JP2008249618A - 外分泌障害診断薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】
サンプル採取に被験者の苦痛を伴わない、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊に基づく症状の診断薬、診断方法又は診断キットを提供することを課題とする。
【解決手段】
被験者の涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液等の体液中のミッドカインファミリータンパク質を検出することを特徴とする、ミッドカイン又はプレイオトロフィン等のミッドカインファミリータンパク質に対する抗体又はその断片を備える、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナの診断薬、特に、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナが腺組織破壊又はシェーグレン症候群であるか否かを診断する診断薬、当該診断薬を含有するキット、並びに、当該診断薬若しくはキットを用いた外分泌障害の診断方法等。
【選択図】なし

Description

本発明は、体液中のミッドカインを検出することを含む外分泌障害の診断方法、並びに、当該方法に使用する診断薬及び診断キットに関する。
外分泌とは、分泌液が腺組織から導管を介して体表や消化管内に分泌されることをいい、例えば、涙液、唾液、汗、膣分泌液、胃液等は外分泌により分泌される。外分泌障害は、嚢胞性線維症、外分泌腺腫瘍(唾液腺癌、胃腺癌、膵管腺癌、嚢胞腺癌)、急性膵炎、シェーグレン症候群、良性リンパ上皮病変、放射線照射、利尿薬・抗コリン作動薬等の薬物投与、唾液腺疾患、脱水症、口呼吸、イートン−ランバート症候群、糖尿病、瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンズジョンソン症候群、トラコーマ、ビタミンA欠乏、タンパク質若しくはカロリー不足による栄養失調、甲状腺機能低下症、慢性低カルシウム血症、ウイルス性胃腸炎等により生じ、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキン、ドライバジャイナ等の乾燥症状や、水性涙液欠乏性角結膜炎、角膜軟化症、眼瞼炎、口腔感染症、口臭、味覚の低下、歯肉炎、慢性閉塞性肺疾患、膵臓外分泌機能不全等の、唾液、膵液、涙液、消化酵素等の分泌不全による様々な症状や病態を引き起こすことが知られている。
外分泌障害の症状を有する患者の治療方法は、その原因や疾病に応じて選択されるべきところ、現在、このような外分泌障害特有の症状を示す患者について、その原因や疾病を診断することは必ずしも容易ではなく、問診、血液検査、その他の全身症状等の診断結果から、医師の経験に基づいて総合的に判断せざるを得ない場合が少なくない。
特に、外分泌障害を引き起こす原因の一つである腺組織の破壊の治療においては、人工唾液、人工涙液、スキンクリーム等による局所的な加湿が行われている。しかし、例えば、分泌腺が攻撃を受けることにより腺組織が破壊されて外分泌障害を引き起こす、自己免疫疾患の一種と考えられているシェーグレン症候群の場合、誤嚥性肺炎、嫌気性肺炎等の気道及び肺における粘膜腺の機能異常や、肝疾患、腎障害、リンパ腫、線維筋痛症等の全身症状を合併する場合もあり、非ステロイド系抗炎症薬、副腎皮質ステロイド薬、免疫調整薬等による免疫症状に対する治療が必要になることもある。
腺組織の破壊は、涙液や唾液等を作る分泌腺が障害を受けることにより、外分泌障害に見られる目や口等の乾燥症状を呈するが、その症状のみから腺組織破壊を診断することは困難である。特に、シェーグレン症候群の患者は、外分泌障害の症状である目、口、皮膚及び膣の乾燥症状を呈し、症状が悪化すると霧視や異物感、味覚の変化や嚥下困難等の自覚症状が現れるが、これらの症状のみをもってシェーグレン症候群と判断することはできず、更に複数種類の検査を要する。
現在、シェーグレン症候群の診断方法が各国で提案されているが、正確な診断基準は確立されておらず、世界的に通用する診断基準の確立が求められている。例えば、日本では、唾液腺へのリンパ球浸潤、唾液分泌量の低下、涙分泌量の低下、自己抗体(SS−A抗体、SS−B抗体)陽性の4項目のうち2項目以上陽性の場合にシェーグレン症候群と診断しており、アメリカ−ヨーロッパの合同検討グループにおいては、関連疾患の合併がない患者で、眼症状、口腔症状、眼の他覚所見、病理組織所見、唾液腺障害、自己抗体のうち、病理組織所見又は血清抗体が陽性で、6項目中4項目が満たされるか、他覚的所見の4項目中3項目が満たされれば一次性シェーグレン症候群であるとしている。しかし、これらの検査における感度及び特異度は診断方法として十分満足できるものではなく、また、複数種類の検査を行わなければならないため時間的金銭的な負担を伴うこと、自己組織や血液検体を必要とするため診断のサンプル採取に被験者の苦痛を伴うこと、及び、これらの検査が限られた施設でのみ診断可能であること等の問題を有していた。
ミッドカイン(midkine:以下、「MK」という)は、胚性癌細胞のレチノイン酸による分化誘導の過程で一過性に発現する遺伝子の産物として発見された増殖・分化因子で、塩基性アミノ酸とシステインに富む分子量13kDaのポリペプチドである(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。MKのアミノ酸配列は、プレイオトロフィン(以下、「PTN」という)と50%の相同性を示し、これらはヘパリン結合性のファミリータンパク質であると考えられている。
MKは炎症像形成の過程で中核を占める分子の一つであることが知られている。例えば、血管に傷害を与えた時の新生内膜の形成と虚血傷害時の腎炎の発症が、MK遺伝子を欠失させたノックアウトマウスでは軽減されていることが知られている。また、リウマチ、手術後の癒着もノックアウトマウスで大きく軽減されることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。また、MKはマクロファージや好中球といった炎症性細胞の移動(遊走)を促進することが知られている。この移動は炎症像の成立に必要なので、MKが欠失すると炎症に基盤がある病気が起こりにくいと考えられる。(例えば、特許文献4参照)。
