JP2008258011A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents
色素増感型太陽電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008258011A JP2008258011A JP2007099231A JP2007099231A JP2008258011A JP 2008258011 A JP2008258011 A JP 2008258011A JP 2007099231 A JP2007099231 A JP 2007099231A JP 2007099231 A JP2007099231 A JP 2007099231A JP 2008258011 A JP2008258011 A JP 2008258011A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- dye
- light
- fine particles
- solar cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/542—Dye sensitized solar cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
- Hybrid Cells (AREA)
Abstract
【課題】光反射層/光散乱層の構成を工夫することで、光照射時の高い短絡電流(Jsc)を保ったまま、開放電圧(Voc)を向上させた色素増感型太陽電池の提供。
【解決手段】光透過性基板11の表面に、少なくとも導電層12と、多孔質膜層2とを積層したアノード電極1、該アノード電極1の多孔質膜層2の側に対向するカソード電極5及び前記アノード電極1とカソード電極5の2枚の電極間に電解質を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、該多孔質膜層2が光透過性基材側から順に、少なくとも増感色素3を吸着させた微粒子からなる光吸収層21と、光反射層22とからなり、該光反射層22が主にアスペクト比が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
【選択図】図1
【解決手段】光透過性基板11の表面に、少なくとも導電層12と、多孔質膜層2とを積層したアノード電極1、該アノード電極1の多孔質膜層2の側に対向するカソード電極5及び前記アノード電極1とカソード電極5の2枚の電極間に電解質を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、該多孔質膜層2が光透過性基材側から順に、少なくとも増感色素3を吸着させた微粒子からなる光吸収層21と、光反射層22とからなり、該光反射層22が主にアスペクト比が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
【選択図】図1
Description
本発明は色素増感型太陽電池に関する。更に詳しくは、平板状粒子を含む多孔質膜電極を有する色素増感太陽電池に関する。
色素増感型太陽電池は一般的な印刷工程で製造できる構成から、素材・プロセス両面で大幅なコスト低減が期待され、シリコン系、GaAs系、CIS系などに続く次世代の太陽電池として注目を集めている。
この色素増感型太陽電池は、半導体表面に吸着させた色素分子が太陽光を吸収し、色素のLUMO(最低空軌道)から半導体のCB(伝導帯)へ電子注入が起こることで所謂分光増感を行う。
色素分子は半導体表面に吸着基を介して結合させるため、一般的には単分子層であるとされる。
即ち、太陽電池セルに入射した光を高い効率で電子に変換させるためには、色素の光吸収能を向上させる技術が必要である。
それに対し大きなブレイクスルーを果たしたのが、酸化チタンの超微粒子を適度な空孔を含む多孔質膜として形成させたことにある(例えば、非特許文献1)。
この多孔質膜中の粒子表面に色素分子を単分子吸着させることで、光吸収/電子注入サイトの比表面積を数千倍にまで高めることを可能にし、太陽電池セルに入射した太陽光を効率よく電子に変換することができる。
色素から注入された電子は、酸化チタン多孔質膜中を高効率に拡散し透明電極に到達する。
一方で、電子を失った色素は電解質中のヨウ素イオンから電子を受け取る。
さらには電子を渡したヨウ素イオンが対極のPt基板上で電子を受け取る。色素増感型太陽電池は、この一連の光吸収・酸化還元過程を経て外部回路を駆動する。
色素増感型太陽電池に用いられる半導体電極は、酸化チタンを主成分とするナノポーラス構造が一般的である。
この酸化チタン膜は、色素吸着量に依存し電子の失活過程である電子とホールの再結合が極めて生じにくい特性を持っており、ナノポーラス構造に電荷分離機能を持たせる上で都合がよい。
とはいっても、さらなる光電変換効率向上のためには、色素の光吸収能を向上させる新たな工夫が必要になってくる。
例えば、酸化チタンをさらに小粒径化して比表面積の拡大を図るなどが考えられるが、実際には20nm前後の酸化チタン微粒子を用いることが最も効率的であり、さらに小さくすると比表面積は拡大するものの、ナノポーラス構造を形成しにくくなり、電解質がナノポーラス中にまで効率よく拡散しなくなるといったトレードオフの関係になってしまう。
また一方で、酸化チタンのナノポーラス構造を積層して膜厚を厚くすることで、光吸収能を向上させることも考えられるが、電子寿命が長いとされる酸化チタンナノポーラス膜においても、実際には8〜15μm程度の膜厚が適当であり、それより膜厚を厚くしても光電変換効率が頭打ちになるばかりでなく、電子とホールの再結合チャンスが増えるため開放電圧の低下を招き、結果的に変換効率が低下してしまう。
それに対し、酸化チタンを主成分とするナノポーラス膜を透過した光を新たに設けた光反射層/光散乱層で反射/散乱させ、再度、光電変換効率の高いナノナノポーラス膜に光を導くことで光電変換ロスを低減する技術が紹介されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
また、ナノポーラス膜中の粒子径分布を、光散乱を起こさず光電変換効率の高い小粒径微粒子と、光散乱を目的とした大粒径粒子を混合することで、同様な光電変換ロス低減を達成した技術が開示されている(例えば、特許文献4〜5)。
しかしならが、前者の技術では微細なナノポーラス膜上に数百nm以上の粒径を有する微粒子を幾層にも積層する必要があり、上記の理由から変換効率に限界が生じる問題がある。
また、後者の技術はナノポーラス膜中に大粒径粒子を混合させるために、優れた光吸収能と光電変換効率の向上を両立させることが難しかった。
Nature353,24(1991)737 特開平10−255863号公報
特開2001−93591号公報
特開2002−222968号公報
特開2001−196104号公報
特開2002−93475号公報
Nature353,24(1991)737
本発明は上述したような従来の課題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、光反射層/光散乱層の構成を工夫することで、光照射時の高い短絡電流(Jsc)を保ったまま、開放電圧(Voc)を向上させた色素増感型太陽電池を提供することにある。
本発明は半導体多孔質膜層を形成する半導体微粒子について、特にその形状を最適化することで前記課題の解決に至り、ここに技術開示するものである。
従って、本発明の目的は下記の構成により達成される。
1.光透過性基板の表面に、少なくとも導電層と、多孔質膜層とを積層したアノード電極、該アノード電極の多孔質膜層の側に対向するカソード電極及び前記アノード電極とカソード電極の2枚の電極間に電解質を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、該多孔質膜層が光透過性基材側から順に、少なくとも増感色素を吸着させた微粒子からなる光吸収層と、光反射層とからなり、該光反射層が主にアスペクト比が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.前記形状異方性微粒子のアスペクト比が、10〜100であることを特徴とする前記1に記載の色素増感型太陽電池。
3.前記形状異方性微粒子が、平板形状であることを特徴とする前記1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
4.前記光反射層中の形状異方性微粒子が、200nm〜10μmの平均粒径を有し、且つ光吸収層中の微粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする前記1〜3何れか1項に記載の色素増感型太陽電池。
5.前記多孔質膜層の光吸収層の膜厚と光反射層の膜厚との比が、5:1〜15:1であることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池。
本発明による色素増感型太陽電池は、光反射層/光吸収層の構成を工夫することで、光照射時の高い短絡電流(Jsc)を保ったまま、開放電圧(Voc)を向上させることができ優れた効果を有する。
以下、本発明を更に詳細に述べる。
先ず、本発明の色素増感型太陽電池について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の基本構造を示す概略断面図である。
