JP2008221686A - 液体吐出ヘッドの検査方法及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電アクチュエータの絶縁層にクラックが発生しているか否かを検出する。
【解決手段】圧電層が圧力室の内壁となっている個別インク流路にインクを充填する(S16)。インクのpHが圧電層の等電点に対応したpHよりも大きい場合には、流路ユニットの電位が共通電極の電位より高くなるように両者間に電圧を印加し、インクのpHが圧電層の等電点に対応したpHよりも小さい場合には、流路ユニットの電位が共通電極の電位より低くなるように両者間に電圧を印加して、両者間の電気特性値を測定する(S17〜S19)。そして、抵抗値がしきい値以上のものを選んで(S20)、それ以外を破棄する(S21)。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェットヘッドを一例とする液体吐出ヘッドの検査方法及び製造方法に関する。
特許文献1には、ノズル及び圧力室を含む個別インク流路が複数形成された流路ユニットと、複数の圧電シートが積層されたアクチュエータユニットとを有するインクジェットヘッドが記載されている。アクチュエータユニット内の1枚の圧電シートは、共通電極と個別電極とによって挟まれている。そして、この1枚の圧電シートはその厚み方向に分極している。流路ユニットの表面には圧力室の開口が複数形成されている。そして、個別電極と圧力室とが対向するように、アクチュエータユニットが複数の開口を塞いでいる。つまり、このインクジェットヘッドでは、アクチュエータユニット内で最下層の圧電シートが圧力室の内壁となっている。
このインクジェットヘッドにおいて、ノズルからインクを吐出させる際には、個別電極−共通電極間に電圧を印加する。すると、圧電シートの個別電極と共通電極とに挟まれた領域が圧電シートの厚み方向に伸長し、シート面内方向に収縮する。他方、それ以外の圧電シートは自発的に伸縮することはないので、複数の圧電シートのうち圧力室に対向する領域は、圧力室に向かって凸となるようにユニモルフ変形する。その結果、圧力室の容積が減少してインクに圧力が付与され、ノズルからインクが吐出される。
特開2005−238721号公報
圧電シートはセラミック材料からなる部材であるため、微小なクラックが生じやすい。圧力室に対向したクラックが圧電シートに形成されていると、インク吐出時に圧電シートの変形量が所望量よりも小さくなってしまうことがある。この場合、アクチュエータユニットにおいてクラックが形成された領域とクラックが形成されていない領域とでインク吐出特性に差が生じ、印刷画質の低下につながることになる。圧電シートに生じたクラックは、時間の経過に伴い成長する場合もあるため、長時間が経過すると著しい画質低下が起こることもあり得る。このような問題は、圧電シート以外の絶縁層が圧力室の開口を塞いでいる場合にも生じる。
本発明の目的は、圧電アクチュエータの絶縁層にクラックが発生しているか否かを検出することができる液体吐出ヘッドの検査方法及び製造方法を提供することである。
本発明に係る液体吐出ヘッドの検査方法は、一表面に開口する圧力室を経てノズルに至る個別液体流路が形成された導電性を有する流路ユニットと、前記圧力室の開口を塞ぐように前記一表面に固定された絶縁層、前記絶縁層上に形成されて前記圧力室と対向する第1電極、前記第1電極上に形成された圧電層、及び、前記圧電層上に形成されて前記圧力室と対向する第2電極を有し、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体吐出ヘッドの検査方法である。この検査方法は、前記流路ユニットの前記個別液体流路を、導電性を有する液体で充填する充填工程と、液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも高くなり且つ液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも低くなるように、前記流路ユニットと前記第1電極との間に電圧を印加して、前記流路ユニットと前記第1電極との間の電気特性値を測定する測定工程とを備えている。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、一表面に開口する圧力室を経てノズルに至る個別液体流路が形成された導電性を有する流路ユニットと、前記圧力室の開口を塞ぐように前記一表面に固定された絶縁層、前記絶縁層上に形成されて前記圧力室と対向する第1電極、前記第1電極上に形成された圧電層、及び、前記圧電層上に形成されて前記圧力室と対向する第2電極を有し、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、前記第1電極に電気的に接続された第1配線を有する配線部材とを備えた液体吐出ヘッドの製造方法である。この製造方法は、前記流路ユニット、前記圧電アクチュエータ、及び、前記配線部材を組み付ける組付工程と、前記流路ユニットの前記個別液体流路を、導電性を有する液体で充填する充填工程と、液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも高くなり且つ液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも低くなるように、前記流路ユニットと前記第1電極との間に電圧を印加して、前記流路ユニットと前記第1電極との間の電気特性値を測定する測定工程とを備えている。
