JP2008218203A - 電極および電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】集電体の破断を防止して電気的性能を確保することが可能な電池を提供する。
【解決手段】正極21に対して負極22が外側に位置するように巻回された巻回電極体20において、帯状の負極集電体221における巻外側の非被覆部分221Bに、その負極集電体221の長さマージンとして折り重ね部221Tが設けられている。この折り重ね部221Tは、非被覆部分221Bが負極集電体221の長手方向においてZ字を描くように折り重ねられたものである。負極活物質層222の膨張および収縮による応力が負極集電体221に及んでも、折り重ね部221Tの折り重ねがほどかれることにより、負極集電体221の破断が防止される。
【選択図】図9
【解決手段】正極21に対して負極22が外側に位置するように巻回された巻回電極体20において、帯状の負極集電体221における巻外側の非被覆部分221Bに、その負極集電体221の長さマージンとして折り重ね部221Tが設けられている。この折り重ね部221Tは、非被覆部分221Bが負極集電体221の長手方向においてZ字を描くように折り重ねられたものである。負極活物質層222の膨張および収縮による応力が負極集電体221に及んでも、折り重ね部221Tの折り重ねがほどかれることにより、負極集電体221の破断が防止される。
【選択図】図9
Description
本発明は、集電体および活物質層を含む電極およびそれを備えた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder )、携帯電話あるいはノート型パソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量および高エネルギー密度で繰り返し使用可能な二次電池の開発が進められている。
中でも、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。このリチウムイオン二次電池としては、正極の活物質としてコバルト酸リチウムなどのリチウム含有複合酸化物を用い、負極の活物質として炭素材料を用いたものなどが知られている。これらの正極および負極は、集電体に活物質層が設けられた構成を有している。
二次電池の構造には、巻回電極体、すなわち正極および負極がセパレータを介して巻回された構造体が収納される外装部材の種類に応じて、円筒型や角型などがある。円筒型とは、巻回電極体が円筒型の電池缶に収納された構造であり、角型とは、扁平状に成形された巻回電極体が角型の電池缶に収納された構造である。
このうち、円筒型の二次電池が一般的に広く知られており、多様な分野において電源として用いられている。二次電池が使用頻度の高いノート型パソコンなどの用途に用いられる場合には、継続的な使用に応じて充放電が頻繁に繰り返されることが予想されるため、二次電池の性能としては、高エネルギー密度を得るだけでなく、充放電を繰り返しても放電容量が低下しすぎないように高サイクル特性を得ることも重要である。
二次電池については、既に様々な構成が提案されている。具体的には、構成を簡略化すると共に外形寸法を小型化し、併せて抵抗の増加および電流の局部集中に起因する劣化を回避するために、集電体の未塗布部を90°折り曲げて電池電極端子を接続することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、端子部の機械的強度を高くすると共に接触抵抗を小さくするために、集電体のうちの合剤が被着していない部分を折り重ねて端子部を形成することが知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、内部短絡の発生を防止するために、最内周末端の端部同士をずらして正極および負極を巻回させると共に、正極集電体および負極集電体の巻回面の内面に正極リードおよび負極リードを取り付けることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。さらに、内部短絡に起因する急激な温度上昇を抑制するために、正極の正極等電位露呈金属部分と負極の負極等電位露呈金属部分とを1周以上の長さに渡って対向させることが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平11−135101号公報
特開平11−250892号公報
特開2001−273881号公報
特許第3200340号明細書
正極および負極が巻回されている円筒型や角型のリチウムイオン二次電池では、充放電時に活物質層が膨張および収縮する。具体的には、充電時には、正極において正極活物質からリチウムイオンが放出されるため、その正極活物質の結晶格子が収縮し、負極において正極活物質から放出されたリチウムイオンが負極活物質に吸蔵されるため、その負極活物質の結晶格子が膨張する。一方、放電時には、負極において負極活物質からリチウムイオンが放出されるため、その結晶格子が収縮し、正極において負極から放出されたリチウムイオンが正極活物質に吸蔵されるため、その結晶格子が膨張する。
この場合には、正極および負極が巻回されていることに伴い、集電体が活物質層の膨張および収縮による応力の影響を受けやすいため、その応力の大きさと集電体の物理的耐久性との間の関係によっては、充放電が繰り返されることにより集電体が破断する可能性がある。この破断としては、集電体に部分的に亀裂が生じる局所的破断や、集電体が切断される完全破断が挙げられる。集電体の破断は、活物質層の端部近傍部分、すなわち活物質層により被覆されている部分と被覆されていない部分との境界近傍部分において生じやすい傾向にある。集電体が破断すると、内部抵抗が上昇して電気伝導性が低下するため、容量特性などが低下するという問題を招く。特に、完全破断が生じると、電池としての機能が喪失してしまう。
この点に関して、従来の円筒型や角型のリチウムイオン二次電池では、活物質層の膨張および収縮による応力の影響を抑制するために、活物質を樹脂などの結着剤と混合させることにより、活物質粒子が結着剤を介して結着された活物質層を用いている。しかしながら、最近では、エネルギー密度をより一層向上させるために、集電体の厚さを薄くする一方で活物質層の厚さを厚くし、すなわち活物質層の膨張および収縮が増長する傾向にあるため、集電体の破断を防止する上では既に十分とは言えない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、集電体の破断を防止して電気的性能を確保することが可能な電極およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明の電極は、帯状の集電体とそれに設けられた活物質層とを含み、集電体がその長手方向において活物質層により被覆された被覆部分と活物質層により被覆されていない非被覆部分とを有し、非被覆部分が長手方向においてZ字を描くように折り重ねられているものである。また、本発明の電池は、正極および負極と共に電解液を備え、正極および負極が帯状の集電体とそれに設けられた活物質層とを含み、集電体がその長手方向において活物質層により被覆された被覆部分と活物質層により被覆されていない非被覆部分とを有し、正極および負極のうちの少なくとも一方における非被覆部分が長手方向においてZ字を描くように折り重ねられているものである。
