JP2008207273A - 切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コーナー部近傍の切刃で切削時の温度差により発生する大きな損傷を防止できる切削工具を提供する。
【解決手段】 多角形板状で、2つの主面をすくい面2と着座面3とし、側面を逃げ面4とし、すくい面2と逃げ面4との交差稜を切刃5とし、すくい面2のコーナー部にR切刃7を設け、すくい面2の切刃5に続く外周部にランド8を設け、少なくともコーナー部のランド8に続くすくい面2の中央側にブレーカ溝10とブレーカ突起11とを順に設けたスローアウェイチップ1で、R切刃7に続く辺部切刃6に切欠き14を設けるとともに、切欠き14のコーナー部の外挿頂点pからの距離を切刃5の一辺の長さLに対して0.2L以下とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は切削工具に関し、特にコーナー部の切刃における耐熱衝撃性を高めた切削工具に関する。
金属等の切削に用いられる切削工具は最近要求が厳しくなっており、長寿命化はもちろんのこと切削工具が使用される切削条件も高速切削や難削材の加工等の厳しい条件で使用される傾向にある。このような切削工具においては、加工条件が厳しくなるにつれて切削時に切刃が高温になり、高温になった切刃を含むコーナー部分が熱衝撃によって大きく欠損することが発生している。特に、Tiを主成分とするサーメットは超硬合金に比べて熱伝導率が低いために、切削時に切刃に熱がこもって高温となりやすい。そして、高温になったコーナー部の切刃と温度が上がりにくいそれに続く切刃との間で大きな温度差ができる結果、熱衝撃によって切刃から近い位置にクラックが発生しこれが進展して、コーナー部全体が欠損して大きく損傷してしまうことがあった。
そこで、例えば特許文献1には、ブレーカ溝の底面に切屑が接触しないような凹部を形成することによって、切屑のブレーカ溝への接触面積を小さくして切刃近傍のみが高温となるのを防止して、サーマルクラックの発生・進行を抑制できることが記載されている。
特開平4−294911号公報
上記特許文献1の構成からなる切削工具のように、ブレーカ溝の底面に切屑が接触しないようにして切削時の切刃の温度を下げる方法では、切刃の温度が下がってサーマルクラックの進行を抑制する効果はある。しかしながら、高温となったコーナー部の切刃と温度が低いそれに続く辺部の切刃との温度差自体は解消されないので、コーナー部のR形状切刃に続く辺部切刃に切削時に発生する温度差に起因する熱膨張挙動の違いからコーナー部のR形状切刃に続く切刃の特定の位置には大きな歪みが発生しており、熱衝撃によってこの特定位置からクラックが発生して進展していき、最終的にはコーナー部ごと大きく欠損してしまうことは解消されなかった。
そこで、本発明の切削工具は上記問題を解決するためのものであり、その目的は、コーナー部近傍の切刃で切削時の温度差により発生する大きな損傷を防止した切削工具を提供することである。
本発明の切削工具は、多角形板状で、2つの主面をすくい面と着座面とし、側面を逃げ面とし、前記すくい面と前記逃げ面との交差稜を切刃とし、前記すくい面のコーナー部にR形状の切刃を設け、前記すくい面の前記切刃に続く外周部にランドを設け、少なくとも前記コーナー部の前記ランドに続く前記すくい面の中央側にブレーカ溝とブレーカ突起とを順に設けたもので、前記R形状の切刃に続く辺部の前記切刃に切欠きを設けるとともに、該切欠きの前記コーナー部の外挿頂点からの距離Lが前記切刃の一辺の長さLに対して0.2L以下であることを特徴とする。
ここで、上記構成において、前記切欠きの前記コーナー部の外挿頂点からの距離Lが、前記ブレーカ突起の頂部のうちの前記コーナー部側の先端を通って前記コーナー部の二等分線と直交する直線と前記切刃との交点と前記コーナー部の外挿頂点との長さL以下であることが望ましい。
また、前記切欠きが前記すくい面側から見て円弧状であり、該円弧の半径は前記ランドの幅以上で前記コーナーRの半径以下であることが望ましい。
さらに、上記構成において、前記ブレーカ溝の前記切刃側の壁面に、前記ランドの高さよりも低い小突起を設けたことが望ましい。
また、上記構成において、前記切欠きが前記逃げ面の上端から下端にかけて設けられているか、または前記切欠きが前記切刃から前記逃げ面の途中まで設けられていることが望ましい。
