JP2008238220A - 金型の冷却構造および冷却方法 - Google Patents

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Yusuke Miyajima
祐介 宮島
Atsushi Ota
厚 太田
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Abstract

【課題】従来の金型の冷却構造では、冷却穴の冷却抑制部に空気層を形成するためのスリーブの加工、および該スリーブを冷却穴に挿入する際の組立て工程が煩雑になって、コスト高になるという問題があった。
【解決手段】金型1の冷却穴11は、金型1を積極的に冷却する部位である冷却部12と、該冷却部12に連続して形成され、金型1の冷却を抑制する部位である冷却抑制部13とを備え、前記冷却抑制部13の穴径が、前記冷却部12の穴径よりも大径に形成され、前記冷却抑制部13には、該冷却抑制部13の穴径よりも小径の管状部材にて構成される断熱材となるスリーブ30が、該スリーブ30の外周面と前記冷却抑制部13の内周面との間に所定の隙間daを有した状態で挿入され、前記冷却部12と冷却抑制部13との境界部14と、前記スリーブ30との間には所定の隙間dbが形成される、金型の冷却構造。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金型に形成される冷却穴に冷却水を通水することにより、該金型の冷却を行う金型の冷却構造および冷却方法に関する。
従来から、アルミニウム等の鋳造を行う金型においては、該金型に形成されるキャビティに充填された溶湯を冷却するために、冷却水が通水される冷却穴が形成されている。
前記冷却穴は、例えば、金型におけるキャビティの近傍位置に、金型の外面から内側方向(キャビティ側方向)へ向けて略円筒形状に形成されており、該冷却穴には冷却パイプが挿入されている。この冷却パイプから冷却穴に冷却水を供給することで、金型の冷却が行われるように構成されており、冷却穴が形成されている部分の金型は、全体的に略一律に冷却されることとなる。
しかし、前記金型には、例えば前記金型がエンジンのシリンダブロックを成形する金型である場合には、シリンダブロックのウォータージャケットを成形する部分に相当する部位は、焼き付き等を防止するために積極的に冷却することが好ましく、シリンダブロックにおけるシリンダヘッドとの合わせ面となるヘッド面を形成する部分に相当する部位は、キャビティ面に塗布する離型剤の水分残りを防止するために冷却を抑制して金型温度を保持することが好ましいといったように、部位によって冷却が必要な箇所と冷却が必要でない箇所とが存在する。
そこで、従来の金型の冷却構造においては、特許文献1および特許文献2に示すように、冷却を抑制したい部位に位置する冷却穴の内周部に、該冷却穴の内周面に対して所定の隙間を設けた状態でスリーブを挿入して、該冷却穴の内周面とスリーブとの間の隙間を空気層として形成し、この空気層を断熱層として作用させて、冷却穴にスリーブが挿入された部分における金型の冷却水による冷却を抑制する技術が考案されている。
特開2004−243369号公報 特開2000−5845号公報
前述の特許文献1に記載される金型の冷却構造においては、冷却穴において金型の冷却を抑える部位となる冷却抑制部の径を、金型を積極的に冷却する部位となる冷却部の径よりも大径に形成し、該冷却抑制部に前記スリーブを挿入することで、スリーブと冷却抑制部の内周面との間に空気層を形成しており、前記スリーブの先端部は、冷却部と冷却抑制部との境界部から冷却部側へ入り込んだ状態となっている。つまり、スリーブの先端部は冷却部にまで延出して、該冷却部の内周面に当接している。このように、スリーブの先端部を冷却部の内周面に当接させることで、冷却穴内を流れる冷却水が、スリーブと冷却抑制部の内周面との間の隙間に浸入することを防いで、該隙間に空気層を形成するように構成している。
また、特許文献2に記載される金型の冷却構造においては、冷却穴の内径よりも小径の管状部材と、該管状部材の先端部に付設され冷却穴の内径と略同径の外径を有するフランジ部材とで構成されるスリーブを冷却穴に挿入し、該スリーブの管状部材と冷却穴との間に形成される隙間を空気層として構成している。
この場合は、前記フランジ部材の外周面を冷却穴の内周面に当接させて、冷却穴内を流れる冷却水が前記管状部材と冷却穴との間に形成される隙間に浸入することを防ぐことで、該隙間に空気層を構成するようにしている。
