JP2008202008A - 光素子用封止樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性、耐紫外線性、さらに、高屈折率を併せ持つ光素子用封止樹脂組成物を提供する。
【解決の手段】 (イ)炭素数1〜20のアルキル基、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を有するトリアルコキシシラン(A)と、反応性環状エーテル基を含有する置換基を有するトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体、及び、(ロ)無機微粒子を主成分とする、Bステージ化された光素子用封止樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性、耐紫外線性、さらに高い屈折率を併せ持つ光素子用封止樹脂組成物及び該組成物で封止された光素子に関する。
近年、発光波長が350〜490nmであるInGaN等のGaN系化合物半導体を利用した高輝度LEDが実用化されている。さらに、蛍光体との組み合わせによって白色LEDも得られるようになった。これらは液晶テレビ、携帯電話等の表示デバイス用バックライトとして活発に用いられるようになり、さらには、一般照明としての需要が高まりつつある。
従来、LEDの封止樹脂として、加工性に優れるエポキシ樹脂が多用されてきた(例えば、特許文献1、2参照)。これらは接着性、耐熱性が高い一方で、青色〜紫外線領域の光に対して耐性が低く、黄変し易い性質があった。黄変はLEDの輝度低下の原因となるため、高輝度化が進むLED封止剤に適応することが困難となってきている。
一方、シロキサン骨格が耐紫外線性に優れることから、カゴ型シルセスキオキサン樹脂や、ゴム状シリコーン樹脂がLED用封止樹脂として用いられている(例えば、特許文献3、4参照)。しかしながら、一般的にケイ素系樹脂は屈折率が1.40〜1.55程度であって必ずしも充分に高い屈折率を持つものではなく、光の取り出し効率低下の原因となる。さらに、ケイ素系樹脂は硬度が低いものが多く、表面に傷がついたり、あるいは、ゴミが付着し易いという問題がある。また、これらは通常液状であり、大量生産を目的としたトランスファー成型に使用することが出来ない。
すなわち、LEDを効率良く連続的に封止する方法として、低圧トランスファー成形機を使用する方法が知られている。この方法は、Bステージ(半硬化状態)にある固形のLED用封止材を用いるものであり、液状LED封止材を用いる注型に比べて、LEDを大量に封止することが可能である。なお、Bステージとは、熱硬化性樹脂の反応におけるステージのことであって、樹脂が溶媒に可溶のままであるAステージの後に続き、かつ完全に硬化した状態であるCステージの前にあって、粘度増加過程として特徴づけられる。即ち、反応が適度に進み半硬化の状態にあることを言う。
特開平9−208805号公報 特開2002−302533号公報 特開2006−299150号公報 特開2002−374007号公報
上述の現状に鑑み、本発明は、トランファー成型に適応可能で、透明性、耐紫外線性に優れ、さらに、高屈折率を併せ持つ光素子用封止樹脂組成物を提供することを目的とする。
発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定種類の側鎖を導入したラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体(イ)及び無機微粒子(ロ)を主成分とする、Bステージ化された封止樹脂組成物が優れた光透過性、耐紫外線性、高い屈折率を併せ持つことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記一般式(1):
Figure 2008202008
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(A)と、
下記一般式(2):
Figure 2008202008
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体(イ)と無機微粒子(ロ)を主成分とする、Bステージ化された光素子用封止樹脂組成物である。
本発明はまた、上記封止樹脂組成物で封止されてなる光素子でもある。
(1)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、耐紫外線性が優れている。
(2)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、高い屈折率を併せ持ち、高輝度光素子封止剤に要求される必要性能をそれぞれ充分な水準で満たすことができる。
(3)本発明の封止樹脂組成物は上述の構成により、トランスファー成形が可能である。
本発明における上記トリアルコキシシラン(A)においては、上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−又はt−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、オクチル、イソオクチル、ドデシル、テトラデシル等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基がより好ましい。
上記炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル等のほか、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の置換基を有するフェニル基等を挙げることができる。
上記トリアルコキシシラン(A)においては、一般式(1)においてR1としては、炭素数2〜8のアルキル基、又は、炭素数1〜2の炭化水素基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
上記トリアルコキシシラン(A)の具体例としては、例えば、Rがメチル基であるか、エチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエチル、イソブチル、イソオクチル又はフェニル等であるもの、等が挙げられる。
本発明においては、上記トリアルコキシシラン(A)としては、上述の基を有するものの1種又は2種以上を併用することができる。
本発明における上記トリアルコキシシラン(B)においては、上記一般式(2)中、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。