MKを利用した診断薬として、リウマチ性関節炎の患者において、滑膜液及び血清中のMK量が増大すること、及び、リウマチ性関節炎の患者の滑膜組織中のマクロファージ様細胞及び繊維芽細胞様細胞がMKを発現していることから、血液又は滑膜組織中のMKを測定することによる関節炎の診断方法が開示されている(特許文献3参照)。
他に、MKを利用した診断方法として、癌の診断方法等について開示されているものの、MKと外分泌障害の関係についてはこれまでに報告されていなかった。
国際公開第2000/10608号パンフレット 国際公開第2004/078210号パンフレット 国際公開第2004/085642号パンフレット 国際公開第1999/03493号パンフレット Kadomatsu,K. et al.: (1988) Biochem. Biophys. Res. Commun., 151:p.1312-1318 Tomokura, M. et al.: (1999) J.Biol. Chem, 265: p.10765-10770
本発明は、検査が容易で限られた施設でなくても診断可能である、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊に基づく症状の診断薬、診断方法又は診断キットを提供することを課題とする。本発明は、また、サンプル採取に被験者の苦痛を伴わない、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊に基づく症状の診断薬、診断方法又は診断キットを提供することを課題とする。本発明は、更に、より正確で、時間的金銭的な負担が少ない、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊に基づく症状の診断薬、診断方法又は診断キットを提供することを課題とする。特に、本発明は、シェーグレン症候群の診断薬、診断方法又は診断キットを提供することを課題とする。
本発明者らは、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊症状を呈する患者の体液中のMKファミリータンパク質を検出することにより、被験者がシェーグレン症候群であるか否かを診断できることを見出した。特に、本発明者らは、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊症状を呈する患者の分泌液(特に、涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液)中のMKファミリータンパク質を検出することにより、被験者がシェーグレン症候群であるか否かを診断できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、MKファミリータンパク質を検出する試薬を備える、外分泌障害、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライバジャイナ、腺組織破壊に基づく症状の診断薬、診断キット及び診断方法に関する。特に、本発明は、MKファミリータンパク質を検出する試薬を備える、シェーグレン症候群の診断薬、診断キット及び診断方法に関する。
より詳細には、本発明は、以下の診断薬、診断方法又は診断キットに関する。
(1) MKファミリータンパク質を検出する試薬を備える、外分泌障害の診断薬。
(2) 外分泌障害が、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナである、(1)に記載の診断薬。
(3) 外分泌障害が腺組織破壊に基づくものであるか否かを診断するための、(1)又は(2)に記載の診断薬。
(4) 外分泌障害がシェーグレン症候群に基づくものであるか否かを診断するための、(1)又は(2)に記載の診断薬。
(5) MKファミリータンパク質を検出する試薬を備える、腺組織破壊の診断薬。
(6) 腺組織破壊がシェーグレン症候群に基づくものであるか否かを診断するための、(5)に記載の診断薬。
(7) MKファミリータンパク質を検出する試薬を備える、シェーグレン症候群の診断薬。
(8) 被験者の体液中のMKファミリータンパク質を検出するための、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の診断薬。
(9) 体液が、分泌液である、(8)に記載の診断薬。
(10) 体液が、涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液である、(8)に記載の診断薬。
(11) 体液が、唾液である、(8)に記載の診断薬。
(12) MKファミリータンパク質を検出する試薬が、MKファミリータンパク質に対する抗体又はその断片である、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の診断薬。
(13) MKファミリータンパク質がMK又はPTNである(1)〜(12)のいずれか1項に記載の診断薬。
(14) (1)〜(13)のいずれか1項に記載の診断薬を備える、外分泌障害を診断するためのキット。
(15) サンプルを調整する工程及びMKファミリータンパク質を検出する工程を備える、外分泌障害の診断方法。
(16) 外分泌障害が、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナである、(15)に記載の診断方法。
(17) 外分泌障害が腺組織破壊に基づくものであるか否かを診断する工程を備える、(15)又は(16)に記載の診断方法。
(18) 外分泌障害がシェーグレン症候群に基づくものであるか否かを診断する工程を備える、(15)又は(16)に記載の診断方法。
(19) MKファミリータンパク質を検出する工程を備える、腺組織破壊の診断薬。
(20) 腺組織破壊がシェーグレン症候群に基づくものであるか否かを診断する工程を備える、(19)に記載に診断方法。
(21) MKファミリータンパク質を検出する工程を備える、シェーグレン症候群の診断方法。
(22)サンプルを調整する工程が、被験者から得られた体液からサンプルを調整することを含む、(15)〜(21)のいずれか1項に記載の診断方法。
(23) 体液が、分泌液である、(22)に記載の診断方法。
(24) 体液が、涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液である、(22)に記載の診断方法。
