JP2008202650A - ベアリングシール - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気エンコーダの保護を確実に行うと共にシール機能も的確に発現し得る新規なパックシールタイプの磁気エンコーダ付きベアリングシールを提供する。
【解決手段】回転側部材2に嵌合一体に装着される円筒部7a及びこの円筒部の一端に連設された鍔部7bを備えるスリンガ7と、固定側部材3に嵌合一体に装着され該スリンガに弾性摺接するシールリップ8aを備えるシールリップ部材8と、上記スリンガの鍔部の反軸受部側面に添設された環状多極磁石10と、回転側部材に嵌合一体に装着される円筒部9a及びこの円筒部の一端に連設された鍔部9bを備える非磁性体製カバー部材9とよりなり、上記スリンガ鍔部7bは、その径方向幅が環状多極磁石の周縁部より突出する突出鍔部7cを含む大きさとされ、カバー鍔部9bは、その周縁部分にスリンガ鍔部側に折曲された折曲部9cを備え、この折曲部はスリンガの上記突出鍔部の反軸受部側面に近接乃至は当接するよう形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用車輪等の軸受部をシールし、且つ車輪等の回転側部材の回転数を検出する為の磁気エンコーダを備えるパックシールタイプのベアリングシールに関する。
自動車用車輪は、内輪、外輪及び内外輪間に介在される転動体によって構成される軸受部を介して回転自在に支持される。そして、転動体が介在される軸受空間は、内外輪間に介装されたベアリングシールによって密封され、軸受部内に装填された潤滑剤の漏出防止や外部からの汚泥等の浸入の防止が図られている。このベアリングシールとしては、回転側部材(内輪、外輪のいずれか)に嵌合一体に装着されるスリンガと、固定側部材(同上)に嵌合一体に装着され該スリンガに弾性摺接するシールリップを備えるシールリップ部材とを組合せた所謂パックシールタイプのものが多用されるようになった。
近時、自動車用車輪におけるアンチロックブレーキシステム(ABS)や、トラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為、車輪の回転数検出がなされるようになってきた。上記のようなパックシールタイプのベアリングシールを用いた軸受部(軸受ユニット)によって車輪を支持するようにした自動車の場合、上記スリンガの外側面に多数のN極・S極が周方向に交互且つ等ピッチに着磁形成された環状多極磁石(磁気エンコーダ)を装着し、固定側(車体側)にこの磁気エンコーダに対峙するよう磁気センサを設置し、回転に伴う磁気変化によって車輪の回転数を検出するよう構成された回転数検出装置が採用されている(例えば、特許文献1の図3及び図4、特許文献2〜4参照)。
ところで、上記のようにスリンガの外側面に装着された磁気エンコーダとこれに対峙する磁気センサとにより回転数検出装置を構成する場合、これらは水や土砂等のアタックを受け易い環境に晒される為、磁気エンコーダの表面や磁気センサの検出面が傷付き或いは発錆して、検出精度が低下することがある。その為、上記各特許文献では、磁気エンコーダの表面を非磁性体製の保護カバーで覆い、この保護カバーを介して回転数を検出するような措置が講じられている。
特開平11−303879号公報 特開2002−267680号公報 特開2002−333033号公報 特開2003−240007号公報
然るに、特許文献1の図3に開示されたパックシールタイプのベアリングシールの場合、磁気エンコーダ(特許文献1では磁性環)は、スリンガ(同磁性リングの補強環)と非磁性の保護カバー(同スリンガ)とにより挟装され、その大半が覆われているが、磁気エンコーダの周縁部分は露出状態の為、この部分が上記のような汚泥等のアタックを受け易い環境になお晒されることになり、磨耗が生じたり、スリンガ若しくは保護カバーとの接着部に水等が滲入して剥がれたりする懸念があった。また、特許文献2に開示されたベアリングシールの場合、保護カバーが固定側に取付けられ、回転側である磁気エンコーダとは所定のエアギャップが確保されるよう構成されているが、車輪が従動輪の場合に適用されるものであり、しかも、磁気エンコーダと保護カバーとが対峙する部分は相互回転の関係となる為上記エアギャップの設定は精度を要するものである。