上記反応性環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を挙げることができる。これらのうち、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基が好ましく、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基がより好ましい。
上記反応性環状エーテル基を含有する置換基としては、とくに限定されず、例えば、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有するシリルオキシ基等を挙げることができる。
上記トリアルコキシシラン(B)の具体例としては、例えば、Rがメチル基であるか、エチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、又は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有するシリルオキシ基であるもの、等が挙げられる。
本発明においては、上記トリアルコキシシラン(B)としては、上述の基を有するものの1種又は2種以上を併用することができる。
本発明におけるシルセスキオキサン誘導体は、上記トリアルコキシシラン(A)とトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のものである。本発明におけるシルセスキオキサン誘導体はは、ラダー型構造のもののみ、ランダム型構造のもののみ、又は、ラダー型構造のものとランダム型構造のものの混合物のいずれであってもよい。
シルセスキオキサン誘導体は、トリアルコキシシランの共加水分解、共縮合の条件によりラダー型又はランダム型構造のものを得ることができることが知られており、ラダー型又はランダム型構造体の製造方法としては、例えば、本明細書の実施例に記載の方法、又は、特開平6−306173号公報に記載の方法等により製造することができる。
ラダー型構造のシルセスキオキサン誘導体は、例えば、以下のような構造を有する。
Figure 2008202008
上記式中、複数のXは同一又は異なって反応性環状エーテル基を、複数のYは同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。
上記トリアルコキシシラン(A)と上記トリアルコキシシラン(B)との配合モル比は、10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは、40:60〜80:20である。トリアルコキシシラン(A)のモル比が10未満であると硬化後の架橋密度が高くなり、機械強度が低くなる恐れがある。
本発明におけるシルセスキオキサン誘導体の重量平均分子量は1500〜10000であることが好ましく、より好ましくは2000〜8000である。重量平均分子量が1500未満であると、耐熱性が充分でないおそれがあり、10000を超えると高粘度となり、取り出しが困難となるおそれがある。
上記シルセスキオキサン誘導体は、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記トリアルコキシシラン(A)及びトリアルコキシシラン(B)以外のアルコキシシラン(例えば、モノ、ジ又はトリアルコキシシラン)を併用(例えば、0.1〜5モル%程度)することを排除するものではない。
本発明の組成物においては、上記ラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を主成分とするものであるが、本発明の目的を阻害しない範囲で籠型構造のシルセスキオキサン誘導体を含有していることを排除するものではない。
本発明における無機微粒子(ロ)は、封止剤の屈折率制御のために使用されるものである。上記化合物としては、高屈折率を与える観点から、セラミックスが好ましい。上記セラミックスとしては、例えば、鉱物(石膏、石英、方解石等)、金属の酸化物、金属の複合酸化物(チタン及びジルコニウム原子のうち少なくとも一種を含む複合酸化物、例えば、TiMOx(MはZr、Fe、Si、Sn、Sb、W、Ce等の金属)等)、窒化物(BN、AiN、Si等)、炭酸塩(SrCO、BaCO等)、炭化物(SiC、TiC、BC、WC等)、硫化物(CdS、MoS、希土類硫化物等)、リン酸化物(リン酸カルシウム、リン酸ビスマス等)、ホウ化物(LaB、TiB、ZrB等)等を挙げることができる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化セリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化ホルミウム等の金属の酸化物;チタン及びジルコニウム原子のうち少なくとも一種を含む複合酸化物が可視光領域での透明性に優れる点で好ましく、(a)酸化チタン、(b)酸化ジルコニウム、並びに(c)チタン及び/又はジルコニウム原子を含む複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
上記無機微粒子の態様としては特に限定されず、例えば、微粒子粉体、ペースト又はゾルであってよい。好ましくはゾルである。
上記無機微粒子(ロ)の平均一次粒子径は、一般には光の波長未満であればよく、例えば、100nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以下の粒径である。上記無機微粒子の具体例としては、「QUEEN TITANIC」(商品名、触媒化成工業製)(チタニア系複合酸化物、5〜10nm)、「NZD−8E61」(商品名、住友大阪セメント製)(酸化ジルコニウムゾル、3〜10nm)等が挙げられる。
上記シルセスキオキサン誘導体(イ)と上記無機微粒子(ロ)との配合重量比は、屈折率の調節量や透明性、耐紫外線性等の所望の性能にもよるが、一般的には90:10〜10:90が好ましく、70:30〜30:70がより好ましい。
無機微粒子(ロ)を樹脂組成物中に分散させる目的で、分散剤を必要に応じて添加することができる。上記分散剤としては種々の界面活性剤が用いられ、例えば、硫酸エステル系、カルボン系、ポリカルボン酸系等のアニオン系界面活性、高級脂肪族アミンの4級塩等のカチオン界面活性剤、高級脂肪酸ポリエチレングリコールエステル系等のノニオン界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッソ系界面活性剤、アマイドエステル結合を有する高分子活性剤等が挙げられる。
