JP2008232224A - 保持器付きラジアルころ軸受 - Google Patents

保持器付きラジアルころ軸受 Download PDF

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幸一 山本
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Abstract

【課題】使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、低コスト且つ柔軟に対応できる構造を実現する。
【解決手段】使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、適切な数のころ2d、2dだけを、保持器3dに形成している各ポケット9d、9dに保持する。又、この保持器3dに形成しているポケット9d、9dのうちの一部で、それぞれの内側にころ2d、2dを保持しないポケット9d、9dを、円周方向に関して均一に配置する。これにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部に組み込むラジアルころ軸受の改良に関する。尚、本明細書及び特許請求の範囲中の『ころ』の語には、外径に対する長さの比(アスペクト比)が大きい、ニードルも含む。
自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部のうち、大きなラジアル荷重が加わる部分にラジアルころ軸受が組み込まれている。例えば自動車の自動変速装置を構成する遊星歯車式変速機に組み込まれているラジアルころ軸受の構造が特許文献1に記載されている。このラジアルころ軸受1は、図7に示す様に、複数のころ2、2を、ラジアルころ軸受用保持器である保持器3により転動自在に保持すると共に、支持軸4の中間部外周面を円筒状の内輪軌道5とし、この支持軸4の周囲に配置された遊星歯車13の内周面を円筒状の外輪軌道6として、上記各ころ2、2の転動面を、これら内輪軌道5及び外輪軌道6に転がり接触させて成る。
又、上記保持器3は、例えば図8〜9に詳示する様に、軸方向(図8〜9の左右方向)に互いに間隔をあけて配置した、それぞれが円輪状である1対のリム部7、7と、複数本の柱部8、8とを備える。これら各柱部8、8は、円周方向に亙って間欠的に配置され、それぞれの両端部を上記両リム部7、7の互いに対向する内側面の外径寄り部分に連続させている。又、上記各柱部8、8は、軸方向中間部が径方向内方に向け台形状に折れ曲がった形状を有する。そして、円周方向に隣り合うこれら各柱部8、8の円周方向両側縁と上記両リム部7、7の互いに対向する内側面とにより囲まれる空間部分を、それぞれポケット9、9とし、これら各ポケット9、9に上記各ころ2、2を、転動自在に保持している。
この様に構成する上記保持器3は、特許文献2等に記載されて従来から周知の様に、帯状の金属板(一般的には鋼板若しくはステンレス鋼板)を円筒状に丸めて成る。即ち、図示は省略するが、帯状の金属板にプレス加工を施す事により保持器として基本的な断面形状を有する第一段階の中間素材とした後、この第一段階の中間素材に剪断加工を施す事に
より上記各ころ2、2を転動自在に保持する為の上記ポケット9、9を打ち抜き成形し、第二段階の中間素材とする。更に、この第二段階の中間素材を所定長さに切断し、図10に示す様な第三段階の中間素材10とする。
そして、この第三段階の中間素材10を円筒状に丸め、円周方向の両端部を突き合わせ溶接して、図8に示す様な上記保持器3とする。
又、この保持器3は、素材となる金属板に対して、プレスによる打ち抜き加工、切削加工、塑性変形等を施す事により造る事もできる。この様な方法の場合には、加工の自由度は大きい。しかし、コストの増加、量産性の低下等の問題が考えられる。
上述した様な構造のラジアルころ軸受1は、大きなラジアル荷重が加わる環境下で、連続的に使用する為、従来から、大きな負荷容量、優れた耐久性、高速回転性を備える構造が考えられている。例えば、特許文献3には、ラジアルころ軸受を構成する保持器の構造に工夫する事で、潤滑油の流通性を高め、優れた耐久性、且つ、高速回転性を実現できる構造が記載されている。
又、上記特許文献3には記載されていないが、ラジアルころ軸受の負荷容量を大きくしたい場合、このラジアルころ軸受を構成する保持器のポケット間の各柱部の幅を小さくする事でポケット数を増やし、保持するころの数を増やす方法が考えられる。しかし、上記各柱部の幅を小さくし過ぎた場合、上記保持器の強度を確保する事が困難になる。
