JP2008230459A - 車両の下部車体構造 - Google Patents

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Takehisa Kodaira
剛央 小平
Takayuki Sunakawa
孝之 砂川
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Abstract

【課題】車体の剛性を高めることができる車両の下部車体構造を提供する。
【解決手段】本発明によれば、フロントサイドフレーム2と、これらのフロントサイドフレームの後部にそれぞれ接続されるサイドシル12と、サイドシル12の車両前後方向中間部と車両のルーフとを連結するセンターピラー28と、リアサイドフレーム16とを有する。また、フロアトンネル8の縁部8a及びNo.2クロスメンバ24の結合部48と、車幅方向左右同じ側におけるBピラー28及びサイドシル12の結合部30とを連結する、左右一対の第1前部斜行クロスメンバ50を有する。そして、結合部30と、No.4クロスメンバ34の車幅方向中間部34aとを連結する、左右一対の後部斜行クロスメンバ52を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の下部車体構造に係り、特に、フロントサイドフレーム及びサイドシルを有する車両の下部車体構造に関する。
従来、車両の下部におけるフレーム構造は、車体の剛性、強度或いは衝突安全性を保つために、車両前後方向に延びるサイドフレームやサイドシルと、車幅方向に延びる複数のクロスメンバとで構成される井桁構造とするのが一般的である。一方、特許文献1には、フロントサイドフレームの後部を二股に分けてサイドシルとフロアトンネルに結合させる構造が開示されている。
特開2001−219873号公報
ここで、近年、車両の衝突安全性をより向上させることが要望されている。そのためには様々な方策が考えられるが、本発明者らは、車両の剛性には、基本的にはフレーム構造が寄与する割合が大きいことに着目した。即ち、画期的なフレーム構造により飛躍的に剛性を向上させれば、衝突安全性をより大きく高めることができると考えたのである。言い換えると、上述したような従来のフレーム構造では、衝突安全性を大きく高めるには限界があったと考えられている。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車体の剛性を高めることができる車両の下部車体構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両の下部車体構造によれば、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、これらのフロントサイドフレームの後部にそれぞれ接続され車室フロアの両縁部で車両前後方向に延びる左右一対のサイドシルと、サイドシルの車両前後方向中間部と車両のルーフとを連結するように車両上下方向に延びる左右一対のセンターピラーと、車両前後方向に延びる左右一対のリアサイドフレームと、サイドシル及びセンターピラーの結合部よりも前方側においてサイドシルを互いに連結するように車幅方向に延びる前方クロスメンバと、左右一対のリアサイドフレームを互いに連結するように車幅方向に延びる後方クロスメンバと、車幅方向中間部で車両前後方向に延びると共に上方に膨出するフロアトンネルと、サイドシル及びセンターピラーの結合部と、この結合部と車幅方向左右同じ側における前方クロスメンバ及びフロアトンネルの結合部と、を連結するように平面視で斜めに延びる左右一対の第1前部斜行クロスメンバと、サイドシル及びセンターピラーの結合部と、後方クロスメンバと、を連結するように平面視で斜めに延びる左右一対の後部斜行クロスメンバと、を有し、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバとは、それらが囲むことにより、平面視でほぼ菱形状の領域を形成していることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、フロントサイドフレーム、サイドシル、リアサイドフレーム及び前方及び後方クロスメンバに加え、平面視で斜めに延びる第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバを有するので、車両の剛性を高めることができる。特に、側突に対して剛性及び強度を高めることができるので、これについて説明する。ここで、先ず、従来の車体構造による側突時の車体の変形について説明する。従来の車体構造では、側突時に、センターピラーが内方に向けて倒れ、それに起因して、サイドシルがセンターピラーによりねじられる。そして、センターピラー近傍の車室フロアがめくりあげられるように変形し、続いて、サイドシルが内方に向けて折れるように変形して車室内に食い込むように車体が変形することが明らかとなっている。従来は、このような側突時に、サイドシル及びセンターピラーのみで側突時の荷重を受け止めるか、あるいはサイドシルとフロアトンネルとを連結する車室フロアに短いクロスメンバが設けられている場合にはそのクロスメンバでしか、側突時の荷重を受け止められなかった。これに対し、本発明においては、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバが、いずれも、センターピラー及びサイドシルの連結部に結合されて前方及び後方に斜めに延びるので、センターピラー及びサイドシルのねじれを抑制すると共に、側突時の衝突荷重を、第1前部斜行クロスメンバ、後部斜行クロスメンバ及びサイドシルに分散させることができる。そして、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバに分散した荷重は、さらに、前方クロスメンバや後方クロスメンバなどに分散される。このように、多数の強度部材で荷重を有効に荷重を受け止めることができる。さらに、車室フロアに斜めに延びる第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバが存在することによって、車室フロアのめくりあがりを抑制すると共にサイドシルの内折れを抑制することができる。このようにして車両の剛性が高められるのである。
また、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバは、それらが囲むことにより、平面視でほぼ菱形状の領域を形成しているので、車室フロア下に比較的大きな領域を確保することができる。したがって、車両の剛性の向上を実現しつつ、且つ、車室フロア下における部品のレイアウトを容易に行うことができる。さらに、当該領域の内方は、側突時にも、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって変形が抑制されるので、例えば車室フロア下で菱形状の領域内に車両の部品を配置すれば、配置された部品の保護を図ることができる。
