JP2008229406A - 塗膜形成方法およびそれから得られた塗膜 - Google Patents

塗膜形成方法およびそれから得られた塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、カチオン電着塗装を基本として、タッチアップの対象となる未塗装部分をゼロに近くする技術を提供する。
【解決手段】被塗物を電着塗装して電着塗膜を形成する、電着塗装工程、
次いで自己析出型塗料組成物を塗装して、被塗物上の電着塗膜未形成部分に自己析出被膜を形成する、自己析出被膜形成工程、
を包含する、塗膜形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜形成方法、特にカチオン電着工程と自己析出皮膜形成工程とからなる塗膜形成工程およびそれから得られた塗膜に関する。
電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車車体等の大型で複雑な形状を有し、高い防錆性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。また、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として広く普及している。カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に被塗物を陰極として浸漬させ、電圧を印加することにより行なわれる。
電着塗装は、上述のように細部にまで塗装が施されるのであるが、実際には塗装されない部分が生じてしまう。例えば、パイプ形状した部分の内部や、鋭く尖った先端付近は電着塗膜が形成され難い部分として知られており、そのような部分を持つ物品を電着塗装しても、電着塗膜が形成されないままの部分が生じ、電着塗膜が形成されていない部分は当然、防錆性が不足する。塗膜が形成されない部分を少なくするために、つきまわり性(隅々にまで電着塗装される性質)を改良したカチオン電着塗料などが開発されているが、完全に満足できるものは無い。
例えば、特開2006―348067号公報(特許文献1)や特開2006―002003号公報(特許文献2)等、たくさんの改良がカチオン電着塗料のつきまわり性を改善するためになされている。しかし、前述のように、電着塗膜が形成されない部分を完全にゼロにするのは、非常に難しい。実際の塗装ラインでは、防錆品質の向上のために、電着塗膜が形成されない部分にタッチアップペンキ等を手作業で補修しているが、工程数の増加や労力の増加は避けられない。また、パイプ形状の物品の内側などでは、手作業でも塗装困難な部分であり、防錆性には限界があった。
一方、電着という電気泳動現象を用いないで、金属鋼板上に防錆性の高い塗膜を形成する自己析出型塗料組成物が知られている。この方法は、電圧という外的要因を用いないで、酸化還元という化学反応を用いて金属表面に塗膜を形成する方法で、化学反応が起こる場所であればどこでも塗膜が形成されるので、電着塗装方法では塗膜が形成されない部分にでも防錆性の塗膜が形成できる利点がある。
特開平8−173901号公報(特許文献3)、特開平7−233341号公報(特許文献4)または特開2001−172560号公報(引用文献5)等、たくさんの自己析出型塗料組成物に関する技術があり、今も研究開発が続けられている。
しかし、電着塗装技術も自己析出技術も、それぞれ個別に開発され、金属表面の下塗り塗装としては一方を用いれば、他方を用いることは無かった。即ち、1つの被塗物に、電着塗装と自己析出塗装とを併用することは無かった。
特開2006―348067号公報 特開2006―002003号公報 特開平8−173901号公報 特開平7−233341号公報 特開2001−172560号公報
本発明は、カチオン電着塗装を基本として、タッチアップの対象となる未塗装部分をゼロに近くする技術を提供する。
本発明は、カチオン電着塗装を施した後、その未塗装部分を自己析出技術で塗装することを特徴とする。
即ち、本発明は、被塗物を電着塗装して電着塗膜を形成する電着塗装工程、
次いで自己析出型塗料組成物を塗装して、被塗物上の電着塗膜未形成部分に自己析出被膜を形成する自己析出被膜形成工程、
を包含する塗膜形成方法。
本発明は、また、前記自己析出型塗料組成物が、カルボキシル基含有樹脂、フッ化水素および過酸化水素を含み、および前記電着塗装で用いられる電着塗料組成物が、アミン変性エポキシ樹脂、ブロック化イソシアネート硬化剤および顔料を含むことも提供する。
上記カルボキシル基含有樹脂はカルボキシル基含有スチレンブタジエンラテックスであるのが好ましい。
更に、電着塗膜形成工程の前にさらに、下記工程、
ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)およびフッ素(B)を少なくとも含有する化成処理剤を用いて、被塗物を化成処理することも可能である。
上記化成処理剤は、リン酸亜鉛化成処理剤を用いても良い。
本発明では、被塗物が冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板または合金化亜鉛メッキ鋼板であるのが好ましい。
本発明は、また、上記の塗膜形成方法により得られる塗膜も提供する。
