JP2008215978A - 送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ - Google Patents
送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008215978A JP2008215978A JP2007052388A JP2007052388A JP2008215978A JP 2008215978 A JP2008215978 A JP 2008215978A JP 2007052388 A JP2007052388 A JP 2007052388A JP 2007052388 A JP2007052388 A JP 2007052388A JP 2008215978 A JP2008215978 A JP 2008215978A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mobile phase
- temperature
- liquid
- pump
- piston
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Reciprocating Pumps (AREA)
Abstract
【課題】 質量流量を一定に保つことができる送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフを提供する。
【解決手段】 移動相の流入のみを許容する流入路と、移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室21をポンプヘッド20に備え、ポンプ室21内でピストン13を往復運動させることによって、移動相を吸引吐出する機構4を備える送液ポンプ40であって、さらに、移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部42と、温度測定部30により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、機構4にピストン13の移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部52とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 移動相の流入のみを許容する流入路と、移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室21をポンプヘッド20に備え、ポンプ室21内でピストン13を往復運動させることによって、移動相を吸引吐出する機構4を備える送液ポンプ40であって、さらに、移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部42と、温度測定部30により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、機構4にピストン13の移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部52とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、送液ポンプ及び液体クロマトグラフに関し、例えば、分子量分布の測定に用いられるGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ)用送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフに関する。
液体クロマトグラフは、図3に示すように、移動相が貯留されるリザーバ2と、リザーバ2とデガッサ3とを連通する第一配管9aと、移動相を脱気するデガッサ3と、デガッサ3と送液ポンプ本体4とを連通する第一配管9bと、送液ポンプ本体4と、送液ポンプ本体4と試料注入器5とを連通する第二配管9cと、試料が導入される試料注入器5と、カラム6と、検出器7とを移動相の流路に沿ってこの順に備える。
このような液体クロマトグラフでは、移動相の送液を行なうための機構(送液ポンプ本体)4として、往復動ピストン型の機構(送液ポンプ本体)4が一般的に使われている。
このような液体クロマトグラフでは、移動相の送液を行なうための機構(送液ポンプ本体)4として、往復動ピストン型の機構(送液ポンプ本体)4が一般的に使われている。
図2(a)及び図2(b)は、往復動ピストン型の機構(送液ポンプ本体)4の構成を示す図である。機構(送液ポンプ本体)4は、ピストン駆動部10と、ポンプヘッド20とを備える。
ピストン駆動部10において、本体ケース11の内部に摺動可能に挿入されたクロスヘッド12は、その一端にピストン13を、他端には回転可能な円板形状のベアリング14を、それぞれ有している。クロスヘッド12のピストン13が固定された側の端面と本体ケース11内部の端面との間には、互いの端面を引き離すように働くバネ15が配設されている。一方、クロスヘッド12のベアリング14の周縁は、モータ(図示せず)により回転する略楕円板形状のカム16の周縁に接する。
これによって、モータを駆動することによりカム16を回転させると、その回転運動が、バネ15の力によりカム16の周縁に押し付けられたベアリング14を介して、カム16のカムプロファイルにより決定される振幅を有する往復運動に変換される。つまり、ピストン13の水平方向への往復運動が作り出されることになる。
ピストン駆動部10において、本体ケース11の内部に摺動可能に挿入されたクロスヘッド12は、その一端にピストン13を、他端には回転可能な円板形状のベアリング14を、それぞれ有している。クロスヘッド12のピストン13が固定された側の端面と本体ケース11内部の端面との間には、互いの端面を引き離すように働くバネ15が配設されている。一方、クロスヘッド12のベアリング14の周縁は、モータ(図示せず)により回転する略楕円板形状のカム16の周縁に接する。
