JP2008237645A - 内視鏡用処置具及び留置具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シース3と、シース内に挿通されるとともにシースに対しその軸線方向に沿って相対移動可能な操作ワイヤ4と、操作ワイヤに係脱可能に係止される留置具5とを備える。留置具は、基端側を操作ワイヤに係止される少なくとも2本の変形可能なアーム部11、及びアーム部を束ねるとともにアーム部の長さ方向先端側へ移動可能な止め具12を有する。アーム部は、基端側がシースに挿入されるとともに先端がシースの前方へ延びる第1のアーム部11a、第1のアーム部の先端から同第1のアーム部の基端側へ戻るように延びる第の2アーム部11b、第2のアーム部の先端に設けられて生体組織へ突き刺し可能なアンカー部11cを有する。
【選択図】図2
Description
そこで、開腹手術を行わずに穿孔を塞ぐ方法がいくつか提供されている。その1つに、バネ性のある材料によって嘴状に開閉するように形成されたクリップを利用し、このクリップによって、穿孔周辺の組織を引き寄せて綴じ込む方法がある。
クリップの先端を最大に開かせたとしてもその幅寸法を大きくとることができないため、穿孔のサイズが大きい場合に、穿孔の直径部分に相当する穿孔中央部の左右の組織部分を直接綴じ込むことができない。このため、複数のクリップを用い、穿孔の端部から中央に向けて間隔をあけながら、順に穿孔の左右にある組織を綴じ込むことで、穿孔を徐々に狭めて行く方法がとられているのが実情である。
このような方法であると、内視鏡用処置具を用いた1回の手技で、1個のクリップしか綴じ込むことができず、結局、内視鏡用処置具を用いた手技を繰り返し複数回行わなければならず、しかも、手技の途中段階で、クリップ先端が穿孔周辺の組織に係合して綴じ込み可能な状態になっているかを直接観察することができず、これらの結果、手技が大変面倒になるという問題があった。
また、穿孔を塞ぐまでの手技時間が長くなり、これに伴い、例えば腹膜炎等の合併症を引き起こす可能性が高くなるという問題もあった。
本発明に係る内視鏡用処置具は、シースと、シース内に挿通されるとともに該シースの軸線方向に沿って移動可能な操作ワイヤと、該操作ワイヤに係脱可能に係止される留置具と、を備える内視鏡用処置具であって、前記留置具は、基端側を前記ワイヤに係止される少なくとも2本の変形可能なアーム部、及び該アーム部を束ねるとともに該アーム部の長さ方向にスライド可能な止め具を有し、前記アーム部は、基端側が前記シースに挿入されるとともに先端が前記シースの前方へ延びる第1のアーム部、該第1のアーム部の先端から同第1のアーム部の基端側へ戻るように延びる第の2アーム部、第2のアーム部の先端に設けられて生体組織へ突き刺し可能なアンカー部を有することを特徴とする。
この内視鏡用処置具によれば、止め具移動手段によって止め具をアーム部の長さ方向先端側へ移動できるので、留置具を留置した後、別の内視鏡用処置具を用いて止め具を移動させる場合に比べて、手技が簡単かつ手技時間を短くできる。
この内視鏡用処置具によれば、アーム部及び止め具がシース内に収納可能であるので、例えば、内視鏡のチャンネルを通して、留置具を消化管の内部所定位置まで移送させる際に、アーム部及び止め具をシース内に収納させた状態で移動させることができ、移動の際にアンカー部や止め具の外周が、内視鏡のチャンネル内周や消化管の内周に不用意に引っかかったりする不具合を回避できる。
この内視鏡用処置具によれば、アーム部を重ならせて収納できるから、シース内に必要なアーム部収納スペースは比較的小さくて足り、また、操作ワイヤを操作して、アーム部をシースの先端から露出させる際、操作ワイヤの操作量を短くできる。さらに、アーム部を露出させる過程で、アンカー部が露出しないため、周辺生体組織を傷つけることを防止できる。
この内視鏡用処置具によれば、複数のアーム部がそれぞれ直線状となるように収納されるから、シースの内径が比較的小さい場合でも、該シース内にアーム部を収納することができる。
この内視鏡用処置具によれば、アンカー部がシースの外形よりも外側に位置するので、シースの姿勢を制御することなく、単に、シースを内視鏡の基端側へ引き寄せるだけで、アーム部の先端のアンカー部を穿孔周辺の生体組織に貫通させることができる。