特許文献3の図3に開示されたベアリングシールの場合、スリンガと保護カバーが、共に回転側部材に嵌合される円筒部と、この円筒部に連接された鍔部(立板部)とを有し、磁気エンコーダを両鍔部に挟装した状態で覆い、更に保護カバーの鍔部の周縁部をスリンガ側に折曲げ、磁気エンコーダの周縁部分をも覆うよう構成されている。しかし、保護カバーの鍔部の周縁部がスリンガ側に折曲げられ、この折曲部分がスリンガの周縁部をも覆うように形成されている為、スリンガの鍔部の径方向の幅がこの折曲部分によって制約され、シールリップの摺接面が十分に確保され難くなることが予想される。また、特許文献4に開示されたベアリングシールの場合、保護カバーの回転側部材との嵌合関係はなく、周縁部をスリンガ側に折曲げ、スリンガの周縁部に加締ることによって保護カバーを取付けているが、保護カバーと回転側部材との間に隙間が生じることは避けられず、この部分から汚泥等が浸入する懸念がなお残り、加えて、保護カバーの周縁部をスリンガ側に折曲げることにより、特許文献3の場合と同様スリンガの鍔部の径方向の幅が制約される点も内包するものである。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、磁気エンコーダの保護を確実に行うと共にシール機能も的確に発現し得る新規なパックシールタイプの磁気エンコーダ付きベアリングシールを提供することを目的としている。
本発明のベアリングシールは、固定側部材に対して回転側部材を軸受部を介して回転自在に支持する軸受ユニットにおける固定側部材と回転側部材との間に介装されるパックシールタイプのベアリングシールであって、上記回転側部材に嵌合一体に装着される円筒部及びこの円筒部の一端に連設された鍔部を備えるスリンガと、固定側部材に嵌合一体に装着され該スリンガに弾性摺接するシールリップを備えるシールリップ部材と、上記スリンガの鍔部の反軸受部側面に添設された環状多極磁石と、回転側部材に嵌合一体に装着される円筒部及びこの円筒部の一端に連設された鍔部を備える非磁性体製カバー部材とよりなり、上記スリンガの鍔部は、その径方向幅が環状多極磁石の周縁部より突出する突出鍔部を含む大きさとされ、カバー部材の鍔部は、その周縁部分にスリンガの鍔部側に折曲された折曲部を備え、この折曲部はスリンガの上記突出鍔部の反軸受部側面に近接乃至は当接するよう形成され、上記スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、カバー部材の鍔部とスリンガの鍔部との間に上記環状多極磁石が挟装されると共に、上記折曲部によって環状多極磁石の周縁端面部が覆われるよう構成されていることを特徴とする。
本発明において、前記スリンガの円筒部及びカバー部材の円筒部は、互いに嵌合合体された状態で前記回転側部材に嵌合一体としても良い。前記環状多極磁石としては、ゴム或いは樹脂に磁性粉末を混練して環状に成型した磁石や環状焼結磁石が用いられ、その周方向に多数のN極及びS極が交互に着磁形成されたものとされ、前記スリンガの鍔部の反軸受部側面に接着一体とし、或いはカバー部材の鍔部の軸受部側面に接着一体とされる。
また、本発明において、前記スリンガの折曲部を、その端部に径方向に張出す延出鍔部を更に備え、スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、この延出鍔部が前記突出鍔部の反軸受部側面と重合するよう構成したり、或いは、その端部に折返部を更に備えているものとしたり、更には、円筒状とし、スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、この円筒状折曲部の先端部が前記突出鍔部の反軸受部側面に当接するよう構成することができる。
