JP2008244115A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮断部材と基板上面との間に形成される間隙空間に発生する気流によって中心軸部材に設けられた処理液吐出口から残留処理液が落下するのを防止することができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】中心軸部材6の下端面6aが遮断部材5の下面5aに対して上方位置に配置されるとともに、混合液吐出口62aが中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置されている。このため、混合液吐出口62aの近傍に混合液が残留付着している場合であっても、残留混合液に対する間隙空間SP1に発生する気流の影響を低減することができる。このため、混合液吐出口62aからの混合液の吐出が停止している間に混合液吐出口62aから残留混合液が基板表面Wfに落下するのを防止することができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、基板上面に処理液を供給して該基板上面に対して所定の湿式処理を施す基板処理装置および基板処理方法に関するものである。なお、湿式処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等が含まれる。
従来、この種の基板処理装置として、半導体ウエハ等の基板をスピンチャック(基板保持手段)により略水平姿勢に保持しつつ基板を回転させながら処理液を基板に供給して該基板に対して所定の湿式処理を施す基板処理装置がある(特許文献1参照)。
この基板処理装置においては、スピンチャックにより保持された基板の上面に円盤状の遮断部材が対向して配置されている。遮断部材は内部が中空に形成された回転支持筒の下端に接続され、回転支持筒の中空部には、円柱状の内挿軸(中心軸部材)が挿通されている。内挿軸には薬液や純水などの処理液の通路となる処理液供給路が形成されており、処理液供給路の基板上面と対向する下端(先端)が処理液吐出口となっている。また、内挿軸には処理液供給路の側方に並んで窒素ガスなどのガスの通路となるガス供給路が形成されており、ガス供給路の下端がガス吐出口となっている。さらに、内挿軸の外周面と回転支持筒の内周面との間に形成される空間部分が外側ガス供給路を構成し、外側ガス供給路の下端が環状の外側ガス吐出口となっている。そして、基板の薬液処理およびリンス処理後であってスピン乾燥処理前に、ガス吐出口および外側ガス吐出口からそれぞれガスを遮断部材と基板上面との間に形成される空間(間隙空間)に向けて吐出させることにより、基板上面に残っている水滴を基板から排除している。
特開2004−146784号公報(図1)
しかしながら、上記従来装置では、薬液処理やリンス処理などの湿式処理を停止している間に次のような問題が発生する場合があった。すなわち、上記従来装置では、処理液供給路の先端(処理液吐出口の近傍)に処理液が残っていると、このような処理液(以下「残留処理液」という)が湿式処理を停止している間にガス吐出口および外側ガス吐出口から間隙空間に向けて吐出されたガスによって発生する気流の影響を受けて処理液吐出口から基板上面に落下することがあった。その結果、基板上面に残留処理液が付着してパーティクルの発生源となって基板を汚染してしまうことがあった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、遮断部材と基板上面との間に形成される間隙空間に発生する気流によって中心軸部材に設けられた処理液吐出口から残留処理液が落下するのを防止することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
この発明は、基板を回転させながら前記基板の上面に処理液を供給して該基板上面に対して所定の湿式処理を施す基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板を略水平姿勢で保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板を回転させる回転手段と、基板保持手段に保持された基板の上面中央部の上方に伸びるように配置され、その下端側に設けられた処理液吐出口から基板の上面中央部に向けて処理液を吐出可能な中心軸部材と、中心軸部材の径方向外側で中心軸部材を取り囲むように基板上面に対向する対向面を有し、該対向面を基板上面に対向させながら基板上面から離間配置された遮断部材と、遮断部材の対向面と基板上面との間に形成される間隙空間にガスを供給するガス供給手段と、ガス供給手段を制御して処理液吐出口からの処理液の吐出を停止している間にガスを間隙空間に供給する制御手段とを備え、中心軸部材の下端面は遮断部材の対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、処理液吐出口は中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されていることを特徴としている。
また、この発明は、基板を略水平姿勢で保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板を回転させる回転手段と、基板保持手段に保持された基板の上面中央部の上方に伸びるように配置され、その下端側に設けられた処理液吐出口から基板の上面中央部に向けて処理液を吐出可能な中心軸部材と、中心軸部材の径方向外側で中心軸部材を取り囲むように基板上面に対向する対向面を有し、該対向面を基板上面に対向させながら基板上面から離間配置された遮断部材と、遮断部材の対向面と基板上面との間に形成される間隙空間にガスを供給するガス供給手段とを備えた基板処理装置を用いて、基板を回転させながら基板の上面に処理液を供給して該基板上面に対して所定の湿式処理を施す基板処理方法であって、上記目的を達成するため、中心軸部材の下端面は遮断部材の対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、処理液吐出口は中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されており、処理液吐出口からの処理液の吐出を停止している間にガス供給手段によりガスを間隙空間に供給することを特徴としている。
