下するという問題がある。たとえば、トレーニングモードにおいて、Eveは光伝送路3において量子信号の光強度を減衰させておく。すると送信器1がモニタする入力光強度はEveの施した減衰量分だけ低くなるので、通信モードで単一光子状態を作り出す為に施す減衰量を小さく設定してしまう。Eveは送信器1と受信器2とが通信モードに移行したことを確認した後、自らの施した減衰を解除し、同量の量子信号を分岐することで盗聴を行うことが可能となる。
そこで、本発明の目的は、安全性の確保およびノイズ成分の抑制を共に達成可能な、光通信システムにおける光強度設定方法および光通信装置、それを用いた量子暗号鍵配布システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、安全性を確保しつつ設計値への正確な光強度設定が可能となる、光通信システムにおける光強度設定方法および光通信装置、それを用いた量子暗号鍵配布システムを提供することにある。
本発明によれば、受信側から到達した光信号を送信側で折り返すことにより情報の送信を行う往復型のシステムにおいて、送信側が送信する光信号を所定光強度に設定する為に必要な総減衰量を受信側と送信側とで割り振り、受信側の減衰量を固定し、送信側で残りの減衰量調整を行う。受信側の減衰量が固定値として分かっているので、送信側は受信側からの光信号の光強度をモニタすることで残りの減衰量を決定することができる。
本発明による光強度設定方法によれば、第1通信器と第2通信器とが光伝送路で接続され、前記第1通信器が前記第2通信器から到達した光信号を前記第2通信器へ折り返すことで情報送信を行う光通信システムにおいて、前記第2通信器が第1光強度の光信号を前記第1通信器へ送信し、前記第1通信器が、前記第2通信器から到達した光信号の光強度と所定の固定減衰量とから、折り返す光信号の光強度を所定の第2光強度まで減衰させるために必要な可変減衰量を決定し、前記第1通信器が前記可変減衰量を、前記第2通信器が前記固定減衰量をそれぞれ設定することで、前記第1通信器で折り返される光信号の光強度を前記第2光強度に設定する、ことを特徴とする。
前記固定減衰量は、前記第2通信器から到達した光信号のノイズ成分ができるだけ小さくなるように前記第1光強度の光信号を減衰させる固定値であり、前記可変減衰量は、前記光伝送路中で光強度の所定範囲を超えた変動が検知可能となる範囲に設定される可変値であることが望ましい。
本発明の一実施形態によれば、光通信システムは、前記第1光強度の光信号を前記第2通信器から前記第1通信器へ送信する通常光モード(トレーニングモード)と、前記第2光強度の光信号を前記第1通信器から前記第2通信器へ送信する微弱光モード(通信モード)と、を有し、前記可変減衰量は、前記通常光モードで前記第2通信器から到達した光信号の光強度から前記固定減衰量を減算した結果に基づいて決定され、前記通常光モードから前記微弱光モードへ切り替わると、前記第1通信器および前記第2通信器において前記可変減衰量および前記固定減衰量がそれぞれ設定される。
本発明の一実施例による光通信システムの送信器は、受信器から到達した光信号の光強度を検出する第1光検出手段と、トレーニングモードにおいて、前記第1光検出手段により検出された光強度と所定固定減衰量とから折り返す光信号の光強度を所定光強度まで減衰させるために必要な可変減衰量を決定する第1制御手段と、通信モードにおいて前記折り返し光信号の光強度を前記可変減衰量だけ減衰させる減衰手段と、を有する。また受信器は、第1光信号と前記第1光信号を前記所定固定減衰量だけ減衰させた第2光信号とを選択可能な光源手段と、前記送信器からの折り返し光信号を検出する第2光検出手段と、前記トレーニングモードで前記第1光信号を前記送信器へ送信し、前記送信器からの折り返し光信号を検出した後、前記通信モードで前記第2光信号を前記送信器へ送信する第2制御手段と、を有する。
本発明によれば、送信側が送信する光信号を所定光強度に設定する為に必要な総減衰量を受信側と送信側とで割り振り、受信側の減衰量を固定し、送信側で残りの減衰量調整を行う。受信側の減衰量が固定値であるから、送信側は受信側からの光信号の光強度をモニタすることで残りの減衰量を決定することができる。したがって、送信側と受信側との間で、必要な総減衰量を得るための光強度情報のやり取りは不要となる。更に、受信側の固定減衰量をできるだけ大きく設定することで、盗聴者Eveが偽ることができる損失量が小さくなり盗聴が困難となる。
本発明を往復型量子暗号鍵配布システムに適用すれば、光強度を設定する為にAlice(送信器)からBob(受信器)に光強度を通信するシーケンスを省略できる。総減衰量のうち、Bobにおいて固定量だけ減衰し、残りの減衰量調整をAliceで行うからである。また、Bobが総減衰量の大半を固定値で担っている為、Eveが偽ることのできる損失量が小さくなり、トレーニングモードでEveが量子信号の光強度を制御して伝送損失を「偽る」ことによって通信モードで量子信号を分岐盗聴するという盗聴法が困難になるという効果も有する。
1.本発明の基本概念