本発明の電極によれば、帯状の集電体がその長手方向において活物質層により被覆された被覆部分と活物質層により被覆されていない非被覆部分とを有し、その非被覆部分が長手方向においてZ字を描くように折り重ねられている。したがって、活物質層が膨張および収縮しても、非被覆部分の折り重ねがほどかれることにより、集電体の破断が防止され、電気伝導性などの電気的性能を確保することができる。この効果は、特に、電極全体の体積を維持しながら電気的性能を向上させるために、集電体の厚さを薄くする一方で活物質層の厚さを厚くする場合に顕著となる。これにより、本発明の電極を用いた電池では、容量特性などの電気的特性を確保することができる。
特に、集電体が長手方向において巻回される場合に、非被覆部分が少なくとも集電体の巻外側の端部において折り重ねられていれば、活物質層の膨張および収縮による応力の影響を受けやすい巻外側の非被覆部分において集電体が破断しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。また、集電体が金属箔からなる場合に、その金属箔が熱処理されていれば、集電体の伸縮性が向上するため、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る電極の構成を表しており、(A)は平面構成、(B)は断面構成をそれぞれ示している。また、図2は電極の機能を説明するためのものであり、図1(B)に対応する断面構成を示している。
この電極は、正極あるいは負極として電池などの電気化学デバイスに用いられるものであり、図1に示したように、対向する一対の面を有する帯状の集電体1と、その少なくとも一方の面に設けられた活物質層2とを含んでいる。
集電体1は、その長手方向において、活物質層2により被覆された被覆部分1Aと、活物質層2により被覆されていない非被覆部分1Bとを有している。この集電体1は、例えば、長手方向における端部に非被覆部分1Bを有している。この場合には、集電体1は図1に示したように両端部に非被覆部分1Bを有していてもよいし、一端部だけに有していてもよい。
特に、集電体1は、非被覆部分1Bに折り重ね部1Tを有している。この折り重ね部1Tは、長手方向においてZ字を描き、すなわち折り重ねた部分が順に積み上げられるように非被覆部分1Bが折り重ねられたものである。詳細には、折り重ね部1Tは、集電体1の長手方向の寸法(長さ)を本来の設計寸法(実効長さL1)よりも長くし、その長くした寸法分の集電体1を折り重ねたものであり、いわゆる集電体1の長さマージンである。この場合には、非被覆部分1Bは図1に示したように部分的に(一部が折り重なるように)折り重ねされていてもよいし、全体的に(全体が折り重なるように)折り重ねられていてもよい。また、集電体1が両端部に非被覆部分1Bを有する場合、折り重ね部1Tは両方の非被覆部分1Bに設けられていてもよいし、片方の非被覆部分1Bだけに設けられていてもよい。
集電体1が折り重ね部1Tを有しているのは、図2に示したように、電極が電気化学デバイスに用いられた場合に活物質層2が膨張および収縮すると、その応力を受けた集電体1において長さマージンである折り重ね部1Tの折り重ねがほどけ、集電体1を破断しにくくするからである。
電極(集電体1)が長手方向において巻回されることにより電気化学デバイスに用いられる場合、折り重ね部1Tでは、非被覆部分1Bが少なくとも集電体1の巻外側の端部において折り重ねられているのが好ましい。電極が所定の張力を負荷されて巻回されると、巻内側の非被覆部分1Bは張力の影響を強く受けて固定されるのに対して、巻外側の非被覆部分1Bは張力の影響をほとんど受けずにほぼ自由端となるため、前者よりも後者において活物質層2の膨張および収縮時による応力の影響を受けやすいからである。もちろん、この場合には、非被覆部分1Bが集電体1の巻内側の端部においても折り重ねられていてもよい。
この折り重ね部1Tでは、非被覆部分1Bが活物質層2に重ならないように折り重ねられているのが好ましい。活物質層2が非被覆部分1Bにより覆われると、その覆われた部分において電極反応が生じにくくなり、電気量(例えば電極が電池に用いられた場合における容量)が低下する可能性があるからである。この場合には、非被覆部分1Bは図1に示したように1重に(1つのZ字を描くように)折り重ねられていてもよいし、2重以上に(2つ以上のZ字を描くように)折り重ねられていてもよい。確認までに、図1(B)および図2では、折り重ね部1Tの折り重ね構造を見やすくするために、集電体1の厚さを誇張している。
なお、折り重ね部1Tについて、折り重ね寸法L2、活物質層2と折り重ね位置との間の距離L3、非被覆部分1Bが折り返される側(集電体1の一面側あるいは他面側)、折り重ねられる方向(集電体1の長手方向における一端部方向あるいは他端部方向)などは、活物質層2の膨張および収縮による応力の大きさや集電体1の物理的耐久性などの条件に応じて任意に設定可能である。ただし、折り重ね寸法L2は、折り重ね部1Tを形成することにより生じる集電体1の体積増加分に伴う電気量(例えば電極が電池に用いられた場合における容量)のロスを小さくするために、できるだけ小さいのが好ましい。この観点からすれば、非被覆部分1Bは全体的に折り重ねられているよりも部分的に折り重ねられているのが好ましい。
集電体1の厚さは、できるだけ薄いのが好ましい。電極全体の体積を一定とする場合に、その体積中に占める活物質層2の割合が大きくなるからである。
この集電体1は、良好な電気伝導性、電気化学的安定性および機械的強度を有する金属材料により構成されており、例えば、金属箔からなる。この種の金属材料としては、例えば、アルミニウムあるいは銅などが挙げられる。ただし、金属材料については、電極の種類やその用途に応じて任意に選択可能である。
特に、金属材料としては、電極反応物質と金属間酸化物を形成しない1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。電極反応物質と金属間酸化物を形成すると、電気化学デバイスの動作時(例えば電池の充放電時)において集電体1が活物質層2の膨張および収縮による応力の影響を受けやすくなるため、集電性が低下したり、活物質層2が剥離する可能性があるからである。
また、金属材料としては、活物質層2と合金化する1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。集電体1と活物質層2との間の密着性が向上するため、その活物質層2が剥離しにくくなるからである。
なお、集電体1は、単層構造あるいは多層構造のいずれであってもよい。多層構造である場合には、例えば、活物質層2に隣接する層がそれと合金化する金属材料により構成されており、活物質層2に隣接しない層が他の金属材料により構成されているのが好ましい。
集電体1の表面は、粗面化されているのが好ましい。いわゆるアンカー効果により、集電体1と活物質層2との間の密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも活物質層2に隣接する部分(被覆部分1A)の表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法としては、例えば、電解処理によって微粒子を形成する方法などが挙げられる。この電解処理とは、電解槽中で電解法によって金属の表面に微粒子を形成することにより凹凸を設ける方法である。この金属として銅箔を用いた場合、電解処理が施された銅箔は電解銅箔と呼ばれている。