絶縁層の表面は液体のpHに応じてプラス又はマイナスに荷電している。具体的には、液体のpHが絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には、絶縁層の表面がマイナスに荷電され、液体内のプラスのイオン及び粒子が絶縁層の表面に集まる。逆に、液体のpHが絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には、絶縁層の表面がプラスに荷電され、液体内のマイナスのイオン及び粒子が絶縁層の表面に集まる。したがって、液体のpHが絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には流路ユニットを第1電極よりも高電位とし、液体のpHが絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には流路ユニットを第1電極よりも低電位とすれば、液体は絶縁層の表面付近では第1電極に向かう方向の力を受ける。その結果、絶縁層にクラックが形成されていれば、クラック内に入り込んで第1電極に向かう液体の流れが生じる。クラックの幅が微細であるので、第1電極に向かう液体の流れを補償する逆方向の流れがクラック内において発生することがほとんど無く、クラック内では第1電極に向かう流れが支配的となる。このような電気浸透現象によって、絶縁層にクラックが発生している場合には、圧力室内の液体がクラックに浸透する。クラック内に浸透した導電性の液体が第1電極に到達すると、流路ユニットと第1電極とが導通する。一方、絶縁層にクラックが発生していない場合には、流路ユニットと第1電極とが導通しない。また、クラックが浅く第1電極に到達していない場合であっても、クラック内に液体が浸透することで、第1電極と流路ユニットとの間の抵抗値及び静電容量が変化する。したがって、流路ユニットと第1電極との間の電気特性値を測定することで、絶縁層にクラックが発生しているか否かを判断することができる。
前記流路ユニットと前記第1電極との間に印加される電圧が、水の電気分解電圧以上で前記絶縁層の破壊電圧未満であることが好ましい。これにより、絶縁層の破壊を防止しつつ流路ユニットと第1電極との間の電気特性値を迅速に測定することが可能となる。
前記第1電極が、前記圧力室全体と対向していることが好ましい。これにより、広い範囲に渡って絶縁層へのクラック発生の有無を検査することができる。
前記測定工程で測定される電気特性値が抵抗値であることが好ましい。これにより、クラックの発生有無を簡易に測定可能である。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、前記測定工程後に、前記第1配線と、前記流路ユニットに電気的に接続された第2配線とを電気的に接続する接続工程をさらに備えていることが好ましい。これにより、接続工程によって第1電極と流路ユニットとが同電位となるため、圧力室内の液体と第1電極とが常に同じ電位となる。したがって、圧力室内の液体と第1電極とが異なる電位となって絶縁層が変形することがなくなる。
前記接続工程において、前記第1配線と前記第2配線とを、前記液体吐出ヘッドに固定された基板上で接続することが好ましい。基板からさらに外に2本の配線を延ばす必要がなくなり、簡単な構成とすることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態による製造方法で製造されたインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ101には、図中左方に給紙部11が、図中右方に排紙部12がそれぞれ構成されている。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙部11から排紙部12に向かって用紙(被記録媒体)Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部11のすぐ下流位置には、用紙を狭持搬送する一対の送りローラ5a、5bが配置されている。一対の送りローラ5a、5bは、用紙Pを給紙部11から図中右方に送り出す。用紙搬送経路の中間部には、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻き回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内においてインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン15とを含むベルト搬送機構13が設けられている。プラテン15は、インクジェットヘッド1と対向する領域において搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持する。ベルトローラ7と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙部11から送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえ付ける。
図示しない搬送モータがベルトローラ6を回転させることによって、搬送ベルト8が駆動される。これにより、搬送ベルト8が、ニップローラ4によって外周面8aに押さえ付けられた用紙Pを粘着保持しつつ排紙部12に向けて搬送する。
用紙搬送経路に沿う搬送ベルト8のすぐ下流には、剥離機構14が設けられている。剥離機構14は、搬送ベルト8の外周面8aに粘着されている用紙Pを外周面8aから剥離して、図中左方の右方の排紙部12に向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド1は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、搬送方向に沿って4つ並べて固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。また、ヘッド本体2の底面が外周面8aに対向するインク吐出面2aとなっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面に向けてインク吐出面2aから各色のインクが吐出されることで、用紙Pの印刷面に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