図2(A)は本発明の概略を説明するためのシステム構成図であり、図2(B)は光路に対する光強度の減衰の様子を概念的に示すグラフである。ここでは、説明を簡略にするために、送信器10と受信器20とが光伝送路30で接続された往復型の光通信システムを例示する。送信器10に固有の光学損失の総量をLOSSA、受信器20に固有の光学損失の総量をLOSSB、光伝送路30に固有の光学損失の総量をLOSSFとし、送信器10への入力時の光強度をIAin、送信器10からの出力時の光強度をIAout、受信器20からの出力時の光強度をIBoutとする。
図2(A)において、送信器10にはモニタ101、減衰量制御部102および可変光減衰器103が設けられている。モニタ101は入力時の光強度IAinをモニタし、そのモニタされた光強度に基づいて減衰量制御部102は、後述するように、可変光減衰器103の減衰量を0−ATAの間で制御する。受信器20には、0と固定減衰量ATFIXのいずれかに減衰量を設定できる2値光減衰器200が設けられている。2値光減衰器200は、パルス光源からの光パルス(光強度ILD)を減衰させずに通過させるか、あるいは固定減衰量ATFIXだけ減衰させて通過させるかのいずれかの状態に設定される。送信器10の減衰量制御部102は、受信器20の減衰量が固定値ATFIXであることを予め知っている。
伝送光を減衰させない通常光モードでは、可変光減衰器103および2値光減衰器200のいずれも減衰量0に設定され、光強度の意図的な減衰は行わない。他方、送信器10からの出力時の光強度IAoutを目標値ITARGETに設定する微弱光モードでは、2値光減衰器200の減衰量を固定減衰量ATFIXに設定し、減衰量制御部102は可変光減衰器103の減衰量をIAout=ITARGETとなるように0−ATAの間の値に設定する。減衰量制御部102は受信器20での減衰量が固定減衰量ATFIXであることを予め知っているので、可変光減衰器103の減衰量を0−ATAの間の比較的狭い範囲で調整するだけで出力光強度IAoutを目標値ITARGETに精度良く高速設定することができる。
1.1)減衰量制御
図2(B)に示すグラフを用いてより具体的に説明する。ただし、図2(B)のグラフはあくまでも本発明の動作を概念的に示したものであり、縦軸の光強度の比率は実際の強度比を反映したものではなく、横軸の光路も実際の距離の比率を直接反映してはいない。たとえば、送信器10の入力から出力までの光路長は、光伝送路3の光路長に比べて実際ははるかに短いが、ここでは図面を見やすくするために比率を変更して示している。
まず、図2(B)において実線で示す通常光モードでは、2値光減衰器200が減衰量0に設定されるので、パルス光源から出力した光強度ILDの光パルスは受信器20において固有損失LOSSBだけ減衰して光伝送路30へ送出される。送出された光強度IBoutの光パルスは、光伝送路30において固有損失LOSSFだけ更に減衰し、光強度IAinで送信器10に入射する。通常光モードでは2値光減衰器200も減衰量0に設定されているので、光強度IAinの光パルスは、送信器10において固有損失LOSSAだけ減衰し、光強度IAoutで光伝送路30へ折り返される。
この通常光モードにおいて、減衰量制御部102は入力光強度IAinを測定し、微弱光モードにおいて出力光強度IAoutが目標値ITARGETとなるように可変光減衰器103の減衰量を決定する。すなわち、受信器20の固定減衰量ATFIXが分かっているので、減衰量制御部102は、送信器10の固有損失LOSSAを考慮して、
ATFIX+AT=(IAin−LOSSA)−ITARGET
を満たす減衰量ATを可変光減衰器103の微弱光モードでの減衰量として決定すればよい。この決定には他の情報を必要としないので、送信器10と受信器20との間で光強度情報をやり取りする必要は無い。こうして、微弱光モードに切り替わったときに、送信器10からは目標光強度ITARGETに等しい光強度IAoutで光パルスを光伝送路30へ折り返すことができる。
1.2)固定減衰量ATFIXと可変減衰量ATとの比率
通常光モードの入力光強度IAinから微弱光モードの出力光強度IAout=ITARGETまでの必要総減衰量の大半を固定減衰量ATFIXによる減衰に、残りを可変減衰量ATによる減衰にそれぞれ割り当てることが望ましい。必要総減衰量の大半を受信器20側の固定減衰量ATFIXによる減衰に割り当てるのは後方散乱ノイズ光をできるだけ抑制すると共に、Eveが盗聴する情報量をできるだけ低減させるためである。
他方、必要総減衰量の残りを送信器10側の可変減衰量ATによる減衰に割り当てるのは以下の理由による。第1に、最後の調整を送信器10側で完結させることで、送信器10と受信器20との間で光強度情報をやり取りする必要がなくなるからである。第2に、盗聴者Eveの存在を事前に検知することが可能となるからである。すなわち、盗聴者Eveが通常光モード時に量子信号の光強度を減衰させた場合、減衰量制御部102は、通常より小さい入力光強度IAin’によって、次式により減衰量ATを決定することとなる。
AT=(IAin’−LOSSA)−ITARGET−ATFIX