本発明では、これまで単独の塗装方法として独自に進展してきた二つの塗装方法を電着塗装技術を主体として融合して、電着塗膜が形成されていない部分に自己析出被膜を形成して防錆性を確保し、これまで行っていたタッチアップペンキの塗装などを不要にして、工程数の低減、労力の削減を達成した。また、電着塗装技術とその後の人的作業によるタッチアップペンキ塗装とでは、防錆塗装することが不可能であったパイプ状部分の内側や複雑な形状部分の内部なども塗装することができるようになり、防錆性が大きく改善される。特にパイプ状部品の内側へも自己析出被膜を形成することができることから、電着塗膜が形成されず、その自己析出被膜だけで防錆性を付与し、かつ、そのパイプ状部品の内側は、直接外部から物理的な影響を受けることがないことから自己析出被膜だけでも十分に被塗物を保護することができる。
本発明では、前述のようにカチオン電着塗料により被塗物を塗装した後、自己析出型塗料組成物を用いて自己析出塗膜を形成する。自己析出塗膜は、カチオン電着塗膜の形成されていない部分に化学反応的に塗膜を形成するものである。自己析出塗膜の形成は、被塗物の表面処理、特に化成処理によっても形成される塗膜の膜厚が変わってくることが実験的に知られている。以下の説明は、被塗物の処理手順(化成処理→電着塗装→自己析出塗装)に対応した順番で説明をする。
化成処理工程
本発明の塗膜形成方法においては、まず、化成処理剤を用いて、上記被塗物に化成処理を施す(化成処理工程)。被塗物である鋼材は、一般に、防錆油、加工油などといった塗装に悪影響を与えるような一次防錆材料を塗布している。これらの防錆油そして加工油などは、塗装前にアルカリ脱脂を施すことによって除去される。しかしながらこれらの防錆油、加工油を除去すると、錆が発生しやすくなってしまう。そのため、まず、アルカリ脱脂液に被塗物を浸して防錆油などを除去した後、すぐに化成処理剤を用いて被塗物に化成処理を施す必要がある。そして化成処理を施すことによって、短期間で生じる錆の発生を防ぐことができ、さらに被塗物と塗膜との密着性も向上させることができる。
上記化成処理工程で用いる化成処理剤として、一般的にはリン酸亜鉛系化成処理剤が用いられる。リン酸亜鉛系化成処理剤は、亜鉛イオン、リン酸イオンを主成分とし、酸化剤として、硝酸イオン、亜硝酸イオン及び塩素酸イオン等の中から選ばれる少なくとも1種、中和イオンとしてナトリウムイオン等を含有する処理液である。また、リン酸亜鉛系化成処理液の中には塗装性能向上を目的として、更にニッケルイオン、マンガンイオン等の添加金属イオン及びエッチング剤としてフッ化物等を添加する場合もある。このようなリン酸亜鉛系化成処理剤は、市販のものを用いてもよく、例えば日本ペイント株式会社製SD−5350などが挙げられる。
本発明においてはさらに、リン酸イオンなどを含まない化成処理剤も用いることもできる。このような化成処理剤として、例えばジルコニウム系化成処理剤が挙げられる。
ジルコニウム系化成処理剤
ジルコニウム系化成処理剤は、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)およびフッ素(B)を少なくとも含有する化成処理剤である。このジルコニウム系化成処理剤はさらに、シランカップリング剤などの密着性および耐食性付与剤を含有してもよい。
ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)
上記化成処理剤に含まれるジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)は、化成処理膜形成成分である。ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)を含む化成処理膜が被塗物に形成されることにより、被塗物の耐食性や耐磨耗性を向上させ、更に、次に形成される塗膜との密着性を高めることができる。
上記ジルコニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、KZrF等のアルカリ金属フルオロジルコネート;(NHZrF等のフルオロジルコネート;HZrF等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記チタンの供給源としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属フルオロチタネート、(NHTiF等のフルオロチタネート;HTiF等のフルオロチタネート酸等の可溶性フルオロチタネート等;フッ化チタン;酸化チタン等を挙げることができる。
上記ハフニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、HHfF等のフルオロハフネート酸;フッ化ハフニウム等を挙げることができる。上記ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)の供給源としては、被膜形成能が高いことからZrF 2−、TiF 2−、HfF 2−からなる群より選択される少なくとも一種を有する化合物が好ましい。
上記化成処理剤に含まれる、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)の含有量は、金属換算で下限20ppm、上限10000ppmの範囲であることが好ましい。上記下限未満であると得られる化成処理膜の性能が不充分であり、上記上限を超えると、それ以上の効果は望めず経済的に不利である。上記下限は50ppmがより好ましく、上記上限は2000ppmがより好ましい。
フッ素(B)