本発明の切削工具は、コーナー部のR形状切刃に続く切刃における切削加工時の切込み位置よりも少しだけコーナー部から離れる位置に切欠きを設けることによって、R形状の切刃に続く辺部切刃に大きな温度差が発生して熱膨張挙動に違いが生じてもR形状の切刃に続く辺部切刃に大きな歪みが発生することを抑制でき、結果的に熱衝撃によってコーナー部ごと欠損によって損傷することを抑制できる。また、コーナー部の外挿頂点から切削時の切り込み深さよりもわずかに遠い位置に切欠きを設けるので、R形状の切刃から切欠きまでは、切欠きを設けない従来の構成と比較して温度が均一に上昇し、これも大きな歪みが発生しやすいR切刃から切欠きまでの間における大きな歪みが発生するのを抑制する効果がある。
ここで、上記構成において、前記切欠きの前記コーナー部の外挿頂点からの距離Lが、前記ブレーカ突起の頂部のうちの前記コーナー部側の先端を通って前記コーナー部の二等分線と直交する直線と前記切刃との交点と前記コーナー部の外挿頂点との長さL以下であることが、コーナー部近傍の切刃における切刃の温度をより均一化して、R形状の切刃から切欠きまでの間における歪みをより確実に抑制する効果がある点で望ましい。
また、上記構成において、前記切欠きが前記すくい面から見て円弧状であり、該円弧の半径は前記ランドの幅以上で前記R切刃の半径以下であることが、切刃の強度を維持しつつR形状の切刃に続く辺部切刃に発生する歪みの発生を防止できる点で望ましい。
さらに、上記構成において、前記ブレーカ溝の前記切刃側の壁面に、前記ランドの高さよりも低い小突起を設けることによって、切屑とブレーカ壁面との接触面積を小さくできて切削時におけるR形状の切刃の温度上昇を抑制できる点で望ましい。
なお、上記構成において、前記切欠きが前記逃げ面を貫通するように設けられている場合には、プレス成形の際に金型自体に切欠きを形成できることから製造が容易である。他方、前記切欠きが前記切刃から前記逃げ面の途中まで設けられている場合には、切刃の強度が低下するのをより抑制できるという効果がある。
本発明の切削工具の一例について、スローアウェイチップ1の(a)平面図、(b)側面図である図1、および図1中のA−A線部分についての要部拡大断面図である図2を基に説明する。
図1、図2に示すように、スローアウェイチップ(以下単にチップと略す。)1は、多角形板状で、2つの主面をすくい面2と着座面3とし、側面を逃げ面4とし、前すくい面2と逃げ面4との交差稜を切刃5とし、すくい面2のコーナー部にR形状の切刃(以下、R切刃と称す。)7を設け、すくい面2の切刃5に続く外周部にランド8を設け、少なくともコーナー部のランド8に続くすくい面2の中央側にブレーカ溝10とブレーカ突起11とを順に設けた構成からなる。なお、図1によれば、すくい面2上にはブレーカ突起11以外に複数の島状突起12が設けられ、ブレーカ突起11および島状突起12とこれらの間を連結する中間壁13によってすくい面2の中央部が囲まれた形状からなる。なお、図2によれば、ランド8は着座面3と平行な平行ランドとなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ランド8が着座面3と平行な方向よりもすくい面2の中央側に向かって着座面側に向かうポジランドであってもよい。
そして、本発明によれば、R切刃7に続く辺部の切刃(以下、辺部切刃と称す。)6に切欠き14を設けるとともに、切欠き14のコーナー部の外挿頂点pからの距離Lが切刃5の一辺の長さLに対して0.2L以下であることを特徴とする。これによって、R切刃7に続く辺部切刃6の所定位置に大きな温度差が発生して、これに起因して熱膨張挙動が部分的に違っていても従来クラックが発生していた所定位置に大きなひずみが発生することを抑制でき、結果的に熱衝撃によってコーナー部の全体が欠損により損傷することを抑制できる。また、R切刃7の先端から切削時の切り込み深さよりもわずかに遠い位置に切欠きを設けるので、R切刃7から切欠き14までの温度を小さくすることができ、温度の違いによる熱膨張の違いによってもR切刃7に続く辺部切刃6の特定位置に歪みが発生するのをさらに防止できる。なお、本発明におけるコーナー部の外挿頂点pとはコーナー部に続く2つの辺部を外挿したときの交点を指す。
