JP2008214521A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2008214521A
JP2008214521A JP2007055137A JP2007055137A JP2008214521A JP 2008214521 A JP2008214521 A JP 2008214521A JP 2007055137 A JP2007055137 A JP 2007055137A JP 2007055137 A JP2007055137 A JP 2007055137A JP 2008214521 A JP2008214521 A JP 2008214521A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
rubber composition
rubber
mass
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007055137A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamada
浩 山田
Akira Tsufuku
亮 津布久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2007055137A priority Critical patent/JP2008214521A/ja
Publication of JP2008214521A publication Critical patent/JP2008214521A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】補強用充填材としてシリカを含み、優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性に優れる空気入りタイヤを与えるゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分と、その100質量部に対し、(B)シリカ20〜100質量部及び(C)窒素吸着法比表面積(N2SA)が200〜300m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量が80〜140mL/100gであるカーボンブラック5〜40質量部を含むと共に、(D)アシルチオアルキルトリアルコキシシラン等の特定構造の保護化メルカプトシランからなるシランカップリング剤を、前記(B)成分のシリカに対して5〜50質量%の割合で含むゴム組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、本発明は、シリカとカーボンブラックの配合系であって、従来品よりも優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性に優れる空気入りタイヤを与えることができるゴム組成物、並びにこのゴム組成物をトレッドに用いてなる前記性能を有する空気入りタイヤに関するものである。
近年、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴い、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤの性能についても転がり抵抗の減少が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法についても検討されてきたものの、トレッドゴム層として、より発熱性の低いゴム組成物を用いることが最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得るために、数多くの技術開発がなされてきているが、エネルギーロス低減の点からは、トレッドゴムをより固くすることが有利なことは知られている。しかし、この場合には、押出し性は悪化するなどタイヤ製造の際の作業性に悪影響を及ぼす。
一方、近年、自動車の安全性への関心の高まりに伴い、低燃費性能のみならず、湿潤路面での性能(以下、ウェット性能という)、特に、制動性能についても要求が高まってきた。このため、タイヤトレッドのゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵抗の低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度に両立するものが必要とされている。
このような、良好な低燃費性と良好なウェット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方法として、補強用充填材として、これまで一般的に用いられてきたカーボンブラックに変えてシリカを用いる方法がすでに行われている。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不十分になるため、通常は、シリカ表面のシラノール基がアルコキシシランと縮合反応することを利用して種々のアルコキシシランが、シリカ表面処理剤あるいはカップリング剤として用いられている。例えば、最近シランカップリング剤として、アシルチオアルキルトリアルコキシシラン等の保護化メルカプトシランが開発されている(例えば、特許文献1参照)。この保護化メルカプトシランは、ゴム組成物中へのシリカの分散性を良くし、作業性を向上させると共に、転がり抵抗性能も向上させる作用を有しているが、動的貯蔵弾性率E’も同時に低下させるため、乾燥路面での操縦安定性を悪化させるという問題があった。
シリカ配合ゴムの省燃費性を損なわずに操縦安定性を向上させる方法として、樹脂を添加する方法が知られているが(例えば特許文献2、特許文献3参照)、これらの樹脂とゴムとの相溶性は不十分であり、加硫ゴムの表面荒れが生じる等の問題を有している。
特表2001−505225号公報 特開2000−80205号公報 特開2000−290433号公報
本発明は、このような状況下で、補強用充填材としてシリカを含み、優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性、特に乾燥路面での操縦安定性に優れる空気入りタイヤを与えるゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いてなる前記の性能を有する空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に、シリカと、特定の性状を有する超微粒カーボンブラックと、特定の構造を有する保護化メルカプトシランからなるシランカップリング剤とを、それぞれ所定の割合で配合したゴム組成物により、その目的を達成し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分と、その100質量部に対し、(B)シリカ20〜100質量部及び(C)窒素吸着法比表面積(N2SA)が200〜300m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量が80〜140mL/100gであるカーボンブラック5〜40質量部を含むと共に、(D)一般式(I)
Figure 2008214521
[式中、R1はR6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67CNO−、R67N−又は−(OSiR67m(OSiR567)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、mは0〜10の整数である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)a]0.5−基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
で表されるシランカップリング剤を、前記(B)成分のシリカに対して5〜50質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物、
(2)カーボンブラックが、比着色力135(%)以上のものである上記(1)に記載のゴム組成物、