また、本発明において、好ましくは、後部斜行クロスメンバの後端部は、後方クロスメンバの車幅方向中間部に連結されている。
このように構成された本発明においては、後部斜行クロスメンバの後端部が、後方クロスメンバの車幅方向中間部に連結されるので、各クロスメンバが受け止め可能な軸力が大きくなり、車体のねじり剛性、特に、車室フロア後部のねじり剛性を向上させることができる。さらに、従来であれば、後方クロスメンバには、サイドシル等の他の部材を介して荷重が伝達されていたが、本発明によれば、後部斜行クロスメンバによって、後方クロスメンバに直接的に荷重を伝達することができるから、後方クロスメンバにより、この荷重を有効に受け止めることができる。
また、本発明において、好ましくは、左右一対の後部斜行クロスメンバは、サイドシル及びセンターピラーの結合部と、その結合部とは車幅方向左右反対側におけるリアサイドフレーム及び後方クロスメンバの結合部と、をそれぞれ連結し、互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっている。
このように構成された本発明においては、後部斜行クロスメンバは、互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっているので、前方衝突時や側突時に荷重を受けて生じる左右それぞれの後部斜行クロスメンバ自身の曲げ変形を互いに抑制して、より確実に荷重を分散させることができる。また、後部斜行クロスメンバが斜めに延びるので、車体に入力される荷重に対し、後方クロスメンバが受け止め可能な軸力が大きくなり、車体のねじり剛性、特に、車室フロア後部のねじり剛性を向上させることができる。さらに、後部斜行クロスメンバが互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっているので、特にオフセット衝突に対して車体の後部の剛性を高めることができる。つまり、オフセット衝突時には、サイドシルの後部にリアサイドフレームが接続されているので、フロントサイドフレームからサイドシルに伝達された入力荷重は、そのサイドシルのすぐ後方のリアサイドフレームに伝達される。本発明では、更にX字状の後部斜行クロスメンバを有するので、オフセット衝突時に、サイドシルが受ける入力荷重を、後部斜行クロスメンバを介して、車幅方向左右反対側のリアサイドフレームにも伝達することができる。このように、本発明によれば、従来の井桁構造ではオフセット衝突時に荷重分担に余り寄与しない車幅方向左右反対側のリアサイドフレームにも荷重を分散させることができる。その結果、左右一対のリアサイドフレームで効率的に荷重を受け止めてオフセット衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
また、本発明において、好ましくは、ほぼ菱形状の領域の内方に、燃料タンクが収容されている。
このように構成された本発明においては、ほぼ菱形状の領域の内方に、燃料タンクが収容されているので、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバの配置を邪魔することなく、燃料タンクを比較的大きな領域に配置することができる。したがって、車体の剛性を確保しつつ、燃料タンクを複数箇所に分散させずに配置することができ、車室フロア下のレイアウトの自由度を高めることができる。また、燃料タンクの周囲が、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによってほぼ囲まれる。したがって、燃料タンクの周囲の強度が、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって高まるため、燃料タンクが効果的に保護される。
また、本発明において、好ましくは、フロントサイドフレームの後部と、そのフロントサイドフレームと車幅方向左右同じ側に位置する第1前部斜行クロスメンバの前端部と、を連結する第2前部斜行クロスメンバを更に有する。
このように構成された本発明においては、第2前部斜行クロスメンバを有するので、車体の前突時に、フロントサイドフレームに伝達された入力荷重は、サイドシルに伝達される他、第2前部斜行クロスメンバを介して第1前部斜行クロスメンバ及び前方クロスメンバにも分散して伝達される。したがって、従来の井桁構造ではフロントサイドフレーム及びサイドシルのみで受けていた前突時の荷重を、多数の強度部材で有効に受け止めることができる。したがって、車両の剛性を高めることができる。
さらに、第2前部斜行クロスメンバは、フロントサイドフレームの後端部と、そのフロントサイドフレームと車幅方向左右同じ側に位置する第1前部斜行クロスメンバの前端部と、を連結するので、第2前部斜行クロスメンバが、フロアトンネルの下方を横切らない。したがって、フロアトンネル内に部品を配置する際に第2前部斜行クロスメンバが邪魔になることがなく、部品の設置を容易に行うことができるから、車体の組立が容易になる。
本発明によれば、車体の剛性を高めることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降では、第1実施形態と同様の構成には、図面に第1実施形態と同一符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造を下方から見た底面図であり、図2は、本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造を斜め下方から見た斜視図である。
先ず、主に、車両前後方向に延びるフレームの構造及びフロアの構造について説明する。
図1及び図2に示すように、車両1は、その前方のエンジンルームの側方にてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム2を有する。フロントサイドフレーム2は、断面ロ字状の閉断面構造を有している。フロントサイドフレーム2の後方側の部分は、ダッシュパネル4の下方にて、後方に向けて斜め下方に延び且つ車幅方向内方に湾曲している。フロントサイドフレーム2は、その湾曲した部分より後方の部分が、水平方向に且つ車両前後方向に延びてフロアパネル(第1フロアパネル)6の下面部に結合されている。このフロアパネル6には、その車幅方向中央部に、車両前後方向に延びると共に上方に膨出するフロアトンネル8が形成されている。このフロアトンネル8の後端部は、フロアパネル6から斜め上方に向けて立ち上がるキックアップ部(キックアップパネル)18に接続されている。
