JP2008215803A - 短反動半自動散弾銃 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の応力ピークが最小にされるとともに、如何なる弾薬筒グラム重量を用いても容易な操作を有し、信頼し得る半自動散弾銃を提供する。
【解決手段】銃尾61を備えるフレーム6と、銃尾61に関してフレーム6上にスライド(滑動)可能に取り付けられた銃身5と、銃身5を閉鎖することに適応した、銃尾61に関してスライドするスライドボルトアセンブリ62と、フレーム6に関する銃身5のスライド運動に対抗することに適応した弾性手段65と、を備える滑腔銃身半自動散弾銃に関するものである。本散弾銃は、弾性手段65が摩擦スプリング66を備えることによって特徴付けられる。
【選択図】図2
【解決手段】銃尾61を備えるフレーム6と、銃尾61に関してフレーム6上にスライド(滑動)可能に取り付けられた銃身5と、銃身5を閉鎖することに適応した、銃尾61に関してスライドするスライドボルトアセンブリ62と、フレーム6に関する銃身5のスライド運動に対抗することに適応した弾性手段65と、を備える滑腔銃身半自動散弾銃に関するものである。本散弾銃は、弾性手段65が摩擦スプリング66を備えることによって特徴付けられる。
【選択図】図2
Description
本発明の目的は、半自動散弾銃、特に狩猟での使用およびスポーツ射撃の幾つかの訓練のための、ペレット(小球)、バックショット(大粒ペレット)または鉛玉(鉛散弾)を有する弾薬筒(薬きょう:カートリッジ)の発砲を意図した滑腔銃身を有する半自動散弾銃である。
狩猟およびスポーツ射撃の分野では、採用される技術的特徴および/または機能的解決策に関して異なる幾つかのタイプの散弾銃が知られている。
口径は、銃身の内径を示すパラメータである。狩猟用の従来システムによれば口径は、銃身の直径を有する鉛玉が1ポンドに何個含まれるかを示す個数(大抵は12個または20個、まれには28個)によって示される。
薬室の長さはインチで表される。これは、銃身に含まれ得る弾薬筒の最大長さを示す。最も一般的な薬室長さは、23/4”(70mmに相当し、標準とも呼ばれる)、3” (76mmに相当し、マグナムとも呼ばれる)、および31/2”(89mmに相当し、スーパーマグナムとも呼ばれる)である。弾薬筒が長いほど、これが含み得るペレットの量は多くなる。より多数のペレットには、より多量の火薬が対応し、その結果、より大きな発砲パワーが対応する。
異なるタイプの散弾銃が区別される他の特性は、固定または可傾銃身(折畳み動作);典型的には560mmから800mmに及ぶ銃身長さ;および目標に対する散弾のパターンの分布を決定する銃口絞り(マウスチョーク)による武器一般の構成である。
更に狩猟およびスポーツ射撃の分野では、手動装填散弾銃と共に、半自動散弾銃が長い間、知られている。このような散弾銃は、必ず手動で武器に装弾する義務からユーザを解放する。実際に、各発砲の直後に続くステップで、半自動散弾銃は自発的に可動マッス(スライドボルトアセンブリ)のリコッキング(再撃鉄引き)、空薬きょうの放出、および新しい銃弾の供給と装填に進む。
動作が異なる原理に基づいている半自動散弾銃の幾つかの類型が知られている。
半自動散弾銃の第1のタイプは、「ガス圧式」と呼ばれるものである。このような散弾銃では、火薬爆発によって発生したガスのエネルギーが利用される。スライディング(滑動)ピストンによって閉じられたシリンダ内に膨張を生じさせるために、このようなガスの小部分が、1つ以上の孔を通して銃身から引き出される。今度は、ピストン推力は可動マッスをリコッキング(再撃鉄引き)し、薬きょうを放出し、新しい銃弾を装填するインパルスを発生させる。
ピストン推力は、火薬爆発によって薬室内に生成された一次インパルスの力の関数として極めて変わり易い。このような一次インパルスは、発砲される弾薬筒のグラム重量に依存する。ここで「グラム重量」は、発射されたペレットの装填弾薬の質量を意味し、したがって同じ弾薬筒のパワーを意味する。火薬装填量の質量とペレット装填量の質量は、典型的には比例する。
ガス圧式装置は、必要とされる信頼度を保証し得るために、散弾銃に装填され得る最小グラム重量を有するこれらの弾薬筒を用いる操作のために必ず寸法決めされなくてはならない。いったん装置が適切に寸法決めされると、弾薬筒グラム重量とその結果から来る一次インパルスとの可変性はリコッキング(再撃鉄引き)速度の可変性に変わる。最小速度は、小さいグラム重量を有する弾薬筒が発砲されるときに武器の安全動作を達成するために必要である速度である。最大速度は、散弾銃に装填され得る最大グラム重量を有する弾薬筒の発砲に対応する。