一方で、ラジアルころ軸受の負荷容量が、このラジアルころ軸受の使用環境に於いて必要となる負荷容量に対し、過度の余裕を持つ場合、上記各柱部の幅を大きくする(上記各ポケット同士の配置間隔を広くする)事でこれらポケットの数とこれら各ポケットに保持する上記ころの数とを減らす事が考えられる。
具体的に、図11〜図12を参照しながら説明する。
図11に示すラジアルころ軸受1aは、円筒状で内周面に外輪軌道6aを有する外輪11と、同じく円筒状で外周面に内輪軌道5aを有し、この外輪11と同心に配置された内輪12と、これら外輪軌道6aと内輪軌道5aとの間に転動自在に設けられた総数12個のころ2a、2aと、上記外輪の内周面とこの内輪の外周面との間に設けられて、これらころ2a、2aを保持する保持器3aとを備えている。
このうちの保持器3aは、円筒状に丸めた金属板の円周方向両端縁同士を溶接して接合して成るもので、軸方向両端部に互いに平行に且つ互いに同心に設けられた、それぞれが円環状である1対のリム部7、7(図8参照)と、これら両リム部7、7同士の間に掛け渡される状態で互いに平行に且つ円周方向に関して互いに均一な間隔に設けられた複数の柱部8a、8aとを備え、円周方向に隣り合うこれら各柱部8a、8aと上記両リム部7、7とにより四周を囲まれる部分を、それぞれ上記各ころ2a、2aを転動自在に保持する為のポケット9a、9aとしている。
この様なラジアルころ軸受1aを使用する際、使用環境に於いて必要となる負荷容量を、上記ころ2a、2aを6個としただけで十分に確保できる場合、上記ラジアルころ軸受1aを、図11に示したままの構成で使用すると、12−6=6個分のころ2a、2aが過剰となる。そこで、図12に示すラジアルころ軸受1bの様に、保持器3bの柱部8b、8bの幅を、上記図11に示すラジアルころ軸受1aの柱部8a、8aに比べて大きくする事で、上記保持器3bに形成しているポケット9b、9bの数を6個に減らし、使用するころ2b、2bの総数も6個に減らす事が、一般的に考えられる。この図12に示した様な構成の場合、過剰なころ2a、2a(2b、2b)を節約してコスト面での無駄を省く事ができる。又、転がり抵抗の低減による、動トルク(回転ロス)の低減を図れる。
しかし、上記ラジアルころ軸受1bを構成する上記保持器3bを作製する際の第三段階の中間素材10(図10参照)の全容積に占める、上記各ポケット9b、9bの全容積の割合が少な過ぎる(上記各柱部8b、8bの全容積の割合が多過ぎる)と、上記保持器3bの溶接部に過大応力が生じてしまい、この溶接部の強度が低下してしまう。即ち、上記各柱部8b、8bの円周方向の幅寸法が大きくなると、前述の図10に示した第三段階の中間素材10を円筒状に曲げ形成する為に大きな力を要する事に(各柱部8b、8bを円弧形に曲げにくく)なり、スプリングバック等により、上記溶接部に大きな力が加わり易くなる。この事が原因で、上記保持器3bが使用中に破損したり、変形したり、溶接後のこの保持器3bの外径の真円度が悪化する事等が考えられる。この為、上記第三段階の中間素材10に形成するポケット9b、9bの数には制約が生じる。
又、上述した方法とは別に、前記ラジアルころ軸受1aが備える過剰な負荷容量を減らす方法として、前記各ころ2a、2aの径を小さくする方法が考えられる。しかし、これら各ころ2a、2aの径を小さくする事は、前記保持器3aに形成する前記各ポケット9a、9aの数とこれら各ポケット9a、9aに保持するころ2a、2aの数とを増やす事になり、コストが上昇してしまう。更に、ラジアルころ軸受の内径と外径とのうちの少なくとも一方が変わる為、ピニオンシャフトやピニオンギア等の周辺部材の構成を変更する事が必要となり、やはりコストが上昇してしまう。
以上の事を鑑みて、使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、低コスト、且つ軽量に対応できるラジアルころ軸受の実現が望まれている。
特開2005−351475号公報 特開平8−270658号公報 特開平11−108065号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、使用条件に適した負荷容量を持つラジアルころ軸受を、低コスト、且つ、耐久性の優れた構造で実現すべく発明したものである。
本発明の対象となるラジアルころ軸受は、互いに同心に配置された、それぞれが円筒状である内輪軌道及び外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、保持器とを備える。