集電体1が金属箔からなる場合、その金属箔は熱処理(いわゆるアニール処理)されているのが好ましい。金属箔が熱処理されると柔軟性(外部応力に対する伸縮性)が向上するため、集電体1自体の変形(伸縮)によって活物質層2の膨張および収縮による応力を吸収しやすくなるからである。一例として、熱処理の前後における電解銅箔の物性変化(熱処理温度=80℃,熱処理時間=24時間)をその厚さごとに挙げれば、厚さ=8μmの場合、熱処理前の引張強さ=578N/mm2 および伸び率=5.2%、熱処理後の引張強さ=288N/mm2 および伸び率=10.1%であり、厚さ=10μmの場合、熱処理前の引張強さ=580N/mm2 および伸び率=6.2%、熱処理後の引張強さ=280N/mm2 および伸び率=12.1%であり、厚さ=12μmの場合、熱処理前の引張強さ=580N/mm2 および伸び率=7.0%、熱処理後の引張強さ=280N/mm2 および伸び率=15.5%である。上記した物性変化に基づき、金属箔が熱処理されているか否かを事後的に確認することができる。
活物質層2は、電極反応に寄与する1種あるいは2種以上の活物質を含んでおり、必要に応じて結着剤や導電剤などを含んでいてもよい。活物質については、電極の種類やその用途などの条件に応じて任意に選択可能である。一例を挙げれば、電極が電池に用いられる場合には、活物質として炭素材料、金属材料あるいは合金材料などが好ましい。この活物質層2は、図1に示したように集電体1の両面に設けられていてもよいし、片面だけに設けられていてもよい。
活物質層2の厚さは、できるだけ厚いのが好ましい。電極反応に寄与する活物質の量が多くなるため、電極の性能が向上するからである。
なお、体積密度などに代表される活物質層2の特性値は、活物質の種類や電極の用途などの条件に応じて任意に設定可能である。ただし、電極の性能を向上させるためには、体積密度はできるだけ高いのが好ましい。
この電極は、例えば、折り重ね部1Tが形成されていない集電体1を用意し、その集電体1の被覆部分1A上に活物質層2を形成したのち、非被覆部分1Bを折り重ねて折り重ね部1Tを形成することにより製造される。なお、電極は、あらかじめ非被覆部分1Aに折り重ね部1Tが形成された集電体1を用意し、その集電体1の被覆部分1A上に活物質層2を形成することにより製造されてもよい。
この電極によれば、帯状の集電体1が非被覆部分1Bに折り重ね部1Tを有しているので、以下の理由により、集電体1の破断を防止して電気的性能を確保することができる。
図3および図4は比較例の電極の構成および問題点を説明するためのものであり、いずれも図1(B)に対応する断面構成を示している。この比較例の電極は、集電体1に折り重ね部1Tが設けられていないことを除き、本実施の形態の電極と同様の構成を有している。
比較例の電極では、図3に示したように、集電体1に長さマージンとして折り重ね部1Tが設けられていないため、活物質層2が膨張および収縮した場合に、その応力の大きさが集電体1の物理的耐久性を上回り、すなわち応力を集電体1で吸収しきれなくなると、図4に示したように、集電体1に局所的破断や完全破断などの破断Cが生じる。この破断Cは、活物質層2の端部近傍において生じやすい。これにより、電気伝導性などの電気的性能が低下あるいは喪失してしまう。
これに対して、本実施の形態の電極では、図1(B)に示したように、集電体1に長さマージンとして折り重ね部1Tが設けられているため、活物質層2の膨張および収縮による応力が集電体1に及ぶと、図2に示したように、応力によって集電体1の実効長さL1が伸ばされる。これにより、長さマージンとして応力を吸収できるだけの折り重ね部1Tが設けられていれば、集電体1に破断Cが生じない。したがって、電気伝導性などの電気的性能を確保することができるのである。
特に、電極全体の体積を維持しながら電気的性能を向上させるために、集電体1の厚さを薄くする一方で活物質層2の厚さを厚くすれば、その活物質層2が膨張および収縮しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、集電体1が長手方向において巻回される場合に、その巻外側の端部における非被覆部分1Bに折り重ね部1Tを有していれば、活物質層2の膨張および収縮による応力の影響を受けやすい巻外側の非被覆部分1Bにおいて集電体1が破断しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、集電体1が金属箔からなる場合に、その金属箔が熱処理されていれば、集電体1の伸縮性(活物質層2の膨張および収縮による応力を吸収する性質)が向上するため、より高い効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、折り重ね部1Tを構成する非被覆部分1Bが活物質層2に重ならないようにしたが、必ずしもこれに限られず、図1(B)に対応する図5に示したように、非被覆部分1Bが活物質層2に重なるようにしてもよい。この場合には、非被覆部分1Bが活物質層2の端部近傍部分を被覆することにより、その端部近傍部分を押さえつける力(端部近傍部分の膨張に対抗する力)が働くため、集電体1が活物質層2の端部近傍において膨張および収縮による応力の影響を受けにくくなる。これにより、集電体1の破断をより効果的に防止することができる。
この場合には、さらに、図6に示したように、活物質層2の膨張および収縮による応力が著しく大きいことなどを原因として、折り重ね部1Tを設けたにもかかわらず集電体1に破断Cが生じたとしても、その折り重ね部1Tを構成している非被覆部分1Bと活物質層2とが接触することにより、集電体1の両端部間における電気的導通を確保することもできる。
次に、上記した電極の使用例について説明する。ここで、電気化学デバイスの一例として電池を例に挙げると、電極は以下のようにして電池に用いられる。
図7〜図9は電池の構成を表しており、図7は断面構成、図8は図7に示した主要部の拡大断面構成、図9は図7に対応する斜視断面構成をそれぞれ示している。ここで説明する電池は、負極の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池である。
この二次電池は、図7に示したように、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、正極21および負極22がセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20と、一対の絶縁板12,13とが収納されたものであり、いわゆる円筒型の構造を有している。電池缶11は、例えば、ニッケル(Ni)めっきが施された鉄(Fe)により構成されており、その一端部および他端部はそれぞれ閉鎖および開放されている。一対の絶縁板12,13は、巻回電極体20を挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、その内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。この安全弁機構15では、内部短絡あるいは外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板15Aが反転することにより電池蓋14と巻回電極体20との間の電気的接続が切断されるようになっている。熱感抵抗素子16は、温度の上昇に応じて抵抗が増大することにより電流を制限し、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20では、例えば、正極21および負極22が長手方向において負極22が外側に位置するようにセパレータ23を介して互いに重ねて巻回されており、その中心には、例えば、センターピン24が挿入されている。この巻回電極体20では、アルミニウムなどにより構成された正極リード25が正極21に接続されていると共に、ニッケルなどにより構成された負極リード26が負極22に接続されている。正極リード25は、安全弁機構15に溶接されて電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は、電池缶11に溶接されて電気的に接続されている。