(25) 体液が、唾液である、(22)に記載の診断方法。
(26) MKファミリータンパク質を検出する工程が、MKファミリータンパク質に対する抗体又はその断片と、MKファミリータンパク質との結合を検出する工程を含む、(15)〜(25)のいずれか1項に記載の診断方法。
(27) MKファミリータンパク質がMK又はPTNである(15)〜(26)のいずれか1項に記載の方法。
本発明において、「ミッドカインファミリータンパク質」とは、MK、又は、MKの機能を発現している部位の配列が近似しておりかつMKの機能と同一若しくは類似した機能を有するタンパク質のことである。配列全体のホモロジーが低いタンパク質であっても、MKの機能と同一若しくは類似した機能を有するタンパク質は、MKファミリータンパク質に含まれる。このような、MKファミリータンパク質としては、例えば、MK、MK様タンパク質(国際公開2004/052928号公報参照)、短縮型MK(米国特許公開2004/0219614参照)、及び、PTNを挙げることができる。上記において、MKの機能とは、MKが有する機能であれば特に限定は無く、例えば、細胞増殖機能、アポトーシス抑制機能、ヘパリン結合能、細胞遊走能、又は、分化誘導能を挙げることができる。なお、本発明のMKファミリータンパク質は、これらの機能の全ての機能を有する必要はなく、これらの機能うち少なくとも1つの機能を示す物質も本発明のMKファミリータンパク質に包含する。
本発明において、「ミッドカインファミリータンパク質を検出する」とは、MKファミリータンパク質の存在を確認することであり、例えば、MKファミリータンパク質との結合の検出、及び、MKファミリータンパク質の物理的、化学的又は生物学的特性を利用した検出等を挙げることができ、好ましくはMKファミリータンパク質との結合の検出である。
本発明において、MKファミリータンパク質の検出は、定量的/定性的いずれの測定方法も包含するものである。定量的な測定の場合には、例えば、カットオフ(Cut−Off)値を超えるMKファミリータンパク質の濃度又は量を陽性とすることができる。カットオフ値は、測定値の分布に応じた感度及び特異度から受信者操作特性曲線(receiver operating characteristic curve:ROC曲線)等を利用して適宜決定することができる。
また、本発明において、MKファミリータンパク質の検出を、MKファミリータンパク質と結合する物質との結合により検出する場合、使用する検出方法は、物質との結合を測定することにより当該物質を検出できる方法であれば特に限定はなく、例えば、酵素免疫測定法(EIA法)、簡易EIA法、酵素結合イムノソルベントアッセイ法(ELISA法)、ラジオイムノアッセイ法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)等の標識化免疫測定法;ウェスタンブロッティング法等のイムノブロッティング法;金コロイド凝集法等のイムノクロマト法;イオン交換クロマトグラフィ法、アフィニティークロマトグラフィ法等のクロマトグラフィ法;比濁法(TIA法);比ろう法(NIA法);比色法;ラテックス凝集法(LIA法);粒子計数法(CIA法);化学発光測定法(CLIA法、CLEIA法);沈降反応法;表面プラズモン共鳴法(SPR法);レゾナントミラーディテクター法(RMD法);比較干渉法等を挙げることができる。
本発明において、「ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬」とは、MKファミリータンパク質を検出することができる試薬であれば特に限定はない。MKファミリータンパク質を検出する試薬としては、例えば、MKファミリータンパク質と結合する物質、MKファミリータンパク質の物理的、化学的又は生物学的特性を測定するための試薬等を挙げることができ、好ましくはMKファミリータンパク質と結合する物質であり、より好ましくはMKファミリータンパク質と特異的に結合する物質であり、更に好ましくは、MK又はPTNと特異的に結合する物質であり、最も好ましくはMKと特異的に結合する物質である。
MKファミリータンパク質と結合する物質としては、例えば、アプタマー等の核酸;抗体、抗体の断片、レセプター、ヘパリン等のタンパク質若しくはペプチド;及び、低分子化合物を挙げることができ、好ましくは、MKファミリータンパク質と結合する抗体又はその断片であり、より好ましくはMKファミリータンパク質と特異的に結合する抗体又はその断片であり、更に好ましくは、MK又はPTNと特異的に結合する抗体であり、最も好ましくは、MKと特異的に結合する抗体である。
また、ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬として、MKファミリータンパク質と結合する抗体又はその断片を使用する場合、抗体のイムノグロブリンクラスは特に限定されるものではなく、IgG、IgM、IgA,IgE、IgD、IgYのいずれのイムノグロブリンクラスであってもよい。また、MKファミリータンパク質と結合する抗体はいずれのアイソタイプの抗体をも包含するものである。
本発明において、抗体の断片とは、抗体の一部分(部分断片)又は抗体の一部分を含むペプチドであって、抗体の抗原への作用を保持する物質のことである。このような抗体の断片としては、例えば、F(ab’)、Fab’、Fab、一本鎖Fv(以下、「scFv」という)、ジスルフィド結合Fv(以下、「dsFv」という)若しくはこれらの重合体、二量体化V領域(以下、「Diabody」という)、又は、CDRを含むペプチドを挙げることができる。
