JP2008247279A - 能動型車室内騒音制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室内のエンジン騒音を能動的に低減する能動型騒音制御装置において、スピーカとマイク間の伝達特性の経時変化等により騒音性能の劣化が発生したり、場合によっては増音するという課題がある。
【解決手段】適応型ノッチフィルターを用いた能動型騒音制御装置において車内にイグニッションキーの存在しない時間を検出し、その状態が一定時間継続した後、スピーカとマイク間の伝達特性を同定することで能動型騒音制御装置のパラメータを補正することによって、常に安定した性能状態を維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジン等の回転機器から発生する振動騒音を能動的に低減する能動騒音低減装置に関するものである。
従来の能動騒音低減装置においては、適応ノッチフィルタを利用した適応制御を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。図6は、この特許文献1に記載された従来の能動騒音低減装置の構成と等価な構成を示すものである。
図6において、能動騒音低減装置を実現するための離散演算は離散演算処理部15において実行される。エンジン回転数検出器1はエンジン回転数に比例した周波数をもつパルス列をエンジンパルスpとして出力する。たとえばこのエンジンパルスpはクランク角センサーの出力を取り出すことによって作成される。周波数検出部2は、エンジンパルスpを基に騒音周波数fを算出し出力する。基準信号生成部20は、正弦波1周期を所定等分した各ポイントの値をメモリ上に保持する正弦波テーブル3を有し、選択手段21により正弦波テーブル3からデータを選択し、周波数が騒音周波数fに等しい基準正弦波信号x1[n]と基準余弦波信号x2[n]とを生成し出力する。補正信号生成部22は、スピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性値を模擬した基準正弦波信号補正値テーブル23(周波数f〔Hz〕のときの基準正弦波信号補正値をC1[f]と表す)と基準余弦波信号補正値テーブル24(周波数f〔Hz〕のときの基準余弦波信号補正値をC2[f]と表す)とを利用し、補正正弦波信号r1[n]と補正余弦波信号r2[n]とを生成し出力する。第1の1タップデジタルフィルタ7は、内部に保持するフィルタ係数W1[n]によりx1[n]をフィルタリングし、第1の制御信号y1[n]を生成する。第2の1タップデジタルフィルタ8は、内部に保持するフィルタ係数W2[n]により基準余弦波信号x2[n]をフィルタリングし、第2の制御信号y2[n]を生成する。電力増幅器9は第1の制御信号y1[n]と第2の制御信号y2[n]とを加算した信号を増幅する。スピーカ10は電力増幅器9からの出力信号を騒音打ち消し音として出力する。マイクロフォン11は騒音と騒音打ち消し音とが干渉した結果生じる音を誤差信号ε[n]として検出する。第1の適応制御アルゴリズム演算部12は補正正弦波信号r1[n]と誤差信号ε[n]を基に、例えば最急降下法の一種であるLMS(Least Mean Square)アルゴリズムに基づいてフィルタ係数W1[n]を逐次更新する。同様に、第2の適応制御アルゴリズム演算部13は補正余弦波信号r2[n]と誤差信号ε[n]を基に、フィルタ係数W2[n]を逐次更新する。
この係数W1及びW2の逐次更新式は
W1[n+1]=W1[n]−μ×r1[n]×ε[n]
W2[n+1]=W2[n]−μ×r2[n]×ε[n]
となる。ここでμは収束係数と呼ばれる定数であり、係数W1及びW2が最適値に収束する時間に関係するものである。
そして、このような上述の処理を所定周期で繰り返すことにより、騒音を低減させることができる。
特開2004−361721号公報
このような上記従来の構成の能動騒音低減装置は実際にエンジンを具備した車両に搭載され、エンジン回転に伴ういわゆるエンジンこもり音の低減等に利用され実用性が高いものである。一方このような構成の能動騒音低減装置においては騒音と干渉させる音波を生成する干渉信号生成手段としてのスピーカ等と、誤差信号検出手段としてのマイク等の間の伝達特性が初期設定値から変化した場合やその他の予期せぬ状況変化によって騒音低減性能が劣化することがあり、またその変化が大きいと逆に騒音を増音してしまうという課題があった。
本発明は、このような干渉信号生成手段としてのスピーカ等と、誤差信号検出手段としてのマイク等の間の伝達特性の初期設定値から変化をある条件の下に定期的に伝達特性同定手段を動作させることによって把握し、その結果に基づき能動型騒音制御装置の各種パラメータを変更することによって、性能の劣化を防止し安定に動作させうる能動型車室内騒音制御装置を提供することを目的とする。
本発明の能動型車室内騒音制御装置は、騒音源に起因する制御すべき騒音の周波数を検出する制御対象騒音周波数検出手段と、前記制御対象騒音周波数検出手段で検出された騒音の周波数と同一の周波数の基準正弦波を生成する正弦波生成手段と基準余弦波を生成する余弦波生成手段と前記正弦波生成手段からの基準正弦波信号が入力される第1の1タップデジタルフィルタと、前記余弦波生成手段からの基準余弦波信号が入力される第2の1タップデジタルフィルタと、前記第1の1タップデジタルフィルタからの出力と前記第2の1タップデジタルフィルタからの出力とが加算された騒音制御信号が入力され前記騒音源に起因する制御すべき騒音と干渉させるための干渉信号を出力させる干渉信号生成手段と、前記干渉信号生成手段から出力される前記干渉信号と前記騒音源に起因する制御すべき騒音との干渉の結果生じる誤差信号を検出する誤差信号検出手段と、前記第1の1タップデジタルフィルタのフィルタ係数を更新する第1の係数更新手段と、前記第2の1タップデジタルフィルタのフィルタ係数を更新する第2の係数更新手段からなり、前記第1の係数更新手段及び第2の係数更新手段は前記誤差信号検出手段からの誤差信号と前記正弦波生成手段からの基準正弦波信号と前記余弦波生成手段からの基準余弦波信号を前記誤差検出手段から前記干渉信号生成手段までの伝達特性で補正した補正正弦波信号及び補正余弦波信号とによって前記誤差信号検出手段における騒音が低減されるように前記第1の1タップデジタルフィルタ及び前記第2の1タップデジタルフィルタの係数を更新するように構成された車室内のエンジン騒音を低減するための能動型騒音制御装置において、車内にイグニッションキーの存在を検出するイグニッションキー検出手段と、前記イグニッションキー検出手段でイグニッションキーが車室内に存在しないと判断されてからの時間を計測するイグニッションキー不在時間検出手段と前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定する伝達特性同定手段とを備え、前記イグニッションキー不在時間検出手段からのイグニッションキー不在時間が所定値を超えた時に、前記伝達特性同定手段を動作させて前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定し、その同定結果に基づき前記能動型騒音制御装置の各種パラメータを都度変更することを特徴とする。
本発明の能動型車室内騒音制御装置は、車内にイグニッションキーの存在を検出するイグニッションキー検出手段と、前記イグニッションキー検出手段でイグニッションキーが車室内に存在しないと判断されてからの時間を計測するイグニッションキー不在時間検出手段と、前記イグニッションキー検出手段でイグニッションキーが車室内に存在しないと判断されてからの時間を計測するイグニッションキー不在時間検出手段と前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定する伝達特性同定手段とを備え、前記イグニッションキー不在時間検出手段からのイグニッションキー不在時間が所定値を超えた時に、即ち、車が走行中ではなく、車室内に人が存在していない状態であるから、同定に必要な干渉信号生成手段からの同定音の発生が人にとっての障害にならないので、前記伝達特性同定手段を動作させることができ、最新の前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定することができる。そして、その測定した前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の最新の伝達特性によって本発明の能動型車室内騒音制御装置の各種パラメータの値を補正することによって、経年変化による性能の劣化を防止しいつでも安定に動作が行われるという作用効果が得られる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における能動型車室内騒音制御装置について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における能動型車室内騒音制御装置のブロック図である。
図1において、エンジン回転数検出器1は車両に搭載された騒音源としてのエンジンの回転数に比例した周波数をもつパルス列をエンジンパルスpとして出力する。制御対象騒音周波数検出手段としての周波数検出部2はエンジンパルスpから制御対象騒音周波数f〔Hz〕を算出し出力する。離散化された正弦波のデータとしての正弦波テーブル3は正弦波1周期をN等分した各ポイントの正弦値をメモリ上に保持する。正弦波生成手段5はサンプリング周期ごとに正弦波テーブルより、制御対象騒音周波数fに基づいた所定の間隔でデータを読み出して基準正弦波信号x1[n]を生成する。同様に余弦波生成手段6はサンプリング周期ごとに正弦波テーブル3より、制御対象騒音周波数fに基づいた所定の間隔でデータを読み出すが、同一時点では正弦波生成手段よりN/4だけ先行したポイントを読み出すことによって基準余弦波信号x2[n]を生成している。読み出しポイントはNを超えた場合はその読み出しポイントからNを引いたポイントを新たな読み出しポイントとしなければならない。特性テーブル4はスピーカ10からマイクロフォン11までの位相特性を前記正弦波テーブル3のポイント数Nの相対的なポイント移動量に換算した位相特性換算値P[f]を周波数毎に保持する。参照信号生成部14は制御対象騒音周波数fに基づき、特性テーブル4から制御対象騒音周波数fにおける位相特性換算値P[f]を読み込み、それらに基づき補正正弦波信号r1[n]、補正余弦波信号r2[n]を生成する。
次に、第1の1タップデジタルフィルタ7は第1のフィルタ係数W1[n]を内部に保持し、基準正弦波信号x1[n]と第1のフィルタ係数W1[n]とに基づいて第1の制御信号y1[n]を出力する。第2の1タップデジタルフィルタ8は第2のフィルタ係数W2[n]を内部に保持し、基準余弦波信号x2[n]と第2のフィルタ係数W2[n]とに基づいて第2の制御信号y2[n]を出力する。電力増幅器9は第1の制御信号y1[n]と第2の制御信号y2[n]とが加算された騒音制御信号を増幅する。干渉信号生成手段としてのスピーカ10は電力増幅器9からの出力信号を騒音打ち消し音として出力する。誤差信号検出手段としてのマイクロフォン11はエンジン振動に起因して発生する制御対象騒音と騒音打ち消し音とが干渉した結果生じる音を誤差信号ε[n]として検出する。第1の係数更新手段としての第1の適応制御アルゴリズム演算部12は補正正弦波信号r1[n]と誤差信号ε[n]を基に、第1の1タップデジタルフィルタ7のフィルタ係数W1[n]を逐次更新する。第2の係数更新手段としての第2の適応制御アルゴリズム演算部13は補正余弦波信号r2[n]と誤差信号ε[n]を基に、第2の1タップデジタルフィルタ8のフィルタ係数W2[n]を逐次更新する。このように離散演算処理部15はソフトウェアにより構成される。
16は車内にイグニッションキーの存在を検出するイグニッションキー検出手段であり、車内にイグニッションキーが存在するかどうかをたとえばイグニッションキーからの発生電波を検出することや、イグニッションキーがキーシリンダーに挿入されているかどうか等によって検出する。17はイグニッションキー不在時間検出手段であり、前記イグニッションキー検出手段からの信号を受け車内にイグニッションキーが存在しなくなってからの時間を計測している。18は伝達特性同定手段であり、前記イグニッションキー不在時間検出手段からのイグニッションキー不在時間が所定値を超えた時に前記スピーカ10からマイクロフォン11の間の伝達特性を同定する。19はパラメータ調整手段であり、伝達特性同定手段18で同定されたスピーカ10からマイクロフォン11の間の最新の伝達特性に基づき、特性テーブル4の位相特性換算値P[f]や適応制御アルゴリズム演算部12,13の収束係数μ等を補正する。
次に、本装置の具体的な動作を説明する。
基準正弦波信号x1[n]の生成と、基準余弦波信号x2[n]の生成と、補正正弦波信号r1[n]の生成と、補正余弦波信号r2[n]の生成と、第1の制御信号y1[n]の生成と、第2の制御信号y2[n]の生成と、誤差信号ε[n]の検出と、フィルタ係数W1[n]の更新と、フィルタ係数W2[n]の更新は、すべて同一の周期で実行する。以降では、この周期をT〔秒〕として説明する。
周波数検出部2は、例えばエンジンパルスpの立ち上がりエッジ毎に割り込みを発生させ、立ち上がりエッジ間の時間を測定し、測定結果をもとに制御対象騒音の周波数fを算出する。
正弦波テーブル3は、正弦波1周期をN等分し、各ポイントの正弦値の離散データをメモリ上に保持する。0ポイント目からN−1ポイント目までの正弦値を格納した配列をz[m](0≦m<N)で表すとき、関係式(1)が成り立つ。
z[m]=sin(360°×m/N) ・・・(1)
例えば、N=3000の場合のz[m]のグラフと表をそれぞれ図2と図3に示す。
特性テーブル4は、スピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性の位相特性を正弦波テーブル3のポイント数Nの相対的なポイント移動量に換算した位相特性換算値配列P[f]をメモリ上に保持する(fは周波数〔Hz〕)。
f〔Hz〕のときの振幅特性をβ[f](dB)、位相特性をθ[f](度)とすると、関係式(2)が成り立つ。
P[f]=N×θ[f]/360 ・・・(2)
例えば、N=3000で、制御対象騒音周波数の範囲が30Hzから100Hzまでの場合の位相特性θ[f]の例を図4に、それに対応する位相特性換算値配列P[f]を図5に示す。
正弦波生成手段5は、正弦波テーブル3の現在の読み出し位置i[n]をメモリ上に記憶しており、制御対象騒音周波数fに基づいて現在の読み出し位置を式(3)により毎周期移動させる。
i[n+1]=i[n]+N×f×T ・・・(3)
ただし、式(3)の右辺の計算結果がN以上となった場合は、式(3)の右辺の計算結果からNを減算したものをi[n+1]とする。
同時に、正弦波生成手段5は、制御対象騒音周波数fと同一周波数の基準正弦波信号x1[n]を式(4)と式(5)により生成する。
ix1 =i[n] ・・・(4)
x1[n]=z[ix1] ・・・(5)
ただし、式(4)の右辺の計算結果がN以上となった場合は、式(4)の右辺の計算結果からNを減算したものをix1とする。
また、余弦波生成手段6は、制御対象騒音周波数fと同一周波数で、かつ、基準正弦波信号x1[n]より4分の1周期進んだ基準余弦波信号x2[n]を式(6)と式(7)により生成する。
ix2 =i[n]+N/4 ・・・(6)
x2[n]=z[ix2] ・・・(7)
ただし、式(6)の右辺の計算結果がN以上となった場合は、式(6)の右辺の計算結果からNを減算したものをix2とする。
同様にして所定の周波数f2である第2の正弦波信号x3[n]も生成する。
同時に、参照信号生成部14は、制御対象騒音周波数fにおけるスピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性の位相特性を正弦波テーブル3のポイント数Nの相対的なポイント移動量に換算した位相特性換算値を特性テーブル4よりP[f]として抽出し、以下の方法で正弦部参照信号r1[n]及び余弦部参照信号r2[n]を作成する。
正弦部参照信号r1[n]
ix3 =i[n]+P[f] ・・・(8)
r1[n]=z[ix3] ・・・(9)
余弦部参照信号r2[n]
ix4 =i[n]+N/4+P[f] ・・・(10)
r1[n]=z[ix3] ・・・(11)
次に、第1の1タップデジタルフィルタ7は第1のフィルタ係数W1[n]を内部に保持し、基準正弦波信号x1[n]と第1のフィルタ係数W1[n]とに基づいて第1の制御信号y1[n]を出力する。第2の1タップデジタルフィルタ8は第2のフィルタ係数W2[n]を内部に保持し、基準余弦波信号x2[n]と第2のフィルタ係数W2[n]とに基づいて第2の制御信号y2[n]を出力する。電力増幅器9は第1の制御信号y1[n]と第2の制御信号y2[n]とが加算された騒音制御信号を増幅する。干渉信号生成手段としてのスピーカ10は電力増幅器9からの出力信号を騒音打ち消し音として出力する。誤差信号検出手段としてのマイクロフォン11はエンジン振動に起因して発生する制御対象騒音と騒音打ち消し音とが干渉した結果生じる音を誤差信号ε[n]として検出する。第1の係数更新手段としての第1の適応制御アルゴリズム演算部12は誤差信号ε[n]と正弦部参照信号r1[n]を用いて第1の1タップデジタルフィルタ7のフィルタ係数W1[n]を逐次更新する。第2の係数更新手段としての第2の適応制御アルゴリズム演算部13は係数更新用誤差信号ε[n]と余弦部参照信号r2[n]を用いて第2の1タップデジタルフィルタ8のフィルタ係数W2[n]を逐次更新する。このように離散演算処理部15はソフトウェアにより構成される。
W1[n+1]=W1[n]−μ×r1[n]×ε[n] ・・・(12)
W2[n+1]=W2[n]−μ×r2[n]×ε[n] ・・・(13)
これらの過程をサンプリング周期ごとに実行することによって誤差信号ε[n]の中の周波数fの成分即ち、エンジンの回転に基づくいわゆるエンジンこもり音は低減する。
一方、このような能動型騒音低減装置においては、スピーカ10からマイクロフォン11までの現実の伝達特性の位相特性値とパラメータとしての特性テーブル4に保存されている位相特性換算値配列P[f]との間にズレが発生すると消音性能が劣化したり、場合によってはかえって騒音が増音する等の課題が発生することが知られている。従って、経年劣化が考えられるスピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性をできるだけ頻繁に計測し、その最新の伝達特性に基づいて、パラメータとしての特性テーブル4に保存されている位相特性換算値配列P[f]を補正することや式(12)(13)の収束係数μの値を補正することが性能の維持には重要なこととなる。しかし、スピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性を測定するためには、スピーカ10から計測のために音を発生させる必要があるため、乗員がいない状態で、かつ正確な測定の為には車両が走行していない状況で行うことが好ましい。乗員がいないことかつ車両が走行状態ではないことを確実に把握するため、イグニッションキーが車内にないことをイグニッションキー検出手段16で検出し走行状態ではないこと、また確実に車内に乗員がいないことをイグニッションキー不在時間検出手段17で、車内にイグニッションキーが存在しなくなってからの時間を計測し、イグニッションキーが車内にない時間が所定時間経過した後に車内に乗員がいることは不自然であることから判断している。そして、この状態が確認できた段階で伝達特性同定手段18を作動させ、前記スピーカ10から同定音を発生させてスピーカ10とマイクロフォン11の間の伝達特性を同定する。その後、パラメータ調整手段19で前記伝達特性同定手段18で同定したスピーカ10とマイクロフォン11の間の最新の伝達特性を用いて、特性テーブル4に保持されている、スピーカ10からマイクロフォン11までの伝達特性の位相特性を正弦波テーブル3のポイント数Nの相対的なポイント移動量に換算した位相特性換算値配列P[f]を当初の値から補正する、あるいは式(12)(13)の収束係数μの値を調整し、以降の騒音低減動作を安定に行なわせることができる。
なお伝達特性同定手段18はランダムノイズをスピーカ10から出力して広帯域の伝達特性を求める方法や、単一の正弦波信号を出力して周波数ごとの伝達特性を順次周波数を変えて求める等の公知の技術を活用できる。また、単一の正弦波信号を出力して周波数ごとの伝達特性を順次周波数を変えて求める方法を活用した場合には、制御周波数全域の周波数全部の伝達特性を求める必要はなく、スピーカ10とマイクロフォン11の伝達特性の中で特に変化しやすい周波数はあらかじめわかっている場合が多いため、それらの限定された周波数でのみ伝達特性を同定すれば十分である。
本発明にかかる能動型車室内騒音制御装置は、スピーカとマイク間の伝達特性の経時変化等による騒音低減性能の劣化を、スピーカとマイク間の伝達特性を乗員に迷惑をかけないタイミングで都度計測することによって制御パラメータを補正することで防止できるという実用性のある能動型騒音制御装置として有用である。
本発明の実施の形態1における能動型騒音制御装置を説明するためのブロック図 同能動型騒音制御装置における正弦波テーブルの例を示す特性図 同能動型騒音制御装置における正弦波テーブルの例を示す図 同能動型騒音制御装置におけるスピーカからマイクまでの伝達特性の例を示す特性図 同能動型騒音制御装置におけるスピーカからマイクまでの伝達特性に対応する位相特性換算値配列の例を示す図 従来の能動騒音低減装置の構成を示すブロック図
符号の説明
1 エンジン回転数検出器
2 周波数検出部(制御対象騒音周波数検出手段)
3 正弦波テーブル
4 特性テーブル
5 正弦波生成手段
6 余弦波生成手段
7 第1の1タップデジタルフィルタ
8 第2の1タップデジタルフィルタ
9 電力増幅器
10 スピーカ(干渉信号生成手段)
11 マイクロフォン(誤差信号検出手段)
12 第1の適応制御アルゴリズム演算部(第1の係数更新手段)
13 第2の適応制御アルゴリズム演算部(第2の係数更新手段)
14 参照信号生成部
15 離散演算処理部
16 イグニッションキー検出手段
17 イグニッションキー不在時間検出手段
18 伝達特性同定手段
19 パラメータ調整手段
20 基準信号生成部
21 選択手段
22 補正信号生成部
23 基準正弦波信号補正値テーブル
24 基準余弦波信号補正値テーブル

Claims (1)

  1. 騒音源に起因する制御すべき騒音の周波数を検出する制御対象騒音周波数検出手段と、前記制御対象騒音周波数検出手段で検出された騒音の周波数と同一の周波数の基準正弦波を生成する正弦波生成手段と基準余弦波を生成する余弦波生成手段と前記正弦波生成手段からの基準正弦波信号が入力される第1の1タップデジタルフィルタと、前記余弦波生成手段からの基準余弦波信号が入力される第2の1タップデジタルフィルタと、前記第1の1タップデジタルフィルタからの出力と前記第2の1タップデジタルフィルタからの出力とが加算された騒音制御信号が入力され前記騒音源に起因する制御すべき騒音と干渉させるための干渉信号を出力させる干渉信号生成手段と、前記干渉信号生成手段から出力される前記干渉信号と前記騒音源に起因する制御すべき騒音との干渉の結果生じる誤差信号を検出する誤差信号検出手段と、前記第1の1タップデジタルフィルタのフィルタ係数を更新する第1の係数更新手段と、前記第2の1タップデジタルフィルタのフィルタ係数を更新する第2の係数更新手段からなり、前記第1の係数更新手段及び第2の係数更新手段は前記誤差信号検出手段からの誤差信号と前記正弦波生成手段からの基準正弦波信号と前記余弦波生成手段からの基準余弦波信号を前記誤差検出手段から前記干渉信号生成手段までの伝達特性で補正した補正正弦波信号及び補正余弦波信号とによって前記誤差信号検出手段における騒音が低減されるように前記第1の1タップデジタルフィルタ及び前記第2の1タップデジタルフィルタの係数を更新するように構成された車室内のエンジン騒音を低減するための能動型騒音制御装置において、車内にイグニッションキーの存在を検出するイグニッションキー検出手段と、前記イグニッションキー検出手段でイグニッションキーが車室内に存在しないと判断されてからの時間を計測するイグニッションキー不在時間検出手段と前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定する伝達特性同定手段とを備え、前記イグニッションキー不在時間検出手段からのイグニッションキー不在時間が所定値を超えた時に、前記伝達特性同定手段を動作させて前記干渉信号生成手段と前記誤差信号検出手段の間の伝達特性を同定し、その同定結果に基づき前記能動型騒音制御装置の各種パラメータを都度変更することを特徴とする能動型車室内騒音制御装置。
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