[用語等の説明]まず、特許請求の範囲、明細書、または図面において用いられている一部の用語について説明する。
情報処理装置は、コンピュータハードウエアをソフトウエア制御されることで、情報処理手段、設定手段、決定手段、及び説明出力手段が構築された装置である。コンピュータハードウエアとしては、PC(パーソナルコンピュータ)のような汎用的なもの、ASIC(特定用途向け集積回路)のような特殊構造をもつもの、プリンタやスキャナのような特殊機能をもつハードウエアが内蔵されたものなど、様々なものを用いるようにしてもよい。
情報処理手段は、設定手段による設定に基づいて、なんらかの情報処理を行う手段であり、設定手段は、この情報処理についての設定を行う手段である。情報処理についての設定は、入力装置やネットワークなどを通じてユーザの操作を受け付け、受け付けた結果に基づいて行われる。この受け付け処理は、典型的には、情報処理装置が提供するユーザインタフェースを利用して行われる。
情報処理手段においては、複数の選択項目を仮選択し、さらに、仮選択した結果を確定する本選択を行い、本選択した結果に基づいて情報処理の設定が行われる。ここで、仮選択とは、一連の設定行為を確定する前に行われる選択をいう。例えば、選択項目が閲覧自在に表示される場合(閲覧より先の段階に行かなくても、その選択項目のメニュー、タブ、ウインドウを開くような行為が許される場合)、仮選択にはその選択項目を閲覧する行為が含まれる。また、選択項目が選択自在である場合(選択するかしないかは任意であり、また、一旦選択したものを取り消したり、一旦選択しなかったものを選択したりすることが許される場合)、仮選択には選択項目を一旦選択する行為が含まれる。ユーザは、所望の機能設定画面の位置や所望の機能名称をわかっていない場合には、しばしば、推測に基づいて選択項目を仮設定し、さらにその取り消しを行うという手順を頻繁に繰り返す。これに対し、本選択とは、選択項目の仮選択を確定させ、選択結果を情報処理の設定に反映させる行為をいう。言い換えれば、本選択とは、一連の設定行為を完了させる行為である。ここで、一連の設定行為とは、例えば、ある単体の機能の設定に関する行為であってもよいし、複数の機能が組み合わされた複合的機能の設定に関する行為であってもよい。
決定手段は、設定手段において仮選択された選択項目に基づいて、説明対象となる選択項目を決定する。決定手段においては、常に説明する選択項目を決定する必要はなく、仮選択の状況次第では、説明する選択項目がないと結論づけてもよい。なお、説明とは、選択項目に関する機能、操作、効果などを、ユーザに認識させるために行う解説のことをいい、ガイダンスやヘルプなどと呼ばれてもよい。
説明出力手段は、説明対象として決定された選択項目について、ユーザに説明する出力を行う。説明の出力は、例えば、テキスト、静止画(イラストや写真)、動画をユーザインタフェースに表示するなど、視覚的な方法で行うようにしてもよいし、音声を通じて聴覚的に行うようにしてもよい。また、説明の出力は、典型的には、説明すべき選択項目が決定された直後や、その後の区切りがよい時点など、選択項目が決定されたあとに速やかに行われる。強制的な説明を好まないユーザのために、説明の実施に関して(一部または全部を説明するか、あるいは、一部または全部を説明しないかに関して)ユーザに問い合わせるようにしてもよい。
なお、決定手段においては、前記設定手段が選択項目を本選択した場合に、本選択された選択項目と仮選択された選択項目との関係に基づいて、前記ユーザに説明する選択項目を決定するようにしてもよい。本選択された選択項目と仮選択された選択項目との関係の例としては、本選択を基準として、どの程度前に仮選択が行われたかという時間的距離の関係、選択項目が空間に(例えば階層的に)配置されている場合に、本選択された選択項目を基準として、仮選択された選択項目がどの程度の距離にあるかという空間的距離の関係、あるいは、本選択された選択項目と、仮選択された選択項目との名称や機能の類似性の関係などが挙げられる。決定手段は、例えば、このような関係の強さを閾値や条件に基づいて評価することにより、説明する選択項目を決定するようにしてもよい。
また、前記決定手段は、前記設定手段が選択項目を本選択する前に、あるいは設定手段が選択項目を本選択した後で、前記設定手段における仮選択の冗長性を検知した場合に、前記ユーザに説明する選択項目を決定する処理を実行するものであってもよい。ここで、冗長性とは、選択に要する時間が基準よりも長い状態や、仮選択の操作ステップ回数が基準よりも多い状態を指す。本選択をする前において検知される冗長性の例としては、最初の仮選択の操作を行った時点からの経過時間の長さが基準よりも長い状態や、最初の仮選択の操作を行ってから連続的になされた仮選択の操作ステップ回数が基準よりも多い状態などが挙げられる。また、本選択を行った後において検知される冗長性の例としては、最初の仮選択の操作を行ってから本選択がなされるまでの経過時間の長さが、その本選択についてあるいは一般的な本選択について定められた基準よりも長い状態や、最初の仮選択の操作を行ってから本選択を行うまでの仮選択の操作ステップ回数が、その本選択についてあるいは一般的な本選択について定められた基準よりも多い状態などが挙げられる。
