JP2008238838A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジンとモータジェネレータとを接続する第1クラッチと、モータジェネレータと変速機とを接続する第2クラッチと、制御手段とを備え、第1クラッチと第2クラッチを制御することにより、エンジンとモータジェネレータの一方または両方によって走行するハイブリッド車両の制御装置において、エンジンは、バルブタイミングを変更可能な可変動弁機構を備え、可変動弁機構は、油圧によってバルブタイミングを変更可能な構成であって、制御手段は、エンジンの駆動力を用いた走行中にエンジンを停止する際、エンジンへの燃料供給を停止した後に第1クラッチを解放することとした。
【選択図】 図3
Description
図1は本願ハイブリッド車両のシステム図である。本願ハイブリッド車両は、エンジンE、モータジェネレータMG、第1、第2クラッチCL1,CL2、自動変速機AT、左後輪RL(駆動輪)、右後輪RR(駆動輪)を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
本願ハイブリッド車両は第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じてEVモード(モータジェネレータMGの駆動力のみで走行)、およびHEVモード(モータジェネレータMGおよびエンジンEの駆動力を併用)の2走行モードを有する。
第1クラッチCL1が開放状態にある場合、エンジンEの駆動力は自動変速機ATには伝達されず、車両はモータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するEVモードとなる。
第1クラッチCL1が締結状態にある場合、エンジンEの駆動力はモータジェネレータMGおよび第2クラッチCL2を介して自動変速機ATに伝達され、モータジェネレータMGに加えてエンジンEの駆動力を併用するHEVモードとなる。
駆動力T(MG)がゼロであればエンジンEの駆動力によってのみ走行するエンジン走行モードとなる。
モータジェネレータMGから自動変速機ATに入力される駆動力T(MG)が正の値であれば、モータジェネレータMGとエンジンEの駆動力を併用して走行するモータアシスト走行モードとなる。
モータジェネレータMGから自動変速機ATに入力される駆動力T(MG)が負の値、すなわちモータジェネレータMGがトルクを発生せずエンジンEまたは車両イナーシャによって回され、外部のトルクを消費している場合、モータジェネレータMGは発電機として機能する。これによりバッテリ4を充電する。
車両が加速状態または定速走行状態にあればモータジェネレータMGはエンジンEによって回され、車両が減速状態にあればモータジェネレータMGは車両イナーシャによって回され、発電を行う。
本願ハイブリッド車両はエンジンコントローラ1、モータコントローラ2、パワーコントロールユニット3、バッテリ4、ATコントローラ7、統合コントローラ10を有し、それぞれ情報交換可能なCAN通信線11を介して接続されている。
車両走行中、エンジン停止指令出力後にエンジンの回転によって連続可変動弁機構20のベーン位置を最遅角位置まで戻す場合、ベーンが戻るまではエンジン燃焼を継続しなければならないため燃費が悪化する。
図2は、走行中エンジン停止時における最遅角化制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
ここで、連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れるか否かの判断は、エンジンEの回転数または自動変速機ATの回転数に基づき行う。確実に検出可能な回転数に基づき判断を行うことで、最遅角位置に戻れるか否かの判断精度を向上させる。
なお、連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れるか否かの判断を、連続可変動弁機構20の位相、または連続可変動弁機構20の位相に関係するエンジン回転数に基づき判断すれば、連続可変動弁機構20の状態予測精度を向上させることが可能である。
(エンジン慣性回転では最遅角位置に戻れる場合)
図3は走行中エンジン停止時における最遅角化制御のタイムチャートである。図3ではエンジンEの慣性回転で連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れる場合(図2:ステップS106でのYES判定時)を示す。
なお、トルク、回転数のチャートにおいてエンジンは実線、モータジェネレータMGは破線で示す。
