JP2008244189A - 回路基板および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、薄膜化に対応した回路基板および半導体装置を提供することにあり、かつ回路パターンに応じたプリプレグを用いて良好な回路基板および半導体装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の回路基板は、シート状基材のコア層と、前記コア層の一方面側に形成される第1樹脂層および他方面側に形成される第2樹脂層とを有するプリプレグと、回路配線が形成された基板とが積層されてなる回路基板であって、前記プリプレグの第1樹脂層は、前記基板の回路配線が形成された面に接合されており、前記第1樹脂層の厚さが前記第2樹脂層の厚さよりも厚く、かつ前記第1樹脂層の厚さをB1[μm]とし、第1樹脂層に接する回路配線の厚さをt1[μm]およびその回路配線の残銅率をS[%]とし、回路配線部の上端面からコア層までの厚さをt2[μm]としたとき、B1=t2+t1×(1−S/100)である関係を満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、回路基板および半導体装置に関する。
シート状基材のコア層としてガラス繊維基材等を用い、熱硬化性樹脂を含浸して得られるプリプレグを用いて回路基板が形成されている。このプリプレグは、厚さ50〜200μm程度のガラス繊維基材を熱硬化性樹脂のワニスに浸漬する方法等によって得られる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、近年の電子部品・電子機器等の小型化・薄膜化等に伴って、それに用いられる回路基板等にも小型化・薄膜化が要求される。それに伴い、回路基板には、より高密度の回路配線パターンを形成することが必要となってきている。
このような高密度の回路パターンを形成するために、多層構造の回路基板を用い、その各層を薄くすることが行なわれているが、内層の回路パターンによって必要とされる樹脂量が異なるため、プリプレグの積層時に樹脂がはみ出したり、回路を埋める樹脂が不足したりするため良好な回路基板を得られない場合があった。
特開2004−216784号公報
本発明の目的は、薄膜化に対応した回路基板および半導体装置を提供することにあり、かつ回路パターンに応じたプリプレグを用いて良好な回路基板および半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。
(1)シート状基材のコア層と、前記コア層の一方面側に形成される第1樹脂層および他方面側に形成される第2樹脂層とを有するプリプレグと、回路配線が形成された基板とが積層されてなる回路基板であって、前記プリプレグの第1樹脂層は、前記基板の回路配線が形成された面に接合されており、前記第1樹脂層の厚さが前記第2樹脂層の厚さよりも厚く、かつ前記第1樹脂層の厚さをB1[μm]とし、第1樹脂層に接する回路配線の厚さをt1[μm]およびその回路配線の残銅率をS[%]とし、回路配線部の上端面からコア層までの厚さをt2[μm]としたとき、B1=t2+t1×(1−S/100)である関係を満たすことを特徴とする回路基板。
(2)前記シート状基材の厚さは、5〜25μmである上記(1)に記載の回路基板。
(3)前記プリプレグの硬化後の面方向の熱膨張係数は、20ppm/℃以下である上記(1)または(2)に記載の回路基板。
(4)前記第1樹脂層の厚さと、前記第2樹脂層の厚さとの比(第2樹脂層/第1樹脂層)、0.1〜1である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の回路基板。
(5)前記第2樹脂層の厚さは、5〜15μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の回路基板。
(6)前述のシート状基材が、誘電率7以下、熱膨張係数6ppm/℃以下である上記(1)〜(5)いずれかに記載の回路基板。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の回路基板に半導体素子が搭載されてなることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、薄膜化に対応することが可能であり、かつ回路パターンに応じて最適なプリプレグを用いて良好な回路基板を提供することができる。すなわち、回路パターン(例えば残銅率、銅箔の厚さ)に応じてシート状基材のコア層、たとえば繊維基材などをプリプレグの厚さ方向に偏在させることで、回路パターンに応じた必要な樹脂量のみを有するプリプレグを用いて、厚みが薄くかつ樹脂の不足や過多による不具合の無い良好な回路基板を得ることができる。
また、本発明によれば上記回路基板を有する半導体装置を提供することができ、それによって厚みの薄いの半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の回路基板および半導体装置について説明する。
本発明の回路基板は、シート状基材のコア層と、前記コア層の一方面側に形成される第1樹脂層および他方面側に形成される第2樹脂層とを有するプリプレグと、回路配線が形成された基板とが積層されてなる回路基板であって、前記プリプレグの第1樹脂層は、前記基板の回路配線が形成された面に接合されており、前記第1樹脂層の厚さが前記第2樹脂層の厚さよりも厚く、かつ前記第1樹脂層の厚さをB1[μm]とし、第1樹脂層に接する回路配線の厚さをt1[μm]およびその回路配線の残銅率をS[%]とし、回路配線部の上端面からコア層までの厚さをt2[μm]としたとき、B1=t2+t1×(1−S/100)である関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の回路基板に半導体素子が搭載されてなることを特徴とする。
まず、回路基板について説明する。
回路基板は、図1に示すようなプリプレグ10と、図2に示すような基板30とで構成されている。