LOSSA、ITARGETおよびATFIXが全て秘密の固定値とすれば、入力光強度IAin’が許容範囲を逸脱している場合には、減衰量ATが設定不可能になり、盗聴者Eveの存在を事前に検知することが可能となる。
このように後方散乱ノイズ光の抑制および安全性の向上という目的に従って固定減衰量ATFIXと可変減衰量ATとの比率を一定値に決定することができる。
さらに具体的な決定方法としては、光伝送路3の伝送損失LOSSFの設計範囲を決定し、その上限値にて量子暗号鍵配布を行うと仮定した場合に、図2(B)の通常光モードにおける実線の光伝送路3の区間の直線を送信器出力点まで延長し、そのときの仮想の光強度IAout *が目標値ITARGETとなるように受信器20の固定減衰量ATFIXを決定することもできる。
1.3)2値光減衰器
2値光減衰器200の構成例は後述する実施例において説明するが、固定減衰器をセレクタにより選択する構成でもよいし、可変光減衰器を2つの固定値の間で切り替えて使用することもできる。安定性および高速応答性を優先するならば固定減衰器をセレクタで選択する構成とし、構造の複雑化を回避したいならば可変光減衰器を採用すればよい。
以下、本発明の実施例による光強度設定装置を適用した量子暗号鍵配布システムについて具体的に説明する。
2.第1実施例
図3は本発明の第1実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。ただし、図3では本発明に関連する構成のみを図示しており、位相変調の制御系やクロックや動作モードの同期系などの構成は省略している。本実施例では、トレーニングモードと通信モードとの間で量子信号の光強度を切り替える。具体的には、トレーニングモードでは通常の光強度レベルの量子信号が送信され、通信モードでは単一光子レベルの量子信号が送信される。
2.1)システム構成
図3に示すように、本実施例によるシステムは送信器10と受信器20とが光伝送路30によって接続されている。量子暗号鍵配布システムでは、送信器10がAlice、受信器20がBobにそれぞれ対応する。光伝送路30は、一般的には光ファイバ伝送路である。
送信器10には、ファラデーミラー111、位相変調器112、可変光減衰器113および光カプラ114からなる光学系と、光検出器115および制御回路116からなる電気系とが設けられている。制御回路116は、上述したように、トレーニングモード時に光検出器115によりモニタされた入力光強度に基づいて、通信モード時の可変光減衰器113の減衰量を決定する。ファラデーミラー111、位相変調器112および可変光減衰器113の構成および機能は、図1の背景技術で説明したとおりである。
受信器20には、偏光ビームスプリッタ201、位相変調器202、光カプラ203、光サーキュレータ204、光子検出器205および206が設けられ、これらの構成および機能は、図1の背景技術で説明したとおりである。受信器20の光源装置は、光スイッチ207、固定減衰器208、光スイッチ209およびパルス光源210からなる。
制御回路211は光スイッチ207および209をセレクタとして動作させる。トレーニングモード時には、光スイッチ207および209は固定減衰器208を選択せずにパルス光源210からの光パルスを過剰減衰無しに光サーキュレータ204へ転送し(経路T)、通信モード時には固定減衰器208を選択し、パルス光源210からの光パルスを固定減衰量だけ減衰させて光サーキュレータ204へ転送する(経路C)。
こうして光サーキュレータ204に到達した光パルスは、既に述べたように、光カプラ203で2分岐され、それぞれ長いパスLPと短いパスSPとを通過することで時間的に分離され、偏光ビームスプリッタ201で合波された後、送信器10へと送り出される。送信器10に到着した光パルスは光カプラ114によって分岐され、一方は光検出器115で受光される。制御回路116はトレーニングモード時に光検出器115でモニタされた光強度を元に量子信号を単一光子レベルにする為に必要な減衰量を計算し、通信モード時に可変光減衰器113に計算結果の減衰量を施す。分岐されたもう一方の光パルスは可変光減衰器113、位相変調器112を経てファラデーミラー111で偏波方向を90度回転させて反射され、元の経路を戻る。こうして送信器10から折り返された光パルスは上述したように光カプラ203で干渉し光検出器205あるいは206で検出される。
2.2)動作
制御部211はトレーニングモードで光パルスを送信し、その折り返し光パルスを検出すると、通信モードに移行し、固定減衰器208を通して減衰させた光パルスを送信する。これによって、送信器10は折り返し光パルスを位相変調すると共に、可変減衰器113によって単一光子レベルまで光強度を減衰させることができ、この単一光子レベルの折り返し光パルスを受信器20へ送信する。