上記化成処理剤に含まれるフッ素(B)は、被塗物のエッチング剤としての役割を果たすものである。上記フッ素の供給源としては特に限定されず、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ホウ素酸、フッ化水素アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等のフッ化物を挙げることができる。また、錯フッ化物としては、例えば、ヘキサフルオロケイ酸塩が挙げられ、その具体例としてケイフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸亜鉛、ケイフッ化水素酸マンガン、ケイフッ化水素酸マグネシウム、ケイフッ化水素酸ニッケル、ケイフッ化水素酸鉄、ケイフッ化水素酸カルシウム等を挙げることができる。
ジルコニウム系化成処理剤の調製
このジルコニウム系化成処理剤化成処理剤は、上記成分(A)および(B)、そして必要に応じたシランカップリング剤などの密着性および耐食性付与剤を、水性溶媒中に混合することによって調製することができる。水性溶媒としては、水道水、イオン交換水、純水などを特に制限なく用いることができる。水性溶媒は、必要に応じて少量のアルコール類などを含んでいてもよい。
カチオン電着塗装工程
次に行われる工程は、カチオン電着塗装である。カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に上記化成処理をした被塗物を浸漬して、電圧を印加することにより行われる。電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、硬化剤および必要に応じて顔料や添加剤を含むものが挙げられる。以下、それぞれの成分について説明する。
カチオン性エポキシ樹脂
本発明で用いるカチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。カチオン性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807、(同、エポキシ当量170)などがある。
特開平5−306327号公報に記載される、下記式
Figure 2008229406
[式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジルオキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意味する。]で示されるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂をカチオン性エポキシ樹脂に用いてもよい。耐熱性及び耐食性に優れた塗膜が得られるからである。
エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックポリイソシアネートとポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得られる。
二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブロックしたジイソシアネート(すなわち、ビスウレタン)とを反応させるとオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が得られることは公知である。このオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されており、公知である。
これらのエポキシ樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および単官能性のアルキルフェノールのような適当な樹脂で変性しても良い。また、エポキシ樹脂はエポキシ基とジオール又はジカルボン酸との反応を利用して鎖延長することができる。
これらのエポキシ樹脂は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。1級、2級又は/及び3級アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するためには1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物として用いる。
具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン類は複数のものを併用して用いてもよい。
硬化剤
本発明で使用する硬化剤は、ポリイソシアネートをブロック剤でブロックして得られたブロックポリイソシアネートが好ましく、ここでポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれのものであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーも硬化剤として使用してよい。
ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートであることが好ましい。形成される塗膜が耐候性に優れるからである。
脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートの好ましい具体例には、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添TDI、水添MDI、水添XDI、IPDI、ノルボルナンジイソシアネート、それらの二量体(ビウレット)、三量体(イソシアヌレート)等が挙げられる。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