さらに、前記情報処理装置は、選択項目が配置された表示空間を表示する表示手段を備えるようにしてもよい。そして、上述の設定手段に代えて、もしくは、上述の設定手段とともに、ユーザの操作に基づいて、前記表示空間を移動して前記選択項目を選択し、選択結果に基づいて前記情報処理の設定を行う設定手段を備えるようにしてもよいし、また、上述の決定手段に代えて、もしくは、上述の決定手段とともに、前記設定手段における前記表示空間の移動の軌跡に基づいて、説明対象となる選択項目を決定する決定手段を備えるようにしてもよい。表示空間に配置される選択項目は、階層的なものであっても一覧的なものであってもよい。また、表示空間は、例えば、平面的な空間でも、立体的な空間でも、時間とともに変化する空間であってもよい。表示空間は、典型的には、その一部が表示され、ユーザ操作などにともなって表示範囲が変えられる。設定手段においては、この表示空間を連続的にあるいは不連続的に移動して、選択項目の選択を行う。選択には、仮選択と本選択の別があってもよい。この移動の結果は、表示空間中の軌跡として捉えることも可能である。軌跡は、例えば、選択した選択項目を結ぶ経路として捉えられてもよいし、選択結果に応じて切り換え表示される画面の遷移として捉えられてもよい。また、マウスなどのポインタを利用して表示空間を移動する場合には、ポインタの描く軌道として認識するようにしてもよい。
[第1の実施形態]次に、第1の実施形態を例示する。
図1は、本実施の形態にかかる画像処理装置10のハードウエア構成例を示したブロック図である。画像処理装置10は、「情報処理装置」及び「画像処理システム」の一例としての装置であり、内部通信路としてのバス11と、バス11に接続されたCPU12、メモリ14、HDD(ハードディスクドライブ)16、タッチパネル18、スキャナ20、プリンタ22、ネットワークインタフェース24、及びCDD(コンパクトディスクドライブ)26の各装置を内蔵している。
CPU12は、算術論理回路などを備えた装置であり、プログラムの制御の下、画像処理を含む情報処理や、画像処理装置10内の各装置の制御、ネットワークインタフェース24を介した外部との通信制御などを行う。メモリ14は、ROM(ReadOnlyMemory)やRAM(RandomAccessMemory)などの半導体メモリを含む記憶装置である。メモリ14は、CPU12を制御するプログラムなどを格納する他、CPU12がプログラムを実行する際におけるメインメモリとして機能する。HDD16は、磁気ディスクを備えた大容量の記憶装置である。タッチパネル18は、画像データに基づき画像を表示する画像表示装置としての液晶ディスプレイと、ユーザ操作を受け付けてCPU12への信号入力を行う入力装置としてのタッチ入力機構を備える。スキャナ20は、用紙を読み取って画像データを生成する読み取り装置であり、プリンタ22は、画像データに基づいて用紙に印刷を行う印刷装置である。ネットワークインタフェース24は、ネットワーク30を通じて外部装置とデータの送受信を行うための装置である。例えば、CPU12を制御するプログラムがネットワーク30を通じて提供される場合、そのプログラムはネットワークインタフェース24を通じてメモリ14に格納され、インストールされる(実行可能に設定される)。CDD26は、記録媒体としてのCD(コンパクトディスク)との間でデータの読み書きを行う装置である。例えば、CPU12を制御するプログラムがCDに記録されて提供される場合、そのプログラムはCDD26を通じてメモリ14に格納され、インストールされる。
ここで、画像処理装置10の動作について簡単に説明する。画像処理装置10のタッチパネル18には、機能設定のために設けられた機能項目、タッチパネル18における表示を制御するための表示制御項目、機能が設定された処理の実行を制御する実行制御項目など、ユーザの選択対象となる各種の選択項目が表示される。ユーザは、所望の選択項目に対応するタッチパネル18面上の箇所に触れて(あるいは押圧して)、その選択項目を選択する。このとき、タッチパネル18には、選択された選択項目に対応する新たな選択項目が表示され、ユーザは、新たな選択項目の選択を行う。ユーザは、こうような操作過程を繰り返すことで、対話的に画像処理に関する設定を行い、その設定に基づく画像処理の実行を指示する。そして、スキャナ20及びプリンタ22は、設定された態様に従って、用紙の読み取りによる画像データの生成や、画像データに基づく用紙への印刷などを実行する。
図2は、画像処理装置10における機能構成例を示したブロック図である。図には、メモリ14に記憶されたプログラムの制御によってCPU12に構築される機能構成例と、このプログラム実行に関連してHDD16(またはメモリ14)に格納される各種のデータの例が示されている。
CPU12には、スキャナ・プリンタ制御部40、制御設定部42、操作履歴記録部44、パネル制御部46、アクション判定部52、ヘルプ方針決定部54、及びヘルプ作成処理部56の各機能処理部が構築されている。このうち、パネル制御部46には、表示処理部48と操作イベント取得部50が含まれている。また、HDD16には、操作履歴データ60、標準操作数データ62、機能間関連データ64、ヘルプデータ66、及びヘルプセット68が格納されている。