トレーニングモードでは、量子信号の光強度を高い状態に設定し、送信器10においてクロック抽出や送信器10の入力光強度モニタを可能にする。すなわち、制御回路211は光スイッチ207および209を制御して過剰減衰の無い経路Tを選択する。ここで、パルス光源210の出力光強度を−10dBmとし、経路Tを通る場合の受信器20内の損失、つまり光スイッチ209 → 光スイッチ207 → 光サーキュレータ204 → 光カプラ203 →偏光ビームスプリッタ201の合計損失を5dBとすると、受信器20の出力光強度は−15dBmとなる。光伝送路30の距離が40km、損失が10dB(伝送路損失を0.25dB/kmで計算)であるとすると、送信器10の入力光強度は−25dBmとなる。
光検出器115で受光される光強度は光カプラ114の損失(3dB)があるので−28dBmとなる。一般的な光検出器(フォトダイオード)の受光感度は0.95A/W程度であるので、−28dBmの入力光からは1.5μAの光電流を得ることができ、この電流を100kΩの抵抗に流すことで150mVの電圧信号を得ることができる。この電圧信号はオペアンプによる増幅を行うことで十分モニタ可能な大きさである。
可変光減衰器113の設定減衰量を0dBとした場合、送信器10内の損失、つまり光カプラ114 → 可変光減衰器113 → 位相変調器112 → ファラデーミラー111 → 位相変調器112 → 可変光減衰器113 → 光カプラ114の合計損失を10dBとすると、送信器10の出力光強度は−35dBmとなる。繰り返し周波数62.5MHz、量子信号波長1550nm、平均光子数0.1photon/pulseの光パルスの強度は−91.0dBmであるから、通信モード時にはトレーニングモード時と比較して、全体で56dB程度の減衰を施す必要がある。
本実施例では、受信器20の固定減衰器208で50dB、送信器10の可変光減衰器113で6dB、それぞれ減衰させる構成とした。この総減衰量の割り振り方の根拠を次に示す。
2.3)減衰量の割振
実システムの設計において、全ての設計項目には設計範囲とマージンが必要となる。本実施例では、伝送距離を0〜50km、伝送路損失を0.2〜0.3dB/kmと設定して減衰量設計を行った。
トレーニングモードにおける受信器20の出力光強度(−15dBm)と、通信モードにおける送信器10の出力光強度(−91dBm)とは定まった値であるから、
(1)伝送損失、
(2)送信器10内の損失(可変光減衰器113の減衰量を含む)および
(3)受信器20側の固定減衰器208の減衰量
の和が常に固定値、つまり−15dBm−(−91dBm)=76dBであればよい。伝送損失(1)は距離および伝送路損失によって0dB〜15dBの範囲で変化し、減衰量(3)は固定値であるから、可変光減衰器113の可変幅は15dB以上あれば、(1)と(2)の減衰量の和を常に固定値に設定することができる。
後方散乱光の抑制、トレーニングモードでのEveの操作余地の削減の為には、(3)の減衰量は大きいほど望ましい。したがって、(1)と(2)の減衰量の和を15dB+10dB(可変光減衰器113を除く送信器10内の損失)+1dB(マージン分)の26dB、(3)の減衰量を残りの50dBとした。
伝送距離50kmで伝送路損失が0.3dB/kmである場合、伝送損失は15dBとなる為、可変光減衰器113の減衰量を1dBとし、伝送距離0kmの場合は可変光減衰器113の減衰量を16dBとすることで、伝送損失によらず通信モードでの送信器10の出力光強度を−91dBに設定することができる。実際、量子信号は可変光減衰器113を往復2度通過するから、設定減衰量はそれぞれの半分の値で良い。受信器20に到着する量子信号の光強度は更に伝送路損失10dB分だけ低下しているので−101dBmとなる。
2.4)効果
(第1の効果)
従来のシステム、すなわち送信器側でトレーニングモード時の光強度をモニタし、通信モードに受信器側で光強度を減衰させるような往復型システムでは、送信器が受信器へモニタした光強度の情報を通知するという余計な通信が必要であった。これは、伝送損失は送信器でしかモニタできないことに加え、往復型システムではRayleigh後方散乱により量子信号の信号対雑音比が劣化するので、受信器の出力光強度を可能な限り小さくする必要があったためである。
これに対して、本発明の第1実施例では、通信モードで量子信号の光強度を単一光子レベルにまで下げる為に必要な減衰量は、その大半を受信器20において固定量だけ減衰させ、残りの減衰量調整を送信器10で行う。これにより送信器10と受信器20との間で光強度情報を連絡するための通信を行わずに単一光子レベルの光強度設定を行うことが出来る。
(第2の効果)
さらに、トレーニングモードにおいて、Eveが量子信号の光強度を制御して伝送損失を「偽る」ことにより、通信モードでの量子信号を分岐盗聴する、という盗聴法が困難になる効果も有する。次にこの理由を説明する。
図4(A)は盗聴者が存在する場合の本実施例の動作を説明するためのシステムブロック図であり、図4(B)は盗聴者が存在する場合の従来の動作を比較例として説明するためのシステムブロック図である。ここでは、伝送路上に盗聴者Eve40が存在し、分岐比可変光カプラ401と光検出器402とを用いて伝送路情報を偽る盗聴を行うものとする。また、トレーニングモードでの受信器20の出力光強度および伝送路30の損失は、前例と同じく、それぞれ−15dBmおよび10dBであるとする。
