JP2008215139A - 停車検知装置およびこれを用いた変速機中立制御装置およびエンジンアイドルストップ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】S1で、発進変速段選択状態の自動変速機を中立状態にすべき変速機中立制御許可条件のうち、停車以外の条件(Dレンジ、ブレーキ液圧Pb>0の制動状態、アクセル開度APO=0、車速検出値VSP=停車判定用設定値未満)が成立していると判定し、S2で、ブレーキ制動力Tbが勾配後退力Tsを超えている(登坂路において後退しない)と判定し、S3で、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上(停車可能)と判定する時、停車と判定して、S4で変速機中立制御を実行する。S5でTb≦TsまたはTb≦所定値<Tcになったと判定する時、S6において、上記の変速機中立制御を解除する。
【選択図】図2
Description
そして、停車検知が正確でないと、変速機中立制御やエンジンアイドルストップ制御が停車する前の走行中に行われる結果、意図しない制御となって不都合を生ずる懸念がある。
この技術は、車速センサからのパルス信号を用い、パルス数およびパルス間走行距離から一定時間毎に車速を演算するに際し、定期的にGPS信号からパルス間走行距離を修正し、当該修正したパルス間走行距離の平均値を用いて上記の車速演算を行うことにより車速の演算精度を高めるというものである。
かように車速の演算精度が高まれば、この車速が0になった時をもって停車と判定する停車検知の精度も高くなる。
つまり車速センサは、車輪駆動系の1回転当たり所定数のパルスを発生するものであり、その構造故に、停車を表す車速=0近辺の回転数のもとでは、単位時間当たりのパルス数が極少なく、前記のようにして車速の演算精度を高めようとしても停車を正確に検知し得るほどには車速の演算精度を高めることができないのが実情であった。
これがため、未だ少しの車速が発生している停車直前の微速走行中なのに車速=0と演算し、これをもって停車と誤判定する懸念を払拭し切れない。
これと、別の判定因子との組み合わせにより、上記の懸念を払拭し得るような精度で停車判定を行い得て、狙い通りの変速機中立制御やエンジンアイドルストップ制御を実現し得るような停車検知装置を提案することを目的とする。
先ず前提となる車両用パワートレーンを説明するに、これは、
エンジンと、発進用摩擦要素の締結により該エンジンからの動力を発進変速比で変速して出力可能な自動変速機との組み合わせに成り、前記発進変速比選択状態でも発進意志のない運転状態ではスリップにより停車を保ち得るようにするためのスリップ式伝動ユニットを有したものである。
クリープ駆動力演算手段は、上記スリップ式伝動ユニットのスリップ状態での引きづりにより、自動変速機から駆動車輪へ出力されたクリープ駆動力を演算し、
ブレーキ制動力演算手段は、ブレーキ装置の作動により駆動車輪に付与されたブレーキ制動力を演算し、
車速検出手段は車速を検出する。
停車判定手段は、上記3手段からの信号をもとに、車速検出値が0で、且つ、ブレーキ制動力がクリープ駆動力以上である時をもって停車と判定する。
車速検出手段による車速検出値が0であることのみをもって停車と判定するのではなく、車速検出値が0であることのほかに、ブレーキ制動力がクリープ駆動力以上であるという条件が揃った時にはじめて停車と判定するため、
未だ少しの車速が発生している停車直前の微速走行中なのに車速検出値が0になることがあっても、これのみをもって停車と誤判定することがなくなり、ブレーキ制動力がクリープ駆動力以上である条件も揃った本当の停車時にはじめて停車と判定することとなり、停車を正確に検知することができる。
従って、本発明による停車検知装置を用いる場合、これからの正確な停車判定により変速機中立制御やエンジンアイドルストップ制御を狙い通りに実現することができる。
図1は、本発明の一実施例になる停車検知装置と、これを用いた変速機中立制御装置およびエンジンアイドルストップ制御装置とを具える車両のパワートレーンを示し、このパワートレーンをエンジン1および自動変速機2のタンデム結合により構成する。
なおトルクコンバータT/Cは、自動変速機2が発進変速段(発進変速比)選択状態でも発進意志のない運転状態ではスリップにより停車を保ち得るようにするスリップ式伝動ユニットの用をなす。
駐車(P)レンジおよび中立(N)レンジにおいて自動変速機2は、変速用摩擦要素の全てを解放状態にされて動力伝達を行わない中立状態となり、
後退走行(R)レンジにおいて自動変速機2は、変速用摩擦要素のうち後退変速段用の変速摩擦要素を締結されて、入力回転を逆方向にすると共に減速して出力する後退変速段選択状態となる。
自動変速機2は、コントロールバルブボディー2bを介して変速機コントローラ5により、本発明が制御対象とする発進用摩擦要素2aの締結容量制御を介した変速機中立制御や、変速用摩擦要素の選択的締結や、ライン圧や、トルクコンバータのロックアップを制御される。