正極21は、例えば、図8および図9に示したように、対向する一対の面を有する正極集電体211(被覆部分211A,非被覆部分211B)の両面に正極活物質層212が設けられたものである。正極集電体211は、例えば、アルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されており、中でもアルミニウムより構成されているのが好ましい。高い耐食性が得られるからである。この正極集電体211では、例えば、巻外側の非被覆部分211Bの長さが1周分となるように調整されているのが好ましい。正極活物質層212は、正極活物質として電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電剤や結着剤などを含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムあるいはこれらを含む固溶体(Li(Nix Coy Mnz )O2 ;x、yおよびzの値はそれぞれ0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1である。)、またはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn2 O4 )あるいはその固溶体(Li(Mn2-v Niv )O4 ;vの値はv<2である。)などのリチウム複合酸化物や、リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )などのオリビン構造を有するリン酸化合物などが好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。この他、上記した正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化鉄、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物や、硫黄や、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
負極22は、上記した電極と同様の構成を有しており、例えば、図1に示した構成を有している。この負極22は、例えば、図8および図9に示したように、対向する一対の面を有する負極集電体221(被覆部分221A,非被覆部分221B)の両面に負極活物質層222が設けられたものであり、その負極集電体221の巻外側の非被覆部分221Bに、負極活物質層222に重ならないように折り重ね部221Tが設けられている。この負極集電体221では、例えば、巻外側の非被覆部分221Bの長さが1周分となるように調整されているのが好ましい。負極22が上記した電極と同様の構成を有しているのは、正極21に対して負極22が外側に位置しているため、前者よりも後者において活物質層の膨張および収縮による応力の影響を受けやすいからである。この折り重ね部221Tの折り重ね寸法(図1(B)に示した折り重ね寸法L2)は、例えば、2mm〜20mm程度あればよい。
負極集電体221は、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されており、中でも銅により構成されているのが好ましい。高い電気伝導性が得られるからである。
負極活物質層222は、負極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、導電剤あるいは結着剤などを含んでいてもよい。負極活物質層222の厚さおよび体積密度は任意に設定可能である。ただし、高い容量を得るためには、負極集電体221の片面側における厚さは65μm、さらに75μmであるのが好ましく、体積密度は1.6g/cm3 以上、さらに1.8g/cm3 以上であるのが好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。このような炭素材料としては、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素あるいは(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などが挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成し、炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高エネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られる上、さらに導電剤としても機能するので好ましい。
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料が挙げられる。このような負極材料は、高いエネルギー密度が得られるので好ましい。この負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またはこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。ここで、合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、合金は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。このうち、特に好ましいのは、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種である。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金あるいは化合物、スズの単体、合金あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の化合物あるいはスズの化合物としては、例えば、酸素あるいは炭素を含むものが挙げられ、ケイ素またはスズに加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズを第1の構成元素とし、そのスズに加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。第2の構成元素は、コバルト、鉄、マグネシウム、チタン、バナジウム(V)、クロム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀、インジウム、セリウム(Ce)、ハフニウム、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマスおよびケイ素からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素、炭素、アルミニウムおよびリンからなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