このうちの保持器は、円筒状に丸めた金属板の円周方向両端縁同士を溶接により接合して成る。又、軸方向両端部に互いに平行に且つ互いに同心に設けられた、それぞれが円環状である1対のリム部を備える。又、これら両リム部同士の間に掛け渡される状態で互いに平行に且つ円周方向に関して互いに均一な間隔に設けられた複数の柱部を備える。そして、円周方向に隣り合うこれら各柱部と上記両リム部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれ上記各ころを転動自在に保持する為のポケットとしている。
特に、本発明のラジアルころ軸受に於いては、上記各ポケットのうちの一部のポケットにのみ、上記各ころが保持されている。又、それぞれの内側にころを保持しないポケットを、円周方向に関して実質的に均一な間隔で配置している。尚、実質的に均一な間隔で配置するとは、各ころを円周方向に等間隔で配置する場合は勿論、それぞれが複数本ずつ(但し、各集合毎に同数ずつ)のころから成る複数の集合(組)を、円周方向に等間隔で配置する状態も含む。
上述の様に構成する本発明のラジアルころ軸受によれば、このラジアルころ軸受の直径が、使用環境に於いて必要となる負荷容量を確保する為に必要とされる直径に比べて相当に大きく、且つ保持器製造の制約上、この直径に見合う直径を有する保持器に形成するポケットの数を減らす事ができない様な場合に、使用環境に適した負荷容量を確保した上で、軽量なラジアルころ軸受を低コストで実現できる。
この事は、上記保持器に形成したポケットのうちの一部のポケットのみに、使用環境で必要となる分だけのころを保持する事で図れる。
又、上記保持器に形成したポケットのうちの上記ころを保持しないポケットを、円周方向に関して実質的に均一な間隔で配置している為、高速に回転する様な使用環境に於いて、上記ラジアルころ軸受に偏った荷重が負荷される事や、異音発生等の不具合が発生する事を有効に防止できる。
又、上記保持器に形成したポケットのうちで、上記ころを保持しないポケットが潤滑油通路の役割を果たし、上記ラジアルころ軸受内部の通油性を向上させる。これにより。スミアリング、焼き付き、磨耗、ピーリング等の損傷の発生を有効に防止できる。更に、通油性が向上する事で、ラジアルころ軸受内部の温度上昇を抑える事ができて、この内部に存在する潤滑油の粘度低下を防止する事ができる。これにより、各転がり接触部への潤滑油の油膜形成性を十分に確保する事ができる。
又、過剰な負荷容量分のころを減らす事で、全ころの表面と軌道面との接触面積の総和が減少する。この為、上記ラジアルころ軸受の低トルク化を図る事ができる。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を説明する為の、ラジアルころ軸受1c、1dの断面図で、図2が本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の実施の形態を説明する為の図1〜6で、黒塗りのころは、実際に組み込むころを、仮想線で表したころは、実際には組み込まないころを、それぞれ表している。
尚、本例の特徴は、上記ラジアルころ軸受を構成する保持器に形成した複数のポケットに転動自在に保持する複数のころの組み込み状態を工夫した点にある。この特徴部分以外の構造及び作用は、前述の図7、11に示したラジアルころ軸受を含め、従来から知られているラジアルころ軸受の場合と同様である。この為、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
先ず、図1に示した、比較例であるラジアルころ軸受1cは、保持器3cの円周方向に関して均一な間隔で20個のポケット9c、9cを形成しており、これら総てのポケット9c、9cに、それぞれころ2c、2cを保持している。ここで、上記保持器3cに形成できる上記ポケット9c、9cの数が、この保持器3cの製造上の制約等の理由から、20個よりも少なくはできないとする。
上記ラジアルころ軸受1cの負荷容量が、このラジアルころ軸受1cの使用環境に於いて必要となる負荷容量よりも十分に大きい場合(例えば、この使用環境が必要とする負荷容量が上記各ころ2c、2cを16個分で確保できる負荷容量の場合)、上記ラジアルころ軸受1cの構成のまま使用すると、20−16=4個分のころ2c、2cが過剰となる。