しかし、特許文献1に示す金型の冷却構造の場合、スリーブの先端部を冷却部の内周面に当接させるために、冷却部の内径およびスリーブの外径を同径に形成する必要があるが、前記空気層に冷却穴内を流れる冷却水が浸入することを防止するためには、冷却部とスリーブとの間に隙間が生じないように、該冷却部の内径およびスリーブの外径を高精度に形成する必要があるため、冷却穴およびスリーブの加工、ならびにスリーブを冷却穴に挿入する際の組立て工程が煩雑になって、コスト高になるという問題がある。
また、特許文献2に示す金型の冷却構造の場合も、スリーブのフランジ部材を冷却穴の内周面に当接させるために、冷却穴の内径およびフランジ部材の外径を同径に形成する必要があるが、前記空気層に冷却穴内を流れる冷却水が浸入することを防止するためには、冷却穴とフランジ部材との間に隙間が生じないように、該冷却穴の内径およびフランジ部材の外径を高精度に形成する必要があるため、冷却穴およびフランジ部材の加工、ならびにスリーブを冷却穴に挿入する際の組立て工程が煩雑になって、コスト高になるという問題がある。
そこで、本発明においては、冷却構造を構成する部材の加工や組立てが容易であり、低コストで冷却穴における冷却抑制部の冷却抑制効果をさらに高めることができる、金型の冷却構造を提供するものである。
上記課題を解決する金型の冷却構造および冷却方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、金型に形成される冷却穴に冷却水を通水することにより、該金型の冷却を行う金型の冷却構造であって、前記冷却穴は、金型を積極的に冷却する部位である冷却部と、該冷却部に連続して形成され、金型の冷却を抑制する部位である冷却抑制部とを備え、前記冷却抑制部の穴径が、前記冷却部の穴径よりも大径に形成され、前記冷却抑制部には、該冷却抑制部の穴径よりも小径の管状部材にて構成される断熱材が、該断熱材の外周面と前記冷却抑制部の内周面との間に所定の隙間を有した状態で挿入され、前記冷却部と冷却抑制部との境界部と、前記断熱材との間には所定の隙間が形成されている。
これにより、前記断熱材と冷却抑制部との間の隙間に、前記境界部と断熱材との間の隙間を通じて少量の冷却水が流入し、該断熱材と冷却抑制部との間の隙間にて冷却水が沸騰することとなるので、この断熱材と冷却抑制部との間の隙間が断熱材の役目を果たすこととなって、前記断熱材とともに冷却抑制部における断熱効果を発揮することができ、冷却抑制部における冷却水による金型の冷却を十分に抑制することができる。
また、前記境界部と断熱材との間には所定の隙間が形成されているので、前記断熱材や冷却穴の加工寸法、および該断熱材の冷却穴への挿入位置を、さほど高精度に仕上げる必要がない。
このように、本冷却構造は、該冷却構造を構成する冷却穴や断熱材等の部材の加工や組立てが容易となり、低コストで冷却穴における冷却抑制部の冷却抑制効果を高めることが可能となる。
また、請求項2記載の如く、前記断熱材の外径は、前記冷却穴の冷却部の内径よりも大きく形成されている。
これにより、冷却水が前記冷却部から、前記断熱材と冷却抑制部との間の隙間へ流れる際の流路抵抗が大きくなって、多量の冷却水が断熱材と冷却抑制部との間の隙間に流入することが防止され、該隙間に流入する冷却水を完全に沸騰させることが可能となって、高い断熱効果を発揮させることができる。
また、請求項3記載の如く、前記冷却穴には、冷却水が間欠的に通水される。
これにより、冷却抑制部を通水する冷却水の量が全体的に少なくなるため、冷却抑制部における冷却水による金型の冷却抑制効果をさらに高めることができる。
また、請求項4記載の如く、金型に形成される冷却穴に冷却水を通水することにより、該金型の冷却を行う金型の冷却方法であって、前記冷却穴に、金型を積極的に冷却する部位である冷却部と、金型の冷却を抑制する部位である冷却抑制部とを連続して形成し、前記冷却抑制部の穴径を、前記冷却部の穴径よりも大径に形成し、前記冷却抑制部に、該冷却抑制部の穴径よりも小径の管状部材にて構成される断熱材を、該断熱材の外周面と前記冷却抑制部の内周面との間に所定の隙間を有した状態で挿入し、前記冷却部と冷却抑制部との境界部と、前記断熱材との間に、所定の隙間を形成して、前記境界部と断熱材との隙間から、前記断熱材と冷却抑制部との隙間へ、冷却水を導入させる。