このうち、負極材料としては、スズ、コバルトおよび炭素を構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズおよびコバルトの合計に対するコバルトの割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。
このCoSnC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン、ガリウムあるいはビスマスなどが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量あるいはサイクル特性がさらに向上するからである。
なお、CoSnC含有材料は、スズ、コバルトおよび炭素を含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、CoSnC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化が抑制されるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素あるいは半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、CoSnC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、CoSnC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合している。
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとCoSnC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、CoSnC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
特に、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料がケイ素の単体、合金あるいは化合物、またはスズの単体、合金あるいは化合物を含む場合、負極活物質層222は、例えば、気相法、液相法、溶射法あるいは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成されたものであり、負極活物質層222と負極集電体221とが界面の少なくとも一部において合金化しているのが好ましい。具体的には、界面において負極集電体221の構成元素が負極活物質層222に拡散し、あるいは負極活物質層222の構成元素が負極集電体221に拡散し、または両者の構成元素が互いに拡散し合っているのが好ましい。充放電に伴う負極活物質層222の膨張および収縮による破壊が抑制されると共に、負極活物質層222と負極集電体221との間の電子伝導性が向上するからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法あるいはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が挙げられる。
さらに、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物あるいは高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどが挙げられ、高分子化合物としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
もちろん、上記した一連の負極材料を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。
この二次電池では、例えば、正極活物質とリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料との間で量が調整されることにより、正極活物質による充電容量よりもリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料による充電容量が大きくなり、完全充電時においても負極22にリチウム金属が析出しないようになっている。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多硬質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は、ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内でシャットダウン効果を得ることができると共に、電気化学的安定性にも優れているので好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安定性を備えた樹脂であれば、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合させたものであったり、ブレンド化したものであってもよい。
このセパレータ23には、例えば、液状の電解質として電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒と、それに溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒は、例えば、有機溶剤などの非水溶媒の1種あるいは2種以上を含有している。この非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの炭酸エステル系溶媒が挙げられる。優れた容量特性、保存特性およびサイクル特性が得られるからである。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒とを混合したものが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
特に、溶媒は、ハロゲン化炭酸エステルを含有しているのが好ましい。負極22の表面に安定な被膜が形成されて電解液の分解反応が抑制されるため、サイクル特性が向上するからである。このハロゲン化炭酸エステルとしては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンや4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどのフッ素化炭酸エステルが好ましい。より高い効果が得られるからである。