まず、図4(B)に示すように、必要な総減衰量の全てを受信器20の光減衰器208bにより行う場合を考える。Eve40は、分岐比可変光カプラ401の分岐比を10:90にセットし、Eve40に入力した量子信号の10%(−10dB)を送信器10に送る。これによって送信器10の入力光強度は−35dBm、出力光強度は−45dBmとなる。従って、送信器10内の制御回路116aは光検出器115のモニタ結果に基づき『通信モードにおいて送信器10の出力光強度を−91dBmにする為にはさらに46dB減衰を加える必要がある』と判断し、その光強度情報を受信器20へ通知する。この結果、通信モード時には、受信器20は可変減衰器208bによって光パルスの光強度を46dB減衰させ、受信器20の出力光強度は−61dBmとなる。
Eve40は、通信モードでは分岐比可変光カプラ401の分岐比を33:67に変更し、Eve40に入力した量子信号の33%(−5dB)を送信器10へ送る。従って、送信器10の入力光強度は−76dBm、出力光強度は−86dBmとなる。この出力光強度は約0.3photon/pulseに対応し、設計値の0.1photon/pulseを大きく上回っている為、暗号鍵配布の安全性は大きく劣化する。
具体的には、Eve40は、分岐比可変光カプラ401の分岐比が33:67である為、送信器10→受信器20へと送られる量子信号の光強度の2倍の強度で量子信号を入手することができる。現在の技術では光子検出器の受信効率は10から20%であるから、受信器20が受信できたビットをEve40でも運良く受信できる可能性は極めて小さくなるものの、Eve40が保持しうる情報量は多くなる。したがって、送信器10と受信器20とで行われる秘匿増強のプロセスにおいて破棄すべき情報量が多くなることは免れない。トレーニングモードでの分岐比可変光カプラ401の分岐比を5:95や1:99というように大きくすることで、Eve40は通信モード時に、より高い強度の量子信号を分岐することが可能になる。
さらに、送信器10の出力光強度が−86dBmであれば、Eve40の分岐比可変カプラ401の損失5dBと光伝送路30の損失10dBにより、受信器20に到着する光強度は−101dBmとなる。この光強度は、Eveがいない時の光強度と一致するので、光子検出器205、206における光子検出速度に変化は無く、送信器10および受信器20はEve40の分岐盗聴を検知できない。
これに対して、図4(A)に示す本実施例によればEve40の存在を検知することができる。まず、トレーニングモードでの受信器20の出力光強度を−15dBm、光伝送路30の損失を10dBとし、Eve40が分岐比可変光カプラ401の分岐比を10:90にセットし、Eve40に入力した量子信号の10%(−10dB)を送信器10に送るものとする。この場合、送信器10の入力時の量子信号の光強度は−35dBm、出力光強度は−45dBmとなる。従って送信器10内の制御回路116は光検出器115のモニタ結果に基づき、受信器20の固定減衰量と可変光減衰器113の減衰量との合計減衰量を46dBに設定しようと試みる。しかし、固定減衰器208の減衰量だけで50dBある為、可変光減衰器113の設定減衰量を決定することができず、Eve40の存在を検知することができる。
この場合、Eve40は自らの存在の発覚を避ける為に分岐比可変カプラ401の分岐比設定を変更せざるを得ない。上記の条件でEve40が通信モード盗聴によって最も多くの情報を得る為には、トレーニングモードでは分岐比可変光カプラ401の分岐比を25:75とする。すなわちEve40に入力した量子信号の25%(−6dB)を送信器10に送ることで送信器10の入力光強度を−31dBm、出力光強度を−41dBmとし、制御回路116に『固定減衰器208の減衰量が50dBであるので可変光減衰器113の設定減衰量は0dBでよい』と誤認させる。そして、通信モードになると、分岐比可変光カプラ401の分岐比を50:50とする。従ってEve40は送信器10→受信器20へと送られる光強度と同等の強度の量子信号を入手することとなる。
このように、図4(B)に示した比較例に比べると、本実施例ではEve40が入手できる情報量は大幅に削減される。送信器10および受信器20は、設計条件(伝送距離0〜50km、伝送路損失0.2〜0.3dB/km)をさらに限定して総減衰量の割り振りを変更することでEve40の入手できる情報量を更に低減することができる。
3.第2実施例
図5は本発明の第2実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。ただし、図3のシステムと同一機能を有するブロックには同一参照番号を付して説明は省略する。
図5に示す第2実施例は、図3に示す第1実施例と受信器20における光源装置の構成が異なっている。すなわち、第2実施例によれば、光源装置は、光カプラ220、固定光減衰器221、光スイッチ209およびパルス光源210から構成される。光カプラ220の分岐比は10:90に設定され、分岐比10の入力ポートが固定光減衰器221を通して光スイッチ209の一方の出力ポートに接続され、分岐比90の入力ポートが光スイッチ209の他方の出力ポートに直接接続されている。また光カプラ220の分岐比90の出力ポートが光サーキュレータ204に接続されている。