プリプレグ10は、シート状基材のコア層11と、コア層11の一方の面側(図1中の上側)に形成される第1樹脂層1と、他方の面側(図1中の下側)に形成される第2樹脂層2とを有している。
基板30には、コア材4の両表面から突出するように回路配線部5が形成されている。回路配線5同士の間には、空間部51が形成されている。プリプレグ10と基板30とが接合された際に、空間部51に、第2樹脂層2が埋め込まれることになる。
図3は、プリプレグ10と、基板30とが積層されている状態を模式的に示したものである。図3に示すように、回路配線5同士の間の空間部51に、第1樹脂層1が埋設されている。
そして、第1樹脂層1の厚さをB1[μm]とし、回路配線部5の厚さをt1[μm]およびその残銅率をS[%]とし、回路配線部5の上端面(図3中上側)からコア層11までの厚さをt2[μm]としたとき、B1=t2+t1×(1−S/100)である関係を満たす。これにより、回路配線のパターンに最適な樹脂層厚さを設定することができ、最終的に得られる回路基板の厚さを薄くすることができる。
ここで、t2の厚さは、特に限定されないが、0〜15μmが好ましい。また、回路配線部5とコア層11との接触による回路配線部5での絶縁性の低下等が懸念される場合は、t2を3〜15μmとすることが好ましい。一方、最終的な回路基板の厚さを薄くする場合には、t2を0〜5μmとすることが好ましく、さらに絶縁性と薄さを両立するためには、t2を3〜5μmとすることが好ましい。これにより、プリプレグ10の厚さを最適化した上で、一方の面側には回路配線部5への埋め込み性に優れ、かつ他方の面側には高い絶縁信頼性を付与することができる。
また、プリプレグ10全体の厚さをt0[μm]とし、回路配線部5の厚さをt1[μm]としたとき、t0とt1の差(t3)は、特に限定されないが、35μm以下であることが好ましく、特に10〜30μmであることが好ましい。これにより、最終的に得られる回路基板の厚さが薄くても、絶縁信頼性を維持することができる。
また、第2樹脂層2の厚さB2[μm]も特に限定されないが、表面のメッキ付き性を主として要求されるだけの場合は、5〜15μmが好ましく、特に8〜10μmが好ましい。これにより、一方の面側のメッキ付き性に優れる。
また、第1樹脂層1の厚さB1[μm]と、第2樹脂層2の厚さB2[μm]との比(B2/B1)も特に限定されないが、0.1〜1が好ましく、特に0.2〜0.4が好ましい。厚さの比が前記範囲内であると、特にコア層11の波打ちを低減でき、それによってプリプレグ10の平坦性が向上し得られる基板の歩留が向上する。
プリプレグ10の全体の厚さは、特に限定されないが、10〜35μmが好ましく、特に10〜25μmが好ましい。これにより、特に6層以上に多層化しても基板を薄い状態に維持でき、最終的に薄い半導体装置を得ることができる。
回路基板は、例えば上述したプリプレグ10を、基板30の両面側に積層して得られる。このような回路基板は、例えば表面に回路パターンを有した基板30の両面に、プリプレグ10を重ね、さらに最外層に銅箔を重ねて、加熱、加圧成形することで得ることができる。
回路基板について、図4に示すような4層の回路配線を有する回路基板に基づいて詳細に説明する。
回路基板70は、基板30の両面にプリプレグ10aおよび10bが積層されている。
基板30には、基板30を貫通するようにスルーホール41が設けられている。スルーホール41の内部は、銅メッキされており、基板30の両表面に形成されている回路配線部5と電気的に接続されている。
基板30の両表面の回路配線部5を覆うように、プリプレグ10aおよび10bが設けられている。プリプレグ10aおよび10bの第1樹脂層1は、それぞれ回路配線部5同士の空間部51へ埋め込まれている。
プリプレグ10aおよび10bの表面には、回路配線部5a、5bが形成されている。回路配線部5a、5bは、例えば銅メッキにより形成することができる。また、プリプレグ10aおよび10bには、プリプレグ10a、10bを貫通するようにスルーホール101が設けられている。スルーホール101の内部は、銅メッキされており、基板30の表面に形成されている回路配線部5と、プリプレグ10の表面に形成されている回路配線部5a、5bとを電気的に接続されている。
このように、回路基板70を構成するプリプレグ10の第1樹脂層1の厚さが、回路配線部5の厚さと上述したような関係を満足するために、回路基板70の厚さを薄くすることができる。
次に、上述のようなプリプレグ10について説明する。
プリプレグ10は、図1に示すようにシート状基材のコア層11と、コア層11の一方の面側(図1中の上側)に形成される第1樹脂層1と、他方の面側(図1中の下側)に形成される第2樹脂層2とを有している。以下、それぞれについて説明する。
(コア層)
コア層11を構成するシート状基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグ10の強度を向上することができる。
このようなガラス繊維基材を構成するガラスとしては、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス等が挙げられる。これらの中でもN、NE、S、Tガラスが好ましい。これにより、ガラス繊維基材の熱膨張係数を小さくすることができ、それによってプリプレグの熱膨張係数を小さくすることができる。
シート状基材の厚さは、特に限定されないが、5〜25μmであることが好ましく、特に10〜15μmであることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に、基板の薄膜化と基板の強度とのバランス、さらには層間接続の加工性や信頼性に優れる。
また、シート状基材の誘電率は、特に限定されないが、7以下であることが好まし。
また、シート状基材の熱膨張係数は、特に限定されないが、6ppm/℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは3ppm/℃以下であることが好ましい。
(第1樹脂層)
第1樹脂層1は、例えば硬化性樹脂と、硬化剤等とを含む樹脂組成物で構成されている。
硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。 これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用してもよい。
これらの中でも、特に、シアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)が好ましい。これにより、プリプレグ10の熱膨張係数を小さくすることができる。さらに、プリプレグ10の電気特性(低誘電率、低誘電正接)等にも優れる。
前記シアネート樹脂は、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノー
ル型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これにより、架橋密度増加による耐熱性向上と、樹脂組成物等の難燃性を向上することができる。ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成するからである。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。さらに、プリプレグ10を薄膜化(厚さ35μm以下)した場合であってもプリプレグ10に優れた剛性を付与することができる。特に加熱時における剛性に優れるので、半導体素子実装時の信頼性にも特に優れる。
前記ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば式(I)で示されるものを使用することができる。
Figure 2008244189
前記式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に2〜7が好ましい。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であるとノボラック型シアネート樹脂は耐熱性が低下し、加熱時に低量体が脱離、揮発する場合がある。また、平均繰り返し単位nが前記上限値を超えると溶融粘度が高くなりすぎ、プリプレグ10の成形性が低下する場合がある。
前記シアネート樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量500〜4,500が好ましく、特に600〜3,000が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であるとプリプレグ10を作製した場合にタック性が生じ、プリプレグ10同士が接触したとき互いに付着したり、樹脂の転写が生じたりする場合がある。また、重量平均分子量が前記上現値を超えると反応が速くなりすぎ、基板(特に回路基板)とした場合に、成形不良が生じたり、層間ピール強度が低下したりする場合がある。
前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
また、特に限定されないが、前記シアネート樹脂は、1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
前記熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の5〜50重量%が好ましく、特に20〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であるとプリプレグ10を形成するのが困難となる場合があり、前記上限値を超えるとプリプレグ10の強度が低下する場合がある。
また、前記樹脂組成物は、無機充填材を含むことが好ましい。これにより、最終的に得
られる回路基板を薄膜化(厚さ0.5mm以下)にしても強度に優れることができる。さらに、回路基板の低熱膨張化を向上することもできる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。無機充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。これらの中でも特に、シリカが好ましく、溶融シリカ(特に球状溶融シリカ)が低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、繊維基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使う等、その目的にあわせた使用方法が採用される。
前記無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜5.0μmが好ましく、特に0.1〜2.0μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であるとワニスの粘度が高くなるため、プリプレグ10作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、ワニス中で無機充填剤の沈降等の現象が起こる場合がある。
この平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
また前記無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
更に平均粒子径5.0μm以下の球状シリカ(特に球状溶融シリカ)が好ましく、特に平均粒子径0.01〜2.0μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填剤の充填性を向上させることができる。
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20〜80重量%が好ましく、特に30〜70重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、低吸水とすることができる。