本発明に係るベアリングシールによれば、固定側部材にシールリップ部材が嵌合一体に装着され、そのシールリップが回転側部材に装着されたスリンガに弾性摺接するから、軸受部のシール機能がこの弾性摺接によって維持される。そして、スリンガ及びカバー部材が、夫々の円筒部をして回転側部材に嵌合一体とされた状態では、カバー部材の鍔部とスリンガの鍔部との間に環状多極磁石が挟装されるから、環状多極磁石の両面及び回転側部材側の周縁端面部は、これらによって完全に覆われる。また、カバー部材の鍔部は、その周縁部分にスリンガの鍔部側に折曲された折曲部を備え、この折曲部によって環状多極磁石の周縁端面部(反回転側部材側)を覆うよう構成されているから、環状多極磁石の略全周面がスリンガ、カバー部材によって覆われる。従って、自動車用車輪の軸受ユニットのように過酷な環境下に晒されても、環状多極磁石が汚泥等のアタックを受けず、傷付きや添設部位からの剥がれ等が生じる懸念がない。更に、カバー部材の上記折曲部は、スリンガの上記突出鍔部の反軸受部側面に近接乃至は当接するよう形成されているから、スリンガの鍔部の軸受部側の面(環状多極磁石が添設される面と反対側の面)の径方向幅の制約が少なく、上記シールリップの摺接面積を大きく確保することができ、シールリップの設計自由度が拡げられる。更に、カバー部材は非磁性体製であるから、固定側に設置される磁気センサに対峙させて回転検出装置を構成した場合にも、その検出精度に影響を及ぼすことがない。
本発明において、スリンガの円筒部及びカバー部材の円筒部を、互いに嵌合し合体した状態で回転側部材に嵌合一体とするようにすれば、環状多極磁石の略全周面がスリンガ及びカバー部材のみによって覆われる。また、回転側部材に対するカバー部材の嵌合代を小さくすることができ、パックシールとして組立てた状態でも嵩張らず、軸受ユニットの組立工程への梱包・搬送等の合理化が図られる。
本発明において、上記カバー部材の折曲部の端部に径方向に張出す延出鍔部を更に備え、この延出鍔部が前記スリンガの突出鍔部の反軸受部側面と重合するよう構成すれば、この延出鍔部による重合幅の存在により、環状多極磁石の上記反回転側部材側の周縁端面部に対する汚泥等の影響回避がより効果的になされる。また、折曲部の端部に折返部を更に備えているものとすれば、この折曲部と折返部とによる屈曲凹部を含む形状により、浸入しようとする汚泥等を一時的に滞留させた後振り切る作用が付加され、上記同様汚泥等の影響回避効果が高くなる。更には、折曲部を円筒状とし、この円筒状折曲部の先端部が前記突出鍔部の反軸受部側面に当接するようにすれば、環状多極磁石の保護が完全になされる上に、シールリップ部材との間のラビリンス設計がし易くなる。
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明のベアリングシールを用いて組立てられた軸受ユニットの一例を示す縦断面図、図2は図1におけるX部の拡大図、図3乃至図5は同ベアリングシールの他の実施形態の断面図である。
図1は自動車の車輪を転がり軸受ユニット1により支持する構造の一例を示すものであり、内輪(回転側部材)2を構成するハブ2Aのハブフランジ2aにボルト2bによりタイヤホイール(不図示)が固定される。また、ハブ2Aに形成されたスプライン軸孔2cには駆動シャフト(不図示)がスプライン嵌合されて、該駆動シャフトの回転駆動力がタイヤホイールに駆動伝達される。そして、ハブ2Aは内輪部材2Bと共に内輪2を構成する。外輪(固定側部材)3は、車体の懸架装置(不図示)に取付固定される。この外輪3と上記内輪2との間に2列の転動体(玉)4…がリテーナ4aで保持された状態で介装されている。この転動体4…及び内外輪2,3に形成された各軌道面により軸受部1Aが構成され、軸受部1Aを介して、内輪2が外輪3に対して軸回転可能に支持される。