トルクコンバータT/Cのタービン回転数Nt(変速機入力回転数)を検出するタービン回転センサ7からの信号や、
アクセル開度APO(アクセルペダル踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ8からの信号や、
車速VSPを検出する車速センサ9(車速検出手段)からの信号や、
ブレーキペダルの踏力に応じてブレーキ液圧系に発生するブレーキ液圧Pbを検出するブレーキ液圧センサ10からの信号や、
路面勾配θを検出する路面勾配センサ11からの信号を入力する。
なおエンジンコントローラ4および変速機コントローラ5との間を通信線で相互に接続し、上記の入力信号はもとより、演算結果をも相互に通信し合うものとする。
図7に示す制御プログラムにより後述のごとくに、停車検知を行うと共に、その検知結果を用いてエンジン1のアイドルストップを行うものとする。
ステップS1においては、前記発進変速段(発進変速比)選択状態の自動変速機2を動力伝達不能な中立状態にすることが許可される変速機中立制御許可条件のうち、停車以外の変速機中立制御許可条件が成立したか否かを判定する。
従ってステップS1は、変速機中立制御許可判定手段に相当する。
従ってステップS2は、ブレーキ制動力演算手段および勾配後退力演算手段に相当する。
ここでクリープ駆動力Tcは、エンジン回転数Neと、トルクコンバータT/Cの速度比Nt/Neから判る効率τおよびトルク比tとを用い、先ずエンジントルクTe=τ・Ne2を求め、このエンジントルクTeにトルク比tを乗じてクリープ駆動力Tc=Te・tを求める。
従ってステップS3はクリープ駆動力演算手段に相当する。
ステップS2でブレーキ制動力Tbが勾配後退力Tsを超えている(登坂路停車)と判定し、且つ、
ステップS3でブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上(平坦路停車)と判定するとき、停車とみなす。
従ってステップS1およびステップS3は、停車判定手段に相当する。
しかして上記以外では、つまり、停車判定がなされなかったり、停車判定があっても停車以外の変速機中立制御許可条件が成立しない場合は、ステップS4での発進容量低下制御による自動変速機2の中立制御を行わせず、制御をそのまま終了する。
よってステップS5およびステップS6は、ブレーキ制動力Tbが勾配後退力Ts以下になる時、発進用摩擦要素2aの締結容量を増大させて変速機中立制御を解除する第1の発進容量増大手段、および、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tcよりも小さな所定値以下になる時、発進用摩擦要素2aの締結容量を増大させて変速機中立制御を解除する第2の発進容量増大手段に相当する。
図3は、平坦路で変速機中立制御を行うときの動作タイムチャートを示し、
瞬時t1に、停車判定以外の変速機中立制御許可条件、つまり、前進走行(D)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS1)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS1)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS3)停車判定がなされると、
発進用摩擦要素2aの締結容量を作動油圧の低下により低下させる変速機中立制御を開始させる(ステップS4)。
かかる自動変速機2の中立状態(変速機中立制御)は、変速機中立制御許可条件および停車判定がなされる限りにおいて継続される。
ちなみに当該変速機中立制御は、例えば、暖機運転中の排気浄化触媒の活性化用にエンジンアイドル回転数を上昇させるに際し、アイドル回転数を所期の目的が達成されるような高い回転数にするのに用いる。
未だ少しの車速が発生している停車直前の微速走行中なのに車速検出値が0になることがあっても、これのみをもって停車と誤判定することがなくなり、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上である条件も揃った本当の停車時にはじめて停車と判定することとなり、停車を正確に検知することができる。
つまり、停車直前の微速走行中なのにこれを停車と誤判定して変速機中立制御を開始すると、車両が実際に停車するまでの間におけるクリープ駆動力Tcの低下が車両前後加速度の変化を惹起し、これが駆動力抜けショックとなって運転者に違和感を与えるという問題を生ずる。
しかし本実施例の場合、停車判定が正確であることにより、これを用いた変速中立制御は実際に車両が停止している時に行われることとなり、図3の瞬時t1〜t2間における車両加減速度G=0の保持から明らかなように、この間におけるクリープ駆動力Tcの低下によっても、これが駆動力抜けショックとなって運転者に違和感を与えるという問題を解消することができる。
瞬時t1に、停車判定以外の変速機中立制御許可条件、つまり、前進走行(D)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS1)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS1)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS3)停車判定がなされると、
発進用摩擦要素2aの締結容量を作動油圧の低下により低下させる変速機中立制御を開始させる(ステップS4)。
かかる自動変速機2の中立状態(変速機中立制御)は、変速機中立制御許可条件および停車判定がなされる限りにおいて継続される。
かかる変速機中立制御解除指令に呼応して瞬時t4以後は、変速機中立制御中に低下させていた発進用摩擦要素2aの作動油圧(締結容量)を図4のごとくに増大させ(ステップS6)、発進用摩擦要素2aの作動油圧(締結容量)が最大値へ到達する瞬時t7に変速機中立制御解除を終了して、自動変速機2を中立状態から発進変速段(発進変速比)選択状態に戻す。
ブレーキ制動力Tbが0になる液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6よりも前に変速機中立制御の解除を開始させることとなり、液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6に変速機中立制御の解除を開始させる場合に生ずる登坂路での車両の一時的なずり下がりを回避することができる。
瞬時t1に、停車判定以外の変速機中立制御許可条件、つまり、前進走行(D)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS1)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS1)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS3)停車判定がなされると、
発進用摩擦要素2aの締結容量を作動油圧の低下により低下させる変速機中立制御を開始させる(ステップS4)。
かかる自動変速機2の中立状態(変速機中立制御)は、変速機中立制御許可条件および停車判定がなされる限りにおいて継続される。
かかる変速機中立制御解除指令に呼応して瞬時t4以後は、変速機中立制御中に低下させていた発進用摩擦要素2aの作動油圧(締結容量)を図5のごとくに増大させ(ステップS6)、発進用摩擦要素2aの作動油圧(締結容量)が最大値へ到達する瞬時t7に変速機中立制御解除を終了して、自動変速機2を中立状態から発進変速段(発進変速比)選択状態に戻す。
ブレーキ制動力Tbが0になる液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6よりも前に変速機中立制御の解除を開始させることとなり、液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6に変速機中立制御の解除を開始させる場合に生ずる平坦路での変速機中立制御の解除遅れに伴う車両の発進性の悪化を回避することができる。
従ってステップS11は、アイドルストップ制御許可判定手段に相当する。
従ってステップS12は、ブレーキ制動力演算手段および勾配後退力演算手段に相当する。
ここでクリープ駆動力Tcは、エンジン回転数Neと、トルクコンバータT/Cの速度比Nt/Neから判る効率τおよびトルク比tとを用い、先ずエンジントルクTe=τ・Ne2を求め、このエンジントルクTeにトルク比tを乗じてクリープ駆動力Tc=Te・tを求める。
従ってステップS13はクリープ駆動力演算手段に相当する。
ステップS13でブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上(平坦路停車)と判定するとき、停車とみなす。
従ってステップS11およびステップS13は、停車判定手段に相当する。
しかして上記以外では、つまり、停車判定がなされなかったり、停車判定があっても停車以外のアイドルストップ許可条件が成立しない場合は、ステップS14でのエンジン1の運転停止(アイドルストップ)を行わせず、制御をそのまま終了する。
よってステップS15およびステップS16は、ブレーキ制動力Tbが勾配後退力Ts以下になる時、アイドルストップを解除してエンジン1の運転を再開させる第1のエンジン運転再開手段、および、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tcよりも小さな所定値以下になる時、アイドルストップを解除してエンジン1の運転を再開させる第2のエンジン運転再開手段に相当する。
図8は、平坦路でエンジンアイドルストップ制御を行うときの動作タイムチャートを示し、
瞬時t1に、停車判定以外のアイドルストップ許可条件、つまり、中立(N)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS11)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS11)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS13)停車判定がなされると、
停車状態が確実であって、エンジンの運転が不要であることから、エンジン1の運転を一時的に停止させるアイドルストップ制御を開始させ(ステップS14)、エンジン回転数Neを図8に示すごとくに低下させる。
未だ少しの車速が発生している停車直前の微速走行中なのに車速検出値が0になることがあっても、これのみをもって停車と誤判定することがなくなり、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上である条件も揃った本当の停車時にはじめて停車と判定することとなり、停車を正確に検知することができる。
つまり、停車直前の微速走行中なのにこれを停車と誤判定してアイドルストップ制御を開始すると、車両が実際に停車するまでの間におけるクリープ駆動力Tcの低下が車両前後加速度の変化を惹起し、これが駆動力抜けショックとなって運転者に違和感を与えるという問題を生ずる。
しかし本実施例の場合、停車判定が正確であることにより、これを用いたアイドルストップ制御は実際に車両が停止している時に行われることとなり、図8の瞬時t1〜t2間における車両加減速度G=0の保持から明らかなように、この間におけるクリープ駆動力Tcの低下によっても、これが駆動力抜けショックとなって運転者に違和感を与えるという問題を解消することができる。
瞬時t1に、停車判定以外のアイドルストップ許可条件、つまり、中立(N)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS11)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS11)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS13)停車判定がなされると、エンジン1のアイドルストップ制御が開始される(ステップS14)。
かかるアイドルストップ解除指令に呼応して瞬時t4以後は、アイドルストップ中に停止させていたエンジン1の運転を始動により再開させ(ステップS16)、これに伴うエンジン1の回転上昇によりクリープ駆動力Tcも0から図示のごとくに上昇する。
そして、エンジン1が始動完了により運転を再開されてクリープ駆動力Tcがアイドリング運転中の所定値に到達する瞬時t7にアイドルストップ制御の解除を終了し、エンジン1を通常のアイドリング運転状態に戻す。
ブレーキ制動力Tbが0になる液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6よりも前にアイドルストップの解除を開始させることとなり、液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6にアイドルストップの解除を開始させる場合に生ずる登坂路での車両の一時的なずり下がりを回避することができる。
瞬時t1に、停車判定以外のアイドルストップ許可条件、つまり、中立(N)レンジ選択状態、ブレーキ液圧Pbが発生している液圧ブレーキ作動状態、アクセルペダル釈放状態(アクセル開度APO=0)の3条件が成立していると判定し(ステップS11)、更に、車速検出値VSPが停車判定用設定値(0に近い微少値)未満であり(ステップS11)、且つ、ブレーキ制動力Tbがクリープ駆動力Tc以上であると判定する(ステップS13)停車判定がなされると、エンジン1のアイドルストップ制御が開始される(ステップS14)。
かかるアイドルストップ解除指令に呼応して瞬時t4以後は、アイドルストップ中に停止させていたエンジン1の運転を始動により再開させ(ステップS16)、これに伴うエンジン1の回転上昇によりクリープ駆動力Tcも0から図示のごとくに上昇する。
そして、エンジン1が始動完了により運転を再開されてクリープ駆動力Tcがアイドリング運転中の所定値に到達する瞬時t7にアイドルストップ制御の解除を終了し、エンジン1を通常のアイドリング運転状態に戻す。
ブレーキ制動力Tbが0になる液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6よりも前にアイドルストップの解除を開始させることとなり、液圧ブレーキの作動から非作動への状態変化時t6にアイドルストップの解除を開始させる場合に生ずる平坦路でのアイドルストップの解除遅れに伴う車両の発進性の悪化を回避することができる。
車速検出値VSP=0(VSP<停車判定用微少値)、且つ、ブレーキ制動力Tb≧クリープ駆動力Tcの2要件の成立をもって停車と判定する上記の停車検知は、エンジン1の冷機時における暖機運転用アイドルアップ中に行うのが効果的である。
その理由は、この暖機運転用アイドルアップ中だとエンジン回転数が高い分、クリープ駆動力Tcが大きくて、前記した停車の誤判定に起因した駆動力抜けショックも大きくなり、解決しようとする課題が顕著になることから、この課題解決効果が本実施例の正確な停車判定により一層顕著に感じられるようになるためである。
T/C トルクコンバータ(スリップ式伝動ユニット)
2 自動変速機
2a 発進用摩擦要素
2b コントロールバルブボディー
3 セレクトレバー
4 エンジンコントローラ
5 変速機コントローラ
6 エンジン回転センサ
7 タービン回転センサ
8 アクセル開度センサ
9 車速センサ
10 ブレーキ液圧センサ
11 路面勾配センサ
12 レンジセンサ
Claims (9)
- エンジンと、発進用摩擦要素の締結により該エンジンからの動力を発進変速比で変速して出力可能な自動変速機との組み合わせに成り、前記発進変速比選択状態でも発進意志のない運転状態ではスリップにより停車を保ち得るようにするためのスリップ式伝動ユニットを有した車両用パワートレーンにおいて、
前記スリップ式伝動ユニットのスリップ状態での引きづりにより、自動変速機から駆動車輪へ出力されたクリープ駆動力を演算するクリープ駆動力演算手段と、
ブレーキ装置の作動により駆動車輪に付与されたブレーキ制動力を演算するブレーキ制動力演算手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
これら3手段からの信号をもとに、車速検出値が0で、且つ、ブレーキ制動力がクリープ駆動力以上である時をもって停車と判定する停車判定手段と
を具備してなることを特徴とする停車検知装置。 - 請求項1に記載の停車検知装置と、
前記発進変速比選択状態の自動変速機を中立状態にすることが許可される変速機中立制御許可条件のうち、停車以外の変速機中立制御許可条件が成立したのを判定する変速機中立制御許可判定手段と、
該手段により停車以外の変速機中立制御許可条件の成立が判定され、且つ、前記停車検知装置により停車が判定された時に、前記発進用摩擦要素の締結容量を自動変速機が中立状態になるまで低下させる発進容量低下手段と
を具備してなることを特徴とする変速機中立制御装置。 - 請求項2に記載の変速機中立制御装置において、
路面勾配に応じて車両に作用する勾配後退力を演算する勾配後退力演算手段と、
変速機中立制御中、前記ブレーキ制動力演算手段で求めたブレーキ制動力が前記勾配後退力以下になる時、変速機中立制御を解除すべく前記低下させた発進用摩擦要素の締結容量を増大させる第1の発進容量増大手段と
を具備してなることを特徴とする変速機中立制御装置。 - 請求項2または3に記載の変速機中立制御装置において、
変速機中立制御中、前記ブレーキ制動力演算手段で求めたブレーキ制動力が、前記クリープ駆動力演算手段で求めたクリープ駆動力よりも小さな所定値以下になる時、変速機中立制御を解除すべく前記低下させた発進用摩擦要素の締結容量を増大させる第2の発進容量増大手段を設けたことを特徴とする変速機中立制御装置。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載の変速機中立制御装置において、
前記停車検知装置は、エンジンの冷機時における暖機運転用のアイドルアップ中に前記停車判定を行うものであることを特徴とする変速機中立制御装置。 - 請求項1記載の停車検知装置と、
前記エンジンの運転を一時的に停止することが許可されるエンジンアイドルストップ許可条件のうち、停車以外のエンジンアイドルストップ許可条件が成立したのを判定するエンジンアイドルストップ許可判定手段と、
該手段により停車以外のエンジンアイドルストップ許可条件の成立が判定され、且つ、前記停車検知装置により停車が判定された時に、前記エンジンの一時的な停止を行わせるエンジン停止手段と
を具備してなることを特徴とするエンジンアイドルストップ制御装置。 - 請求項6に記載のエンジンアイドルストップ制御装置において、
路面勾配に応じて車両に作用する勾配後退力を演算する勾配後退力演算手段と、
エンジンアイドルストップ中、前記ブレーキ制動力演算手段で求めたブレーキ制動力が前記勾配後退力以下になる時、エンジンアイドルストップを解除すべく前記一時的に停止させたエンジンの運転を再開させる第1のエンジン運転再開手段と
を具備してなることを特徴とするエンジンアイドルストップ制御装置。 - 請求項6または7に記載のエンジンアイドルストップ制御装置において、
エンジンアイドルストップ中、前記ブレーキ制動力演算手段で求めたブレーキ制動力が、前記クリープ駆動力演算手段で求めたクリープ駆動力よりも小さな所定値以下になる時、エンジンアイドルストップを解除すべく前記一時的に停止させたエンジンの運転を再開させる第2のエンジン運転再開手段を設けたことを特徴とするエンジンアイドルストップ制御装置。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載のエンジンアイドルストップ制御装置において、
前記停車検知装置は、エンジンの冷機時における暖機運転用のアイドルアップ中に前記停車判定を行うものであることを特徴とするエンジンアイドルストップ制御装置。
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