制御回路211は光スイッチ209をセレクタとして動作させる。トレーニングモード時には、光スイッチ209は固定減衰器221を選択せずにパルス光源210からの光パルスの90%を光カプラ220を通して光サーキュレータ204へ転送する。通信モード時には、光スイッチ209は固定減衰器220を選択し、パルス光源210からの光パルスを固定減衰器221に加えて光カプラ220により更に減衰させ、光サーキュレータ204へ転送する。固定減衰器221の減衰量および光カプラ220による減衰量はいずれも固定値であり、合計で第1実施例と同じ固定値に設定することができる。
本実施例によれば、第1実施例の構成と比べて、アクティブデバイスである光スイッチ207が不要となるので、システムの信頼性を向上させることができる。
なお、第1および第2実施例では、受信器20においてトレーニングモードと通信モードとの間で光強度を切り替える手段として、光スイッチおよび固定減衰器を使用する構成としたが、本発明はこの実施例に限られるものではない。両モードの切り替え時に量子信号の光強度を切り替えることが出来ればどの様な構成でも良く、たとえば可変減衰器を使用して固定減衰量のオン/オフ(On/Off)を行っても良い。
4.第3実施例
受信器側でトレーニングモード/通信モードで量子信号の光強度を切り替えるための手段は、上記実施例のような光スイッチおよび光減衰器を用いたものに限定されるものではない。パルス光源210の駆動信号を制御することで光強度を第1実施例および第2実施例と同様に変化させることが可能である。
また、第1実施例および第2実施例では、送信器10における折り返し手段としてファラデーミラー111を用いたが、特許文献4に記載されたPBSループを用いて同様の折り返しを実行することもできる。そこで、本発明の第3実施例として、パルス光源の駆動制御により光強度を設定し、PBSループにより量子信号を折り返すシステムについて説明する。
図6は本発明の第3実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。ここでは、送信器11と受信器21が光伝送路30により接続されているものとし、図3のシステムと同一機能を有する回路要素あるいはブロックには同一参照番号を付して説明は省略する。
本実施例における受信器21に設けられたパルス光源210はレーザダイオードであり、駆動回路230により駆動される。駆動回路230がパルス光源210に供給する駆動電流は制御回路231により制御され、後述するように、トレーニングモードと通信モードとで光強度を変更することができる。こうして制御された光強度を有する光パルスがパルス光源210から光サーキュレータ204へ直接出力される。
更に、本実施例における送信器11には、第1および第2実施例におけるファラデーミラー111および位相変調器112の代わりに、位相変調器122および偏光ビームスプリッタ(PBS)121から構成されるPBSループが設けられている。位相変調器122は通過する光パルスに対して位相変調を行う。PBSループはファラデーミラーと同様の機能を有し、PBS121に受信器21側から入射した光パルスは偏波状態によって分離され、PBSループを反対方向に周回する間に位相変調器122で位相変調され、再度PBS121で結合され、偏光が90°回転した状態で受信器21へ折り返される(非特許文献4参照)。これ以外の構成および動作は第1実施例と同様であるから説明は省略する。
図7はパルス光源であるレーザダイオードへの印加電流と出力光強度との関係を示す図である。本実施例ではパルス光源210をパルス駆動するが、図7に示すように、レーザダイオードは印加電流が閾値電流を越えるまでレーザ発振は起こらず、閾値電流を超えた時点から印加電流に比例した強度の光が出力される。この性質を利用し、トレーニングモードでは駆動信号のバイアス値を高く設定して高い光強度の光パルスを出力させ、通信モードでは制御回路231の制御によって駆動回路230の駆動条件を変更して駆動信号のバイアス値を低く設定することで低い光強度のパルス信号を出力させることができる。その際、駆動信号の振幅も変更することによってトレーニングモードと通信モードの光パルス強度の差を大きくすることが出来る。
図8(A)および(B)は駆動信号のバイアス値および振幅を切り替えた時の出力光パルスの変化の様子を示す図である。図8(A)に示すように、トレーニングモードでは高い強度で光パルスが生成されているのに対し、図8(B)に示すように、通信モードでは光強度が抑制できていることが分かる。従って、本実施例でも第1および第2実施例と同様の効果を得ることが出来る。
さらに、光パルスの消光特性に関して以下の効果も得られる。すなわち、トレーニングモードでは駆動信号のバイアス値を高く設定している為、駆動信号が“0”の時間帯でもレーザダイオードの閾値電流近くの印加電流が供給されており出力光強度は完全にゼロにはならない。トレーニングモードでの量子信号の役割は送信器11にクロック情報と光強度情報を知らせることであるから、この点は大きな問題とはならない。