各フロントサイドフレーム2の後端部には、それぞれ、その車幅方向外方の部分にトルクボックス10が結合されている。これらのトルクボックス10は、その車幅方向外方端部がサイドシル12に結合されている。これらのトルクボックス10は、所定の閉断面を有して、斜め後方に向けて延び、フロントサイドフレーム2に加わる荷重をサイドシル12に有効に伝達するように形成されている。このようにして、フロントサイドフレーム2の後部がサイドシル12に結合される。サイドシル12は、所定の閉断面構造(図3参照)を有し、車両の車幅方向両側の縁部でそれぞれ車両前後方向に延びている。また、これらのサイドシル12の内方壁部には、フロアパネル6が結合されている(図3参照)。
ここで、図2に示すように、フロントサイドフレーム2には、それぞれ、その上部にフロントのストラットサスペンション(図示せず)を支持するサスタワー14が形成され、これらのサスタワー14は、それぞれ、エプロンレインフォースメント15に結合されている。サスタワー14はフロントサイドフレーム2に結合されているので、サスペンションからの荷重入力は、サスタワー14及びフロントサイドフレーム2を介して、他のフレーム部材12等に伝達される。
次に、サイドシル12の後端部の内方側には、それぞれ、リアサイドフレーム16が結合されている。これらのリアサイドフレーム16は、上方に開口した断面ハット状の形状(図示せず)を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部(図示せず)が、キックアップ部18及び第2フロアパネル20のそれぞれの下面部に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして形成されている。また、図示しないが、リアサイドフレーム16には、リアサスペンション(図示せず)が取り付けられており、これらのリアサスペンションからの荷重入力は、リアサイドフレーム16を介して、他のフレーム部材12等に伝達される。
次に、車両1には、上述した主に車両前後方向に延びるフレームに加えて、車幅方向に延びる数本のクロスメンバが形成されている。これらのフレーム部材について説明する。
先ず、各フロントサイドフレーム2の前端部には、車幅方向に延びるNo.1クロスメンバ22が結合されている。このNo.1クロスメンバ22は、クラッシュカン(図示せず)等を介してフロントサイドフレーム2に取りつけられており、バンパーレインフォースメントの機能を有している。
次に、フロアパネル6には、No.2クロスメンバ24が形成されている。このNo.2クロスメンバは、下方に開口した断面ハット状の形状(図9参照)を有し、その下部の左右両側に形成されたフランジ部が、フロアパネル6の上面部に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして形成されている。このNo.2クロスメンバ24は、その両端部がサイドシル12に結合されており、主に車幅方向の剛性を高めると共に、前席の脚部を支持するシートブラケットの役割をも果たしている。このNo.2クロスメンバ24は、正面視で、フロアトンネル8の山なりの断面形状に沿って延びている。
このNo.2クロスメンバ24の後方には、シートブラケット26が形成されている。図2に示すように、これらのシートブラケット26は、車両前後方向の中間部に設けられたBピラー(センターピラー)28及びサイドシル12の結合部30に結合されている(図4参照)。このシートブラケット26は、これらの結合部30から車幅方向内方に延び、フロアパネル6上において、サイドシル12とフロアトンネル8との間で終端している。このシートブラケット26は、下方に開口した断面ハット状の形状(図4参照)を有し、その下部の左右両側に形成されたフランジ部が、フロアパネル6の上面部に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして形成されている。このシートブラケット26は、前席の脚部を支持する役割をも果たしている。
これらのシートブラケット26の後方には、No.3クロスメンバ32が形成されている。このNo.3クロスメンバ32は、上方に開口した断面ハット状の形状(図示せず)を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部(図示せず)が、キックアップ部18の傾斜に合わせた角度で延び、それらのフランジ部がキックアップ部18の下面部に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして形成されている。このNo.3クロスメンバ32は、その両端部がサイドシル12及びリアサイドフレーム16に結合されており、主に車幅方向の剛性を高めるようになっている。より詳細には、No.3クロスメンバ32の両端部がサイドシル12の後端部の内方側部分に結合されると共に、No.3クロスメンバ32の両端部の後方側部分がリアサイドフレーム16の前端部に結合されている。
このNo.3クロスメンバ32の後方には、No.4クロスメンバ34が形成されている。このNo.4クロスメンバ34は、上方に開口した断面ハット状の形状(図示せず)を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部(図示せず)が、キックアップ部18および第2フロアパネル20の下面部に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして形成されている。このNo.4クロスメンバ34は、その両端部がリアサイドフレーム16に結合されており、主に車幅方向の剛性を高めるようになっている。
このNo.4クロスメンバ34の後方には、No.5クロスメンバ36が形成されている。ここで、第2フロアパネル20は、トランクスペースの床面の一部を構成し、スペアタイヤパン35が形成されている。No.5クロスメンバ32は、この第2フロアパネル20の下面部に結合され、スペアタイヤパン35を支持するように下方に湾曲して構成されている。
ここで、さらに、サイドシル12、リアサイドフレーム16、No.3クロスメンバ32及びNo.4クロスメンバ34のフレーム構造を説明する。