本発明の色素増感型太陽電池は図1によって示される通り、光透過性基板11の上に導電層12を有し、色素分子3を吸着させた光吸収層21と光反射層22からなる多孔質膜層2を有するアノード電極1、電荷移動層(「電解質層」と呼ぶこともある)4、カソード電極5を有する対向基板6から成る。
尚、図1において、+は正極を表し、−は負極を表す。
本発明の色素増感型太陽電池を構成する際には、前記アノード電極1の多孔質膜層2、電荷移動層4及びカソード電極5を図中7で示される封止剤で、ケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、多孔質膜層2に吸着された色素3は照射された太陽光もしくは電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は半導体多孔質膜層2に移動し、次いで導電層12を経由して外部回路に供給される。
一方、外部回路を駆動してカソード電極5上に移動した電子は、電荷移動層4のレドックス電解質を還元する。
多孔質膜層2に電子を移動させた色素3は酸化体となっているが、カソード電極5から電荷移動層4のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層4のレドックス電解質は酸化されて、再びカソード電極5から供給される電子により還元されうる状態に戻る。
このようにして電子が流れ、本発明の色素増感型太陽電池を構成することができる。
以下、これらについて更に詳細に説明する。
<半導体多孔質膜層>
(光反射層)
本発明の多孔質膜層は光透過性基材側から順に、少なくとも光吸収層と光反射層とを有し、該光反射層が主にアスペクト比(以下、ARと略すこともある)が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする。
(光反射層)
本発明の多孔質膜層は光透過性基材側から順に、少なくとも光吸収層と光反射層とを有し、該光反射層が主にアスペクト比(以下、ARと略すこともある)が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする。
上記、形状異方性微粒子は、平板状、燐片状、板状、針状、柱状、繊維状、ラグビーボール状、紡錘状、など形状異方性を有することが特徴であり、好ましくは平板状、燐片状、板状であり、光反射能から平板状が最も好ましい。
本発明の半導体微粒子はアスペクト比5以上であることが特徴であり、好ましくは5〜200であり、さらに好ましくは10〜100である。
また、反射層は太陽光を反射する100nm〜10μmの平均粒径が好ましく、さらに好ましくは200nm〜3μm程度であり、最も好ましくは250nm〜2μm程度が、反射効率と変換効率の観点から好ましい。
本発明の平均粒径とは、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM−2010F型)で観察した粒子の投影面積を真円に換算したときの円相当径を計算し、観測粒子数500個以上での平均円相当径を示す。
また、本発明でアスペクト比とは、前記平均粒径を、500個以上の粒子を横方向から観察した平均厚みで除した値を示す。
また、光反射層の膜厚は0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に、好ましくは1μm〜5μm、更に好ましくは1μm〜3μmである。
光反射層の膜厚が薄すぎると十分な光反射能が得られず、逆に厚すぎると多孔質膜層自体の膜厚が厚くなり電解質の拡散を阻害してしまうだけでなく、半導体に注入された電子と色素ホールとの再結合チャンスが増えVocの低下を招く恐れがある。
本発明の光反射層を形成する形状異方性微粒子の組成は、所望の形状異方性が得られれば特に限定されず、金属粒子、無機粒子、有機粒子、ポリマー粒子など種々の化合物を用いることが出来る。好ましくは電解質の影響を受けず、また、更なる高性能化には光反射層でも光電変換をさせるために、色素が吸着出来る半導体を選択することが好ましい。また、効率よく光反射させるためには、高屈折率の組成を選択することで、より薄い層で高い光反射効果を得られるため好ましい。具体的には半導体微粒子を用いることが好ましく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを上げることが出来、中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウムが、高屈折率、伝導帯のエネルギーレベルや色素の吸着性を考慮すると好ましく、さらには酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンが最も好ましい。
本発明においては光反射層と光吸収層の組成が同じである必要はなく、高機能化の目的で異なる組成を選択してもよい。
(光吸収層)
本発明の光吸収層は、実質的に太陽光を散乱しない5nm〜100nmの平均粒径が好ましく、さらには8nm〜80nm、比表面積と空隙サイズから10nm〜30nmが最も好ましい。
(光吸収層)
本発明の光吸収層は、実質的に太陽光を散乱しない5nm〜100nmの平均粒径が好ましく、さらには8nm〜80nm、比表面積と空隙サイズから10nm〜30nmが最も好ましい。
ここで実質的に太陽光を散乱しないとは、太陽光に含まれる可視光線(主には400nm〜780nm域の光)と、UVAと呼ばれる紫外線(315nm〜400nm域の光)、近赤外線〜遠赤外線(780nm以上の光)を含むスペクトル光を散乱しにくいことを言う。
この波長領域はミー散乱で分類することができ、光の波長、粒子径、粒子の屈折率により散乱特性が影響される。無機微粒子の場合、一般的には波長と同程度の粒径が存在すると散乱が発生すると言われている。
実験的にはJIS−K−7136に従って多孔質膜のヘイズ値を評価することで確認できる。好ましいヘイズ値は0.5%〜50%であり、更に好ましくは1%〜20%、最も好ましくは1%〜10%である。ヘイズ値が10以下になると、目視では実質的に透明であり、光吸収層の表面近傍だけでなく、厚み方向に十分に光が届くため好ましい。
本発明の半導体多孔質膜層に関し、特に光吸収層の膜厚は5μm〜20μmであることが好ましく、8μm〜18μmがさらに好ましく、11μm〜15μmが最も変換効率が高く好ましい。
本発明の光吸収層は増感色素を吸着させた多孔質層であることが特徴であり、その組成は価電子帯(VB)と伝導帯(CB)のバンドギャップが3eV前後の半導体微粒子が好ましく、ナノポーラス膜の形成し易さから金属酸化物であることが好ましい。
代表的な金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを上げることが出来、中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウムが伝導帯のエネルギーレベルや色素の吸着性を考慮すると好ましく、さらには酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンが最も好ましい。
また、本発明の光吸収層を形成する半導体微粒子は、色素増感型太陽電池の性能向上を目的に、前記半導体微粒子を2種以上積層および/または混合して成る構成でもよく、さらには半導体Aの表面に半導体Bを被覆して成るコアシェル微粒子、または半導体Aの多孔質膜を形成後、半導体Bを表面コートするコンポジット材料を用いてもよい。
(多孔質膜層)
本発明の多孔質膜層(以下、半導体多孔質膜層ともいう)の光吸収層と光反射層をトータルした膜厚は、10μm〜20μmが好ましく、13μm〜17μmがさらに好ましく、14μm〜16μmが最も好ましい。
(多孔質膜層)
本発明の多孔質膜層(以下、半導体多孔質膜層ともいう)の光吸収層と光反射層をトータルした膜厚は、10μm〜20μmが好ましく、13μm〜17μmがさらに好ましく、14μm〜16μmが最も好ましい。
光吸収層と光反射層の膜厚比は、光吸収層:光反射層=15:1〜4:1が好ましく、12:1〜5:1がさらに好ましく、10:1〜6:1が最も好ましい。
本発明においては、焼成後の半導体多孔質膜層が前記の膜厚範囲に好ましく形成される様に、粒子懸濁液(ペースト)を最適に設計し、また、ペーストの塗布工程において重ね塗布するなどして膜厚を確保させることが好ましい。
さらに、本発明の光吸収層および光反射層を積層させる場合にも、同様にして重ね塗布により形成させることが好ましい。
(半導体微粒子)
本発明の半導体微粒子の製法としては、一般公知の技術を用いて行うことができる。微粒子形成方法は大きく分けて気相法と液相法に分類される。
(半導体微粒子)
本発明の半導体微粒子の製法としては、一般公知の技術を用いて行うことができる。微粒子形成方法は大きく分けて気相法と液相法に分類される。
気相法とは気体状の原料物質から結晶形成させる手法であり、連続的なプロセスを構築しやすく低コストで高純度な粒子を大量生産することに好適である。
一方で液相法は原料物質1種、あるいは2種以上を溶液中で混合し、原料物質と生成物の溶解度変化を利用して粒子形成する方法であり、シングルジェット法、ダブルジェット法、ゾル−ゲル法および水熱法、などが挙げられ、極端な大量生産には不向きなものの粒子形状の揃った高品質な微粒子を合成できる手法として広く用いられている。
また、液相法の一種であるが、原料物質を溶融し冷却時の溶解度変化を利用して粒子形成させるメルト法や、メルト法と同様にして高温溶融したフラックス塩中で形成させる手法などが挙げられる。