しかしながら高いリコッキング速度は高い応力に変わり、その結果、散弾銃部品の動作寿命が減少する。全体においてこれは同じ散弾銃の短い使用期間という結果を招く。
より最新式のガス圧式散弾銃では、より高いグラム重量を有する弾薬筒の発砲に関連する過剰なガスを排出できるシャッターバルブ(弁)または自動補正バルブを採用することによって高いリコッキング速度の問題を未然に防ぐことが成功裏に試みられてきた。
しかしながらこのようなバルブまたは通気システムは、散弾銃の機構とコストとの増加を伴う。
更にガス圧式システムは、放出されるガスが多数の銃弾を発射した後に除去されなくてはならない未燃焼固形物を付着させる傾向があるので、継続的な保守を必要とする。
もう1つのタイプの半自動散弾銃は、「慣性式」タイプと呼ばれるものである。このタイプの散弾銃では、可動マッスと散弾銃フレームとの間に配置されたスプリングの圧縮とそれに続く解放とが利用される。このスプリング圧縮は、散弾銃反動によって引き起こされ、またこれは必要とされるリコッキング速度を同マッスに与えるために利用される。
慣性式動作を有する散弾銃は、これが最大リコッキング速度を限定することと、機械部品の応力の結果的減少とを可能にするので、高く評価されている。
更に慣性式散弾銃は、著しい構造的単純さと使用における少ない保守とによって特徴付けられる。実際に如何なるガス導出も必要とせず、慣性式装置は如何なる「付着」もこうむらない。とにかく発砲ガスによって接触される薬室と銃身のために、標準的洗浄は、なお必要である。
対照的に、慣性式散弾銃に固有である低いリコッキング速度は、特に散弾銃フレームが大きい質量を持ち、発砲される弾薬筒が低いまたは極めて低いグラム重量を持つときに問題となり得る。低いリコッキング速度は、結果として薬きょう放出の迅速さを低くし、故障の危険を高くする。
更にこのようなタイプの散弾銃の動作は、ユーザの行動によって、特にユーザが自分の肩を散弾銃の銃床に対置する受け方のタイプによって強く影響される。
半自動散弾銃の更なるタイプ、歴史的に開発されるべき最初のものは、「銃身長反動」タイプまたはより簡単に「長反動」と呼ばれるものである。このようなタイプの散弾銃では、ガス推力によって作用される自然の反動は、銃身とそれと共にスライドボルトアセンブリとリコッキング動作に関連するすべてのマッスとを後方に加速するために利用される。銃身とボルトとの間に配置された適当な開錠装置は、正しい瞬間に鎖錠部材から銃身を切り離す用意をする。鎖錠部材から銃身を切り離す正しい瞬間は、銃弾が銃口を離れ、その結果銃身内の圧力が急激に減少する瞬間と比較して幾分遅れている。その後、戻りスプリングは、銃身を最初の位置(発射位置と呼ばれる)に引き戻し、その間にそれ自身の戻りスプリングを備えたスライドボルトアセンブリは、薬きょう放出と新しい銃弾の再装填に備える。
長反動散弾銃では銃口からの銃弾の出現を待つ間に、銃身と可動マッスとを加速するために薬室内のガスのすべてのインパルスが使用される。実際にガスの作用下でのこれらの跳ね返り運動は、全リコッキングストローク中に、すなわち数10ミリメートルの間に亘る。ちなみにリコッキングストロークは、弾薬筒長さと近似的に同じでなければならないので70mmから89mmの範囲に亘る。
薬室内のすべてのガスインパルスの利用は、高いグラム重量を有する弾薬筒の発砲の場合に、リコッキング速度を高くする。この高いリコッキング速度は、散弾銃の高い振動と機械部品の高い応力とユーザの肩への高い反動とを含む。
長い反動の悪影響を最小にするために、幾つかの装置が提案されている。これらの間で例えばマグナムまたはスーパーマグナム弾薬筒の発砲の場合にだけ駆動される摩擦ブレーキがある。このような装置は、極めて低い動作信頼度を持つ上に時々発砲される弾薬筒の機能として武器をセットしなくてはならないことに在る更なる負担をユーザに強いる。
本発明の目的は、従来技術を参照して前述の欠点を少なくともある程度、未然に取り除くことを可能にする半自動散弾銃を考案して提供することである。
特に本発明の課題は、部品の応力ピークが最小にされる半自動散弾銃を提供することである。更に本発明の課題は、如何なる弾薬筒グラム重量を用いても容易な操作を有し、信頼し得る半自動散弾銃を提供することである。
この目的やこれらの課題は、請求項1に記載の散弾銃によって達成される。
本発明による散弾銃の更なる特徴と利点は、下記の付属の図を参照しながら非限定的例として与えられた好適な実施形態の後で述べられる説明から明らかになる。
付属図を参照すると、本発明による滑腔銃身半自動散弾銃は、一般に1で示されている。
それ自体知られている仕方で本発明による散弾銃1は、フレーム6と銃身5とを備える。
図1に示された特定の実施形態では散弾銃は、知られているが本発明を実施するために必ずしも必須ではない他の特徴要素を備えている。特にこの散弾銃は、銃床2とグリップ(握り)23と引き金30を備える引き金アセンブリ3と前腕(フォアアーム)4とを備える。
図1に示された散弾銃1の実施形態では銃床2は、今度は銃床降下を設定するための装置21と調整可能な銃床尾板20とを備える。最後に銃身5は単式で、銃口50で終わっており、銃身の上にリブ52が取り付けられている。
以下では用語「後方」、「後ろ」または「近接した」は、散弾銃の標準的使用時にユーザまたは銃床尾板20にやや近い散弾銃1に沿った位置を意味する。対照的に用語「前方へ」、「前部」または「遠位」は、散弾銃の標準的使用時に、ユーザからやや遠いまたは銃口50に近い散弾銃1に沿った位置を意味する。
図7、8の実施形態によれば本発明による散弾銃1は、折畳みタイプ、すなわちフレーム6’がこれにヒンジ止めされた受容部6”を備える折畳みタイプである。この散弾銃は更に弾薬筒を含むことに適応した外側弾薬筒保持部(図示せず)を備える。
その代わりに図2〜6の実施形態によれば、本発明による散弾銃1は、固定銃身タイプである。これは更に、複数の弾薬筒のための弾倉43を備える。
本発明による散弾銃1では銃身5は、フレーム6に含まれる銃尾61に関してフレーム6上にスライド(滑動)可能に取り付けられている。この散弾銃は更に、銃身5を閉じることに適応した銃尾61に関してスライドするスライドボルトアセンブリ62を備える。
それ自体知られている仕方で薬室51は、火薬の1装填量とペレットの1装填量とを含む弾薬筒と呼ばれる、適当な弾薬を含む(または装填する)ことに適応した銃身5近端部に配置される。
添付図の実施形態によればスライドボルトアセンブリ62は、互いにスライドできるように取り付けられたボルト64とスライド63とを備える。ボルト64は、薬室51を閉じて同薬室51との、または銃尾と呼ばれる銃身5の後部との形状連結を設定することに適応している。この形状連結は、薬室51とボルト64とによって形成されるユニットが弾薬筒火薬によって発砲時に生成されるガスの激しい膨張を制限することを可能にする。ボルト64と、薬室51および/または銃尾61との間の相対的動きは、形状連結をそれぞれ設定し解放することを可能にする。
図2〜6および9の実施形態によれば薬室51とボルト64との間の形状連結は、同ボルト64を回転させることによって解放され得る。
このような実施形態によればスライド63は、ボルト64の回転的および平行移動的動きをガイドすることに適応したカム面634を備える。
図7、8の実施形態によれば薬室51とボルト64との間の形状連結は、同ボルト64を揺動することによって解放され得る。いったん解放されるとボルト64は、スライド63と共にスライドして、薬室51から遠ざかることができる。
このような実施形態によればスライド63は、ボルト64の揺動と平行移動とをガイドすることに適応したカム面(図示せず)を備える。
本発明による散弾銃1は更に、フレーム6に関してスライドする銃身5に対抗することに適応した弾性手段65を備える。このような弾性手段65は、摩擦スプリング66を備える。
リングスプリングとも呼ばれる摩擦スプリングは、図10に部分断面図で示されている。摩擦スプリング66は、複数の外側リング662によって取り囲まれた複数の内側リング661を備える。これらのリングは、とにかく傾斜面を形成するように本質的に三角形または台形の断面になっている。これらのリングは、複数の摩擦面663を作り出すために傾斜面に互いに接触するように配置されている。
摩擦スプリング66が軸方向の圧縮応力を受けると、これらのリングは摩擦面に沿ってスライドする。内側リング661では、リングの直径を減らす傾向がある円周方向圧縮歪みが作り出される。反対に外側リング662ではリングの直径を増加させる傾向がある円周方向引っ張り歪みが作り出される。
本発明による散弾銃1で使用されるタイプの摩擦スプリング66は、リングフエーデル・フアウベーゲー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング(RINGFEDERVBG GMBH)によって商標名Ringfeder(登録商標)の下で製造され販売されている。
典型的摩擦スプリング66の特性カーブ「力−変位」は、図11に報告されている。他のタイプのスプリングのカーブと比較して図11のカーブは、限定された変位と大きな力とを組み合わせている。これは、摩擦スプリング66が短い動作ストロークで多量のエネルギーを蓄積することを可能にする。
更に認められるべきであるように、このカーブは顕著な履歴現象(ヒステリシス)によって特徴付けられる。言い換えれば解放サイクル時にスプリングによって解放されるエネルギーは、圧縮サイクル時に蓄積されるエネルギーより著しく低い。実際に圧縮サイクルは、変位を一定に保ちながら解放サイクルの力より著しく大きな力によって特徴付けられる。
このような履歴現象により摩擦スプリング66は、各単一の圧縮−解放サイクルにおいて妥当な量のエネルギー、図11のドット領域によって図形的に表されたエネルギーを放散する。
このようなエネルギー放散は、反動ストロークにおける銃身の運動エネルギー、したがって結果として生じる衝突のエネルギーを大幅に減らすことを可能にする。衝突エネルギー減少は、散弾銃1の機械部品の有効寿命の増加を可能にする。
散弾銃1の一般的構成では摩擦スプリング66は、特定の必要を満たすために異なる配置を取り得る。例えば図2〜6の実施形態では摩擦スプリング66は、薬室51の周りに配置されている。図7の実施形態では摩擦スプリング66は、薬室51と比較して、より前方の位置で銃身5の周りに配置されている。図9の実施形態では摩擦スプリング66は、薬室51と比較して最後尾の位置でフレーム6に配置されている。この特定の位置では摩擦スプリング66はまた、スライドボルトアセンブリ62のストロークを止めることにも適応している。
しかしながらこれらすべての実施形態において摩擦スプリング66は、銃身5に関して同軸位置を有する。
他の実施形態によれば特定の必要を満たすために摩擦スプリング66は、銃身5に対して他の位置、例えば非同軸的な位置を取り得る。
付属図の実施形態によれば弾性手段65はまた、コイルスプリング67も備える。コイルスプリング67は、摩擦スプリング66に関して同軸位置を取る。更に付属図の実施形態ではコイルスプリング67と摩擦スプリング66は、順次に配置されている。
コイルスプリング67は、摩擦スプリング66より著しく柔らかな特性を有する。言い換えれば、2つのスプリングに付加される短縮を一定に保ちながら、コイルスプリング67は、摩擦スプリング66の力よりはるかに小さい力で反動する。更にコイルスプリング67は、材料固有の放散を除いて本質的に履歴現象を持たない特性を有する。
これらの特性のためにコイルスプリング67は、発砲に続く反動ストロークの終わりで発射位置に銃身5を引き戻すことに適応している。コイルスプリング67は更に、散弾銃1の使用時に特徴的である振動時に銃身5を発射位置に保持することに適応している。
銃身5をこれの反動ストロークに終わりに発射位置に引き戻すという同課題は、複数の外側リング662の一部が切断された摩擦スプリングによって遂行され得る。外側リング662の切断は、ある場合に−コイルスプリング67を加える必要をなくすまで、摩擦スプリング66の特性を大幅に柔らかくすることを可能にする。
本発明による散弾銃1のある幾つかの実施形態によれば、摩擦スプリング66は、図12〜14に示されたタイプの緩衝手段660に含まれている。
緩衝手段660は、摩擦スプリング66に加えて、スライディングフランジ665と隣接フランジ666とが取り付けられた内側チューブ664を備える。
2つのフランジ665、666の各々は、摩擦スプリング66のための軸方向の支持体を構成する。
スライディングフランジ665は、摩擦スプリング66に接近する方向にだけ内側チューブ664に沿ってスライドできるが、反対の摩擦スプリング66から立ち退き方向へのこれのスライディングは防止されている。
その代わりに緩衝手段660の動作寿命中、隣接フランジ666は、内側チューブ664に関して固定されている。内側チューブ664に沿った隣接フランジ666の位置は、計画段階で決定され、緩衝手段660の組立ておよび/または分解修理(オーバーホール)のステップ時に設定される。
この仕方で緩衝手段660の組立てステップ時に摩擦スプリング66は、スライディングフランジ665に隣接して配置され、また隣接フランジ666は、今度は摩擦スプリング66に隣接して配置される。
緩衝手段660の前述の構造は、摩擦スプリング66に圧縮事前加重を与えることを可能にする。このようにしてスプリング66は、緩衝手段660の計画段階で決定されたゼロでない力によってゼロに近い圧縮変位にも迅速に反作用する。図11の力−変位カーブは、圧縮によって予め荷重をかけられた摩擦スプリング66に関している。
事前加重は、摩擦スプリング66に付加された変位を一定に保ちながら、より高いエネルギー量を放散することを可能にする。
更に事前加重設定によって独立に緩衝手段660構造は、緩衝手段圧縮が摩擦スプリング66の反作用なしには部品の軸方向変位を作り出すことができないように、緩衝手段660と摩擦スプリング66とのすべての軸方向空隙を埋め合わせることを可能にする。
本技術に精通する人々が確かに認め得るように、摩擦スプリング66の事前加重設定と空隙埋め合わせとの動作は、散弾銃1上に摩擦スプリング66を直接取り付けることによって緩衝手段660なしでも遂行され得る。しかしながら緩衝手段660が、銃身5およびフレーム6といった大きくて重い構成要素の組立てとは別にこれらの動作を実行する際のより高い容易さと効果とを可能にすることもまた認められるであろう。
ある幾つかの実施形態によれば散弾銃1は、スライドボルトアセンブリ62を発射位置に引き戻すことに適応した他の弾性手段68を備える。図9および2〜6の実施形態では弾性手段68は、弾薬筒のための弾倉43の周りに配置されたコイルスプリングを備える。図7、8の実施形態では弾性手段68は、銃床2の内部に配置されたスプリング(図示せず)を備える。
弾性手段68は、特定の必要を満たすために他のタイプのスプリングを備えることができ、また他の配置を取ることができる。
図2〜6を参照すると、発砲およびそれに続く再装填サイクル時の、本発明による散弾銃1の動作が、以下に説明されるであろう。
発射(バッテリ)構成と呼ばれる、図2において散弾銃1によって取られる構成は、散弾銃が装弾されて発砲準備ができている構成である。弾薬筒(明瞭にするために図示されていない)は、薬室51において装弾され、ボルト64は薬室51を閉鎖し、引き金アセンブリ3はコック(撃鉄引き)されている。
図2の構成から図3の構成に変化すると、撃鉄31を解放する引き金アセンブリ3を動作させることによって、引き金30は押される。
図3の散弾銃によって取られた構成は、発砲の瞬間の構成である。撃鉄31は撃針36を打ち、弾薬筒内の火薬に点火する。薬室51内のガスの急激な膨張は、ペレットの1装填分(前方に)と銃身5(後方に)を反対方向に押し始める。
図3の構成から図4の構成に変化すると、ガス膨張は銃身5におけるこれの動作の全体を実行し、ペレットを前方に押し続ける。
図4の散弾銃によって取られた構成は、銃身5が全反動ストロークlを実行した構成である。「全反動ストロークl」によって、ここでは銃身が本質的に自由に動き、またコイルスプリング67と摩擦スプリング66との圧縮が起こる減衰ストロークにまで合計されるという、反動ストロークの言葉が厳密に意味される。それの反動ストロークにおいて銃身5は、まだ薬室51を閉鎖しているスライドボルトアセンブリ62を後方に押す。
図4の構成から図5の構成に変化すると、スライド63はそれのストロークにおいて後方に進み、撃鉄を押し、それによって引き金アセンブリ3をリコッキング(再撃鉄引き)し、銃身5は弾性手段65によって再び前方に引かれ、ペレットが銃口50から出てくる。
図5の散弾銃によって取られた構成は、銃身5が再び発射位置に在り、ガスの圧力が急激に減少した構成である。それのストロークにおいて後方に進むスライド63は、まだ薬室51に拘束されているボルト64を、カム面634を介して回転させ始める。カム面634の特定のプロファイル(断面形状)は、発砲に関してボルト64が回転し始める遅れを指示する。ボルト64の回転は、薬室51の開放を可能にする。
図5の構成から図6の構成に変化すると、ボルト64は解放され、スライド63によって後方に引きずられて、薬室51を開放する。スライド63は、引き金アセンブリ3のコッキング(撃鉄引き)を完了し、空の弾薬筒または薬きょうは放出される。
図6の散弾銃によって取られた構成は、スライド63がそれの最後尾位置に到達した構成である。スライドの後方ストロークは特別の減衰手段の上で止まることができる。弾性手段68は圧縮されて、スライドボルトアセンブリ62を発射位置に引き戻す用意ができている。
再び図6の構成から図2の構成に変化すると、スライド63とボルト64は、弾性手段68によって発射位置に引き戻される。この前方ストローク時にスライドボルトアセンブリ62は、適切な弾薬筒保持具32によって引き上げられた新しい弾薬筒を装填する。ボルト64は、薬室51を閉じるようにスライド63のカム面634によって再び押されて回転させられる。
銃身5の反動ストロークがスライドボルトアセンブリ62の反動ストロークと比較して極端に減らされていることは留意されるべきである。これに関しては、図2の散弾銃によって取られた構成(発射位置)を図4(完全に後退した銃身5)および図6(完全に後退したスライドボルトアセンブリ62)それぞれによって取られた散弾銃位置と比較することが有益である。特に銃身5の全反動ストロークlは10mm未満、好適には8mm未満の長さを有する。対照的にスライドボルトアセンブリ62の反動ストロークL(図2〜6の場合、ボルト64を見ること)は、弾薬筒長さに匹敵する、典型的には80mmを超える長さを有する。
本発明による散弾銃1の一実施形態によれば、L/l比は10を超えている。
前述のことすべてから、本発明による散弾銃1は発砲され得る異なる弾薬筒グラム重量に自然にマッチすることを基本的に可能にする動作原理を有することが導かれる。実際に当業者が理解し得るように銃身5が受ける後方加速は、ペレットが受ける前方加速に逆比例する。これは、銃身5が全反動ストロークlをカバーしたときにペレットの1装填分がペレットの質量の関数として広がる銃身5長さをカバーしているという事実を決定する。特に、より小さな質量を有する1装填量はより長い銃身長さをカバーするであろうし、逆もまた同様で、より大きな質量を有する1装填量はより短い銃身長さをカバーするであろう。
ガス膨張は、単に銃身5がそれの反動ストロークの終点に到達するまで、可動マッスにエネルギーを供給するので、弾薬筒グラム重量増加は、銃身5によって可動マッスに転送されるエネルギーの減らされた増加を決定する。
さて、本発明による散弾銃1に採用されたソリューションが既知のタイプの長反動半自動散弾銃と比較して遥かに長い動作寿命を達成することを可能にすることは、前述のことを考慮すれば、明らかになるであろう。実際に、衝撃において転送されるエネルギーを最小にすることによって、また摩擦スプリングを介してこのエネルギーの一部を放散することによって散弾銃1の部品は、応力ピークから保護される。
更に、これらのソリューションによって本発明による散弾銃1は、既知の長反動散弾銃と比較して発砲時に振動を受けることが少なく、またユーザの肩には限定されたインパルスしか伝達しない。
また、ガス圧式半自動散弾銃と比較して本発明による散弾銃1は、極めて少ない保守しか必要としない。実際に如何なるガス導入も存在しないので、未燃焼固形物の付着は存在しない。
最後に、半自動慣性式散弾銃と比較して本発明による散弾銃1は、故障をこうむることがかなり少ない。実際にこれは、弾薬筒グラム重量の変化からも、ユーザの特徴からも悪影響を受けない。
この散弾銃の前述の実施形態について当業者は、特定の、起こり得る必要を満たすために、前記の請求項の範囲から逸脱せずに他の機能的に同等な要素による要素の修正、適応および置換えを実施できるであろう。可能な実施形態に属するとして説明された特徴の各々は、ここで説明された他の実施形態とは独立に実現され得る。
Claims (43)
- 銃尾(61)を備えるフレーム(6)と;
前記銃尾(61)に関してスライドする前記フレーム(6)に取り付けられた銃身(5)と;
前記銃身(5)を閉鎖することに適応した、前記銃尾(61)に関してスライドするスライドボルトアセンブリ(62)と;
前記フレーム(6)に関する前記銃身(5)のスライディングに対抗することに適応した弾性手段(65)と;
を備える半自動滑腔銃身散弾銃(1)であって、
前記弾性手段(65)は摩擦スプリング(66)を備えることを特徴とする半自動滑腔銃身散弾銃(1)。 - 銃床(2)と、グリップ(23)と、前腕(4)と、引き金(30)を備えた引き金アセンブリ(3)とを更に備える、請求項1に記載の散弾銃(1)。
- 前記銃床(2)は、銃床降下を設定するための装置(21)と調整可能な銃床尾板(20)とを備える、請求項2記載の散弾銃(1)。
- 前記銃身(5)は、単一銃身である、請求項1ないし3のいずれかに1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記銃身(5)は、銃口(50)とリブ(52)とを備える、請求項1ないし4のいずれかに1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記散弾銃(1)は、折畳みタイプ、すなわちフレーム(6’)がそれにヒンジ止めされた受容部(6”)を備える折畳みタイプである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 弾薬筒を含むことに適応した外側弾薬筒保持具を更に備える、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 複数の弾薬筒を含むことに適応した弾倉(43)を更に備える、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記銃身(5)は、これの近端部に、火薬の1装填量とペレットの1装填量とを含む弾薬筒を含む(または装填する)ことに適応した薬室(51)を備える、請求項1ないし8のいずれ1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライドボルトアセンブリ(62)は、互いにスライドできるように取り付けられたボルト(64)とスライド(63)とを備える、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記ボルト(64)は、前記薬室(51)を閉鎖することと、当該薬室(51)との形状連結を設定することとに適応している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記ボルト(64)は、前記薬室(51)を閉鎖することと、前記銃身(5)の前記銃尾との形状連結を設定することとに適応している、請求項10に記載の散弾銃(1)。
- 前記ボルト(64)、前記薬室(51)および/または前記銃尾(61)の間の相対運動がそれぞれ前記形状連結を設定することと、解放することとを可能にする、請求項11または12に記載の散弾銃(1)。
- 前記薬室(51)と前記ボルト(64)との間の前記形状連結は、前記ボルト(64)を回転させることによって解放され得る、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記銃尾(61)と前記ボルト(64)との間の前記形状連結は、前記ボルト(64)を揺動させることによって解放され得る、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記ボルト(64)は、いったん解放されると、前記スライド(63)内でスライドでき、前記薬室(51)から離れるように動くことができる、請求項10ないし15のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライド(63)は、前記ボルト(64)の動きをガイドすることに適応したカム面(634)を備える、請求項10ないし16のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、複数の摩擦面(663)を作り出すように複数の外側リング(662)によって取り囲まれた複数の内側リング(661)を備える、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、著しい履歴現象を有する、すなわち解放サイクル時に前記摩擦スプリング(66)によって解放されるエネルギーが前記圧縮サイクル時に蓄積されるエネルギーより著しく低い特性カーブ「力−変位」を有する、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、前記銃身(5)に同軸的に配置される、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、前記薬室(51)の周りに配置される、請求項20に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、前記薬室(51)に関してより前方の位置において前記銃身(5)の周りに配置される、請求項20に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、前記薬室(51)に関して最後尾の位置において前記フレーム(6)内に配置される、請求項20に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、前記スライドボルトアセンブリ(62)の反動ストロークを止めることにも適応している、請求項1ないし23のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記弾性手段(65)は更にコイルスプリング(67)を備える、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記コイルスプリング(67)は、前記摩擦スプリング(66)に関して同軸的に配置される、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記コイルスプリング(67)と前記摩擦スプリング(66)は順次に配置される、請求項25または26に記載の散弾銃(1)。
- 前記コイルスプリング(67)は、発砲に続く前記反動ストロークの終わりに前記発射位置に前記銃身(5)引き戻すことに適応している、請求項25ないし27のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記コイルスプリング(67)は、散弾銃(1)の使用の特徴的振動時に前記銃身(5)を前記発射位置に保持することに適応している、請求項25ないし28のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)において、前記複数の外側リング(662)の一部は切断されている、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライドボルトアセンブリ(62)を前記発射位置に引き戻すことに適応した弾性手段(68)を更に備える、請求項1ないし30のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記弾性手段(68)は、前記弾薬筒の前記弾倉(43)の周りに配置されたコイルスプリングを備える、請求項31に記載の散弾銃(1)。
- 前記弾性手段(68)は、前記銃床(2)内に配置されたスプリングを備える、請求項1ないし32のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記銃身(5)の全反動ストローク(l)は10mm未満、好適には8mm未満の長さを有する、請求項1ないし33のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライドボルトアセンブリ62の前記反動ストローク(L)と前記銃身(5)の前記全反動ストローク(1)との間の(L/l)比は10より大きい、請求項1ないし34のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)は、予め確立された非ゼロの力によってゼロに近い圧縮運動に反作用するように予め加重される、請求項1ないし35のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記摩擦スプリング(66)と内側チューブ(664)とスライディングフランジ(665)と前記内側チューブ(664)に取り付けられた隣接フランジ(666)とを備える緩衝手段(660)を更に備える、請求項1ないし36のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライディングフランジ(665)と前記隣接フランジ(664)は、前記摩擦スプリング(66)のための軸方向の支持台を構成する、請求項37に記載の散弾銃(1)。
- 前記スライディングフランジ(665)は、摩擦スプリング(66)に接近する方向にだけ前記内側チューブ(664)に沿ってスライドでき、前記摩擦スプリング(66)から反対の立ち退き方向へのそれのスライディングは防止される、請求項37または38に記載の散弾銃(1)。
- 前記緩衝手段(660)の動作寿命中、前記隣接フランジ(666)は前記内側チューブ(664)に関して固定される、請求項37ないし39のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記隣接フランジ(666)の前記内側チューブ(664)に沿った位置は計画段階で定義され、また前記緩衝手段(660)組立ておよび/または分解修理(オーバーホール)段階のときに設定される、請求項37ないし40のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記緩衝手段(660)は前記摩擦スプリング(66)に前記圧縮事前加重を与える、請求項37ないし41のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
- 前記緩衝手段(660)と前記摩擦スプリング(66)との全軸方向空隙が埋め合わされる、請求項37ないし42のいずれか1項に記載の散弾銃(1)。
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