MKファミリータンパク質と結合する物質は、32P、H、125I、14C等の放射能標識;βガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、モノアミンオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ等の酵素;FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘム等の補酵素又は補欠分子族;フルオレセイン誘導体(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインチオフルバミル等)、ローダミン誘導体(テトラメチルローダミン、トリメチルローダミン(RITC)、テキサスレッド、ローダミン110等)、Cy色素(Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Cy−クロム、スペクトラムグリーン、スペクトラムオレンジ、プロピジウムイオダイド、アロフィコシアニン(APC)、R−フィコエリスリン(R−PE)等の蛍光標識;ルシフェラーゼ等の生物発光標識;あるいは、ルミノール、イソルミノール、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノースエステル等のルミノール誘導体、N−メチルアクリジニウムエステル、N−メチルアクリジニウムアシルスルホンアミドエステル等のアクリジニウム誘導体、ルシゲニン、アダマンチルジオキセタン、インドキシル誘導体、ルテニウム錯体等の化学発光標識;金コロイド等の金属等の検出可能な標識が結合していてもよい。
本発明において、「外分泌障害」とは、一次的又は二次的に外分泌機能に何らかの障害を生じる症状のことである。外分泌障害の症状としては、例えば、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキン、ドライバジャイナ等の乾燥症状;水性涙液欠乏性角結膜炎、角膜軟化症、眼瞼炎、口腔感染症、口臭、味覚の低下、歯肉炎、慢性閉塞性肺疾患、膵臓外分泌機能不全等の唾液、膵液、涙液、消化酵素等の分泌不全による症状や病態を挙げることができ、好ましくは、ドライアイ、ドライマウス、ドライスキン又はドライバジャイナであり、より好ましくは、ドライアイ又はドライマウスである。
本発明において、「腺組織破壊」とは、涙液や唾液等を分泌する分泌腺が障害を受けることにより、外分泌障害に見られる目や口等の乾燥症状を呈する疾患のことである。
本発明において、「シェーグレン症候群」とは、涙液や唾液の減少等の乾燥症状を特徴とする慢性の自己免疫性疾患のことである。シェーグレン症候群の特徴としては、例えば、口腔乾燥、クラッカーサイン、口腔粘膜の焼ける感じ、耳下腺の硬化又は腫脹、う歯、口腔粘膜の発赤、乾燥した粘着性の口腔粘膜表面、刺激時及び無刺激時の唾液流量の減少、小唾液腺生検での唾液腺の炎症、慢性真菌感染症の多発等の口腔症状又は徴候;異物感、泣くことが出来ない、光を見ることが耐えられない、麻酔なしでのシャーマ試験の低値、涙液層破壊時間の低下、角膜表面の捩れた粘液糸、涙液の減少、ローズベンガル試験による乾燥スポットの観察等の目の症状又は徴候;並びに、慢性関節リウマチ又は他の結合組織疾患、疲労、発熱、肺へのリンパ球浸潤、腎・筋肉・神経及び肝障害、血中の異常グロブリン、過剰なγ−グロブリン、リウマトイド因子(RF)、抗核抗体(ANA)、Ro/SS−A自己抗体、La/SS−B自己抗体等の症状を挙げることができ、本発明のシェーグレン症候群の患者は、これらの全身性又は腺外性の症状又は徴候のうち、1又はそれ以上の症状又は徴候を呈する。
現在の基準においては、明確な乾燥性角結膜炎、口腔乾燥症の原因として免疫細胞又はリンパ球の存在を確証する***生検陽性、腺外の結合組織疾患(関節、皮膚若しくは筋肉)又は慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデス等の合併のうち、2つ以上の徴候があればシェーグレン症候群と診断しており、より具体的には、以下の(1)から(4)のうち、2項目以上を満たせばシェーグレン症候群と診断している:(1)生検病理組織所見で(a)口腔腺組織で4mmあたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上、(b)涙腺組織で4mmあたり1focus(導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤)以上のいずれかの陽性所見を認めること、(2)口腔検査で、(a)唾液腺造影でStage1(直径1mm未満の小点状陰影)以上の異常所見、(b)唾液腺分泌量(ガム試験10mL以下/10分、サクソン試験2g以下/2分)かつ唾液腺シンチグラフィーで機能低下の所見のいずれかの陽性所見が認められること、(3)眼科所見で、(a)シャーマ試験で5mm以下/5分、ローズベンガル試験スコア3以上、(b)シャーマ試験で5mm以下/5分、蛍光色素試験陽性のいずれかの陽性所見が認められること、(4)血清試験で、(a)抗SS−A抗体陽性、(b)抗SS−B抗体陽性のいずれかの陽性所見が認められること。なお、新しい診断方法の開発においては、従来の診断方法では検出できない患者を検出する場合もあること等から、本発明におけるシェーグレン症候群は、上述の診断方法により陽性と判断される疾患に限定されない。
本発明において、「外分泌障害の診断」又は「ドライアイ、ドライマウス、ドライスキン又はドライバジャイナの診断」とは、外分泌障害又はドライアイ、ドライマウス、ドライスキン若しくはドライバジャイナの症状を呈する被験者が、腺組織破壊又はシェーグレン症候群であるか否かを診断することであり、好ましくは、外分泌障害又はドライアイ、ドライマウス、ドライスキン若しくはドライバジャイナの症状を呈する被験者が、シェーグレン症候群であるかを診断することである。
本発明において、「腺組織破壊の診断」又は「シェーグレン症候群の診断」とは、被験者が腺組織破壊を生じているか否か、又は、被験者がシェーグレン症候群であるか否かを診断することである。
本発明において、「体液」とは、ヒト又は動物が体内に有する液体であって、組織間、体腔内、管、循環系を満たしている液体、及び、ヒト又は動物が体外に排出する液体のことを言う。体液としては、例えば、血液;リンパ液;組織液;関節液及び眼房水等の体腔液;唾液、胃液、膵液、胆汁、腸液、汗、涙、鼻水、尿、膣分泌物、乳汁等の分泌液を挙げることができる。本発明の体液として、好ましくは、分泌液であり、より好ましくは、外分泌液であり、更に好ましくは、涙液、唾液、汗及び膣分泌液であり、最も好ましくは、唾液である。
本発明のキットは、MKファミリータンパク質を検出する試薬を含むものであれば特に限定はない。例えば、MKファミリータンパク質を検出するためのキットに含まれる試薬は、固体状、ゲル状又は液状であってもよい。また、MKファミリータンパク質を検出する試薬は、樹脂、膜、フィルム、容器等に含まれ若しくは固定され、又は、溶媒に溶解されていてもよい。