前記熱硬化性樹脂としてシアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)を用いる場合は、エポキシ樹脂(実質的にハロゲン原子を含まない)を用いることが好ましい。前記エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂 ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
これらエポキシ樹脂の中でも特にアリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
前記アリールアルキレン型エポキシ樹脂とは、繰り返し単位中に一つ以上のアリールアルキレン基を有するエポキシ樹脂をいう。例えばキシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましい。ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は、例えば式(II)で示すことができる。
Figure 2008244189
前記式(II)で示されるビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1〜10が好ましく、特に2〜5が好ましい。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であるとビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂は結晶化しやすくなり、汎用溶媒に対する溶解性が比較的低下するため、取り扱いが困難となる場合がある。また、平均繰り返し単位nが前記上限値を超えると樹脂の流動性が低下し、成形不良等の原因となる場合がある。
前記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の1〜55重量%が好ましく、特に2〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であるとシアネート樹脂の反応性が低下したり、得られる製品の耐湿性が低下したりする場合があり、前記上限値を超えると耐熱性が低下する場合がある。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量500〜20,000が好ましく、特に800〜15,000が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であるとプリプレグ10にタック性が生じる場合が有り、前記上限値を超えるとプリプレグ10作製時、シート状基材への含浸性が低下し、均一な製品が得られない場合がある。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記熱硬化性樹脂としてシアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)を用いる場合は、フェノール樹脂を用いることが好ましい。前記フェノール樹脂としては、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でも特に、アリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに吸湿半田耐熱性を向上させることができる。
前記アリールアルキレン型フェノール樹脂としては、例えばキシリレン型フェノール樹脂、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂等が挙げられる。ビフェニルジメチレン型フ
ェノール樹脂は、例えば式(III)で示すことができる。
Figure 2008244189
前記式(III)で示されるビフェニルジメチレン型フェノール樹脂の繰り返し単位nは、特に限定されないが、1〜12が好ましく、特に2〜8が好ましい。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であると耐熱性が低下する場合がある。また、前記上限値を超えると他の樹脂との相溶性が低下し、作業性が低下する場合がある。
前述のシアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)とアリールアルキレン型フェノール樹脂との組合せにより、架橋密度をコントロールし、反応性を容易に制御できる。
前記フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の1〜55重量%が好ましく、特に5〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えると低熱膨張の特性が損なわれる場合がある。
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量400〜18,000が好ましく、特に500〜15,000が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であるとプリプレグ10にタック性が生じる場合が有り、前記上限値を超えるとプリプレグ10作製時、シート状基材への含浸性が低下し、均一な製品が得られない場合がある。
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
更に、前記シアネート樹脂(特にノボラック型シアネート樹脂)と前記フェノール樹脂(アリールアルキレン型フェノール樹脂、特にビフェニルジメチレン型フェノール樹脂)と前記エポキシ樹脂(アリールアルキレン型エポキシ樹脂、特にビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂)との組合せを用いて基板(特に回路基板)を作製した場合、特に優れた寸法安定性を得ることが出来る。
前記樹脂組成物は、特に限定されないが、カップリング剤を用いることが好ましい。前記カップリング剤は、前記熱硬化性樹脂と、前記無機充填材との界面の濡れ性を向上させることにより、シート状基材に対して熱硬化性樹脂等および無機充填材を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良することができる。