しかしながら、通信モードでは駆動信号の“0”の時間帯で消光しきらないと、光子検出の際にノイズ光として作用し、暗号鍵生成性能を劣化させる。本実施例では、通信モードでは駆動信号のバイアス値を閾値電流よりも十分小さく設定している為、光パルスの消光特性を高く保つことができ、暗号鍵生成性能を高くすることができる。
上述したように、駆動回路230の駆動条件を変更することでパルス光源210の出力光強度を切り替えることができるが、第1および第2実施例で記載した光スイッチおよび固定減衰器を用いた光源装置と組み合わせて使用することも可能である。
なお、光カプラ203で干渉後の単一光子状態の光パルスは光検出器205あるいは206によって検出されるが、これら光検出器205および206として、非特許文献5に記載の平衡型ゲートモード光子検出器を用いることができる。
本発明は往復型の光通信システムに適用可能であり、特に量子暗号鍵配布技術に代表される、単一光子検出によって乱数を生成する技術に利用可能である。
Plug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示す概略的ブロック図である。 (A)は本発明の概略を説明するためのシステム構成図であり、(B)は光路に対する光強度の減衰の様子を概念的に示すグラフである。 本発明の第1実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。 (A)は盗聴者が存在する場合の本実施例の動作を説明するためのシステムブロック図であり、(B)は盗聴者が存在する場合の従来の動作を比較例として説明するためのシステムブロック図である。 本発明の第2実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施例による量子暗号鍵配布システムの概略的構成を示すブロック図である。 パルス光源であるレーザダイオードへの印加電流と出力光強度との関係を示す図である。 (A)および(B)は駆動信号のバイアス値および振幅を切り替えた時の出力光パルスの変化の様子を示す図である。
符号の説明
10、11 送信器(Alice)
20、21 受信器(Bob)
101 モニタ
102 可変光減衰器
111 ファラデーミラー
112 位相変調器
113 可変光減衰器
114 光カプラ
115 光検出器
116 制御回路
121 偏光ビームスプリッタ
122 位相変調器
200 2値減衰器
201 偏光ビームスプリッタ
202 位相変調器
203 光カプラ
204 光サーキュレータ
205、206 光検出器
207 光スイッチ
208 固定減衰器
209 光スイッチ
210 パルス光源
211 制御回路
220 光カプラ
221 固定減衰器
230 レーザ駆動回路
231 制御回路

Claims (16)

  1. 第1通信器と第2通信器とが光伝送路で接続され、前記第1通信器が前記第2通信器から到達した光信号を前記第2通信器へ折り返すことで情報送信を行う光通信システムの光強度設定方法において、
    前記第2通信器が第1光強度の光信号を前記第1通信器へ送信し、
    前記第1通信器が、前記第2通信器から到達した光信号の光強度と所定の固定減衰量とから、折り返す光信号の光強度を所定の第2光強度まで減衰させるために必要な可変減衰量を決定し、
    前記第1通信器が前記可変減衰量を、前記第2通信器が前記固定減衰量をそれぞれ設定することで、前記第1通信器で折り返される光信号の光強度を前記第2光強度に設定する、
    ことを特徴とする光強度設定方法。
  2. 前記固定減衰量は、前記第2通信器から到達した光信号のノイズ成分ができるだけ小さくなるように前記第1光強度の光信号を減衰させる固定値であることを特徴とする請求項1に記載の光強度設定方法。
  3. 前記可変減衰量は、前記光伝送路中で光強度の所定範囲を超えた変動が検知可能となる範囲に設定される可変値であることを特徴とする請求項1または2に記載の光強度設定方法。
  4. 前記光通信システムは、前記第1光強度の光信号を前記第2通信器から前記第1通信器へ送信する通常光モードと、前記第2光強度の光信号を前記第1通信器から前記第2通信器へ送信する微弱光モードと、を有し、
    前記可変減衰量は、前記通常光モードで前記第2通信器から到達した光信号の光強度から前記固定減衰量を減算した結果に基づいて決定され、前記通常光モードから前記微弱光モードへ切り替わると、前記第1通信器および前記第2通信器において前記可変減衰量および前記固定減衰量がそれぞれ設定されることを特徴とする請求項1に記載の光強度設定方法。
  5. 前記第1光強度は単一光子レベルであることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の光強度設定方法。
  6. 光伝送路で接続された他の光通信装置に対して光信号を送信し、その折り返し光信号を受信する光通信装置において、