次に、図2を参照しつつインクジェットヘッド1について詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の幅方向に沿った断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド1は、その下端に、流路ユニット9と4つのアクチュエータユニット21とが接着剤を介して接合されたヘッド本体2を有している。ヘッド本体2の上面には、ヘッド本体2にインクを供給するリザーバユニット71が固定されている。アクチュエータユニット21の上面には、COF(Chip On Film)50の一端付近が固定されている。COF50は、多数の配線が形成され且つドライバIC52が実装された平型柔軟基板である。COF50の他端は、制御基板54と電気的に接続されている。制御基板54は、ドライバIC52を介してアクチュエータユニット21の駆動を制御する。ドライバIC52は、アクチュエータユニット21を駆動する駆動信号を生成する。
4つのアクチュエータユニット21、リザーバユニット71、COF50及び制御基板54は、サイドカバー53及びヘッドカバー55によって覆われている。金属板であるサイドカバー53は、流路ユニット9の上面の幅方向両端近傍に固定されており、流路ユニット9の長手方向に沿って延在している。ヘッドカバー55は、2つのサイドカバー53の上端にこれらを跨ぐように固定されている。
リザーバユニット71は、4枚のプレート91〜94が積層されたものであり、その内部に、図示しないインク流入流路、インクリザーバ61、及び、10個のインク流出流路62が互いに連通するように形成されている。なお、図2においては、1つのインク流出流路62のみが表れている。インク流入流路には、図示しないインクタンクからのインクが流入する。インクリザーバ61は、インク流入流路及びインク流出流路62と連通しており、インクを一時的に貯溜する。インク流出流路62は、流路ユニット9の上面に形成されたインク供給口105b(図3参照)を介して流路ユニット9と連通している。インクタンクからのインクは、インク流入流路、インクリザーバ61及びインク流出流路62を通過し、インク供給口105bから流路ユニット9に供給される。プレート94の下面は、プレート94とCOF50との間に間隙が形成されるように、凹凸面となっている。
COF50は、サイドカバー53とリザーバユニット71との間に挟まれつつ延在している。そして、COF50の他端は、制御基板54に実装されたコネクタ54aに接続されている。ドライバIC52は、リザーバユニット71の側面に貼り付けられたスポンジ82によってサイドカバー53に向けて付勢されている。
次に、図3〜図6を参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。図3は、ヘッド本体2の平面図である。図4は、図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図4では、実線で描くべきアクチュエータユニット21を破線で、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室110、アパーチャ112及びインク吐出口108を実線で描いている。図5は、図4に示すV−V線に沿った断面図である。図6(a)はアクチュエータユニット21の拡大断面図であり、図6(b)は、図6(a)においてアクチュエータユニット21の表面に配置された個別電極を示す平面図である。
図3に示すように、ヘッド本体2は、流路ユニット9、及び、流路ユニット9の上面9aに固定された4つのアクチュエータユニット21を含んでいる。図4に示すように、流路ユニット9の内部には、圧力室110を含むインク流路が形成されている。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応した複数のアクチュエータを含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9は、リザーバユニット71のプレート94とほぼ同じ平面形状を有する直方体形状となっている。流路ユニット9の上面9aには、リザーバユニット71のインク流出流路62(図2参照)に対応して、計10個のインク供給口105bが設けられている。流路ユニット9の内部には、インク供給口105bに連通するマニホールド流路105及びマニホールド流路105から分岐した副マニホールド流路105aが形成されている。流路ユニット9の下面は、図4及び図5に示すように、多数のインク吐出口108がマトリクス状に配置されたインク吐出面2aである。流路ユニット9の上面には、多数の圧力室110が、インク吐出口108と同様に、マトリクス状に多数配列されている。
本実施形態では、等間隔に配置された複数の圧力室110からなる流路ユニット9の長手方向に延びた圧力室110の列が、1つのアクチュエータユニット21内に16列形成されている。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、アクチュエータユニット21のの長辺(下底)に近いものほど多く、短辺(上底)に近いものほど少ない。インク吐出口108についても同様である。