2列の転動体(玉)4…の軌道面の軸方向外側、即ち、上記軸受部1Aの軸方向両側には、上記転動体4…の転動部(軸受空間)に装填される潤滑剤(グリス)の漏出或いは外部からの汚泥等の浸入を防止するためのシールリング(ベアリングシール)5,6が、外輪3と内輪2との間に圧入装着されている。そして、車体側シールリング6に対峙するよう、磁気センサ11が外輪3又は車体(固定側部材)に設置され、この磁気センサ11と後記する環状多極磁石(磁気エンコーダ)10とにより、タイヤホイールの回転速度や回転角度等を検出する回転検出装置12が構成される。
図2は、車体側シールリング6の装着部の拡大断面図を示す。該シールリング6は、上記内輪部材(回転側部材)2Bの外周(外径面)に嵌合一体に装着される円筒部7a及びこの円筒部(以下、スリンガ円筒部と言う)7aの一端に連設された外向鍔部(以下、スリンガ鍔部と言う)7bを備えるスリンガ7と、外輪(固定側部材)3に嵌合一体に装着され該スリンガ7に弾性摺接する複数のシールリップ8a…を備えるシールリップ部材8と、上記スリンガ鍔部7bの反軸受部1A側部(車体側)に添設された環状多極磁石10と、内輪部材2Bに嵌合一体に装着される円筒部9a及びこの円筒部(以下、カバー円筒部と言う)9aの一端に連設された外向鍔部(以下、カバー鍔部と言う)9bを備える非磁性体製カバー部材9とよりなり、パックシールタイプの磁気エンコーダ付ベアリングシールとして構成されている。
スリンガ円筒部7aとカバー円筒部9aとは、前者が後者に外嵌した状態で互いに嵌合合体され、この合体状態で内輪部材2Bの外径面に嵌合一体に装着されている。スリンガ鍔部7bの車体側面には、環状多極磁石10が接着一体とされ、スリンガ円筒部7a及びカバー円筒部9aが内輪部材2Bに嵌合一体に装着された状態では、環状多極磁石10がスリンガ鍔部7bとカバー鍔部9bとの間にサンドイッチ状に挟装された状態とされる。スリンガ鍔部7bは、環状多極磁石10の外周縁端面部10aより外径方向に突出する突出鍔部7cを含み、その反車体側(軸受部1A側)面の径方向幅が大きく確保されている。環状多極磁石10としては、ゴム或いは樹脂に磁性粉末を混練して環状に成型した磁石や環状焼結磁石の周方向に多数のN極及びS極を交互且つ等ピッチで着磁形成したものが用いられるが、図例ではゴム磁石によるものを示し、スリンガ7との接着一体化は加硫成型時になされる。
シールリップ部材8は、複数のシールリップ8a…を有するゴム等からなる弾性材8bを環状芯金8cに一体としたものであり、芯金8cの円筒部をして外輪3の内径面に嵌合一体とされている。図2に示す複数のシールリップ8a…は、スリンガ円筒部7aの外周面に弾接する2個のラジアルリップと、スリンガ鍔部7bの反車体側面に弾接する1個のアキシャルリップとよりなる。
カバー鍔部9bは、その外周縁部分にスリンガ鍔部7b側に折曲された折曲部9cを備え、更にこの折曲部9cは、その端部に外径方向に張出す延出鍔部9dを備え、スリンガ7及びカバー部材9が内輪部材2Bに嵌合一体とされた状態では、環状多極磁石10の外周縁端面部10aが折曲部9cによって覆われると共に、延出鍔部9dがスリンガ鍔部7bの突出鍔部7cと重合するよう構成されている。そして、カバー鍔部9bの車体側面には、固定側に設置された磁気センサ11の検出面が近接対峙し、このカバー鍔部9bを通して、環状多極磁石10の回転に伴う磁気変化を検出し得る回転検出装置12が構成されている。
上記のように構成された軸受ユニット1において、車輪(不図示)及び内輪2が軸受部1Aを介し外輪3に対して回転可能に支持される。この車輪及び内輪2の回転に伴い、スリンガ7、カバー部材9及びこれらの間に挟装された環状多極磁石10が軸回転する。スリンガ7の軸受部1A側の面にはシールリップ8a…が弾接し、回転に伴う弾性摺接により、軸受部1A内に充填された潤滑剤の漏出及び外部からの軸受部1A内への汚泥等の浸入が阻止される。また、環状多極磁石10の回転に伴うN極・S極の磁気変化が、非磁性体製のカバー鍔部9bを通し磁気センサ11によって逐次検出され、この検出情報に基づき車輪の回転速度や回転角度等の算出がなされる。
環状多極磁石10は、その内周縁端面部10bがカバー円筒部9aで覆われ、また、スリンガ鍔部7b及びカバー鍔部9bによって両面が挟装され、更に、外周縁端面部10aが折曲部9cによって覆われているから、外部環境に晒される部分がなく、汚泥等のアタックを受けて傷ついたり、スリンガ鍔部7bとの接着面に水等が滲入して剥がれたりするような懸念もない。特に、本実施形態の場合、折曲部7cは、外径方向に張り出すよう設けられた延出鍔部9dがスリンガ鍔部7bの突出鍔部7cと重合するよう構成されているから、この重合部分によって、環状多極磁石10の添設部位への汚泥等の浸入がより確実に阻止され、環状多極磁石10の耐久性が向上し、磁気エンコーダとしての機能が長く維持される。また、このスリンガ鍔部7bにおいては、カバー鍔部9bの折曲部9cの制約を受けず、突出鍔部7cを含み、軸受部1A側の面の径方向幅D、即ち、シールリップ(アキシャルリップ)8aの摺接面積を大きく確保することができ、これにより、シールリップ8aの設計自由度が拡がることになる。
図3に示すベアリングシール6Aは、カバー部材9の折曲部9cが、上記延出鍔部9dに代えその端部に折返部9eを更に備えたものである。このように折曲部9cと折返部9eとにより断面倒U形乃至V形の屈曲凹部が形成されることになり、回転時に外部より浸入しようとする汚泥等がこの屈曲凹部に一時的に滞留され、その後の回転遠心力により振り切られるよう放散される。従って、上記同様汚泥等の環状多極磁石10への影響回避効果はもとより、シールリップ部材8とのラビリンスrよりシール部への汚泥等の浸入防止効果が高くなる。更に、この実施形態の場合も、スリンガ鍔部7bの径方向幅の制約がないから、シールリップ(アキシャルリップ)8aの摺接面積を大きく確保することができ、設計自由度が向上する。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、その説明を割愛する。
図4に示すベアリングシール6Bは、カバー部材9の折曲部9cが円筒状とされ、この円筒状折曲部9cの先端部がスリンガ7の前記突出鍔部7cの車体側面に当接するよう構成したものである。この構成によれば、環状多極磁石10の外周縁端面部が、円筒状折曲部9cによって完全に覆われ、従って、上記同様、環状多極磁石10の傷つきや添設部位からの剥がれが生じる懸念がない。また、シールリップ部材8とのラビリンスrが、スリンガ鍔部7bの外径に依存するから、そのラビリンス設計がし易くなる。更に、この実施形態の場合も、スリンガ鍔部7bの径方向幅の制約がないから、シールリップ(アキシャルリップ)8aの摺接面積を大きく確保することができ、設計自由度が向上する。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を割愛する。
図5に示すべアリングシール6Cは、図4のベアリングシール6Bの変形例を示すものである。即ち、スリンガ鍔部7bに弾接するリップシール8aが2個である点で異なる。上述の通り、スリンガ鍔部7bの径方向幅の制約がなく、シールリップ(アキシャルリップ)8aの摺接面積を大きく確保することができるから、図のようにアキシャルリップ8aを複数個設けることが可能となり、これによってシール機能がより高められる。このように、複数個のアキシャルリップ8aを設けることは、図2、図3に示すベアリングシール6A,6Bにも適用可能であり、これによってシール機能の向上を図ることができる。その他の構成は上記と同様であるので、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を割愛する。
尚、上記各実施形態では、内輪2が回転側部材、外輪3が固定側部材である例について述べたが、内輪2が固定側部材、外輪3が回転側部材である場合にも適用可能である。この場合は、スリンガ円筒部7a及びカバー円筒部9aが外輪3の内径面に嵌合されると共にスリンガ鍔部7b及びカバー鍔部9bが内向きに形成され、シールリップ部材8は内輪2の外径面に嵌合される。また、スリンガ円筒部7a及びカバー円筒部9aは、互いに嵌合合体状態で回転側部材に嵌合一体としたが、これらを別個に回転側部材に嵌合一体とすることも可能である。更に、自動車の車輪を支持する軸受ユニットに適用した例について述べたが、他の回転検出が求められる軸受ユニットにも本発明のベアリングシールを適用することができる。
本発明のベアリングシールを用いて組立てられた軸受ユニットの一例を示す縦断面図である。 図1におけるX部の拡大図である。 同ベアリングシールの他の実施形態の断面図である。 同ベアリングシールの更に別の実施形態の断面図である。 図4に示すベアリングシールの変形例の断面図である。
符号の説明
1 軸受ユニット
1A 軸受部
2 内輪(回転側部材)
3 外輪(固定側部材)
6,6A,6B,6C ベアリングシール
7 スリンガ
7a スリンガ円筒部
7b スリンガ鍔部
7c 突出鍔部
8 シールリップ部材
8a シールリップ
9 カバー部材
9a カバー円筒部
9b カバー鍔部
9c 折曲部
9d 延出鍔部
9e 折返部
10 環状多極磁石(磁気エンコーダ)
10a 環状多極磁石の周縁端面部

Claims (5)

  1. 固定側部材に対して回転側部材を軸受部を介して回転自在に支持する軸受ユニットにおける固定側部材と回転側部材との間に介装されるパックシールタイプのベアリングシールであって、
    上記回転側部材に嵌合一体に装着される円筒部及びこの円筒部の一端に連設された鍔部を備えるスリンガと、固定側部材に嵌合一体に装着され該スリンガに弾性摺接するシールリップを備えるシールリップ部材と、上記スリンガの鍔部の反軸受部側面に添設された環状多極磁石と、回転側部材に嵌合一体に装着される円筒部及びこの円筒部の一端に連設された鍔部を備える非磁性体製カバー部材とよりなり、
    上記スリンガの鍔部は、その径方向幅が環状多極磁石の周縁部より突出する突出鍔部を含む大きさとされ、カバー部材の鍔部は、その周縁部分にスリンガの鍔部側に折曲された折曲部を備え、この折曲部はスリンガの上記突出鍔部の反軸受部側面に近接乃至は当接するよう形成され、上記スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、カバー部材の鍔部とスリンガの鍔部との間に上記環状多極磁石が挟装されると共に、上記折曲部によって環状多極磁石の周縁端面部が覆われるよう構成されていることを特徴とするベアリングシール。
  2. 請求項1に記載のベアリングシールにおいて、
    前記スリンガの円筒部とカバー部材の円筒部とは、互いに嵌合合体された状態で前記回転側部材に嵌合一体とされることを特徴とするベアリングシール。
  3. 請求項1又は2に記載のベアリングシールにおいて、
    前記カバー部材の折曲部は、その端部に径方向に張出す延出鍔部を更に備え、スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、この延出鍔部が前記突出鍔部の反軸受部側面と重合するよう構成されていることを特徴とするベアリングシール。
  4. 請求項1又は2に記載のベアリングシールにおいて、
    前記カバー部材の折曲部は、その端部に折返部を更に備えていることを特徴とするベアリングシール。
  5. 請求項1又は2に記載のベアリングシールにおいて、
    前記カバー部材の折曲部は円筒状とされ、スリンガ及びカバー部材が回転側部材に嵌合一体とされた状態では、この円筒折曲部の先端部が前記突出鍔部の反軸受部側面に当接するよう構成されていることを特徴とするベアリングシール。
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