これによって、モータを駆動することによりカム16を回転させると、その回転運動が、バネ15の力によりカム16の周縁に押し付けられたベアリング14を介して、カム16のカムプロファイルにより決定される振幅を有する往復運動に変換される。つまり、ピストン13の水平方向への往復運動が作り出されることになる。
また、ポンプヘッド20の内部には、ポンプ室21が形成されている。ポンプ室21の下側面に設けられた流入路22には、第一逆止弁23が配設されるとともに、ポンプ室21の上側面に設けられた流出路24には、第二逆止弁25が配設されている。さらに、ポンプ室21には、ピストンシール27が取り付けられたピストンシール取付口26が形成されている。ピストンシール27は、中心軸上に通口を有し、この通口を通ってピストン13がポンプ室21内へ挿入されている。
よって、ピストン13が、図2(b)に示すような、ポンプ室21内に最も引き抜かれた位置(吐出開始点)と、図2(a)に示すような、ポンプ室21内に最も押し込まれた位置(吸引開始点)との間を往復運動することにより、移動相が第一逆止弁23を通じて流入路22からポンプ室21内へ吸引され、ポンプ室21内に吸引された移動相が流出路24から第二逆止弁25を通じてポンプ室21外へ吐出されることになる。このとき、ピストン13が一定の移動速度で運動することにより、一定の流量で移動相が吐出される。
しかし、液体クロマトグラフで用いられる移動相として、例えば、アセトンを用いた場合、温度1℃当りの体積膨張率は、0.143%にも及び、送液ポンプの体積流量は一定であっても、質量流量は温度によって大きく左右される。一般的に、液体(移動相)の体積Vと温度tとの関係において、下記式(1)が成り立つ。
V=V0(1+βt)・・・(1)
ここで 、V0は、0℃における液体の体積であり、βは、液体固有の体積膨張係数である。
なお、表1に、移動相として用いられる液体と、その体積膨張係数βとを例として示す。
V=V0(1+βt)・・・(1)
ここで 、V0は、0℃における液体の体積であり、βは、液体固有の体積膨張係数である。
なお、表1に、移動相として用いられる液体と、その体積膨張係数βとを例として示す。
よって、分子量分布の測定に用いられる従来のGPCにおいて、体積膨張係数βが1×10−3である移動相を用いて、送液ポンプで体積流量を常に1.000ml/minにしたとしても、温度が1℃上昇すると、質量流量は変化することになり、その結果、得られる試料成分の溶出時間(エリューションタイム)が、例えば、10.00minから10.01minに変動していた。
そこで、GPCにおいて、溶出時間の良好な再現性を得るため、移動相及びポンプヘッドを一定温度に保つことが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、機構(送液ポンプ本体)の前段に保温制御機構として、図4に示すような、移動相を通すための熱平衡コイル61と、ポンプヘッドに接続されるアルミブロック62との温度を一定に保持する循環恒温槽63を備える。これによって、移動相及びポンプヘッドを一定温度に保つことにより、機構(送液ポンプ本体)からの質量流量を常時一定に保っている。
特許第2516332号
そこで、GPCにおいて、溶出時間の良好な再現性を得るため、移動相及びポンプヘッドを一定温度に保つことが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、機構(送液ポンプ本体)の前段に保温制御機構として、図4に示すような、移動相を通すための熱平衡コイル61と、ポンプヘッドに接続されるアルミブロック62との温度を一定に保持する循環恒温槽63を備える。これによって、移動相及びポンプヘッドを一定温度に保つことにより、機構(送液ポンプ本体)からの質量流量を常時一定に保っている。
しかしながら、移動相及びポンプヘッドを一定温度に保つためには、保温制御機構を必要とし、液体クロマトグラフの装置自体が複雑になり、コストも高くなった。
そこで、本発明は、質量流量を一定に保つことができる送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、質量流量を一定に保つことができる送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の送液ポンプは、移動相の流入のみを許容する流入路と、前記移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室をポンプヘッドに備え、当該ポンプ室内でピストンを往復運動させることによって、前記移動相を吸引吐出する機構を備える送液ポンプであって、さらに、前記移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部と、温度測定部により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、前記機構にピストンの移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部とを備えるようにしている。
本発明の送液ポンプによれば、例えば、リザーバ内の移動相の温度変化を温度測定部により常時測定する。そして、機構(送液ポンプ本体)が起動されると、ピストンは往復運動を行ない、これにより、リザーバから試料注入器への移動相の移動が行なわれる。
このとき、例えば、体積膨張係数βが1×10−3である移動相を用いた場合、移動相の温度が1℃上昇したことを温度測定部が感知したときには、モータ制御部は、移動相の体積膨張係数βに基づいて、下記式(2)により、測定開始時における移動相の体積流量Vtsが1.000ml/minであるとすると、現在における移動相の体積流量Vtgが1.001ml/min(=1.000[ml/min]×(1+1×10−3×1[℃]))となるようにピストンの移動速度を速くし、逆に、温度が1℃低下したことを温度測定部が感知したときには、モータ制御部は、移動相の体積膨張係数βに基づいて、下記式(2)により、体積流量Vtgが0.999ml/min(=1.000[ml/min]×(1+1×10−3×(−1)[℃]))となるようにピストンの移動速度を遅くする制御信号を機構(送液ポンプ本体)に出力する。