本発明の光吸収層に用いられる半導体微粒子は、粒子サイズが制御して形成できる方法であれば、上記のいかなる手法にて粒子形成されてもよく、酸化チタンに限って言えば粒径、純度、コストの観点から気相法酸化チタン(例えば、デグサ社製P25など)で十分な性能を得ることができる。
本発明の多孔質膜層においては、特に光反射層を形成する高アスペクト比微粒子の製造方法としては、単分散で特異な粒子形状を安定して得ることができる液相法が好ましく、ゾル−ゲル法とった金属アルコキシドの加水分解、所謂水熱法などを好ましく用いることができるが、本発明においては高温溶融状態から急冷することで粒子形成させるメルト法、もしくはフラックス法が好ましい。
本発明の光反射層に用いる高アスペクト比微粒子は、酸化チタンを例にすると、例えば特開平7−157312号公報に記載された方法を参考にして得ることができる。
この方法は、原料粉末の加熱溶融物を冷却し繊維状チタン酸カリウム結晶〔K2Ti2O5〕を生成させ、これにK+イオンの溶出処理と湿式粉砕処理を施し、ついで焼成処理を行うことで薄片形状の酸化チタンを得ることが出来る。
前記繊維状チタン酸カリウム結晶は、TiO5三角両錐体の連鎖が積層した層状構造結晶を有し、酸水溶液による脱カリウム過程で、層間のK+イオンがH+またはH3O+と置換されて膨潤・劈解を生じる。
これに湿式粉砕処理を加えることにより、繊維同士の分離,層間の剥離が促進され、形態の揃った薄片形状を有する水和酸化チタンの粉末が高収率で得られる。
本発明に用いることができる薄片形状の微粒子は、前記冷却過程における温度プロファイルを制御することで、所望の形状およびサイズを単分散且つ安定して得ることができ、急冷することで薄片の厚み方向が薄くなる傾向になる。
また、湿式粉砕処理は、水溶液中において分散剤存在下、ビーズミル分散機(例えば、壽工業社製ウルトラアペックスミル/50μm径ジルコニアビーズ)を用いることで、安定して薄片形状の微粒子を得ることができる。
次に、本発明の半導体多孔質膜の作製方法について説明する。
半導体多孔質膜を作製する方法としては公知の方法を適用することが可能であり、
(1)半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、乾燥及び焼成を行って半導体層を形成する方法、
(2)コロイド溶液中に導電性基材を浸漬して電気泳動により半導体微粒子を導電性基材上に付着させる泳動電着法、
(3)コロイド溶液や分散液に発泡剤を混合して塗布した後、焼結して多孔質化する方法、
(4)ポリマーマイクロビーズを混合して塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
(1)半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、乾燥及び焼成を行って半導体層を形成する方法、
(2)コロイド溶液中に導電性基材を浸漬して電気泳動により半導体微粒子を導電性基材上に付着させる泳動電着法、
(3)コロイド溶液や分散液に発泡剤を混合して塗布した後、焼結して多孔質化する方法、
(4)ポリマーマイクロビーズを混合して塗布した後、このポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
上記の作製方法の中で、特に塗布方法としては公知の方法を適用することが可能で、スクリーン印刷法、インクジェット法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法などを挙げることができる。
特に上記(1)の方法の場合、懸濁液中の半導体微粒子の粒子径は微細である方が好ましく、1次粒子として存在していることが好ましい。
半導体微粒子を含有する懸濁液は、半導体微粒子を溶媒中に分散させることによって調製することができる。
溶媒としては、半導体微粒子を分散し得るものであれば特に制限は無く、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。
有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。懸濁液中には、必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)、分散剤等を加えることができる。溶媒中の半導体微粒子の濃度の範囲は、0.1質量%〜70質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%が更に好ましい。
上記のようにして得られた半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性基材上に金属酸化物半導体層が形成される。
導電性基材上に懸濁液を塗布、乾燥して得られる半導体多孔質膜層は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒子径は使用した半導体微粒子の1次粒子径に依存するものである。導電性基材上に形成された半導体多孔質膜層は、導電性基材との結合力や、微粒子間の結合力が弱く、機械的に脆い膜であるため、この半導体微粒子集合体膜を焼成処理して機械的強度を高め、基板に強く固着した焼成物膜とすることが好ましい。
同時に焼成処理をすることで、粒子間が溶融密着による所謂ネッキングを形成し、半導体多孔質膜中の電子伝導性が向上する効果が得られる。
本発明においては、この焼成物膜はどのような構造を有していても良いが、多孔質構造(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、半導体多孔質膜層の空隙率は、10体積%以下が好ましく、更に好ましくは、8体積%以下であり、特に好ましくは、0.01体積%〜5体積%以下である。
尚、半導体多孔質膜層の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(例えば、島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することが出来る。
焼成温度は300℃〜1000℃程度で行われるが、酸化チタンの場合は焼成温度によって得られる結晶相が異なるため注意が必要である。
酸化チタンを本発明に用いる場合、900℃以上の焼成温度では、光触媒不活性なルチル晶を形成するため、一般的には600℃以下の温度で形成されるアナターゼ晶を用いることが好ましい。
本発明の半導体多孔質膜層は、前記焼成処理後、半導体微粒子の表面積を増大させる目的、また半導体微粒子と基材電極間、また半導体微粒子間の電子伝導性を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
<導電性基材>
本発明で用いられる導電性基材1は実質的に透明であることが好ましく、所謂透明導電性基材であることが重要である。
本発明で用いられる導電性基材1は実質的に透明であることが好ましく、所謂透明導電性基材であることが重要である。
実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
導電性基材とはそれ自体が導電性を有する基材、またはその表面に導電層を有する基材を利用することができる。
後者の場合、基材としてはガラス板や、酸化チタンやアルミナなどのセラミックの研磨板、更に公知の種々のプラスチックシートを使用することが可能である。
具体的なプラスチックシートの例としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリカーボネート(PC),ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状ポリオレフィン、フェノキシ樹脂、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。
図1中、光透過性基材11上に設ける導電層12に使用する導電性材料は、種々公知の金属や金属酸化物等からなる無機系導電性材料、ポリマー系導電性材料、無機有機複合型の導電性材料、またはこれらを任意に混合した導電性材料など、あらゆるものを使用することができる。
無機系導電性材料として具体的には、白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、更にスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO2)等の金属酸化物を挙げることができる。
ポリマー系導電性材料として具体的には、各種チオフェン、ピロール、フラン、アニリンなどの誘導体を重合させてなる導電性ポリマーやポリアセチレン等を挙げることができるが、導電性が高い観点からポリチオフェンが好ましく、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が好ましい。
基材上に導電層を形成する方法としては、導電性材料に応じた公知の適切な方法を用いることが可能で、例えば、ITOなどの金属酸化物からなる導電層を形成する場合、スパッタ法、CVD法、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
また、ポリマー系導電性材料からなる導電層を形成する場合は、公知の様々な塗布法により形成することが好ましい。
導電層の膜厚は0.01μm〜10μm程度が好ましく、0.05μm〜5μm程度が更に好ましい。