ブロック剤としては、低温硬化(160℃以下)を望む場合には、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤、及びホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロック剤を使用するのが良い。
カチオン性エポキシ樹脂と硬化剤とを含むバインダーは、一般に、電着塗料組成物の全固形分の25〜85質量%、好ましくは40〜70質量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。
顔料
本発明で用いられる電着塗料組成物は、通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
顔料は、一般に、電着塗料組成物の全固形分の1〜35質量%、好ましくは10〜30質量%を占める量で電着塗料組成物に含有される。
顔料分散ペースト
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を顔料分散樹脂と呼ばれる樹脂と共に予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂ワニスと共に水性媒体中に分散させて調製する。顔料分散樹脂ワニスとしては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性媒体としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂ワニスは5〜40質量部、顔料は10〜30質量部の固形分比で用いる。
上記顔料分散用樹脂ワニスおよび顔料を、樹脂固形分100質量部に対し10〜1000質量部混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペーストを得る。
電着塗料組成物の調製
電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料分散ペーストを水性媒体中に分散することによって調製される。また、通常、水性媒体にはカチオン性エポキシ樹脂の分散性を向上させるために中和剤を含有させる。中和剤は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。その量は少なくとも20%、好ましくは30〜60%の中和率を達成する量である。
硬化剤の量は、硬化時にカチオン性エポキシ樹脂中の1級、2級又は/及び3級アミノ基、水酸基等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分でなければならず、一般にカチオン性エポキシ樹脂の硬化剤に対する固形分質量比で表して一般に90/10〜50/50、好ましくは80/20〜65/35の範囲である。
電着塗料は、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ化合物や、通常のウレタン開裂触媒を含むことができる。鉛を実質的に含まないものが好ましいため、その量はブロックポリイソシアネート化合物の0.1〜5質量%とすることが好ましい。
電着塗料組成物は、水混和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び顔料などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。
電着塗料組成物を用いて電着塗装を行う場合の被塗物は、予め、浸漬、スプレー方法等により上述のリン酸亜鉛処理やジルコニウム化成処理等の表面処理の施された導体であることが好ましいが、この表面処理が施されていないものであっても良い。表面処理が施されない場合であっても、通常脱脂処理(被塗物表面に付着した油分を取り除く処理)は行われる。上記「導体」とは、電着塗装を行うに当り、陰極になり得るものであれば特に制限はなく、金属基材、例えば冷延鋼板、高強度鋼、高張力鋼、鋳鉄、亜鉛及び亜鉛めっき鋼、合金化亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。好ましくは、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板または合金化亜鉛メッキ鋼板である。
電着が実施される条件は一般的に他の型の電着塗装に用いられるものと同様である。印加電圧は大きく変化してもよく、1ボルト〜数百ボルトの範囲であってよい。電流密度は通常約10アンペア/m〜160アンペア/mであり、電着中に減少する傾向にある。
自己析出塗装工程
本発明では、上記電着塗装工程で得られた被塗物を自己析出塗装工程に付す。自己析出型塗料組成物は、公知であって、種々の特許文献、例えば特公昭47−17630号、特公昭48−14412号、特公昭52−21006号、特公昭52−35692号、特公昭53−15093号、特公昭53−16010号、特公昭53−44949号、特開昭60−58474号、特開昭61−168673号、及び特開昭61−246267号、特開平8−173901号公報、特開平7−233341号公報および特開2001−172560号公報等に開示されている。
自己析出型塗料組成物は、水分散性、又は水溶性の有機被膜形成用樹脂、酸及び酸化剤を必須成分とする酸性の水性塗料組成物に金属表面、例えば鉄、亜鉛、鉄合金及び亜鉛合金等の表面を接触させることにより、金属表面に優れた樹脂被膜を効率的に被覆し得る。自己析出型塗料組成物は、必要に応じて顔料、特に防錆顔料を含んでも良い。