これにより、前記断熱材と冷却抑制部との間の隙間に、前記境界部と断熱材との間の隙間を通じて少量の冷却水が流入し、該断熱材と冷却抑制部との間の隙間にて冷却水が沸騰することとなるので、この断熱材と冷却抑制部との間の隙間が断熱材の役目を果たすこととなって、前記断熱材とともに冷却抑制部における断熱効果を発揮することができ、冷却抑制部における冷却水による金型の冷却を十分に抑制することができる。
また、前記境界部と断熱材との間には所定の隙間が形成されているので、前記断熱材や冷却穴の加工寸法、および該断熱材の冷却穴への挿入位置を、さほど高精度に仕上げる必要がない。
このように、本冷却方法は、該冷却方法に用いられる冷却構造を構成する冷却穴や断熱材等の部材の加工や組立てが容易となり、低コストで冷却穴における冷却抑制部の冷却抑制効果を高めることが可能となる。
また、請求項5記載の如く、前記断熱材の外径を、前記冷却穴の冷却部の内径よりも大きく形成する。
これにより、冷却水が前記冷却部から、前記断熱材と冷却抑制部との間の隙間へ流れる際の流路抵抗が大きくなって、多量の冷却水が断熱材と冷却抑制部との間の隙間に流入することが防止され、該隙間に流入する冷却水を完全に沸騰させることが可能となって、高い断熱効果を発揮させることができる。
また、請求項6記載の如く、前記冷却穴に、冷却水を間欠的に通水させる。
これにより、冷却抑制部を通水する冷却水の量が全体的に少なくなるため、冷却抑制部における冷却水による金型の冷却抑制効果をさらに高めることができる。
本発明によれば、金型の冷却構造を構成する、冷却穴や断熱材等の部材の加工や組立てが容易となり、低コストで冷却穴における冷却抑制部の冷却抑制効果を高めることが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す金型1は、例えばエンジンのシリンダブロックを成形する金型に構成されており、該金型1においては、シリンダブロックにおけるシリンダヘッドとの合わせ面となるヘッド面を形成する部分に相当するヘッド面成形キャビティ面1bから凸部10が突出しており、該凸部10の表面はシリンダブロックのウォータージャケットを成形する部分に相当するウォータージャケット成形キャビティ面1aとなっている。
前記ウォータージャケット成形キャビティ面1aおよびヘッド面成形キャビティ面1bには、金型1のキャビティ内に充填された溶湯2が接触している。
前記金型1の冷却構造について以下に説明する。
金型1の本体部分(図1においてヘッド面成形キャビティ面1bより下方に位置する部分)から凸部10内へ向って、冷却穴11が形成されている。
冷却穴11は、金型1を積極的に冷却する部分となる冷却部12と、金型1の冷却を抑制する部分(前記冷却部12よりも金型1の冷却効果が小さい部分)となる冷却抑制部13とを備えている。
前記冷却穴11の冷却部12および冷却抑制部13は略円筒形状に形成され、該冷却部12と冷却抑制部13とは、前記凸部10の先端側から金型1の本体部分に向って順に連続的に形成されている。
つまり、前記冷却部12は凸部10の先端部に配置され、前記冷却抑制部13は凸部10の基端部および金型1の本体部分に配置されている。
また、前記冷却抑制部13の内径は、前記冷却部12の内径よりも大径に形成されており、該冷却部12と冷却抑制部13との間には境界部14が存在している。
前記冷却穴11内には、冷却抑制部13側から冷却部12へかけて冷却水供給パイプ20が挿入されており、該冷却水供給パイプ20の先端は、前記冷却部12の先端部に位置している。
また、前記冷却穴11の冷却抑制部13内には、該冷却抑制部13の内径よりも若干小径に形成される円筒状部材にて構成されるスリーブ30が挿入されており、該スリーブ30の先端は、前記冷却部12と冷却抑制部13との境界部14に位置している。
前記スリーブ30は、SUS304等のステンレスやチタン等といった高い断熱性を有するとともに、溶湯2により溶融・変質等することがない耐熱性に優れた部材にて構成されている。
図2に示すように、前記スリーブ30は、その外周面と冷却抑制部13の内周面との間に全周にわたって所定の隙間daを有した状態で該冷却抑制部13内に配置されている。
該スリーブ30内には、冷却穴11の冷却抑制部13において、前記冷却水供給パイプ20から供給された冷却水の多くが通水する主流路13aが構成されており、前記隙間daは、冷却穴11の冷却抑制部13において、前記冷却水供給パイプ20から供給された冷却水の一部が通水する副流路13bに構成されている。