このように構成された発明では、基板を回転させながら遮断部材と基板上面との間に形成される間隙空間にガスが供給され、間隙空間にガスによる気流が発生する。そして、この間隙空間を中心軸部材の下端面が臨むように中心軸部材が配置されている。このため、中心軸部材の下端面は間隙空間で発生する気流の影響を受ける可能性がある。しかしながら、この発明では、中心軸部材の下端面が遮断部材の対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、処理液吐出口が中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されている。このため、処理液吐出口の近傍に残留処理液が付着している場合であっても、残留処理液に対する間隙空間に発生する気流の影響を低減することができる。したがって、処理液吐出口からの処理液の吐出が停止している間に処理液吐出口から残留処理液が基板上面に落下するのを防止することができる。
ここで、中心軸部材と遮断部材とに挟まれた環状空間を外側ガス供給路として該外側ガス供給路を介して間隙空間にガスを供給する場合、中心軸部材の先端に形成されたガス吐出口から間隙空間にガスを供給する場合または両方(外側ガス供給路とガス吐出口)からガスを供給する場合のいずれであっても、間隙空間に発生する気流の影響を低減して処理液吐出口からの残留処理液の落下を防止することができる。
また、中心軸部材には基板の上面中央部に向けて第1液体を吐出する第1液体吐出口を形成し、処理液吐出口から第1液体よりも表面張力が低い第2液体を処理液として基板の上面中央部に向けて吐出させてもよい。この構成によれば、間隙空間をガス雰囲気としながら基板の上面中央部に2種類の液体、つまり第1液体と該第1液体よりも表面張力が低い第2液体とを供給可能となっている。ここで、第2液体は第1液体に比較して表面張力が低いため、中心軸部材に対する付着力が小さい。このため、第2液体は第1液体に比較して吐出口から落下し易い状態となっている。これに対し、この発明では、第2液体を吐出する処理液吐出口を第1液体吐出口が形成された中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置しているので、第1液体に比較して表面張力が低い第2液体が吐出口近傍に残留付着している場合であっても、第2液体の落下を有効に防止することができる。
また、処理液吐出口の口径は、第1液体吐出口の口径より小さくすることが好ましい。これにより、第1液体吐出用に形成された口径と同一口径の処理液吐出口から第2液体を吐出する場合に比較して第2液体の落下をさらに効果的に防止することができる。
また、処理液吐出口が中心軸部材と遮断部材とに挟まれた環状空間に隣接して設けられる基板処理装置においては、中心軸部材は、処理液吐出口の直下に位置する下方空間と環状空間とを分離する隔壁を有するように構成してもよい。この構成によれば、処理液吐出口の直下に位置する下方空間が隔壁によって環状空間と分離されるので、環状空間から下方空間へのガスの流入を抑制することができる。このため、処理液吐出口の近傍に残留処理液が付着している場合であっても、残留処理液に対する気流の影響を抑制して処理液吐出口からの残留処理液の落下を有効に防止することができる。
この発明によれば、中心軸部材の下端面が遮断部材の対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、処理液吐出口が中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されているので、処理液吐出口の近傍に残留処理液が付着している場合であっても、残留処理液に対する間隙空間に発生する気流の影響を低減することができる。このため、処理液吐出口からの処理液の吐出が停止している間に処理液吐出口から残留処理液が基板上面に落下するのを防止することができる。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着している不要物を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、基板表面Wfに対してフッ酸などの薬液による薬液処理および純水やDIW(deionized water)などのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス液で濡れた基板表面Wfを乾燥させる装置である。なお、この実施形態では、基板表面Wfとはデバイスパターンが形成されたパターン形成面をいう。
この基板処理装置は、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック1と、スピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfに向けて薬液を吐出する薬液吐出ノズル3と、スピンチャック1の上方位置に配置に配置された遮断部材5とを備えている。
スピンチャック1は、回転支軸11がモータを含むチャック回転機構13の回転軸に連結されており、チャック回転機構13の駆動により回転軸J(鉛直軸)回りに回転可能となっている。回転支軸11の上端部には、円盤状のスピンベース15が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4(本発明の「制御手段」に相当)からの動作指令に応じてチャック回転機構13を駆動させることによりスピンベース15が回転軸J回りに回転する。このように、この実施形態では、チャック回転機構13が本発明の「回転手段」として機能する。