    所定光強度の第1光信号と前記所定光強度を所定固定減衰量だけ減衰させた第2光信号とを選択可能な光源手段と、
    前記他の光通信装置からの折り返し光信号を検出する光検出手段と、
    前記第1光信号を前記他の光通信装置へ送信し、前記他の光通信装置からの折り返し光信号を検出した後、前記第2光信号を前記他の光通信装置へ送信する制御手段と、
    を有し、前記他の光通信装置から、前記固定減衰量だけ減衰させた光信号に対する所定微弱光強度の折り返し光信号を受信することを特徴とする光通信装置。
  7. 前記光源手段は、
    前記第1光信号を生成する光源と、
    前記固定減衰量を与える光減衰手段と、
    前記光減衰手段を通る第1経路および前記光減衰手段を通らない第2経路のいずれかを選択する光スイッチ手段と、
    を有することを特徴とする請求項6に記載の光通信装置。
  8. 前記光源手段は、
    駆動電流により出力光の光強度を制御可能なレーザ光源と、
    前記第1光信号を出力する駆動電流と前記第2光信号を出力する駆動電流とを選択可能に供給する駆動手段と、
    を有することを特徴とする請求項6に記載の光通信装置。
  9. 光伝送路で接続された他の光通信装置から到達した光信号を前記他の光通信装置へ折り返すことで情報送信を行う光通信装置において、
    前記他の光通信装置から到達した光信号の光強度を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された光強度と前記他の光通信装置に設定された所定の固定減衰量とから、折り返す光信号の光強度を所定光強度まで減衰させるために必要な可変減衰量を決定する制御手段と、
    前記折り返し光信号の光強度を前記可変減衰量だけ減衰させる減衰手段と、
    を有することを特徴とする光通信装置。
  10. 第1通信装置と第2通信装置とが光伝送路で接続され、前記第1通信装置が前記第2通信装置から到達した光信号を前記第2通信装置へ折り返すことで情報送信を行う光通信システムにおいて、
    前記第1通信装置は、
    前記第2通信装置から到達した光信号の光強度を検出する第1光検出手段と、
    トレーニングモードにおいて、前記第1光検出手段により検出された光強度と所定固定減衰量とから折り返す光信号の光強度を所定光強度まで減衰させるために必要な可変減衰量を決定する第1制御手段と、
    通信モードにおいて前記折り返し光信号の光強度を前記可変減衰量だけ減衰させる減衰手段と、
    を有し、
    前記第2通信装置は、
    第1光信号と、前記第1光信号を前記所定固定減衰量だけ減衰させた第2光信号と、を選択可能な光源手段と、
    前記第1通信装置からの折り返し光信号を検出する第2光検出手段と、
    前記トレーニングモードで前記第1光信号を前記第1通信装置へ送信し、前記第1通信装置からの折り返し光信号を検出した後、前記通信モードで前記第2光信号を前記第1通信装置へ送信する第2制御手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする光通信システム。
  11. 前記所定固定減衰量は、前記第2通信装置から到達した光信号のノイズ成分ができるだけ小さくなるように前記第1光信号を減衰させる固定値であることを特徴とする請求項10に記載の光通信システム。
  12. 前記可変減衰量は、前記光伝送路中で光強度の所定範囲を超えた変動が検知可能となる範囲に設定される可変値であることを特徴とする請求項10または11に記載の光通信システム。
  13. 前記第1制御手段は、前記トレーニングモードで前記第2通信装置から到達した光信号の光強度から前記所定固定減衰量を減算した結果に基づいて前記可変減衰量を決定し、前記トレーニングモードから前記通信モードへ切り替わると前記可変減衰量を前記減衰手段に設定することを特徴とする請求項10−12のいずれか1項に記載の光通信システム。
  14. 前記所定光強度は単一光子レベルであることを特徴とする請求項10−13のいずれか1項に記載の光通信システム。
  15. 請求項5に記載の光強度設定方法を実現する量子暗号鍵配布システム。
  16. 請求項14に記載の光通信システムを有する量子暗号鍵配布システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006101491A (ja) * 2004-09-02 2006-04-13 Nec Corp 多重化通信システムおよびそのクロストーク除去方法
KR101833116B1 (ko) * 2015-01-13 2018-02-27 한국과학기술원 상태 비파괴형 광자개수검출기에 기반한 동적 단일광자발생기
KR101833117B1 (ko) * 2015-01-13 2018-02-27 한국과학기술원 광자개수검출기에 기반한 동적 단일광자발생기

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