先ず、リアサイドフレーム16は、その前端部の車幅方向外方の側面部がサイドシル12の内方側の側面部に結合されている。さらに、リアサイドフレーム16の前端部は、No.3クロスメンバ32の後面部に結合されている。また、No.3クロスメンバ32の両端部がサイドシル12の後端部の内方側部分に結合されている。このように、No.3クロスメンバ32は、左右のサイドシル12を互いに連結すると共に、左右のリアサイドフレーム16の前端部をも互いに連結している。リアサイドフレーム16は、それらのサイドシル12及びNo.3クロスメンバ32との結合部から、後輪のホイールハウス37を避けるように、後方に且つ車幅方向内方に向けて延び、後輪のホイールハウス37に沿って形成されている。そして、リアサイドフレーム16が側面視でホイールハウス37と重複する部分は、その前端部(リアサイドフレーム16と、サイドシル12及びNo.3クロスメンバ32との結合部)よりも、互いのリアサイドフレーム16の車幅方向の間隔が狭くなっている。上述したNo.4クロスメンバ34は、この側面視でリアサイドフレーム16とホイールハウス37とが重複する部分に設けられており、その車幅方向の長さが、No.3クロスメンバ32よりも短く形成されている。
次に、図3及び図4により、Bピラー28、サイドシル12及びクロスメンバの結合部30の構造を説明する。図3は、本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、サイドシル、Bピラー及びクロスメンバの結合部を示す斜視図であり、図4は、図3のIV-IV線に沿って見たサイドシル、Bピラー及びクロスメンバの結合部を示す断面図である。
図3及び図4に示すように、サイドシル12は、サイドシルインナ12a、サイドシルレインフォースメント12b及びサイドシルアウタ12cを備えている。そして、Bピラー28は、ピラーインナ28a、ピラーインナガセット28b、ピラーレインフォースメント28c、及び、上述したサイドシルアウタ12cと連続して形成されたピラーアウタ28dを備えている。
サイドシル12の下端部では、サイドシル12を縦断して下方まで延びるピラーインナ28aが、サイドシルインナ12a、サイドシルレインフォースメント12b及びサイドシルアウタ12cとで挟み込まれると共にこれらの部材が互いに溶接されている。サイドシル12の上端部では、同じくピラーインナ28aが、サイドシルインナ12a及びサイドシルレインフォースメント12bで挟み込まれ、さらに、これらの部材が、車幅方向内方側に設けられたピラーインナガセット28bと共に互いに溶接されている。また、Bピラー28の内方には、ピラーレインフォースメント28cが車体上下方向に延びており、その下端部が、サイドシルレインフォースメント12bに溶接されている。
これらのような構造の結合部30には、さらに、フロアパネル6、上述したシートブラケット26、及び、後述する第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52が結合されている。
図3及び図4に示すように、フロアパネル6は、その端縁部にフランジ部6aを有し、このフランジ部6aがサイドシル12の内方側の側面に溶接されている。
また、シートブラケット26には、その端縁部にノッチ26aが設けられており、このノッチ26aが、サイドシル12の肩部に合わさるように形成されている。このように構成されたノッチ26aによれば、側面衝突時に、側突力が、サイドシル12及びBピラー28からシートブラケット26に効果的に加わるようになっている。
さらに、後述する第1前部斜行クロスメンバ50にもノッチ51が設けられており、このノッチ51が、サイドシル12の下方の肩部に合わさるように形成されている。図示しないが、後部斜行クロスメンバ52も同様の構造となっている。そして、側面衝突時に、側突力が、サイドシル12及びBピラー28から第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52に効果的に加わるようになっている。
次に、図1及び図2により、本発明の実施形態による斜行クロスメンバの配置を説明する。斜行クロスメンバとは、上述した車両前後方向及び車幅方向に延びる部材に加え、平面視で車両前後方向及び車幅方向の両方向に対し斜めに延びるフレーム部材である。以下、これらの部材について説明する。
先ず、フロントサイドフレーム2の後端部には、それぞれ、その車幅方向内方の部分に、第2前部斜行クロスメンバ46が結合されている。第2前部斜行クロスメンバ46は、左右一対に設けられ、フロントサイドフレーム2の後端部から内方且つ後方に斜めに延びる斜行部材46aと、斜行部材46aに結合して車両前後方向に延びる前後延出部材46bとをそれぞれ有する。一方の第2前部斜行クロスメンバ46の斜行部材46aは、車幅方向左側のフロントサイドフレーム2の後端部内方部分2aから、車幅方向左右同じ側、つまりフロアトンネル8の車幅方向左側の縁部(フロアトンネル8が上方に膨出する位置における立ち上がり部)8aまで、直線状に延びている。また、一方の第2前部斜行クロスメンバ46の前後延出部材46bは、車幅方向左側の斜行部材46aの後端部から、フロアトンネル8の車幅方向左側の縁部aに沿って、フロアトンネル8とNo.2クロスメンバ24との結合部48まで車両前後方向に直線状に延びている。また、他方の第2前部斜行クロスメンバ46は、斜行部材46aが、車幅方向右側のフロントサイドフレーム2の後端部内方部分2aから、フロアトンネル8の車幅方向左右同じ側、つまり車幅方向右側の縁部8aまで直線状に延びている。そして、他方の第2前部斜行クロスメンバ46の前後延出部材46bは、車幅方向右側の斜行部材46aの後端部から、フロアトンネル8の車幅方向右側の縁部8aに沿って、フロアトンネル8とNo.2クロスメンバ24との結合部48まで車両前後方向に直線状に延びている。
このような配置により、第2前部斜行クロスメンバ46は、フロントサイドフレーム2の後端部と、フロアトンネル8及びNo.2クロスメンバ24との結合部48とを結合している。また、左右一対の前後延出部材46bの間には、フロアトンネル8の縁部8a間の車幅方向寸法に対応した寸法の間隔が設けられ、フロアトンネル8の開口部分下方には第2前部斜行クロスメンバ46が配置されない。
フロアトンネル8の縁部8aとNo.2クロスメンバ24との結合部48には、第1前部斜行クロスメンバ50が結合されている。第1前部斜行クロスメンバ50は、車幅方向左右一対に設けられ、その一方が、車幅方向左側の結合部48から、その結合部48と車幅方向左右同じ側、つまり車幅方向左側のBピラー28及びサイドシル12の結合部30まで斜めに直線状に延びている。また、第1前部斜行クロスメンバ50の他方は、車幅方向右側の結合部48から、その結合部48と左右同じ側、つまり車幅方向右側のBピラー28及びサイドシル12の結合部30まで斜めに直線状に延びている。このように、第1前部斜行クロスメンバ50は、フロアトンネル8の縁部8a及びNo.2クロスメンバ24の結合部48と、車幅方向左右同じ側のBピラー28及びサイドシル12の結合部30とを結合している。また、第1前部斜行クロスメンバ50は、結合部48において、第2前部斜行クロスメンバ46と結合している。このような配置により、一対の第1前部斜行クロスメンバ50は、フロアトンネル8の開口部分下方を横切らない。