この様な場合、図2に示す様な本例のラジアルころ軸受1dの構成を採用する。このラジアルころ軸受1dを構成する保持器3dは、中間素材10(図10参照)を円筒状に丸めてから、この中間素材10の円周方向両端縁同士を溶接により接合して成る。又、この保持器3dの円周方向に関して均一な間隔で形成した20個の上記各ポケット9d、9dのうちの一部のポケット9d、9dのみに、上記各ころ2d、2dを保持している。又、これら各ポケット9d、9dのうちの上記各ころ2d、2dを保持しないポケット9d、9dを、円周方向に関して均一な間隔で(中心角ピッチで90度毎に)配置している。
具体的には、上記各ころ2d、2dを保持しているポケット9d、9dを4個置きに、これら各ころ2d、2dを保持しないポケット9d、9dを1個配置する。これら合計5個のポケット9d、9dを1組として、円周方向に4組配置している。即ち、4個ずつのころ2d、2dを1組の集合とし、これら各集合を、中心角ピッチで90度毎に配置している。
この様な本例の場合には、使用する環境に適した負荷容量を備えたラジアルころ軸受1dを、過剰なころ2d、2d(2c、2c)を使用する事なく、低コストで軽量に実現できる。
又、前記第三段階の中間素材10全体に対する、上記ポケット9d、9d全体の容積を十分に確保できる。言い換えれば、上記中間素材10を円筒状に丸める事に対する抵抗が大きな柱部の幅を小さくして、この柱部以外の部分を円弧形に変形させる事で、実用上問題ない程度の円筒形状を得られる。この為、前述した様な、保持器3dの溶接部に過大応力が生じると言った問題を防止できる。
又、上記各ころ2d、2dを保持しないポケット9d、9dを、円周方向に関して均一な間隔で配置している為、高速回転で使用される場合等に、上記ラジアルころ軸受1dに偏った荷重が負荷する事や、異音発生等の不具合が発生する事を有効に防止できる。
又、上記各ころ2d、2dを保持しないポケット9d、9dが潤滑油通路の役割を果たす。この為、上記ラジアルころ軸受1d内部の通油性が向上する。そして、スミアリング、焼き付き、磨耗、ピーリング、温度上昇等を有効に防止する。更に、通油性が向上すると潤滑油の粘度低下を防止する事ができる。これにより、油膜形成性を十分に確保する事ができる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示す、ラジアルころ軸受1eの断面図である。
本例のラジアルころ軸受1eは、前記図1に示す比較例のラジアルころ軸受1cをそのままの構成で使用すると、使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、10個のころ2c、2cが過剰になる場合に対応する構成である。
本例のラジアルころ軸受1eを構成する上記保持器3eは、円周方向に関して均一な間隔で形成した20個のポケット9e、9eのうちの一部(10個所)のポケット9e、9eのみに、ころ2e、2eを保持している。又、これら各ポケット9e、9eのうちのこれら各ころ2e、2eを保持しないポケット9e、9eを、円周方向に関して均一な間隔で配置している。
具体的には、上記各ころ2e、2eを保持しているポケット9e、9eとこれら各ころ2e、2eを保持しないポケット9e、9eとを交互に配置している。これら、円周方向に隣り合って、ころ2eを保持しているポケット9eと保持していないポケット9eとを1組として、円周方向に関して等間隔に10組配置している。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示す、ラジアルころ軸受1fの断面図である。
本例のラジアルころ軸受1fは、前記図1に示す比較例のラジアルころ軸受1cをそのままの構成で使用すると、使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、12個のころが過剰になる場合に対応する構成である。
本例のラジアルころ軸受1fを構成する上記保持器3fは、円周方向に関して均一な間隔で形成した20個のポケット9f、9fのうちの一部(8個所)のポケット9f、9fのみに、ころ2f、2fを保持している。又、これら各ポケット9f、9fのうちのこれら各ころ2f、2fを保持しないポケット9f、9fを、円周方向に関して均一な間隔で配置している。
具体的には、上記各ころ2f、2fを保持しているポケット9f、9fを2個置きに、これら各ころ2f、2fを保持しないポケット9f、9fを3個配置している。これら5個のポケット9f、9fを1組として、円周方向に関して等間隔に4組配置している。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図5は、本発明の実施の形態の第4例を示す、ラジアルころ軸受1gの断面図である。