(3)全補強用充填材中のカーボンブラックの含有割合が40質量%以下である上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物、
(4)(D)成分の一般式(I)で表されるシランカップリング剤が、アシルチオアルキルトリアルコキシシランである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物、及び
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、シリカとカーボンブラックの配合系において、カーボンブラックとして、特定の性状を有する超微粒品を用い、かつアシルチオアルキルトリアルコキシシラン等の特定構造の保護化メルカプトシランからなるシランカップリング剤を配合することにより、従来品よりも優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性、特に乾燥路面での操縦安定性に優れる空気入りタイヤを与えることができるゴム組成物、並びにこのゴム組成物をトレッドに用いてなる前記性能を有する空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分と、(B)シリカ、(C)カーボンブラック及び(D)保護化メルカプトシランからなるシランカップリング剤を含む組成物である。
本発明のゴム組成物においては、(A)ゴム成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムが用いられる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)及びこれらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。これらのジエン系合成ゴムの中で、スチレン−ブタジエン共重合体が、製造しやすさ及び得られるタイヤの性能等の観点から、好ましい。
本発明においては、(A)ゴム成分として、天然ゴムを単独で用いてもよいし、前記ジエン系合成ゴム一種以上を用いてもよく、また、天然ゴムとジエン系合成ゴム一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物において、(B)成分として用いられるシリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸)が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
この湿式シリカは、補強性、加工性、ウェットグリップ性、耐摩耗性のバランス等の面から、BET法による窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜280m2/gであることが好ましく、70〜250m2/gであることがより好ましい。好適な湿式シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)製の「ニップシールAQ」(N2SA:190m2/g)、「ニップシールVN3」、「ニップシールLP」、「ニップシールNA」等、デグッサ社製の「ウルトラジルVN3」(N2SA:175m2/g)等が挙げられる。
この(B)成分のシリカは、前記(A)成分であるゴム成分100質量部に対し、20〜100質量部、好ましくは40〜90質量部の範囲で配合される。当該シリカの配合量が20質量部未満では、補強性や他の物性の改良効果が不十分であるし、100質量部を超えると作業性及び転がり抵抗が悪化する。
本発明のゴム組成物においては、前記シリカと共に、(C)成分としてカーボンブラックが併用される。
このカーボンブラックとしては、以下に示す性状を有するものを用いることを要す。すなわち、窒素吸着比表面積(N2SA)が200〜300m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量(以下、DBPという。)が80〜140mL/100gであって、比着色力が、好ましくは135(%)以上、より好ましくは
140〜160(%)であるカーボンブラックが用いられる。
このような超微粒のカーボンブラックを用いることにより、ゴム組成物の動的貯蔵弾性率E’が高くなり、乾燥路面での操縦安定性に優れるタイヤが得られる。
このようなカーボンブラックとしては、例えば、東海カーボン社製、商品名「トーカブラック#8500」や旭カーボン社製、商品名「SUNBLACK970」等の微粒子径のカラー用カーボンブラックが挙げられる。
本発明においては、(C)成分として、前記カーボンブラックを一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。この(C)成分のカーボンブラックの配合量は、補強効果、操縦安定性、作業性等の観点から、(A)成分であるゴム成分100質量部に対して、5〜40質量部であり、好ましくは10〜30質量部である。
また、ウェットグリップ性の確保の観点から、全補強用充填材中の当該カーボンブラックの含有割合は40質量%以下が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。
本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、シリカ以外の補強用無機充填材を適宜量配合することができる。シリカ以外の補強用無機充填材としては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物を挙げることができる。
mM1・xSiOy・zH2O ・・・(II)
(式中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。尚、上記式において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。)
上記式で表される無機フィラーとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が使用できる。また、前記一般式(II)中のM1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
上記式で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。
本発明のゴム組成物においては、(C)成分として、一般式(I)
Figure 2008214521
で表される保護化メルカプトシランからなるシランカップリング剤が用いられる。
一般式(I)において、R1はR6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67CNO−、R67N−又は−(OSiR67m(OSiR567)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、mは0〜10の整数である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)a]0.5−基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
前記一般式(I)において、炭素数1〜18の一価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等を挙げることができる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、前記アリール基及びアラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよい。
前記炭素数1〜18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基,フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基,ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記一般式(I)において、R8で表される炭素数1〜18のアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