図5に示すように、流路ユニット9は、上から順に、キャビティプレート122、ベースプレート123、アパーチャプレート124、サプライプレート125、3枚のマニホールドプレート126、127、128、カバープレート129、及び、ノズルプレート130、という9枚のステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。これらプレート122〜130は、主走査方向に長尺な矩形平面形状を有する。これらプレート122〜130を互いに位置合わせしつつ積層することによって、流路ユニット9内に、マニホールド流路105、副マニホールド流路105a、及び、副マニホールド流路105aの出口から絞りとして機能するアパーチャ112さらに圧力室110を経てインク吐出口108に至る多数の個別インク流路132が形成される。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。図3に示すように、各アクチュエータユニット21は台形の平面形状を有している。4つのアクチュエータユニット21は、インク供給口105bを避けるよう主走査方向に千鳥状に配置されている。各アクチュエータユニット21の平行対向辺は流路ユニット9の長手方向に沿っている。隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は、主走査方向に関して互いにオーバーラップしている。
図6(a)に示すように、アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる2枚の圧電層141、142が積層された圧電体を含んでいる。最上層である圧電層141の上面であって圧力室110に対向する領域には、個別電極135が形成されている。最上層である圧電層141とその下側の圧電層142との間には、シート全面に形成された共通電極134が介在している。個別電極135は、図6(b)に示すように、圧力室110と相似な略菱形の平面形状を有する。平面視で、個別電極135の大部分は、圧力室110の領域内にある。略菱形の個別電極135における鋭角部の一方は圧力室110の外に延出され、その先端には個別電極135と電気的に接続された円形の個別ランド136が設けられている。個別ランド136は、個別電極135よりも厚い。また、圧電層141の表面には、圧電層141に設けられた貫通孔を埋め込む導電部材を介して共通電極134と電気的に接続されたCOMランド(図示せず)が形成されている。COF50に形成された多数の配線のうちの1つは、COMランドと接続されている。
共通電極134及び個別電極135は、それぞれ、COF50に設けられた配線を介してドライバIC52と接続されている。共通電極134には、グランド電位に保持された信号がドライバIC52から供給される。個別電極135には、印字すべき画像パターンに応じてグランド電位と正電位とを交互に取る駆動信号がドライバIC52から供給される。
圧電層141はその厚み方向に分極されている。個別電極135を共通電極134と異なる電位にして、圧電層141の個別電極135と共通電極134とに挟まれた部分(活性部)に対してその分極方向に電界を印加すると、活性部が圧電効果で歪む。例えば、分極方向と電界の印加方向とが同じであれば、活性部は分極方向に直交する方向(平面方向)に縮む。一方、圧電層142は自発的に歪むことはない非活性層である。このとき、圧電層141、142は圧力室110を区画するキャビティプレート122の上面に固定されているので、ユニモルフ効果が生じる。その結果、圧電層141、142の活性部に相当する領域が圧力室110に向かって凸になるように変形する。このようなユニモルフ変形が生じることで、圧力室110内のインクに圧力つまり吐出エネルギーが付与され、インク吐出口108からインク滴が吐出される。このように、アクチュエータユニット21において、個別電極135と圧力室110との間に挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働くので、アクチュエータユニット21には、圧力室110の数と同数のアクチュエータが形成されていることになる。
図2に戻って、制御基板54には貫通孔が設けられており、この貫通孔を導電部材からなるネジ57が貫通している。ネジ57は、リザーバユニット71の最も上にあるプレート91にネジ止めされている。プレート91は、接着剤を介することなく互いに部分的に直接当接することにより、プレート92、93、94を介して、キャビティプレート122と電気的に接続されている。
図7は、サイドカバー53及びヘッドカバー55がない状態でのインクジェットヘッド1の斜視図である。図7に示すように、制御基板54上には、4つのコネクタ54aと、3つの電界コンデンサ180と、入力コネクタ58とが配置されている。コネクタ54aには、COF50の先端部が嵌合されている。また、プレート91の長手方向一端付近には、筒状突起181が設けられている。筒状突起181の先端には、図示しないインクタンクからのインクが流入するインク流入口181aが上方に向かって開口している。入力コネクタ58は、図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)などの平型柔軟基板を介して図示しないプリンタ101のメイン基板と接続されている。また、制御基板54の上面には、ネジ57の頭部が表れている。なお、図7では、その上面に形成された配線パターンの図示を省略している。
図8(a)は制御基板54の平面図であり、図8(b)はその部分拡大図である。制御基板54上には、ネジ57の頭部下面と接触する配線パターン31が形成されている。この配線パターン31は、入力コネクタ58を介して、プリンタ101のメイン基板(図示せず)に接続されることによって、常にグランド電位に保持されている。したがって、キャビティプレート122を含む流路ユニット9は常にグランド電位に保持されている。配線パターン31には、端子31aが設けられている。