前記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
前記カップリング剤の添加量は、前記無機充填材の比表面積に依存するので特に限定されないが、無機充填材100重量部に対して0.05〜3重量部が好ましく、特に0.1〜2重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると無機充填材を十分に被覆できないため耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応に影響を与え、曲げ強度等が低下する場合がある。
前記樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を用いても良い。前記硬化促進剤としては公知の物を用いることが出来る。例えばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の0.05〜5重量%が好ましく、特に0.2〜2重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると硬化を促進する効果が現れない場合があり、前記上限値を超えるとプリプレグ10の保存性が低下する場合がある。
前記樹脂組成物では、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマ−、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエン等のジエン系エラストマーを併用しても良い。
また、前記樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
(第2樹脂層)
第2樹脂層2は、第1樹脂層1と同様に例えばエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂等の熱硬化性樹脂と、硬化剤等とを含む樹脂組成物で構成されている。
ここで、第2樹脂層2と第1樹脂層1とを構成する樹脂組成物は、同じであっても異なっていても良いが、異なることが好ましい。これにより、各樹脂層に対して異なる機能を付与することができる。
具体的な樹脂組成については、第1樹脂層1を構成する樹脂組成と同様のものを用いることができる。
このような第1樹脂層と第2樹脂層とを有するプリプレグは、例えば上述の樹脂組成物をシート状基材に含浸させてなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れたプリント配線板を製造するのに好適なプリプレグを得ることができる。
上述の樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法には、例えば、本発明の樹脂組成物を用
いて樹脂ワニスを調製し、繊維基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法、真空ラミネート法等が挙げられる。これらの中でも、真空ラミネート法が好ましい。これにより、シート状基材に対する樹脂層の偏在位置を自由にコントロールすることができ、含浸性にも優れる。
真空ラミネート法について簡単に説明すると、予めキャリアフィルム等に第1樹脂層1および第2樹脂層2を構成する樹脂組成物を、それぞれ塗布したキャリア材料を製造し、このキャリア材料をシート状基材の両面から真空中でラミネート後、真空中もしくは大気中で熱処理乾燥させる方法が挙げられる。このような方法によると、キャリア材料に塗布する第1樹脂層1および第2樹脂層2の厚さ、構成する樹脂組成を変えるだけで、プリプレグ10の両面の樹脂組成を異なるようにしたり、両面それぞれの樹脂層の厚さを調整したりすることが容易となる。
前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記樹脂組成物中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系等が挙げられる。
前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂組成物の固形分40〜8
0重量%が好ましく、特に50〜65重量% が好ましい。これにより、樹脂ワニスの繊
維基材への含浸性を更に向上できる。前記繊維基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば80〜200℃等で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
このようなプリプレグ10硬化後の面方向の線膨張係数は、特に限定されないが、20ppm以下であることが好ましく、特に5〜10ppmであることが好ましい。線膨張係数が前記範囲内であると、繰り返しの熱衝撃に対する耐クラック性を向上することができる。
前記面方向の線膨張係数は、例えばTMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して評価することができる。
プリプレグ10の硬化後とは、例えばDSC装置で評価したときの反応率が80%以上となる状態を意味する。
(基板)
基板30は、コア材4と、コア材4の両表面から突出するように回路配線5が形成されている。
コア材4は、例えば、住友ベークライト性ELC−4785GS、その他FR4やFR5等のプリント配線用基板を挙げることができる。
コア材4の厚さは、特に限定されないが、50〜200μmが好ましく、特に50〜100μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に最終的に得られる回路基板を薄くすることができ、かつ反りなどの変形を抑えることに優れる。
回路配線5は、例えば銅メッキ、銅箔をエッチング等することにより得られる。回路配線5の高さは、特に限定されないが、35μm以下が好ましく、特に3〜25μmが好ましい。高さが前記範囲内であると、回路形成性と埋め込み性とのバランスに優れる。