自己析出型塗料組成物は、塗料組成物中に金属表面を浸漬することにより、浸漬時間とともに厚さ又は重量が増大する樹脂被膜を形成させることができる組成物である。さらには、該組成物により被膜形成は該金属表面上の塗料組成物の化学作用(エッチングにより金属表面から溶出した金属イオンが樹脂粒子に作用して金属表面上に析出する)により達成されるため、電着のごとく外部からの電気を使用することなく、該金属表面上に樹脂被膜を効果的に形成させることができる。
本発明において使用し得る水分散性、又は水溶性の皮膜形成性樹脂についても特定するものではなく、公知の樹脂を使用することができる。例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、エチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアセテート、アクリル酸、メタクリル酸等から選ばれるモノマー1種ないしそれ以上からなる重合体樹脂、及びウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。皮膜形成性樹脂は、好ましくはカルボキシル基を有する。カルボキシル基は、析出時に金属イオンとの反応点となる。自己析出型塗料組成物は、硬化剤を含まないものであって、熱フローして、造膜する。
さらに具体例を示すと、コポリマーが塩化ビニリデン系からなる共重合体、例えば塩化ビニリデン50〜70重量%、塩化ビニル約5〜35重量%、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタクレレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種約5〜20重量%のビニル化合物ならびに約0.1〜5重量%のスルホエチルメタクレレートから成る共重合体、好ましくは、約15〜20重量%の塩化ビニル、2〜5重量%のブチルアクリレート、3〜10重量%のアクリロニトリルならびに約1〜2重量%のスルホエチルメタクレレートから成る塩化ビニリデン共重合体(例えばDaranラテックス;W.R.Grace Co.,Serfeneラテックス;Morton Chemical,Haloflex 202;InperialChemical Industries)を分散して含有する組成物が特開昭60−58474に開示されている。また、好ましいくはカルボキシル基含有スチレンブタジエンラテックスであり、それらは日本合成ゴム(株)からJSR0533やJSR0693として市販されている。
本発明の自己析出型水性コーティング組成物中の好ましい樹脂分含有量は5〜550g/L、さらに好ましくは50〜100g/Lの範囲である。なお、本発明の塗料組成物のpHは1.6〜5.0であり、この範囲を外れると良好な塗膜が形成されない。
本発明に使用し得る公知の自己析出型水性塗料組成物は、前記樹脂成分以外、酸及び酸化剤が必要である。また、任意成分として金属イオンが含有されていても構わない。例えば、特開昭49−108135号に記載されているように分散樹脂を固形分濃度として約5〜550g/L、酸としては組成物中金属イオンを供給しうる適当な酸であれば特にその制限はないが、好ましくはフッ化水素酸約0.4〜5.0g/L、酸化剤としては特にその種類に制限はないが、好ましくは、過酸化水約3.0g/L以下、金属イオンを供給しうる金属化合物としては、例えばフッ化第二鉄の場合約1〜50g/Lである自己析出型水性塗料組成物の例が挙げられる。
所望により、自己析出型塗料組成物に任意に他の成分を添加することができる。例えば、適当な顔料を塗料組成物中に含ませることができる。使用し得る顔料を例示すればカーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ベンジデンイエロー、および二酸化チタンなどがある。この顔料の組成物に対する添加量は、皮膜に所望の色および/又は所望の濃度又は色相度を与える量でなければならない。使用される顔料の量は使用される顔料の種類および所望の皮膜の色により定まるものである。
種々の顔料を水性分散液に含ませることができ、この分散液は、顔料粒子を分散状態に維持するための界面活性剤又は分散剤を含んでいてもよい。
着色皮膜は、染料を用いて形成することができる。染料の例としては、ローダミン誘導体染料、メチルバイオレット、サフラニン、アントラキノン誘導体染料、ニグロシン、およびアリザリンシアニングリーンなどがある。
自己析出樹脂組成物に使用できる他の添加剤は、塗料組成物を調製するときに使用することが一般に知られている添加剤、例えばUV安定剤、粘度調整剤などがある。界面活性剤はアニオン性であることが好ましい。
自己析出樹脂組成物の調製において、その成分をいずれかの適当な方法、例えば、米国特許第4,191,676号に記載の方法により添加混合することができる。
本発明の自己析出型塗料組成物を用いて被塗物表面を被覆処理する方法については、特に制限はないが、浸漬法がより好ましいが、スプレー法、カーテンコーティング法やそれらの組合せであっても良い。また、処理温度および処理時間についても特に制限はないが、浸漬処理の場合、一般に15〜30℃、好ましくは20〜25℃で10秒〜600秒、好ましくは30秒〜300秒浸漬するのが好ましい。上記範囲外の処理では、本発明の目的の塗膜が形成されない。
