JP2008254523A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の足首の背屈及び捩れを抑制しつつ、インフレータからのガスの無駄な消費を少なくする。
【解決手段】エアバッグ装置は、運転席14のシートクッション15の前端下方に配置されるインフレータ30と、運転者の両方の踵Phが載せられる踵載せ部51を前部に有するエアバッグ40とを備え、インフレータ30からのガスGをエアバッグ40内の後部44から、中間部を通じて踵載せ部51へ導くことにより、エアバッグ40の各部を膨張させて、踵載せ部51上の踵Phを押し上げる。エアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間には、ガスGの流動を阻止するガス流動阻止部61を設け、後部44及び踵載せ部51間のガス流動阻止部61を除く箇所を上記中間部(中間部56L,56R)とすることで、中間部の車幅方向についての合計の幅を踵載せ部51の幅W2よりも小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両フロア上に配置したエアバッグを、車両の前面衝突時に膨張させて、乗員の両方の踵(かかと)を押し上げることにより、乗員の足首の背屈や捩れを抑制するようにしたエアバッグ装置に関するものである。
車室内の運転席の前方には、一般にアクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル等の各種操作ペダルや、フットレストが配置されている。そして、車両の走行時には運転者は、これらの操作ペダルやフットレストに足を載せている。このような状態で、車両が前面衝突した場合、衝突時の衝撃によりトーボード、操作ペダル等が車両後方側へ移動する。これに伴い、乗員の足首において背屈(足首の角度が狭くなる現象)を生じたり、内反(足首が車内側へ捩れる現象)、外反(足首が車外側へ捩れる現象)等の捩れを生じたりすることがある。
そこで、車両の前面衝突時には、インフレータ(ガス発生器)で発生したガスによって、運転者の足下のエアバッグを膨張させるようにしたエアバッグ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグ装置では、車両フロア上であって、運転席の前方の箇所をエアバッグの配置箇所としている。エアバッグは、この配置箇所と略同一の平面形状をなしている。エアバッグの前部は、運転者の両方の踵が載せられる踵載せ部とされている。また、上記特許文献1には特に記載がないが、インフレータは、乗り降りや運転の妨げとならず、また見栄えを極力損なわないように、一般的には運転席の前端下方に配置される。
このエアバッグ装置によると、車両の前面衝突時には、インフレータから噴出されたガスがエアバッグ内の後部から踵載せ部へ向けて流れる。このガスによりエアバッグ全体が膨張する。踵載せ部についても、乗員の両方の踵を包み込んだ状態で膨張する。この膨張により、乗員の足首が車幅方向の動きを規制されながら押し上げられ、上述した背屈及び捩れの各現象が抑制されて、足首への衝撃が低減される。
特表2003−502215号公報
ところが、上述した従来のエアバッグ装置では、エアバッグの後部からガスを踵載せ部へ導くために、エアバッグ全体を膨張させる構成を採用している。そのため、ガスの流通、踵の押し上げ等に必要な箇所が膨張されるだけでなく、不要な箇所も膨張される。その結果、インフレータからのガスがそうした不要な箇所の膨張に無駄に消費される問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗員の足首の背屈及び捩れを抑制しつつ、インフレータからのガスの無駄な消費を少なくすることのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両フロア上であって前部座席の前端下方に配置されるインフレータと、前記車両フロア上であって前記前部座席の前方に配置され、かつ同前部座席に着座した乗員の両方の踵が載せられる踵載せ部を前部に有するエアバッグとを備え、前記インフレータから噴出されたガスを前記エアバッグ内の後部から、その前側の中間部を通じて前記踵載せ部へ導くことにより、前記中間部及び前記踵載せ部をそれぞれ膨張させて、前記踵載せ部上の乗員の踵を押し上げるようにしたエアバッグ装置において、前記中間部の車幅方向についての幅を、前記踵載せ部の車幅方向についての幅よりも小さく設定したことを要旨とする。
上記の構成によれば、車両の前面衝突時には、インフレータから噴出されたガスがエアバッグ内の後部から、その前側の中間部を通じて踵載せ部へ向けて流れる。この際、中間部はガスにより膨張するが、その膨張は、エアバッグの後部から踵載せ部へガスを導くために必要なものであって、踵を押し上げることには直接関与しない。一方、上記中間部を通じてガスの供給された踵載せ部は、乗員の両方の踵を包み込んだ状態で膨張する。この膨張により、乗員の足首が車幅方向の動きを規制されながら押し上げられ、足首の背屈及び捩れが抑制される。
