JP2008197284A - フィルタ係数算出装置、フィルタ係数算出方法、制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、音声信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タップ数に制限のある場合においても音響特性を精度よく補正可能とする。
【解決手段】本発明に係るフィルタ係数算出装置20では、ゲイン補正特性算出部3が、再生系17のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出し、その中から予め設定されたフィルタのタップ数と同数の、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答を切り出し、そのインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出する。そして、位相補正特性算出部4が、再生系17の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出し、フィルタ係数算出部6が、補正特性合成部5において合成された上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性との合成補正特性から再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るフィルタ係数算出装置20では、ゲイン補正特性算出部3が、再生系17のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出し、その中から予め設定されたフィルタのタップ数と同数の、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答を切り出し、そのインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出する。そして、位相補正特性算出部4が、再生系17の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出し、フィルタ係数算出部6が、補正特性合成部5において合成された上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性との合成補正特性から再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、音声出力装置などから出力される音声についてリスニングルームなどにおける音響特性を、デジタルフィルタを用いて視聴環境に適した音響特性に補正するフィルタ係数算出装置、フィルタ係数算出方法、制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、音声信号処理装置に関するものである。
リスニングルームの音響特性に応じてスピーカなどを含めた再生系全体の応答特性を補正するイコライザが広く利用されている。リスニングルームの音響特性は、部屋の種類や音声を再生する装置の設置場所に応じて異なる。例えば、フローリングの床がある洋室では音声の反響が大きくなり、ベッドなど大きな家具のある寝室では音声は吸収されるが、大きな家具がない畳部屋などの場合には音声はあまり吸収されず、また、反響も小さい。また、スピーカが部屋の壁面に平行に設置されている場合と部屋のコーナーに設置されている場合とでは、リスニングルーム全体の音響特性は異なる。そして、イコライザは、出力される音声を、音場制御用のフィルタを用いて音響特性の異なる視聴環境に適した音質に補正する。
音質を調整して再生系全体の応答特性を補正する従来技術として、例えば、特許文献1には、再生系における所望の応答特性を希望特性としてユーザが容易に設定できるようにした音響特性補正装置が開示されている。
以下に、特許文献1に記載されている音響特性補正装置について、より詳細に説明する。図14は、特許文献1に記載の音響特性補正装置において音響特性を補正する場合の各工程における各種特性を示す図である。特許文献1に記載の音響特性補正装置では、まず、補正対象とする再生系に含まれるスピーカによってバンド信号やTSP信号などの測定用の信号を再生してマイクで集音し、その応答特性、すなわち、測定特性(図14(a)参照)を算出する。次に、ユーザによって設定された希望特性(図14(b)参照)と測定特性との差を補正特性(図14(c)参照)として算出し、必要に応じて修正を施す。さらに、決定された補正特性を逆フーリエ変換して対応するインパルス応答(図14(d)参照)を求め、求めたインパルス応答の時間軸上の各位置におけるレベル値をイコライザ(FIR(Finite Impulse Response ))フィルタの係数として設定する。
特許文献1には、補正特性から逆フーリエ変換によってインパルス応答を求める方法として直線位相処理逆フーリエ変換を採用した実施形態が記載されている。
直線位相処理逆フーリエ変換では、補正特性を帯域分割して帯域ごとのパワー平均を算出して、そのパワー平均値をスプライン補間等によりフーリエ変換が可能な4096点のデータに補間し、補間されたデータを実部に設定した複素形式のデータ(虚部は全て0)に対して逆フーリエ変換を行い、インパルス応答を算出する。ここで、上記の複素形式の実部は振幅項に相当し、虚部は位相項に相当する。そして、上述したとおり、複素形式のデータにおいて、位相項に相当する虚部を全て0としてため、直線位相処理逆フーリエ変換によって求められるインパルス応答には、位相情報は含まれない。
