JP2008240947A - アンギュラ玉軸受の潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、それにより内輪を効率良くかつ軸方向に均等に冷却でき、しかも潤滑油供給にあまり大きな動力を必要としないアンギュラ玉軸受の潤滑装置を提供する。
【解決手段】 アンギュラ玉軸受1の内輪2の端面に円周溝6を設ける。この円周溝6内に潤滑油を吐出するノズル8を、アンギュラ玉軸受1の外輪3に隣接する潤滑油導入部材7に設ける。円周溝6の底面から内輪2を軸方向に貫通して円周溝6内の潤滑油を通過させる貫通孔52を、円周方向の複数箇所に設ける。
【選択図】 図2

Description

この発明は、工作機械用主軸等の高速スピンドルの支持に用いられるアンギュラ玉軸受の潤滑装置に関する。
工作機械用主軸では加工能率を上げるため、ますます高速化の傾向にある。主軸の高速化に伴い、主軸軸受ではトルクと発熱量が増加する。これに対処するために、多量の油を軸受内に噴射することで軸受の潤滑と冷却を同時に行うジェット潤滑が用いられている。しかし、このジェット潤滑は、一般的に、軸受内に入った油による攪拌抵抗によりパワーロスが大きくなる欠点がある。
そこで、軸受内部に入る潤滑油量を制限することにより、油による攪拌抵抗を小さくした新しいジェット潤滑構造が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示される新ジェット潤滑構造は、外輪側間座等からなる潤滑油導入部材から吐出した潤滑油を、内輪の端面に設けた円周溝で受けて内輪発熱を冷却するものである。冷却後の潤滑油は、大部分が軸受外に排出されるが、一部が軸受潤滑用として、潤滑油導入部材と内輪の外径斜面との間に設けた隙間から、内輪の軌道面に流入する。つまり、軸受の潤滑に必要な少量の潤滑油しか軸受内部には入らない。このため、攪拌抵抗が小さくなり、軸受の動力損失も小さくなる。
また、従来から、軸受の潤滑および冷却を行うために、内輪の円周方向の複数箇所に軸方向の貫通孔を設け、この貫通孔に潤滑油の一部を流通させるアンダーレース潤滑という潤滑方法が行われている。さらに、このアンダーレース潤滑において、軸受内および貫通孔への潤滑油の供給を確実なものとするために、軸受内へ潤滑油を吐出するノズル、および貫通孔へ向けて潤滑油を吐出するノズルを別々に設けたものが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2006−118525号公報 実用新案登録第2503488号
特許文献1等に示された新ジェット潤滑構造は、軸受内部に入る潤滑油量を制限することで、軸受の動力損失を小さく抑えることが可能であるが、次の問題点を有する。すなわち、内輪の片側の端面に設けた円周溝に潤滑油を溜めて内輪の冷却を行うものであるため、内輪全体を効率良く冷却することが難しく、しかも軸方向に不均等な冷却となる。内輪の冷却が充分でなかったり、内輪の冷却が軸方向に不均等であったりすると、内外輪の温度差に起因する予圧過大が発生する。工作機械のスピンドル等に使用される軸受では、予圧量の増大や内輪温度の過度な上昇は、焼き付きや回転精度不良につながるため好ましくない。
従来のアンダーレース潤滑は、潤滑油の供給や外輪の冷却に問題があった。また、特許文献2等に示されるアンダーレース潤滑とジェット潤滑を併用する方式は、2つのノズルから潤滑油を吐出させるため、潤滑油供給に要する動力が大きいという問題を抱えている。
この発明の目的は、軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、それにより内輪を効率良くかつ軸方向に均等に冷却でき、しかも潤滑油供給にあまり大きな動力を必要としないアンギュラ玉軸受の潤滑装置を提供することである。
この発明にかかる第1の発明のアンギュラ玉軸受の潤滑装置は、アンギュラ玉軸受の内輪の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けたことを特徴とする。