本発明のキットは、必要に応じて、発色試薬、反応停止用試薬、標準抗原試薬、サンプル前処理用試薬、ブロッキング試薬等を含んでいてもよい。また、本発明のキットは、例えば、ニトロセルロース、セファロース、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタン、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテート、ポリビニリデンジフルオリド、シリコンラバー、ラテックス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素加工樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリマーアロイ、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス、ゼラチン、ポリアミノ酸及び/又は磁気感応性素材等を含有する、プレート、チューブ、チップ(例えば、プロテインチップ、ラボチップ等)、ビーズ、膜、吸収体及び/又は粒子等を備えていてもよい。
本発明のキットとしては、例えば、抗MKマウスモノクローナル抗体固相化プレート、ビオチン標識抗MKウサギポリクローナル抗体溶液、ストレプトアビジンPOD溶液、洗浄液、TMB試薬、2M HCl、標準MKを備えるキットを挙げることができる。
本発明のキットとしては、例えば、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体結合金コロイド、ウサギ免疫グロブリン結合金コロイド、及び、テストプレートを備えるキットを挙げることができる。当該キットにおいて、テストプレートは、検体を挿入する検体採取部、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体結合金コロイドを含む感作金コロイド塗布部、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体を含む判定部(テストライン)、抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体を含む判定部(リファレンスライン)、吸収剤、及び、メンブレンフィルターを備えていてもよい。
本発明の診断薬、診断方法又は診断キットは、検査が容易で限られた施設でなくても実施することができる。また、別の態様において、本発明の診断薬、診断方法又は診断キットは、サンプル採取に被験者の苦痛を伴うことない。更に、別の態様において、本発明の診断薬、診断方法又は診断キットは、時間的金銭的な負担が少ない。特に、本発明の診断薬、診断方法又は診断キットは、これまで診断の難しかったシェーグレン症候群を診断することに適している。
1.MKファミリータンパク質との結合を検出するための試薬
本発明の診断薬又はキットにおいて使用するMKファミリータンパク質を検出する試薬は、タンパク質に結合する物質を取得する方法として当業者周知の方法で得ることができる。
(1)抗体
MKファミリータンパク質と結合する物質として抗体を使用する場合、例えば、MKを必要に応じて免疫賦活剤(例えば、鉱油若しくはアルミニウム沈殿物と加熱死菌若しくはリポ多糖体、フロインドの完全アジュバント、又は、フロインドの不完全アジュバント等)とともに、非ヒト哺乳動物又は鳥類に免疫することにより作製することができる。MKと結合する抗体は、好ましくは、MKをMKノックアウトマウスに免疫することにより作製することができる(特開2002−85058号公報、Nakamura, E. et al. :Genes Cells 3, p.811-822.参照)。
免疫原として使用するMKファミリータンパク質は、MKファミリータンパク質をコードするcDNAを含む発現ベクターを大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞等に導入し、発現させることにより得ることができる。ここで、MKファミリータンパク質は、哺乳動物のMKファミリータンパク質であれば特に限定は無いが、好ましくは、ヒトMK又はヒトPTNである。例えば、マウス、ウサギ、ヒトのMKは既にクローニングされており、ヒトMKはその配列が報告されている(特開平5−91880号公報、Tsutui, J. et al. :Biochem. Biophys. Res. Commun. 176, p.792-797.参照)。従って、MKをコードするDNAを発現ベクターに組み込み、当該ベクターをピキア酵母に導入して発現させ、その培養上清から採取することにより、組み換えMKとして調製することができる(特開平9−95454号公報参照)。
MKファミリータンパク質は、Fmoc法又はBoc法等を用いて化学合成によっても作製することができる。例えば、MKファミリータンパク質有するペプチドのC末端のアミノ酸をポリスチレン担体に固定化し、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)又はtert-ブトキシカルボニル基(Boc基)で保護されたアミノ酸を、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等の縮合剤を用いて反応させることにより結合させ、洗浄、脱保護の工程を繰り返すことにより、所望のアミノ酸配列を有するペプチドを得ることができる。
また、MKファミリータンパク質は、自動ペプチド合成機を用いて合成することもできる。このようなペプチド合成機としては、例えば、PSSM−8(島津製作所);モデル433Aペプチドシンセサイザ(アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems, Inc.));ACT396Apex(アドバンストケムテック社(Advanced ChemTech Inc.))等が挙げられる。また、MKは、報告された方法に従って合成することもできる(Inui, T. et al. :J. Peptide Sci., 2: p.28-39, 1996)。
免疫動物としては、マウス、ラット、ハムスター、ラビット、ニワトリ、アヒル等ハイブリドーマを作製することが可能な動物であれば特に限定はないが、好ましくは、マウス又はラットであり、より好ましくは、マウスである。免疫原としてMKを用いる場合、最も好ましくは、MKノックアウトマウスである。