ここで、請求項1に記載の発明では、中間部の車幅方向についての幅が、踵載せ部の車幅方向についての幅よりも小さく設定されているが、前者の幅が極端に小さく設定されない限り、ガスをエアバッグの後部から踵載せ部へ導く中間部本来の機能は充分に発揮される。また、上述したように、中間部は踵の押し上げに直接関与しないことから、中間部が幅狭とされても、そのことが踵の押し上げに及ぼす影響はほとんどない。また、中間部を幅狭とすることで、エアバッグの後部及び踵載せ部間において、中間部とは異なる箇所でガスが流れることがない。この箇所は、踵の押し上げに直接関与しない箇所であり、またガスの流通に必須の箇所でもない。従って、上記箇所はガスにより膨張しないが、そのことが、ガスの流通や踵の押し上げに及ぼす影響はほとんどない。むしろ、膨張しないことからインフレータのガスが無駄に消費されることがない。
このように、請求項1に記載の発明によれば、乗員の足首の背屈及び捩れが抑制され、しかもインフレータからのガスの無駄な消費が少なくなる。
なお、以下の記載においては、特に断りのない限り、幅というときには車幅方向についての幅を意味するものとする。
上記中間部は、例えば請求項2に記載の発明によるように、エアバッグの後部及び踵載せ部間に、ガスの流動を阻止するガス流動阻止部を設けることにより形成することが可能である。この場合、エアバッグにおいて後部及び踵載せ部間のガス流動阻止部を除く箇所が中間部となる。このようにガス流動阻止部が設けられることにより、設けられない場合よりも中間部の幅が小さくなる。
ここで、ガス流動阻止部の幅が大きくなるに伴い中間部の幅が小さくなるが、ガス流動阻止部の幅を過度に大きくすると、中間部の幅が過度に小さくなり、ガスの流通抵抗が増大して、ガスが中間部を通過しにくくなる。そのため、ガス流動阻止部及び中間部の各幅の設定は、中間部におけるガス流動の確保を考慮したうえでなされることが望ましい。
なお、上記請求項2に記載の発明によれば、インフレータから噴出されたガスは、エアバッグ内の後部から踵載せ部へ向けて流れる際、その流動をガス流動阻止部により阻止される。そのため、ガスはエアバッグの後部及び踵載せ部間において、ガス流動阻止部を除く箇所、すなわちガス流動阻止部の分だけ幅狭とされた中間部を通過することになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記踵載せ部は、その車幅方向について互いに離間した箇所において乗員の両方の踵が載せられるものであり、前記ガス流動阻止部は、車両前後方向については前記エアバッグの後部及び前記踵載せ部間であって、車幅方向については前記踵載せ部の中央部分に対応する箇所に設けられ、前記中間部は前記ガス流動阻止部の車幅方向両側にそれぞれ形成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグ内の後部から、それよりも前方の踵載せ部へ向かうガスの流れは、車幅方向についての中央部分に位置するガス流動阻止部により阻止される。そのため、ガスはガス流動阻止部の車幅方向両側に設けられた中間部を流れる。これらの中間部より、ガスはエアバッグの後部から、踵載せ部の車幅方向について互いに離間した箇所、すなわち、踵載せ部において乗員の踵の載置に実際に関わる箇所に導かれる。このように、踵載せ部において踵押し上げの対象となる箇所にガスを優先的に導くことができ、効率よく踵を押し上げることが可能となる。
ここで、上記エアバッグとしては、請求項4に記載の発明によるように、基布を二つ折りすることにより得られる一対の重合部を備えるもの、又はそれぞれ基布からなる一対の重合部を備えるものを用いてもよい。この場合、ガス流動阻止部は、両重合部を、それらの周縁部よりも内側にて無端状に結合する内結合部により構成することができる。内結合部は、例えば両重合部を縫糸で縫合することにより得られる。また、内結合部は、両重合部を接着剤で相互に接着させることによっても得られる。
このような構成とすれば、内結合部が無端状をなしていて、両重合部を結合していることから、ガスがエアバッグの後部から踵載せ部へ向けて流れる際に、そのガスが内結合部(ガス流動阻止部)を透過する現象が起こりにくい。
また、両重合部の周縁部よりも内側において、一対の重合部を無端状の内結合部によって結合するといった簡単な作業を行うだけで、エアバッグにガス流動阻止部を設けることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記両重合部において前記内結合部により囲まれた箇所には開口が設けられていることを要旨とする。
上述したように、両重合部を無端状に結合する内結合部はガス流動阻止部として機能し、ガスがエアバッグの後部から踵載せ部へ向けて流れる際に、そのガスが内結合部(ガス流動阻止部)を透過するのを阻止しようとする。そのため、両重合部において内結合部により囲まれた箇所自体には、ガス流動を阻止する機能は要求されない。従って、請求項5に記載の発明によるように、前記両重合部において前記内結合部により囲まれた箇所に開口が設けられてもよい。この場合には、ガスの漏出の問題がないばかりか、基布の無駄な使用が抑制され、軽量化が図られる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記ガス流動阻止部は、前記エアバッグの前記後部の前側近傍に設けられており、前記後部には、前記インフレータから噴出されたガスを前記両中間部に分配するガス分配部が、前記ガス流動阻止部に隣接して設けられていることを要旨とする。
ガス流動阻止部は、踵載せ部の車幅方向については、その中央部分に対応する箇所に位置している。またガス流動阻止部は、車両前後方向については、エアバッグ後部の前側近傍に位置している。これらのことから、ガス流動阻止部は、エアバッグの後部から前方へ流れるガスの流れを妨げようとする。そのため、このガス流動阻止部の近傍でガスが滞留するおそれがある。