このようなプリプレグ10と、基板30とで構成される回路基板70に、半導体素子を搭載することで半導体装置を得ることができる。上述したように、回路基板70は、厚さを薄くすることができるので、半導体装置の厚さも薄くすることができるものである。
上述の説明では、基板30の両面にプリプレグ10が一層積層される場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、プリプレグ10を2層、3層以上の多層積層しても良い。この場合には、各プリプレグをすべて同じものを用いる必要が無い。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
1)第1樹脂層の形成
(樹脂ワニスの調製)
熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット
PT−30、重量平均分子量約2,600)15重量%、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000P、エポキシ当量275)8重量%、フェノール樹脂としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S、水酸基当量203)7重量%およびカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)を、後述する無機充填材100重量部に対して0.3重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、無機充填材として球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)20重量%および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50重量%を添加し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌して樹脂材料ワニスを調製した。
(第1キャリア材料の形成)
キャリアフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、SFB−38、厚さ38μm、幅480m)を用い、上述の樹脂材料ワニスをコンマコーター装置で塗工し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥させ、厚さ20μm、幅410mmの樹脂層が、キャリアフィルムの幅方向の中心に位置するように形成してキャリア材料1(最終的に第1樹脂層を形成)を得た。
2)第2樹脂層の形成
(樹脂ワニスの調製)
熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット
PT−30、重量平均分子量約2,600)15重量%、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000P、エポキシ当量275)8重量%、フェノール樹脂としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S、水酸基当量203)7重量%およびカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)を、後述する無機充填材100重量部に対して0.3重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、無機充填材として球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)20重量%および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50重量%を添加し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌して樹脂材料ワニスを調製した。
(第2キャリア材料の形成)
キャリアフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、SFB−38、厚さ38μm、幅480m)を用い、上述の樹脂材料ワニスをコンマコーター装置で塗工し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥させ、厚さ8μm、幅360mmの樹脂層が、キャリアフィルムの幅方向の中心に位置するように形成してキャリア材料2(最終的に第2樹脂層を形成)を得た。
3)プリプレグの製造
繊維基材としてガラス繊維基材(クロスタイプ♯1015、幅360mm、厚さ15μm、坪量17g/m)を用い、真空ラミネート装置および熱風乾燥装置によりプリプレグを製造した。具体的には、ガラス繊維基材の両面に前記キャリア材料1およびキャリア材料2がガラス繊維基材の幅方向の中心に位置するように、それぞれ重ね合わせ、750Torrの減圧条件下で、80℃のラミネートロールを用いて接合した。ここで、ガラス繊維基材の幅方向寸法の内側領域においては、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層を繊維布の両面側にそれぞれ接合するとともに、ガラス繊維基材の幅方向寸法の外側領域においては、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層同士を接合した。次いで、上記接合したものを、120℃に設定した横搬送型の熱風乾燥装置内を2分間通すことによって、圧力を作用させることなく加熱処理して、厚さ35μm(第1樹脂層:16μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)のプリプレグを得た。
4)回路基板の製造
表面に導体間隔50μmのくし形パターンを有し、回路厚さ18μmで残銅率50%のコア基板に、プリプレグを重ね、さらに最外層に銅箔を重ねて、加熱、加圧成形(3MPa、200℃、90分間)して多層基板を得た。
5)半導体装置の製造