制御基板54上には、4つのコネクタ54aのグランド端子同士を結ぶ配線パターン33が形成されている。配線パターン33は、各アクチュエータユニットについて、コネクタ54a、COF50の配線及びCOMランドを介して共通電極134と電気的に接続されている。配線パターン33には、端子33aが設けられている。端子33aと端子31aとは互いに近接しており、両者はハンダ35を介して電気的に接続されている。そのため、共通電極134は、流路ユニット9と同じく常にグランド電位に保持されている。なお、後述するように、端子33aと端子31aとは、ヘッド1の製造過程の後半において短絡させられる。
このようにインクジェットヘッド1では、流路ユニット9と共通電極134とが常に同じ電位となっている。そのため、導電性を有する圧力室110内のインクと共通電極134とが常に同じ電位となる。したがって、これらの電位が異なることによって電界が加えられた圧電層142が不必要に変形しないので、所望のインク吐出特性が得られる。
上述したインクジェットヘッド1において、圧力室110に対向するクラック138(図6(a)参照)が圧電層142にあると、個別電極135と共通電極134との間に所定電圧を印加したときの圧力室110の容積減少率が、クラック138がないときに比べて低下する。また、小さなクラック138であっても、経時的に成長することが心配される。そのため、クラックの有無に応じて圧力室110ごとにインク吐出特性に差が生じてしまう。このような事態を事前に防止するために、製造された多数のインクジェットヘッド中で圧電層142にクラック138が形成されたインクジェットヘッド1を見つけ出し、そのようなヘッド1をプリンタ101に組み込まないようにする必要がある。そのために、本実施形態では、インクジェットヘッド1の製造過程において圧電層142に形成されたクラックを見つけ出す。そこで、以下において、圧電層142のクラックをどのように見つけ出すかという点に重点をおいて、インクジェットヘッド1の製造方法について説明する。
図9は、インクジェットヘッド1の製造工程図である。インクジェットヘッド1を製造するには、まず、ステップS11において、流路ユニット9、アクチュエータユニット21及びリザーバユニット71などの部品を別々に作製する。それから、ステップS12〜S15において、各部品を組み付ける。
ここでは、流路ユニット9とアクチュエータユニット21の製造工程について説明する。まず、流路ユニット9の製造工程から説明する。流路ユニット9を作製するには、これを構成する各プレート122〜130に、パターニングされたフォトレジストをマスクとしたエッチングを施して、各プレート122〜130に必要な孔を形成する。次に、必要な流路が形成されるようにエポキシ系の熱硬化性接着剤を介してプレート122〜130を積層する。そして、得られた積層体を熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加熱しつつ加圧する。これによって、流路ユニット9が完成する。
アクチュエータユニット21を作製するには、圧電層142となる圧電セラミックスのグリーンシート上に、共通電極142となる導電ペーストをスクリーン印刷する。その上に、圧電層141となるグリーンシートを積層してから、所定の温度で焼成する。さらに、焼成によって形成された圧電層141上に個別電極135となる導電ペーストをスクリーン印刷してから、これを焼成する。その後、ガラスフリットを含む金を印刷することによって、ランド136を形成する。このようにして、アクチュエータユニット21の作製が完了する。なお、流路ユニット9とアクチュエータユニット21はいずれも独立した部材であるため、いずれの作製を先に行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次に、ステップS12において、流路ユニット9にアクチュエータユニット21を固定する。まず、流路ユニット9の上面にバーコータを用いてエポキシ系の熱硬化性接着剤を塗布する。しかる後、流路ユニット9上に、アクチュエータユニット21を載置する。このとき、各アクチュエータユニット21は、個別電極135と圧力室110とが対向するように流路ユニット9に対して位置決めされる。そして、流路ユニット9とアクチュエータユニット21との積層体を、熱硬化性接着剤の硬化温度以上の温度に加熱しつつ加圧する。
次に、ステップS13において、アクチュエータユニット21にCOF50を固定する。そのために、COF50上の配線に設けられた端子を導電性接着剤で被覆した後、被覆された端子をランド136(COMランドを含む)に向かって加圧しつつ加熱する。
次に、ステップS14において、流路ユニット9にリザーバユニット71を固定する。両者は、プレート94の凹部下面がアクチュエータユニット21の上面から離隔するように、プレート94の凸部下面に塗布された接着剤を介して固定される。
次に、ステップS15において、リザーバユニット71上に制御基板54を固定する。制御基板54は、リザーバユニット71に設けられたツメ188(図7参照)によってリザーバユニット71と係合すると共にリザーバユニット71にネジ止めされることによって、リザーバユニット71に固定される。しかる後、コネクタ54aにCOF50の先端部が嵌合され、さらに、ネジ57が制御基板54に挿入されてプレート91にネジ止めされる。なお、このとき、配線パターン31の端子31aと配線パターン33の端子33aとの間にはハンダ35が配置されておらず、両者は電気的に絶縁されている。
次に、ステップS16において、インク流入口181aからインクを注入することによって、インクジェットヘッド1の個別インク流路132内をインクで充填する。