動物への免疫原の投与は、例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射又は足蹠注射により行うことができるが、好ましくは、皮下注射又は腹腔内注射である。使用する免疫原の量は、抗体を産生できる量であれば特に限定は無いが、好ましくは、0.1〜1000μgであり、より好ましくは、1〜500μgであり、より更に好ましくは、10〜100μgである。免疫は、1回又は適当な間隔をあけて数回行うことができる。好ましくは、1〜5週間に1回の免疫を合計2〜5回行い、より好ましくは、3週間に1回の免疫を合計3回行う。最後の免疫から1〜2週間後に、免疫した動物の眼窩又は尾静脈から採血を行い、その血清を用いて抗体価の測定を行う。抗体価の測定は、当業者周知の方法で行うことができる。例えば、放射性同位元素免疫定量法(RIA法)、固相酵素免疫定量法(ELISA法)、蛍光抗体法、受身血球凝集反応法を挙げることができ、好ましくは、ELISA法である。本発明の抗体は、十分な抗体価を示す動物の血清から精製することにより得ることができる。
抗体としてモノクローナル抗体を使用する場合、上記方法により免疫した免疫感作動物から得た抗体産生細胞と、骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)を融合することにより得られるハイブリドーマを培養することにより得ることができる。当該融合方法としては、例えば、ミルステインらの方法(Galfre, G. & Milstein,C.,Methods Enzymol.73:3-46,1981)を挙げることができる。
使用する抗体産生細胞は、上記方法により免疫し血清が十分な抗体価を示したマウス又はラットの脾臓、膵臓、リンパ節、末梢血より採取することができ、好ましくは、脾臓より採取する。
使用する骨髄腫系細胞は、例えば、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ラビット又はヒト等の哺乳動物に由来する細胞であって、in vitro で増殖可能な細胞であれば特に限定はない。このような細胞としては、例えば、P3−X63Ag8(X63)(Nature, 256, 495, 1975)、P3/NS1/1−Ag4−1(NS1)(Eur. J. Immunol., 6, 292, 1976)、P3X63Ag8U1(P3U1)(Curr. Top. Microbiol. Immunol., 81, 1, 1978)、P3X63Ag8.653(653)(J. Immunol., 123, 1548, 1979)、Sp2/0−Ag14(Sp2/O)(Nature, 276, 269, 1978)、Sp2/O/FO−2(FO−2)(J. Immunol. Methods, 35, 1, 1980)等を挙げることができ、好ましくは、P3U1である。
上述の方法に従って得られた抗体産生細胞及び骨髄腫細胞は、培地、PBS(Phosphate Buffered Saline)等で洗浄後、ポリエチレングリコール(以下、「PEG」という)等の細胞凝集性媒体を加え、細胞を融合させる(Elsevier Publishing, 1988)。融合させる際の抗体産生細胞及び骨髄腫細胞の比率は、例えば、2:1〜1:2である。細胞融合を行った後、HAT(ヒポキサンチン(Hypoxanthine)−アミノプテリン(aminopterin)−(チミジン)thymidine)培地等の培地で培養することにより、ハイブリドーマを選択的に増殖させる。培養後、培養上清を採取し、ELISA等により、抗原タンパク質に結合し、非抗原タンパク質に結合しないサンプルを選択する。当該サンプルを限界希釈法により単一細胞化を行い、安定して高い抗体価を示す細胞を選択する。
モノクローナル抗体は、上述の方法により得られたハイブリドーマをin vitroで培養し、培養液を精製することによって得ることができる。また、モノクローナル抗体は、予めプリスタンを腹腔内に投与した同系動物又は免疫不全動物にハイブリドーマを移植した後、腹水化させ、採取した腹水を精製することによっても得ることができる。
モノクローナル抗体の精製は、遠心分離後、プロテインAカラム、プロテインGカラム等を用いてIgG画分を回収することにより得ることができる。抗体のクラスが、IgY及びIgMの場合には、メルカプトピリジンをリガンドとしたカラムで精製することができる。また、抗体のクラスによらず、MK固相化カラム、イオン交換クロマトグラフィ、疎水相互作用クロマトグラフィ等を用いて精製することもできる。
(2)アプタマー
MKファミリータンパク質と結合する物質として、アプタマーを使用する場合、例えば、ランダム配列を有するRNAプールの中からMKファミリータンパク質に結合する配列を有するRNAを選択し、逆転写の後、PCRにより増幅することを繰り返すことにより(SELEX法)、MKファミリータンパク質に結合するアプタマーを得ることができる。
(3)その他
MKファミリータンパク質と結合する物質は、例えば、天然又は人工の、化合物、核酸、タンパク質又はペプチドライブラリーを、MKファミリータンパク質を固定化したアフィニティークロマトグラフィにかけることにより、MKファミリータンパク質と結合力のあるタンパク質又はペプチドを得ることができる。
(4)標識
MKファミリータンパク質と結合する物質への標識の結合は当分野において一般的な方法により行うことができる。例えば、タンパク質又はペプチドを蛍光標識する場合、タンパク質又はペプチドをリン酸緩衝液で洗浄した後、DMSO、緩衝液等で調整した色素を加え、混合した後室温で10分間静置することにより結合させることができる。