スピンベース15の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン17が立設されている。チャックピン17は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース15の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン17のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン17は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン17を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン17を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン17は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース15から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。このように、この実施形態では、チャックピン17が本発明の「基板保持手段」として機能する。なお、基板保持手段としてはチャックピン17に限らず、基板裏面Wbを吸引して基板Wを保持する真空チャックを用いてもよい。
薬液吐出ノズル3は薬液供給ユニット21と接続されており、薬液供給ユニット21から薬液吐出ノズル3にフッ酸またはBHF(バッファードフッ酸)などの薬液を供給可能となっている。このため、制御ユニット4からの制御指令に応じて薬液供給ユニット21から薬液が薬液吐出ノズル3に向けて圧送されると、薬液吐出ノズル3から薬液が吐出される。また、薬液吐出ノズル3にはノズル移動機構33が接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてノズル移動機構33が駆動されることで、薬液吐出ノズル3を基板Wの回転中心の上方の吐出位置と吐出位置から側方に退避した待機位置との間で往復移動させることができる。
遮断部材5は、板状部材50と、板状部材50を支持し内部が中空に仕上げられた回転支軸51とを有している。板状部材50は中央部に開口部を有する円盤状の部材であって、スピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfに対向しながら離間配置されている。板状部材50は、その下面(底面)5aが基板表面Wfと略平行に対向する基板対向面となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。板状部材50は略円筒形状を有する回転支軸51の下端部に略水平に取り付けられ、回転支軸51は水平方向に延びるアーム52により回転軸J回りに回転可能に保持されている。
遮断部材5の中空部には中心軸部材6が挿通されており、スピンチャック1に保持された基板Wの表面中央部(上面中央部)から上方に伸びるように配置されている。すなわち、中心軸部材6の径方向外側で中心軸部材6を取り囲むように遮断部材5がその下面5aを基板表面Wfに対向させながら配置されている。中心軸部材6の外周面と回転支軸51の内周面との間にはベアリング(図示せず)が介在して取り付けられている。また、アーム52には、遮断部材回転機構53と遮断部材昇降機構54が接続されている。
遮断部材回転機構53は、制御ユニット4からの動作指令に応じて遮断部材5を回転軸J回りに回転させる。遮断部材回転機構53は、スピンチャック1に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材5を回転させるように構成されている。
また、遮断部材昇降機構54は、制御ユニット4からの動作指令に応じて遮断部材5と中心軸部材6とを一体的にスピンベース15に対して近接して対向配置させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降機構54を作動させることで、基板処理装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック1の上方の離間位置に遮断部材5および中心軸部材6を上昇させる。その一方で、基板Wに対して所定の処理を施す際には、スピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された所定の近接位置(図1に示す位置)まで遮断部材5および中心軸部材6を下降させる。
図3は図1の基板処理装置の要部を示す断面図である。また、図4は図3のA―A’線断面図(横断面図)である。中心軸部材6は、横断面が円形に形成されている。これは、中心軸部材6(非回転側部材)と回転支軸51(回転側部材)との隙間の間隔を全周にわたって均等にするためであり、該隙間にシールガスを導入することで中心軸部材6と回転支軸51との隙間を外部からシールされた状態としている。中心軸部材6には3本の流体供給路が鉛直軸方向に延びるように形成されている。すなわち、リンス液(本発明の「第1液体」に相当)の通路となるリンス液供給路61、リンス液と該リンス液に溶解して表面張力を低下させる有機溶媒成分とが混合された混合液(本発明の「第2液体」に相当)の通路となる混合液供給路62および窒素ガス等の不活性ガスの通路となるガス供給路63が中心軸部材6に形成されている。リンス液供給路61、混合液供給路62およびガス供給路63は円筒状の外管64の内部にPFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製のチューブ611,621,631を軸方向に挿入することによって形成されており、各チューブ611,621,631は外管64の下端側(先端側)の内部にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)からなる埋栓部材65が圧入されることで固定されている。
そして、リンス液供給路61、混合液供給路62およびガス供給路63の下端がそれぞれ、リンス液吐出口61a(本発明の「第1液体吐出口」に相当)、混合液吐出口62a(本発明の「処理液吐出口」に相当)およびガス吐出口63aとなってスピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfと対向している。ここで、リンス液吐出口61aおよびガス吐出口63aは中心軸部材6の下端面6aに配置される一方、混合液吐出口62aが中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置されている。具体的には、中心軸部材6の下端側の一部分(混合液供給路62の下側部分)が径方向内側に向けて一体的に切り欠かれることによって、混合液吐出口62aが上方に向けて段差状に凹んだ位置に配置されている。そして、外管64の下端の一部が切り欠かれる結果、混合液吐出口62aが中心軸部材6と遮断部材5とに挟まれた環状空間SP2に隣接して配置される。すなわち、混合液吐出口62aの直下に位置する下方空間SP3が環状空間SP2と一体的に結合している。このように、この実施形態では、中心軸部材6の下端側を一体的に切り欠くことによって混合液吐出口62aを中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置しているため、加工性に優れている。
このように混合液吐出口62aが中心軸部材6の下端面6aに対して上方位置に配置されることで後述するように混合液吐出口62aの近傍(混合液供給路62の下端部)に混合液が残留付着している場合であっても(以下、このように残留付着している混合液を「残留混合液」という)、遮断部材5の下面5aと基板表面Wfとの間に形成される間隙空間SP1に発生する気流の影響を低減することができる。これにより、混合液吐出口62aから残留混合液が落下するのを防止することができる。なお、残留混合液に対する間隙空間SP1に発生する気流の影響を避けるために、鉛直軸方向におけるガス吐出口63a(中心軸部材6の下端面6a)から混合液吐出口62aまでの距離L1は10mm以上に設定することが好ましい。
また、環状空間SP2が外側ガス供給路66を構成しており、外側ガス供給路66の下端が環状の外側ガス吐出口66aとなっている。つまり、リンス液吐出口61a、混合液吐出口62aおよびガス吐出口63aに対して径方向外側に、しかもリンス液吐出口61a、混合液吐出口62aおよびガス吐出口63aを取り囲むようにして外側ガス吐出口66aが設けられている。この外側ガス吐出口66aの開口面積はガス吐出口63aの開口面積に比較して遥かに大きく形成されている。このため、2種類のガス吐出口からそれぞれ互いに流量および流速が異なる窒素ガスを吐出させることができる。例えば(1)基板表面Wfの周囲雰囲気を不活性ガス雰囲気に保つには、基板表面Wf上の液体を吹き飛ばすことのないように比較的大流量かつ低速で窒素ガスを供給することが望まれる。その一方で、(2)後述するようにして基板表面Wf上に形成された混合液による混合液層を基板表面Wfから除去する際には、基板Wの表面中央部に比較的小流量かつ高速で窒素ガスを供給することが望まれる。したがって、上記(1)の場合には、主として外側ガス吐出口66aから窒素ガスを吐出させることにより、上記(2)の場合には、主としてガス吐出口63aから窒素ガスを吐出させることにより、窒素ガスの用途に応じて適切な流量および流速で窒素ガスを基板表面Wfに向けて供給することができる。
中心軸部材6の下端面6aは遮断部材5の下面5aに対して上方位置に配置されている。このような構成によれば、間隙空間SP1に発生する気流の影響をさらに効果的に低減することができ、混合液吐出口62aからの残留混合液の落下防止に有効である。また、ガス吐出口63aから吐出された窒素ガスが基板表面Wfに到達するまでに該窒素ガスを拡散させ、窒素ガスの流速をある程度減少させることができる。すなわち、ガス吐出口63aからの窒素ガスの流速が速すぎると、外側ガス吐出口66aからの窒素ガスと互いに干渉して基板表面Wf上の混合液による混合液層を基板Wから排出することが困難となる。その結果、基板表面Wf上に液滴が残ってしまう。これに対して、上記構成によれば、ガス吐出口63aからの窒素ガスの流速が緩和され、基板表面Wf上の混合液による混合液層を確実に基板Wから排出することができる。
また、この実施形態では、中心軸部材6の直径が16mm程度に形成され、リンス液吐出口61a、混合液吐出口62aおよびガス吐出口63aの口径がそれぞれ、4mm、2〜3mm、4mmに形成されている。このように、この実施形態では、混合液吐出口62aの口径がリンス液吐出口61aの口径よりも小さくなっている。これにより、リンス液吐出用に形成された口径と同一口径の混合液吐出口から混合液を吐出する場合に比較して混合液の落下をさらに効果的に防止することができる。また、混合液吐出用に形成された口径と同一口径のリンス液吐出口からリンス液を吐出させた場合に比較してリンス液吐出口からのリンス液の吐出速度が速くなるのを抑えることができる。これによって、電気的絶縁体であるリンス液(DIW)が基板表面Wfに比較的高速で衝突するのを防止し、リンス液が直接に供給される供給部位が帯電により酸化するのを抑制することができる。
また、この実施形態では、リンス液吐出口61aが遮断部材5の中心軸、つまり基板Wの回転軸Jから径方向外側にずれた位置に設けられている。これにより、リンス液吐出口61aから吐出されたリンス液が基板表面Wfの一点(基板Wの回転中心)に集中して供給されるのが回避される。その結果、基板表面Wfの帯電部位を分散させることができ、基板Wの帯電による酸化を低減することができる。その一方で、リンス液吐出口61aが回転軸Jから離れ過ぎると、基板Wの回転中心にリンス液を到達させることが困難となってしまう。そこで、この実施形態では、水平方向における回転軸Jからリンス液吐出口61a(吐出口中心)までの距離L2を4mm程度に設定している。ここで、基板表面Wf上の回転中心にリンス液(DIW)を供給し得る距離L2の上限値としては、以下に示す条件で20mmとなっている。
DIWの流量:2L/min
基板回転数:1500rpm
基板表面の状態:表面中央部が疎水面
また、回転軸Jから混合液吐出口62a(吐出口中心)までの距離の上限値についても、基板回転数を1500rpmに設定する限り、上記した回転軸Jからリンス液吐出口61a(吐出口中心)までの距離L2の上限値(20mm)と基本的に同じである。さらに、混合液吐出口62aの水平位置については、吐出した混合液が中心軸部材6(埋栓部材65)に接触するのを回避した位置に配置される。
一方で、回転軸Jからガス吐出口63a(吐出口中心)までの距離については、間隙空間SP1に向けて窒素ガスを吐出し得る限り、特に限定されず任意である。しかしながら、混合液層に窒素ガスを吹付けて該混合液層を基板Wから排出させる観点からは、ガス吐出口63aは回転軸J上あるいはその近傍位置に設けることが好ましい。
図1および図2に戻って説明を続ける。リンス液供給路61の上端部は工場のユーティリティ等で構成されるDIW供給ユニット22に接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてリンス液吐出口61aからリンス液としてDIWを吐出可能となっている。
また、混合液供給路62の上端部は混合液供給ユニット23に接続されている。混合液供給ユニット23は、混合液(有機溶媒成分+DIW)を生成するためのキャビネット部(図示せず)を備え、キャビネット部にて生成された混合液を混合液供給路62に圧送可能となっている。有機溶媒成分としては、DIW(表面張力:72mN/m)に溶解して表面張力を低下させる物質、例えばイソプロピルアルコール(表面張力:21〜23mN/m)が用いられる。なお、有機溶媒成分はイソプロピルアルコール(IPA)に限定されず、エチルアルコール、メチルアルコールの各種有機溶媒成分を用いるようにしてもよい。この実施形態では、混合液中のIPAの体積百分率(以下「IPA濃度」という)が50%以下の範囲内に属する所定値、例えばIPA濃度が10%以上〜15%以下になるように設定されている。このようにIPA濃度を設定することで、IPAの消費量を抑制しつつ、混合液の表面張力を効果的に低下させることができる。
ガス供給路63および外側ガス供給路66の上端部はそれぞれ、ガス供給ユニット24と接続されており、制御ユニット4の動作指令に応じてガス供給ユニット24からガス供給路63および外側ガス供給路66に個別に窒素ガスを圧送可能となっている。これにより、ガス吐出口63aおよび外側ガス吐出口66aから間隙空間SP1に向けて窒素ガスを独立に供給することができる。このように、この実施形態では、ガス供給ユニット24が本発明の「ガス供給手段」として機能する。
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について図5ないし図7を参照しつつ詳述する。図5は図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。また、図6は図1の基板処理装置の動作を示すタイミングチャートである。また、図7は図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。基板搬送手段(図示せず)によって未処理の基板Wが基板処理装置内に搬入されると(ステップS1)、制御ユニット4は装置各部を制御して基板Wに対して洗浄処理(薬液処理+リンス処理+置換処理+乾燥前処理+乾燥処理)を実行する。ここで、基板表面Wfには例えばpoly−Siからなる微細パターンが形成されている。そこで、この実施形態では、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wが装置内に搬入され、スピンチャック1に保持される。なお、遮断部材5および中心軸部材6はスピンチャック1の上方の離間位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
最初に、基板Wに対して薬液処理が実行される。すなわち、薬液吐出ノズル3を吐出位置に移動させるとともに、チャック回転機構13の駆動によりスピンチャック1に保持された基板Wを所定の回転速度(例えば500rpm)で回転させる(ステップS2)。そして、薬液吐出ノズル3から基板表面Wfに薬液としてフッ酸が供給されると、フッ酸が遠心力により広げられ基板表面Wf全体がフッ酸により薬液処理される(ステップS3;薬液処理工程)。
この薬液処理が終了すると、薬液吐出ノズル3が待機位置に移動される。そして、基板Wに対してリンス処理が実行される。すなわち、離間位置に位置する中心軸部材6のリンス液吐出口61aからリンス液(DIW)を吐出させる。また、リンス液の吐出と同時に遮断部材5および中心軸部材6を近接位置に向けて一体的に下降させ、該近接位置に位置決めする。このように、薬液処理後、すぐに基板表面Wfにリンス液を供給することで基板表面Wfを継続して濡れた状態としておく。これは次のような理由による。すなわち、薬液処理後、フッ酸が基板Wから振り切られると、基板表面Wfの乾燥がはじまる。その結果、基板表面Wfが部分的に乾燥し、基板表面Wfにシミ等が発生することがある。したがって、このような基板表面Wfの部分的な乾燥を防止するため、基板表面Wfを濡れた状態としておくことが重要となっている。
また、ガス吐出口63aおよび外側ガス吐出口66aから窒素ガスを吐出させる。ここでは、主として外側ガス吐出口66aから窒素ガスを吐出させる。つまり、外側ガス吐出口66aから比較的大流量の窒素ガスを吐出させる一方、ガス吐出口63aから吐出させる窒素ガスの流量が微小量となるように、両吐出口から吐出させる窒素ガスの流量バランスを調整する。
リンス液吐出口61aから基板表面Wfに供給されたリンス液は基板Wの回転に伴う遠心力により広げられ、基板表面Wf全体がリンス処理される(ステップS4;リンス工程)。つまり、基板表面Wfに残留付着するフッ酸がリンス液によって洗い流され基板表面Wfから除去される。また、間隙空間SP1に窒素ガスが供給されることで基板表面Wfの周囲雰囲気が低酸素濃度雰囲気に保たれる。このため、リンス液の溶存酸素濃度の上昇を抑制することができる。なお、リンス処理時における基板Wの回転速度は例えば100〜1000rpmに設定される。
また、上記したリンス処理および後述の置換処理および乾燥処理を実行する際には、遮断部材5を基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で回転させる。これにより、遮断部材5の下面5aと基板表面Wfとの間に相対的な回転速度差が発生するのを防止して、間隙空間SP1に巻き込み気流が発生するのを抑制することができる。このため、ミスト状のリンス液および混合液が間隙空間SP1に侵入して基板表面Wfに付着するのを防止できる。また、遮断部材5を回転させることで下面5aに付着するリンス液や混合液を振り切り、下面5aにリンス液や混合液が滞留するのを防止できる。
所定時間のリンス処理が終了すると、置換処理を実行する。すなわち、制御ユニット4はリンス液吐出口61aからのリンス液の吐出を停止させるとともに、基板Wの回転速度を500〜1000rpmに設定する。続いて、混合液吐出口62aから混合液(IPA+DIW)を吐出させる。ここでは、混合液供給ユニット23においてIPA濃度が例えば10%以上〜15%以下に調整された混合液が予め生成されており、該混合液が混合液吐出口62aから基板表面Wfに向けて吐出される。基板表面Wfに供給された混合液は該混合液に作用する遠心力によって流動して、基板表面Wfに形成された微細パターンの間隙内部にまで混合液が入り込む。これにより、微細パターンの間隙に付着するリンス液(DIW)が混合液に置換される(ステップS5;置換工程)。
続いて、この実施形態では、次に示す乾燥前処理工程を実行して基板表面Wf上の混合液を基板Wから排出させる(ステップS6)。先ず、制御ユニット4は混合液吐出口62aから混合液を吐出させたまま、基板Wの回転を停止または基板Wの回転速度を100rpm以下に設定する。このように、基板Wを静止または比較的低速に回転させた状態で基板表面Wfに混合液を供給することで、図7(a)に示すようにパドル状の混合液による混合液層41が基板表面Wfの全体に形成される。このようなパドル状の混合液層41を基板表面Wfに形成(パドル処理)することによって、基板表面Wfへのパーティクル付着を抑制できる。次に、混合液の供給を停止するとともに基板Wの表面中央部に向けてガス吐出口63aから窒素ガスを吹きつける。つまり、ガス吐出口63aから吐出させる窒素ガスの流量を外側ガス吐出口66aから吐出させる窒素ガスの流量に比較して相対的に高めるように両吐出口から吐出させる窒素ガスの流量バランスを調整する。そうすると、図7(b)に示すように、ガス吐出口63aから基板表面Wfに吹き付けられる窒素ガスによって混合液層41の中央部の混合液が基板Wの径方向外側に押し退けられて混合液層41の中央部にホール42が形成され、その表面部分が乾燥される。そして、引き続き、窒素ガスを基板Wの表面中央部に吹き付けていくことで、図7(c)に示すように、先に形成されたホール42が基板Wの端縁方向(同図の左右方向)に拡大していき、混合液層41の中央側の混合液が中央側から基板端縁側に徐々に押し遣られて乾燥領域が広がっていく。これにより、基板Wの表面中央部に混合液を残すことなく、基板Wの表面中央部に付着する混合液を除去することができる。
上記したような乾燥前処理工程を実行することで、後述する乾燥工程(スピンドライ)の間に基板Wの表面中央部に混合液が液滴状に残り、筋状パーティクルとなって基板表面Wfにウォーターマークが形成されるのを防止できる。すなわち、基板Wを回転させて基板表面Wfに付着する混合液を除去して乾燥(スピンドライ)させる際には、混合液に作用する遠心力は基板Wの表面中央部に位置する混合液ほど小さく、基板Wの表面端縁部から乾燥されていく。このとき、基板Wの表面中央部からその周囲にかけて液滴が残って、該液滴が基板Wの端縁方向に走り、この液滴の移動跡にウォータマークが形成されてしまうことがあった。これに対して、この実施形態によれば、乾燥工程前に予め基板表面Wfに形成したパドル状の混合液層41の中央部にホール42を形成して該ホール42を拡大させていくことにより基板Wの表面中央部に位置する混合液を排除しているので、ウォーターマークの発生を確実に防止できる。
ここで、混合液の供給停止後に混合液吐出口62aの近傍(混合液供給路62の下端)に混合液が残留付着している場合がある。そして、このように残留付着した混合液(残留混合液)が間隙空間SP1に発生する気流の影響を受けると、残留混合液が基板表面Wfに落下するおそれがある。特に、混合液はDIWに対して表面張力が低いため、中心軸部材6に対する付着力が小さく、気流の影響を受けることにより混合液はDIWに比較して吐出口から落下し易い状態となっている。しかしながら、この実施形態では、中心軸部材6の下端面6aが遮断部材5の下面5aに対して上方に配置されるとともに、混合液吐出口62aが中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置されている。このため、間隙空間SP1に発生する気流の影響を受けにくく、混合液吐出口62aからの残留混合液の落下を防止することができる。
こうして、乾燥前処理工程が完了すると、制御ユニット4はチャック回転機構13の回転速度を高めて基板Wを高速回転(例えば2000〜3000rpm)させる。これにより、基板表面Wfに付着する混合液が振り切られ、基板Wの乾燥処理(スピンドライ)が実行される(ステップS7;乾燥工程)。このとき、パターンの間隙には混合液が入り込んでいるのでパターン倒壊を防止できる。また、間隙空間SP1は窒素ガスで満たされていることから乾燥時間を短縮するとともに基板Wに付着する液体成分(混合液)への被酸化物質の溶出を低減してウォーターマークの発生を抑制することができる。しかも、混合液吐出口62aの近傍に混合液が残留付着している場合であっても、残留混合液が間隙空間SP1に発生する気流の影響を受けるのが低減され、乾燥処理中に混合液吐出口62aから残留混合液が落下するのを防止することができる。特に、乾燥後の基板表面領域(乾燥領域)に残留混合液が落下した場合にはパーティクル発生の原因となってしまうが、このような基板表面Wfの汚染を防止することができる。
基板Wの乾燥処理が終了すると、制御ユニット4はチャック回転機構13を制御して基板Wの回転を停止させる(ステップS8)。その後、基板搬送手段が処理済の基板Wを装置から搬出して、1枚の基板Wに対する一連の洗浄処理が終了する(ステップS9)。
以上のように、この実施形態によれば、間隙空間SP1に窒素ガスによる気流が発生するが、中心軸部材6の下端面6aが遮断部材5の下面5aに対して上方位置に配置されるとともに、混合液吐出口62aが中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置されている。このため、混合液吐出口62aの近傍に残留混合液が付着している場合であっても、残留混合液に対する間隙空間SP1に発生する気流の影響を低減することができる。このため、混合液吐出口62aからの混合液の吐出が停止している間に混合液吐出口62aから残留混合液が基板表面Wfに落下するのを防止することができる。
また、この実施形態によれば、間隙空間SP1を不活性ガス雰囲気としながら基板Wの表面中央部に2種類の液体、つまりリンス液(DIW)とリンス液よりも表面張力が低い混合液とを供給可能となっている。このため、リンス液を混合液に置換する際に基板表面Wfの周囲雰囲気から混合液への酸素の溶解を低減することができ、基板表面Wfにウォーターマークが発生するのを確実に防止できる。ここで、混合液はリンス液に比較して表面張力が低いため、中心軸部材6に対する付着力が小さい。このため、混合液はリンス液に比較して吐出口から落下し易い状態となっている。これに対し、この実施形態では、混合液を吐出する混合液吐出口62aをリンス液吐出口61aが形成された中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置しているので、リンス液に比較して表面張力が低い混合液が吐出口近傍に残留付着している場合であっても、混合液の落下を有効に防止することができる。
<第2実施形態>
図8はこの発明の第2実施形態にかかる基板処理装置の要部を示す断面図である。また、図9は図8のB―B’線断面図(横断面図)である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、混合液吐出口62aの直下に位置する下方空間SP3が隔壁641によって中心軸部材6と遮断部材5とに挟まれた環状空間SP2と分離されている点である。なお、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、外管64Aが全周にわたって中心軸部材6の下端面6aまで伸びており、下方空間SP3が外管64Aの一部を構成する隔壁641によって環状空間SP2と分離されている。すなわち、下方空間SP3は隔壁641と埋栓部材65とによって取り囲まれている。この構成によれば、混合液吐出口62aを中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に配置しながらも、環状空間SP2から下方空間SP3への窒素ガスの流入を抑制することができる。このため、混合液吐出口62aの近傍に残留混合液が付着している場合であっても、残留混合液に対する気流の影響をさらに低減することができる。したがって、混合液吐出口62aから残留混合液が基板表面Wfに落下するのを効果的に防止することができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、本発明の「第1液体」としてDIWを用いているが、炭酸水、水素水、希薄濃度(例えば1ppm程度)のアンモニア水、希薄濃度の塩酸などを用いてもよい。また、上記実施形態では、本発明の「第2液体」として混合液(有機溶媒成分+DIW)を用いているが、100%の有機溶媒成分あるいは界面活性剤を含む液体を用いてもよい。
また、上記実施形態では、中心軸部材6に2つの液体吐出口、つまり第1液体を吐出する液体吐出口と、第2液体を吐出する液体吐出口を形成しているが、液体吐出口の個数は任意である。例えば、中心軸部材6の下端面6aに液体吐出口を形成することなく、中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置にのみ液体吐出口を形成するようにしてもよい。また、中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に液体吐出口を2つ設けるようにしてもよい。具体的には、回転軸Jを中心として混合液吐出口62aの反対位置に混合液吐出口をもう1つ追加して設けるようにしてもよい。この構成によれば、混合液の落下防止のために各混合液吐出口の口径を小さく形成しながらも、中心軸部材6に形成されたトータル(2個分)の吐出口の開口面積を大きくすることができる。その結果、単位時間当たりの混合液の供給量を増加させることができる。したがって、基板表面Wf上に混合液層を形成する際に、比較的短時間で混合液層を形成することができ、装置のスループットを向上させることができる。
また、上記実施形態では、第1液体を吐出する液体吐出口(第1液体吐出口)を中心軸部材6の下端面6aに形成しているが、第1液体吐出口も必要に応じて中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置に形成してもよい。
また、上記実施形態では、混合液吐出口62a(本発明の「処理液吐出口」に相当)から混合液を基板表面Wfに向けて吐出して置換処理を実行し、混合液吐出口62aからの混合液の吐出を停止している間に混合液が混合液吐出口62aから落下するのを防止しているが、これに限定されない。例えば、中心軸部材6の下端面6aに対して上方に退避した位置にリンス液吐出口を設けて該リンス液吐出口からリンス液を基板表面Wfに向けて吐出してリンス処理を実行した場合には、リンス液吐出口からのリンス液の吐出を停止している間にリンス液がリンス液吐出口から落下するのを防止することができる。この場合、リンス液吐出口が本発明の「処理液吐出口」に相当する。要は、処理液吐出口から吐出される処理液によって所定の湿式処理を施す場合において、処理液吐出口からの処理液の吐出を停止している間に処理液吐出口から処理液が落下するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、中心軸部材6の下端面6aが遮断部材5の下面5aに対して上方に配置されているが、中心軸部材6の下端面6aが遮断部材5の下面5aと同一高さ位置に配置されるように構成してもよい。この構成でも、処理液吐出口が中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されている限り、間隙空間SP1に発生する気流の影響を低減し、処理液吐出口から処理液(残留処理液)が落下するのを防止することができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般に処理液を供給して該基板に対して所定の湿式処理を施す基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