時刻t0において車両はエンジン走行中であり、第1クラッチCL1は締結状態にあるためエンジンEとモータジェネレータMGは同一回転数となる。アクセル開度の低下に伴い連続可変動弁機構20(VTC)の角度は最遅角へ近づく。
時刻t1においてフューエルカット信号が出力される。
本願ではエンジンEへの燃料供給が停止されてエンジントルクが急落し、エンジンEの燃焼が完全に停止するとエンジントルクは負の値となる。
一方、従来例では連続可変動弁機構20のベーンを最遅角位置に戻すためにエンジンEへの燃料供給は継続されてエンジンEは引き続き駆動され、エンジントルクも急落しない。
時刻t2において本願では第1クラッチCL1が解放される。図3はエンジンEの慣性回転で連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れる場合(図2:ステップS106でのYES判定時)である。そのため、第1クラッチCL1の締結応答遅れを考慮し、連続可変動弁機構20が最遅角判定位置に戻る時刻(時刻t3)よりも第1クラッチCL1の締結タイミングを応答遅れ時間分早め、時刻t2において第1クラッチCL1を解放するものである(ステップS107)。
これに伴いエンジンEとモータジェネレータMGとは独立に回転を開始する。エンジンEはフューエルカットにより自律回転しないため、エンジン回転数はモータジェネレータ回転数に対して減少する。
これにより第1クラッチCL1を解放して車両イナーシャとエンジンEとの接続を切断するタイミングが早まり、モータジェネレータMGの回生量を増加させることが可能となる。よって、燃費を向上させる。
時刻t3において連続可変動弁機構20の角度が最遅角判定閾値に達し、ベーンが最遅角位置に戻ったと判断される。これにより従来例においてもフューエルカットが行われ、従来例のエンジントルクが急減して負となる。従来例は本願に比べフューエルカットタイミングが遅いため、その分(t1〜t3間)余分に燃料を消費することとなる。
(エンジンEの慣性回転では最遅角位置に戻れない場合)
図4は走行中エンジン停止時における最遅角化制御のタイムチャートである。図4ではエンジンEの慣性回転では連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れない場合(図2:ステップS106でのNO判定時)を示す。
なお、本願では時刻t1においてフューエルカットされ、従来例はフューエルカットされていない点は図3と同様である。
図3のt0〜t1と同様である。
図4ではエンジンEの慣性回転では連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻れないため、図2のステップS106ではNO判定されて第1クラッチCL1は係合されたままである(S108)。
したがって図4の時刻t2では、図3と異なり第1クラッチCL1は解放されず、エンジン回転数もモータジェネレータ回転数と一致したままである。これにより、連続可変動弁機構20を確実に最遅角位置に戻す。
時刻t3において連続可変動弁機構20の角度が最遅角判定閾値に達し、ベーンが最遅角位置に戻ったと判断される。これにより従来例においてもフューエルカットが行われ、従来例のエンジントルクが急減して負となる。図3と同様、従来例は本願に比べフューエルカットタイミングが遅いため、その分(t1〜t3間)余分に燃料を消費することとなる。
時刻t4において本願においてエンジンEの慣性回転で連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻すことが可能となり、ステップS106においてYES判定されて第1クラッチCL1が解放される。
(1)エンジンEと、モータジェネレータMGと、エンジンEとモータジェネレータMGとを接続する第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと自動変速機ATとを接続する第2クラッチCL2と、エンジンE、モータジェネレータMG、および第1、第2クラッチCL1,CL2を制御する統合コントローラ10とを備え、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2を制御することにより、エンジンEとモータジェネレータMGの一方または両方によって走行するハイブリッド車両の制御装置において、
エンジンEは、バルブタイミングを連続的に可変可能な連続可変動弁機構20を備え、連続可変動弁機構20は、油圧のみによってバルブタイミングを変更可能な構成であって、統合コントローラ10は、エンジンEの駆動力を用いた走行中にエンジンEを停止する際、エンジンEへの燃料供給を停止した後に第1クラッチCL1を解放することとした。
図5は、最遅角位置に戻らなかった場合の再度最遅角化制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップにつき説明する。
YESであれば要求駆動力が大きく速やかにエンジントルクを増大させる必要がある。この場合、最遅角化制御を行わず速やかにエンジンEを再始動するため、ステップS207へ移行して通常エンジン始動を行う。
NOであれば要求駆動力は大きくなく、最遅角化制御を行う時間的余裕がある。したがって最遅角化制御を行うためステップS204へ移行する。
図6は最遅角位置に戻らなかった場合の再度最遅角化制御のタイムチャートである。なお、時刻t23以降において、アクセル開度が大きい場合を細実線、小さい場合を太実線で示す。
(時刻t20)
時刻t20において車両はエンジン走行中であり、第1クラッチCL1は締結状態にあるためエンジンEとモータジェネレータMGは同一回転数となる。アクセル開度の低下に伴い連続可変動弁機構20(VT2C)の角度は最遅角へ近づく。
時刻t21においてフューエルカット信号が出力され、エンジンEへの燃料供給が停止されてエンジントルクが急落する。第1クラッチCL1はまだ締結されているため、第1クラッチCL1の伝達トルクによって連続可変動弁機構20は遅角方向へ移動する。
時刻t22において本願では第1クラッチCL1が解放される。この時点で連続可変動弁機構20はまだ最遅角位置に達していないが、第1クラッチCL1が解放されるため第1クラッチCL1の伝達トルクによってはこれ以上遅角方向へは移動しない。
また、エンジンEもフューエルカットされているため(時刻t21)、エンジン回転によっても遅角方向へ移動せず、連続可変動弁機構20は時刻t22における位置のまま停止する。
時刻t23においてアクセル開度が上昇してエンジン始動要求が出力される。
この時点では連続可変動弁機構20はまだ最遅角位置にないため、アクセル開度が閾値以上(細実線)であれば通常エンジン始動制御が実行され(ステップS203→S207)、閾値以下(太実線)であれば連続可変動弁機構20の最遅角化制御を行う(ステップS203→S204→S205)。
なお、アクセル開度が閾値以上であってもなくても、第1クラッチCL1は締結されてエンジン回転数が上昇する。
時刻t24において、アクセル開度が大きい場合は速やかに区努力を発生させるため、連続可変動弁機構20の遅角化を行わずにエンジンEが始動されてエンジントルクが上昇する。
アクセル開度が小さい場合は、遅角化を行うためこの時点ではまだエンジンEを始動しない。
時刻t25において連続可変動弁機構20の角度が最遅角判定閾値に達し、ベーンが最遅角位置に戻ったと判断される。これによりアクセル開度が小さい場合においてもエンジンEが始動され、エンジントルクが上昇する。
(6)統合コントローラ10は、エンジンEが停止した際に連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻っていない場合、所定の閾値に基づきアクセル開度の大小を判断し、アクセル開度が大きいと判断した場合、連続可変動弁機構20を最遅角位置に戻すことなくエンジンEを始動することとした。
図7は停車中にエンジンEを停止する際における最遅角制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8は停車中にエンジンEを停止する際における最遅角制御のタイムチャートである。
時刻t30において車両は停車中であり、第1クラッチCL1は締結状態にあるためエンジンEとモータジェネレータMGは同一回転数となる。アクセル開度の低下に伴い連続可変動弁機構20(VT3C)の角度は最遅角へ近づく。
時刻t31においてフューエルカット信号が出力される。連続可変動弁機構20が最遅角位置に戻っていないため、フューエルカットは行われずエンジンEは停止されない(ステップS303)。
時刻t32において本願では第1クラッチCL1が解放される。実施例1と同様、第1クラッチCL1の締結応答遅れを考慮し、連続可変動弁機構20が最遅角判定位置に戻る時刻(時刻t33)よりも第1クラッチCL1の締結タイミングを応答遅れ時間分早め、時刻t32において第1クラッチCL1を解放する。
これにより第1クラッチCL1を解放して車両イナーシャとエンジンEとの接続を切断するタイミングを早め、モータジェネレータMGの回生量を増加させて燃費を向上させる。
時刻t33において連続可変動弁機構20の角度が最遅角判定閾値に達し、ベーンが最遅角位置に戻ったと判断される。フューエルカットが行われる(ステップS304)。このように連続可変動弁機構20が確実に最遅角位置に戻ってからエンジンEを停止する。
(8)統合コントローラ10は、停車中にエンジンEを停止する際、連続可変動弁機構20が最遅角位置(始動位置)に戻ったと判定した後にエンジンEを停止することとした。これにより、停車中のエンジン停止時においても、連続可変動弁機構20を確実に最遅角位置に戻すことができる。
CL1 第1クラッチ
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 パワーコントロールユニット
4 バッテリ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
10 統合コントローラ
20 連続可変動弁機構
Claims (9)
- エンジンと、
モータジェネレータと、
前記エンジンと前記モータジェネレータとを接続する第1クラッチと、
前記モータジェネレータと変速機とを接続する第2クラッチと、
前記エンジン、前記モータジェネレータ、および前記第1、第2クラッチを制御する制御手段と
を備え、
前記第1クラッチと前記第2クラッチを制御することにより、前記エンジンと前記モータジェネレータの一方または両方によって走行するハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジンは、バルブタイミングを変更可能な可変動弁機構を備え、
前記可変動弁機構は、油圧によってバルブタイミングを変更可能な構成であって、
前記制御手段は、前記エンジンの駆動力を用いた走行中に前記エンジンを停止する際、前記エンジンへの燃料供給を停止した後に前記第1クラッチを解放すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記第1クラッチの締結中、慣性回転によって前記可変動弁機構が始動位置に戻れると判断した場合、前記第1クラッチを解放すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記第1クラッチの締結中、慣性回転によって前記可変動弁機構が始動位置に戻れないと判断した場合、前記可変動弁機構が始動位置に達するまで前記第1クラッチの締結を継続すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記エンジン回転数または前記変速機回転数に基づき、前記可変動弁機構が始動位置に戻れるか否かを判断すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記エンジン回転数または前記可変動弁機構の位相に基づき、前記可変動弁機構が始動位置に戻れるか否かを判断すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、
前記エンジンが停止した際に前記可変動弁機構が始動位置に戻っていない場合、所定の閾値に基づきアクセル開度の大小を判断し、
前記アクセル開度が大きいと判断した場合、前記可変動弁機構を始動位置に戻すことなく前記エンジンを始動すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、
前記エンジンが停止した際に前記可変動弁機構が始動位置に戻っていない場合、所定の閾値に基づきアクセル開度の大小を判断し、
前記アクセル開度が小さいと判断した場合、前記可変動弁機構が始動位置に戻った後に前記エンジンを始動すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - エンジンと、
モータジェネレータと、
前記エンジンと前記モータジェネレータとを接続する第1クラッチと、
前記モータジェネレータと変速機とを接続する第2クラッチと、
前記エンジン、前記モータジェネレータ、および前記第1、第2クラッチを制御する制御手段と
を備え、
前記第1クラッチと前記第2クラッチを制御することにより、前記エンジンと前記モータジェネレータの一方または両方によって走行するハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジンは、バルブタイミングを変更可能な可変動弁機構を備え、
前記可変動弁機構は、油圧によってバルブタイミングを変更可能な構成であって、
前記制御手段は、停車中に前記エンジンを停止する際、前記可変動弁機構が始動位置に戻ったと判定した後に前記エンジンを停止すること
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において
前記可変動弁機構は、前記バルブタイミングを連続的に変更可能な構成であって、前記バルブタイミングを初期位置に戻す付勢部材を備えていないこと
を特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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