本例のラジアルころ軸受1gは、前記図1に示す比較例のラジアルころ軸受1cをそのままの構成で使用すると、使用環境に於いて必要となる負荷容量に対して、15個のころが過剰になる場合に対応する構成である。
本例のラジアルころ軸受1gを構成する上記保持器3gは、円周方向に関して均一な間隔で形成した20個のポケット9g、9gのうちの一部(5個所)のポケット9g、9gのみに、ころ2g、2gを保持している。又、これら各ポケット9g、9gのうちのこれら各ころ2g、2gを保持しないポケット9g、9gを、円周方向に関して均一な間隔で配置している。
具体的には、上記各ころ2g、2gを保持しているポケット9g、9gを1個置きに、これら各ころ2g、2gを保持しないポケット9g、9gを3個配置している。即ち、これら各ころ2g、2gを、72度の中心角ピッチで、円周方向に関して等間隔で配置している。
その他の部分の構成及び作用に就いては、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
上述の実施の形態の第1〜4例の構造の耐久性を確認する為、希薄な潤滑油量を想定した寿命試験を行なった結果を、表1に示す。比較例として、図1に示す構成のラジアルころ軸受1cを用いた。試験に使用したラジアルころ軸受の構成、試験条件は以下に示す。上記実施の形態の第1〜4例と比較例とで使用した保持器は、総て同じ構造である。又、今回の試験は、ころの数と潤滑状態とが耐久性にどの様な影響を及ぼすかを確認する為のものである。この為、保持器は実施の形態の第1〜4例の様に、円筒状に丸めた前記第三段階の中間素材10(図10参照)の円周方向両端縁同士を溶接して接合して製造したものではなく、素材となる金属素材に切削加工を施す方法で製造した、便宜上の物を使用した。
試験は、ラジアルころ軸受を、前述の図7に示した様な遊星歯車の回転支持部に組み込み、ころ、ピニオンシャフト、ピニオンギアの少なくとも1つが破損した時点で中止し、試験開始からこの破損の時までの時間を、ラジアルころ軸受の転がり疲れ寿命とした。尚、上記実施の形態の第1〜4例のラジアルころ軸受1d〜1gの転がり疲れ寿命(表1の実測値寿命)と計算値寿命とは、比較例の転がり疲れ寿命と計算値寿命とをそれぞれ1とした場合の比率で表している。又、潤滑状態の影響が大きいと考えられ、はく離起点となる為に耐久性に重要な影響を及ぼす、スミアリングの発生有無の確認も行ない、その結果も表1に示している。
[ラジアルころ軸受の構成]
保持器外径:22.8mm
保持器幅:27.15mm
保持器材質:JIS規格SCM415を浸炭窒化処理したもの。
ころ径:2.5mm
ころ長さ:24.8mm
ころ材質:高炭素クロム軸受鋼2種(SUJ2)を浸炭窒化処理したもの。
ポケット数:20(個)
ピニオンシャフト軸径:18mm
ピニオンシャフト軸長さ:50mm
ピニオンシャフト材質:高炭素クロム軸受鋼2種を浸炭窒化処理したもの。
ピニオンギア穴径:23mm
ピニオンギア材質:高炭素クロム軸受鋼2種を浸炭窒化処理したもの。
[耐久試験条件]
試験機:日本精工株式会社製のプラネタリニードル試験機
荷重:500(N)
ピニオン自転数:10000min-1
DmN:28.5万
潤滑油:ATF
潤滑油量:30cc/min
油温:120℃
Figure 2008232224
上述の様な条件で行なった試験の結果を示す、上記表1から明らかな様に、実施の形態の第1例の構造では、実測値寿命が、比較例の実測値寿命の2倍近い値(1.96倍)になった。又、総ての実施の形態の構造に於いて、実測値寿命比/計算値寿命比>1となって、軽負荷運転時にころの数を減らす事が、耐久性向上に繋がる事が分かる。更に、比較例はスミアリングを発生しているのに対し、総ての実施の形態の構造は、スミアリングを発生していない。
以上の結果から、軽負荷状態で運転されるラジアルころ軸受の耐久性の向上に、通油性及びラジアルころ軸受の発熱抑制効果が大きく起因する事が分かる。又、本発明のラジアルころ軸受の構成が、優れた通油性と発熱抑制効果とを得られ、十分な耐久性の確保を図れる事も分かる。
尚、前述した各実施の形態では、保持器に形成しているポケットの総数を20個としているが、この数は限定されるものではない。例えば、図6に示すラジアルころ軸受1hの様に、保持器3hに形成しているポケット9h、9hの総数が21個の場合にも対応できる。
図6に示した例の場合、上記ラジアルころ軸受1hを構成する上記保持器3hは、円周方向に関して均一な間隔で形成した21個のポケット9h、9hのうちの一部(7個所)のポケット9h、9hのみに、ころ2h、2hを保持している。又、これら各ポケット9h、9hのうちのこれら各ころ2h、2hを保持しない、1対のポケット9h、9hの組を、円周方向に関して均一な間隔で配置している。