この発明の第1実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す図である。 図1の基板処理装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 図1の基板処理装置の要部を示す断面図である。 図3のA―A’線断面図である。 図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。 図1の基板処理装置の動作を示すタイミングチャートである。 図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。 この発明の第2実施形態にかかる基板処理装置の要部を示す断面図である。 図8のB―B’線断面図である。
符号の説明
4…制御ユニット(制御手段)
5…遮断部材
5a…(遮断部材の)下面(対向面)
6…中心軸部材
6a…(中心軸部材の)下端面
13…チャック回転機構(回転手段)
17…チャックピン(基板保持手段)
24…ガス供給ユニット(ガス供給手段)
61a…リンス液吐出口(第1液体吐出口)
62a…混合液吐出口(処理液吐出口)
63a…ガス吐出口
66…外側ガス供給路
641…隔壁
SP1…間隙空間
SP2…環状空間
SP3…下方空間
W…基板

Claims (7)

  1. 基板を回転させながら前記基板の上面に処理液を供給して該基板上面に対して所定の湿式処理を施す基板処理装置において、
    基板を略水平姿勢で保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板を回転させる回転手段と、
    前記基板保持手段に保持された前記基板の上面中央部の上方に伸びるように配置され、その下端側に設けられた処理液吐出口から前記基板の上面中央部に向けて処理液を吐出可能な中心軸部材と、
    前記中心軸部材の径方向外側で前記中心軸部材を取り囲むように前記基板上面に対向する対向面を有し、該対向面を前記基板上面に対向させながら前記基板上面から離間配置された遮断部材と、
    前記遮断部材の対向面と前記基板上面との間に形成される間隙空間にガスを供給するガス供給手段と、
    前記ガス供給手段を制御して前記処理液吐出口からの処理液の吐出を停止している間に前記ガスを前記間隙空間に供給する制御手段と
    を備え、
    前記中心軸部材の下端面は前記遮断部材の前記対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、前記処理液吐出口は前記中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記ガス供給手段は前記中心軸部材と前記遮断部材とに挟まれた環状空間を外側ガス供給路として該外側ガス供給路を介して前記間隙空間に前記ガスを供給する請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記ガス供給手段は前記中心軸部材の下端面に形成されたガス吐出口から前記間隙空間に前記ガスを供給する請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記中心軸部材の下端面には前記基板の上面中央部に向けて第1液体を吐出する第1液体吐出口が形成され、
    前記処理液吐出口から前記第1液体よりも表面張力が低い第2液体を前記処理液として前記基板の上面中央部に向けて吐出させる請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記処理液吐出口の口径は前記第1液体吐出口の口径より小さい請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記処理液吐出口が前記中心軸部材と前記遮断部材とに挟まれた環状空間に隣接して設けられる請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記中心軸部材は、前記処理液吐出口の直下に位置する下方空間と前記環状空間とを分離する隔壁を有する基板処理装置。
  7. 基板を略水平姿勢で保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された前記基板を回転させる回転手段と、前記基板保持手段に保持された前記基板の上面中央部の上方に伸びるように配置され、その下端側に設けられた処理液吐出口から前記基板の上面中央部に向けて処理液を吐出可能な中心軸部材と、前記中心軸部材の径方向外側で前記中心軸部材を取り囲むように前記基板上面に対向する対向面を有し、該対向面を前記基板上面に対向させながら前記基板上面から離間配置された遮断部材と、前記遮断部材の対向面と前記基板上面との間に形成される間隙空間にガスを供給するガス供給手段とを備えた基板処理装置を用いて、前記基板を回転させながら前記基板の上面に処理液を供給して該基板上面に対して所定の湿式処理を施す基板処理方法であって、
    前記中心軸部材の下端面は前記遮断部材の前記対向面に対して同一高さ位置または上方位置に配置されるとともに、前記処理液吐出口は前記中心軸部材の下端面に対して上方に退避した位置に配置されており、前記処理液吐出口からの処理液の吐出を停止している間に前記ガス供給手段により前記ガスを前記間隙空間に供給することを特徴とする基板処理方法。
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JP2017147440A (ja) * 2016-02-17 2017-08-24 株式会社Screenホールディングス 基板処理装置および間隙洗浄方法

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