また、市販の標識キットとして、ビオチン標識キット(Biotin Labeling Kit−NH2、Biotin Labeling Kit−SH:株式会社同仁化学研究所)、アルカリフォスファターゼ標識用キット(Alkaline Phosphatase Labeling Kit−NH2、Alkaline Phosphatase Labeling Kit−SH:株式会社同仁化学研究所)、ペルオキシダーゼ標識キット(Peroxidase Labering Kit−NH2、Peroxidase Labering Kit−NH2:株式会社同仁化学研究所)、フィコビリプロテイン標識キット(Allophycocyanin Labeling Kit−NH2、Allophycocyanin Labeling Kit−SH、B−Phycoerythrin Labeling Kit−NH2、B−Phycoerythrin Labeling Kit−SH、R−Phycoerythrin Labeling Kit−NH2、R−Phycoerythrin Labeling Kit−SH:株式会社同仁化学研究所)、蛍光標識キット(Fluorescein Labeling Kit−NH2、HiLyte Fluor(登録商標) 555 Labeling Kit−NH2、HiLyte Fluor(登録商標) 647 Labeling Kit−NH2:株式会社同仁化学研究所)、DyLight547、DyLight647(テクノケミカル株式会社)、Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)抗体標識キット、Qdot(登録商標)抗体標識キット(インビトロゲン社)、EZ−Label Protein Labeling Kit(フナコシ株式会社)等を用いて標識することもできる。
2.MKファミリータンパク質の測定方法
被験者のサンプル中のMKファミリータンパク質と、MKファミリータンパク質と結合する物質との結合を検出することにより、MKファミリータンパク質を測定する場合、物質の結合を検出することができる当業者周知の方法であれば特に限定はなく使用することができる。例えば、このような方法として、酵素免疫測定法(EIA法)、簡易EIA法、酵素結合イムノソルベントアッセイ法(ELISA法)、ラジオイムノアッセイ法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)等の標識化免疫測定法;ウェスタンブロッティング法等のイムノブロッティング法;金コロイド凝集法等のイムノクロマト法;イオン交換クロマトグラフィ法、アフィニティークロマトグラフィ法等のクロマトグラフィ法;比濁法(TIA法);比ろう法(NIA法);比色法;ラテックス凝集法(LIA法);粒子計数法(CIA法);化学発光測定法(CLIA法、CLEIA法);沈降反応法;表面プラズモン共鳴法(SPR法);レゾナントミラーディテクター法(RMD法);比較干渉法等を挙げることができる。
MKファミリータンパク質の検出は、検出可能な標識がMKファミリータンパク質と結合する物質に結合している場合、放射能や蛍光強度等の標識を当該標識に適した方法で測定することにより、MKファミリータンパク質との結合を検出することができる。また、検出可能な標識がMKファミリータンパク質と結合する物質に結合していない場合、例えば、MKファミリータンパク質と結合する物質と結合する標識二次物質を用いて測定し、又は、MKファミリータンパク質と結合する物質とMKファミリータンパク質との結合により生じる物理的又は化学的変化を測定することにより、MKファミリータンパク質との結合を検出することができる。
MKファミリータンパク質の検出において使用するサンプルは、被験者から得られた体液であれば特に限定はなく、好ましくは分泌液であり、より好ましくは涙液又は唾液である。被験者から得られた体液は、直接使用してもよいが、必要に応じて、希釈、精製、化学的修飾及び/又は濃縮して使用してもよい。
EIA法により測定する場合、MKファミリータンパク質を認識する抗体と被験者のサンプル中のMKファミリータンパク質とを反応させた後、標識したMKファミリータンパク質を認識する抗体を結合させ、非結合抗体を除去後、標識物質に適した方法で測定することにより、複合体の形成を測定することができる。
例えば、EIA法として、ビオチン標識抗体を用いてMKファミリータンパク質を検出する場合、被験者の体液を希釈することにより調整したサンプル又はリコンビナントMKファミリータンパク質、及び、ビオチン標識抗体溶液を、抗MK抗体を固相化した96穴プレートの各ウェルに加えて室温で反応後、各ウェルを洗浄液で洗浄し、基質液(TMB)を加えて室温で反応させた後、反応停止液(2M HCl)を加え、プレートリーダーで450nmの吸光度を測定することにより測定することができる。サンプル中のMKの濃度は、標準液で作成した検量線を利用して計算することができる。
イムノクロマト法により測定する場合、サンプルを標識抗体と結合させた後、ニトロセルロース膜の毛細管現象を利用したクロマトグラフィを行い、固相化された抗原特異的抗体と結合させることにより検出することができる。なお、イムノクロマト法において、標識として金コロイドを利用することにより、固相化抗体とサンプル/標識抗体複合体との結合を目視により確認することもできる。
例えば、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体結合金コロイド、ウサギ免疫グロブリン結合金コロイド、及び、テストプレートを備えるキットであって、テストプレートが、検体を挿入する検体採取部、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体結合金コロイドを含む感作金コロイド塗布部、抗MKファミリータンパク質マウスモノクローナル抗体を含む判定部(テストライン)、抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体を含む判定部(リファレンスライン)、吸収部、及び、メンブレンフィルターを備えているキットを用いてMKファミリータンパク質を検出することができる。当該キットによるMKの検出は、十分量のサンプルを検体採取部に滴下し、メンブレンフィルター内を移動したサンプル中のMKファミリータンパク質が感作金コロイド塗布部にて抗体結合金コロイドと接触・結合し、これらの金コロイドと共に移動してテストラインでモノクローナル抗体に結合することにより、検出することができる。なお、本キットを用いた場合、感作金コロイド塗布部に含まれるウサギ免疫グロブリン結合金コロイドとリファレンスラインに含まれる抗ウサギ免疫グロブリンポリクローナル抗体との結合を検出することにより、測定が正確に終了したことを確認することができる。
例えば、化学発光測定法としてCLIA法を用いる場合、ルミノール誘導体又はアクリジニウム誘導体により標識されたMKファミリータンパク質を認識する抗体と被験者のサンプル中のMKファミリータンパク質とを反応させた後、非結合の抗体を分離した後、固相に吸着した化学発光性の標識体を発光させることにより検出することができる。
3.診断方法