また、この発明にかかる第2の発明のアンギュラ玉軸受の潤滑装置は、アンギュラ玉軸受の内輪の端面に隣接して内輪間座を設け、この内輪間座の内輪と反対側の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪間座および内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けたことを特徴とする。
この構成によると、ノズルから吐出された潤滑油は、内輪または内輪間座の端面に設けた円周溝で受けられ、内輪または内輪間座を端面から冷却する。円周溝で受けられた潤滑油は、一部は遠心力により円周溝から外径側へ放出され、そのうちの一部が軸受内へ流入する。これにより、軸受の軌道面の潤滑が行われる。円周溝で受けられた潤滑油の残りの一部は、内輪、または内輪間座および内輪の円周方向の複数箇所に設けられた貫通孔を通過し、この貫通孔の長さ方向の全体で内輪、または内輪間座および内輪を冷却する。そのため、内輪、または内輪間座および内輪が効率良く冷却され、しかもその冷却が軸方向に均等に行われる。上記貫通孔は、内輪または内輪間座の端面に設けた円周溝の底面が入口となるため、ノズルから吐出された潤滑油は、円周溝内に一時的に溜まって効率良く各貫通孔に流入する。そのため、ノズルから吐出された潤滑油が、内輪、または内輪間座および内輪の冷却に効率良く寄与する。このように、円周溝の潤滑油が軸受内と貫通孔とに分散して供給される構成であるため、潤滑油を吐出するノズルが一つで済み、潤滑油供給に要する動力を小さくできる。
この発明において、前記円周溝が、内輪または内輪間座の端面から遠くなるほど径方向中心寄りに位置するように軸方向に対し傾斜している場合、前記貫通孔を、前記円周溝の底部に連なる入口側部を前記円周溝と同じ傾斜とし、途中で屈曲させ、出口側部を前記入口側部と逆向きの傾斜となって反対側の内輪の端面に貫き抜けさせたものとするのが良い。
貫通孔の入口側部の傾斜が円周溝の傾斜と同じであると、円周溝の潤滑油が貫通孔に流入しやすい。このため、貫通孔を流通する潤滑油の流量が増大し、内輪を効果的に冷却することができる。また、貫通孔を、途中で屈曲させて、出口側部を入口側部と逆向きの傾斜となって反対側の内輪の端面に貫き抜けさせたことにより、貫通孔の出口側部に内輪の回転による遠心力が生じる。このため、貫通孔から潤滑油を効率良く排出することができる。
さらに、貫通孔を上記のように屈曲させることで、内輪軌道面から貫通孔までの最短距離を長くすることができ、転動体からの荷重に対する耐力が大きくなる。
また、この発明において、前記内輪または内輪間座の外径面と前記潤滑油導入部材の一部分とを所定の隙間を介して対向させ、この隙間を、前記ノズルから吐出される潤滑油の一部を前輪の軌道面へ導く潤滑油導入路としても良い。
このように、内輪または内輪間座の外径面と潤滑油導入部材の一部分との間の隙間を潤滑油導入路とすると、ノズルから吐出された潤滑油のうち軸受の潤滑に必要な最小限の量だけを軸受内に導くことができる。そのため、主軸の高速回転にも対応できる潤滑を行いながら、軸受内に入った油による攪拌抵抗を小さくして、軸受の動力損失を小さく抑えることができる。
この発明において、前記アンギュラ玉軸受が、工作機械の主軸軸受として用いられるものであっても良い。工作機械の主軸は、加工能率を上げるために高速化の傾向があり、その一方で、主軸の熱膨張は、加工精度の向上のために防止することが重要となる。そのため、この発明における軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、かつ潤滑油の安定した微量供給が行えるという効果が有効に発揮される。
この発明のアンギュラ玉軸受の潤滑装置は、アンギュラ玉軸受の内輪の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けるか、またはアンギュラ玉軸受の内輪の端面に隣接して内輪間座を設け、この内輪間座の内輪と反対側の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪間座および内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けたため、軸受の冷却を兼ねた潤滑油供給が行え、それにより内輪を効率良くかつ軸方向に均等に冷却でき、しかも潤滑油供給にあまり大きな動力を必要としないものとなった。