導電性基材としては表面抵抗が低いほど良く、具体的には50Ω/cm2以下であることが好ましく、10Ω/cm2以下であることが更に好ましい。
また、導電性基材の集電効率を向上し更に導電性を上げるために、光透過率を著しく損なわない範囲の面積率で、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、チタン、タングステンなどからなる金属配線層を前記導電層と併用してもよい。
金属配線層を用いる場合、格子状、縞状、櫛状などのパターンとして、光が導電性基材を均一に透過するように配設するとよい。金属配線層を併用する場合、基材に蒸着、スパッタリング等で設置し、その上に前記導電層を設けるのが好ましい。
色素増感型太陽電池においては、前記光透過性基材上に設けた導電層とセル中に封止された電解質との短絡による開放電圧の低下を抑制するため、透明導電性基材の上に金属酸化物などを数nm〜数十nm程度形成させておくことが好ましい。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを上げることが出来、これらを単体もしくは混合した膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ディップコート法などを用いて形成させておくことが望ましい。
<色素>
本発明において、前述した半導体多孔質膜層2の表面に吸着させる色素3としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を有し、金属酸化物半導体の伝導帯より高い最低空準位を有する色素が好ましく、公知の様々な色素を使用することができる。
本発明において、前述した半導体多孔質膜層2の表面に吸着させる色素3としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を有し、金属酸化物半導体の伝導帯より高い最低空準位を有する色素が好ましく、公知の様々な色素を使用することができる。
例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、シアニジン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ローダミン系色素、ローダニン系色素などが挙げられる。
なお、金属錯体色素も好ましく使用され、その場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの種々の金属を用いることができる。
上記の中で、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素は好ましい態様の1つであり、
具体的には特開平11−35836号、特開平11−67285号、特開平11−86916号、特開平11−97725号、特開平11−158395号、特開平11−163378号、特開平11−214730号、特開平11−214731号、特開平11−238905号、特開2004−207224号公報、特開2004−319202号公報、欧州特許892411号および同911841号などの各明細書に記載の色素を挙げることができる。更に金属錯体色素も好ましい態様の1つであり、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。
具体的には特開平11−35836号、特開平11−67285号、特開平11−86916号、特開平11−97725号、特開平11−158395号、特開平11−163378号、特開平11−214730号、特開平11−214731号、特開平11−238905号、特開2004−207224号公報、特開2004−319202号公報、欧州特許892411号および同911841号などの各明細書に記載の色素を挙げることができる。更に金属錯体色素も好ましい態様の1つであり、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。
ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7−249790号、特表平10−504512号、WO98/50393号、特開2000−26487号、特開2001−223037号、特開2001−226607号、特許第3430254号公報、などの各明細書に記載の錯体色素を挙げることができる。
これらの色素は、吸光係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。
また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基などの官能基を有することが好ましい。
また、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、2種類以上の色素を併用または混合することもできる。
この場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、併用または混合する色素とその割合を選ぶことができる。
本発明において、半導体多孔質膜層に色素を吸着させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、色素を有機溶剤に溶解して色素溶液を調製し、得られた色素溶液に透明導電膜上の半導体層を浸漬する方法、または得られた色素溶液を半導体層表面に塗布する方法などが挙げられる。
前者においてはディップ法、ローラ法、エアーナイフ法などが適用でき、後者においてはワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが適用できる。
なお、色素の吸着に先立って、半導体層の表面を予め減圧処理や加熱処理など処理を施し、表面を活性化し膜中の気泡を除去する工程を有しても良い。
半導体層への増感効果を好ましく得る観点から、半導体膜を色素の溶液に浸漬する時間は、3時間〜48時間が好ましく、更に好ましくは、4時間〜24時間である。
また、浸漬にあたり色素溶液は、色素が分解しないかぎりにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。
好ましい温度範囲は10℃〜50℃、とくに好ましくは15℃〜35℃であるが、前記のとおり溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
また、半導体膜を浸漬した色素溶液に超音波照射を行うこともできる。
超音波照射は市販の装置を用いることができ、また、照射時間としては、好ましくは30分〜4時間であり、更に好ましくは1時間〜3時間である。
色素溶液に用いる溶媒は、色素を溶解するものであればよく、従来公知の溶媒を用いることができる。また、
当該溶媒は、常法に従って精製された溶媒、また溶媒の使用に先立って、必要に応じて蒸留および/または乾燥を行い、より純度の高い溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、1種又はそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒またはそれらの混合物が挙げられる。
当該溶媒は、常法に従って精製された溶媒、また溶媒の使用に先立って、必要に応じて蒸留および/または乾燥を行い、より純度の高い溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、1種又はそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒またはそれらの混合物が挙げられる。
ここで、疎水性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;
酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類等、並びにそれらの組合せた混合溶媒等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類;
アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類;
ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物類、並びにそれらの組み合せが挙げられる。好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、窒素化合物類であるアセトニトリルであり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリルである。
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;
酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類等、並びにそれらの組合せた混合溶媒等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類;
アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類;
ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物類、並びにそれらの組み合せが挙げられる。好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、窒素化合物類であるアセトニトリルであり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリルである。
色素溶液中の色素の濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程により適宜調整することができ、例えば、1×10-5モル/リットル以上、好ましくは5×10-5〜1×10-2モル/リットル程度が挙げられる。
尚、色素の吸着量が少ないと増感効果が不十分になり、逆に吸着量が多いと酸化物半導体に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、光電変換効率の低下をもたらす原因となるので好ましくない。
上記のことから、未吸着の色素を洗浄により速やかに除去するのが好ましい。
洗浄溶剤としては、色素の溶解性が比較的低く、かつ乾燥しやすい溶剤が好ましい。また、洗浄は加熱状態で行うのが好ましい。
また、洗浄により余分な色素を除去した後、色素の吸着状態をより安定にするために、酸化物半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物で処理して、未反応色素の除去を促進させてもよい。
有機塩基性化合物としては、ピリジン、キノリンなどの誘導体が挙げられる。
これら化合物が液体の場合にはそのまま用いてもよいが、固体の場合には溶剤、好ましくは色素溶液と同一の溶剤に溶解して用いてもよい。
色素を2種以上用いる場合は、混合する色素の比率は特に限定は無く、それぞれの色素より最適化し選択されるが、一般的に等モルずつの混合から、1つの色素につき10%モル程度以上使用するのが好ましい。
色素を2種以上併用する場合の具体的方法としては、混合溶解して吸着させても、色素を半導体層に順次吸着させても良い。
併用する色素を混合し溶解した溶液を用いて酸化物半導体層に色素を吸着する場合、溶液中の色素合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。
色素を混合して使用する場合の溶媒としては前記したような溶媒が使用可能である。
併用する色素それぞれについて溶液を調製し半導体層に吸着させる場合も、溶媒としては前記したような溶媒が使用可能であり、使用する各色素用の溶媒は同一でも異なっていてもよい。
各色素について別々の溶液を調製し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体層に色素を吸着させる順序がどのようであっても本発明の効果を得ることができる。
また、各色素を単独で吸着させた半導体微粒子を混合することで作製してもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持する際、色素同士の会合を防ぐために包摂化合物の共存下、色素を担持することが効果的である。
ここで包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましいものとしてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
また、色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物で半導体層表面を処理しても良い。
処理の方法は例えばアミンのエタノール溶液に色素を担持した半導体微粒子薄膜の設けられた基板を浸す方法等が採られる。
<電荷移動層>
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。
本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、酸化還元対イオンが溶解した溶剤や酸化還元対イオンを含有する常温溶融塩などの電解液、酸化還元対イオンの溶液をポリマーマトリクスや低分子ゲル化剤等に含浸したゲル状の擬固体化電解質、更には高分子固体電解質等が挙げられる。
また、イオンが関わる電荷輸送材料の他に、固体中のキャリア移動が電気伝導に関わる材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を挙げることもでき、これらは併用してすることも可能である。
電荷移動層に電解液を使用する場合、含有する酸化還元対イオンとしては、一般に公知の太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。
具体的には、I-/I3 -系、Br2 -/Br3 -系等の酸化還元対イオンを含有させたもの、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオン、コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ハイドロキノン/キノン等の有機酸化還元系、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物などを挙げることができる。
ヨウ素系として更に具体的には、ヨウ素とLiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなどの4級アンモニウム化合物や4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。
臭素系として更に具体的には、臭素とLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。
溶剤としては電気化学的に不活性で、粘度が低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャリア濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、更にテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などを用いることができる。
好ましい電解質濃度は0.1M以上15M以下であり、更に好ましくは0.2M以上10M以下である。また、ヨウ素系を使用する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観点から好ましい。
溶融塩電解質としては、例えばWO95/18456号、特開平8−259543号、特開2001−357896号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を含む電解質を挙げることができる。
これらの溶融塩電解質は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。
オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、ポリマー添加、低分子ゲル化剤やオイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法によりゲル化(擬固体化)させて使用することもできる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。
オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
また、ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマーおよび架橋剤を併用することが望ましい。
この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネートなど)である。電解質の濃度は通常0.01〜99質量%で好ましくは0.1〜90質量%程度である。
また、ゲル状電解質としては、電解質と、金属酸化物粒子および/または導電性粒子とを含む電解質組成物を用いることもできる。
金属酸化物粒子としては、TiO2、SnO2、WO3、ZnO、ITO、BaTiO3、Nb2O5、In2O3、ZrO2、Ta2O5、La2O3、SrTiO3、Y2O3、Ho2O3、Bi2O3、CeO2、Al2O3からなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。
これらは不純物がドープされたものや複合酸化物などであってもよい。導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられる。
次に、高分子電解質としては、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合することができる固体状の物質であり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィドなどの高分子化合物またはそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイドなどの高分子官能基に、ポリエーテルセグメントまたはオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したものまたはそれらの共重合体などが挙げられ、その中でも特にオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