Vtg=Vts+Vts×β×(tg−ts)・・・(2)
ここで 、tsは、測定開始時における液体(移動相)の温度であり、tgは、現在における液体の温度である。
このとき、例えば、体積膨張係数βが1×10−3である移動相を用いた場合、移動相の温度が1℃上昇したことを温度測定部が感知したときには、モータ制御部は、移動相の体積膨張係数βに基づいて、下記式(2)により、測定開始時における移動相の体積流量Vtsが1.000ml/minであるとすると、現在における移動相の体積流量Vtgが1.001ml/min(=1.000[ml/min]×(1+1×10−3×1[℃]))となるようにピストンの移動速度を速くし、逆に、温度が1℃低下したことを温度測定部が感知したときには、モータ制御部は、移動相の体積膨張係数βに基づいて、下記式(2)により、体積流量Vtgが0.999ml/min(=1.000[ml/min]×(1+1×10−3×(−1)[℃]))となるようにピストンの移動速度を遅くする制御信号を機構(送液ポンプ本体)に出力する。
Vtg=Vts+Vts×β×(tg−ts)・・・(2)
ここで 、tsは、測定開始時における液体(移動相)の温度であり、tgは、現在における液体の温度である。
したがって、本発明の送液ポンプによれば、温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、例えば、機構(送液ポンプ本体)にピストンの移動速度を制御する制御信号を出力することによって、移動相の質量流量を一定に保つことができる。よって、装置自体を複雑にせず、試料成分の溶出時間が、移動相に関する温度の変化によって変動することを防止できる。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明の液体クロマトグラフは、前記移動相が貯留されるリザーバ、第一配管、 送液ポンプ、第二配管、試料が導入される試料注入器、カラム、検出器を移動相の流路に沿ってこの順に備える液体クロマトグラフであって、前記第一配管は、前記リザーバと流入路とを連通し、かつ、前記第二配管は、前記流出路と試料注入器とを連通し、前記送液ポンプは、前記移動相の流入のみを許容する流入路と、前記移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室をポンプヘッドに備え、当該ポンプ室内でピストンを往復運動させることによって、前記移動相を吸引吐出する機構と、前記移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部と、温度測定部により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、前記機構にピストンの移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部とを備えるようにしている。
そして、本発明の液体クロマトグラフは、前記温度測定部は、室温、リザーバ内の移動相、第一配管内の移動相、第二配管内の移動相、及び、ポンプヘッド内の移動相の群から選択される少なくとも一つの温度を常時測定するようにしてもよい。
さらに、本発明の液体クロマトグラフは、さらに、前記移動相を脱気するデガッサを備え、前記温度測定部は、前記デガッサ内の移動相の温度を測定するようにしてもよい。
また、本発明の液体クロマトグラフは、前記移動相が貯留されるリザーバ、第一配管、 送液ポンプ、第二配管、試料が導入される試料注入器、カラム、検出器を移動相の流路に沿ってこの順に備える液体クロマトグラフであって、前記第一配管は、前記リザーバと流入路とを連通し、かつ、前記第二配管は、前記流出路と試料注入器とを連通し、前記送液ポンプは、前記移動相の流入のみを許容する流入路と、前記移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室をポンプヘッドに備え、当該ポンプ室内でピストンを往復運動させることによって、前記移動相を吸引吐出する機構と、前記移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部と、温度測定部により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、前記機構にピストンの移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部とを備えるようにしている。
そして、本発明の液体クロマトグラフは、前記温度測定部は、室温、リザーバ内の移動相、第一配管内の移動相、第二配管内の移動相、及び、ポンプヘッド内の移動相の群から選択される少なくとも一つの温度を常時測定するようにしてもよい。
さらに、本発明の液体クロマトグラフは、さらに、前記移動相を脱気するデガッサを備え、前記温度測定部は、前記デガッサ内の移動相の温度を測定するようにしてもよい。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明に係る液体クロマトグラフの概略構成を示す図である。
液体クロマトグラフは、移動相が貯留されるリザーバ2と、第一配管9aと、移動相を脱気するデガッサ3と、第一配管9bと、本発明の一実施形態である送液ポンプ40と、第二配管9cと、試料が導入される試料注入器5と、カラム6と、検出器7とを移動相の流路に沿ってこの順に備える。さらに、液体クロマトグラフは、移動相の温度を測定する温度測定部30を備える。