本発明の自己析出型塗料組成物の被塗物表面への塗布量については特に制限は無いが、乾燥後の塗膜の膜厚として5〜40μm、好ましくは10〜25μmの範囲である。膜厚が5μm未満では目的の塗膜性能が得られない。40μmを越えると、塗膜にフクレが生じ易くなり、著しく外観品質を損なう。
本発明によれば、上記カチオン電着塗装方法および自己析出塗装方法で塗膜を形成した被塗物は、昇温下に通常の方法、例えば焼付炉中、焼成オーブン中あるいは赤外ヒートランプで焼付硬化する。焼付け温度は変化してもよいが、通常約140℃〜180℃である。本発明の電着塗装システムによって塗装された塗装物は、水洗の後、乾燥、焼付けされるのが好ましい。
以下の製造例および実施例は、限定でなく例示目的のみで与えられる。これらにおいて「部」および「%」は特記しない限り重量基準による。
脱脂のみの試験片の作成
冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を脱脂剤(EC−90:日本ペイント社製)で処理することにより、脱脂処理のみを施した冷延鋼板を得た。
リン酸亜鉛処理試験片の作成
脱脂処理された冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)をサーフダインSD−5000(日本ペイント社製)で処理することにより、リン酸亜鉛処理された冷延鋼板を得た。
ジルコニウム処理試験片の作成
ジルコンフッ化水素酸、硝酸亜鉛およびアミノ基含有シランカップリング剤であるKBM−603(N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン:有効濃度100%:信越化学工業株式会社製)を使用して化成処理剤を調製した。これらを、ジルコニウム濃度250ppm、アミノ基含有シランカップリング剤濃度100ppm、亜鉛濃度500ppmとなるように、イオン交換水に加えて混合し、さらにクエン酸鉄(III)アンモニウムを化成反応促進剤として、濃度200ppmとなるように添加し、次いで水酸化ナトリウムを用いてpH4に調整することによって、ジルコニウム化成処理剤を得た。
脱脂処理された冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を上記ジルコニウム処理剤で処理することにより、ジルコニウム処理された冷延鋼板を得た。
カチオン電着塗料の作成
製造例1
アミノ基を有するカチオン性樹脂(A)
撹拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)92部、メチルイソブチルケトン(MIBK)95部及びジブチル錫ジラウレート0.5部を加え、これらを撹拌しながらメタノール21部を更に滴下した。反応は室温から始めたが、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分間反応を継続した後に、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル57部を滴下ロートから滴下し、更にビスフェノールA−プロピオンオキサイド5モル付加体42部を加えた。反応は主に60〜65℃の範囲で行い、赤外線スペクトルを測定しながら、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
このようにして得られたブロックポリイソシアネートに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂365部を加え、125℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部を加え、エポキシ当量410になるまで130℃で反応させた。続いて、ビスフェノールA87部を前記フラスコに加えて、120℃で反応させたところ、エポキシ当量が1190となった。その後、冷却し、ジエタノールアミン11部、N−メチルエタノールアミン24部及びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化合物(79質量%MIBK溶液)25部を加え、110℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分80%になるまで希釈し、アミノ基を有するカチオン性樹脂(A)を得た。
製造例2
硬化剤(B)
撹拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート723部、メチルイソブチルケトン333部及びジブチル錫ジラウレート0.01部を加えて70℃まで昇温した。
そして内容物が均一に溶解した後、メチルエチルケトンオキシム610部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度70℃を保持したまま、赤外線スペクトルを測定しながら、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで反応を継続して硬化剤(B)を得た。
製造例3
メインエマルション(C)
製造例1で得たアミノ基を有するカチオン性樹脂(A)67部(固形分換算)、製造例2で調製した硬化剤(B)33部(固形分換算)を均一に混合し、その後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して2%とジブチル錫ジラウレートを固形分に対して2%添加した。ここへ酢酸を加え、中和率50.0%(樹脂のカチオン性基に対する中和率)となるようにし、イオン交換水を加えて固形分が37.0質量%となるまで希釈した。