前記の固体中に酸化還元種を含有させるには、例えば、高分子化合物となるモノマーと酸化還元種との共存下で重合する方法、高分子化合物などの固体を必要に応じて溶媒に溶解し、次いで、前記の酸化還元種を加える方法等を用いることができる。酸化還元種の含有量は、必要とするイオン伝導性能に応じて、適宜選定することができる。
本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の代わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
有機正孔輸送材料としては、芳香族アミン類やトリフェニレン誘導体類、更にポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)、その誘導体、ポリチエニレンビニレン、その誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子を好ましく用いることができる。
正孔(ホール)輸送材料にはドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO2)2N]のような塩を添加しても構わない。
無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。
この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。
また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。
使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。p型無機化合物半導体を含有する電荷移動層の好ましいホール移動度は10-4cm2/V・sec以上104cm2/V・sec以下であり、更に好ましくは10-3cm2/V・sec以上103cm2/V・sec以下である。
また、電荷輸送層の好ましい導電率は10-8S/cm以上102S/cm以下であり、更に好ましくは10-6S/cm以上10S/cm以下である。
本発明において、電荷移動層4を半導体電極とカソード電極5との間に形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、半導体電極とカソード電極とを対向配置してから両電極間に前述した電解液や各種電解質を充填して電荷移動層4とする方法、半導体電極またはカソード電極の上に電解質や各種電解質を滴下あるいは塗布等することにより電荷移動層4を形成したのち電荷移動層4の上に他方の電極を重ね合わせる方法、電荷移動層以外を封止したセルの電極に電解質注入用の穴を設け、そこから電解質を注入して電荷移動層4を形成させる方法等を用いることができる。
また、半導体電極とカソード電極との間から電解質が漏れ出さないようにするため、必要に応じて半導体電極とカソード電極との隙間にフィルムや樹脂を用いて封止したり、半導体電極と電荷移動層4とカソード電極5を適当なケースに収納したりすることも好ましい。
前者の形成方法の場合、電荷移動層の充填方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の形成方法の場合、塗布方法としてはマイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等を用いることができる。
湿式の電荷移動層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。
またゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもできる。
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後カソード電極を付与することもできる。
具体的には、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができ、必要に応じて基材を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させるなどにより形成する。
電荷移動層の厚さは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に1μm以下であることが好ましい。また電荷移動層の導電率は1×10-1S/cm以上であることが好ましく、1×10-5S/cm以上であることが更に好ましい。
<カソード電極>
本発明で使用できるカソード電極は、前述した導電性基材と同様に、それ自体が導電性を有する基材の単層構造、またはその表面に対極導電層を有する基材を利用することができる。後者の場合、対極導電層に用いる導電性材料、基材、更にその製造方法としては、前述した導電性基材1の場合と同様で、公知の種々の材料及び方法を適用することができる。
本発明で使用できるカソード電極は、前述した導電性基材と同様に、それ自体が導電性を有する基材の単層構造、またはその表面に対極導電層を有する基材を利用することができる。後者の場合、対極導電層に用いる導電性材料、基材、更にその製造方法としては、前述した導電性基材1の場合と同様で、公知の種々の材料及び方法を適用することができる。
その中でも、I3 -イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものを使用することが好ましく、具体的には白金電極、導電材料表面に白金メッキや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。また、前述と同様にコスト面や可撓性を考慮すると、プラスチックシートを基材として使用し、導電性材料としてポリマー系材料を塗布して使用することも好ましい態様の1つである。
対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極導電層が金属である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは10nm〜3μmの範囲である。
カソード電極の表面抵抗は低い程よく、具体的には表面抵抗の範囲としては50Ω/m2以下であることが好ましく、20Ω/m2以下であることがより好ましく、10Ω/m2 以下であることが更に好ましい。
前述した導電性基材1とカソード電極5のいずれか一方または両方から光を受光してよいので、導電性基材とカソード電極の少なくとも一方が実質的に透明であれば良い。
発電効率の向上の観点からは、導電性基材を透明にして、光を導電性基材側から入射させるのが好ましい。
この場合カソード電極は光を反射する性質を有するのが好ましい。
このようなカソード電極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
カソード電極は、前述した電荷移動層上に直接導電性材料を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、対極導電層を有する基材の導電層側または導電性基材単層を貼り付ければよい。
また、導電性基材の場合と同様に、特にカソード電極が透明の場合には、金属配線層を併用することも好ましい態様のひとつである。
対極としては導電性を持っており、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましい。
例えばガラス、もしくは高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着し、導電性微粒子を塗り付けたものが用いうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
《半導体多孔質膜層の作製》
半導体多孔質膜層は、半導体微粒子を含有したペーストを作製し、スクリーン印刷法により基材上に塗布、乾燥後焼成して所望の多孔質膜層を形成させた。
《半導体多孔質膜層の作製》
半導体多孔質膜層は、半導体微粒子を含有したペーストを作製し、スクリーン印刷法により基材上に塗布、乾燥後焼成して所望の多孔質膜層を形成させた。
以下、それぞれの層について実施例を示す。
1.光吸収層
〔光吸収層用ペーストLAP1の製法〕
光吸収層ペースト処方
気相法チタニア(デグサ社製P25、一次粒径21nm、BET値50m2/g)
15質量%
ポリエチレングリコール(関東化学製、MW20,000) 10質量%
活性剤(花王社製、エマルゲン120) 2質量%
純水 73質量%
上記の分散液を、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散した後、寿工業社製ウルトラアペックスミル/50μm径ジルコニアビーズを用いて10m/sec回転速度で粉砕分散処理を3時間行い、光吸収層用ペーストLAP1を作製した。
〔光吸収層用ペーストLAP1の製法〕
光吸収層ペースト処方
気相法チタニア(デグサ社製P25、一次粒径21nm、BET値50m2/g)
15質量%
ポリエチレングリコール(関東化学製、MW20,000) 10質量%
活性剤(花王社製、エマルゲン120) 2質量%
純水 73質量%
上記の分散液を、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散した後、寿工業社製ウルトラアペックスミル/50μm径ジルコニアビーズを用いて10m/sec回転速度で粉砕分散処理を3時間行い、光吸収層用ペーストLAP1を作製した。
上記の気相法チタニアは、透過型電子顕微鏡(TEM)の投影層から見積もった平均粒径が約21nm、平均アスペクト比はほぼ1であった。