以上のように、第2前部斜行クロスメンバ46及び第1前部斜行クロスメンバ50のこのような配置であれば、フロアトンネル8の開口部分下方にこれらのクロスメンバ46,50が横切らない。したがって、例えば、第2前部斜行クロスメンバ46や第1前部斜行クロスメンバ50を組み付けた後であっても、触媒7や排気管9(図5)を設置することができる。このように、フロアトンネル8内の排気管やプロペラシャフトなどの配置を容易に行うことができる。
Bピラー28及びサイドシル12の結合部30には、後部斜行クロスメンバ52が結合されている。後部斜行クロスメンバ52は、左右一対に設けられ、Bピラー28及びサイドシル12の結合部30から、No.4クロスメンバ34の車幅方向中間部34aまでそれぞれ延びている。このような配置により、後部斜行クロスメンバ52は、平面視で結合部30から車幅方向中間部34aまで、直線状に延びている。また、このような配置により、一対の後部斜行クロスメンバ52は、車体後方部で全体形状として前方に向かって拡開するV字状に配置されている。
ここで、車両1の幅方向中央部には、一対の第1前部斜行クロスメンバ50及び一対の後部斜行クロスメンバ52によってほぼ囲まれた領域54が形成される。この領域54の前方側は、一対の前後延出部材46b間の間隔によって、フロアトンネル8の幅寸法だけ開口しており、したがって、この領域54の形状は、ほぼ菱形状となっている。この領域54の内方には、燃料タンク56が配置固定されている。燃料タンク56は、領域54の内方形状に対応した外形となっており、具体的には、本実施形態では、No.2クロスメンバ24、第1前部斜行クロスメンバ50、後部斜行クロスメンバ52、及びNo.3クロスメンバ32に沿った、平面視で六角形に形成されている。この燃料タンク56は、図示しないバンドによってフロアパネル6の下面部に固定されている。
次に、図1、図2、図5及び図6により、第2前部斜行クロスメンバ46、第1前部斜行クロスメンバ50、及び後部斜行クロスメンバ52の具体的な構造を説明する。
図5は、本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、第2前部斜行クロスメンバ46、第1前部斜行クロスメンバ50、及びNo.2クロスメンバ24の結合部を斜め下方から見た斜視図であり、図6は、本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、第1前部斜行クロスメンバ50を斜め下方から見た分解斜視図であり、上下が逆さまに示された図である。
まず、第2前部斜行クロスメンバ46の斜行部材46aは、前述の図1に示すように、上方に開口した断面ハット状の形状(図示せず)を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部(図示せず)が、フロアパネル6の下面に結合され且つ一体となった閉断面のフレームになっている。
第2前部斜行クロスメンバ46の前後延出部材46bは、図5に示すように、断面略L字形に形成され、その上部の左右両側にはフランジ部46cが形成されている。このフランジ部46cの一方は、フロアトンネル8の内面に固定され、また他方は、フロアパネル6の下面に固定されている。したがって前後延出部46bは、フロアトンネル8の縁部8aをまたぐように固定されることにより、フロアパネル6及びフロアトンネル8の内面に結合され且つ一体となった閉断面のフレームになっている。なお、前後延出部材46bの後端部におけるフランジ部46cと、No.2クロスメンバ24のフランジ部とが平面視で重なる部分は、フロアパネル6を挟んで互いに溶接により結合されている。なお、フロアパネル6を挟んでNo.2クロスメンバ24と反対側には、補強部材24aが設けられている。この補強部材24aは、断面ハット状の形状であり、フロアトンネル8の内面に沿って、フロアトンネル8の縁部8a近傍まで車幅方向に延びている。補強部材24aの左右両側のフランジ部は、フロアパネル6を挟んでNo.2クロスメンバ24のフランジ部と結合されている。前後延出部材46bの後端部は、補強部材24aの両端部をそれぞれ覆って、フロアパネル6、No.2クロスメンバ24とともに、補強部材24aにも結合されている。
第1前部斜行クロスメンバ50は、図6に示すように、直線部材50aと、直線部材50aの前端部に結合されるガセット50bとを備えている。直線部材50a及びガセット50bは、ともに上方に開口する断面ハット状の形状を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部50cが、フロアパネル6の下面に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとなっている。直線部材50aの後端部には、図4に示すように前述のノッチ51が設けられており、このノッチ51がサイドシル12の下方の肩部に合わさるように形成されている。直線部材50aは、前後延出部材46bの後端部近傍まで延びており、その前端部には、段差部50dが形成されている。
ガセット50bの前端部には、第2前部斜行クロスメンバ46の前後延出部材46bの後端部と結合される結合部50eが形成されている。結合部50eは、前後延出部材46bの後端部に重ね合わされ、その後端部と溶接により結合される。これにより、第2前部斜行クロスメンバ50及び第1前部斜行クロスメンバ46は、フロアトンネル8及びNo.2クロスメンバ24の結合部48において、互いに結合する。
ガセット50bの後端部には、直線部材50aの段差部50dが挿通される。ガセット50b及び直線部材50aが重なる部分においてフランジ部50cがフロアパネル6に溶接されることにより、ガセット50b及び直線部材50aは、互いに結合される。
後部斜行クロスメンバ52は、図1及び図2に示すように、上方に開口する断面ハット状の形状(図示せず)を有し、その上部の左右両側に形成されたフランジ部(図示せず)が、フロアパネル6の下面に結合され且つ一体となった閉断面のフレームとして構成されている。後部斜行クロスメンバ52は、No.3クロスメンバ32及びNo.4クロスメンバ34の下面部に結合されている。ここで、No.4クロスメンバ34は、No.3クロスメンバ32より高い位置に設けられているので、後部斜行クロスメンバ52のNo.3クロスメンバ32とNo.4クロスメンバ34との間の部分は、No.3クロスメンバ32の後方側で上方に折り曲げられた形状となっている。また、この、No.3クロスメンバ32とNo.4クロスメンバ34との間の部分は、キックアップ部18の形状によっては、上方のフランジ部が結合されず、キックアップ部18の形状に沿って配置されない場合がある。この場合に、フロアパネル6、キックアップ部18、または第2フロアパネル20の下面に結合されない部分のクロスメンバは、閉断面に形成されてもよい。