最外層の銅箔(厚さ12μm)に回路形成した後に半導体素子を搭載して半導体装置を得た。
(実施例2)
シート状基材として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
シート状基材として、ガラス繊維基材(クロスタイプ#106、幅360mm、厚さ35μm、坪量24g/m)を用いた。
(実施例3)
第1樹脂層の樹脂組成を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・「Ep5048」)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部および硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部をメチルセルソルブ100重量部に溶解させて樹脂ワニスを得た。厚さ30μm(第1樹脂層:11μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)のプリプレグを得た。
(比較例1)
繊維基材およびキャリア材料1、2を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
繊維基材としてガラス繊維基材(クロスタイプ♯1080、厚さ55μm、坪量47g/m)を用いた。なお、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層の厚さを、それぞれ20μm(キャリア材料1)および20μm(キャリア材料2)とした。
得られたプリプレグの厚さは、65μm(第1樹脂層:5μm、繊維基材:55μm、第2樹脂層:5μm)であった。そして、表面に導体間隔50μmのくし形パターンを有し、回路厚さ18μmで残銅率50%のコア基板に、プリプレグを重ね、さらに最外層に銅箔を重ねて、加熱、加圧成形(3MPa、200℃、90分間)して多層基板を得た。また、最外層の銅箔(厚さ12μm)に回路形成した後に半導体素子を搭載して半導体装置を得た。
各実施例および比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1.回路基板厚さ
得られた回路基板の厚さを測定した。
2.絶縁信頼性
内外層に導体間隔50μmのくし形パターンを有する、絶縁信頼性試験用の4層プリント配線板を作製し、これらの絶縁抵抗を自動超絶縁抵抗計(ADVANTEST社製)で測定した後、PCT−130℃/85%の雰囲気中で、直流電圧50Vを印加、96時間経過後の絶縁抵抗を測定した。測定時の印加電圧は100Vで1分とし、絶縁抵抗が1×10Ω以上であるものを○、絶縁抵抗が1×10Ω未満であるものを×とした。
3.埋め込み性
くし形パターン部の断面を顕微鏡で観察して樹脂層の埋め込み性を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのサンプルについて埋め込み性に優れていた。
○:ガラス織布への回路配線の接触が一部有るが、実用上問題無かった。
△:ガラス織布への回路配線の接触が一部有り、実用不可であった。
×:樹脂層の埋め込みが、不十分でボイド等有った。
Figure 2008244189
表1から明らかなように、実施例1〜3の回路基板の厚さは、200μm以下であり薄い回路基板が得られることが示された。
また、実施例1〜3の回路基板は、絶縁信頼性および埋め込み性にも優れていた。
また、実施例1〜3の半導体装置は、正常に作動することが確認された。
図1は、プリプレグの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、基板の一例を示す断面図である。 図3は、プリプレグと、基板とが積層されている状態を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の回路基板の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 第1樹脂層
2 第2樹脂層
4 コア材
41 スルーホール
5 回路配線部
5a 回路配線部
5b 回路配線部
51 空間部
10 プリプレグ
10a プリプレグ
10b プリプレグ
101 スルーホール
11 コア層
30 基板
70 回路基板

Claims (7)

  1. シート状基材のコア層と、前記コア層の一方面側に形成される第1樹脂層および他方面側に形成される第2樹脂層とを有するプリプレグと、回路配線が形成された基板とが積層されてなる回路基板であって、
    前記プリプレグの第1樹脂層は、前記基板の回路配線が形成された面に接合されており、
    前記第1樹脂層の厚さが前記第2樹脂層の厚さよりも厚く、かつ前記第1樹脂層の厚さをB1[μm]とし、第1樹脂層に接する回路配線の厚さをt1[μm]およびその回路配線の残銅率をS[%]とし、回路配線部の上端面からコア層までの厚さをt2[μm]としたとき、B1=t2+t1×(1−S/100)である関係を満たすことを特徴とする回路基板。
  2. 前記シート状基材の厚さは、5〜25μmである請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記プリプレグの硬化後の面方向の熱膨張係数は、20ppm/℃以下である請求項1または2に記載の回路基板。
  4. 前記第1樹脂層の厚さと、前記第2樹脂層の厚さとの比(第2樹脂層/第1樹脂層)、0.1〜1である請求項1ないし3のいずれかに記載の回路基板。
  5. 前記第2樹脂層の厚さは、5〜15μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板。
  6. 前記シート状基材が、誘電率7以下、熱膨張係数6ppm/℃以下である請求項1〜5いずれかに記載の回路基板。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の回路基板に半導体素子が搭載されてなることを特徴とする半導体装置。
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