JP2008249299A - フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置 - Google Patents

フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008249299A
JP2008249299A JP2007093546A JP2007093546A JP2008249299A JP 2008249299 A JP2008249299 A JP 2008249299A JP 2007093546 A JP2007093546 A JP 2007093546A JP 2007093546 A JP2007093546 A JP 2007093546A JP 2008249299 A JP2008249299 A JP 2008249299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
cut
raised
airflow
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007093546A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimitsu Kamata
俊光 鎌田
Hirokazu Fujino
宏和 藤野
Genei Kin
鉉永 金
Kazunari Kasai
一成 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2007093546A priority Critical patent/JP2008249299A/ja
Publication of JP2008249299A publication Critical patent/JP2008249299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、フィンチューブ型熱交換器において、熱交換性能の低下を防ぐフィンチューブ型熱交換器を提供することにある。
【解決手段】フィンチューブ型熱交換器は、伝熱フィン6と伝熱管3とを備える。複数の伝熱管は、第1伝熱管部分3aと第2伝熱管部分3bとを有する。伝熱フィンには、第1切り起こし部61aと第2切り起こし部65aとが切り起こし加工により形成される。第1切り起こし部は、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分との間付近の第1伝熱フィン部分6aに配置される。第2切り起こし部は、第1伝熱フィン部分とは異なる第2伝熱フィン部分6cに配置される。伝熱管の中心から第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線L41a,L41bが為す第1投影角度β31は、伝熱管の中心から第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線L51a,L51bが為す第2投影角度γ31より大きい。
【選択図】図4

Description

本発明は、フィンチューブ型熱交換器、特に、気流中に配置された伝熱フィンと、伝熱フィンに挿入されており気流の流れ方向に略直交する方向に配置された複数の伝熱管とを備えたフィンチューブ型熱交換器およびこのフィンチューブ型熱交換器を有する空気調和装置に関する。
従来、フィンチューブ型熱交換器の熱交換効率を高める手法として、伝熱管の気流の流れ方向後側に気流を導くように切り起こしを配置するものが知られている(特許文献1参照)。
特開2007−10279号公報
特許文献1の技術のような熱交換器では、凝縮器として機能させる際に、冷媒入口近傍の伝熱管内には過熱状態となったガス冷媒が流動し、また、冷媒出口近傍の伝熱管内には過冷却状態となった液冷媒が流動することになる。そして、過熱状態または過冷却状態となった冷媒は、熱交換器の周囲の空気と熱交換する際に、潜熱移動を伴わずに顕熱移動による熱交換を行うことになる。また、過熱状態または過冷却状態となった冷媒と気液二相状態の冷媒とは温度差が生じている。このため、冷媒入口近傍および冷媒出口近傍では、伝熱フィンにおける熱伝導による温度の異なる冷媒間で熱交換が行われてしまうことになり熱交換効率が悪くなる。このように過熱状態および過冷却状態となった冷媒が熱交換器内の一部を占有することは、熱交換器の性能を低下させる原因となっている。
本発明の課題は、フィンチューブ型熱交換器において、熱交換性能の低下を防ぐフィンチューブ型熱交換器を提供することにある。
第1発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、伝熱フィンと複数の伝熱管とを備える。伝熱フィンは、気流中に配置される。複数の伝熱管は、伝熱フィンに挿入されており、気流の流れ方向に交差する方向に伝熱管列を形成して配置される。複数の伝熱管は、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分とを有する。第1伝熱管部分には、過熱ガス冷媒または過冷却液冷媒が流れる。第2伝熱管部分には、気液二相冷媒が流れる。伝熱フィンには、第1切り起こし部と第2切り起こし部とが切り起こし加工により形成される。第1切り起こし部は、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分との間付近の第1伝熱フィン部分において気流の流れ方向に沿って配置される。第2切り起こし部は、第1伝熱フィン部分とは異なる第2伝熱フィン部分において気流の流れ方向に沿って配置される。第1切り起こし部および第2切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように、伝熱管の伝熱管列の列方向の両側において気流の流れ方向に対して傾斜している。そして、第1投影角度は、第2投影角度よりも大きい。なお、第1投影角度は、伝熱管の中心から第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線が為す角度である。また、第2投影角度は、伝熱管の中心から第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線が為す角度である。
本発明では、第1投影角度が第2投影角度よりも大きくなるように、第1切り起こし部と第2切り起こし部とが形成されている。すなわち、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分との間のような熱伝導が起こりやすい第1伝熱フィン部分に、第2伝熱フィン部分よりも伝熱管列の列方向に熱伝導が起こりにくい第1切り起こし部を形成している。したがって、伝熱管内部の冷媒同士の熱交換が起こることを低減することができ、熱交換性能の低下を抑えることができる。
第2発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、第1発明に係るフィンチューブ型熱交換器であって、第1切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第3直線上に真っ直ぐに並ぶ。