この点、請求項6に記載の発明では、後部から前方へ流れようとするガスは、ガス分配部によって車幅方向に2つに分けられ、ガス流動阻止部に沿って対応する中間部に導かれる。そのため、ガスが上記のようにガス流動阻止部の近傍で滞留する現象が起こりにくくなる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の発明において、前記エアバッグの前記踵載せ部であって、前記踵が載せられる箇所の前側近傍には、ガスにより膨張しない非膨張部が設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、上記中間部を通じてガスの供給された踵載せ部においては、非膨張部を除く大部分が膨張する。踵が載せられる箇所の前側近傍に設けられた両非膨張部はガスにより膨張しない。そのため、乗員の足には、踵に対してのみ踵載せ部の膨張による押し上げ力が直接作用する。乗員の足において、踵以外の箇所が直接押し上げられる現象は起こりにくい。従って、踵載せ部の上述した特定の箇所に非膨張部を設けるという簡単な構成でありながら、踵のみを確実に押し上げることができるようになる。
本発明のエアバッグ装置によれば、中間部の車幅方向についての幅を、踵載せ部の車幅方向についての幅よりも小さく設定したため、踵載せ部の膨張により乗員の足首の背屈及び捩れを抑制しつつ、インフレータからのガスの無駄な消費を少なくすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、車両のボディのうち、車室11の底部を構成する車両フロア上には、その車両フロアの上面形状に合わせて成形されたフロアカーペット13が敷設されている。また、車両フロア上には、前部座席として運転席14及び助手席(図示略)が配置されている。運転席14は、乗員としての運転者Dの臀部及び大腿部を下側から支持するシートクッション(座部)15と、シートクッション15の後端部に配置されて運転者Dの上半身を後ろ側から支えるシートバック(背もたれ部)16と、シートバック16上に配置されて運転者Dの頭部を後ろ側から支えるヘッドレスト17とを備えて構成されている。
車室11内の前部には、メーター類やスイッチ類が組み込まれたインストルメントパネル18が設けられている。また、車室11内の運転席14の前方近傍には、車両の進行方向を任意に変えるための操舵装置が設けられている。操舵装置の一部は、運転者による操作が行われる箇所であるステアリングホイール19によって構成されている。
エンジンルーム(図示略)と車室11とは隔壁によって仕切られている。この隔壁のうち、インストルメントパネル18の下方に相当する箇所はトーボード21を構成している。インストルメントパネル18の下方であってトーボード21の後方近傍には、アクセルペダル22、ブレーキペダル23等の各種操作ペダルや、フットレスト24が配置されている(図4参照)。
さらに、車両には、前面衝突時等、車両に対し前方から衝撃が加わってトーボード21、操作ペダル等が車両後方側へ移動した場合に、運転者の踵Phを押し上げることで、足首Paへの衝撃を低減するエアバッグ装置が装備されている。
なお、車室11内には、運転席14に着座した運転者Dを拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図1ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
エアバッグ装置は、ガス発生源としてのインフレータ30と、そのインフレータ30からのガスにより膨張するエアバッグ40とを備えている。これらのインフレータ30及びエアバッグ40は、車両フロアのうち運転席14よりも前側の箇所(以下「運転席用フロア41」という)上であって、その上のフロアカーペット13との間に配置されている。ここで、上記運転席用フロア41は、略矩形の平面形状をなしている。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、上記インフレータ30は、長尺状をなしており、その軸線を車幅方向に合致させた状態で、運転席用フロア41の後端部、より詳しくは運転席14(シートクッション15)の前端下方に配置されている。この箇所をインフレータ30の配置箇所としているのは、(i)インフレータ30が乗り降りや運転操作(特にペダル操作)の妨げになりにくい、(ii)見栄えを極力損なわない、といった条件を満たしているからである。インフレータ30にはブラケット31が設けられており、このブラケット31において、インフレータ30が図示しないボルト及びナットにより運転席用フロア41に固定されている。
インフレータ30の内部にはガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ30の車内側の箇所には、ガス噴出口32が開口されている。このタイプのインフレータ30では、ガス発生剤の燃焼反応によってガスGが生成され、このガスGがガス噴出口32から噴出される。なお、インフレータとしては、ガス発生剤を用いた上記タイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプが用いられてもよい。