スキャナ・プリンタ制御部40は、「情報処理手段」として機能するものであり、スキャナ20あるいはプリンタ22の動作を制御するための情報処理、及び、スキャナ20あるいはプリンタ22で取り扱われる画像データの調整や加工などの画像処理を行う。制御設定部42は、スキャナ・プリンタ制御部40において行う情報処理や画像処理の処理機能を設定するものである。また、操作履歴記録部44は、タッチパネル18から行われるユーザ操作を、操作イベント取得部50を通じて取得し、HDD16に操作履歴データ60として記憶させる。そして、パネル制御部46は、タッチパネル18を管理するものであり、パネル制御部46における表示処理部48は、画像データに基づいてタッチパネル18に画像表示を行う。また、パネル制御部46における操作イベント取得部50は、タッチパネル18に対するユーザ操作を表示されている画像との関連で解析して、その操作を受け付ける。
アクション判定部52は、操作履歴データ60に基づいて、ユーザに対し説明を行うべき機能項目があるか否か、どの機能項目について説明を行う(ヘルプ表示を行う)べきかの判定を行う。この判定は、典型的には、現在進行中のユーザ操作についての操作履歴データ60に基づいて行われる。しかし、過去のユーザ操作について記録した操作履歴データ60を参照するようにしてもよい。アクション判定部52は、判定閾値となる標準操作数データ62や、機能項目同士の機能の関連性を示す機能間関連データ64を利用して、操作履歴データ60を評価し、この評価に基づいて、説明を行うべき機能項目を動的に決定する。
ヘルプ方針決定部54は、ヘルプ表示をする場合に、どのヘルプセット68に従った方式でヘルプデータ66を参照するか決定する。また、ヘルプ作成処理部56は、アクション判定部52の判定結果と、ヘルプ方針決定部54の決定結果に基づいて、ヘルプ表示用の画像を作成する。そして、作成された画像は、表示処理部48によって表示される。
操作履歴データ60は、操作履歴記録部44によって記録されたデータであり、ユーザ操作の履歴がユーザ毎に管理されたデータである。標準操作数データ62は、各処理の設定を行うために必要となる標準的な操作ステップ数、つまり、タッチパネル18において標準的には何回の操作を行えば実行すべき処理機能が実現されるかを記したデータである。標準操作数データ62は、単独の処理機能(例えば倍率選択)毎に標準的な操作ステップ数をもつものであってもよいし、処理機能の組合せ(例えば、ブック形式両面印刷と、ステープル処理)について標準的な操作ステップ数をもつものであってもよい。また、標準操作数データ62には、ジョブ単位、つまり、スキャン、印刷、コピーなどの一連の画像処理を実行させるための標準的な操作ステップ数が設定されてもよい。標準操作数データ62は、例えば、最小の操作ステップ数に基づいて(最小の操作ステップ数に、所定数を加えたり、所定比率を掛けたりする例が挙げられる)設定するようにしてもよいし、ユーザ操作の履歴に基づいて(平均値に対し、所定数を加えたり、所定比率を掛けたりする例が挙げられる)設定するようにしてもよい。機能間関連データ64は、機能項目間の関連の強さを保持したデータである。関連の強さは、様々に設定可能であるが、例えば、機能自体の類似性や機能名称の類似性など、利用者が類似していると認識する傾向の強さに基づいて定義するようにしてもよい。
ヘルプデータ66は、機能項目や、ある機能項目の下位に位置する機能項目などに関しての説明事項を含んだデータである。ヘルプデータ66は、このような項目に対応して設けられた説明項目毎に小分けされ、任意の説明項目について抽出できるように構成されている。ヘルプセット68は、ヘルプデータ66から説明項目を切り出す形式を設定するデータであり、複数の切り出し形式を備えている。切り出し形式の例としては、機能的な関連に基づく形式、用語の類似性に基づく形式、その他任意の集合形式などが挙げられる。
なお、表示処理部48による機能項目の表示、操作イベント取得部50によるユーザ操作の取得、及び、制御設定部42による処理機能の設定などは、「設定手段」を構成するものである。また、説明すべき機能項目を決定するアクション判定部52は、「決定手段」として機能するものである。さらに、ヘルプ方針決定部54及びヘルプ作成処理部56は、ヘルプデータ66及びヘルプセット68を利用して説明出力を行う「説明出力手段」に対応するものである。
続いて、図3を用いて、タッチパネル18における表示について説明する。図3に示したタッチパネル18の画面には、上部に、符号80で記した「コピーできます。」という画像処理装置10の状態を示す文字が表示されている。そして、その下には、タブ82に設定された「基本コピー」、タブ84に設定された「おこのみコピー」、タブ86に設定された「機能一覧」、タブ88に設定された「ジョブメモリ」の各選択項目が表示されている。このうち、タブ82で表された「基本コピー」の項目は、初期状態において、設定可能に表示される項目である。「基本コピー」の項目の中には、用紙選択90の欄が設けられ、符号92,94,96でそれぞれ記された「A4」「A3」「A5」の用紙を選択する項目と、符号98で記されたコピーを「スタート」される指示項目が含まれている。ユーザは、例えば、符号96の「A5」を選択して用紙サイズを設定し、符号98の「スタート」に触れることでA5用紙へのコピーを実行させる。また、ユーザは、例えば、タブ84の「おこのみコピー」を選択することで、その「おこのみコピー」に関する表示を行わせ、「おこのみコピー」に含まれる高度な処理機能設定を行う。
図4は、図3の「おこのみコピー」のタブ84で表された選択項目の下に設けられた階層的な選択項目について説明する図である。図示した例では、「おこのみコピー」の直下には、機能設定に用いられる選択項目である機能項目が、3階層にわたって設けられている。このうち、上位の「機能選択項目」は、設定すべき機能の概要を選択するための項目であり、中位の「機能設定項目」は、上位の「機能選択項目」における設定値を指定するための項目であり、下位の「詳細機能設定項目」は、中位の「機能設定項目」では指定できない詳細な設定を行うための項目である。具体的には、「機能選択項目」には「原稿の画質」などの複数の項目が設けられている。また、「原稿の画質」の項目の下(機能設定項目)には、「自動」「文字・写真」「文字」「写真」「地図」の各項目が設けられている。そして、このうち、「文字・写真」の項目の下には、「印刷写真」「印刷紙写真」「コピー原稿」の「詳細機能設定項目」が設けられ、「文字」の項目の下には、「印刷文字」「鉛筆文字」の「詳細機能設定項目」が設けられ、「写真」の項目の下には、「印刷写真」「印画紙写真」「コピー原稿」の「詳細機能設定項目」が設けられている。
これらの各機能項目に対しては、ヘルプデータ66において、対応する説明項目が用意されている。すなわち、「機能選択項目」の「原稿の画質」に対しては説明項目「Ha」が用意されており、「機能設定項目」の「自動」「文字・写真」「文字」「写真」「地図」の各項目に対しては「Hb」「Hc」「Hd」「He」「Hf」がそれぞれ用意されている。また、「詳細機能設定項目」である「印刷写真」「印刷紙写真」「コピー原稿」「印刷文字」「鉛筆文字」「印刷写真」「印画紙写真」「コピー原稿」の各項目に対しては「Hg」「Hh」「Hi」「Hj」「Hk」「Hl」「Hm」「Hn」がそれぞれ用意されている。
ユーザは、タッチパネル18を通じて操作を行うことで、この階層に従って順次下位の項目を呼び出し、機能を設定する。また、ユーザは、機能設定の過程で、呼び出した項目についての設定を行わずに、設定を終了したり、別の項目を呼び出したりするようにしてもよい。つまり、ユーザが、実際に機能設定を行うか否かにかかわらず、階層的に設けられた選択項目を自由に選択するようにしてもよい。この意味で、ユーザは、各選択項目を「仮選択」すると言える。これに対し、ユーザが、仮選択した結果を有効化する操作を行って、実際に機能設定を行う行為は「本選択」すると言える。例えば、ある項目に関する仮選択を行った上で「閉じる」ボタンや「決定」ボタンなどを押して、その項目に関する仮選択結果を確定する行為は、本選択であると言える。また、例えば、ある項目に関する仮選択を行った上でその仮選択を無効化する前に「スタート」ボタンや「実行」ボタンなどを押して、その項目に関する仮選択を有効にしたまま処理を実施する行為は、本選択であると言える。
また、「閉じる」ボタンや「決定」ボタンがあるにもかかわらず、「閉じる」ボタンや「決定」ボタンが押されないまま、「スタート」ボタンが押され(そのまま仮選択した機能が実行され)た場合は、当該「スタート」ボタンを押す行為が、本選択ということになる。
図5は、ユーザがタッチパネル18の操作により、選択項目を順次選択する例を示した図である。また、対応する操作順序は、図4にも操作1〜9として記している。この例では、ユーザは、図3に示した表示画面において「おこのみコピー」を選択(操作1)した後、順次、「原稿の画質」(操作2)、「文字・写真」(操作3)、「文字」(操作4)、「写真」(操作5)、「地図」(操作6)、「文字・写真」(操作7)、「写真」(操作8)、「印画紙写真」を仮選択(操作9)した後、「閉じる」を選択し(操作10)、これにより「印画紙写真」の項目を本選択している。
続いて、図6を用いて、このような操作が行われた場合に、図2に示した各機能処理部が行う処理について説明する。ユーザ操作が行われる場合、パネル制御部46では、パネルイベント処理が行われる。すなわち、表示処理部48による選択項目の表示処理と、操作イベント取得部50によるユーザ操作信号の取得とが行われる。取得された操作イベントは、操作履歴記録部44に送信され、操作履歴記録部44は、それを操作履歴データ60として記録する。また、パネル制御部46は、選択を確定されるイベント、すなわち「閉じる」を押すことによる本選択が行われると、その旨をアクション判定部52に送信する。この場合、アクション判定部52は、操作履歴記録部44(あるいは操作履歴データ60)から、この本選択までに要した所要ステップ数の情報(図5の例では「所要ステップ=9」である)を取得し、さらに、標準操作数データ62から、この設定における標準ステップ数の情報を取得する。図示した例では、「原稿の画質」に対する「標準ステップ=5」の情報が取得されている。なお、上位の項目(「原稿の画質」)の代わりに、下位の項目(「印画紙写真」)に対する標準ステップ数を取得するようにしてもよい。
次に、アクション判定部52は、所要ステップ数と標準ステップ数との比較に基づいてヘルプ表示を行うか否か決定する。具体的には、アクション判定部52は、所要ステップ数が標準ステップ数よりも多い場合に、ヘルプ表示を実施する旨の判定を行って、ヘルプ作成処理部56に対しヘルプ表示の実行を要求する。ヘルプ作成処理部56は、ヘルプデータ66から必要な説明項目を取得し、ヘルプ表示画像を作成する。そして、表示処理部48は、このヘルプ表示画像の表示を行う。なお、ヘルプ作成処理部56は、直ちにヘルプ表示画像を表示するのではなく、まず、ヘルプ表示画像の表示が準備できた旨の表示を行い、ユーザからの表示指示があった後にヘルプ表示画像を表示するようにしてもよい。
図7は、タッチパネル18にヘルプ表示が行われる様子を示す図である。図7(a)は、「原稿の画質」の設定における表示の例を示しており、図3と同様に、画面の上部には、符号80で記した「コピーできます。」という画像処理装置10の状態を示す文字が表示されている。そして、その下には、符号100で記した「原稿の画質設定」という文字が表示され、「原稿の画質」の機能項目あるいはその下位の機能項目が選択されていることを表している。また、この欄の右側には、取消しボタン102と閉じるボタン104が表示され、それぞれ、「原稿の画質」についての設定を取り消す選択と、「原稿の画質」についての設定を確定する選択を受け付けている。なお、画面の下部に設けられた領域106には、例えば、「原稿の画質」に関する各種の機能項目ボタンが表示されたり、現在の設定を確定した上で直ちにコピーを開始するスタートボタンが表示されたりする。
図7(a)の例では、ユーザ108は、閉じるボタン104を押圧している。この場合、図6に示した処理に従ってヘルプ表示を行う旨の判断が下されると、図7(b)に示す表示が行われる。
図7(b)では、符号80で記した「コピーできます。」という表示の下に、ヘルプ表示110が行われ、このヘルプ表示110の中には閉じるボタン112も表示されている。この画面において、ユーザ114が閉じるボタン112を押した場合、タッチパネル18には、図7(d)に示す表示、すなわち、図3に示したものと同じ表示が行われる。
図7(c)は、図7(a)において閉じるボタン104が押された場合における別の表示例を示す図である。図7(c)では、基本的に図7(d)と同じ表示が行われている。ただし、最上段には、符号120で記したように「コピーできます。(ヘルプあり)」の表示がなされ、さらに、?ボタン122が表示されている。そして、ユーザが?ボタン122を押した場合には、図7(b)に示す表示が行われる。他方、設定された一定時間にわたって?ボタン122が押されない場合には、図7(d)に示す表示に切り替えられる。
なお、ヘルプ表示において、どの選択項目に関する説明を行うかは、様々に設定することが可能である。図8は、ヘルプ表示の対象となる選択項目を選ぶ基準について例示した図である。
図8における1番目の例は、「仮選択された機能設定項目及び詳細機能設定項目」に対して説明を行うものである。図4に示した階層構造の下で、図5に示した選択を行った場合には、「文字・写真」「文字」「写真」「地図」「印画紙写真」の各項目がこの条件に対応し、Hc,Hd,He,Hf,Hmの各説明項目について説明が行われる。
2番目の例は、「複数回仮選択された機能項目」に対して説明を行うものである。図4及び図5に示した例では、この条件を満たす項目は「文字・写真」「写真」の二つであり、Hc,Heの二つの説明項目について説明が行われる。
3番目の例は、「仮選択された機能設定項目及び詳細機能設定項目」に加えて「それと同じ階層の機能設定項目及び詳細機能設定項目」に対して説明を行うものである。この場合には、「自動」「文字・写真」「文字」「写真」「地図」の各機能設定項目と、「印刷写真」「印画紙写真」「コピー原稿」の各詳細機能設定項目が該当し、Hb,Hc,Hd,He,Hf及びHl,Hm,Hnの各説明項目について説明が行われる。
4番目の例は、「所定比率以上が仮選択された階層で仮選択された選択項目」に対して説明を行うものである。例えば、所定比率を5割に設定した場合、「機能設定項目」では、5項目中4項目の仮選択が行われこの条件を満たすため、「文字・写真」「文字」「写真」「地図」に関するHc,Hd,He,Hfの各説明項目が選ばれる。これに対して、「印画紙印刷」を含む「詳細機能設定項目」では、3項目中1項目の仮選択しか行われておらず5割に満たないため、説明対象とはならない。
5番目の例は、「複数回仮選択された機能項目と同じ階層の機能項目」と「その上位の選択項目」に対して説明を行うものである。この条件には、「自動」「文字・写真」「文字」「写真」「地図」の各機能設定項目と、その上位に位置する「原稿の画質」が該当する。したがって、Ha,Hb,Hc,Hd,He,Hfの各説明項目について説明が行われることになる。
6番目の例は、「仮選択された機能項目」と「その下位の機能項目」に対して説明を行うものである。この条件に該当するものは、「文字・写真」「文字」「写真」「地図」の各機能設定項目と、その下位の詳細機能設定項目である「印刷写真」「印刷紙写真」「コピー原稿」「印刷文字」「鉛筆文字」「印刷写真」「印画紙写真」「コピー原稿」である。したがって、Hc,Hd,He,Hfと、Hg,Hh,Hiと、Hj,Hkと、Hl,Hm,Hnの各説明項目について説明が行われることになる。
なお、説明対象となる説明項目が複数ある場合には、条件に基づいて、説明の優先順位をつけるようにしてよい。また、説明対象となる説明項目が所定数以上ある場合には、条件に基づいて、説明項目を絞り込むようにしてもよい。
また、上述の例では、ユーザが一つの機能選択項目(「原稿の画質」)の下で仮選択を行う態様について示したが、ユーザが複数の機能選択項目を移動しながら仮選択を行う態様も考えられる。この場合には、本選択の対象となった機能選択項目についてのみを説明対象にして、説明項目を絞り込むようにしてもよい。
[第2の実施形態]次に、第2の実施形態を例示する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、図1や図2に示したハードウエアや処理機能を利用して実施されるものである。しかし、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、ユーザが処理設定を行っている最中に、ヘルプ表示を行うか否かが判定される。
図9は、図5と同様の図であり、第2の実施形態にかかるユーザ操作を示したものである。ここでは、図3に示した基本コピーの画面表示を出発点として、ユーザが各種の選択項目を選択することを想定している。
ユーザは、まず、「おこのみコピー」タブを選択し(操作1)、さらに、機能選択項目としての「仕分け」を選択している(操作2)。続いて、ユーザは、「仕分け」の下位に位置する機能設定項目の中から「ソート」と「スタック」をこの順で選択するが(操作3,4)、その後で「取消し」ボタンを押してこれらの選択を取り消している(操作5)。この取り消しの結果、画面表示は初期状態に戻り、基本コピーの表示がなされることになる。ユーザは、この画面において再度「おこのみコピー」タブを選択し(操作6)、機能選択項目としての「ブック両面」を選択する(操作7)。そして、「ブック両面」の下位階層に位置する機能設定項目の中から「左とじ原稿」と「右とじ原稿」をこの順で選択する(操作8,9)。しかし、その後に「取消し」ボタンを押して、これらの選択を取り消している(操作10)。
図10は、図6に対応する図であり、図9に示したようなユーザ操作の下で、ヘルプ表示処理を行う過程を示すものである。この例においては、操作履歴記録部44は、パネル制御部46から操作イベントと画面表示イベントの記録を取得し、操作履歴データ60として記録する。図9に示したユーザ操作に対しては、非設定操作数(仮選択されたものの本選択に至らなかった操作数)が10であり、非設定機能選択数(仮選択されたものの本選択に至らなかった機能選択項目の数)が2(「仕分け」と「ブック両面」)であるとの記録が行われる。
アクション判定部52は、パネル制御部46から操作イベントと画面表示イベントの記録を取得し、さらに、操作履歴記録部44(あるいは操作履歴データ60)から非設定操作数と非設定選択数の情報を取得する。そして、非設定操作数と非設定機能選択数に基づいて、関連機能に関するヘルプ表示を行うか否か判定する。ここでは、具体的には、非設定操作数が所定の閾値(ここでは10)以上である場合、または、非設定機能選択数が所定の閾値(ここでは2)以上である場合に、ヘルプ表示を行うと判定しており、図9に示した操作はこの条件に該当している。そこで、仮選択された機能項目との関連が強い機能項目のリストを作成し、ヘルプ作成処理部56に出力する。なお、ヘルプ作成処理部56が、ヘルプデータ66から必要な説明項目を取得してヘルプ表示画像を作成する過程や、表示処理部48が、ヘルプ表示、または、ヘルプ表示が用意された旨を示すボタンを表示する過程は、図6の例と同様である。
ここで、図11を参照しながら、アクション判定部52がヘルプ表示の対象となる機能項目を選択する過程について説明する。図11は、機能間関連データ64を表形式で示したものである。この表では、関連性を評価する要素(関連性評価要素)である「原稿画質」「プリント画質」「サイズ」「ページの分割・統合」「画像の加工・編集」「向き」「ブック」などが、機能項目A〜G(これは、具体的には、図4や図9に示した「画質の原稿」「仕分け」「ソート」などである)と対応づけられている。すなわち、機能項目A〜Gと、関連性評価要素との関連性が評価され、関連性が深いと判断されたものに対しては○印がつけられている。
関連性は、様々に評価することが可能である。一例としては、機能のもつ類似性により評価する態様が挙げられる。例えば、「向き」という関連性評価要素に対しては、用紙選択、原稿の向き、画像の回転などに関する機能項目との関連が深いと評価される。また、「ページの分割・統合」という関連性評価要素に対しては、Nup(一枚の用紙のNページを印刷する方式)、ページ連写(1枚のページを半分ずつ別々の用紙印刷する方式)、ポスター(1ページをN枚に拡大印刷する方式)などに関する機能項目との関連が深いと評価される。また、名称の類似性に基づいて関連性を評価するようにしてもよい。例えば、「片面・両面(印刷)」と「ブック両面(印刷)」とは類似していると評価されたり、「ブック両面」「製本」「表紙付け」も類似した名称であると評価されたりする。さらに、「ビルドジョブ」と「ジョブメモリ」という名称も類似したものであると評価されてもよい。
図11に示した例では、機能項目B,Fが、ユーザ操作によって選択されたことを想定している。ここで、機能項目Bは、関連評価要素のうち「プリント画質」「サイズ」「ページの分割・統合」「向き」に関連しており、機能項目Fは、関連評価要素のうち「サイズ」「ページの分割・統合」「ブック」に関連している。したがって、この例では、アクション判定部52は、まず、機能項目B,Fに共通する関連性評価項目である「サイズ」「ページの分割・統合」を抽出する。そして、抽出された関連性評価項目のいずれかと関連する機能項目を、ヘルプ表示の対象とする機能項目として決定する。具体的には、機能項目B,Fに加えて、機能項目C,D,Gがヘルプ表示の対象として選ばれる。
アクション判定部52は、こうして選び出したヘルプ表示の対象項目に対し、優先順位(例えば表示順位として利用される)を設定する。優先順位は、例えば、関連するとみなされた関連評価要素の数に基づいて決定するようにしてもよい。つまり、関連性のある関連評価要素が多いものほど優先順位を高くすることが考えられる。また、機能項目の表示位置距離に基づいて、優先順位を定めるようにしてもよい。表示位置は、同一の画面に表示される場合には近く、別の画面に表示される場合には遠いと評価するようにしてもよい。そして、例えば、意外性が高いものの優先順位を高くするという観点から、遠いものほど優先順位を高くするという設定が行われる。同様に、意外性が高いものの優先順位を高くするという観点からは、例えば、仮選択された機能項目については優先順位を低くし、仮選択されていない機能項目については優先順位を高くするという設定を行うようにしてもよい。
図12は、このようにして選ばれた説明項目に対するヘルプ表示の例を示す図である。ここでは、図3に示した基本コピーの表示の上に、「機能選択のヒント−あなたが探している可能性のある機能一覧」と題されたヘルプ表示130が行われている。具体的には、機能項目「N−up」が「まとめて一枚にプリント」する機能を表すこと、機能項目「ページ連写」が「左右ページ別にスキャン」する機能を表すこと、機能項目「ブック両面」が「見開きを変えずにコピー」する機能を表すこと、機能項目「仕分け」が「ページ順、ページ毎そろえ」する機能を表すこと、機能項目「製本」が「中央で折って冊子状にする」機能を表すこと、機能項目「表示付け」が「色紙・厚紙等の表紙付け」機能を表すことが示されている。そして、各機能項目の説明に対しては、その機能を設定するための選択ボタン132〜142がそれぞれ設けられている。図示した例では、ユーザ160は、「製本」についての選択ボタン140を選択している。なお、このヘルプ表示130には、閉じるボタン150が設けられており、ユーザはこのボタンを押すことで、ヘルプ表示130を中止してもよい。
[第3の実施形態]次に、第3の実施形態を例示する。
第3の実施形態は、ヘルプ表示の形式変更に関するものである。この実施形態は、第1の実施形態や第2の実施形態とは独立に実施されてもよいし、第1の実施形態や第2の実施形態と組み合わせて実施されてもよい。
図13は、ヘルプ表示の形式に関して説明する図である。図には、不明点種別として、「機能の使い方がわからない」「選択肢の意味がわからない」「使いたい機能が見つからない」「使い慣れた機種と異なる」という四つの態様が示されており、さらに、各態様について設定した解説形式、選択形式、及び表示形式が示されている。
不明点種別は、ユーザに生じる不明点の種別を類型化したものである。特に、ここでは、ユーザに不明点の種別を問い合わせることを想定して、簡単な表現を用いて種別を言い表している。もちろん、これ以外の類型化を行うようにしてもよい。
解説形式は、ヘルプ表示においてどのような解説を行うか分類したものである。解説形式には、「機能解説形式」と「機能項目詳細説明形式」とが設けられている。前者の「機能解説形式」は、「○○機能とは...である」という形式で簡潔な機能説明を行うものであり、後者の「機能項目詳細説明形式」は、相対的に詳しい機能説明を行うものである。
選択形式は、説明項目の説明を行うために、ヘルプデータの中からどのデータを選び出すかを定めたものである。選択形式には、「マニュアル構成形式」「機能間関連形式」「機能間関連用語類似形式」「機種間対応関係形式」が用意されている。「マニュアル構成形式」では、操作方法を手順に沿って説明するために必要なデータが選ばれる。また、「機能間関連形式」では、関連する機能についての説明項目も選ばれて、これらとの対比説明が行われる。「機能間関連用語類似形式」は、用語が類似する関連機能の説明項目が選ばれて、これらとの対比説明が行われる。そして、「機種間対応関係形式」は、自社別機種や他社製品に関する説明データが選ばれて、これらと対比する説明が行われる。
表示形式は、画面に対する表示態様を定めるものである。表示形式には、「ウィザード形式」「テキスト形式」「メニュー形式」が含まれる。「ウィザード形式」は、段階を追って画面を切り換えながら説明を行う形式であり、「テキスト形式」は、文字を表示することで説明を行う形式である。また、「メニュー形式」は、ユーザに選択肢を与え、選択された項目について説明を行う形式である。
続いて、図14を用いて、こうした形式に基づく表示を行うための処理について説明する。図14は、図6に対応する図であり、図2に示した各機能処理部の動作について示した図である。
図示した例では、実施形態1,2と同様に、アクション判定部52が、パネル制御部46から取得した操作イベントと標準操作数データ62などに基づいてヘルプ表示を行うか否か判定し、ヘルプ表示を行う場合には、何の項目についてヘルプ表示を行うかを決定することを想定している。ただし、この例においては、アクション判定部52による判定の代わりに、ユーザが明示的にヘルプ表示を求めるようにしてもよい。