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1はこの実施形態のアンギュラ玉軸受の潤滑装置の断面図を示す。このアンギュラ玉軸受の潤滑装置は、潤滑油導入部材7からアンギュラ玉軸受1に向けて多量の潤滑油をジェット噴射し、軸受の潤滑と冷却を同時に行うものである。アンギュラ玉軸受1は、工作機械の主軸軸受として用いられるものであって、図2に拡大して示すように、内輪2と、外輪3と、これら内外輪2,3の軌道面2a,3a間に介在させた複数の転動体4とを有する。転動体4はボールからなり、環状の保持器5により、円周方向に所定間隔を隔てて保持されている。内輪2は、主軸25の外径面に嵌合する。外輪3は、図示しない軸受箱内に固定される。
内輪2の反負荷側(軸受背面側)の端面F1には円周溝6が設けられる。この円周溝6は、内輪2の端面F1から外径面に渡って形成されている。円周溝6は、端面F1から遠くなるほど径方向中心寄りに位置するように軸方向に対し傾斜したものとされている。内輪2の外径面における軌道面2aよりも反負荷側部分は、前記端面F1から軌道面2a側に近づくに従って大径となる外径斜面2bとされている。内輪2の円周溝6を有する端面F1側は、内輪間座21により位置決めされる。
内輪2には、円周溝6の底面から内輪2を軸方向に貫通して、円周溝6内の潤滑油を通過させる貫通孔52が、等間隔で円周方向の複数箇所に設けられている。この実施形態では、上記貫通孔52は、軸方向を向く直線状の孔とされている。貫通孔52の出口は、後述する内輪位置決め部材27に設けた排油溝14に開口している。
潤滑油導入部材7は、アンギュラ玉軸受1の内輪2の円周溝6が設けられた端面F1側で外輪3に隣接して配置される外輪位置決め間座であって、軸受箱内に固定される。潤滑油導入部材7には、放出潤滑油規制部材15が組み合わせてある。
潤滑油導入部材7には、アンギュラ玉軸受1の内輪2の円周溝6に潤滑油を吐出するノズル8と、潤滑油導入部材7の外径面から内径側に向けて延び前記ノズル8に連通する給油路9とが形成されている。この実施形態では、ノズル8が、前記円周溝6の傾斜に合わせた傾斜角度で設けられている。
図3に示すように、潤滑油導入部材7は、環状本体7aの円周方向の等配位置複数箇所(例えば3箇所)に、内径側に突出したノズル形成突部7bが設けられていて、各ノズル形成突部7bに前記ノズル8が設けられている。前記給油路9は、環状本体7aの外径面に設けられた給油路C状溝部9aと、この給油路C状溝部9aの底面から各ノズル形成突部7bの周方向位置で内径側に延びる給油路個別孔部9bとでなる。給油路個別孔部9bの先端にノズル8が連通する。
潤滑油導入部材7の転がり軸受1側の端部には、転がり軸受1の軸受空間内に突出する環状鍔部7cが設けられている。この環状鍔部7cは、先端の内径面が、内輪2の外径斜面2bに対して隙間δを介して対向する内径斜面7caに形成されている。この内径斜面7caは、内輪2の外径斜面2bと平行であり、隙間δは軸方向の各部の隙間寸法が一定とされている。隙間δは、ノズル8から吐出される潤滑油の一部を前輪2の軌道面2aへ導く潤滑油導入路となっている。
潤滑油導入部材7の放出潤滑油規制部材15が組み合わされる側の端面の1箇所には、ノズル8から円周溝6内に吐出された潤滑油のうち軸受空間内に入らなかった潤滑油を外部に排出する軸受外排油口10が設けられている。また、潤滑油導入部材7の前記軸受外排油口10が設けられている側とは反対側の端面には、転がり軸受1の内部に供給された潤滑油を外部に排出する軸受内排油溝11および軸受内排油口12が設けられている。軸受内排油溝11は環状の溝であり、この軸受内排油溝11の1箇所に軸受内排油口12が開口している。軸受外排油口10と軸受内排油口12とは、円周方向の同位置に設けられている。これら軸受外排油口10および軸受内排油口12は、潤滑油導入部材7の環状本体7aの端部に設けられた切欠状部とされているが、環状本体7aの幅方向の中間に位置する貫通孔としてもよい。
放出潤滑油規制部材15は、潤滑油導入部材7のノズル8から吐出されて外径側に放出された潤滑油が飛散することを規制する部材である。放出潤滑油規制部材15は、全体的には転がり軸受1側に開口した断面溝形のリング部材であるが、前記軸受外排油口10の周方向位置で外径部分の一部が切り欠かれて通油口15aとされていて、この通油口15aを介して、潤滑油導入部材7の円周溝6側の空間と軸受外排油口10とが連通している(図1)。
この構成のアンギュラ玉軸受の潤滑装置によると、潤滑油導入部材7の外径側から給油路9を経て導入された冷却媒体兼用の潤滑油が、ノズル8から内輪2の円周溝6に向けて噴出され、内輪2の円周溝6で受け止められる。
円周溝6で受け止められた潤滑油は、円周溝6の底面からの内輪冷却用に使用され、その一部は、内輪2を軸方向に貫通した貫通孔52に流入して他端の内輪端面F2から放出され、この貫通孔52の通過の間にさらに内輪2の冷却に使用される。円周溝6で受け止められた潤滑油の残りは、円周溝6から遠心力で外径側へ放出される。外径側へ放出された潤滑油のうちの一部は、潤滑油導入部材7の環状鍔部7cと内輪2の外径斜面2bとの間の潤滑油流入隙間δから、軸受内に流入し、潤滑に使用される。潤滑油流入隙間δに入った潤滑油は、内輪2の回転による遠心力と表面張力とにより、軌道面2a側へ流れる。貫通孔52を通過した潤滑油は、排油溝14から軸受箱に設けられた排油経路を通って外部に排出される。また、貫通孔52および潤滑油流入隙間δのいずれにも流入しなかった潤滑油は、排出油として潤滑油導入部材7の軸受外排油口10から外部へ排出される。
内輪2の貫通孔52に流入した潤滑油は、上記のように内輪2の冷却に使用されるが、貫通孔52の長さ方向の全体で内輪2を冷却する。そのため、内輪2を効率良く冷却できる。しかも、冷却が軸方向に均等に行われる。
上記貫通孔52は、内輪端面F1に設けた円周溝6の底面が入口となるため、ノズル8から吐出された潤滑油は、円周溝6内に一時的に溜まって効率良く各貫通孔52に流入する。そのため、ノズル8から吐出された潤滑油が、内輪2の冷却に効率良く寄与する。
なお、軸受潤滑に使用する潤滑油量は、攪拌抵抗を考慮すると必要最小限の油量とするのが好ましく、冷却に使用した後の潤滑油を少量に絞ったものを軸受内に導入すれば十分である。そこで、この実施形態では、上記潤滑油流入隙間δを適宜小さく設定することで、円周溝6から放出された潤滑油が軸受内に入り難くしている。そのため、必要最小限の潤滑油しか軸受内に入らず軸受の攪拌抵抗を小さくすることができ、これにより軸受1の動力損失を小さくすることができる。
図4は、上記第1の実施形態の変形例を示す。この変形例は、第1の実施形態において、直線状の貫通孔52に変えて、貫通孔52を、円周溝6の底部に連なる入口側部52aを円周溝6と同じ傾斜とし、途中で屈曲させ、出口側部52bを前記入口側部52aと逆向きの傾斜となって、円周溝6のある側とは反対側の内輪端面F2に貫き抜ける形状としたものである。このような貫通孔52の形状は、円周溝6が内輪端面F1から遠くなるほど径方向中心寄り位置するように軸方向に対し傾斜している場合に有効に適用される。この変形例におけるその他の構成は、第1の実施形態を同様である。
この変形例の場合、貫通孔52の入口側部52aが円周溝6と同じ傾斜であるため、円周溝6内の潤滑油が貫通孔52に流入しやすい。このため、貫通孔52を流通する潤滑油の流量が増大し、内輪2を効果的に冷却することができる。また、貫通孔52の出口側部52bが入口側部52aと逆向きの傾斜となっているため、この出口側部52aに内輪の回転による遠心力が生じ、貫通孔52から潤滑油を効率良く排出することができる。
さらに、貫通孔52を上記のように屈曲させることで、内輪軌道面2aから貫通孔52までの最短距離を長くすることができ、転動体4からの荷重に対する耐力が大きくなる。
図5はこの発明の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態は、図1〜図3に示す第1の実施形態と以下の点で異なる。すなわち、第2の実施形態では、内輪間座が、内輪2に隣接する第1内輪間座21Aと、この第1内輪間座21Aの内輪2と反対側の端面に接する第2内輪間座21Bとに分割されている。そして、第1の実施形態が、内輪2の端面F1に内周溝6が設けられているのに対し、第2の実施形態では、前記第1内輪間座21Aの内輪2と反対側の端面F3に内周溝6が設けられている。この第2の実施形態の円周溝6は、内輪2の端面F3の上部から外径面に渡って形成されている。第1内輪間座21Aの内輪2と反対側端の径よりも、第2内輪間座21Bの内輪側端の径の方が大きく、第2内輪間座21Bの内輪側端面F4により、円周溝6の内輪2と反対側の面が塞がれていて、円周溝6はほぼ外径側の面だけが開口している。
第1内輪間座21Aおよび内輪2には、円周溝6の底面から第1内輪間座21Aおよび内輪2を軸方向に貫通して、円周溝6内の潤滑油を通過させる貫通孔52が、等間隔で円周方向の複数箇所に設けられている。この実施形態では、上記貫通孔52は、軸方向を向く直線状の孔とされている。
また、第1内輪間座21Aの外径面は、内輪2の外径斜面2bに続く斜面21Aaとして形成されている。この第1内輪間座21Aの外径斜面21Aaに、潤滑油導入部材7の被さり部7dの内径斜面7daが隙間δを介して対向している。被さり部7dは、ノズル形成突部7bに基端で一体のドーナツ円板状の部分のことであり、第1の実施形態における環状鍔部7cの代わりに設けられている。被さり部7dの内径斜面7daは、内輪2の外径斜面2bと平行であり、隙間δは軸方向の各部の隙間寸法が一定とされている。この隙間δは、ノズル8から吐出される潤滑油の一部を前輪2の軌道面2aへ導く潤滑油導入路とされている。
この第2の実施形態におけるその他の構成は、図1〜図3に示す第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の作用、効果が得られる。加えて、第2の実施形態では、円周溝6が内輪間座21に設けられているため、内輪2に円周溝6を加工しなくてよいという利点がある。軸受の軌道輪は高精度の加工や高度な熱処理を必要とするため、内輪2に複雑な形状の円周溝6を加工するのは種々の問題が生じる原因となる。その点、円周溝6を内輪間座21Aに設ければ、このような問題の発生を排除することができる。内輪間座21A,21Bは熱処理が不要であるので、第1内輪間座21Aに円周溝6を設けるのは容易である。
図6は、上記第2の実施形態の変形例を示す。この変形例は、第1の実施形態(図1〜図3)に対する変形例(図4)と同様に、第2の実施形態において、直線状の貫通孔52に変えて、貫通孔52を途中で屈曲したものとしてある。この変形例におけるその他の構成は、第2の実施形態と同様である。この変形例による効果は、前記変形例(図4)と同様である。
図7は、図1〜図3に示した第1の実施形態のアンギュラ玉軸受の潤滑装置を備えた高速スピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置24は工作機械に応用されるものであり、主軸25の端部に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向の前側(加工側)端部および後側端部で、それぞれ一対のアンギュラ玉軸受1により支持されている。スピンドルハウジングは、外ハウジング43と、内ハウジング44と、この内ハウジング44の内側に嵌合する前側軸受箱26Aおよび後側軸受箱26Bとでなる。前側軸受箱26Aと後側軸受箱26B間の軸方向位置には、モータ45が収容されている。
各アンギュラ玉軸受1の内輪2は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3は前側軸受箱26Aまたは後側軸受箱26Bの内径面に嵌合している。一対のアンギュラ玉軸受1は、背面組合せで設けられており、それぞれの内輪2間は内輪間座21により互いに位置決めされ、それぞれの外輪3間は潤滑油導入部材7により互いに位置決めされている。軸端側のアンギュラ玉軸受1の内輪2に内輪位置決め部材27を介して内輪押さえ28を押し当て、かつ外輪3に外輪位置決め部材29を介して外輪押さえ30を押し当てることで、一対のアンギュラ玉軸受1が軸受箱26A,26Bに固定されている。
軸受箱26A,26Bおよび外輪押さえ30には、アンギュラ玉軸受1をジェット潤滑する場合の供給源である冷却油供給装置32から冷却された潤滑油を導入する冷却油導入孔33が設けられている。この冷却油導入孔33は、潤滑油導入部材7の給油路9に連通している。冷却油供給装置32からの給油路38は、油ろ過器40および圧力調整弁41を経て冷却油導入孔33につながっている。また、軸受箱26A,26Bおよび外輪押さえ30には、ジェット潤滑された後の排油を冷却油供給装置32に戻す排油孔35が設けられている。この排油孔35は、潤滑油導入部材7の軸受外排油口10、軸受外排油口12、および内輪位置決め部材27の排油溝14に連通している。アンギュラ玉軸受1の冷却および潤滑に使用されて排油口10,12および排油溝14から流出した排油は、排油孔35から排油ポンプ37を経て冷却油供給装置32に回収される。
なお、このスピンドル装置24は、第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置を適用した場合につき説明したが、他のいずれかの実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置を用いても良い。
この発明の第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置の断面図である。 同潤滑装置の部分拡大断面図である。 (A)は同実施形態のアンギュラ玉軸受の潤滑装置における潤滑油導入部材の正面図、(B)はその断面図である。 この発明の第1の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置の変形例の部分拡大断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置の部分拡大断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るアンギュラ玉軸受の潤滑装置の変形例の部分拡大断面図である。 この発明のアンギュラ玉軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置の構成図である。
符号の説明
1…アンギュラ玉軸受
2…内輪
2a…軌道面
2b…外径斜面
3…外輪
4…転動体
5…保持器
6…円周溝
7…潤滑油導入部材
7c…環状鍔部
7d…被さり部
8…ノズル
21…内輪間座
21A…第1内輪間座
21B…第2内輪間座
21Aa…外径斜面
52…貫通孔
52a…入口側部
52b…出口側部
F1,F2…内輪端面
δ…隙間(潤滑油導入路)

Claims (5)

  1. アンギュラ玉軸受の内輪の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けたことを特徴とするアンギュラ玉軸受の潤滑装置。
  2. 請求項1において、前記円周溝は、内輪の端面から遠くなるほど径方向中心寄りに位置するように軸方向に対し傾斜したものであり、前記貫通孔は、前記円周溝の底部に連なる入口側部を前記円周溝と同じ傾斜とし、途中で屈曲させ、出口側部を前記入口側部と逆向きの傾斜となって反対側の内輪の端面に貫き抜けさせたものであるアンギュラ玉軸受の潤滑装置。
  3. 請求項1において、前記内輪の外径面と前記潤滑油導入部材の一部分とを所定の隙間を介して対向させ、この隙間を、前記ノズルから吐出される潤滑油の一部を前輪の軌道面へ導く潤滑油導入路としたアンギュラ玉軸受の潤滑装置。
  4. アンギュラ玉軸受の内輪の端面に隣接して内輪間座を設け、この内輪間座の内輪と反対側の端面に円周溝を設け、この円周溝内に、軸受冷却媒体を兼ねる潤滑油を吐出するノズルを、前記アンギュラ玉軸受の外輪に隣接する潤滑油導入部材に設け、前記円周溝の底面から内輪間座および内輪を軸方向に貫通して前記円周溝内の潤滑油を通過させる貫通孔を、円周方向の複数箇所に設けたことを特徴とするアンギュラ玉軸受の潤滑装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記アンギュラ玉軸受が、工作機械の主軸装置として用いられるものであるアンギュラ玉軸受の潤滑装置。
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