次に、ステップS17において、ステップS16で充填された個別インク流路132内のインクのpHが圧電層142の等電点に対応したpHよりも大きいか否かを製造オペレータが判断する。その結果、インクのpHが圧電層142の等電点に対応したpHよりも大きい場合には(S17:YES)、ステップS18に進む。逆の場合には(S17:NO)、ステップS19に進む。なお、この判断はインクジェットヘッド1の製造に係るコントローラが、与えられたデータに基づいて行ってもよい。圧電層142の等電点に対応したpHとは、圧電層142を微粒子化して、様々なpH値の溶液中に分散させたときに、その表面電位がゼロになる特定のpH値を指す。このような状態にある微粒子は、外部電界を印加しても電気泳動現象を起こさない。一方、これ以外のpH値の溶液中では、電界に沿って電極方向に微粒子が泳動する。このときの泳動速度を電気泳動光散乱法によって測定し、その測定結果からゼータ電位を求め、圧電層142の等電点としている。
ステップS18では、流路ユニット9の電位が共通電極134の電位より高くなるように、流路ユニット9と共通電極134との間に電圧を印加する。上述したように、端子31aはネジ57、プレート91〜94を介して流路ユニット9と電気的に接続されている。端子33aはCOF50の配線などを介して共通電極134と電気的に接続されている。したがって、本実施形態では、端子31aに+電位を与え、端子33aにグランド電位を与えることによって、所望の直流電圧が流路ユニット9と共通電極134との間に印加される。
なお、本実施形態では、流路ユニット9と共通電極134との間に印加される電圧を、水の電気分解電圧(1.2V)以上で圧電層142の破壊電圧未満としている。水の電気分解電圧以上とするのは、電気浸透における浸透速度が電界強度に比例するので、電圧が高いほどクラック138内へインクが短時間で浸透するからである。すなわち、クラック138を短時間で検出できるという点から、できるだけ高い電圧とすることが好ましいからである。また、圧電層142の破壊電圧未満とするのは、圧電層142の破壊を防止するためである。
図10は、ステップS18における電圧印加の様子を描いたクラック138付近の拡大図である。このとき、圧力室110内には、キャビティプレート122と接するインクから圧電層142に向かう方向の電界Eが生じている。ここではインクのpHが圧電層142の等電点に対応したpHよりも大きいので、圧力室110に面した圧電層142の表面(すなわち下面)はマイナスに荷電している。そのため、インク内のプラスのイオン及び粒子が圧電層142の表面に集まっている。したがって、流路ユニット9の電位が共通電極134の電位よりも高くなるように電圧が印加されると、圧電層142の表面付近ではインク内のプラスのイオン及び粒子が電界Eから共通電極134に向かう方向の力を受ける。その結果、インクは圧電層142に形成されたクラック138内に入り込み、クラック138内ではその表面付近に共通電極134に向かうインクの流れが生じる。クラック138の幅が微細であるので、共通電極134に向かうインクの流れを補償する逆方向の流れがクラック138内において発生することがほとんど無く、クラック138内では共通電極134に向かう流れが支配的となる。このような電気浸透現象によって、圧電層142にクラック138が発生している場合には、圧力室110内のインクがクラック138に浸透する。
インクがクラック138に浸透すると、その結果として、流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値が変化する。もしクラック138が共通電極134に達している場合には、インクが共通電極134に接触することによって、流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値はゼロあるいはそれに近い値となる。クラック138が共通電極134に達していない場合であっても、クラック138内にインクが浸透することで流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値がクラック138の深さに応じて低下する。ステップS18では、流路ユニット9と共通電極134との間に電圧を印加した状態で、流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値を測定する。測定される抵抗値は、4つのアクチュエータユニット21が並列接続された回路の抵抗値である。したがって、そのうちの1つのアクチュエータユニット21に属する圧電層142に形成されたクラック138が共通電極134に達していれば、測定される抵抗値はゼロあるいはそれに近い値となる。
本実施形態では、制御基板54上の2つの端子31a、33aを測定用の端子として用いるので、ヘッド1にメイン基板が接続されていない状態でのヘッド1のクラック検出が可能となっている。また、本実施形態ではCOF50の長さがアクチュエータユニット21からヘッド1内にある制御基板54までと比較的短いので、抵抗値の測定時にノイズの影響を受けにくい。
なお、インクがクラック138に浸透すると、その結果として、流路ユニット9と共通電極134との間の静電容量も変化するので、抵抗値に代えて、静電容量を測定するようにしてもよい。また、その他の電気特性値を測定してもよい。
また、ステップS19では、流路ユニット9の電位が共通電極134の電位より低くなるように、流路ユニット9と共通電極134との間に電圧を印加する。本実施形態では、端子31aにグランド電位を与え、端子33aに+電位を与えることによって、所望の直流電圧が流路ユニット9と共通電極134との間に印加される。