ヘルプ表示を行う場合、パネル制御部46では、ユーザに対し、その不明点の種別を問い合わせるためのメニュー(項目)を表示し、ユーザの選択結果に基づいて不明点を取得する。ヘルプ方針決定部54は、図13に示した情報をテーブルとして保持しており、不明点に対応する解説形式、選択形式及び表示形式を算出して、ヘルプ作成処理部56に出力する。
ヘルプ作成処理部56は、アクション判定部52から入力するヘルプ表示要求と、ヘルプ方針決定部54から入力する形式情報とに基づいてヘルプ表示画像を作成する。作成にあたっては、ヘルプセット68を参照して、ヘルプデータ66から取得する項目の絞り込みが行われる。こうして作成された表示画像は、表示処理部48によって表示される。
図15は、第3の実施形態にかかる表示の例を説明する図である。図15(a)は、図7(a)と同様の図であり、ユーザ108が閉じるボタン104を押すことで、「原稿の画質の設定」に関する画面表示を終了する様子を示している。そして、この例では、この終了処理の結果、ヘルプ表示を行う条件が満たされるものと仮定している。
図15(b)は、図15(a)の表示の次に表示される画面を示している。この画面の最上段には、符号170で記した「お困りの内容を選択してください。」の表示がなされ、その下には、選択候補となる項目を含む表示180がなされている。具体的には、「機能の使い方がわからない」という項目182、「選択肢の意味がわからない」という項目184、「使いたい機能が見つからない」という項目186、「使い慣れた機種と異なる」という項目188が表示されており、また、閉じるボタン190も表示されている。なお、項目182〜188は、図13に示した「不明点種別」と同じものである。
ユーザ200は、この画面において所望の項目を選択する。この結果、選択された項目に対応する解説形式、選択形式及び表示形式をもつヘルプ表示が行われる。図15(c−1),(c−2),(c−3)は、このようにして行われる表示例を説明する図である。
図15(c−1)は図7(b)と同様の図である。図示された表示は、例えば、「選択肢の意味がわからない」ときになされるものであり、「原稿の画質設定」について、機能項目の詳細な説明が、関連する機能項目と対比されながら、テキスト形式で表示されている。
図15(c−2)は図12と同様の図である。図示された表示は、例えば、「使いたい機能が見つからない」場合になされるものであり、「機能選択のヒント」として、機能項目の説明が、類似する用語を中心に、メニュー形式で表示されている。
図15(c−3)は、例えば、「機能の使い方がわからない」場合になされる表示である。ここでは、最上段に、符号210で記した「コピーできます。」との表示がなされ、その下に、「画面パラメータ設定ウィザード」との表題が与えられたウィザード形式の表示212が行われている。そして、ここには、「自動」の機能項目が「自動判別」を表すこと(符号216)、「文字」の機能項目が「文字が中心の原稿」を表すこと(符号218)、「写真」の機能項目が「写真が中心の原稿」を表すこと(符号220)、「文字写真」の機能項目が「文字・写真混在原稿」を表すこと(符号222)、「地図」の機能項目が「地図状の原稿」を表すこと(符号224)について述べた表示がなされている他、閉じるボタン226と、改ページを指定する次へボタン228が表示されている。この表示は、例えば、「機能の使い方がわからない」場合になされるものであり、機能項目の説明を、マニュアルの構成に従って、ウィザード形式で行うものである。
以上に説明した実施形態では、ユーザの操作に基づいて、ユーザにとって必要となるヘルプ項目を割り出し、リアルタイムで表示する態様について示した。しかし、例えば、必要となるヘルプ項目の算出とその表示を、別々のタイミングで行うようにしてもよい。一例としては、過去の操作履歴データ60を解析して、ユーザが操作に手間取っている項目を探しておき、ユーザが実際にその項目を選択した時点(あるいは選択可能な画面を開いた時点)で、その項目に関するヘルプ表示を行う態様が挙げられる。
また、ヘルプ表示を行うか否か、あるいは、どのヘルプ表示を行うかの決定において、過去の操作履歴データ60を反映させるようにしてもよい。具体的には、標準操作数データ62や機能間関連データ64の設定を過去の操作履歴データ60に基づいて行う例が挙げられる。なお、過去の操作履歴データ60は、ユーザ別に利用されてもよいし(つまり、あるユーザの操作履歴データ60は、そのユーザの標準操作数データ62や機能間関連データ64の設定変更にのみ用いられる)、ユーザグループ別に利用されても、ユーザとは無関係に利用されてもよい。また、ネットワーク30を通じて、顧客等の組織に属す複数の装置の操作履歴データ60を取得し、その結果を、これらの各装置の標準操作数データ62や機能間関連データ64に反映させるような態様をとるようにしてもよい。
10 画像処理装置、11 バス、12 CPU、14 メモリ、16 HDD、18 タッチパネル、20 スキャナ、22 プリンタ、24 ネットワークインタフェース、26 CDD、30 ネットワーク、40 スキャナ・プリンタ制御部、42 制御設定部、44 操作履歴記録部、46 パネル制御部、48 表示処理部、50 操作イベント取得部、52 アクション判定部、54 ヘルプ方針決定部、56 ヘルプ作成処理部、60 操作履歴データ、62 標準操作数データ、64 機能間関連データ、66 ヘルプデータ、68 ヘルプセット。