本発明では、第1切り起こし部が、第3直線上に真っ直ぐに並んでいる。したがって、第1切り起こし部の気流の流れ方向上流側部分により、縦渦を発生させることができ、第1切り起こし部の気流の流れ方向下流側部分のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第3発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、第1発明または第2発明に係るフィンチューブ型熱交換器であって、第2切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第4直線上に真っ直ぐに並ぶ。
本発明では、第2切り起こし部が、第4直線上に真っ直ぐに並んでいる。したがって、第2切り起こし部の気流の流れ方向上流側部分により、縦渦を発生させることができ、第2切り起こし部の気流の流れ方向下流側部分のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第4発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、伝熱フィンと複数の伝熱管とを備える。伝熱フィンは、気流中に配置される。複数の伝熱管は、伝熱フィンに挿入されており、気流の流れ方向に交差する方向に伝熱管列を形成して配置される。複数の伝熱管は、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分とを有する。第1伝熱管部分には、過熱ガス冷媒または過冷却液冷媒が流れる。第2伝熱管部分には、気液二相冷媒が流れる。伝熱フィンには、複数の第1切り起こし部と複数の第2切り起こし部とが切り起こし加工により形成されている。複数の第1切り起こし部は、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分との間付近の第1伝熱フィン部分において気流の流れ方向に沿って配置される。複数の第2切り起こし部は、第1伝熱フィン部分とは異なる第2伝熱フィン部分において気流の流れ方向に沿って配置される。複数の第1切り起こし部および複数の第2切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように、伝熱管の伝熱管列の列方向の両側において気流の流れ方向に対して傾斜している。そして、第1投影角度の総和は、第2投影角度の総和よりも大きい。なお、第1投影角度は、伝熱管の中心から各第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線が為す角度である。また、第2投影角度は、伝熱管の中心から各第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線が為す角度である。
本発明では、第1切り起こし部と第2切り起こし部とが複数ある場合に、各第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線が為す第1投影角度の総和が、各第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線が為す第2投影角度の総和よりも大きい。すなわち、第1伝熱管部分と第2伝熱管部分との間のような熱伝導が起こりやすい第1伝熱フィン部分に、第2伝熱フィン部分よりも伝熱管列の列方向に熱伝導が起こりにくい第1切り起こし部を形成している。したがって、伝熱管内部の冷媒同士の熱交換が起こることを低減することができ、熱交換性能の低下を抑えることができる。
第5発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、第4発明に係るフィンチューブ型熱交換器であって、複数の第1切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第3直線上に真っ直ぐに並ぶ。
本発明では、複数の第1切り起こし部が、第3直線上に真っ直ぐに並んでいる。したがって、気流の流れ方向上流側に配置される第1切り起こし部により、縦渦を発生させることができ、気流の流れ方向下流側に配置される第1切り起こし部のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第6発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、第4発明または第5発明に係るフィンチューブ型熱交換器であって、複数の第2切り起こし部は、伝熱管近傍の気流が伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第4直線上に真っ直ぐに並ぶ。
本発明では、複数の第2切り起こし部が、第4直線上に真っ直ぐに並んでいる。したがって、気流の流れ方向上流側に配置される第2切り起こし部により、縦渦を発生させることができ、気流の流れ方向下流側に配置される第2切り起こし部のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第1発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、伝熱管内部の冷媒同士の熱交換が起こることを低減することができ、熱交換性能の低下を抑えることができる。
第2発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、第1切り起こし部の気流の流れ方向上流側部分により、縦渦を発生させることができ、第1切り起こし部の気流の流れ方向下流側部分のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第3発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、第2切り起こし部の気流の流れ方向上流側部分により、縦渦を発生させることができ、第2切り起こし部の気流の流れ方向下流側部分のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第4発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、伝熱管内部の冷媒同士の熱交換が起こることを低減することができ、熱交換性能の低下を抑えることができる。
第5発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、気流の流れ方向上流側に配置される第1切り起こし部により、縦渦を発生させることができ、気流の流れ方向下流側に配置される第1切り起こし部のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
第6発明に係るフィンチューブ型熱交換器では、気流の流れ方向上流側に配置される第2切り起こし部により、縦渦を発生させることができ、気流の流れ方向下流側に配置される第2切り起こし部のさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
以下、本発明にかかる空気調和装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に本発明の一実施形態に係る空気調和装置の斜視図を示す。また、図2に、図1の水平方向中央付近の内部構造を表す側面断面図を示す。
(1)壁掛型室内機