図11は、ステップS19における電圧印加の様子を描いたクラック138付近の拡大図である。このとき、圧力室110内には、圧電層142からキャビティプレート122に向かう方向の電界Eが生じている。ここではインクのpHが圧電層142の等電点に対応したpHよりも小さいので、圧力室110に面した圧電層142の表面(すなわち下面)はプラスに荷電している。そのため、インク内のマイナスのイオン及び粒子が圧電層142の表面に集まっている。したがって、流路ユニット9の電位が共通電極134の電位よりも低くなるように電圧が印加されると、圧電層142の表面付近ではインク内のマイナスのイオン及び粒子が電界Eから共通電極134に向かう方向の力を受ける。その結果、インクは圧電層142に形成されたクラック138内に入り込み、クラック138内ではその表面付近に共通電極134に向かうインクの流れが生じる。クラック138の幅が微細であるので、共通電極134に向かうインクの流れを補償する逆方向の流れがクラック138内において発生することがほとんど無く、クラック138内では共通電極134に向かう流れが支配的となる。このような電気浸透現象によって、圧電層142にクラック138が発生している場合には、圧力室110内のインクがクラック138に浸透する。
インクがクラック138に浸透すると、その結果として、流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値が変化する。そこで、ステップS19では、流路ユニット9と共通電極134との間に電圧を印加した状態で、流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値を測定する。
次に、ステップS20において、ステップS18又はステップS19で測定された抵抗値が所定のしきい値以上であるかどうかを判断する。例えばこのしきい値をゼロとした場合には、共通電極134に達するクラック138が形成されているか否かを判断することになる。しきい値は、どの程度の深さのクラック138が形成されていればヘッド1を破棄すべきかに応じて適宜変更されるものである。ステップS20での判断の結果、測定された抵抗値がしきい値未満である場合には(S20:NO)、当該インクジェットヘッド1を基準以上のクラック138が生じている不良品とすることとして、ステップS21に進んでそのヘッド1を破棄する。測定された抵抗値がしきい値以上である場合には(S20:YES)、当該インクジェットヘッド1をクラック138が生じていない合格品とすることとして、ステップS22に進む。
ステップS22においては、図8(b)に示すように、制御基板54上に設けられた端子31aと端子33aとをハンダ35を介して電気的に接続する。これにより、共通電極134と流路ユニット9とが常に同電位となるため、圧力室内の液体と第1電極とが常に同じ電位となる。そのため、圧力室110内のインクと共通電極134とが異なる電位となって圧電層142が不必要に変形することがなくなる。したがって、所望のインク吐出特性が得られる。また、制御基板54上に形成された配線パターン31の端子31aと配線パターン33の端子33aとを接続しているので、制御基板54からさらに外に、配線パターン31及び配線パターン33にそれぞれ接続された2本の配線を延ばす必要がなくなり、簡単な構成とすることができる。
その後、サイドカバー53及びヘッドカバー55を取り付ける工程などを経て、インクジェットヘッド1が完成する。
以上説明したインクジェットヘッドの製造方法によると、アクチュエータユニット21内の圧電層142にクラック138が発生しているか否かを検出することができる。そのため、クラック138の発生していないインクジェットヘッド1だけを選択して、インクジェットプリンタ101に組み付けることができる。
また、抵抗値の測定時に流路ユニット9と共通電極134との間に印加される電圧が、水の電気分解電圧以上で圧電層142の破壊電圧未満であるので、圧電層142の破壊を防止しつつ流路ユニット9と共通電極134との間の抵抗値を迅速に測定することが可能となる。
また、本実施形態では、共通電極134が圧力室110全体と対向しているので、広い範囲に渡って圧電層142へのクラック発生の有無を検査することができる。
また、本実施形態では、電気特性値として抵抗値を測定しているので、クラックの発生有無を簡易に測定可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更を上述の実施形態に施すことが可能である。例えば、上述した実施形態では、インクジェットヘッド1の製造方法を説明したが、本発明は、インクジェットヘッド1の検査方法として応用することもできる。係る検査は、インクジェットヘッド1の製造過程において行うことができることは勿論、インクジェットヘッド1の製造後(例えばプリンタ101内に取り付けてから所定期間経過ごと)に行うことできる。その場合、端子31aと端子33aとを制御基板54上で接続するのではなく、共通電極134及び流路ユニット9に接続された2本の配線をメイン基板にまで延ばしておくことが好ましい。
本発明において、第1電極は必ずしも共通電極134とする必要はない。例えば共通電極と個別電極との上下関係が入れ替わっているのであれば、個別電極を第1電極として用いることができる。また、共通電極及び個別電極に加えてさらに検査用電極をアクチュエータユニット内に形成して、それを第1電極としてもよい。
上述した実施形態では、インクジェットヘッド1の個別インク流路132をインクで充填してから抵抗値の測定を行っているが、個別インク流路132をインク以外の導電性を有する液体で充填してから測定を行ってもよい。また、抵抗値の測定時に流路ユニット9と共通電極134との間に印加される電圧を、水の電気分解電圧未満としてもよい。
また、上述した実施形態では、制御基板54上で2つの端子31a、33aを電気的に接続しているが、これら2つの端子を制御基板54上で接続しなくてもよい。圧力室の内壁となっているのが、圧電層でない絶縁層である場合にも本発明は適用可能である。
また、本発明は、インクジェットヘッド以外の液体吐出ヘッドの製造方法及び検査方法に適用することが可能である。
本発明の一実施形態による製造方法で製造されたインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの幅方向に沿った断面図である。 図2に示すヘッド本体の平面図である。 図3に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図4に示すV−V線断面図である。 図4に示すアクチュエータユニットを説明するための図である。 図2に示すインクジェットヘッドの斜視図である。 (a)は制御基板の平面図であり、(b)はその部分拡大図である。 インクジェットヘッドの製造工程図である。 図9のステップS18における電圧印加の様子を描いたクラック付近の拡大図である。 図9のステップS19における電圧印加の様子を描いたクラック付近の拡大図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 ヘッド本体
9 流路ユニット
21 アクチュエータユニット
31、33 配線パターン
35 ハンダ
31a、33a 端子
50 COF
54 制御基板
54a コネクタ
52 ドライバIC
57 ネジ
71 リザーバユニット
101 インクジェットプリンタ
108 インク吐出口
110 圧力室
122 キャビティプレート
132 個別インク流路
134 共通電極
135 個別電極
138 クラック
141〜143 圧電層

Claims (9)

  1. 一表面に開口する圧力室を経てノズルに至る個別液体流路が形成された導電性を有する流路ユニットと、前記圧力室の開口を塞ぐように前記一表面に固定された絶縁層、前記絶縁層上に形成されて前記圧力室と対向する第1電極、前記第1電極上に形成された圧電層、及び、前記圧電層上に形成されて前記圧力室と対向する第2電極を有し、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体吐出ヘッドの検査方法において、
    前記流路ユニットの前記個別液体流路を、導電性を有する液体で充填する充填工程と、
    液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも高くなり且つ液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも低くなるように、前記流路ユニットと前記第1電極との間に電圧を印加して、前記流路ユニットと前記第1電極との間の電気特性値を測定する測定工程とを備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの検査方法。
  2. 前記流路ユニットと前記第1電極との間に印加される電圧が、水の電気分解電圧以上で前記絶縁層の破壊電圧未満であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの検査方法。
  3. 前記第1電極が、前記圧力室全体と対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの検査方法。
  4. 前記測定工程で測定される電気特性値が抵抗値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの検査方法。
  5. 一表面に開口する圧力室を経てノズルに至る個別液体流路が形成された導電性を有する流路ユニットと、前記圧力室の開口を塞ぐように前記一表面に固定された絶縁層、前記絶縁層上に形成されて前記圧力室と対向する第1電極、前記第1電極上に形成された圧電層、及び、前記圧電層上に形成されて前記圧力室と対向する第2電極を有し、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、前記第1電極に電気的に接続された第1配線を有する配線部材とを備えた液体吐出ヘッドの製造方法において、
    前記流路ユニット、前記圧電アクチュエータ、及び、前記配線部材を組み付ける組付工程と、
    前記流路ユニットの前記個別液体流路を、導電性を有する液体で充填する充填工程と、
    液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより大きい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも高くなり且つ液体のpHが前記絶縁層の等電点に対応したpHより小さい場合には前記流路ユニットの電位が前記第1電極の電位よりも低くなるように、前記流路ユニットと前記第1電極との間に電圧を印加して、前記流路ユニットと前記第1電極との間の電気特性値を測定する測定工程とを備えていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記流路ユニットと前記第1電極との間に印加される電圧が、水の電気分解電圧以上で前記絶縁層の破壊電圧未満であることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1電極が、前記圧力室全体と対向していることを特徴とする請求項5又は6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記測定工程後に、前記第1配線と、前記流路ユニットに電気的に接続された第2配線とを電気的に接続する接続工程をさらに備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記接続工程において、前記第1配線と前記第2配線とを、前記液体吐出ヘッドに固定された基板上で接続することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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