次に、本発明の第1実施形態による作用効果を説明する。
本発明の第1実施形態によれば、フロントサイドフレーム2、サイドシル12、リアサイドフレーム16及びクロスメンバ24,32,34,36に加え、平面視で斜めに延びる第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52を有するので、車両1の剛性を高めることができる。特に、側突に対して有効に作用する。即ち、フロアトンネル8の縁部8a及びNo.2クロスメンバ24の結合部48と、車幅方向左右同じ側におけるBピラー28及びサイドシル12の結合部30と、を結合している一対の第1前部斜行クロスメンバ50を有し、また、Bピラー28及びサイドシル12の結合部30と、No.4クロスメンバ34の中間部34aとを結合している一対の後部斜行クロスメンバ52とを有している。側突時には、これらの第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52とで有効に側突荷重を受け止めることができ、側突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
ここで、従来の構造による側突時の車体の変形について説明する。先ず、側突時には、Bピラー28が内方に向けて倒れ、それに起因して、サイドシル12がBピラー28によりねじられる。そして、Bピラー28近傍のフロアパネル6がめくりあげられるように変形し、続いて、サイドシル12が内方に向けて折れるように変形して車室内に食い込むように車体が変形することがCAE解析により明らかとなっている。従来は、車室フロアでは、サイドシル12とフロアトンネル8とを連結するNo.2クロスメンバ24でしか、側突時の荷重を受け止められなかった。
これに対し、本実施形態においては、第1前部斜行クロスメンバ50と後部斜行クロスメンバ52とが、いずれも、Bピラー部28とサイドシル12との連結部30に結合されているので、Bピラー28及びサイドシル12のねじれを抑制すると共に、側突時の衝突荷重をBピラー28及びサイドシル12に分散させることができる。そして、第1前部斜行クロスメンバ50は、No.2クロスメンバ24に連結され、後部斜行クロスメンバ52は、No.4クロスメンバ34に連結されているので、側突荷重をこれらの部材に分散させることができる。そして、No.4クロスメンバ34が分担する側突荷重は、さらに、リアサイドフレーム16に分散される。これらのように、従来とは異なり、多数の強度部材で有効に荷重を受け止めることができる。さらに、フロアパネル6に斜めに延びる第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52が存在することによって、フロアパネル6のめくりあがりを抑制すると共にサイドシル12の内折れを抑制することができる。
さらに、本発明の第1実施形態によれば、Bピラー28及びサイドシル12の結合部30と、No.4クロスメンバ34の中間部34aとを結合してV字状に延びる一対の後部斜行クロスメンバ52を有するので、車体にねじり力が加わった場合、これらの各クロスメンバ52が受け止め可能な軸力が大きくなり、車体のねじり剛性、特に、フロアパネル6後部のねじり剛性を向上させることができる。さらに、従来であれば、No.4クロスメンバ34には、サイドシル12及びリアサイドフレーム16を介して荷重が伝達されていたが、本実施形態によれば、後部斜行クロスメンバ52により、このNo.4クロスメンバ34に直接的に荷重を伝達することが出来、No.4クロスメンバ34及びこのクロスメンバ34が結合されているリアサイドフレーム16で、荷重を有効に受け止めることができる。また、後部斜行クロスメンバ52は、No.3クロスメンバ32にも結合されているので、No.3クロスメンバ32にも荷重を伝達させることが出来、側突加重を有効に分散させることができる。
さらに、後部斜行クロスメンバ52は、No.3クロスメンバ32より後方側のNo.4クロスメンバ34まで延びている。従って、後部斜行クロスメンバ52は、サイドシル12が延びる方向に近い角度で延び、それにより、側突時のフロアパネル6のめくり上がりを抑制することができる。
さらに、本発明の第1実施形態によれば、第2前部斜行クロスメンバ46が、フロントサイドフレーム2の後端部2aと、フロアトンネル8の縁部8a及びNo.2クロスメンバ24の結合部とを連結している。これにより、車体の前突時には、荷重がフロントサイドフレーム2に入力されるが、この荷重は従来と同様サイドシル12に伝達される他、本発明の第1実施形態では第2前部斜行クロスメンバ46を介して第1前部斜行クロスメンバ50及びNo.2クロスメンバ24にも分散して伝達される。したがって、前突時の荷重を、従来の車体より多くの強度部材で有効に受け止めることができるから、車体の剛性を向上させることができる。特にオフセット衝突時には、一方のフロントサイドフレーム2から第2前部斜行クロスメンバ46を介してNo.2クロスメンバ24に伝達された力は、更に、第1前部斜行クロスメンバ50を介してフロントサイドフレーム2とは左右反対側のサイドシル12にも伝達される。したがって、従来であれば荷重分担に余り寄与しない左右反対側のサイドシル12にも荷重を分散させることで、フロントサイドフレーム2、および左右一対のサイドシル12で効率的に荷重を受け止めてオフセット衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
さらに、第2前部斜行クロスメンバ46の斜行部材46aは、フロントサイドフレーム2の後端部2aから、そのフロントサイドフレーム2と車幅方向左右同じ側に位置するフロアトンネル8の縁部8aまで延びる。そして、第2前部斜行クロスメンバ46の前後延出部材46bは、フロアトンネル8の縁部8aに沿って車体の前後方向に沿って延びる。したがって、第2前部斜行クロスメンバ46が、フロアトンネル8の下方を横切らず、フロアトンネル8が下方に開口する。これにより、フロアトンネル8内に触媒7や排気管9などの部品を配置した後に、第2前部斜行クロスメンバ46を配置したり、あるいは第2前部斜行クロスメンバ46を取り付けた後に、触媒7や排気管9などの部品を配置したりすることができ、車体の組立が容易になる。
さらに、本発明の第1実施形態によれば、一対の第1前部斜行クロスメンバ50及び一対の後部斜行クロスメンバ52によってほぼ囲まれた菱形状の領域54の内方に、燃料タンク56が配置されている。したがって、フロアパネル6の下面に第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52を配置して車体の剛性を確保しながら、燃料タンク56のような比較的大きな部品を領域54に配置することができる。これにより、燃料タンク56を複数箇所に分散して配置する必要がないため、フロアパネル6下の部品のレイアウトを単純化することができる。また、燃料タンク56が、第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52によってほぼ囲まれる。したがって、燃料タンク56これらの第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ52によって燃料タンク56を効果的に保護することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の車両について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態の自動車の下部車体構造を下方から見た平面図であり、図8は、本発明の第2実施形態の自動車の下部車体構造を下方からみた斜視図である。
この第2実施形態の自動車の下部車体構造は、第1実施形態の自動車の下部車体構造に対し、後部斜行クロスメンバの配置が異なる点を除き、第1実施形態の自動車の下部車体構造とほぼ同様の構成である。
車両100の後部斜行クロスメンバ152は、左右一対に設けられている。後部斜行クロスメンバ152の一方は、車幅方向左側のBピラー28及びサイドシル12の結合部30から、その結合部30とは車幅方向左右反対側、つまり車幅方向右側におけるNo.4クロスメンバ34及びリアサイドフレーム16の結合部34bまで、平面視で直線状に斜めに延びている。また、後部斜行クロスメンバ152の他方は、車幅方向右側のBピラー28及びサイドシル12の結合部30から、その結合部30とは車幅方向左右反対側、つまり車幅方向左側におけるNo.4クロスメンバ34及びリアサイドフレーム16の結合部34bまで、平面視で直線状に斜めに延びている。したがって、左右一対の後部斜行クロスメンバ152は、車幅方向中央部で、同じ高さ位置において互いに交差し且つ互いに結合された交差部分152aを形成し、全体としてX字状に配置されている。このように、後部斜行クロスメンバ152は、Bピラー28及びサイドシル12の結合部30と、車幅方向反対側におけるNo.4クロスメンバ34の端部、つまりNo.4クロスメンバ34及びリアサイドフレーム16の結合部34bと、を連結している。
後部斜行クロスメンバ152は、第1実施形態の後部斜行クロスメンバ52と同様に、上方に開口した断面ハット状の形状を有し、その縁部に形成されたフランジ部(図示せず)が、フロアパネル6の下面に結合されることにより、閉断面のフレームを構成している。これらの後部斜行クロスメンバ152は、No.3クロスメンバ32及びNo.4クロスメンバ34の下面部に結合されている。
このような構造により、第1前部斜行クロスメンバ50及び後部斜行クロスメンバ152で囲まれる領域には、ほぼ菱形状の領域154が形成される。この領域154の内方には、領域154の内方形状に対応した外形を有する燃料タンク156が配置されている。燃料タンク156は、No.2クロスメンバ24、第1前部斜行クロスメンバ50、後部斜行クロスメンバ152、及びNo.3クロスメンバ32の縁部に沿って、平面視で六角形に形成され、図示しないバンドによって、フロアパネル6の下面に固定されている。
本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態における作用効果の他、次のような作用効果が得られる。
本発明の第2実施形態によれば、後部斜行クロスメンバ152は、互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっているので、前方衝突時や側突時に荷重を受けて生じる左右それぞれの後部斜行クロスメンバ152自身の曲げ変形を互いに抑制して、より確実に荷重を分散させることができる。また、後部斜行クロスメンバ152が互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっているので、特にオフセット衝突に対して車体の後部の剛性を高めることができる。
ここで、従来の井桁構造では、オフセット衝突時にフロントサイドフレーム2及びサイドシル12が受ける入力荷重を、その荷重を受けるフロントサイドフレーム2及びサイドシル12に近い側のリアサイドフレーム16にしか伝達されていなかった。つまり、他方のリアサイドフレーム16への荷重分担はほとんど無かった。
これに対し、本発明の第2実施形態では、フロントサイドフレーム2およびサイドシル12が受け、リアサイドフレーム16に伝達された入力荷重は、後部斜行クロスメンバ152を介して、左右反対側のリアサイドフレーム16に伝達される。このように、従来であれば荷重分担に余り寄与しない左右反対側のリアサイドフレーム16にも荷重を分散させることで、フロントサイドフレーム2、サイドシル12、及び左右一対のリアサイドフレーム16で効率的に荷重を受け止めてオフセット衝突時の衝撃エネルギを吸収することができる。
さらに、本発明の第2実施形態によれば、後部斜行クロスメンバ152がX字状になっているので、車体全体のねじりに対し、斜めに延びる各メンバが受け止め可能な軸力が大きくなり、車体のねじり剛性、特に、フロアパネル6のねじり剛性を向上させることができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、燃料タンクの形状は、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって実質的に囲まれる領域の内方形状に対応していてもよい。あるいは、燃料タンクの形状は、上記領域の内方形状に対応していなくてもよく、例えばほぼ菱形状の領域に、矩形状や、三角形状の燃料タンクを配置してもよい。要するに、燃料タンクは、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって実質的に囲まれる領域の内方に配置されていればよい。
燃料タンクは、第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって囲まれる領域の内方に配置されるものに限らない。燃料タンクは、他に設置場所が確保できる場合には、フロアパネル下面の任意の位置に配置してよく、必ずしも第1前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバによって囲まれる領域の内方に配置されていなくてもよい。
第1実施形態の後部斜行クロスメンバの後端部は、No.4クロスメンバの車幅方向中間部に結合されていたが、これに限らず、例えばNo.3クロスメンバの車幅方向中間部に結合されていてもよい。このような場合でも、後部斜行クロスメンバが、Bピラー及びサイドシルの結合部から後方に斜めに延びるので、側突時の入力荷重を第2前部斜行クロスメンバ及び後部斜行クロスメンバに分散させて伝達することができ、車体の剛性を向上させることができる。
第2実施形態の後部斜行クロスメンバは、Bピラー及びサイドシルの結合部と、車幅方向反対側におけるNo.4クロスメンバ及びリアサイドフレームの結合部と、を連結していたが、これに限らず、例えばNo.3クロスメンバの端部と結合していてもよい。また、後部斜行クロスメンバは、直線状に延びているものに限らず、例えば、Bピラー及びサイドシルの結合部からNo.3クロスメンバの車幅方向中間部まで延びる直線状部分と、No.3クロスメンバの車幅方向中間部から結合部とは左右反対側のNo.4クロスメンバの端部まで延びる直線状部分とを有していてもよい。この場合には、後部斜行クロスメンバは、No.3クロスメンバの車幅方向中間部で平面視で屈曲した形状となる。
第2前部斜行クロスメンバは、フロントサイドフレームの後端部と、そのフロントサイドフレームと車幅方向同じ側のフロアトンネルの縁部及びNo.2クロスメンバの結合部と、を連結していればよいので、必ずしもフロアトンネルの縁部に沿って配置されなくてもよい。したがって、例えばフロントサイドフレームの後端部と、車幅方向同じ側におけるフロアトンネルの縁部及びNo.2クロスメンバの結合部と、を斜めに1つの直線部材で直線状に連結してもよい。
本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造を下方から見た底面図である。 本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の下部を斜め下方から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、サイドシル、Bピラー及びクロスメンバの結合部を示す斜視図である。 図3のIV-IV線に沿って見たサイドシル、Bピラー28及びクロスメンバの結合部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、フロアパネル及びこのフロアパネルに取りつけられた第1前部斜行クロスメンバ及び第2前部斜行クロスメンバを斜め下方から上下逆さまに見た斜視図である。 本発明の第1実施形態の自動車の下部車体構造の、第1前部斜行クロスメンバを斜め下方から見た分解斜視図である。 本発明の第2実施形態の自動車の下部車体構造を下方から見た底面図である。 本発明の第2実施形態の自動車の下部車体構造を斜め下方から見た斜視図である。
符号の説明
1 車両
2 フロントサイドフレーム
6 フロアパネル
8 フロアトンネル
8a フロアトンネルの縁部
12 サイドシル
16 リアサイドフレーム
24 No.2クロスメンバ
28 Bピラー
30 Bピラー及びサイドシルの結合部(車両前後方向中間部)
32 No.3クロスメンバ
34 No.4クロスメンバ
34a No.4クロスメンバの車幅方向中間部
34b リアサイドフレーム及びNo.4クロスメンバの結合部
46 第2前部斜行クロスメンバ
46a 第2前部斜行クロスメンバの斜行部材
46b 第2前部斜行クロスメンバの前後延出部材
48 フロアトンネルの縁部及びNo.2クロスメンバの結合部
50 第1前部斜行クロスメンバ
52,152 後部斜行クロスメンバ
54,154 領域
56,156 燃料タンク

Claims (5)

  1. 車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、
    これらのフロントサイドフレームの後部にそれぞれ接続され車室フロアの両縁部で車両前後方向に延びる左右一対のサイドシルと、
    上記サイドシルの車両前後方向中間部と車両のルーフとを連結するように車両上下方向に延びる左右一対のセンターピラーと、
    車両前後方向に延びる左右一対のリアサイドフレームと、
    前記サイドシル及び前記センターピラーの結合部よりも前方側において前記サイドシルを互いに連結するように車幅方向に延びる前方クロスメンバと、
    左右一対の前記リアサイドフレームを互いに連結するように車幅方向に延びる後方クロスメンバと、
    車幅方向中間部で車両前後方向に延びると共に上方に膨出するフロアトンネルと、
    前記サイドシル及び前記センターピラーの結合部と、この結合部と車幅方向左右同じ側における前記前方クロスメンバ及び前記フロアトンネルの結合部と、を連結するように平面視で斜めに延びる左右一対の第1前部斜行クロスメンバと、
    前記サイドシル及び前記センターピラーの結合部と、前記後方クロスメンバと、を連結するように平面視で斜めに延びる左右一対の後部斜行クロスメンバと、を有し、
    前記第1前部斜行クロスメンバ及び前記後部斜行クロスメンバは、それらが囲むことにより、平面視でほぼ菱形状の領域を形成していることを特徴とする車両の下部車体構造。
  2. 前記後部斜行クロスメンバの後端部は、前記後方クロスメンバの車幅方向中間部に連結している請求項1に記載の車両の下部車体構造。
  3. 左右一対の前記後部斜行クロスメンバは、前記サイドシル及び前記センターピラーの結合部と、その結合部とは車幅方向左右反対側における前記リアサイドフレーム及び前記後方クロスメンバの結合部と、をそれぞれ連結し、互いに車幅方向中央部で交差すると共に互いに結合されたX字状メンバとなっている請求項1に記載の車両の下部車体構造。
  4. 前記菱形状の領域の内方に、燃料タンクが収容されている請求項2又は3に記載の車両の下部車体構造。
  5. 前記フロントサイドフレームの後部と、そのフロントサイドフレームと車幅方向左右同じ側に位置する前記第1前部斜行クロスメンバの前端部と、を連結する第2前部斜行クロスメンバを更に有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の下部車体構造。
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