図1に本発明の一実施形態に係る空気調和装置10の斜視図を示す。なお、以下の説明において、空気調和装置10に関する方向や位置を示す場合には、空気調和装置10が室内の壁面に装着された状態を基準として示すものとする。そして、空気調和装置10の壁面に装着される部分を空気調和装置10(すなわち、室内機ケーシング11)の背面とし、背面に対向して室内に突出する面を前面(または正面)とし、前面および背面の横側の面を側面(より具体的には、正面から見て右側の面を右側面、正面から見て左側の面を左側面)とし、前面および背面の上側の面を天面とし、前面および背面の下側の面を底面とする。
空気調和装置10は、室内の壁面の上部に装着される壁掛型室内機であり、室内の冷暖房等を行う機能を有している。空気調和装置10は、主として、フィンチューブ型熱交換器1と、送風ファン4と、フィンチューブ型熱交換器1および送風ファン4を収容する室内機ケーシング11とを備えている。
室内機ケーシング11は、正面視において水平方向に長い直方体形状を有しており、図2に示されるように、主として、送風ファン4と、フィンチューブ型熱交換器1とを収容している。室内機ケーシング11には、吸入口12と、吹出口13とが設けられている。ここで、図2は、空気調和装置10の水平方向中央付近の内部構造を示す側面断面図である。吹出口13は、室内機ケーシング11内から室内へと吹き出される空気が通る開口であり、室内機ケーシング11の底面の前側部分に設けられる。吸入口12は、室内から室内機ケーシング11内へと取り込まれる空気が通る開口であり、室内機ケーシング11の天面に設けられている。
送風ファン4は、水平方向に細長い円筒形状に構成され、中心軸が水平方向に平行になるように配置されたクロスフローファンである。送風ファン4の周面には、複数の翼が設けられている。送風ファン4は、図示しないファンモータによって中心軸周りに回転駆動され、吸入口12を通じて室内の空気を室内機ケーシング11内に取り込み、フィンチューブ型熱交換器1を通過させた後に、室内機ケーシング11内から室内へ吹き出す空気の流れを、吹出口13から生じさせる。送風ファン4は、側面視において室内機ケーシング11の概ね中央に配置されている。
フィンチューブ型熱交換器1は、本実施形態において、複数の伝熱管3を逆V字型に並べて形成されたクロスフィンチューブ型の熱交換器であり、送風ファン4を上側から囲うように配置される。ここで、複数の伝熱管3は、室内機ケーシング11内の前面側に第1伝熱管群G1を形成し、背面側に第2伝熱管群G2を形成する。第1伝熱管群G1および第2伝熱管群G2は、それぞれ2列の伝熱管列により形成される。そして、フィンチューブ型熱交換器1は、屋外等に設置された室外機に冷媒配管を介して接続されている。フィンチューブ型熱交換器1は、冷房運転時には内部を流れる冷媒の蒸発器として、暖房運転時には内部を流れる冷媒の凝縮器として機能できるようになっている。これにより、フィンチューブ型熱交換器1は、送風ファン4によって吸込口12を通じて室内機ケーシング11内に吸入された空気と熱交換を行って、冷房運転時には空気を冷却し、暖房運転時には空気を加熱することができる。
また、フィンチューブ熱交換器1は、第1伝熱管群G1が並んでいる列方向(第2方向D2)における中央付近の送風ファン4側の冷媒入口管31a,31b(本実施形態では2本の伝熱管3)から冷媒を流入させており、第1伝熱管群G1の第2方向D2における上部の前面側の2本の冷媒出口管32a,32b(本実施形態では2本の伝熱管3)から熱交換後の冷媒を流出させている。ここで、本実施形態におけるフィンチューブ型熱交換器1では、冷媒は、2つの冷媒経路いわゆるパス91,92を流れる。パス91では、冷媒は、冷媒入口管31aから流入し、第1伝熱管群G1の上部の伝熱管3および第2伝熱管群G2を流通し、冷媒出口管32aから流出する。パス92では、冷媒は、冷媒入口管31bから流入し、第1伝熱管群G1の下部の伝熱管3を流通し、冷媒出口管32bから流出する。なお、図2において、隣り合う伝熱管3を結ぶように描いた実線は、隣り合う伝熱管3を図2における手前側(すなわちフィンチューブ型熱交換器1の正面視において右端側)が接続されており、隣り合う伝熱管3を結ぶように描いた破線は、隣り合う伝熱管3を図2における奥側(すなわちフィンチューブ型熱交換器1の正面視において左端側)を接続されていることを示している。ここで、フィンチューブ型熱交換器1の伝熱管3には、凝縮器として機能している場合に、冷媒入口管31a,31bおよびその近傍を過熱状態となっている過熱ガス冷媒が流れ、冷媒出口管32a,32bおよびその近傍を過冷却状態となっている過冷却液冷媒が流れ、冷媒入口管31a,31bおよびその近傍と冷媒出口管32a,32bとの間を気液二相状態となっている二相冷媒が流れる。すなわち、フィンチューブ型熱交換器1の伝熱管3を流れる冷媒の状態に応じて、伝熱管3は、過熱ガス冷媒が流れる過熱ガス冷媒通過部分3aと、気液二相状態となっている二相冷媒が流れる二相冷媒通過部分3bと、過冷却状態となっている過冷却冷媒が流れる過冷却液冷媒通過部分3cとに分類できる(図2のハッチング部分参照)。そして、伝熱フィン2は、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの間の第1伝熱フィン部分2aと、過冷却液冷媒通過部分3cと二相冷媒通過部分3bとの間の第2伝熱フィン部分2bと、第1伝熱フィン部分2aおよび第2伝熱フィン部分以外の第3伝熱フィン部分2cとに分類できる。
(2)フィンチューブ型熱交換器の基本構成
図3〜図5にフィンチューブ型熱交換器1の要部を示す。ここで、図3は、フィンチューブ型熱交換器1の図2の領域Z1における断面図である。なお、ここにいう「領域Z1」とは、伝熱管3における過熱ガス冷媒通過部分3aおよび二相冷媒通過部分3b近傍の領域であって(図2参照)、図3に示す領域Z1は、2つある領域Z1のうちで上部のものである。図4は、フィンチューブ型熱交換器1のIV−IV断面図である。図5は、図3のV−V断面図である。
フィンチューブ型熱交換器1は、クロスフィンアンドチューブ型熱交換器であり、主として、複数のプレート状の伝熱フィン2と、複数の伝熱管3とを備えている。伝熱フィン2は、その平面方向を空気等の気流の流れ方向に概ね沿わせた状態で、板厚方向に並んで配置されている。伝熱フィン2には、気流の流れ方向に略直交する方向に間隔を空けて複数の貫通孔27が形成されている。貫通孔27の周囲部分は、伝熱フィン2の板厚方向の一方側に突出する環状のカラー部23となっている。カラー部23は、板厚方向に隣り合う伝熱フィン2のカラー部23が形成された面と反対の面に当接しており、各伝熱フィン2の板厚方向間に所定の間隔Hを確保している。伝熱管3は、内部に冷媒等の熱媒体が流れる管部材であり、板厚方向に並んで配置された複数の伝熱フィン2に挿入されており、気流の流れ方向に略直交する方向に配置されている。具体的には、伝熱管3は、伝熱フィン2に形成された貫通孔27を貫通しており、フィンチューブ型熱交換器1の組立時の拡管作業によって、カラー部23の内面に密着している。
また、本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1は、複数の伝熱管3の配列方向が略上下方向となるように設置された状態で使用されるものである。このため、気流は、フィンチューブ型熱交換器1を、鉛直方向に交差する方向に向かって横切るように流れることになる。なお、以下の説明において、「上側」、「上方」や「下側」、「下方」という文言を用いる場合には、伝熱管3の配列方向を示しているものとする。
(3)伝熱フィンの詳細形状
次に、本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1の用いられている伝熱フィン2の詳細形状について説明する。なお、ここで説明する伝熱フィン2の詳細形状は、図3に示す領域Z1における伝熱フィン2の詳細形状である。
領域Z1における伝熱フィン2には、第1伝熱フィン部分2aおよび第3伝熱フィン部分2cに、各伝熱管3の鉛直方向における両側(すなわち、各伝熱管3の下側および上側)において、気流の流れ方向上流側から下流側に向かって真っ直ぐに並ぶ複数(本実施形態では、下側に3つ、上側に3つ)の切り起こし部21a〜21f,25a〜25fが、切り起こし加工により、伝熱フィン面28に形成されている(図3参照)。ここで、下側の切り起こし部を第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25c、上側の切り起こし部を第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fとする。また、領域Z1における伝熱管3の並んでいる方向は、鉛直方向(第1方向D1)から右回りに第1角θ1傾いている第2方向であり、気流は、鉛直方向(第1方向D1)から左回りに第2角θ2傾いた方向(第3方向)に流れる。そして、この第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cを仮想的に結ぶ第1直線L1は、伝熱管3近傍の気流が伝熱管3における気流の流れ方向(第3方向D3)後側に案内されるように、第3方向D3と平行な第3直線L3に対して傾斜している。また、第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fを仮想的に結ぶ第2直線L2は、伝熱管3近傍の気流が伝熱管3における気流の流れ方向(第3方向D3)後側に案内されるように、第3方向D3と平行な第4直線L4に対して傾斜している。ここで、第1直線L1の第3直線L3に対する迎え角α1と、第2直線L2の第4直線L4に対する迎え角α2とは、10°〜30°の範囲内になるように設定されている。
このように第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cおよび第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fは、第1伝熱フィン部分2aおよび第3伝熱フィン部分2cにおける伝熱管3近傍の気流が伝熱管3の気流の流れ方向(第3方向D3)後側に案内されるように第3方向D3に対して傾斜している。このため、主として、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fのうち伝熱フィン2の気流の流れ方向D4前側に配置された第1切り起こし部21a,25aおよび第2切り起こし部21d,25dによって境界層を更新する効果を確実に得ることができる。また、第1伝熱フィン部分2aおよび第3伝熱フィン部分2cにおいては、伝熱フィン2の気流の流れ方向(第3方向D3)後側に配置された第1切り起こし部21c,25cおよび第2切り起こし部21f,25fによって伝熱管3の気流の流れ方向(第3方向D3)によって伝熱管3の気流の流れ方向(第3方向D3)後側の部分に形成される死水域を低減する効果を得ることができる。
また、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fは、気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増するように形成されている。本実施形態において、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fは、略台形状または略三角形状であり(図5参照、図5は、第2切り起こし部21d〜21fを示す図であるが、第1切り起こし部21a〜21cについても同様の形状を有し、また、第3伝熱フィン部分2cにおける切り起こし部25a〜25fについては、その折り曲げ長さが異なるのみであり第1伝熱フィン部分2aにおける切り起こし部21a〜21fと同様に高さが漸増している)、その最大高さhがカラー部23の高さHよりも低くなるように形成されている(図4,図5参照)。
このように各伝熱管3の鉛直方向両側に形成された切り起こし部21a〜21f,25a〜25fのそれぞれが気流の流れ方向上流側から下流側に向かう複数(本実施形態では、第1伝熱フィン部分2a、第2伝熱フィン部分2b、および第3伝熱フィン部分2cの全てにおいて、上下で各3つずつ)の第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cおよび第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fに分割されている。このため、伝熱フィン2に凝縮水などの水滴が発生した場合に、水滴を第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cの隙間および第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fの隙間から排出されやすくすることができる。これにより、伝熱フィン2に発生する水滴の影響を受けることなく、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fによる伝熱促進効果を得ることができるようになる。
また、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fが切り起こされる際に伝熱フィン2に形成されるスリット孔22a〜22f,26a〜26fは、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fの上側に配置される。さらに、伝熱フィン2には、カラー部23の周囲にカラー部23と同心円形状の凹部24が設けられている。この凹部24は、図3に示すように断面がカラー部23に外接する位置にカラー部23とは逆の方向に伝熱フィン2を凹ませて形成されている。
このように、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fは、伝熱フィン2を上部から下部に向かって切り起こして形成されている。このため、第1伝熱フィン部分2aでは、特に水滴が滞留しやすい伝熱管3と第1切り起こし部21a〜21cとの間に第1スリット孔22a〜22cが形成されることになり、伝熱管3と第1切り起こし部21a〜21cとの間に水滴が滞留しにくくなる。また、第3伝熱フィン部分2cでは、第1伝熱フィン部分2aと同様に、特に水滴が滞留しやすい伝熱管3と第1切り起こし部25a〜25cとの間に第1スリット孔26a〜26cが形成されることになり、伝熱管3と第1切り起こし部25a〜25cとの間に水滴が滞留しにくくなる。このため、水滴は、伝熱フィン2から排出されやすくなる。また、伝熱フィン2における伝熱管3の周囲全体に凹部24を形成している。したがって、この凹部24に水滴が一時的に滞留し、所定量以上の水滴が滞留した後に流下し排出されることになる。このため、水滴を第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cと伝熱管3との間にあまり滞留させることなく、水滴を排出させることができる。
なお、第1切り起こし部21a〜21cと第2切り起こし部21d〜21fとは、伝熱フィン2の第1伝熱フィン部分2aに形成され、第1切り起こし部25a〜25cと第2切り起こし部25d〜25fとは第3伝熱フィン部分2cに形成される(図3参照)。そして、第1伝熱フィン部分2aに形成される各切り起こし部21a〜21fの折り曲げ部分の第1折り曲げ長さa1(図6参照)は、第3伝熱フィン部分2cに形成される各切り起こし部25a〜25fの折り曲げ部分の第2折り曲げ長さa2(図7参照)よりも長い。すなわち、第1伝熱フィン部分2aに形成される各切り起こし部21a〜21fにおいて、伝熱管3の中心から各切り起こし部21a〜21fの両端を仮想線L11a,L11b,L12a,L12b,L13a,L13b,L14a,L14b,L15a,L15b,L16a,L16bで結ぶことによりできる第1角度β11〜β16の総和が、第3伝熱フィン部分2cに形成される各切り起こし部25a〜25fにおいて、伝熱管3の中心から各切り起こし部25a〜25fの両端を仮想線L21a,L21b,L22a,L22b,L23a,L23b,L24a,L24b,L25a,L25b,L26a,L26bで結ぶことによりできる第2角度γ11〜γ16の総和よりも大きくなるように、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fは、形成されている。ここで、図6は、第1伝熱管群G1における第1伝熱フィン部分2aの拡大図であり、図7は、第1伝熱管群G1における第3伝熱フィン部分2cの拡大図である。
ところで、第1伝熱フィン部分2aは、伝熱フィン2のおける過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの間の領域であるため、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの間に温度差が生じており、伝熱フィン2における熱伝導による熱交換が行われやすい領域である。この熱伝導による熱交換が行われると冷媒と空気との間の熱交換ではなく冷媒同士による熱交換となってしまうため、熱交換効率が低下してしまうことになる。このため、上述ように、第1伝熱フィン部分2aに形成される切り起こし部21a〜21fを、その第1角度β11〜β16の総和が第3伝熱フィン部分2cに形成される切り起こし部25a〜25fにおける第2角度γ11〜γ16の総和よりも大きくなるように形成することで、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとによる第1伝熱フィン部分2aにおける熱伝導性を小さくすることができ、熱交換効率の低下を防ぐことができる。また、第2伝熱フィン部分2bに形成される切り起こし部(図示せず)は、第1伝熱フィン部分2aに形成される切り起こし部21a〜21fと同様の形状であり、第3伝熱フィン部分2cに形成される切り起こし部25a〜25fよりも伝熱管3間の熱伝導性を小さくするように形成されている。
さらに、第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cが気流の流れ方向(第3方向D3)上流側から下流側に向かって第1直線L1上を真っ直ぐ並ぶことによって、第1切り起こし部21a〜21c,25a〜25cのうち伝熱フィン2の気流の流れ方向(第3方向D3)下流側に配置された第1切り起こし部21c,25cが気流の流れ方向(第3方向D3)上流側に配置された第1切り起こし部21a,25aと同じ傾斜を有する。また、第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fが気流の流れ方向(第3方向D3)上流側から下流側に向かって第2直線L2上を真っ直ぐ並ぶことによって、第2切り起こし部21d〜21f,25d〜25fのうち伝熱フィン2の気流の流れ方向(第3方向D3)下流側に配置された第2切り起こし部21f,25fが気流の流れ方向(第3方向D3)上流側に配置された第2切り起こし部21d,25dと同じ傾斜を有する。このため、伝熱管3の気流の流れ方向後側の部分に形成される死水域を低減するだけでなく、第1切り起こし部21c,25cおよび第2切り起こし部21f,25fの背後に新たな死水域が形成されるのを防ぐことができる。
なお、ここでは、図3により図2における領域Z1の部分のみを説明をしたが、第3方向D3とは異なる方向に気流が流れる領域(例えば第2伝熱管群G2の領域)における伝熱フィン2の詳細形状では、伝熱管3近傍の気流をその領域における伝熱管3の気流が流れ方向後側に案内されるように切り起こし部が傾いている。このような領域では、切り起こし部が形成される傾きが図3の伝熱フィンの詳細形状とは異なるのみで(例えば、気流の流れ方向が第3方向D3とは異なる図示しない第4方向に流れており、第4方向D4を基準にして第1切り起こし部が迎え角α1で、第2切り起こし部が迎え角α2で傾く)、この切り起こし部の形状自体は図3の第3伝熱フィン部分2cの切り起こし部25a〜25fと同形状である。また、伝熱フィン2に形成されるカラー部23および凹部24は、全領域において同形状である。
以上のように、本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1では、伝熱フィン2に発生する水滴の影響をあまり受けることなく、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fによる伝熱促進効果を得ることができるとともに、第1切り起こし部21c、第2切り起こし部21f、第3切り起こし25c、および第4切り起こし25fの背後に新たな死水域が形成されるのを防ぐことができるため、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fによる伝熱促進効果と排水性とを両立させることができる。
また、このフィンチューブ型熱交換器1では、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fの形状を気流の流れ方向下流側に向かって高さが漸増した形状にすることによって、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fの背後に縦渦を生じさせることができるため、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fによる伝熱促進効果をさらに高めることができる。
<特徴>
(1)
本発明では、第1伝熱フィン部分2aは、伝熱フィン2のおける過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの間の領域であるため、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの間に温度差が生じており、伝熱フィン2における熱伝導による熱交換が行われやすい領域である。この熱伝導による熱交換が行われると冷媒と空気との間の熱交換ではなく冷媒同士による熱交換となってしまうため、熱交換効率が低下してしまうことになる。
このため、上述ように、第1伝熱フィン部分2aに形成される切り起こし部21a〜21fは、その第1角度β11〜β16の総和が第3伝熱フィン部分2cに形成される切り起こし部25a〜25fにおける第2角度γ11〜γ16の総和よりも大きくなるように形成することで、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとによる第1伝熱フィン部分2aにおける熱伝導性を小さくすることができ、熱交換効率を向上させることができる。
(2)
本発明では、複数の切り起こし部21a〜21f,25a〜25fが、第1直線L1および第2直線L2上に真っ直ぐに並んでいる。したがって、気流の流れ方向上流側に配置される切り起こし部21a,21d,25a,25dにより、縦渦を発生させることができ、気流の流れ方向下流側に配置される切り起こし部21c,21f,25c,25fのさらに後側に形成される死水域を低減することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)
本実施形態では、フィンチューブ型熱交換器1は、壁掛け型の室内機に採用されているが、これに限らず、室外機に採用されていても良いし、壁掛け型以外の室内機(例えば、天井埋込型の室内機、天井吊り型の室内機、ビルトイン型の室内機などであっても良い。
(2)
本実施形態では、第1伝熱フィン部分2aにおける切り起こし部21a〜21fの第1折り曲げ長さa1を第3伝熱フィン部分2cにおけるきり起こし部25a〜25fの第2折り曲げ長さa2よりも長くすることで、第1角度β11〜β16の総和が第2角度γ11〜γ16の総和よりも大きくなるように、各切り起こし部21a〜21f,25a〜25fを形成しているが、これに限らず、第1伝熱フィン部分における切り起こし部から伝熱管までの第1距離が第3伝熱フィン部分における切り起こし部から伝熱管までの第2距離よりも短くなるようにすることで、第1角度の総和が第2角度の総和よりも大きくしてもよい。
図8に、上述のような第1距離b1が第2距離b2よりも短く形成した第1伝熱フィン部分5aにおける切り起こし部51a〜51fの拡大図を示す。なお、この場合のフィンチューブ型熱交換器1aは、図8に示すように、第1伝熱フィン部分5aのみが本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1と異なり、他の形状は本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1と同様で、2番台を5番台に、20番台を50番台に置き換えたものである。第1伝熱フィン部分5aにおける切り起こし部51a〜51fから伝熱管3までの第1距離b1が第3伝熱フィン部分5cにおける切り起こし部55a〜55fから伝熱管3までの第2距離b2よりも短くなるように、各切り起こし部51a〜51f,55a〜55fは形成されている。すなわち、第1伝熱フィン部分5aに形成される各切り起こし部51a〜51fにおいて、伝熱管3の中心から各切り起こし部51a〜51fの両端を仮想線L31a,L31b,L32a,L32b,L33a,L33b,L34a,L34b,L35a,L35b,L36a、L36bで結ぶことによりできる第1角度β21〜β26の総和が、第3伝熱フィン部分5cに形成される各切り起こし部55a〜55fにおいて、伝熱管3の中心から各切り起こし部55a〜55fの両端を仮想線L21a,L21b,L22a,L22b,L23a,L23b,L24a,L24b,L25a,L25b,L26a、L26bで結ぶことによりできる第2角度γ11〜γ16の総和よりも大きくなるように、各切り起こし部51a〜51f,55a〜55fは形成されることになる。ここで、各切り起こし部51a〜51fの折り曲げ部分の折り曲げ長さa3は、第3伝熱フィン部分5cにおける切り起こし部55a〜55fの折り曲げ部分の折り曲げ長さa2と等しい。なお、ここでは、第1伝熱フィン部分5aのみの変形例を示しているが、第2伝熱フィン部分5bについても同様のことが言える。
(3)
本実施形態では、切り起こし部21a〜21f,25a〜25fは、伝熱管3の列方向(本実施形態では第2方向D2)の両側に複数形成されているが、これに限らず、伝熱管3の列方向(第2方向D2)の両側に1つ形成されるものであっても構わない。
図9および図10に、上述のような伝熱管3の列方向(第2方向D2)の両側に1つずつが形成される切り起こし部61a,61b,65a,65bの拡大図を示す。なお、この場合のフィンチューブ型熱交換器1bは、各切り起こし部61a,61b,65a,65bの形状のみが本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1と異なり、他の形状は本実施形態のフィンチューブ型熱交換器1と同様で、2番台を6番台に、20番台を60番台に置き換えたものである。ここで、図9はフィンチューブ型熱交換器1bの伝熱フィン6の第1伝熱フィン部分6aの拡大図であり、図10は第3伝熱フィン部分6cの拡大図である。
ここでは、第1伝熱フィン部分6aに形成される切り起こし部61a,61bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc1(図9参照)が、第3伝熱フィン部分6cに形成される切り起こし部65a,65bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc2(図10参照)よりも長くなるように、各切り起こし部61a,61b,65a,65bは形成されている。すなわち、第1伝熱フィン部分6aに形成される第1切り起こし部61aにおいて、伝熱管3の中心から第1切り起こし部61aの両端を仮想線L41a,L41bで結ぶことによりできる第1角度β31が、第3伝熱フィン部分6cに形成される第1切り起こし部65aにおいて、伝熱管3の中心から第1切り起こし部65aの両端を仮想線L51a,L51bで結ぶことによりできる第2角度γ31よりも大きくなるように、第1切り起こし部61a,65aは形成されることになる。また同様にして、第1伝熱フィン部分6aに形成される第2切り起こし部61bにおいて、伝熱管3の中心から第2切り起こし部61bの両端を仮想線L42a,L42bで結ぶことによりできる第1角度β32が、第3伝熱フィン部分6cに形成される第2切り起こし部65bにおいて、伝熱管3の中心から第2切り起こし部65bの両端を仮想線L52a,L52bで結ぶことによりできる第2角度γ32よりも大きくなるように、第1切り起こし部61b,65bは形成されることになる。これにより、過熱ガス冷媒通過部分3aから二相冷媒通過部分3bまでの熱伝導距離が大きくなるために、過熱ガス冷媒通過部分3aと二相冷媒通過部分3bとの伝熱フィン6を介した熱伝導による熱交換は行われにくくなる。したがって、熱伝導によって熱交換効率が低下することを防ぐことができる。なお、ここでは、第1伝熱フィン部分6aのみの変形例を示しているが、第2伝熱フィン部分6bについても同様のことが言える。
(4)
変形例(3)では、第1伝熱フィン部分6aにおける切り起こし部61a,61bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc1を第3伝熱フィン部分6cにおける切り起こし部65a,65bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc2よりも長くしているが、これに限らず、第1伝熱フィン部分における切り起こし部から伝熱管までの第1距離が第3伝熱フィン部分における切り起こし部から伝熱管までの第2距離よりも短くなるようにすることで、第1角度の総和が第2角度の総和よりも大きくしてもよい。
図11に第1伝熱フィン部分7aにおける切り起こし部71a,71bの拡大図を示す。なお、この場合のフィンチューブ型熱交換器1cは、図11に示すように、第1伝熱フィン部分7aのみが変形例(3)のフィンチューブ型熱交換器1bと異なり、他の形状はフィンチューブ型熱交換器1bと同様で、6番台を7番台に、60番台を70番台に置き換えたものである。第1伝熱フィン部分7aにおける切り起こし部71a,71bから伝熱管3までの第1距離d1が第3伝熱フィン部分7cにおける切り起こし部75a,75bから伝熱管3までの第2距離d2よりも短くなるように、各切り起こし部71a,71b,75a,75bは形成されている。すなわち、第1伝熱フィン部分7aに形成される第1切り起こし部71aにおいて、伝熱管3の中心から第1切り起こし部71aの両端を仮想線L61a,L61bで結ぶことによりできる第1角度β41が、第3伝熱フィン部分7cに形成される第1切り起こし部75aにおいて、伝熱管3の中心から第1切り起こし部75aの両端を仮想線L51a,L51bで結ぶことによりできる第2角度γ31よりも大きくなるように、第1切り起こし部71a,75aは形成されることになる。また同様にして、第1伝熱フィン部分7aに形成される第2切り起こし部71bにおいて、伝熱管3の中心から第2切り起こし部71bの両端を仮想線L62a,L62bで結ぶことによりできる第1角度β42が、第3伝熱フィン部分7cに形成される第2切り起こし部75bにおいて、伝熱管3の中心から第2切り起こし部75bの両端を仮想線L52a,L52bで結ぶことによりできる第2角度γ32よりも大きくなるように、第1切り起こし部71b,75bは形成されることになる。ここで、切り起こし部71a,71bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc3は、第3伝熱フィン部分7cにおける切り起こし部75a,75bの折り曲げ部分の折り曲げ長さc2と等しい。なお、ここでは、第1伝熱フィン部分7aのみの変形例を示しているが、第2伝熱フィン部分7bについても同様のことが言える。
本発明に係るフィンチューブ型熱交換器は、熱交換性能を向上させることができ、フィンチューブ型熱交換器、特に、気流中に配置された伝熱フィンと、伝熱フィンに挿入されており気流の流れ方向に略直交する方向に配置された複数の伝熱管とを備えたフィンチューブ型熱交換器およびこのフィンチューブ型熱交換器を有する空気調和装置等として有用である。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の外観斜視図。 図1の水平方向中央付近の内部構造を示す側面断面図。 フィンチューブ型熱交換器の第1伝熱フィン部分を含む領域の断面図。 図3のIV−IV断面図。 図3のV−V断面図。 第1伝熱フィン部分の拡大図。 第3伝熱フィン部分の拡大図。 変形例(2)のフィンチューブ型熱交換器の第1伝熱フィン部分の拡大図。 変形例(3)のフィンチューブ型熱交換器の第1伝熱フィン部分の拡大図。 変形例(3)のフィンチューブ型熱交換器の第3伝熱フィン部分の拡大図。 変形例(4)のフィンチューブ型熱交換器の第1伝熱フィン部分の拡大図。
符号の説明
1,1a〜1c フィンチューブ型熱交換器
2,5〜7 伝熱フィン
2a,5a〜7a 第1伝熱フィン部分
2b,5b〜7b 第2伝熱フィン部分
2c,5c〜7c 第3伝熱フィン部分
3 伝熱管
3a 過熱ガス冷媒通過部分(第1伝熱管部分)
3b 二相冷媒通過部分(第2伝熱管部分)
3c 過冷却液冷媒通過部分(第1伝熱管部分)
21a〜21c 第1切り起こし部(第1切り起こし部)
21d〜21f 第2切り起こし部(第1切り起こし部)
25a〜25c 第1切り起こし部(第2切り起こし部)
25d〜25f 第2切り起こし部(第2切り起こし部)
51a〜51c 第1切り起こし部(第1切り起こし部)
51d〜51f 第2切り起こし部(第1切り起こし部)
55a〜55c 第1切り起こし部(第2切り起こし部)
55d〜55f 第2切り起こし部(第2切り起こし部)
61a〜61c 第1切り起こし部(第1切り起こし部)
61d〜61f 第2切り起こし部(第1切り起こし部)
65a〜65c 第1切り起こし部(第2切り起こし部)
65d〜65f 第2切り起こし部(第2切り起こし部)
71a〜71c 第1切り起こし部(第1切り起こし部)
71d〜71f 第2切り起こし部(第1切り起こし部)
75a〜75c 第1切り起こし部(第2切り起こし部)
75d〜75f 第2切り起こし部(第2切り起こし部)
D2 第2方向(伝熱管列の列方向)
D3 第3方向(気流の流れ方向)
L11a〜L16a,L11b〜L16b 仮想線(第1直線)
L21a〜L26a,L21b〜L26b 仮想線(第2直線)
L31a〜L36a,L31b〜L36b 仮想線(第1直線)
L41a,L42a,L41b,L42b 仮想線(第1直線)
L51a,L52a,L51b,L52b 仮想線(第2直線)
L61a,L62a,L61b,L62b 仮想線(第1直線)
L1 第1直線(第3直線)
L2 第2直線(第4直線)
β11〜β16 第1角度(第1投影角度)
β21〜β26 第1角度(第1投影角度)
β31,β32 第1角度(第1投影角度)
β41,β42 第1角度(第1投影角度)
γ11〜γ16 第2角度(第2投影角度)
γ31,γ32 第2角度(第2投影角度)

Claims (6)

  1. 気流中に配置された伝熱フィン(6,7)と、
    前記伝熱フィンに挿入されており、前記気流の流れ方向に交差する方向に伝熱管列を形成して配置される複数の伝熱管(3)と、
    を備え、
    前記複数の伝熱管は、過熱ガス冷媒または過冷却液冷媒が流れる第1伝熱管部分(3a,3c)と、気液二相冷媒が流れる第2伝熱管部分(3b)とを有し、
    前記伝熱フィンには、前記第1伝熱管部分と前記第2伝熱管部分との間付近の第1伝熱フィン部分(6a,6b,7a,7b)において前記気流の流れ方向に沿って配置される第1切り起こし部(61a,61b,71a,71b)と、前記第1伝熱フィン部分とは異なる第2伝熱フィン部分(6c,7c)において前記気流の流れ方向に沿って配置される第2切り起こし部(65a,65b,75a,75b)とが、切り起こし加工により形成されており、
    前記第1切り起こし部および前記第2切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向(D3)後側に案内されるように、前記伝熱管の前記伝熱管列の列方向(D2)の両側において気流の流れ方向に対して傾斜しており、
    前記伝熱管の中心から前記第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線(L41a,L41b,L42a,L42b,L61a,L61b,L62a,L62b)が為す第1投影角度(β31,β32,β41,β42)、は、前記伝熱管の中心から前記第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線(L51a,L51b,L52a,L52b)が為す第2投影角度(γ31,γ32)よりも大きい、
    フィンチューブ型熱交換器(1b,1c)。
  2. 前記第1切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第3直線上に真っ直ぐに並ぶ、
    請求項1に記載のフィンチューブ型熱交換器(1b,1c)。
  3. 前記第2切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第4直線上に真っ直ぐに並ぶ、
    請求項1または2に記載のフィンチューブ型熱交換器(1b,1c)。
  4. 気流中に配置された伝熱フィン(2,5)と、
    前記伝熱フィンに挿入されており、前記気流の流れ方向に交差する方向に伝熱管列を形成して配置される複数の伝熱管(3)と、
    を備え、
    前記複数の伝熱管は、過熱ガス冷媒または過冷却液冷媒が流れる第1伝熱管部分(3a,3c)と、気液二相冷媒が流れる第2伝熱管部分(3b)とを有し、
    前記伝熱フィンには、前記第1伝熱管部分と前記第2伝熱管部分との間付近の第1伝熱フィン部分(2a,2b,5a,5b)において前記気流の流れ方向に沿って配置される複数の第1切り起こし部(21a〜21f,51a〜51f)と、前記第1伝熱フィン部分とは異なる第2伝熱フィン部分(2c,5c)において前記気流の流れ方向に沿って配置される複数の第2切り起こし部(25a〜25f,55a〜55f)とが、切り起こし加工により形成されており、
    前記複数の第1切り起こし部および前記複数の第2切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向(D3)後側に案内されるように、前記伝熱管の前記伝熱管列の列方向(D2)の両側において気流の流れ方向に対して傾斜しており、
    前記伝熱管の中心から前記各第1切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第1直線(L11a,L11b,L12a,L12b,L13a,L13b,L14a,L14b,L15a,L15b,L16a,L16b,L31a,L31b,L32a,L32b,L33a,L33b,L34a,L34b,L35a,L35b,L36a,L36b)が為す第1投影角度(β11〜β16,β21〜β26)の総和は、前記伝熱管の中心から前記各第2切り起こし部の両端を仮想的に結ぶ第2直線(L21a,L21b,L22a,L22b,L23a,L23b,L24a,L24b,L25a,L25b,L26a,L26b)が為す第2投影角度(γ11〜γ16)の総和よりも大きい、
    フィンチューブ型熱交換器(1,1a)。
  5. 複数の前記第1切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第3直線(L1)上に真っ直ぐに並ぶ、
    請求項2に記載のフィンチューブ型熱交換器(1,1a)。
  6. 前記複数の第2切り起こし部は、前記伝熱管近傍の気流が前記伝熱管の気流の流れ方向後側に案内されるように第4直線(L2)上に真っ直ぐに並ぶ、
    請求項3に記載のフィンチューブ型熱交換器(1,1a)。
JP2007093546A 2007-03-30 2007-03-30 フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置 Pending JP2008249299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093546A JP2008249299A (ja) 2007-03-30 2007-03-30 フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007093546A JP2008249299A (ja) 2007-03-30 2007-03-30 フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008249299A true JP2008249299A (ja) 2008-10-16

Family

ID=39974451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007093546A Pending JP2008249299A (ja) 2007-03-30 2007-03-30 フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008249299A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103765148A (zh) * 2011-11-25 2014-04-30 松下电器产业株式会社 翅片管式热交换器
JP2020176734A (ja) * 2019-04-15 2020-10-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 プレートフィン積層型熱交換器およびそれを用いた冷凍システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103765148A (zh) * 2011-11-25 2014-04-30 松下电器产业株式会社 翅片管式热交换器
CN103765148B (zh) * 2011-11-25 2016-06-22 松下电器产业株式会社 翅片管式热交换器
JP2020176734A (ja) * 2019-04-15 2020-10-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 プレートフィン積層型熱交換器およびそれを用いた冷凍システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6165360B2 (ja) 熱交換器および空気調和機
EP2119995B1 (en) Heat exchanger
JP2007232246A (ja) 熱交換器
JP6223596B2 (ja) 空気調和装置の室内機
JP2010164222A (ja) フィン付き熱交換器
EP2535677B1 (en) Heat exchanger for air conditioner
JPWO2019008997A1 (ja) 空気調和機の室外熱交換器及びこれを備える空気調和機
JP2016200338A (ja) 空気調和機
JP4760542B2 (ja) 熱交換器
JP2010216718A (ja) フィン付き熱交換器
JPWO2014155560A1 (ja) 熱交換器およびこれを用いた冷凍サイクル空調装置
JP2011043251A (ja) フィン付き熱交換器
JP2011163740A (ja) 空気調和機
JP2009168317A (ja) 熱交換器及び空気調和機
JP2008215694A (ja) フィン付き熱交換器
JP2019015432A (ja) 熱交換器及び熱交換ユニット
JP2007255812A (ja) フィン付き熱交換器及び空気調和機
JP2008249299A (ja) フィンチューブ型熱交換器および空気調和装置
JP6614876B2 (ja) 空気調和機の室内機
JP2004085139A (ja) 空気調和機の室内機
JP6379352B2 (ja) フィンチューブ熱交換器
JP2005214529A (ja) 空気調和装置
JP6640500B2 (ja) 空気調和装置の室外機
JP6509593B2 (ja) フィンチューブ熱交換器
JP7401802B2 (ja) 熱交換器及び室内機