具体的には、上記各ころ2h、2hを保持しているポケット9h、9hを1個置きに、これら各ころ2h、2hを保持しないポケット9h、9hを2個配置している。これら3個のポケット9h、9hを1組として円周方向に7組、等間隔に配置している。勿論、必要とする負荷容量に応じて、ころ2h、2hを保持するポケット9h、9hの数と、保持しないポケット9h、9hの数とを逆転しても良い。
本発明は、保持器製造上の制約(保持器に形成できるポケットの総数に関する制約)を満たし、且つ、保持器に形成している総てのポケットのうちの一部のポケットのみにころを保持し、且つ、これら各ポケットのうちのこれら各ころを保持しないポケットを、円周方向に関して均一な間隔で配置できるラジアルころ軸受の総てが対象である。
本発明に関する比較例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 本発明の実施の形態の第1例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 同第2例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 同第3例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 同第4例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 本発明の実施の形態の別例を示す、ラジアルころ軸受の断面図。 従来構造の1例を示す、ラジアルころ軸受を組み込んだ遊星歯車回転支持部の断面図。 従来構造の1例を示す、ラジアルころ軸受用保持器の斜視図。 図8のA−A断面図。 円筒状に形成する前の第三段階の中間素材を、円筒状とした場合に外周面となる側から見た図。 ラジアルころ軸受が備える負荷容量に余裕がある場合の対応方法を説明する為の、対応前のラジアルころ軸受の断面図。 同じく、対応後の断面図。
符号の説明
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h ラジアルころ軸受
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h ころ
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h 保持器
4 支持軸
5、5a 内輪軌道
6、6a 外輪軌道
7 リム部
8、8a、8b 柱部
9、9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h ポケット
10 第三段階の中間素材
11 外輪
12 内輪
13 遊星歯車

Claims (1)

  1. 互いに同心に配置された、それぞれが円筒状である内輪軌道及び外輪軌道と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、これら各ころを転動自在に保持する保持器とを備え、
    このうちの保持器は、円筒状に丸めた金属板の円周方向両端縁同士を溶接により接合して成るもので、軸方向両端部に互いに平行に且つ互いに同心に設けられた、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士の間に掛け渡される状態で互いに平行に且つ円周方向に関して互いに均一な間隔に設けられた複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合うこれら各柱部と上記両リム部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれ上記各ころを転動自在に保持する為のポケットとしている、保持器付きラジアルころ軸受に於いて、
    上記各ポケットのうちの一部のポケットにのみ、上記各ころが保持されており、それぞれの内側に上記ころを保持しないポケットが、円周方向に関して実質的に均一に配置されている事を特徴とする保持器付きラジアルころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013538935A (ja) * 2010-07-02 2013-10-17 アクティエボラゲット・エスコーエッフ ベアリングリングの製造方法、ベアリングリング、及びベアリング

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