一方、エアバッグ40は、それぞれ基布からなり、かつ互いに重ね合わされた一対の重合部42A,42Bを備えている。図2では、重合部42Bの図示のために、重合部42Aの一部が破断された状態で図示されている。各基布は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に変形することのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等からなる織布等によって形成されている。
ここで、図2及び図3の少なくとも一方に示すように、運転席用フロア41の前後長をL1とし、車幅方向の幅をW1とするとともに、各重合部42A,42Bの前後長をL2とし、車幅方向の幅をW2とする。ただし、重合部42A,42Bについては、後述する取付片81を省いた形態での前後長L2及び幅W2としている。このように定義すると、前後長L2は前後長L1よりも若干小さな値に設定され、幅W2は幅W1よりも若干小さな値に設定されている。従って、両重合部42A,42Bは、運転席用フロア41の上面の略全体を覆う大きさ・形状を有していることとなる。
なお、両重合部42A,42Bは、上記のように2枚の基布によって構成されるもののほか、1枚の基布によって構成されるものであってもよい。この場合、所定形状をなす基布が中央部分で二つに折られる。この二つ折りにより、1つの辺において相互に繋がった表裏一対の重合部42A,42Bが形成される。
両重合部42A,42Bは、それらの周縁部に設けられた周縁結合部43において気密状態で結合されている。本実施形態では、周縁結合部43は、両重合部42A,42Bの周縁部を縫糸で縫合することにより構成されている。図2及び図3では、縫糸は太い破線で示されている。ただし、図2中、重合部42Aの一部を破断して図示した箇所では、縫糸は二点鎖線で示されている。周縁結合部43は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって構成されてもよい。なお、上述した「太い破線、二点鎖線を用いた縫糸の図示」、及び「縫合に代えて接着剤を用いた接合」は、後述する内結合部53,54,62、及び周縁結合部73についても同様である。
上記エアバッグ40は、機能の点からは、後部44と、踵載せ部51と、それら後部44及び踵載せ部51間の中間部とに分けられる。
後部44は、上記インフレータ30から噴出されたガスGの導入部として機能する部分である。エアバッグ40が配置された状態では、この後部44は、運転席用フロア41の後端部、すなわちインフレータ30の近傍に位置する。後部44は、エアバッグ40の後端部において、運転席用フロア41の略全幅にわたって車幅方向に延びる本体部45と、本体部45の車幅方向中央部分に連通状態で接続された管状のガス供給部46とを備えている。そして、ガス噴出口32を少なくとも含むインフレータ30の一部(車内側の部分)がガス供給部46に挿入され、ガス供給部46の外側に配置された締結バンド等の締結具47によって、ガス供給部46がインフレータ30に気密状態で締め付け固定されている。
踵載せ部51は、運転席14に着座した運転者D(図1参照)の両方の踵Phが載せられる部分である。この踵載せ部51は、エアバッグ40において、車両前後方向についての中央部分よりも前側の部分によって構成されていて、その幅はエアバッグ40の幅W2を決定している。エアバッグ40が配置された状態では、踵載せ部51は運転席用フロア41の前部に位置する。特に、踵載せ部51の前端部は、上述した各種操作ペダル、フットレスト24等の近傍に位置する(図4参照)。
本実施形態では、踵載せ部51において、フットレスト24の近傍部分である左端部が、運転者Dの左側の踵Phが載せられる箇所51Lとされている。踵載せ部51において、同箇所51Lの前側近傍には、ガスGにより膨張しない非膨張部52Lが設けられている。詳しくは、両重合部42A,42Bは、周縁結合部43の内側近傍に設けられた内結合部53によって相互に結合されている。内結合部53は、両重合部42A,42Bを縫糸で縫合することにより構成されている。内結合部53の両方の端部はいずれも周縁結合部43に繋がっている。そのため、両重合部42A,42B間であって、周縁結合部43及び内結合部53によって囲まれた空間にはガスGが流入不能である。この空間が、上記非膨張部52Lを構成している。
また、踵載せ部51の幅方向についての中央部よりも若干車外側の部分は、運転者Dの右側の踵Phが載せられる箇所51Rとされている。踵載せ部51において、同箇所51Rの前側近傍には、ガスGにより膨張しない非膨張部52Rが設けられている。詳しくは、両重合部42A,42Bは、周縁結合部43の内側近傍に設けられた内結合部54によって相互に結合されている。内結合部54は、両重合部42A,42Bを縫糸で縫合することにより構成されている。各内結合部54の両方の端部はいずれも周縁結合部43に繋がっている。そのため、両重合部42A,42B間であって、周縁結合部43及び内結合部54によって囲まれた空間にはガスGが流入不能である。この空間が、上記非膨張部52Rを構成している。
中間部は、後部44からエアバッグ40に流入したガスGを踵載せ部51に導くガス流路として機能する部分である。中間部の車幅方向についての幅は、踵載せ部51の車幅方向についての幅W2よりも小さく設定されている。そのために、車両前後方向についてはエアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間には、後部44からのガスGの流動を阻止するガス流動阻止部61が設けられている。ガス流動阻止部61は、エアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間であって、踵載せ部51の車幅方向についての中央部分に対応する箇所に設けられている。ガス流動阻止部61は、車両前後方向については、エアバッグ40の前記後部44の前側近傍に設けられている。