これら分散剤の添加量は、無機微粒子(ロ)100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下が好ましい。
本発明において、上記シルセスキオキサン誘導体は、架橋物を形成して硬化するのであるが、この硬化は、例えば、カチオン重合触媒(ルイス酸触媒、例えば、ハロゲン化金属(BF、AlCl等)、有機金属化合物(CAlCl等)等)の使用により行うことができる。
本発明においては、上記シルセスキオキサン誘導体の架橋物を形成するために、硬化剤を使用してもよい。このような硬化剤としては、反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤を使用することができ、例えば、熱硬化性樹脂の硬化に使用される硬化剤を使用することができる。このような硬化剤としては、酸無水物化合物、アミン化合物、フェノール化合物などが挙げられる。これらのうち、硬化後の透明性を考慮して、酸無水物が好適であり、例えば、以下のような化合物が挙げられる:無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸など。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
上記硬化剤の配合量は、一般的には硬化剤の種類により異なり得るので一概に規定することはできないが、例えば、酸無水化合物の場合、反応性環状エーテル基1モルに対して酸無水物基0.2〜2.0モルの割合が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0モルである。他種類の硬化剤の場合も、上記値を参照して当業者は適宜に使用することができる。
上記硬化剤とともに、硬化触媒を使用することができる。上記硬化触媒としては、例えば、イミダゾール化合物、3級アミン類、有機ホスフィン化合物類またはこれらの塩類等が挙げられる。具体的には例えば、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。また、有機リン化合物を使用することができ、その具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等のトリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の4級ホスホニウム塩などのオルガノホスフィン類及びその誘導体が挙げられる。3級アミン類としては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等を挙げることができる。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
これらの硬化触媒は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から1重量部配合される。
本発明の封止樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しないかぎり、助触媒を添加することが出来る。助触媒として用いる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等を用いることができる。また、これら多価アルコールのうちの1種又は2種以上を用いることもできる。多価アルコール又は、酸無水物に対して0.1〜5.0当量、好ましくは0.2〜3.0当量用いることが望ましい。
本発明の封止樹脂組成物には、加熱時の酸化劣化を防止するために、酸化防止剤を添加することが出来る。この酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類が挙げられる。
これら酸化防止剤は、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらの酸化防止剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から1重量部配合される。
本発明の封止樹脂組成物には、耐光性を向上させる目的で紫外線吸収剤を添加することが出来る。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{(2′−ヒドロキシ−3′,3′′,4′′,5′′,6′′−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン類などが挙げられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
これらの紫外線吸収剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から1重量部配合される。
本発明の封止樹脂組成物には、耐光性を向上させる目的で光安定剤を添加することが出来る。光安定剤の具体例としては、例えば、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等のヒンダードアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
これらの光安定剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から1重量部配合される。
本発明の封止樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しないかぎり、その他の各種の添加剤を配合することができ、例えば、組成物の硬化性を調整するための反応性希釈剤、密着性を更に向上させるためのシランカップリング剤などが挙げられる。
上記反応性希釈剤としては、例えば、グリセリンジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド等を挙げることができる。これら反応性希釈剤は単独で使用できる他、2種以上を混合しても使用することができる。
上記シランカップリングとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビルニトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の封止樹脂組成物は、上記シルセスキオキサン誘導体(イ)及び上記無機微粒子(ロ)とともに、必要に応じて上記硬化剤、硬化触媒、助触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、染料、顔料などの、公知の各種の添加剤のうちの1種又は2種以上を配合して混合したものを、Bステージ化することにより得ることができる。
すなわち、本発明の組成物は、例えば、以下の方法等を用いて得ることができる。第一の方法は、上記シルセスキオキサン誘導体、無機微粒子、硬化剤及び硬化触媒を溶融混合し、加熱下で硬化反応を途中まで進行させ、Bステージ化する。Bステージ化の目安は、150℃におけるゲル化時間が好ましくは10〜70秒、より好ましくは10〜40秒になるように設定する。つぎに、Bステージ化した組成物を室温に冷却した後、公知の手法で粉砕し、必要に応じて打錠する。なお、Bステージ化した後、組成物を溶解可能な有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのアルキルエーテル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類等)に一旦溶解し、混合を均一化してもよい。第二の方法は、各成分を有機溶媒に溶解し、溶液中で加熱下に硬化反応を進行させてBステージ化し、有機溶媒を除去して冷却した後、粉砕する。第三の方法は、各成分を有機溶媒に溶解したのち、加熱せずに有機溶媒を揮散除去し、その後に低温加熱してBステージ化する方法である。
本発明の組成物の態様としては、Bステージ化された態様であれば特に限定されないが、トランスファー成形や取扱上の観点から、例えば、Bステージ化した後、粉砕した粉状組成物、粉砕後ペレット化、タブレット化等した組成物、等であってよい。
本発明の封止樹脂組成物を使用してトランスファー成形することができる。トランスファー成形は、一般的手法としては、Bステージ化した成形材料を余熱室で余熱軟化してからプランジャによって小さな穴を通して封止用金型のキャビティに送り、そこで硬化させる。成形機には、補助ラム式成形機、スライド式成形機、二重ラム式形成機、低圧封入用成形機等があるが、いずれでもよい。
本発明の封止樹脂組成物を適用する光素子としては、発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等があり、具体的には、例えば、LED、LD等が挙げられる。
本発明の光素子は、上述の例示の態様が示すように、本発明の封止樹脂組成物を適用してなる光素子、例えば、LED、なかでも例えば、発光のピーク波長が350〜490nmのLEDである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の記載は専ら説明のためであって、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1
シルセスキオキサン誘導体(SQ−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK50g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.7g(水酸化テトラメチルアンモニウム10.3mmol)、蒸留水13.2(940.0mmol)gを仕込んだ後、エチルトリメトキシシラン42.6g(283.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7.4g(31.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内、にMIBK50gを加え、さらに20gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に20gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−1)を得た。Mwは5820であった。分散度Mw/Mn=1.7、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
合成例2
シルセスキオキサン誘導体(SQ−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK50g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液3.6g(水酸化テトラメチルアンモニウム7.9mmol)、蒸留水10.1g(720.0mmol)を仕込んだ後、イソブチルトリメトキシシラン21.5g(121.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン28.5g(121.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK50gを加え、さらに20gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に20gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−2)を得た。Mwは3200であった。分散度Mw/Mn=1.4、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
合成例3
シルセスキオキサン誘導体(SQ−3)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK50g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液3.2g(水酸化テトラメチルアンモニウム7.0mmol)、蒸留水8.9g(640.0mmol)を仕込んだ後、イソオクチルトリメトキシシラン31.2g(133.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン18.8g(80.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK50gを加え、さらに20gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に20gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−3)を得た。Mwは2200であった。分散度Mw/Mn=1.2、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
合成例4
シルセスキオキサン誘導体(SQ−4)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK50g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液3.2g(水酸化テトラメチルアンモニウム7.0mmol)、蒸留水9.0g(640.0mmol)を仕込んだ後、フェニルトリメトキシシラン10.6g(53.0mmol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン39.4g(160.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK50gを加え、さらに20gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に20gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−4)を得た。Mwは4030であった。分散度Mw/Mn=1.5、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
合成例5
シルセスキオキサン誘導体(SQ−5)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK50g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液3.0g(水酸化テトラメチルアンモニウム6.6mmol)、蒸留水8.5g(610.0mmol)を仕込んだ後、ヘキシルトリメトキシシラン5.0g(20.0mmol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン45.0g(182.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK50gを加え、さらに20gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に20gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−5)を得た。Mwは4700であった。分散度Mw/Mn=1.5、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークを持つ、ラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサン誘導体を得た。
実施例1
合成例1で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−1を20重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700G」)を8重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)0.08重量部、不揮発分10%酸化ジルコニウムゾル(大阪住友セメント製;商品名「NZD−8E61」)280重量部混合攪拌して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を加熱し、樹脂組成物の硬化反応を進ませ、温度150℃におけるゲル化時間が約30秒のBステージ化した樹脂を得、次に含有する溶剤を除去し冷却した後、粉砕し、粉状の樹脂組成物を得た。この粉状の樹脂組成物をタブレット状に成形し、タブレット化した本発明の封止樹脂組成物を得た。これを用いて150℃/5分のトランスファー成形を行った後、更に120℃において10時間硬化させて、厚み1mmの硬化物を得た。得られた硬化物を下記の方法で評価した。結果を表1に示した。
実施例2
合成例2で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−2を20量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700G」)を8重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)を0.08重量部、不揮発分10%酸化ジルコニウムゾル(大阪住友セメント製;商品名「NZD−8E61」)を650量部混合攪拌した。次に減圧下で溶剤を留去して、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した本発明の組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
実施例3
合成例3で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−3を20重量部、2,4ジエチルグルタル酸無水物(ジャパンエポキシレジン製;商品名「JERキュアYH−1120」)を12.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)を0.08重量部、不揮発分30%チタニア系複合酸化物ゾル(触媒化成工業製;商品名「QUEEN TITANIC」)を47重量部混合攪拌した。次に減圧下で溶媒を留去して、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した本発明の組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
実施例4
合成例4で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−4を20重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700G」)を18重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)を0.08重量部、不揮発分30%チタニア系複合酸化物ゾル(触媒化成工業製;商品名「QUEEN TITANIC」)を127重量部混合攪拌した。次に減圧下で溶媒を留去して、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した本発明の組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
実施例5