本例の場合、前記スリーブ30を構成する円筒状部材の肉厚寸法は、例えば0.1mm〜2.0mm程度に構成されており、前記隙間daの寸法は、例えば0.1mm〜2.5mm程度に構成されている。
また、本例の場合、前記境界部14は冷却部12側から冷却抑制部13側へ至るに従って拡径するテーパー面に形成されており、該境界部14とスリーブ30の先端との間には全周にわたって隙間dbが形成されている。
この隙間dbにより、前記冷却部12と、副流路13b(前記スリーブ30と冷却抑制部13との隙間da)とが、連通されている。
なお、前記隙間dbの断面積は、前記スリーブ30の内径の断面積に比べて極僅かな面積となっている。
また、前記冷却部12と冷却抑制部13との間の境界部14は、図3に示すように階段状に形成することもできる。この場合も前記スリーブ30の先端は境界部14に位置しており、該スリーブ30の先端と境界部との間に隙間dbが形成されている。
さらに、前記冷却部12と冷却抑制部13との間の境界部14は、図4に示すように直線状に形成することもできる。この場合は、前記スリーブ30の先端は境界部14よりも冷却抑制部13側へ若干引けた位置にあり、該スリーブ30の先端と境界部14との間に隙間dbが形成されることとなる。
つまり、前記スリーブ30の先端は、冷却穴11内において、冷却部12、境界部14および冷却抑制部13の何れの内周面にも当接せず、該境界部14の近傍において前記冷却部12と冷却抑制部13の副流路13bとを連通する隙間dbが形成されるような位置に配置されている。
このように、金型1の冷却構造は、冷却部12と冷却抑制部13とを備える冷却穴11、冷却水供給パイプ20、およびスリーブ30等により構成されている。
本冷却構造においては、冷却水供給パイプ20の先端から冷却穴11における冷却部12の先端部に冷却水が供給され、供給された冷却水は該冷却部12内を先端側から冷却抑制部13側へ向って流れ、その後冷却抑制部12のスリーブ30内に形成される主流路13aを通過した後に、金型1の外部に排出される。
また、冷却部12内を流れた冷却水の一部は、前記隙間dbを通じて前記副流路13b内に流入する。
この場合、冷却穴11の冷却部12内を冷却水が流れることで、該冷却部12の内周面に冷却水が接触するため、該冷却部12が形成されている部分の金型1(金型1における前記凸部10の途中部から先端部にかけての範囲)が冷却される。
一方、冷却部12を流れた後の冷却水は、その大部分が前記冷却抑制部13の主流路13a内を流れるが、該主流路13aを構成するスリーブ30は高断熱性の部材にて形成されているので、冷却水の温度がスリーブ30の外部に伝播することは殆どない。
従って、冷却水がスリーブ30内を流れたことによっては、冷却抑制部13が形成されている部分の金型1(金型1における前記凸部10の基端部およびヘッド面成形キャビティ面1bの近傍)が冷却されることは殆どなく、当該部分の冷却が抑制されることとなる。
また、前記冷却抑制部13の副流路13b内には冷却部12を流れた後の冷却水の一部が流入するが、該副流路13b内に流入する冷却水の量は僅かであるとともに、冷却水により冷却を行っているときの金型1の温度は、冷却水の沸点よりも高い温度になっているため、副流路13b内を流れる冷却水は沸騰して気体状態となり、該副流路13b内に液体状態の冷却水が存在しなくなる。
このように、副流路13b内には気体状態の水蒸気のみが存在することとなるため、該副流路13b内には隙間daの厚さの気体層が構成されることとなる。
前記副流路13b内に形成される気体層は断熱性が高いため、前記スリーブ30の外周に隙間daの厚さの断熱層が形成されることになる。
従って、冷却水がスリーブ30内を流れたとしても、該スリーブ30内の冷却水の温度が金型1へ伝播することが、スリーブ30の断熱効果と、副流路13b内の断熱効果との両方により妨げられ、該冷却抑制部13における冷却水による金型1の冷却が十分に抑制されることとなる。
特に、例えば冷却穴11の冷却抑制部13に空気層のみを設けた場合と比べると、冷却抑制の効果が大きく、金型1の凸部10の基端部およびヘッド面成形キャビティ面1bの温度を適正に保持することが可能となる。
このように、金型1のヘッド面成形キャビティ面1bの温度を適正に保持することにより、該ヘッド面成形キャビティ面1bに塗布する離型剤の水分残りを防止することができる。
また、冷却穴11においては、冷却抑制部13では金型1の冷却を抑制して、冷却部12のみで金型1の冷却を集中的に行っているので、冷却穴11の全体で金型1を冷却した場合に比べて冷却部12での金型1の冷却効果を高めることができる。
このように、冷却部12での金型1の冷却効果を高めることができるので、ウォータージャケット成形キャビティ面1aを効果的に冷却して、焼き付けが発生することを防止することができる。
また、前記スリーブ30は、前記冷却部12と副流路13bとを連通させる隙間dbを形成するために、該スリーブ30の先端が冷却部12、境界部14および冷却抑制部13の何れの内周面にも当接しないように、冷却抑制部13内に設置されているが、前記隙間dbの大きさが多少ばらついたとしても、前記副流路13bにおける断熱効果は殆ど変わらないため、スリーブ30や冷却穴11の加工寸法、および該スリーブ30の冷却穴11への挿入位置は、さほど高精度に仕上げる必要がない。
このように、本冷却構造は、該冷却構造を構成する冷却穴11やスリーブ30等の部材の加工や組立てが容易であり、低コストで冷却穴11における冷却抑制部13の冷却抑制効果を高めることができる金型1の冷却構造となっている。
図5には、前述のごとく冷却穴11の冷却抑制部13内に断熱材となる前記スリーブ30を設けた場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度と、冷却穴11の冷却抑制部13内に前記スリーブ30を設けなかった場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度とを比較した結果を示している。
図5によると、鋳造完了後の金型1の型開き時におけるヘッド面成形キャビティ面1bの温度は、断熱材であるスリーブ30を設けた場合の温度Taの方が、該スリーブ30を設けなかった場合の温度Tbよりも高くなっており(本例の場合、温度Taと温度Tbとの差は30℃程度となっている)、冷却抑制部13にスリーブ30を設けて前記副流路13bを形成した冷却構造により、ヘッド面成形キャビティ面1bの温度を保持する効果が得られていることがわかる。
また、図6には、前述のごとく冷却穴11の冷却抑制部13内に断熱材となる前記スリーブ30を設けた場合の、ウォータージャケット成形キャビティ面1aの先端部の温度と、冷却穴11の冷却抑制部13内に前記スリーブ30を設けなかった場合の、ウォータージャケット成形キャビティ面1aの先端部の温度とを比較した結果を示している。
図6によると、鋳造完了後の金型1の型開き時におけるウォータージャケット成形キャビティ面1aの先端部の温度は、断熱材であるスリーブ30を設けた場合の温度Tcの方が、該スリーブ30を設けなかった場合の温度Tdよりも低くなっており(本例の場合、温度Tcと温度Tdとの差は22℃程度となっている)、冷却抑制部13にスリーブ30を設けて前記副流路13bを形成した冷却構造により、ウォータージャケット成形キャビティ面1aの冷却効果が高められていることがわかる。
また、本冷却構造においては、前記冷却抑制部13に設けられるスリーブ30の外径が、前記冷却部12の内径よりも大きく形成されているので、該冷却部12から冷却抑制部13の副流路13bへ至る冷却水の流路が、直線的ではなく屈曲した経路となる。
これにより、冷却水が冷却部12から副流路13bへ流れる際の流路抵抗が大きくなって、多量の冷却水が副流路13bに流入することが防止され、該副流路13bに流入する冷却水を完全に沸騰させることが可能となって、高い断熱効果を発揮させることができる。
また、本冷却構造では、冷却動作中における冷却水供給パイプ20から冷却穴11への冷却水の供給が、間欠的に行われるように構成している。
このように、冷却穴11内への冷却水の供給を間欠的に行うことで、前記冷却抑制部13における冷却水の通水が間欠的となり、冷却抑制部13を通水する冷却水の量が全体的に少なくなるため、ヘッド面成形キャビティ面1bの温度を保持する効果をさらに高めることができる。
図7には、冷却水を冷却穴11へ常時通水した場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度と、間欠通水した場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度とを比較した結果を示している。
図7によると、鋳造が完了した金型1の型開き後において、間欠通水した場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度が、常時通水した場合のヘッド面成形キャビティ面1bの温度よりも高くなっており、間欠通水を行うことによって、ヘッド面成形キャビティ面1bの温度を保持する効果が高められていることがわかる。
なお、冷却水の冷却穴11への間欠通水は、鋳造開始時から行うことが可能である。また、鋳造開始時から型開き時までは常時通水を行い、型開き時以降から間欠通水を行うことも可能である。
金型の冷却構造を示す側面断面図である。 冷却穴における冷却部と冷却抑制部との境界部を示す側面断面図である。 冷却穴における冷却部と冷却抑制部との境界部の第2の実施形態を示す側面断面図である。 冷却穴における冷却部と冷却抑制部との境界部の第3の実施形態を示す側面断面図である。 冷却穴の冷却抑制部内に断熱材となるスリーブを設けた場合のヘッド面成形キャビティ面の温度と、冷却穴の冷却抑制部内に前記スリーブを設けなかった場合のヘッド面成形キャビティ面の温度とを比較した結果を示す図である。 冷却穴の冷却抑制部内に断熱材となるスリーブを設けた場合の、ウォータージャケット成形キャビティ面の先端部の温度と、冷却穴の冷却抑制部内に前記スリーブを設けなかった場合の、ウォータージャケット成形キャビティ面の先端部の温度とを比較した結果を示ス図である。 冷却水を冷却穴へ常時通水した場合のヘッド面成形キャビティ面の温度と、間欠通水した場合のヘッド面成形キャビティ面の温度とを比較した結果を示す図である。
符号の説明
1 金型
2 溶湯
1a ウォータージャケット成形キャビティ面
1b ヘッド面成形キャビティ面
10 凸部
11 冷却穴
12 冷却部
13 冷却抑制部
13a 主流路
13b 副流路
14 境界部
20 冷却水供給パイプ
30 スリーブ

Claims (6)

  1. 金型に形成される冷却穴に冷却水を通水することにより、該金型の冷却を行う金型の冷却構造であって、
    前記冷却穴は、金型を積極的に冷却する部位である冷却部と、該冷却部に連続して形成され、金型の冷却を抑制する部位である冷却抑制部とを備え、
    前記冷却抑制部の穴径が、前記冷却部の穴径よりも大径に形成され、
    前記冷却抑制部には、該冷却抑制部の穴径よりも小径の管状部材にて構成される断熱材が、該断熱材の外周面と前記冷却抑制部の内周面との間に所定の隙間を有した状態で挿入され、
    前記冷却部と冷却抑制部との境界部と、前記断熱材との間には所定の隙間が形成されている、
    ことを特徴とする金型の冷却構造。
  2. 前記断熱材の外径は、前記冷却穴の冷却部の内径よりも大きく形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金型の冷却構造。
  3. 前記冷却穴には、冷却水が間欠的に通水される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金型の冷却構造。
  4. 金型に形成される冷却穴に冷却水を通水することにより、該金型の冷却を行う金型の冷却方法であって、
    前記冷却穴に、金型を積極的に冷却する部位である冷却部と、金型の冷却を抑制する部位である冷却抑制部とを連続して形成し、
    前記冷却抑制部の穴径を、前記冷却部の穴径よりも大径に形成し、
    前記冷却抑制部に、該冷却抑制部の穴径よりも小径の管状部材にて構成される断熱材を、該断熱材の外周面と前記冷却抑制部の内周面との間に所定の隙間を有した状態で挿入し、
    前記冷却部と冷却抑制部との境界部と、前記断熱材との間に、所定の隙間を形成して、
    前記境界部と断熱材との隙間から、前記断熱材と冷却抑制部との隙間へ、冷却水を導入させる、
    ことを特徴とする金型の冷却方法。
  5. 前記断熱材の外径を、前記冷却穴の冷却部の内径よりも大きく形成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の金型の冷却方法。
  6. 前記冷却穴に、冷却水を間欠的に通水させる、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金型の冷却方法。

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