また、R4で表される炭素数1〜18の二価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよい。
このR4としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等のアシルチオアルキルトリアルコキシシランを挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、(D)成分として、このようなシランカップリング剤を用いることにより、ゴム組成物中へのシリカの分散性をよくし、作業性を向上させると共に、低燃費性も向上させ、しかも微粒カーボンブラックも効果的に分散させることにより、低燃費性に優れ、かつ操縦安定性に優れる空気入りタイヤを与えることができる。
本発明においては、この(D)成分のシランカップリング剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(B)成分のシリカに対して、5〜50質量%の範囲で選定される。当該シランカップリング剤の配合量が上記範囲にあれば、前記本発明の効果が充分に発揮される。好ましい配合量は10〜25質量%の範囲である。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、0.5〜5.0質量部がより好ましい。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜3.5質量部である。
本発明のゴム組成物は、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤ用途として、タイヤトレッドに用いられる。また、その他アンダートレッド、サイドウォール、カーカスコーティングゴム、ベルトコーティングゴム、ビードフィラー、チェーファー、ビードコーティングゴム等にも用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、前述の本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階でタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、シリカとカーボンブラックの配合系であって、従来品よりも優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性に優れている。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、カーボンブラックの窒素吸着法比表面積(N2SA)、DBP及び比着色力、加硫ゴムの動的粘弾性並びに空気入りタイヤの操縦安定性の評価は、下記の方法に従って行った。
<窒素吸着法比表面積(N2SA)>
JIS K6217−2:2001(A法)に準拠して測定した。
<DBP>
JIS K6217−4:2001に準拠し、アブソープメータE型を用いて測定した。
<比着色力>
JIS K6217−5:2001(デンシクロン法)に準拠して測定した。
<動的粘弾性評価及び低燃費性の評価>
東洋精機社製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を使用し、加硫ゴムシートについて、周波数50Hz、0.5%歪の条件で、50℃における動的貯蔵弾性率(E’)と動的損失正接(tanδ)を測定し、それぞれ比較例1を100とした指数で示した。
低燃費性の評価は、前記指数化されたtanδを指標として行った。値が小さいほど、低燃費性は良好である。
<操縦安定性の評価>
乾燥状態のテストコースにおいて、高速道路、及び市街地を想定した高速直進性、レーンチェンジを主体とした各種走行モードにて走行したときのテストドライバーのフィーリング評価を、比較例1を100とした指数で示した。値が大きいほど操縦安定性は良好である。なお、乗用車用ラジアルタイヤPSR225/45R17(内圧は230kPa)にて評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜4
表1に示す配合組成の7種類のゴム組成物を調製した。各ゴム組成物について、加硫温度145℃、加硫時間30分間の条件で加硫ゴムサンプルを作製し、動的貯蔵弾性率(E’)及び動的損失正接(tanδ)を測定した。結果を表1に示す。
また、各ゴム組成物をトレッドゴムとして用いた7種類のタイヤサイズ225/45R17の空気入りタイヤを常法に従って試作し、操縦安定性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008214521
[注]
1)乳化重合SBR;JSR(株)製「SBR1712」、アロマティックオイル含量27.3質量%油展SBR、SBRの重量平均分子量:70万
2)シリカ;東ソーシリカ(株)製「ニップシールAQ」
3)シランカップリング剤
A:Degussa社製「Si75」
B:General Electric Silicones社製「NXTシラン」、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン
4)カーボンブラック
A:キャボットジャパン社製「ショウブラックN234」、N2SA123m2/g、DBP123mL/100g、比着色力126(%)
B:Cabot社製「Vulcan10H」、N2SA144m2/g、DBP127mL/100g、比着色力131(%)
C:旭カーボン社製「SUNBLACK900」、N2SA210m2/g、DBP72mL/100g、比着色力150(%)
D:東海カーボン社製「トーカブラック#8500」、N2SA260m2/g、DBP90mL/100g、比着色力150(%)
E:旭カーボン社製「SUNBLACK970」、N2SA290m2/g、DBP96mL/100g、比着色力156(%)
5)老化防止剤6PPD;大内新興化学工業社製「ノクラック6C」、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
6)加硫促進剤DPG;大内新興化学工業社製「ノクセラーD」、ジフェニルグアニジン
7)加硫促進剤CZ;大内新興化学工業社製「ノクセラーCZ」、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
比較例2は、シランカップリング剤Bを用いることにより、低燃費性は向上するが、操縦安定性は低下する。比較例3は、比較例2のカーボンブラックAをカーボンブラックBに変更することにより、比較例2と対比して、操縦安定性は少し改良するが、低燃費性が若干悪くなる。
比較例4は、微粒カーボンブラックCを用いているが、DBPが80mL/100g未満と小さいため、効果的な分散が得られず、低燃費性が悪化し、比較例1と同程度となり、また、操縦安定性も比較例1のレベルまで回復しない。
実施例1〜3は、シランカップリング剤Bを用い、シリカ自体の分散性を改良し、かつ超微粒カーボンブラックD、Eの分散性も改良するため、低燃費性を保持することができる。また、カーボンブラックD、Eの効果的な分散により、操縦安定性の向上が見られ、操縦安定性を犠牲にすることなく、高い低燃費性能を示すことが分かる。
本発明のゴム組成物は、シリカとカーボンブラックの配合系であって、従来品よりも優れた低燃費性を示すと共に、操縦安定性に優れる各種の空気入りタイヤ、即ち、乗用車用、軽自動車用、軽トラック用及びトラック、バス、建設用車両等の大型車両用などの空気入りラジアルタイヤ又は空気入りバイアスタイヤを与えることができる。

Claims (5)

  1. (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分と、その100質量部に対し、(B)シリカ20〜100質量部及び(C)窒素吸着法比表面積(N2SA)が200〜300m2/gであり、かつジブチルフタレート吸油量が80〜140mL/100gであるカーボンブラック5〜40質量部を含むと共に、(D)一般式(I)
    Figure 2008214521
    [式中、R1はR6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67N−又は−(OSiR67m(OSiR567)(ただし、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、mは0〜10の整数である。)、R2はR1、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R3はR1、R2又は−[O(R8O)a]0.5−基(ただし、R8は炭素数1〜18のアルキレン基、aは1〜4の整数である。)、R4は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R5は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
    で表されるシランカップリング剤を、前記(B)成分のシリカに対して5〜50質量%の割合で含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. カーボンブラックが、比着色力135(%)以上のものである請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 全補強用充填材中のカーボンブラックの含有割合が40質量%以下である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. (D)成分の一般式(I)で表されるシランカップリング剤が、アシルチオアルキルトリアルコキシシランである請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
JP2007055137A 2007-03-06 2007-03-06 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Pending JP2008214521A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007055137A JP2008214521A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007055137A JP2008214521A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008214521A true JP2008214521A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39834952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007055137A Pending JP2008214521A (ja) 2007-03-06 2007-03-06 ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008214521A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012513515A (ja) * 2008-12-22 2012-06-14 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン ブロックトメルカプトシランカップリング剤を含有するゴム配合物
EP2957593A1 (de) 2014-06-20 2015-12-23 Continental Reifen Deutschland GmbH Kautschukmischung, ihre verwendung und fahrzeugluftreifen

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012513515A (ja) * 2008-12-22 2012-06-14 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン ブロックトメルカプトシランカップリング剤を含有するゴム配合物
EP2957593A1 (de) 2014-06-20 2015-12-23 Continental Reifen Deutschland GmbH Kautschukmischung, ihre verwendung und fahrzeugluftreifen
DE102014211817A1 (de) 2014-06-20 2015-12-24 Continental Reifen Deutschland Gmbh Kautschukmischung, ihre Verwendung und Fahrzeugluftreifen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5006617B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JP4663687B2 (ja) ゴム組成物ならびにそれを用いたトレッドおよび/またはサイドウォールを有するタイヤ
US6489389B1 (en) Rubber composition for tire treads
JP5189296B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
US20080033103A1 (en) Rubber Composition for Tires
JP2008231417A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003192842A (ja) タイヤ用ゴム組成物および当該ゴム組成物を用いたタイヤ
EP0697432B1 (en) Rubber composition for tire treads
WO2016009775A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法および空気入りタイヤ
JP2008214377A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2008127468A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP4477386B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP2011140567A (ja) ゴム組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたタイヤ
JP2009280699A (ja) タイヤ
JP4646523B2 (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP5957210B2 (ja) ゴム組成物及びその製造方法
JP4163863B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5977502B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP5809020B2 (ja) ゴム組成物及びゴム組成物の製造方法
JP2008214521A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP4094365B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP4713052B2 (ja) ゴム組成物及びこれを用いたタイヤ
JP2004010689A (ja) タイヤ
EP3190145B1 (en) Method for producing rubber composition, rubber composition and tire
JP2002348412A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