また、X線回折法装置(XRD)の解析により、アナターゼ晶がほとんどであった。
2.光反射層
〔光反射層用ペーストLRP1の製法〕
光反射層に用いる高アスペクト比粒子は以下の方法を用いて作製した。
〔光反射層用ペーストLRP1の製法〕
光反射層に用いる高アスペクト比粒子は以下の方法を用いて作製した。
酸化チタン粉末(純度99.8%)と炭酸カリウム粉末(純度99%)とを、TiO2/K2Oのモル比が2となる割合に混合し、白金るつぼ中1100℃で加熱し40分間かけて溶融させる。
続いて溶融物を室温にて銅製の冷却層に流し込み急速に冷却させる冷却工程を経て、繊維状のチタン酸カリウム結晶を得る。
この繊維状結晶を乳鉢状粉砕機で十分にすり潰し、撹拌下で50倍量の純水に一昼夜浸漬したのち、繊維状結晶と同質量の60%硫酸水溶液を、撹拌しながら4時間かけて浸漬液に滴下した。
そのまま2時間撹拌したのち、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散し、寿工業社製ウルトラアペックスミル/30μm径ジルコニアビーズを用いて8m/sec回転速度で粉砕分散処理を12時間行った。粉砕分散後、ろ過水洗を行い乾燥させ白色粉末を得た。
続いて、白色粉末をアルミナるつぼに入れ、500℃に加熱した電気炉で3時間の焼成処理を行い、白色の酸化チタン粉末Aを得た。
上記の酸化チタン粉末Aは、X線光電子分光法(XPS)およびX線回折法装置(XRD)の解析により、アナターゼ晶酸化チタン粉末であった。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による粒子500個以上の観察像から、投影面積の平均円相当径および、厚み平均からアスペクト比を計算したところ、平均粒径は1.5μm、アスペクト比は12.7であった。
下記の光反射層ペースト処方に従って分散液を作製し、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散した後、寿工業社製ウルトラアペックスミル/50μm径ジルコニアビーズを用いて10m/sec回転速度で粉砕分散処理を3時間行い、光反射層用ペーストLRP1を作製した。
光反射層ペースト処方
白色酸化チタン粉末A 15質量%
ポリエチレングリコール(関東化学製、MW20,000) 10質量%
活性剤(花王社製、エマルゲン120) 2質量%
純水 73質量%
〔光反射層用ペーストLRP2の製法〕
前記光反射層用ペーストLRP1の作製方法において、酸化チタン粉末Aに代わりに、冷却工程において150℃に加熱させた冷却層にて冷却することで形成した酸化チタン粉末Bを用いた以外は前記LRP1と同様にしてLRP2を作製した。
白色酸化チタン粉末A 15質量%
ポリエチレングリコール(関東化学製、MW20,000) 10質量%
活性剤(花王社製、エマルゲン120) 2質量%
純水 73質量%
〔光反射層用ペーストLRP2の製法〕
前記光反射層用ペーストLRP1の作製方法において、酸化チタン粉末Aに代わりに、冷却工程において150℃に加熱させた冷却層にて冷却することで形成した酸化チタン粉末Bを用いた以外は前記LRP1と同様にしてLRP2を作製した。
LRP2に用いた酸化チタン粉末Bは、透過型電子顕微鏡(TEM)による粒子500個以上の観察像から、平均粒径は1.1μm、アスペクト比は5.4であった。
《色素増感型太陽電池の作製》
フッ素をドープした酸化スズを導電層としてコートした透明導電性ガラス基板に、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、酸化チタンをターゲット材に10nmの半導体膜を形成させた。
フッ素をドープした酸化スズを導電層としてコートした透明導電性ガラス基板に、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、酸化チタンをターゲット材に10nmの半導体膜を形成させた。
その上から、上記ペーストをスクリーン印刷法にて塗布し、自然乾燥の後、500℃で60分間焼成して、基板上に酸化チタンからなる半導体多孔質膜層を形成した。
膜厚は表1に示すサンプルに合わせ、重ね塗りすることで調整した。
また、光吸収層および光反射層を有するサンプルにおいても、同様にして積層塗布を行った。
次いで、色素増感型太陽電池用の下記ルテニウム錯体色素N719の3.0×10-3mol/L、アセトニトリル:t−ブタノール=1:1の溶液に24時間浸漬し、色素吸着後、前記のアセトニトリル:t−ブタノール溶液で過剰な色素を十分に洗い落とし、真空乾燥して色素を吸着させた半導体多孔質膜層を作製した。
カソード電極として、ガラス基材上に白金を蒸着し電解質を注入するための穴を設けた。
前記半導体多孔質膜層と前記カソード電極とを1cm角の穴を開けた25μm厚のシート状スペーサー兼封止材(SOLARONIX社製SX−1170−25)を用いて張り合わせ、カソード電極に設けた電解質注入穴から、体積比が1:4であるアセトニトリル:炭酸エチレンの混合溶媒にテトラプロピルアンモニウムアイオダイド、沃素、t−ブチルピリジンとを、それぞれの濃度が0.46モル/リットル、0.06モル/リットル、0.50モル/リットルとなるように溶解したレドックス電解質を入れた電荷移動層を注入し、ホットボンドで穴を塞ぎ、上から前記封止剤を用いてカバーガラスを貼り付け、色素増感型太陽電池封止セルを作製した。
表1に示すそれぞれのサンプルについても上記同様に作製した。ただし、比較例の光反射層は400nm粒径を有する酸化チタンペースト(触媒化成社製PST−400C)を用いた。このペーストに用いられている酸化チタン粒子は様々な形状を有する粒子からなり、ロッド状の8面体が多く、アスペクト比は3以下であった。
《太陽電池の光電変換特性評価》
上記方法で作製した表1に示す太陽電池セルについて、ソーラーシミュレーター(日本分光社製、低エネルギー分光感度測定装置CEP−25)により、0.25cm2マスク、AM1.5フィルタ、100mW/m2の強度の光を照射した時のIV特性を測定し、短絡電流Jsc(mA/cm2)および開放電圧値Voc(V)を、同じ構成および方法で作製した3つのセルについて評価し平均値を表1に示した。
上記方法で作製した表1に示す太陽電池セルについて、ソーラーシミュレーター(日本分光社製、低エネルギー分光感度測定装置CEP−25)により、0.25cm2マスク、AM1.5フィルタ、100mW/m2の強度の光を照射した時のIV特性を測定し、短絡電流Jsc(mA/cm2)および開放電圧値Voc(V)を、同じ構成および方法で作製した3つのセルについて評価し平均値を表1に示した。
表1から光吸収層であるLAP1と光反射層のLRPとのトータル膜厚が、開放電圧(Voc)に大きく影響し、膜厚が薄いほど高い電圧が取り出せることを示している。
これは膜厚が厚くなることで、半導体中に注入された電子と、色素のホールとが再結合するチャンスが増え、Vocの低下を引き起こすためと推察される。
また、光吸収層の厚みが厚いほど、色素の光吸収能が向上するためJscの向上が見られるが、厚すぎるとヨウ素電解質の拡散が律速になるためか頭打ちになる挙動を示した。
光反射層に高アスペクト比の粒子LRP1を用いたセルでは、光反射層の膜厚を比較例に対し薄くしてもJscの落ち込みが小さく、同時にVocが向上することから高い変換効率が期待される。
これはアスペクト比が若干低いLRP2においても同様なことが言え、本発明の効果が現れる結果となった。
以上の結果から、本発明の実施によって光照射時の高い短絡電流(Jsc)を保ったまま、開放電圧(Voc)を向上させた色素増感型太陽電池を提供することができた。
1 アノード電極
11 光透過性基板
12 導電層
2 多孔質膜層
21 光吸収層
22 光反射層
3 色素
4 電荷移動層
5 カソード電極
6 対向基板
7 封止材
11 光透過性基板
12 導電層
2 多孔質膜層
21 光吸収層
22 光反射層
3 色素
4 電荷移動層
5 カソード電極
6 対向基板
7 封止材
Claims (5)
- 光透過性基板の表面に、少なくとも導電層と、多孔質膜層とを積層したアノード電極、該アノード電極の多孔質膜層の側に対向するカソード電極及び前記アノード電極とカソード電極の2枚の電極間に電解質を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、該多孔質膜層が光透過性基材側から順に、少なくとも増感色素を吸着させた微粒子からなる光吸収層と、光反射層とからなり、該光反射層が主にアスペクト比が5以上の形状異方性微粒子からなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