すなわち、切欠き14を形成しないと、R切刃7に続く辺部切刃6の所定位置に大きな温度差が発生して、これに起因する熱膨張挙動の部分的な違いによって前記所定位置に大きなひずみが発生してクラックが発生し、熱衝撃によってコーナー部の全体が欠損により損傷する。また、切欠き14のコーナー部の外挿頂点pからの距離Lが切刃5の一辺の長さLに対して0.2Lより長いと、辺部切刃6の所定位置に発生する大きな温度差とこれに起因する大きなひずみの発生を抑制することができず、結果的に熱衝撃によってコーナー部の全体が欠損により損傷する。
ここで、上記構成において、切欠き14のコーナー部の外挿頂点pからの距離Lが、ブレーカ突起11の頂部のうちのコーナー部側の先端pを通ってコーナー部の二等分線A−Aと直交する直線B−Bと切刃5(辺部切刃6)との交点pとコーナー部の外挿頂点との間の長さL以下となっている。これによって、コーナー部近傍の辺部切刃6の温度をより均一化して、R切刃7から切欠き14までの間における歪みをより確実に抑制する効果がある。
また、図2に示すように、切欠き14がすくい面2側から見て円弧状であり、該円弧の半径rはランド8の幅以上でR切刃7の半径以下であることが、切刃5の強度を維持しつつR切刃7に続く辺部切刃6の特定位置における歪みの発生を防止できる点で望ましい。
また、図2の変形例である図3に示すように、ブレーカ溝10のR切刃7側の壁面に、ランド8の高さよりも低い小突起15を設けることによって、被削材が削り取られた高温の切屑とブレーカ溝10のコーナー部側の壁面との接触面積を小さくできて切削時におけるR切刃7の温度上昇を抑制できる点で望ましい。
さらに、図1のコーナー部付近についての要部拡大側面図である図4に示すように、切欠き14が逃げ面4の上端から下端にかけて設けられている場合(図4(a)参照)には、プレス成形の際に金型自体の形状を調整してチップ1の成形体に切欠き14を形成できることから製造が容易である。一方、切欠き14が切刃5から逃げ面4の途中まで設けられている場合(図4(b)参照)には、切刃5の強度が低下するのをより抑制できるという効果がある。
また、図1ではブレーカ突起11は上面視で略半円状をなしているが、楕円状や略三角形形状であってもよい。さらに、ブレーカ溝9の断面形状は、図2のように円弧状でもよいし、図3のようにR切刃7側の斜面の傾斜が大きい曲面形状であってもよい。
さらに、上記チップ1を構成する材料として、超硬合金やセラミックスはもちろんのこと、Ti基サーメットに対して特に好適に採用可能である。
本発明の切削工具に好適なTi基サーメットの構成としては、断面組織を走査型電子顕微鏡にて観察した場合に、Tiを主成分とする周期表第4、5および6族金属の窒化物または炭窒化物からなる硬質相をCoまたはNiを主成分とする結合相で結合してなる。硬質相は、黒色の粒子として観察される第1硬質相と、灰白色の粒子、または白色の芯部の周辺に灰白色の周辺部が存在する有芯構造からなる粒子として観察される第2硬質相にて構成される。なお、上記灰白色とは、写真撮影の条件によって白色に近い色調に見えることもあり、灰色に近い色調に見えることもある。さらに、第1硬質相の外周には、灰白色の周辺部が存在して有芯構造をなしていてもよい。
また、サーメットの表面近傍における断面組織を観察した場合、サーメットの表面に、硬質相全体に対する第1硬質相が占める平均面積をAとし、第2硬質相が占める平均面積をBとしたとき、AとBとの比率(B/A)が前記サーメットの内部における硬質相全体に対する第1硬質相が占める平均面積をAとし、第2硬質相が占める平均面積をBとしたとき、AとBとの比率(B/A)よりも大きい表面領域が存在することが、サーメットの表面近傍における熱伝導性を高めてサーメットの耐熱衝撃性を向上させるために望ましい。比率(B/A)の特に望ましい範囲は3〜10であり、比率(B/A)/比率(B/A)の望ましい範囲は1.2〜2.3である。
なお、表面領域においては、表面領域における第2硬質相の平均粒径をbとしたとき、内部における第2硬質相の平均粒径bとの比率(b/b)が1.1〜2であることが、表面領域における第2硬質相が熱伝播に有効に寄与してサーメットの熱伝導率が向上し、サーメットの耐熱衝撃性が向上する点で望ましい。ここで、本発明における硬質相の粒径の測定は、CIS−019D−2005に規定された超硬合金の平均粒径の測定方法に準じて測定する。この時、硬質相が有芯構造からなる場合については、芯部と周辺部を含めた周辺部の外縁までを1つの硬質相としてその粒径を測定する。
さらに、表面領域が30〜300μmの厚さで存在することが、サーメットの表面近傍における熱伝導性を高めてサーメットの耐熱衝撃性を向上させるために望ましい。なお、本発明におけるサーメットの内部における断面組織を観察する場合には、サーメットの表面からの深さが1000μm以上の領域において観察する。
また、サーメットの内部については、第2硬質相の平均面積が第1硬質相の平均面積よりも大きいこと、望ましくは内部における硬質相全体に対する第1硬質相が占める平均面積をAとし、第2硬質相が占める平均面積をBとしたとき、AとBとの比率(B/A)が1.5〜5であることが、第2硬質相が熱伝播により有効に寄与してサーメットの熱伝導率が向上し、サーメットの耐熱衝撃性が向上する点で望ましい。
また、サーメットの内部において、第2硬質相の平均粒径が第1硬質相の平均粒径よりも大きいこと、望ましくは内部における第1硬質相の平均粒径をaとし、第2硬質相の平均粒径をbとしたとき、aとbとの比率(b/a)が2〜8であることが、第2硬質相が熱伝播に有効に寄与してサーメットの熱伝導率が向上し、サーメットの耐熱衝撃性が向上する点で望ましい。aとbとの比率(b/a)の望ましい範囲はサーメットの耐欠損性を維持できる点で3〜7である。
また、サーメットに含有される硬質相をなすTiを主成分とする周期表第4、5および6族金属の窒化物または炭窒化物の合計含有比率は70〜96質量%であることが望ましく、特に耐摩耗性の向上の点で88〜96質量%であることが望ましい。一方、結合相の含有比率は4〜12質量%であることによって、基体の硬度および靭性のバランスに優れたものとなる。また、結合相としては、鉄族金属の総量に対してCoを65質量%以上含有することが切削工具の耐熱衝撃性を高めるために望ましい。なお、サーメット1の焼肌面が平滑な面となるようにサーメット1の良好な焼結性を維持するためには、鉄族金属としてNiを5〜50質量%、特に10〜35質量%の割合で含有せしめることが望ましい。
そして、所望により、サーメットの表面に被覆層を成膜する。被覆層の成膜方法として、イオンプレーティング法やスパッタリング法等の物理蒸着(PVD)法が好適に適応可能であり、ダイヤモンド層等の熱伝導性能に優れた被覆層を用いることもできる。
なお、上記チップ1は仕上げ加工等の軽切削、具体的には、切込みd=0.5〜2mm、送りf=0.1〜0.4mm/revの条件を推奨できるものである。
マイクロトラック法による測定で平均粒径(d50値)が0.6μmのTiCN粉末を45質量%、平均粒径1.1μmのWC粉末を15質量%、平均粒径1.5μmのTiN粉末を3質量%、平均粒径2μmのTaC粉末を5質量%、平均粒径1.5μmのNbC粉末を10質量%、平均粒径1.8μmのZrC粉末を3質量%、平均粒径1.0μmのVC粉末を1質量%、平均粒径2.4μmのNi粉末を2質量%、および平均粒径1.9μmのCo粉末を6質量%の割合で調整した混合粉末をステンレス製ボールミルと超硬ボールを用いて、イソプロピルアルコール(IPA)を添加して湿式混合し、パラフィンを3質量%添加、混合した後、200MPaでプレス成形し、1200℃まで10℃/分で昇温し、1200℃から1350℃まで0.5℃/分で昇温し、1375℃まで5℃/分で昇温した後、800Paの窒素中、1575℃で70分間焼成して、CNMG120408(L=12.896mm、R切刃の曲率半径=0.40mm)でランド幅0.1mmとした表1に示すブレーカ溝、ブレーカ突起と切欠きを具備する図1の工具形状のスローアウェイチップを作製した(試料No.1〜6)。
得られたチップについて、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行い、10000倍の写真にて、表面および内部のそれぞれ任意5箇所について市販の画像解析ソフトを用いて8μm×8μmの領域で画像解析を行い、硬質相の存在状態、表面領域の存在を確認するとともにこれらの平均粒径を測定し、これらの比率を算出した。結果は表1に示した。
次に、得られたサーメット製の切削工具を用いて以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は表1に併記した。
被削材:SCM435
切削速度:250m/min
送り:0.25mm/rev
切込み:1.5mm
切削状態:湿式(水溶性切削液使用)
評価方法:欠損するまでの時間
Figure 2008207273
表1より、切欠きを形成しない試料No.1では、切削時間2分でコーナーR全体が欠損するような損傷が発生してしまった。また、切欠きのコーナー部の外挿頂点からの距離Lが切刃の一辺の長さL(12.896mm)に対して0.2L(L=2.579mm)より大きい試料No.6でも、切削時間5分でコーナーR全体が欠損するような損傷が発生してしまった。
これに対して、切欠きを形成した試料No.2〜5では、いずれもコーナーR全体が欠損するような損傷が発生しにくく工具寿命が長くなった。
実施例1のサーメットに対して原料粉末の粒径および焼成時のガス圧を調整して表2に示す構成のサーメットで、実施例1で作製した試料No.2の切削工具形状からなるチップを作製し(試料No.7〜11)、実施例1と同じ条件で切削評価を行った。
Figure 2008207273
Figure 2008207273
表2、3の結果から明らかなように、いずれもコーナーR全体が欠損するような損傷が発生しにくく、中でも表面における第2硬質相の存在比率が内部における第2硬質相の存在比率よりも多く、かつ表面における第2硬質相の粒経が内部における第2硬質相の粒経に比べて大きい表面組織を有する試料No.8〜10ではチッピングがより発生しにくかった。さらに、サーメットの内部における硬質相の平均粒径が1μm以下の試料No.7〜9、11では、さらにクラックの進展が抑制されて、工具寿命が長くなった。
本発明の切削工具の好適例であるスローアウェイチップの一実施例を示す(a)正面図、(b)側面図である。 図1中のA−A線における一部拡大断面図である。 図2に対する変形例を示す一部拡大断面図である。 (a)図1中のコーナー部近傍における要部拡大側面図であり、(b)(a)の変形例を示す要部拡大側面図である。
符号の説明
1 スローアウェイチップ
2 すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 切刃
6 辺部切刃
7 R切刃
8 ランド
10 ブレーカ溝
11 ブレーカ突起
12 島状突起
13 中間壁
14 切欠き
15 小突起
コーナー部の外挿頂点
ブレーカ突起の頂部のコーナー部側の先端位置
コーナー部の二等分線A−Aと直交する直線B−Bと切刃との交点
L 切欠きのコーナー部の外挿頂点pからの距離
切刃の一辺の長さ
ブレーカ突起の頂部のうちのコーナー部側の先端を通ってコーナー部の二等分線A−Aと直交する直線B−Bと辺部切刃との交点とコーナー部の外挿頂点との間の長さ

Claims (6)

  1. 多角形板状で、2つの主面をすくい面と着座面とし、側面を逃げ面とし、前記すくい面と前記逃げ面との交差稜を切刃とし、前記すくい面のコーナー部にR形状の切刃を設け、前記すくい面の前記切刃に続く外周部にランドを設け、少なくとも前記コーナー部の前記ランドに続く前記すくい面の中央側にブレーカ溝とブレーカ突起とを順に設けた切削工具において、
    前記R形状の切刃に続く辺部の前記切刃に切欠きを設けるとともに、該切欠きの前記コーナー部の外挿頂点からの距離Lが前記切刃の一辺の長さLに対して0.2L以下であることを特徴とする切削工具。
  2. 前記切欠きの前記コーナー部の外挿頂点からの距離Lが、前記ブレーカ突起の頂部のうちの前記コーナー部側の先端を通って前記コーナー部の二等分線と直交する直線と前記切刃との交点と前記コーナー部の外挿頂点との長さL以下であることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 前記切欠きが前記すくい面側から見て円弧状であり、該円弧の半径は前記ランドの幅以上で前記コーナー部の半径以下であることを特徴とする請求項1または2記載の切削工具。
  4. 前記ブレーカ溝の前記切刃側の壁面に、前記ランドの高さよりも低い小突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の切削工具。
  5. 前記切欠きが前記逃げ面の上端から下端にかけて設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の切削工具。
  6. 前記切欠きが前記切刃から前記逃げ面の途中まで設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の切削工具。
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