また、溶媒は、不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含有しているのが好ましい。サイクル特性が向上するからである。この不飽和結合を有する環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレンあるいは炭酸ビニルエチレンなどが挙げられる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩の1種あるいは2種以上を含んでいる。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )あるいは六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )などが挙げられる。優れた容量特性、保存特性およびサイクル特性が得られるからである。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。中でも、電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウムが好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。溶媒中における電解質塩の含有量は、例えば、0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下の範囲内である。優れた容量特性が得られるからである。
なお、この二次電池では、液状の電解質(電解液)に代えて、固体状あるいはゲル状の電解質を用いてもよい。
固体状の電解質は、イオン伝導性を有していれば、無機固体電解質でもよいし、高分子固体電解質でもよい。無機固体電解質としては、例えば、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどが挙げられる。高分子固体電解質としては、例えば、電解質塩とそれを保持する高分子化合物とを含むものが挙げられる。この高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはその架橋体などのエーテル系高分子や、ポリメタクリレートエステル系高分子や、アクリレート系高分子や、それらの共重合体あるいは混合物などが挙げられる。
ゲル状の電解質は、電解液とそれを保持する高分子化合物とを含んでおり、その高分子化合物が電解液を保持してゲル化しているものである。この高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを成分とする共重合体などのフッ素系高分子や、ポリエチレンオキサイドあるいはその架橋体などのエーテル系高分子や、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。中でも、酸化還元に対する安定性の観点から、フッ素系高分子が好ましい。
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
まず、正極21を作製する。この場合には、まず、正極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合した正極合剤を有機溶剤に分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードあるいはバーコータなどを用いて正極集電体211の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布したのち、乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などを用いて圧縮成型することにより、正極活物質層212を形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。こののち、溶接などによって正極集電体211に正極リード25を取り付ける。
また、上記した電極の作製手順により、正極21と同様に負極22を作製する。すなわち、負極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合した負極合剤を有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとし、負極集電体221の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのちに圧縮成型することにより、負極活物質層222を形成する。この場合には、負極集電体221上に負極活物質層222を形成したのちに折り重ね部221Tを形成してもよいし、あらかじめ折り重ね部221Tが形成された負極集電体221上に負極活物質層222を形成してもよい。こののち、溶接などによって負極集電体221に負極リード26を取り付ける。
次に、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回させることにより、巻回電極体20を形成する。続いて、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に負極リード26の先端部を電池缶11に溶接したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟みながら電池缶11の内部に収納する。
最後に、電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させたのち、その電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図7〜図9に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。
この二次電池によれば、負極22が上記した電極と同様の構成を有しているので、負極活物質層222が膨張および収縮した場合においても負極集電体221の破断が防止される。したがって、容量特性などの電気的性能を確保することができる。この場合には、負極活物質層222が膨張および収縮しやすい負極材料を含んでいたり、高容量を得るために負極活物質層222の厚さや体積密度が高く設定されていれば、負極集電体221が破断しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。特に、負極活物質層222の厚さおよび体積密度の双方が高い仕様(いわゆる厚塗り・高体密仕様)であれば、著しく高い効果を得ることができる。
なお、この二次電池では、上記した電極について図5および図6を参照して説明した場合と同様に、図9に対応する図10に示したように、折り重ね部221Tを構成する非被覆部分221Bが負極活物質層222に重なるようにしてもよい。この場合においても、図5および図6に示した場合と同様に、負極集電体221の破断をより効果的に防止することができると共に、破断が生じた場合においても負極集電体221の電気的導通を確保することができる。
もちろん、この二次電池では、負極22だけが上記した電極と同様の構成を有するようにしたが、これに限られず、正極21だけ、あるいは正極21および負極22の双方が上記した電極と同様の構成を有するようにしてもよい。特に、正極21および負極22が上記した電極と同様の構成を有するようにすれば、より高い効果を得ることができる。
この二次電池に関する上記以外の効果および変形例は、上記した電極と同様である。
本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
以下の手順により、図7〜図9に示した円筒型の二次電池を作製した。この際、負極22の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