その後、固形分が41.9質量%となるまで減圧下でMIBK及び水の混合物を除去し、メインエマルション(C)を調製した。
製造例4
顔料分散ペースト(D)
エポキシ当量450のビスフェノール型エポキシ樹脂に2−エチルヘキサノールのハーフブロック化イソホロンジイソシアネートを反応させ、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール及びジメチロールプロピオン酸で3級スルホニウム化して3級スルホニウム化率70.6質量%、樹脂固形分60質量%の顔料分散用樹脂ワニスを調製した。
上記にて調製した顔料分散用樹脂ワニスを50.0部、イオン交換水100.0部及び下記表1の粒状混合物100.0部をサンドグラインドミルで分散し、これをさらに粒度が5μm以下になるまで粉砕して顔料分散ペースト(D)(固形分52.0質量%)を得た。
Figure 2008229406
実施例1〜4
製造例3で得られたメインエマルション(C)979.5部、製造例4で得られた顔料分散ペースト(D)284.0部、イオン交換水1236.5部を混合することで、固形分20.0%のカチオン電着塗料組成物を得た。
4Lステンレスビーカーに、上記カチオン電着塗料組成物を入れた。表2に示す処理の試験片の半分を浸漬し、液温30℃で30秒間200ボルトとなるように昇温し、150秒間200ボルトを保持して電圧を印加して、電着塗膜を形成した。この電着塗膜を形成した試験片を水洗した。
次いで、別の2Lポリ容器に日本合成ゴム(株)からJSR0693として市販のスチレンブタジエンラテックス(樹脂のTg20℃、不揮発分50%、pH7.0、平均粒子径130nm)200重量部、21%の沸酸16重量部、35%過酸化水素水8重量部およびベンガラ50重量部を脱イオン水730重量部に添加して、混合して自己析出塗料(1)を作成した。上記電着塗膜を半分形成した試験片を自己析出塗料(1)に浸漬して、温度20℃で表2に示す時間浸漬した。
得られた試験片を水洗後、160℃で10分間焼付硬化した。得られた塗装された試験片について、ソルトスプレー試験を行い、結果を表2に示す。表2には、試験片(脱脂のみ、リン酸亜鉛処理、酸化ジルコニウム膜処理)上の未硬化の自己析出塗膜の膜厚とそれぞれの試験片にソルトスプレー試験を行った場合の結果を記載した。
実施例5
上記実施例1の自己析出塗料(1)に配合した日本合成ゴム(株)から市販のスチレンブタジエンラテックスを、日本合成ゴム(株)から市販のJSR0533(樹脂のTg−20℃、不揮発分50%、pH8.3、平均粒子径105nm)に代える以外は実施例1と同様に試験を行った。結果を表2に示す。尚、この場合、作成した自己析出塗料は、自己析出塗料(2)と呼ぶ。
比較例1および2
上記実施例1の自己析出塗料(1)を用いずに、脱脂のみの試験片(比較例1)とリン酸亜鉛処理の試験片(比較例2)に電着塗膜のみ(半面)形成したものを作成し、実施例1と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
ソルトスプレー試験
硬化塗膜を有する試験片に、カッターナイフで×印に傷を入れ、5%の塩水を24時間噴霧した後、錆の発生程度を目視観察した。評価は以下の通りであった。
○…錆無し
×…著しい錆
Figure 2008229406
上記結果から明らかなように、自己析出塗料に浸漬した試験片は、極めて高い耐塩水噴霧性、即ち防錆性を示す。その場合、化成処理の有無や化成処理剤の違いで自己析出膜の膜厚が若干変わるが、防錆性には何ら影響を与えない。一方、比較例は、自己析出塗料による浸漬を行わなかった試験片であり、塩水噴霧試験で防錆性が非常に悪くなる。

Claims (7)

  1. 被塗物を電着塗装して電着塗膜を形成する、電着塗装工程、
    次いで自己析出型塗料組成物を塗装して、被塗物上の電着塗膜未形成部分に自己析出被膜を形成する、自己析出被膜形成工程、
    を包含する、塗膜形成方法。
  2. 前記自己析出型塗料組成物が、カルボキシル基含有樹脂、フッ化水素および過酸化水素を含み、および前記電着塗装で用いられる電着塗料組成物が、アミン変性エポキシ樹脂、ブロック化イソシアネート硬化剤および顔料を含む、請求項1記載の塗膜形成方法。
  3. 前記カルボキシル基含有樹脂がカルボキシル基含有スチレンブタジエンラテックスである、請求項2記載の塗膜形成方法。
  4. 電着塗膜形成工程の前にさらに、下記工程、
    ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種(A)およびフッ素(B)を少なくとも含有する化成処理剤を用いて、被塗物を化成処理する、化成処理工程、
    を包含する、請求項1〜3いずれかに記載の塗膜形成方法。
  5. 電着塗膜形成工程の前にさらに、下記工程、
    リン酸亜鉛化成処理剤を用いて、被塗物を化成処理する、化成処理工程、
    を包含する、請求項1〜3いずれかに記載の塗膜形成方法。
  6. 前記被塗物が冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板または合金化亜鉛メッキ鋼板である、請求項1記載の塗膜形成方法。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の塗膜形成方法により得られる塗膜。
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