液体クロマトグラフは、移動相が貯留されるリザーバ2と、第一配管9aと、移動相を脱気するデガッサ3と、第一配管9bと、本発明の一実施形態である送液ポンプ40と、第二配管9cと、試料が導入される試料注入器5と、カラム6と、検出器7とを移動相の流路に沿ってこの順に備える。さらに、液体クロマトグラフは、移動相の温度を測定する温度測定部30を備える。
リザーバ2は、移動相を貯留する。
デガッサ3は、移動相を脱気する。
第一配管9aは、リザーバ2とデガッサ3とを連通する。また、第一配管9bは、デガッサ3と機構(送液ポンプ本体)4とを連通する。さらに、第二配管9cは、機構(送液ポンプ本体)4と試料注入器5とを連通する。
上記第一配管及び第二配管は、例えば、ポリ四フッ化エチレン製のチューブ等である。
デガッサ3は、移動相を脱気する。
第一配管9aは、リザーバ2とデガッサ3とを連通する。また、第一配管9bは、デガッサ3と機構(送液ポンプ本体)4とを連通する。さらに、第二配管9cは、機構(送液ポンプ本体)4と試料注入器5とを連通する。
上記第一配管及び第二配管は、例えば、ポリ四フッ化エチレン製のチューブ等である。
カラム6は、カラムオーブン8によって、一定温度に保たれるようになっている。そして、試料注入器5から導入された試料は、カラム6内を通過する間に時間軸方向に分離されて、カラム6の出口端に到達することになる。
検出器7は、カラム6の出口端に接続され、到達した試料成分を検出する。
検出器7は、カラム6の出口端に接続され、到達した試料成分を検出する。
温度測定部30は、リザーバ2内の移動相の温度変化を常時測定するものであり、例えば、白金抵抗体やサーミスタ等の感熱体が移動相中に浸けられる。また、温度測定部30の温度検出信号は、後述する温度データ取得部54に出力されることになる。
機構(送液ポンプ本体)4は、ピストン駆動部10と、ポンプヘッド20とを備える。なお、図2(a)及び図2(b)に示した機構(送液ポンプ本体)4と同じ構成については、同じ符号を用いるとともに、説明することを省略する。
本発明の一実施形態である送液ポンプ40では、ピストン13の移動速度を速くしたり、ピストン13の移動速度を遅くしたりすることができるように、カム16を回転させるモータの回転速度の制御が、後述するモータ制御部52から出力される制御信号が与えられることにより実行される。なお、初期設定値(前記Vts)として、ユーザ設定値が用いられる。
本発明の一実施形態である送液ポンプ40では、ピストン13の移動速度を速くしたり、ピストン13の移動速度を遅くしたりすることができるように、カム16を回転させるモータの回転速度の制御が、後述するモータ制御部52から出力される制御信号が与えられることにより実行される。なお、初期設定値(前記Vts)として、ユーザ設定値が用いられる。
このような送液ポンプ40は、演算部41を有し、さらに、移動相の体積膨張係数βを記憶する体積膨張係数記憶部(記憶部)42と、入力装置であるキーボード(図示せず)が連結されている。
なお、体積膨張係数記憶部42は、移動相の体積膨張係数βを記憶するものであり、例えば、使用者が入力装置で測定開始前に、予め、測定に用いる移動相の体積膨張係数βを記憶させることになる。
温度データ取得部54は、温度測定部30から温度検出信号を取得する。
なお、体積膨張係数記憶部42は、移動相の体積膨張係数βを記憶するものであり、例えば、使用者が入力装置で測定開始前に、予め、測定に用いる移動相の体積膨張係数βを記憶させることになる。
温度データ取得部54は、温度測定部30から温度検出信号を取得する。
モータ制御部52は、取得された温度(温度検出信号)と、体積膨張係数記憶部42に記憶された体積膨張係数βとに基づいて、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する。
例えば、体積膨張係数βが1×10−3である移動相を用いた場合、移動相の温度が1℃上昇した温度検出信号が入力されたときには、移動相の体積膨張係数βに基づいて、上記式(2)により、測定開始時における移動相の体積流量Vtsを1.000ml/minとすれば、現在の温度に応じて補正された体積流量Vtgが1.001ml/minとなるようにモータの回転速度を速くし、逆に、温度が1℃低下した温度検出信号が入力されたときには、上記式(2)により、体積流量Vtsが0.999ml/minとなるようにモータの回転速度を遅くするようにする。これにより、一定の質量流量で移動相が吐出されることになる。
例えば、体積膨張係数βが1×10−3である移動相を用いた場合、移動相の温度が1℃上昇した温度検出信号が入力されたときには、移動相の体積膨張係数βに基づいて、上記式(2)により、測定開始時における移動相の体積流量Vtsを1.000ml/minとすれば、現在の温度に応じて補正された体積流量Vtgが1.001ml/minとなるようにモータの回転速度を速くし、逆に、温度が1℃低下した温度検出信号が入力されたときには、上記式(2)により、体積流量Vtsが0.999ml/minとなるようにモータの回転速度を遅くするようにする。これにより、一定の質量流量で移動相が吐出されることになる。
以上のように、送液ポンプ40によれば、リザーバ2内の移動相の温度と体積膨張係数βとに基づいて、機構(送液ポンプ本体)4にピストン13の移動速度を制御する制御信号を出力することによって、移動相の質量流量を一定に保つことができる。よって、装置自体を複雑にせず、試料成分の溶出時間が、温度の変化によって変動することを防止できる。
(他の実施形態)
(1)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、機構(送液ポンプ本体)のピストンの移動距離(クロスヘッドの移動距離)Lを長くしたり、短くしたりする制御信号を出力する構成としてもよい(図5参照)。具体的には、上述したカム方式ではなく、ボールねじ方式等の機構(送液ポンプ本体)において、図5(b)に示すような、ポンプ室内に最も引き抜かれた位置(吐出開始点)を一定にして、図5(a)に示すような、ポンプ室内に最も押し込まれた位置(吸引開始点)を変動させる。また、吸引開始点を固定して、吐出開始点を変動させてもよい。