以下の手順により、図7〜図9に示した円筒型の二次電池を作製した。この際、負極22の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
まず、正極21を作製した。この場合には、まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成してリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。続いて、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物96質量部と、導電剤としてケッチェンブラック1質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、アルミニウム箔(厚さ=15μm)からなる正極集電体211の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層212を形成した。この場合には、圧縮成型後の総厚=160μm、体積密度=3.5g/cm3 としたと共に、正極集電体211の両端部に被覆部分211Bを設けた。最後に、正極活物質層212が形成された正極集電体211をスリットして帯状の正極21とした。この場合には、後工程において巻回された場合に巻外側の非被覆部分212Bの長さが1周分となるように正極活物質層212の塗布範囲を調整した。こののち、正極集電体211の一端に、アルミニウム製の正極リード25を溶接して取り付けた。
次に、負極22を作製した。この場合には、まず、負極活物質として人造黒鉛94質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン6質量部とを混合して負極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、電解銅箔(厚さ=12μm)からなる負極集電体221の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層222を形成した。この場合には、圧縮成型後の負極22の総厚=190μm、体積密度=1.9g/cm3 (厚塗り・高体密仕様)としたと共に、負極集電体221の両端部に非被覆部分221Bを設けた。最後に、負極活物質層222が形成された負極集電体221をスリットして帯状の負極22としたのち、図1および図9に示したように、ロールプレス機で巻外側の非被覆部分221Bを折り重ねることにより、負極活物質層222に重ならないように折り重ね部221Tを形成した。この場合には、折り重ね部221Tの構成および形成位置として、折り重ね寸法L2=10mm、距離L3=20mm、折り重ね側=負極22を巻回した場合の外側、折り重ね方向=負極活物質層222に近づく方向とした。また、正極21を作製した場合と同様に、巻外側の非被覆部分222Bの長さが1周分となるように負極活物質層222の塗布範囲を調整した。こののち、負極集電体221の一端に、ニッケル製の負極リード26を溶接して取り付けた。
次に、溶媒として炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを1:1の質量比で混合したのち、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを溶解させて電解液を調製した。この場合には、電解質塩の濃度が1mol/dm3 とした。
最後に、二次電池を組み立てた。この場合には、まず、微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータ23(厚さ=20μm)を用意し、正極21と負極22とをセパレータ23を介して交互に積層させたのち、その積層体を巻回して外径=18mmの巻回電極体20を作製した。続いて、正極リード25を安全弁機構15に溶接すると共に負極リード26を電池缶11に溶接したのち、ニッケルめっきが施された鉄製の電池缶11の内部に巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で巻回電極体20を挟みながら収納した。続いて、減圧方式によって電解液を電池缶11の内部に注入してセパレータ23に含浸させた。最後に、アスファルトが塗布されたガスケット17を介して電池缶11をかしめることにより、安全弁機構15、熱感抵抗素子16および電池蓋14を固定した。これにより、電池缶11の内部の気密性が確保され、直径=18mmおよび高さ=65mmの円筒型の二次電池が完成した。
(実施例2)
図5および図10に示したように、負極活物質層222に重なるように折り重ね部221Tを形成したことを除き、実施例1と同様の手順により円筒型の二次電池を作製した。この場合には、折り重ね部221Tの構成および形成位置として、折り重ね寸法L2=10mm、距離L3=5mmとし、他は実施例1と同様にした。
図5および図10に示したように、負極活物質層222に重なるように折り重ね部221Tを形成したことを除き、実施例1と同様の手順により円筒型の二次電池を作製した。この場合には、折り重ね部221Tの構成および形成位置として、折り重ね寸法L2=10mm、距離L3=5mmとし、他は実施例1と同様にした。
(比較例)
折り重ね部221Tを形成しなかったことを除き、実施例1と同様の手順により円筒型の二次電池を作製した。
折り重ね部221Tを形成しなかったことを除き、実施例1と同様の手順により円筒型の二次電池を作製した。
これらの実施例1,2および比較例の二次電池について、負極22の性能および状態の変化を調べたところ、表1に示した結果が得られた。
負極22の性能を調べる際には、以下の手順により、負極22の両端部間におけるインピーダンス変化を求めた。まず、23℃の雰囲気中において1サイクル充放電させることにより、1サイクル目のインピーダンスを測定した。続いて、同雰囲気中において299サイクル充放電させることにより、300サイクル目のインピーダンスを測定した。最後に、インピーダンス比=300サイクル目のインピーダンス/1サイクル目のインピーダンスを算出した。この際、充電条件としては、2000mAの定電流で電池電圧が4.2Vに到達するまで充電したのち、引き続き4.2Vの定電圧で充電開始からの総時間が4時間となるまで充電した。一方、放電条件としては、2000mAの定電流で電池電圧が3.0Vに到達するまで放電した。
また、負極22の状態を調べる際には、充放電後の二次電池を分解して負極22を取り出したのち、負極集電体221について破断の有無および状況を目視で観察した。
なお、負極22の性能および状態の変化を調べる際には、実施例1,2および比較例のいずれについても、調査数(n数)=3とした。
表1に示したように、実施例1,2および比較例では、いずれにおいても充放電後にインピーダンスが増加し、すなわちインピーダンス比が1よりも大きくなった。しかしながら、実施例1,2では、比較例よりもインピーダンス比が小さくなった。この場合には、充放電後の負極集電体221では、実施例1,2において破断が観察されなかったが、比較例では破断が観察された。この比較例では、局所的破断している二次電池については充放電後のインピーダンスを測定できたが、完全破断している二次電池については充放電後のインピーダンスを測定することができなかった。これらの結果は、比較例で生じているインピーダンスの増加が負極集電体221の破断に伴う電気伝導性の低下に起因していることを表している。すなわち、比較例の結果は、局所的破断が生じた場合にはその程度が激しいほどインピーダンスの増加量が大きくなり、完全破断が生じた場合には電気伝導性が失われることを表している。このことから、負極集電体221が折り重ね部221Tを有する本願発明の二次電池では、負極集電体221の破断が防止され、電気的性能が確保されることが確認された。
なお、ここでは具体的な結果を開示していないが、負極22の総厚および体積密度をそれぞれ145μmおよび1.9g/cm3 (高体密仕様)あるいは220μmおよび1.85g/cm3 (厚塗り仕様)に変更した場合(負極集電体221の厚さは12μmで固定)においても、同様に負極22の性能および状態の変化を調べたところ、やはり実施例1,2と同様の結果が得られた。このことから、本発明の二次電池では、負極活物質層222の厚さおよび体積密度を高めに設定した場合においても同様の効果が得られることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本発明の電極の用途は、必ずしも電池に限られず、電池以外の他の電気化学デバイスであってもよい。この他の用途としては、例えば、キャパシタなどが挙げられる。
また、上記した実施の形態および実施例では、電池の種類として、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。本発明の電池は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分とリチウムの析出および溶解に基づく容量成分とを含み、かつ、それらの容量成分の和により表される二次電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態または実施例では、電池の構造が円筒型である場合を例に挙げて説明したが、本発明の電池は、正極および負極が巻回された状態で用いられる角型あるいはラミネートフィルム型などの他の構造についても同様に適用可能である。また、本発明の電池は、二次電池に限らず、一次電池などの他の種類の電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他の1A族元素や、マグネシウム(Mg)あるいはカルシウム(Ca)などの2A族元素や、アルミニウムなどの他の軽金属を用いてもよい。これらの場合においても、負極活物質として、上記した実施の形態で説明した負極材料を用いることが可能である。
1…集電体、1A,211A,221A…被覆部分、1B,211B,221B…非被覆部分、1T,221T…折り重ね部、2…活物質層、11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、22…負極、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード、211…正極集電体、212…正極活物質層、221…負極集電体、222…負極活物質層、C…破断、L1…実効長さ、L2…折り重ね寸法、L3…距離。
Claims (18)
- 帯状の集電体と、それに設けられた活物質層とを含み、
前記集電体は、その長手方向において、前記活物質層により被覆された被覆部分と、前記活物質層により被覆されていない非被覆部分とを有し、
前記非被覆部分は、前記長手方向においてZ字を描くように折り重ねられている
ことを特徴とする電極。 - 前記非被覆部分は部分的に折り重ねられていることを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記集電体は前記長手方向における端部に前記非被覆部分を有することを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記集電体は前記長手方向において巻回され、
前記非被覆部分は少なくとも前記集電体の巻外側の端部において折り重ねられている
ことを特徴とする請求項3記載の電極。 - 前記非被覆部分は前記活物質層に重ならないように折り重ねられていることを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記非被覆部分は前記活物質層に重なるように折り重ねられていることを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記集電体はアルミニウム(Al)あるいは銅(Cu)の金属箔からなることを特徴とする請求項1記載の電極。
- 前記金属箔は熱処理されていることを特徴とする請求項7記載の電極。
- 正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
前記正極および前記負極は、帯状の集電体と、それに設けられた活物質層とを含み、
前記集電体は、その長手方向において、前記活物質層により被覆された被覆部分と、前記活物質層により被覆されていない非被覆部分とを有し、
前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方における前記非被覆部分は、前記長手方向においてZ字を描くように折り重ねられている
ことを特徴とする電池。 - 前記非被覆部分は部分的に折り重ねられていることを特徴とする請求項9記載の電池。
- 前記集電体は前記長手方向における端部に前記非被覆部分を有することを特徴とする請求項9記載の電池。
- 前記集電体は前記長手方向において巻回され、
前記非被覆部分は少なくとも前記集電体の巻外側の端部において折り重ねられている
ことを特徴とする請求項11記載の電池。 - 前記正極および前記負極は前記長手方向において前記負極が外側となるように互いに重ねて巻回され、
前記非被覆部分は前記負極の集電体において折り重ねられている
ことを特徴とする請求項12記載の電池。 - 前記非被覆部分は前記活物質層に重ならないように折り重ねられていることを特徴とする請求項9記載の電池。
- 前記非被覆部分は前記活物質層に重なるように折り重ねられていることを特徴とする請求項9記載の電池。
- 前記正極の集電体はアルミニウムの金属箔からなり、前記負極の集電体は銅の金属箔からなることを特徴とする請求項9記載の電池。
- 前記金属箔は熱処理されていることを特徴とする請求項16記載の電池。
- 前記負極の活物質層は電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な材料を含むことを特徴とする請求項9記載の電池。
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WO2024042939A1 (ja) * | 2022-08-26 | 2024-02-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
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2007
- 2007-03-05 JP JP2007054142A patent/JP2008218203A/ja active Pending
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