本実施形態では、上記両重合部42A,42Bは、上記周縁結合部43よりも内側において無端状の内結合部62により気密状態で結合されており、この内結合部62によりガス流動阻止部61が構成されている。内結合部62は、両重合部42A,42Bを縫糸で縫合することにより構成されている。
さらに、両重合部42A,42Bにおいて内結合部62により囲まれた箇所には開口63が設けられている。そして、中間部は、上記後部44及び踵載せ部51間のガス流動阻止部61を除く箇所、この場合、ガス流動阻止部61の車幅方向両側にそれぞれ形成されている。これらの中間部を区別するために、車内側に位置するものを中間部56Lといい、車外側に位置するものを中間部56Rというものとする。
このようにガス流動阻止部61が設けられることにより、設けられない場合よりも中間部の幅が小さくなる。車幅方向について、ガス流動阻止部61の幅をW4とし、中間部56Lの幅をW3Lとし、中間部56Rの幅をW3Rとし、中間部56L,56Rの合計の幅をW3とすると、次の関係が成り立つ。なお、W4はガス流動阻止部61において幅の最も大きな箇所での幅とする。また、W3L,W3Rは、中間部56L,56Rにおいて幅の最も小さな箇所での幅とする。
W3=W3L+W3R=W2−W4 ・・・(1)
上記式(1)より、ガス流動阻止部61の幅W4が大きくなるに従い各幅W3L,W3R、ひいては幅W3が小さくなる。本実施形態では、各幅W3L,W3Rが、ガスGの流動を確保し得る略最小の幅に設定されていて、幅W3が幅W2とは大きく異なる値(小さな値)にされている。
さらに、図5に示すように、エアバッグ40の上記後部44には、インナーチューブ71が配置されている。インナーチューブ71は、インフレータ30のガス噴出口32から噴出されたガスGを両中間部56L,56Rに分配するガス分配部として機能する部材である。インナーチューブ71は、上記エアバッグ40と同様、織布等からなる1枚又は2枚の基布を縫製することによって形成されている。図5では、1枚の基布が中央部分で二つ折りされることにより表裏一対の重合部72A,72Bが形成され、両重合部72A,72Bがそれらの周縁部に設けられた周縁結合部73によって結合されている。また、図5では重合部72Bの図示のために、重合部72Aの一部が破断された状態で示されている。インナーチューブ71は、上記ガス供給部46内に配置された供給部74と、ガス供給部46及び本体部45についてそれらの境界部分に配置された分配部75とを備えている。分配部75の車幅方向についての両端部には導出口76が開口されている。そして、インナーチューブ71は、その供給部74において、上記締結具47によってガス供給部46とともにインフレータ30に気密状態で締め付け固定されている。
図2及び図3の少なくとも一方に示すように、上記エアバッグ40の周縁部の複数箇所には取付片81が形成されている。また、開口63の内周縁部の複数箇所には取付片82が形成されている。これらの取付片81,82はエアバッグ40と一体形成されたものであってもよいし、また、別部材によって構成されて後付けされたものであってもよい。各取付片81,82の表裏両面には、強度の高い材料、例えば金属からなるプレート(図示略)が配置され、両プレートが取付片81,82を挟んだ状態で、かしめ等の方法によって相互に連結されている。そして、取付片81,82及び両プレートは、ボルト及びナット(図示略)によって運転席用フロア41に固定されている。
エアバッグ装置は、さらに衝撃センサ及び制御装置(いずれも図示略)を備えている。衝撃センサは加速度センサ等からなり、車両に前方から加わる衝撃を検出する。制御装置は、衝撃センサからの検出信号に基づきインフレータ30の作動を制御する。
上記のようにして本実施形態のエアバッグ装置が構成されている。次に、このエアバッグ装置の作用について説明する。
車両の走行時には、エアバッグ40は膨張されておらず扁平な状態となっている。このとき、運転者Dは、図7(A)に示すように、アクセルペダル22等の操作ペダルやフットレスト24に足Pfを載せている。また、運転者Dはフロアカーペット13において踵載せ部51の箇所51L,51Rに対応する部分に踵Phを接触させている。
このような車両の走行中に前面衝突が発生すると、図7(B)において実線で示すように、衝突時の衝撃によりトーボード21、操作ペダル等が車両後方側へ移動する場合がある。なお、同7(B)中の二点鎖線は、前面衝突が発生する前の各部の状態を示している。
一方、上記前面衝突等により、車両に対し前方から所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサによって検出されると、エアバッグ装置では、その検出信号に基づき制御装置から駆動電流がインフレータ30に出力される。この駆動電流に基づく加熱により、インフレータ30内のガス発生剤によりガスGが生成される。このガスGは、図5に示すように、ガス噴出口32からインナーチューブ71内へ噴出される。このガスGはインナーチューブ71内を供給部74に沿って前方へ流れる。この前方へ向かうガスGの流れは、分配部75の前端によって規制される。分配部75が、上記供給部74内におけるガスGの流通方向(前方)と略直交する方向である車幅方向へ延びていることから、上記のように流れを規制されたガスGは、車幅方向について互いに反対となる方向へ向きを変え、同方向へ略均等に分配される。そして、2つに分配されたガスGの各々は、分配部75の対応する導出口76から略側方へ流出する。
ここで、図2及び図3の少なくとも一方に示すように、ガス流動阻止部61は、踵載せ部51の車幅方向については、その中央部分に対応する箇所に位置し、車両前後方向については、エアバッグ40の後部44の前側近傍に位置していて、エアバッグ40の後部44を通過した後のガスGの流れを妨げようとする。しかし、本実施形態では上記のようにガスGがインナーチューブ71によって左右両側方へ分配されるため、ガスGがガス流動阻止部61の後方近傍で滞留する現象が起こりにくい。
ガス流動阻止部61は、上記のように2つに分配された各ガスGの流動を規制する。ここで、エアバッグ40として、それぞれ基布からなる一対の重合部42A,42Bを周縁結合部43によって結合してなるものを用いているところ、両重合部42A,42Bは、無端状の内結合部62によって気密状態で結合されている。そして、この内結合部62によってガス流動阻止部61が構成されている。そのため、ガスGがエアバッグ40の後部44から踵載せ部51へ向けて流れる際に、そのガスGが内結合部62(ガス流動阻止部61)を透過して内結合部62によって囲まれた空間へ入り込む現象が起こりにくい。特に、本実施形態では、同空間に開口63が設けられているが、上述したようにガスGが内結合部62を透過しにくい以上、この開口63から漏出する不具合も起こりにくい。
インナーチューブ71の導出口76から流出したガスGは、ガス流動阻止部61によって流れ方向を規制されながら車幅方向両側方へ流れる。その後、ガスGは、後部44及び踵載せ部51間において、ガス流動阻止部61を除く箇所、すなわちガス流動阻止部61の車幅方向両側に設けられ、かつガス流動阻止部61の分だけ幅狭とされた中間部56L,56Rを流れる。一方、踵載せ部51において運転者Dの踵Phの載置に実際に関わる箇所51L,51Rは、車幅方向について互いに離間している。各中間部56L,56Rの前端は、これらの箇所51L,51Rの後方に位置している。そのため、上記両中間部56L,56Rを流れたガスGは箇所51L,51Rに優先的に導かれる。
このように、インフレータ30から噴出されたガスGは、エアバッグ40内の後部44から、その前側の中間部56L,56Rを通じて踵載せ部51へ向けて流れる。この際、中間部56L,56RはガスGにより膨張するが、その膨張は、エアバッグ40の後部44から踵載せ部51へガスGを導くために必要なものであって、踵Phを押し上げることには直接関与しない。
一方、上記中間部56L,56Rを通じてガスGの供給された踵載せ部51においては、その大部分が膨張する。ただし、踵Phが載せられる箇所51L,51Rの前側近傍に設けられた両非膨張部52L,52RにはガスGが供給されず、同非膨張部52L,52Rが膨張することはない。そのため、運転者Dの足Pfには、踵Ph又はその近傍部分に対してのみ踵載せ部51の膨張による押し上げ力が直接作用する。加えて、エアバッグ40においては、単に踵Phが載せられる箇所51L,51Rだけでなく、車幅方向におけるそれ以外の箇所、特に、箇所51L及び箇所51R間も踵載せ部51に含められている。このことから、図6(A)において二点鎖線で示すように、踵載せ部51の膨張は運転者Dの両方の踵Phを包み込んだ状態で行われる。
その結果、上記踵載せ部51の大部分の膨張により、図6(B)及び図7(B)の少なくとも一方に示すように、運転者Dの足首Paが車幅方向の動きを規制されながら、また足首Paの角度αを維持したまま押し上げられる。運転者Dの足Pfにおいて、踵Ph以外の箇所が直接押し上げられる現象は起こりにくい。
従って、衝突時の衝撃によりトーボード21、操作ペダル等が車両後方側へ移動しても、上記角度αが狭くなる現象である足首Paの背屈が抑制されるとともに、足首Paが車内側へ捩れる現象である内反、及び足首Paが車外側へ捩れる現象である外反が抑制される。
また、本実施形態では、上述したように、中間部56L,56Rの車幅方向についての合計の幅W3が、踵載せ部51の車幅方向についての幅W2よりも小さい。しかし、中間部56L,56Rの各幅W3L,W3Rが、ガスGの流動を確保し得る略最小の幅に設定されていることから、ガスGをエアバッグ40の後部44から踵載せ部51へ導く中間部56L,56R本来の機能は充分に発揮される。また、上述したように、中間部56L,56Rは踵Phの押し上げに直接関与しないことから、中間部56L,56Rが幅狭とされても、そのことが踵Phの押し上げに及ぼす影響はほとんどない。また、中間部56L,56Rを幅狭とすることで、エアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間において、中間部56L,56Rとは異なる箇所でガスGが流れることがない。この箇所は、踵Phの押し上げに直接関与しない箇所であり、またガスGの流通に必須の箇所でもない。従って、上記箇所はガスGにより膨張しないが、そのことが、ガスGの流通や踵Phの押し上げに及ぼす影響はほとんどない。むしろ、膨張しないことからインフレータ30のガスGの無駄な消費が抑制される。