- 前記形状異方性微粒子のアスペクト比が、10〜100であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記形状異方性微粒子が、平板形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記光反射層中の形状異方性微粒子が、200nm〜10μmの平均粒径を有し、且つ光吸収層中の微粒子の平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記多孔質膜層の光吸収層の膜厚と光反射層の膜厚との比が、5:1〜15:1であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007099231A JP2008258011A (ja) | 2007-04-05 | 2007-04-05 | 色素増感型太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007099231A JP2008258011A (ja) | 2007-04-05 | 2007-04-05 | 色素増感型太陽電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008258011A true JP2008258011A (ja) | 2008-10-23 |
Family
ID=39981369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007099231A Pending JP2008258011A (ja) | 2007-04-05 | 2007-04-05 | 色素増感型太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008258011A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011077179A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 太陽電池モジュール用変換効率向上部材及び太陽電池モジュール |
JP2011258390A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Kao Corp | 光電変換素子 |
KR101116256B1 (ko) * | 2010-06-07 | 2012-06-12 | 박병주 | 편광 태양전지 |
JP2012122797A (ja) * | 2010-12-07 | 2012-06-28 | Sony Corp | 酸化物半導体電極の評価方法、酸化物半導体電極の評価装置および酸化物半導体電極の製造装置 |
JP5377788B1 (ja) * | 2013-03-30 | 2013-12-25 | 株式会社フジクラ | 色素増感太陽電池素子 |
KR20160102444A (ko) * | 2013-11-28 | 2016-08-30 | 상뜨로 나쇼날 드 라 러쉐르쉐 샹띠피크 | 투명한 자동-광 재충전가능한 전기화학적 디바이스 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289274A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 |
-
2007
- 2007-04-05 JP JP2007099231A patent/JP2008258011A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289274A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 光電極及びこれを備えた色素増感型太陽電池 |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011077179A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 太陽電池モジュール用変換効率向上部材及び太陽電池モジュール |
KR101116256B1 (ko) * | 2010-06-07 | 2012-06-12 | 박병주 | 편광 태양전지 |
JP2011258390A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Kao Corp | 光電変換素子 |
JP2012122797A (ja) * | 2010-12-07 | 2012-06-28 | Sony Corp | 酸化物半導体電極の評価方法、酸化物半導体電極の評価装置および酸化物半導体電極の製造装置 |
JP5377788B1 (ja) * | 2013-03-30 | 2013-12-25 | 株式会社フジクラ | 色素増感太陽電池素子 |
WO2014162639A1 (ja) * | 2013-03-30 | 2014-10-09 | 株式会社フジクラ | 色素増感太陽電池素子 |
US9589736B2 (en) | 2013-03-30 | 2017-03-07 | Fujikura Ltd. | Dye-sensitized solar cell element |
KR20160102444A (ko) * | 2013-11-28 | 2016-08-30 | 상뜨로 나쇼날 드 라 러쉐르쉐 샹띠피크 | 투명한 자동-광 재충전가능한 전기화학적 디바이스 |
JP2017503339A (ja) * | 2013-11-28 | 2017-01-26 | サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク | 透明な自動光充電式電気化学的デバイス |
US10333181B2 (en) | 2013-11-28 | 2019-06-25 | Centre National De La Recherche Scientifique | Transparent autophotorechargeable electrochemical device |
KR102303020B1 (ko) * | 2013-11-28 | 2021-09-23 | 상뜨로 나쇼날 드 라 러쉐르쉐 샹띠피크 | 투명한 자동-광 재충전가능한 전기화학적 디바이스 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4909256B2 (ja) | 修飾酸化チタン微粒子及びそれを用いた光電変換素子 | |
JP5285062B2 (ja) | 光増感素子及びそれを用いた太陽電池 | |
CN103035410B (zh) | 染料敏化光电转换器件及其制造方法,以及金属氧化物浆料 | |
JP5118805B2 (ja) | 色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池モジュール | |
WO2011152284A1 (ja) | 光電変換素子、光電気化学電池、光電変換素子用色素及び光電変換素子用色素溶液 | |
JP5283034B2 (ja) | タンタル酸塩結晶粒子、タンタル酸塩結晶粒子の製造方法及び色素増感型太陽電池 | |
JP2008258011A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP2009016236A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP5278894B2 (ja) | 金属酸化物多孔質膜の製造方法及び色素増感型太陽電池 | |
JP4627427B2 (ja) | 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール | |
JP2005093307A (ja) | 光電変換素子 | |
WO2009113342A1 (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
KR20170028895A (ko) | 점성 분산액 및 그 제조 방법, 그리고, 다공질 반도체 전극 기판 및 색소 증감형 태양 전지 | |
JP2008186669A (ja) | 色素増感型太陽電池の製造方法 | |
JP2007311243A (ja) | 作用極および光電変換素子 | |
JP4801899B2 (ja) | 塗膜形成用組成物、それを用いて得られる電極及び光電変換素子 | |
JP2009205818A (ja) | 色素増感型太陽電池とその製造方法 | |
JP2004010403A (ja) | 多重構造酸化チタン微粒子、及びその作製方法、及びそれを含有する光電変換素子並びに光電池 | |
JPWO2008126689A1 (ja) | 色素増感型太陽電池の製造方法 | |
JP4562467B2 (ja) | 半導体ナノ粒子を含む粘性分散液 | |
JP2009190927A (ja) | タンタル酸塩結晶粒子とその製造方法、およびそれを用いた色素増感型太陽電池 | |
JP5162904B2 (ja) | 光電変換素子及び色素増感型太陽電池 | |
JP2009252403A (ja) | 色素増感型太陽電池の作製方法、及び色素増感型太陽電池 | |
JP2008204889A (ja) | 色素増感型太陽電池 | |
JP2007200714A (ja) | 色素増感型太陽電池及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100402 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20110805 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120925 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130205 |