(2)上述した液体クロマトグラフでは、温度測定部30は、リザーバ2内の移動相の温度を測定する構成としたが、室温や、第一配管9a、9b内の移動相や、ポンプヘッド21内の移動相や、デガッサ3内の移動相や、第二配管9c内の移動相の温度を測定する構成としてもよく、複数の場所に温度測定部が設けられる構成としてもよい(図1及び図2参照)。
(3)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、上記式(2)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、上記式(1)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。
(1)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、機構(送液ポンプ本体)のピストンの移動距離(クロスヘッドの移動距離)Lを長くしたり、短くしたりする制御信号を出力する構成としてもよい(図5参照)。具体的には、上述したカム方式ではなく、ボールねじ方式等の機構(送液ポンプ本体)において、図5(b)に示すような、ポンプ室内に最も引き抜かれた位置(吐出開始点)を一定にして、図5(a)に示すような、ポンプ室内に最も押し込まれた位置(吸引開始点)を変動させる。また、吸引開始点を固定して、吐出開始点を変動させてもよい。
(2)上述した液体クロマトグラフでは、温度測定部30は、リザーバ2内の移動相の温度を測定する構成としたが、室温や、第一配管9a、9b内の移動相や、ポンプヘッド21内の移動相や、デガッサ3内の移動相や、第二配管9c内の移動相の温度を測定する構成としてもよく、複数の場所に温度測定部が設けられる構成としてもよい(図1及び図2参照)。
(3)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、上記式(2)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、上記式(1)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。
(4)上述した液体クロマトグラフでは、温度測定部30は、移動相中に浸けられる構成としたが、第一配管又は第二配管にまきつけたり、ポンプヘッドのブロック外側に取り付けたりする等、直接に接液しない構成としてもよい。
(5)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、上記式(2)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、下記のより高次の多項式(3)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。また、水等の密度変化が温度によって複雑に変化する場合は、液体固有のモデル式(温度による移動相の体積変化に関するモデル式)に沿って、補正を行って、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。
V=V0(1+β1t+β2t2+β3t3)・・・(3)
ここで 、V0は、0℃における液体(移動相)の体積であり、β1、β2、β3は、液体固有の体積膨張係数である。
(5)上述した液体クロマトグラフでは、モータ制御部52は、上記式(2)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)4のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としたが、下記のより高次の多項式(3)に基づいて、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。また、水等の密度変化が温度によって複雑に変化する場合は、液体固有のモデル式(温度による移動相の体積変化に関するモデル式)に沿って、補正を行って、機構(送液ポンプ本体)のモータの回転速度を制御する制御信号を出力する構成としてもよい。
V=V0(1+β1t+β2t2+β3t3)・・・(3)
ここで 、V0は、0℃における液体(移動相)の体積であり、β1、β2、β3は、液体固有の体積膨張係数である。
本発明の送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフは、例えば、分子量分布の測定に用いられるGPCに利用される。
2 リザーバ
3 デガッサ
4 機構(送液ポンプ本体)
5 試料注入器
6 カラム
7 検出器
9a、b 第一配管
9c 第二配管
13 ピストン
20 ポンプヘッド
21 ポンプ室
30 温度測定部
40 送液ポンプ
41 演算部
42 体積膨張係数記憶部(記憶部)
52 モータ制御部
54 温度データ取得部
3 デガッサ
4 機構(送液ポンプ本体)
5 試料注入器
6 カラム
7 検出器
9a、b 第一配管
9c 第二配管
13 ピストン
20 ポンプヘッド
21 ポンプ室
30 温度測定部
40 送液ポンプ
41 演算部
42 体積膨張係数記憶部(記憶部)
52 モータ制御部
54 温度データ取得部
Claims (4)
- 移動相の流入のみを許容する流入路と、前記移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室をポンプヘッドに備え、当該ポンプ室内でピストンを往復運動させることによって、前記移動相を吸引吐出する機構を備える送液ポンプであって、
さらに、前記移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部と、
温度測定部により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、前記機構にピストンの移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部とを備えることを特徴とする送液ポンプ。 - 前記移動相が貯留されるリザーバ、