なお、上述したエアバッグ40の膨張時には、同エアバッグ40は運転席用フロア41から浮き上がろうとする。しかし、エアバッグ40は、その周縁部の複数箇所、及び開口63の内周縁部の複数箇所にそれぞれ設けられた取付片81,82において運転席用フロア41に固定されている。そのため、これらの取付片81,82における固定によりエアバッグ40の運転席用フロア41からの上記浮き上がりが抑制される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)エアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間にガス流動阻止部61を設け、後部44及び踵載せ部51間のガス流動阻止部61を除く箇所を中間部56L,56Rとしている。こうした構成により、中間部56L,56Rの車幅方向についての合計の幅W3を、踵載せ部51の車幅方向についての幅W2よりも小さく設定している。このため、運転者Dの足首Paの背屈及び捩れを抑制しつつ、インフレータ30からのガスGの無駄な消費を少なくすることができる。インフレータ30として容量の小さいものを使用することが可能となる。
(2)ガス流動阻止部61を、車両前後方向についてはエアバッグ40の後部44及び踵載せ部51間であって、車幅方向については踵載せ部51の中央部分に対応する箇所に設け、中間部56L,56Rをガス流動阻止部61の車幅方向両側にそれぞれ形成している。そのため、これらの中間部56L,56Rにより、インフレータ30からエアバッグ40の後部44に供給されたガスGを、踵載せ部51の車幅方向について互いに離間した箇所、すなわち、踵載せ部51において運転者Dの踵Phの載置に実際に関わる箇所51L,51Rに優先的に導くことができ、効率よく踵Phを押し上げることができる。
(3)両重合部42A,42Bを、それらの周縁部よりも内側に設けられた無端状の内結合部62によって気密状態で結合し、その内結合部62をガス流動阻止部61としている。そのため、ガスGがエアバッグ40の後部44から踵載せ部51へ向けて流れる際に、そのガスGが内結合部62(ガス流動阻止部61)を透過して漏出するのを阻止することができる。
また、両重合部42A,42Bの周縁結合部43よりも内側において、一対の重合部42A,42Bを無端状に縫合するといった簡単な作業を行うだけで、エアバッグ40にガス流動阻止部61を設けることができる。
(4)両重合部42A,42Bにおいて内結合部62(ガス流動阻止部61)により囲まれた箇所に開口63を設けている。そのため、基布のより少ない使用でありながらエアバッグ40を成立させることができるほか、エアバッグ40の軽量化を図ることができる。
(5)インフレータ30から噴出されたガスGを両中間部56L,56Rに分配するインナーチューブ71をガス分配部として、エアバッグ40の後部44において、ガス流動阻止部61に隣接して設けている。そのため、ガスGがガス流動阻止部61の後部近傍で滞留する現象を抑制することができる。
(6)エアバッグ40の踵載せ部51であって、踵Phが載せられる箇所51L,51Rの前側近傍に、ガスGにより膨張しない非膨張部52L,52Rを設けている。そのため、踵載せ部51の上記特定の箇所に非膨張部52L,52Rを設けるという簡単な構成でありながら、踵Phのみを確実に押し上げることが可能となる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、エアバッグ40における中間部の車幅方向についての幅W3を、踵載せ部51の車幅方向についての幅W2よりも小さく設定したエアバッグ装置に広く適用可能である。このような設定(W3<W2)は、上記実施形態に限らず種々の態様で実現可能である。
図8はその一態様を示している。この態様では、インナーチューブ71として、上記実施形態とは異なる形状を有するものが用いられている。インナーチューブ71は、供給部74及び分配部75が、車両前後方向に延びる筒状の連結部91によって連結されている。分配部75の車幅方向両側部において、踵載せ部51の箇所51L,51Rの後方近傍となる箇所には、車両前方へ延び、かつ前端に導出口76を有する突部92,92が設けられている。
エアバッグ40内において、インナーチューブ71を除く箇所には、同箇所を前後に仕切る仕切り部93,93が設けられている。仕切り部93,93は、例えば両重合部42A,42Bを縫糸で縫合することにより形成される。仕切り部93,93よりも前側は、上記踵載せ部51とされ、後ろ側はガスGの流入が阻止され、かつガスGにより膨張しない非膨張部94,94とされている。このように、(i)非膨張部94,94が膨張に関与しないこと、(ii)実際に膨張するのはインナーチューブ71であることから、インナーチューブ71のうち連結部91及び分配部75が請求項における中間部に相当する。
そして、インナーチューブ71の車幅方向についての幅W3は、連結部91において最も小さく、分配部75において最も大きい。ただし、この分配部75においても、幅W3は踵載せ部51の幅W2よりも小さい。従って、インナーチューブ71、すなわち中間部のどの箇所においても幅W3が踵載せ部51の幅W2よりも小さいこととなる。
この態様では、インフレータ30からのガスGは連結部91によって前方へ導かれた後、分配部75において車幅方向両側方へ分配される。分配されたガスGは各突部92を通り、導出口76から踵載せ部51の箇所51L,51Rへ向けて優先的に供給される。従って、この態様では、幅についての上記関係(W3<W2)を成立させるための手段が上記実施形態とは異なるものの、上記(1)〜(6)と同様の効果が得られる。
・上記実施形態におけるガス流動阻止部61を、踵載せ部51の車幅方向についての中央部分に対応しない箇所に設けてもよい。例えば、ガス流動阻止部61を上記中央部分から車内側又は車外側へ大きく偏倚した箇所に設けてもよい。極端な場合には、重合部42A,42Bについて、後部44及び踵載せ部51間を車幅方向に2つに仕切り、その一方のガス流動阻止部61とし、他方を中間部としてもよい。
・非膨張部52L,52Rに代えて、両重合部42A,42Bにおける箇所51L,51Rの前側近傍に切欠きを設けてもよい。この場合には、周縁結合部43を切欠きに沿って設ける。
・エアバッグ40の重合部42A,42Bとして、幅W2が運転席用フロア41の幅W1よりも小さなものを用いてもよい。
・インフレータ30は、その全体がエアバッグ40の後部44内に配置されてもよい。
・本発明は、運転席14に代えて、助手席の前方にエアバッグを配置するエアバッグ装置にも適用可能である。
・両重合部42A,42Bにおいて内結合部62(ガス流動阻止部61)により囲まれた箇所の開口63を省略してもよい。この場合、同箇所にも重合部42A,42Bが存在することとなる。
本発明を具体化した一実施形態におけるエアバッグ装置について、その一部を破断して示す概略側面図。 エアバッグ装置について、エアバッグの一部を破断して示す平面図。 エアバッグにおける踵載せ部、中間部、及び後部の位置関係を示す平面図。 エアバッグにおける踵載せ部と、各種操作ペダル及びフットレストとの位置関係を示す部分平面図。 エアバッグにおける後部及びインフレータについて、そのエアバッグ後部の一部を破断して示す部分平面図。 (A)は図1における6−6線に沿った断面構造を拡大して示す断面図、(B)は(A)の状態から踵載せ部の膨張により踵が押し上げられた状態を示す断面図。 (A)は車両走行時におけるアクセルペダル、トーボード及びエアバッグの各状態を示す部分側断面図、(B)は車両の前面衝突時におけるアクセルペダル、トーボード及びエアバッグの各状態を示す部分側断面図。 エアバッグの別の実施形態を説明するための図であり、そのエアバッグの一部を破断して示す平面図。
符号の説明
14…運転席(前部座席)、30…インフレータ、40…エアバッグ、41…運転席用フロア(車両フロアの一部を構成)、42A,42B…重合部、44…後部、51…踵載せ部、51L,51R…箇所、52L,52R…非膨張部、56L,56R…中間部、61…ガス流動阻止部、62…内結合部、63…開口、71…インナーチューブ(ガス分配部)、D…運転者(乗員)、G…ガス、Ph…踵、W2,W3…幅。

Claims (7)

  1. 車両フロア上であって前部座席の前端下方に配置されるインフレータと、
    前記車両フロア上であって前記前部座席の前方に配置され、かつ同前部座席に着座した乗員の両方の踵が載せられる踵載せ部を前部に有するエアバッグと
    を備え、前記インフレータから噴出されたガスを前記エアバッグ内の後部から、その前側の中間部を通じて前記踵載せ部へ導くことにより、前記中間部及び前記踵載せ部をそれぞれ膨張させて、前記踵載せ部上の乗員の踵を押し上げるようにしたエアバッグ装置において、
    前記中間部の車幅方向についての幅を、前記踵載せ部の車幅方向についての幅よりも小さく設定したことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグの前記後部及び前記踵載せ部間には、前記ガスの流動を阻止するガス流動阻止部が設けられており、
    前記後部及び前記踵載せ部間の前記ガス流動阻止部を除く箇所により前記中間部が構成されている請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記踵載せ部は、その車幅方向について互いに離間した箇所において乗員の両方の踵が載せられるものであり、
    前記ガス流動阻止部は、車両前後方向については前記エアバッグの後部及び前記踵載せ部間であって、車幅方向については前記踵載せ部の中央部分に対応する箇所に設けられ、前記中間部は前記ガス流動阻止部の車幅方向両側にそれぞれ形成されている請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグは、基布を二つ折りすることにより得られる一対の重合部、又はそれぞれ基布からなる一対の重合部を備えており、
    前記ガス流動阻止部は、前記両重合部を、それらの周縁部よりも内側にて無端状に結合する内結合部により構成されている請求項3に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記両重合部において前記内結合部により囲まれた箇所には開口が設けられている請求項4に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記ガス流動阻止部は、前記エアバッグの前記後部の前側近傍に設けられており、
    前記後部には、前記インフレータから噴出されたガスを前記両中間部に分配するガス分配部が、前記ガス流動阻止部に隣接して設けられている請求項3〜5のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
  7. 前記エアバッグの前記踵載せ部であって、前記踵が載せられる箇所の前側近傍には、ガスにより膨張しない非膨張部が設けられている請求項1〜6のいずれか1つに記載のエアバッグ装置。
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