この留置具によれば、前述の内視鏡用処置具を用いた方法によって、穿孔を縫縮させた状態で体内に留置させることができる。
図1〜図14は本発明に係る内視鏡用処置具及び留置具の実施形態を示している。これらの図において図1は内視鏡用処置具が内視鏡に組み込まれた状態を示す斜視図、図2は、内視鏡用処置具の要部の断面図、図3は内視鏡用処置具の止め具を説明する断面図、図4は同止め具を説明する図、図5〜図13は、内視鏡用処置具を用いて穿孔を塞ぐ方法を示す工程図である。なお、本実施形態では、消化管に生じた穿孔Hの一例として、胃壁Xに穿孔Hが生じた場合を例に挙げて説明する。
前記アーム部11は、この実施形態では2本ある場合の例を示す。これら2本のアーム部11はともに同じ構成であって、それらアーム部11は、互いに線対称をなすよう係止リング10に取り付けられている。
また、アンカー部11cは、図2に示すように、アーム部11の基端側のみがシース3内に収納されるとき、シース3の軸線に対して略平行かあるいは若干内側に傾斜するように形成されている。
止め具12は、適宜弾性を有する材料、例えばゴムやシリコン系の材料により作られる。止め具本体12a内には、前記留置具5のアーム部11が挿通される。止め具12のアーム部11との係止位置は、止め具本体12aがそれ自体の弾性作用によってアーム部11を挟み込むことにより、容易にずれないようになっている。
なお、この実施形態は、係止部は、止め具12に設けられ可動係止片12bにより構成されているが、必ずしも、止め具側12に設けられる必要はなく、シース3側に設けられも良く、あるいは、止め具12とシース3に跨って設けられてもよい。
すなわち、操作部本体15及びスライダ部17は、操作ワイヤ4を進退操作することで収納された留置具5をシース3の軸線方向に進退操作すると共に、シース3から留置具5を押し出すことでフック部4aと係止リング10との係止を任意のタイミングで解除する、前記操作部6を構成する。
初めに、図5に示すように、アーム部11を折り畳んだ状態で、留置具5をシース3内に収納する。またこのとき、操作ワイヤ4の先端に設けたフック部4aを係止リング10に係止させた状態にしておく。続いて、内視鏡2の挿入部2aを経口投入して胃の内部まで導き、穿孔H箇所を内視鏡画像で確認する。穿孔H箇所を確認した後、図1に示すように、内視鏡2の処置具チャンネル2b内にシース3を挿入する。続いて、内視鏡画像で確認しながら、挿入部2aの先端からシース3を突出させる。
すると、図7に示すように、アーム部11は、アンカー部11cがシース3の内壁に拘束されず、それ自体の弾性作用によって、径方向外方へ開いて自然状態になる。このとき、アンカー部11cは、胃壁Xの漿膜側P2に位置する。
次いで、図10に示すように、フック部4aの位置を保ったままシース3のみを前進させて、該シース3の先端を再び穿孔H内に挿入する。このとき、止め具12は、シース3の先端に係止され、この状態でシース3と一体的に漿膜側P2へ移動する。この結果、止め具12は、アーム部11に対して先端側へ相対移動することとなる。
その後、留置具5を体内に残したまま、内視鏡用処置具の他の部材は、内視鏡とともに体外へ引き抜かれる。なお、留置具5のアーム部11は、図示しないハサミ鉗子等で不要部分をカットしてもよい。
また、アーム部11先端のアンカー部11cを穿孔部分周囲の胃壁Xに突き刺すとき、アンカー部11cの先端がシース3側を向いているので、同アンカー部11cが胃壁Xを貫通しているか否かを内視鏡を用いて確認でき、またその後の、止め具12をアーム部11の先端側へ移動させて穿孔Hを縫縮させる作業においても、アンカー部11cが胃壁Xを貫通して係止されている状態か否かを確認できる。また、内視鏡用処置具を用いた1回の操作によって、穿孔Hを塞ぐことができる。これらの結果、消化管に生じた穿孔Hを、速やかかつ確実に、しかも容易な作業によって縫縮することができる。
また、前述したように、一回の操作で穿孔を塞ぐことができるので手技時間が短くなり、腹膜炎等の合併症を引き起こす可能性を低減できる。なお、必要に応じて、背景技術で説明したクリップを補助的に用いることで、当該留置具5で縫縮した穿孔Hの端部を綴じこんでもよい。
例えば、前記実施形態では、処置具5のアーム部11をシース3内に収納させるのにV字状に折り畳んで収納しているが、これに限られることなく、図14に示すように、アーム部11の弾性を利用して直線状に延ばして収納させてもよい。
また、前記実施形態では、アーム部11の先端部分をシース3の先端から露出させた際、アーム部11自身の弾性作用によって、それぞれアンカー部11c同士の距離が拡がるように変形させているが、これに限られることなく、形状記憶合金を用い、人の体温を利用することで、アーム部11を所望形状に変形させてもよい。
また、前記実施形態では、留置具5のアーム部11を2本としているが、これに限られることなく、アーム部11を3本以上にしてもよい。1本のアームを中央から折り曲げることで、2本のアーム部11を構成してもよい。
操作ワイヤの先端に係止した留置具を収納するシースを、生体組織の穿孔部に挿入するステップと、
前記シースの先端から前記留置具の複数のアームを突出するステップと、
前記アームの基端側に向く前記アームの先端にそれぞれ設けたアンカーで前記生体組織を穿すステップと、
前記アームを束ねる止め具を前記アームの先端側へ移動し、前記アンカーを接近させて、前記穿孔部を閉じるステップと、
前記操作ワイヤから前記留置具を離すステップと、
を備える医療行為。
Claims (7)
- シースと、
シース内に挿通されるとともに該シースに対しその軸線方向に沿って相対移動可能な操作ワイヤと、
該操作ワイヤに係脱可能に係止される留置具と、を備える内視鏡用処置具であって、
前記留置具は、基端側を前記操作ワイヤに係止される少なくとも2本の変形可能なアーム部、及び該アーム部を束ねるとともに該アーム部の長さ方向にスライド可能な止め具を有し、
前記アーム部は、基端側が前記シースに挿入されるとともに先端が前記シースの前方へ延びる第1のアーム部、該第1のアーム部の先端から同第1のアーム部の基端側へ戻るように延びる第の2アーム部、第2のアーム部の先端に設けられて生体組織へ突き刺し可能なアンカー部を有することを特徴とする内視鏡用処置具。 - 前記止め具を、前記アーム部の長さ方向先端側へ移動させる止め具移動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用処置具。
- 前記アーム部及び前記止め具が、それぞれ前記シース内に収納可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
- 前記アーム部が、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部とが重なるように弾性変形されて、前記シース内に収納されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用処置具。
- 前記アーム部が、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部が直線状となるように弾性変形されて、前記シース内に収納されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用処置具。
- 前記少なくとも2本のアーム部の前記アンカー部どうしを結ぶことにより得られる仮想円の直径が、前記シースの外径よりも大に設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具。
- シース内に挿通されかつ該シースの軸線方向に沿って移動可能な操作ワイヤに係脱可能に係止される留置具であって、
基端側を前記ワイヤに係止される少なくとも2本の変形可能なアーム部、及び該アーム部に跨った状態で係止されるとともに該アーム部の長さ方向にスライド可能な止め具を有し、
前記アーム部は、基端側が前記シースに挿入されるとともに先端が前記シースの前方へ延びる第1のアーム部、該第1のアーム部の先端から同第1のアーム部の基端側へ戻るように延びる第の2アーム部、第2のアーム部の先端に設けられて生体組織へ突き刺し可能なアンカー部を有することを特徴とする留置具。
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