第一配管、
送液ポンプ、
第二配管、
試料が導入される試料注入器、
カラム、
検出器を移動相の流路に沿ってこの順に備える液体クロマトグラフであって、
前記第一配管は、前記リザーバと流入路とを連通し、かつ、
前記第二配管は、前記流出路と試料注入器とを連通し、
前記送液ポンプは、前記移動相の流入のみを許容する流入路と、前記移動相の流出のみを許容する流出路とを連通したポンプ室をポンプヘッドに備え、当該ポンプ室内でピストンを往復運動させることによって、前記移動相を吸引吐出する機構と、
前記移動相の体積膨張係数、又は、温度による移動相の体積変化に関するモデル式を記憶する記憶部と、
温度測定部により測定された移動相に関する温度と、体積膨張係数又はモデル式とに基づいて、前記移動相の送液量を加減するために、前記機構にピストンの移動速度又は移動距離を制御する制御信号を出力するモータ制御部とを備えることを特徴とする液体クロマトグラフ。 - 前記温度測定部は、室温、リザーバ内の移動相、第一配管内の移動相、第二配管内の移動相、及び、ポンプヘッド内の移動相の群から選択される少なくとも一つの温度を常時測定することを特徴とする請求項2に記載の液体クロマトグラフ。
- さらに、前記移動相を脱気するデガッサを備え、
前記温度測定部は、前記デガッサ内の移動相の温度を測定することを特徴とする請求項2に記載の液体クロマトグラフ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007052388A JP2008215978A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | 送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007052388A JP2008215978A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | 送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008215978A true JP2008215978A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39836195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007052388A Pending JP2008215978A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | 送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008215978A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010538197A (ja) * | 2007-08-31 | 2010-12-09 | ファイザー・インク | 液体ポンプ |
CN104237427A (zh) * | 2014-09-12 | 2014-12-24 | 华南理工大学 | 一种液相色谱流动相预警装置 |
GB2521523A (en) * | 2013-11-13 | 2015-06-24 | Waters Technologies Corp | A method and an apparatus for controlling fluid flowing through a chromatographic system |
WO2017090148A1 (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 株式会社島津製作所 | 送液装置、送液装置の送液制御方法及び送液装置の送液制御プログラム |
CN110809713A (zh) * | 2017-10-23 | 2020-02-18 | 株式会社岛津制作所 | 送液装置及流体色谱仪 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5855856A (ja) * | 1981-09-09 | 1983-04-02 | イスコ・インコ−ポレ−テツド | マイクロスケール液体クロマトグラフ |
JPS6245981A (ja) * | 1985-08-26 | 1987-02-27 | Japan Spectroscopic Co | 質量流量を一定に保つ流体ポンプ |
JPH01104989A (ja) * | 1987-09-26 | 1989-04-21 | Yokogawa Hewlett Packard Ltd | ポンプ装置 |
-
2007
- 2007-03-02 JP JP2007052388A patent/JP2008215978A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5855856A (ja) * | 1981-09-09 | 1983-04-02 | イスコ・インコ−ポレ−テツド | マイクロスケール液体クロマトグラフ |
JPS6245981A (ja) * | 1985-08-26 | 1987-02-27 | Japan Spectroscopic Co | 質量流量を一定に保つ流体ポンプ |
JPH01104989A (ja) * | 1987-09-26 | 1989-04-21 | Yokogawa Hewlett Packard Ltd | ポンプ装置 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010538197A (ja) * | 2007-08-31 | 2010-12-09 | ファイザー・インク | 液体ポンプ |