以上の方法により、サンプル中のMKを測定することにより、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナ等の外分泌障害が、腺組織破壊、特にシェーグレン症候群によるものであるか否か診断することができる。すなわち、サンプル中にMKが検出される患者又はサンプル中のMK量が多い(例えば、カットオフ値を超える)患者は、シェーグレン症候群である可能性が高く、サンプル中にMKが検出されない患者又はサンプル中のMK量が少ない(例えば、カットオフ値を超えない)患者は、シェーグレン症候群である可能性が低いと診断することができる。
実施例1.ドライマウス症状を呈するヒト唾液中のMKの測定
健常人、ドライマウス症状を呈するシェーグレン症候群患者、及び、ドライマウス症状を呈する非シェーグレン症候群患者を対象とし、これらの被験者から唾液を採取して、唾液中のMKを測定した。
被験者から採取した唾液を1%BSA−PBSで希釈し、サンプルを調整した。リコンビナントMKを1%BSA−PBSで希釈し、標準液を調整した。希釈唾液サンプル又は標準液20μL、及び、ビオチン標識抗体溶液100μLを、抗MK抗体を固相化した96穴プレートの各ウェルに加え、室温で4時間反応させた。反応後、各ウェルを洗浄液で洗浄し、基質液(TMB)を100μL/wellで加え、室温で10分間反応させた。その後、反応停止液(2M HCl)50μL/wellを加え、反応を停止させた。反応停止後、プレートリーダーで450nmの吸光度を測定し、標準液の吸光度から作成した検量線を利用して、MK量を計算した。
結果を表1に示す。唾液中のMK量は、非シェーグレン症候群ドライマウス患者と比較して、シェーグレン症候群ドライマウス患者において有意(p=0.0072)にMK量が増大していた。
Figure 2008249618
本発明の診断薬、キット及び診断方法は、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナ等の外分泌障害を有する患者の診断に利用することができる。特に、本発明の診断薬、キット及び診断方法は、腺組織破壊、とりわけシェーグレン症候群の診断に利用することができる。

Claims (19)

  1. ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬を備える、外分泌障害の診断薬。
  2. 外分泌障害が、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナである、請求項1に記載の診断薬。
  3. ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬を備える、腺組織破壊の診断薬。
  4. ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬を備える、シェーグレン症候群の診断薬。
  5. 被験者の体液中のミッドカインファミリータンパク質を検出するための、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の診断薬。
  6. 体液が、分泌液である、請求項5に記載の診断薬。
  7. 体液が、涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液である、請求項5に記載の診断薬。
  8. ミッドカインファミリータンパク質を検出する試薬が、ミッドカインファミリータンパク質に対する抗体又はその断片である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の診断薬。
  9. ミッドカインファミリータンパク質が、ミッドカイン又はプレイオトロフィンである、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の診断薬。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の診断薬を備えるキット。
  11. サンプルを調製する工程及びミッドカインファミリータンパク質を検出する工程を備える、外分泌障害の診断方法。
  12. 外分泌障害が、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、又は、ドライバジャイナである、請求項11に記載の診断方法。
  13. ミッドカインファミリータンパク質を検出する工程を備える、腺組織破壊の診断方法。
  14. ミッドカインファミリータンパク質を検出する工程を備える、シェーグレン症候群の診断薬。
  15. サンプルを調整する工程が、被験者から得られた体液からサンプルを調整することを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載の診断方法。
  16. 体液が、分泌液である、請求項15に記載の診断方法。
  17. 体液が、涙液、唾液、汗、又は、膣分泌液である、請求項15に記載の診断方法。
  18. ミッドカインファミリータンパク質を検出する工程が、ミッドカインファミリータンパク質に対する抗体又はその断片と、ミッドカインファミリータンパク質との結合を検出する工程を含む、請求項11〜請求項17のいずれか1項に記載の診断方法。
  19. ミッドカインファミリータンパク質が、ミッドカイン又はプレイオトロフィンである、請求項11〜請求項18のいずれか1項に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011188958A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Kanazawa Univ シェーグレン症候群及びドライマウスの治療器並びにドライアイの治療器
JP2016070702A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 花王株式会社 口腔内の乾燥状態の評価方法
JP2022080853A (ja) * 2020-11-18 2022-05-30 コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー 口腔乾燥症を診断するための唾液バイオマーカー及びその用途

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