合成例5で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−5を20重量部、2,4ジエチルグルタル酸無水物(ジャパンエポキシレジン製;商品名「JERキュアYH−1129」)グリセリンジグリシジルエーテルを16重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)を0.08重量部、不揮発分30%チタニア系複合酸化物ゾル(触媒化成工業製;商品名「QUEEN TITANIC」)を280重量部混合攪拌した。次に減圧下で溶媒を留去して、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した本発明の組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
比較例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製;商品名「エピコート1001」)20重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「MH−700G」16部:(新日本理化社製)テトラフェニルホスホニウムブロミド0.1部(北興化学製)を混合し、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
比較例2
水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製;商品名「YX8000」)10重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製;商品名「エピコート1001」)10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「MH−700G」10部:(新日本理化社製)テトラフェニルホスホニウムブロミド0.1部(北興化学製)を混合し、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
比較例3
合成例1で得られたシルセスキオキサン誘導体SQ−1を20重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700G」)を8重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド(北興化学製)0.08重量部混合して、樹脂組成物を得た。実施例1と同様にしてタブレット化した組成物を得、評価した。結果を表1に示した。
評価方法
各実施例の組成物及び各比較例の樹脂又は組成物を用いて試験片を作成し(実施例1〜5及び比較例1、2、3の各封止樹脂組成物については120℃、10hの硬化条件)、それぞれについて、以下の方法で、性能を評価した。結果を表1に示した。
(1)屈折率:アッベ屈折計を用いて、試料温度25℃にて測定した。
(2)透明性:1mm厚みの硬化物を上記硬化条件にて作成し、島津製作所社製分光光度計紫外線−2450にて450nm波長光の透過率を求めた。
(3)耐紫外線性:1mm厚みの硬化物をメタリングウエザーメーター(スガ試験機製M6T)83℃、100h曝露後の450nm波長光の透過率を求めた。
Figure 2008202008
実施例の結果から、本発明におけるシルセスキオキサン誘導体及び無機微粒子を主成分とする封止樹脂組成物を使用した実施例1〜5は、高い透明性を維持しつつ、耐紫外線性、屈折率おいて有意に優れていることが明らかであった。なお、従来技術に属する比較例1、2のエポキシ樹脂は、透明性において優れていたが、耐紫外線性が極めて低く、屈折率も低かった。比較例3の無機微粒子を含まないシルセスキオキサン誘導体は、透明性と耐紫外線性に優れていたが、屈折率は低いものであった。
本発明の封止樹脂組成物は、トランスファー成型により、光素子が大量生産可能なものであり、従来のエポキシ樹脂における欠点であった低い耐紫外線性と低い屈折率を同時に克服するものである。これらは透明性、耐紫外線性、光の取り出し効率に優れた光素子封止材として極めて好適であり、例えば、今後さらなる高輝度化が進むと予想されるLEDの封止材として有用である。

Claims (9)

  1. (イ)下記一般式(1):
    Figure 2008202008
    (式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(A)と、
    下記一般式(2):
    Figure 2008202008
    (式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(B)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体、及び
    (ロ)無機微粒子
    を主成分とすることを特徴とする、Bステージ化された光素子用封止樹脂組成物。
  2. 反応性環状エーテル基は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基及びオキセタニル基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の封止樹脂組成物。
  3. トリアルコキシシラン(A)は、一般式(1)においてR1が炭素数2〜8のアルキル基、又は、炭素数1〜2の炭化水素基を有していてもよいフェニル基である請求項1又は2記載の封止樹脂組成物。
  4. トリアルコキシシラン(A)は、R1がエチル、イソブチル、イソオクチル又はフェニルであり、シルセスキオキサン誘導体は、ラダー型構造を主成分とする請求項3記載の封止樹脂組成物。
  5. トリアルコキシシラン(A)とトリアルコキシシラン(B)との配合モル比は、10:90〜90:10である請求項1〜4のいずれか記載の封止樹脂組成物。
  6. 無機微粒子(ロ)が、(a)酸化チタン、(b)酸化ジルコニウム、並びに(c)チタン及び/又はジルコニウム原子を含む複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか記載の封止樹脂組成物。
  7. シルセスキオキサン誘導体(イ)と無機微粒子(ロ)の重量比が、90:10〜10:90である請求項1〜6のいずれか記載の封止樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の封止樹脂組成物で封止されてなる光素子。
  9. 発光のピーク波長が350〜490nmのLEDである請求項8記載の光素子。
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