GB2521523A (en) * | 2013-11-13 | 2015-06-24 | Waters Technologies Corp | A method and an apparatus for controlling fluid flowing through a chromatographic system |
CN104237427A (zh) * | 2014-09-12 | 2014-12-24 | 华南理工大学 | 一种液相色谱流动相预警装置 |
WO2017090148A1 (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 株式会社島津製作所 | 送液装置、送液装置の送液制御方法及び送液装置の送液制御プログラム |
JPWO2017090148A1 (ja) * | 2015-11-26 | 2018-06-14 | 株式会社島津製作所 | 送液装置、送液装置の送液制御方法及び送液装置の送液制御プログラム |
CN108291897A (zh) * | 2015-11-26 | 2018-07-17 | 株式会社岛津制作所 | 送液装置、送液装置的送液控制方法以及送液装置的送液控制程序 |
US10876525B2 (en) | 2015-11-26 | 2020-12-29 | Shimadzu Corporation | Liquid feed device, liquid feed control method for liquid feed device, and liquid feed control program for liquid feed device |
CN108291897B (zh) * | 2015-11-26 | 2021-04-09 | 株式会社岛津制作所 | 送液装置、送液装置的送液控制方法以及送液装置的送液控制程序 |
CN110809713A (zh) * | 2017-10-23 | 2020-02-18 | 株式会社岛津制作所 | 送液装置及流体色谱仪 |
CN110809713B (zh) * | 2017-10-23 | 2022-06-21 | 株式会社岛津制作所 | 送液装置及流体色谱仪 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008215978A (ja) | 送液ポンプ及びそれを用いた液体クロマトグラフ | |
EP2914852B1 (en) | Roller pump with dynamic occlusion adjustment | |
TWI609131B (zh) | 用於排空腔室的真空泵系統及用於控制真空泵系統的方法 | |
JP6753532B2 (ja) | 送液装置 | |
US20180001040A1 (en) | Driving method for metering pump, driving apparatus for metering pump, vaporizer, and anesthesia apparatus | |
JP4511578B2 (ja) | 送液装置、液体クロマトグラフ、および送液装置の運転方法 | |
US8017016B2 (en) | Method and apparatus for pervaporation control in chromatographic systems | |
ATE329636T1 (de) | Adaptive geschwindigkeitsregelung für eine blutpumpe | |
CN112336200B (zh) | 用于饮水设备的方法、处理器、装置及存储介质 | |
EP1970678A2 (en) | Method and apparatus for providing constant liquid rates and dispensing precisely repeatable liquid volumes | |
JP4589320B2 (ja) | 腹膜透析システム | |
JP2016169620A (ja) | 流量制御装置 | |
JP6439881B2 (ja) | 送液装置 | |
CN110869067A (zh) | 泵***,透析设备以及运行泵***的方法 | |
CA2770478C (en) | Method and system for controlling liquid levels | |
CN113242741A (zh) | 用于控制抽吸流量的方法和*** | |
JP5957973B2 (ja) | 微小流量送液方法および前記方法を利用した装置 | |
JP2009013957A (ja) | 送液装置とその制御方法 | |
JP2011083472A (ja) | 液体麻酔剤気化装置 | |
JP2516332B2 (ja) | 質量流量を一定に保つ温調装置付流体ポンプ | |
CN111336662B (zh) | 运行控制方法、运行控制装置、空调器和存储介质 | |
CN114264075B (zh) | 即热装置及其控制方法和控制装置、水处理装置和介质 | |
US11484815B2 (en) | Froth coalescing | |
RU2176526C1 (ru) | Устройство для дозированной капельной инфузии | |
JP2004097883A (ja) | 液体吐出システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090707 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20110607 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20111108 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |