JP2008215239A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008215239A
JP2008215239A JP2007055358A JP2007055358A JP2008215239A JP 2008215239 A JP2008215239 A JP 2008215239A JP 2007055358 A JP2007055358 A JP 2007055358A JP 2007055358 A JP2007055358 A JP 2007055358A JP 2008215239 A JP2008215239 A JP 2008215239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
swing
rocking
cam surface
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007055358A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kataoka
顕二 片岡
Kimihisa Tsuji
公壽 辻
Chuchi Shu
中智 周
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007055358A priority Critical patent/JP2008215239A/ja
Publication of JP2008215239A publication Critical patent/JP2008215239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関し、カムの偏磨耗によるバルブリフト量の変化を好適に抑えつつ、揺動動作を用いてバルブリフト量を良好に可変させることを目的とする。
【解決手段】ゼロリフト面58aと押圧面58bからなる揺動カム面を2つ有するカム58を各気筒に備える。当該カム58をモータ54Aによって揺動動作させることで、バルブのリフト量を変更可能とする。揺動動作が開始される際に、2つの揺動カム面の中から揺動動作時に使用する1つの揺動カム面を選択する。この際、2つの揺動カム面のそれぞれについての揺動動作(揺動動作モード1および揺動動作モード2)の実行時間(モード1動作時間およびモード2動作時間)がほぼ等しくなるように、制御対象となる1つの揺動カム面を選択する。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関のバルブ(吸気弁や排気弁)をリフトさせるためのカムをモータにより駆動する内燃機関の可変動弁装置が開示されている。この従来の可変動弁装置では、カムを一定方向(正転方向)に連続的に回転させる正転モード(回転動作)だけでなく、内燃機関の運転状態に応じて、正逆転モード(揺動動作)が実行される。
上記の正逆転モードとは、バルブが開く途中の任意の位置でモータの回転方向を切り替える動作モードである。このような正逆転モード(揺動動作)によれば、カムにより押圧されるバルブが最大リフト位置に達しない範囲内で、ゼロリフト面と押圧面との間でカムの揺動面を繰り返し移動するように動作させることができる。これにより、バルブのリフト量(作用角)を任意に可変制御することができる。
特開2004−183612号公報
バルブ(吸気弁や排気弁)を駆動するカムは、ゼロリフト面と押圧面からなる揺動カム面を複数有している。従って、何らの配慮がなされることなく、上述した揺動動作が一方の揺動カム面を用いて偏って実行されることになれば、一方の揺動カム面のみが偏磨耗してしまうことになる。このような偏磨耗が生ずると、揺動動作中のバルブリフト量が変化してしまうのと同時に、回転動作時にもバルブの開き側と閉じ側との間でリフト量に差が生じてしまい、その結果として、気筒間で吸入空気量に差が生じてしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、カムの偏磨耗によるバルブリフト量の変化を好適に抑えつつ、揺動動作を用いてバルブリフト量を良好に可変させ得る内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、ゼロリフト面と押圧面からなる揺動カム面を複数有するカムをモータによって揺動動作させることで、バルブのリフト量を変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、
揺動動作が開始される際に、前記複数の揺動カム面の中から揺動動作時に使用する1つの揺動カム面を選択するカム面選択手段を備え、
前記カム面選択手段は、前記複数の揺動カム面が略均等に使用されるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、車両の減速要求を検知する減速要求検知手段を更に備え、
前記カム面選択手段は、揺動動作が開始される際に、車両の減速要求が所定レベル以上である場合には、揺動動作の開始までの時間が最も短くなる揺動カム面を、制御対象となる前記1つの揺動カム面として選択することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記カム面選択手段は、前記複数の揺動カム面のそれぞれについての揺動動作の実行時間がほぼ等しくなるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1または第2の発明において、前記カム面選択手段は、揺動動作が行われる毎に、前記複数の揺動カム面の中から、制御対象となる前記1つの揺動カム面を順に選択することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記カム面選択手段は、揺動動作中である前記複数の揺動カム面のそれぞれの動作範囲がほぼ等しくなるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする。
第1の発明によれば、揺動動作が開始される際には、複数の揺動カム面が略均等に使用されるように、制御対象となる1つの揺動カム面が選択されることになる。このため、特定の揺動カム面のみが偏磨耗してしまうのを好適に防止することができる。これにより、そのようなカムの偏磨耗に起因するバルブリフト量の変化を好適に抑えつつ、揺動動作を用いたバルブリフト量の可変制御を良好に実行することが可能となる。
第2の発明によれば、カムの偏磨耗に起因するバルブリフト量の変化を好適に抑えつつ、早急な揺動動作への切り替え要求にも柔軟に対応させて、内燃機関の応答性確保を併せて実現することができる。
第3の発明によれば、揺動動作が開始される際に、複数の揺動カム面のそれぞれについての揺動動作の実行時間がほぼ等しくなるように制御対象となる1つの揺動カム面が選択されることにより、比較的簡便な手法によって、当該複数の揺動カム面が略均等に使用されるようにすることができる。
第4の発明によれば、揺動動作が行われる毎に、複数の揺動カム面の中から、制御対象となる1つの揺動カム面が順に選択されることにより、比較的簡便な手法によって、当該複数の揺動カム面が略均等に使用されるようにすることができる。
第5の発明によれば、揺動動作中である複数の揺動カム面のそれぞれの動作範囲がほぼ等しくなるように制御対象となる1つの揺動カム面が選択されることにより、揺動カム面の動作範囲を考慮して、複数の揺動カム面における特定の部位のみが偏磨耗してしまうのを好適に抑制することができる。また、第3の発明と組み合わされる場合には、揺動カム面の動作範囲と各動作範囲の実行時間とを考慮して、複数の揺動カム面における特定の部位のみが偏磨耗してしまうのを更に好適に抑制することができる。
実施の形態1.
[システム構成]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10の構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、直列4気筒型のエンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、ピストン12が設けられている。内燃機関10の筒内には、ピストン12の頂部側に燃焼室14が形成されている。燃焼室14には、吸気通路16および排気通路18が連通している。
吸気通路16の入口近傍には、吸気通路16に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ20が設けられている。エアフローメータ20の下流には、スロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、アクセル開度と独立してスロットル開度TAを制御することのできる電子制御式スロットルバルブである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットルセンサ24が配置されている。
また、スロットルバルブ22の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁26が配置されている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室14の頂部から燃焼室14内に突出するように点火プラグ28が取り付けられている。吸気ポートおよび排気ポートには、それぞれ、燃焼室14と吸気通路16、或いは燃焼室14と排気通路18を導通状態または遮断状態とするための吸気弁30および排気弁32が設けられている。
吸気弁30および排気弁32は、それぞれ吸気可変動弁機構34および排気可変動弁機構36により駆動される。これらの可変動弁機構34、36の詳細な構成については、図2乃至図5を参照して後述するものとする。
図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述した各種のセンサとともに、エンジン回転数を検出するクランク角センサ42やアクセル開度PAを検出するためのアクセル開度センサ44が接続されている。また、ECU40には、上述した各種のアクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
[本実施形態の可変動弁機構の構成]
図2は、図1に示すシステムが備える吸気可変動弁機構34の構成を示す図である。以下、この図を参照して、吸気可変動弁機構34について更に説明する。尚、排気可変動弁機構36は、吸気可変動弁機構34とほぼ同様の構成であるので、その詳細な図示および説明を省略する。
図2に示すように、内燃機関10は、1気筒当たり2つの吸気弁30を備えている。そして、内燃機関10は、前述したように4つの気筒(#1〜#4)を備えており、#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われる。吸気可変動弁機構34は、2つの装置、すなわち吸気可変動弁機構34Aと吸気可変動弁機構34Bとで構成されている。吸気可変動弁機構34Aは#2気筒および#3気筒が備える吸気弁30を駆動し、吸気可変動弁機構34Bは#1気筒および#4気筒が備える吸気弁30を駆動する。
吸気可変動弁機構34Aは、駆動源としての電動機(以下、モータと称する)50Aと、モータ50Aの回転運動を伝達する伝達機構としてのギヤ列52Aと、ギヤ列から伝達された回転運動を吸気弁30の直線的な開閉運動に変換するカムシャフト54Aとを備えている。同様に、吸気可変動弁機構34Bは、モータ50B、ギヤ列52B、およびカムシャフト54Bを備えている。
モータ50A,50Bは、回転速度および回転量の制御が可能なサーボモータである。このモータ50A,50Bとしては、例えばDCブラシレスモータ等が好ましく用いられる。モータ50A,50Bには、その回転位置(回転角度)を検出するためのレゾルバ、ロータリーエンコーダ等の回転角検出センサが内蔵されている。モータ50A,50Bの回転速度および回転量は、ECU40により制御される。
カムシャフト54A、54Bの外周部には、カムシャフト54A、54Bに対して一体回転するカム駆動ギヤ56と、やはりカムシャフト54A、54Bに対して一体回転するカム58とがそれぞれ設けられている。
ギヤ列52Aは、モータ50Aの出力軸60に取り付けられたモータギヤ62Aの回転を中間ギヤ64Aを介してカムシャフト54Aが互いに等しい速度で回転するように構成されても良いし、モータギヤ62Aに対してカム駆動ギヤ56を増速又は減速させるように構成されても良い。同様にして、ギヤ列52Bは、モータ50Bの出力軸に取り付けられたモータギヤ62Bの回転を中間ギヤ64B(図2において図示せず)を介してカムシャフト54Bのカム駆動ギヤ56に伝達する。
図2に示すように、カムシャフト54Aは#2,#3気筒の吸気弁30の上部に配置されており、カムシャフト54Aに設けられたカム58により#2,#3気筒の吸気弁30が開閉駆動される。また、カムシャフト54Bは2つに分割された状態で#1,#4気筒の吸気弁30の上部に配置されており、カムシャフト54Bに設けられたカム58により#1,#4気筒の吸気弁30が開閉駆動される。2つに分割されたカムシャフト54Bは、中空のカムシャフト54A内に挿通された連結部材を介して連結され、一体的に回転するように構成されている。
また、図2に示すように、カムシャフト54Aの近傍には、当該カムシャフト54Aの回転位置を検知するためのカム角センサ68Aが配置されている。同様に、カムシャフト54Bの近傍には、当該カムシャフト54Bの回転位置を検知するためのカム角センサ68Bが配置されている。
図3は、カム58によって吸気弁30が駆動される様子を示す模式図である。カム58はカムシャフト54A,54Bと同軸の円筒状のゼロリフト面58aの一部を半径方向外側に向かって膨らませて押圧面(カムノーズ)58bを形成した板カムの一種として形成されている。カム58のプロファイルはその全周に亘って負の曲率が生じないように、つまり半径方向外側に向かって凸曲面を描くように設定されている。
図2に示すように、吸気弁30はそれぞれ弁軸30aを備えている。各カム58は吸気弁30の弁軸30aの一端に設けられたバルブリフタ66と対向する。各吸気弁30はバルブスプリング(図示せず)の圧縮反力によってカム58側に付勢されている。カム58のゼロリフト面58aとバルブリフタ66が対向しているときには、そのバルブスプリングの付勢力により、吸気ポートのバルブシート(図示せず)に吸気弁30が密着して吸気ポートが閉じられる。
モータ50A、50Bの回転運動がギヤ列52A,52Bを介してカムシャフト54A,54Bに伝達されると、カムシャフト54A,54Bと一体にカム58が回転し、押圧面58bがバルブリフタ66を乗り越える間にバルブリフタ66が押し下げられ、吸気弁30がバルブスプリングの付勢力に抗してリフト(開弁)する。
また、図3(A)及び図3(B)は、カム58の2つの駆動モードを示している。カム58の駆動モードには、モータ50A、50Bを一方向に連続回転させて図3(A)に示すようにカム58を最大リフト位置、すなわちカム58の押圧面58bが相手側の部品(この場合はバルブリフタ66)と接する位置を越えて正転方向(図3(A)中の矢印方向)に連続的に回転させる正転駆動モードと、正転駆動モードにおける最大リフト位置に達する前にモータ50A、50Bの回転方向を切り替えて図3(B)に示すようにカム58をゼロリフト面58aと押圧面58bとの間で往復運動させる揺動駆動モードとがある。
正転駆動モードでは、カム58の回転速度を制御することで吸気弁30の作用角が制御される。また、揺動駆動モードでは、カム58の回転速度とともに、カム58が揺動する角度範囲を制御することで、吸気弁30の作用角およびリフト量を可変に制御することができる。このように、吸気可変動弁機構34によれば、運転状態に応じた最適な作用角、リフト量(開弁特性)で吸気弁30を駆動することが可能となる。
図4は、内燃機関10のエンジン回転数、トルク(負荷)と、カム58の駆動モードとの関係を示す模式図である。図4に示すように、カム58の駆動モードは、エンジン回転数とトルク(負荷)とに関連付けて使い分けられる。基本的に低負荷低回転域では揺動駆動モードが選択され、高負荷高回転域では正転駆動モードが選択される。これにより、低負荷低回転域では吸気弁30の作用角、リフト量を少なくし、高負荷高回転域では吸気弁30の作用角、リフト量を大きくする制御が行われ、エンジン回転数とトルクに応じた最適な空気量を気筒内に送ることが可能となる。
図5は、カムシャフト54Aに設けられた2つのカム58を詳細に示す模式図である。図5に示すように、カムシャフト54Aには、#2気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58と、#3気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58とが180°の角度位置だけ離間して設けられている。4気筒の内燃機関ではクランク角720°の間に#1→#3→#4→#2の順で爆発行程が行われるため、#2気筒と#3気筒の吸気行程はクランク角の360°毎に行われる。吸気可変動弁機構34Aは、クランク角360°毎に#2気筒用のカム58と#3気筒用のカム58が、交互に#2気筒の吸気弁30と#3気筒の吸気弁30を駆動するようにカムシャフト54Aを回転または揺動させる。同様に、カムシャフト54Bには#1気筒、#4気筒の吸気弁30を駆動するためのカム58が設けられており、吸気可変動弁機構34Bは、カムシャフト54Bを回転または揺動させることで、#1気筒の吸気弁30と#4気筒の吸気弁30を駆動する。
このように構成された本実施形態のシステムによれば、正転駆動モードでは、カム58が1回転するうちでカム58の回転速度を変化させ、カム58が吸気弁30をリフトさせている期間が変化するようにモータ50A,50Bの回転速度を変化させることにより、吸気弁30の作用角を変化させることができる。正転駆動モードにおいては、ECU40には、内燃機関10の運転状態に応じて、吸気弁30の目標作用角が設定される。そして、ECU40は、その目標作用角と対応するモータ50A,50Bの回転速度が実現できるように、モータ50A,50Bの作動を制御する。
また、揺動駆動モードでは、カム58の回転速度、および、カム58が揺動する角度範囲が変化するようにモータ50A,50Bの回転速度および回転量を変化させることにより、吸気弁30の作用角および最大リフト量を変化させることができる。揺動駆動モードにおいては、ECU40には、内燃機関10の運転状態に応じて、吸気弁30の目標作用角および目標最大リフト量が設定される。そして、ECU40は、その目標作用角および目標最大リフト量と対応するモータ50A,50Bの回転量および回転速度が実現できるように、モータ50A,50Bの作動を制御する。
[実施の形態1の特徴部分]
図6は、本実施形態における特徴的な制御を説明するための図である。より具体的には、図6(A)は、本実施形態のシステムの制御と対比のために参照される制御を、図6(B)は、本実施形態のシステムの制御を、それぞれ示している。尚、この対比のために参照される制御に適用される可変動弁機構は、本実施形態の吸気可変動弁機構34と同様の構成を有しているものとする。また、図6は、#2気筒と#3気筒とで共用されたカムシャフト(54A)を、その軸方向から観た図である。ここでは、カムシャフト(54A)を代表させて説明を行うこととするが、#1気筒と#4気筒とで共用されたカムシャフト(54B)についても同様である。
カムシャフト54Aには、カムノーズ58(押圧面)bを180°ずらした状態で#2および#3気筒のそれぞれのカム58が固定されている。この場合、揺動動作を実行可能な揺動カム面(すなわち、ゼロリフト面58aおよび押圧面58b)は、それぞれのカム58につき2箇所存在することになる。
対比のために図6(A)に示す制御は、揺動動作を実行する揺動カム面に対して何らの配慮がなされておらず、従って、揺動動作時には、片方の揺動カム面(図6(A)中に丸印を付して示す揺動カム面)が偏って使用されるようになっている。
上記のような偏った使用が長期間に渡って行われると、使用された側の揺動カム面のみ磨耗が進んでしまう。そのような偏磨耗が生ずると、揺動動作中のバルブリフト量が変化してしまうのと同時に、回転動作時にも開き側と閉じ側との間でバルブリフト量に差が生じてしまい、その結果として、気筒間で吸入空気量に差が生じてしまう。そして、そのような吸入空気量の差は、気筒間での燃焼のばらつきを招くことになる。
そこで、本実施形態では、揺動動作を開始させる際には、2箇所の揺動カム面が略均等に使用されるように、より具体的には、図6(B)に示すように、揺動動作モード1の実行時間と揺動動作モード2の実行時間とがほぼ等しくなるように、2つの揺動カム面を選択するようにした。尚、ここでは、2箇所ある揺動カム面のうちの一方を使って行われる揺動動作を、「揺動動作モード1」と称し、当該揺動カム面のうちの他方を使って行われる揺動動作を、「揺動動作モード2」と称している。
更に、本実施形態では、2つの揺動カム面に対して上記のような偏磨耗に対する配慮を行ったうえで、車両に急加速が要求された場合には、上記の揺動カム面の選択を一時的に停止し、最速で揺動動作に切り替え可能な方の揺動カム面を制御対象となる揺動カム面として選択するようにしている。
図7は、上記の機能を実現するために、ECU40が実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンでは、先ず、吸気可変動弁機構34に対する揺動動作の開始指令があるか否かが判別される(ステップ100)。揺動動作(揺動駆動モード)の開始指令は、回転動作(正転駆動モード)から揺動動作への切り替え時や内燃機関10の始動時に出される指令であり、本ステップ100では、エンジン回転数や負荷などの内燃機関10の運転状態に基づいて当該指令の有無が判別されることになる。
上記ステップ100において、揺動動作の開始指令があると判定された場合には、次いで、早急に揺動動作を実行する必要のある状況であるか否かが判別される(ステップ102)。例えば車両の運転者によってアクセルペダルが急激に戻されたような場合のように、車両の減速要求が所定レベル以上の高いものであると認められた場合には、早急に揺動動作を実行する必要のある状況であると判断される。
上記ステップ102において、早急に揺動動作を実行する必要のない状況であると判定された場合には、使用動作モード判定が実行される(ステップ104)。より具体的には、本ステップ104では、前回の揺動動作実行時までの揺動動作モード1および揺動動作モード2のそれぞれの実行時間の積算値が参照され、現在までの実行時間がより短い方の揺動動作モードがどちらであるかが判別される。そして、該当する方のモードが今回使用される揺動動作モードとして特定される。
次に、切り替え判定角度(カム角度)が計算される(ステップ106)。本実施形態のシステムでは、2つの揺動カム面のそれぞれに対して、回転動作から揺動動作に切り替わる際の切り替え判定角度が予め設定されている。本ステップ106では、より具体的には、上記ステップ104において特定された今回の使用動作モードに対応する切り替え判定角度が計算されることになる。
上記ステップ102において、早急に揺動動作を実行する必要のある状況であると判定された場合、つまり、急減速要求に基づき内燃機関10の応答性確保を優先させるべき状況であると判断できる場合には、次いで、最短の切り替え判定角度が計算される(ステップ108)。より具体的には、本ステップ108では、現在のカム角度から切り替え判定角度までの角度差の小さい方の揺動カム面(言い換えれば、揺動動作モード)に関する切り替え判定角度が計算される。
図7に示すルーチンでは、次に、現在のカム角度が、上記ステップ106或いは108によって計算された切り替え判定角度に達したか否かが判別される(ステップ110)。その結果、現在のカム角度がそのような切り替え判定角度に達したと判定された場合には、当該切り替え判定角度に達した方の揺動カム面を用いた揺動動作(揺動駆動モード)の実行が開始される(ステップ112)。
以上説明した図7に示すルーチンによれば、揺動動作の開始要求があった場合に、前回までの各揺動動作モード1、2の実行時間に基づいて、2つの揺動カム面(ゼロリフト面58aおよび押圧面58b)が略均等に使用されるように、当該2つの揺動カム面の中から制御対象となる一方の揺動カム面が選択されることになる。このため、比較的簡便な手法によって、一方の揺動カム面のみが偏磨耗してしまうのを好適に防止することができる。これにより、そのようなカムの偏磨耗に起因するバルブリフト量の変化を好適に抑えつつ、揺動動作を用いたバルブリフト量の可変制御を良好に実行することが可能となる。
また、上記ルーチンによれば、高いレベルの減速要求が車両に出された場合には、最短で揺動動作を開始させられる方の揺動カム面が選択されることになる。揺動カム面の偏磨耗自体は、長期的な使用の結果としてもたらされるものである。上記ルーチンでは、基本的には、上記のように各揺動カム面が略均等に使用されるような配慮がなされているため、急減速要求時に、このような例外的な措置を稀にとることに問題はないといえる。このように、上記ルーチンによれば、早急な揺動動作への切り替え要求にも柔軟に対応させて、内燃機関10の応答性確保を併せて実現することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、2つの揺動カム面に関する揺動動作モード1および揺動動作モード2のそれぞれの実行時間の積算値を比較して、それぞれの揺動動作モード1、2の実行時間がほぼ等しくなるようにすることで、2つの揺動カム面が略均等に使用されるようにしている。しかしながら、本発明において、2つの揺動カム面が略均等に使用さされるようにするための具体的な手法は、これに限定されるものではなく、例えば、以下のような手法であってもよい。
すなわち、最も簡便な手法としては、揺動動作の開始要求毎に使用する揺動カム面(揺動動作モード1、2)を交互に(順に)切り替えるようにしてもよい。更には、揺動カム面毎の揺動動作(揺動駆動モード)の実行回数を揃えるようにしてもよい。
また、その他の好適な手法としては、揺動動作が行われる際の揺動カム面の動作範囲を考慮するものであってもよい。揺動動作時の揺動カム面の動作範囲は、内燃機関10側から要求されるバルブリフト量に応じて異なるものとなる。より具体的には、要求されるバルブリフト量が高ければ揺動カム面の動作範囲(言い換えれば、カムの揺動量やバルブリフト量)も広くなる。そこで、それぞれの揺動カム面についての現在までの動作範囲の履歴に基づいて、揺動カム面毎の動作範囲を揃えるようにしてもよい。例を挙げると、一方の揺動カム面が比較的狭い動作範囲で使われ、かつ、他方の揺動カム面が比較的広い動作範囲で使われているという履歴があったときに、高いバルブリフト量が要求された場合には、上記一方の揺動カム面を選択するようにする。以上のような手法によれば、揺動カム面の動作範囲を考慮して、複数の揺動カム面における特定の部位のみが偏磨耗してしまうのを好適に抑制することができる。
また、その他の好適な手法としては、揺動動作時の動作範囲毎に、各揺動動作モード1、2の実行時間を計測するようにしてもよい。そして、揺動動作時の揺動カム面毎の動作範囲に加え、動作範囲毎の各揺動動作モード1、2の実行時間に基づいて、次回の揺動動作の要求時に用いる揺動カム面を選択するようにしてもよい。例を挙げると、現在までに使用された各揺動カム面の現在の動作範囲が同程度であった場合、その動作範囲が要求される次回の揺動動作時には、当該動作範囲での使用履歴の短い方の揺動カム面を選択するようにする。以上のような手法によれば、揺動カム面の動作範囲と各動作範囲の実行時間とを考慮して、複数の揺動カム面における特定の部位のみが偏磨耗してしまうのを更に好適に抑制することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU40が上記ステップ102〜106の処理を実行することにより前記第1の発明における「カム面選択手段」が実現されている。
また、ECU40が上記ステップ102および108の処理を実行することにより前記第2の発明における「減速要求検知手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の内燃機関の構成を説明するための図である。 図1に示すシステムが備える吸気可変動弁機構の構成を示す図である。 カムによって吸気弁が駆動される様子を示す模式図である。 内燃機関のエンジン回転数、トルク(負荷)と、カムの駆動モードとの関係を示す模式図である。 カムシャフトに設けられた2つのカムを詳細に示す模式図である。 本発明の実施の形態1における特徴的な制御を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
30 吸気弁
32 排気弁
34A、34B 吸気可変動弁機構
36 排気可変動弁機構
40 ECU(Electronic Control Unit)
44 アクセル開度センサ
50A、50B モータ
54A、54B カムシャフト
58 カム
58a ゼロリフト面
58b 押圧面
68A、68B カム角センサ

Claims (5)

  1. ゼロリフト面と押圧面からなる揺動カム面を複数有するカムをモータによって揺動動作させることで、バルブのリフト量を変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、
    揺動動作が開始される際に、前記複数の揺動カム面の中から揺動動作時に使用する1つの揺動カム面を選択するカム面選択手段を備え、
    前記カム面選択手段は、前記複数の揺動カム面が略均等に使用されるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 車両の減速要求を検知する減速要求検知手段を更に備え、
    前記カム面選択手段は、揺動動作が開始される際に、車両の減速要求が所定レベル以上である場合には、揺動動作の開始までの時間が最も短くなる揺動カム面を、制御対象となる前記1つの揺動カム面として選択することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記カム面選択手段は、前記複数の揺動カム面のそれぞれについての揺動動作の実行時間がほぼ等しくなるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記カム面選択手段は、揺動動作が行われる毎に、前記複数の揺動カム面の中から、制御対象となる前記1つの揺動カム面を順に選択することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記カム面選択手段は、揺動動作中である前記複数の揺動カム面のそれぞれの動作範囲がほぼ等しくなるように、制御対象となる前記1つの揺動カム面を選択することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
JP2007055358A 2007-03-06 2007-03-06 内燃機関の可変動弁装置 Pending JP2008215239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007055358A JP2008215239A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 内燃機関の可変動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007055358A JP2008215239A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 内燃機関の可変動弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008215239A true JP2008215239A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39835569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007055358A Pending JP2008215239A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 内燃機関の可変動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008215239A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010204259A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010204259A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4082197B2 (ja) 内燃機関の弁駆動システム
JP2003065089A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
EP2947298A1 (en) Internal-combustion-engine control device and control method
JP2008025550A (ja) 可変動弁機構の制御装置
JP2004116301A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007023800A (ja) 内燃機関のバルブ特性制御装置
JP4049092B2 (ja) 動弁装置
US7513231B2 (en) Valve gear of internal combustion engine
JP4765379B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008215239A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2010144671A (ja) 内燃機関の吸気量制御装置
JP2007198252A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4379273B2 (ja) 可変圧縮比機構を備えた内燃機関
JP2006220108A (ja) 内燃機関の可変動弁機構
JP2007292045A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007146688A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2011226331A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2008051111A (ja) 内燃機関の弁駆動システム
JP4605023B2 (ja) 内燃機関の可変動弁機構制御装置
JP4165432B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6443244B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関の制御装置
JP5516432B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関
JP2022161642A (ja) 弁開閉時期制御ユニット
CN116635620A (zh) 电动气门正时控制装置和电动气门正时控制方法
JP4524697B2 (ja) 内燃機関の弁駆動システム