しかしながら、直線位相処理逆フーリエ変換によって求められたフィルタ、すなわち、直線位相フィルタは、位相情報が含まれないため、フィルタ係数の算出が容易であり、周波数的な伝達特性は良いものの、再生系により生じる位相のずれを補正できない。
これに対し、位相情報を含む逆フィルタを用いて再生系の音響特性を補正する手法がある。非特許文献1には、逆フィルタの設計方法について記載されている。
以下に、逆フィルタの概要について説明する。再生系の伝達特性をC(z)とすると、逆フィルタH(z)は、H(z)=1/C(z)によって表される。この式は、逆フィルタH(z)を導入することで再生系の出力を入力と等価にすることを表している。すなわち、H(z)は、再生系におけるインパルス応答が単位インパルス(デルタ関数δ(n))となるように設計される。しかしながら、通常の再生系は最小位相推移系ではなく、伝搬遅延が含まれるため、インパルス応答をδ(n−M)のように変更して設計される。ここで、Mはモデリングディレイと呼ばれる。
また、再生系の伝達特性によっては、H(z)=1/C(z)をそのまま解くことができないが、例えば最小自乗の原理にもとづいて逆フィルタの近似を求めることができる。そして、上記の最小自乗の原理にもとづいて設計された逆フィルタを一般化した表現は、H(z)=C*(z)/C*(z)C(z)となる。ここで、C(z)は複素数で表され、C*(z)は、C(z)の共役複素数を表している。
音場制御用のフィルタを用いて応答特性を補正する技術として、他にも、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献2には、残響が生じやすい環境において明瞭度の高い拡声を実現可能な拡声明瞭度改善装置が開示されている。特許文献2に記載の拡声明瞭度改善装置について、より詳細に説明すれば以下のとおりである。図15(a)は、特許文献2に記載の拡声明瞭度改善装置において拡声の明瞭度を改善する処理の流れを示す図である。図15に示すとおり、特許文献2に記載の拡声明瞭度改善装置は、閉鎖的な空間内においてインパルス応答を測定し、1/n帯域ごとに残響時間が所定時間を超えているか否かを判定し、残響時間が所定時間を超えている場合には、測定インパルス応答と直接音の計算インパルス応答との差分エネルギーを計算してメモリにスタックする。図15(b)は、1/n(オクターブ)周波数帯域ごとの差分エネルギーを示す図である。さらに、全ての1/n帯域について残響時間の判定と差分エネルギーのスタック処理を行った後、周波数帯域ごとに算出された差分エネルギーをもとに逆伝達関数を求め、当該伝達関数を満たすイコライザパラメータをフィルタに設定する。これにより、特許文献2に記載の拡声明瞭度改善装置によれば、明瞭性に影響を及ぼす残響時間の長い周波数帯域の音量レベルを低減できるため、本来の音質をあまり変化させずに明瞭度の高い拡声を実現できる。
ところで、FIRフィルタは、遅延素子(バッファ)にて入力データを順次遅延させ、各遅延出力に予め設定されたフィルタ係数を乗算器にて乗算し、各乗算出力を加算器にて加算して出力を得る構成として表される。つまり、FIRフィルタによる信号処理を行う場合には積和演算処理が行われることになり、高次のFIRフィルタを実現するためには、上記の積和演算処理を多数行う必要がある。そして、FIRフィルタによる信号処理には、乗算と加算とを1マシンサイクルで実行でき、積和演算を高速に処理することが可能なDSP(Digital Signal Processor)が用いられている。
FIRフィルタにおける畳み込み積和演算は次式によって表される。
y(n)=h0・x(n)+h1・x(n−1)+h2・x(n−2)+・・・+hN・x(n−N)
ここで、y(n)は出力信号値、x(n−i)(i=0,1,・・・N)は現在および過去の入力信号値、hi(i=0,1,・・・N)はフィルタ係数(重み)である。つまり、FIRフィルタの出力信号値は、現在および過去の入力信号値の重み付き平均で表される。
y(n)=h0・x(n)+h1・x(n−1)+h2・x(n−2)+・・・+hN・x(n−N)
ここで、y(n)は出力信号値、x(n−i)(i=0,1,・・・N)は現在および過去の入力信号値、hi(i=0,1,・・・N)はフィルタ係数(重み)である。つまり、FIRフィルタの出力信号値は、現在および過去の入力信号値の重み付き平均で表される。
なお、FIRフィルタには、上式に含まれるhi・x(n−i)の項数のタップ(すなわち、上述した遅延素子、乗算器、および、加算器によって構成される1つのブロック)が含まれる。そして、FIRフィルタは、フィルタを構成するタップ数や各タップのhiの値を変えることによって特性が変化し、タップ数が多いほど周波数の分解能が高くなり、フィルタの性能は向上する。
しかしながら、FIRフィルタのタップ数(すなわち、フィルタ係数の数)が多くなれば、上述した積和演算の数も増え、DSPにおける処理は増加する。そのため、高性能なDSPが必要となり、FIRフィルタを構成するために要するコストが増大してしまう。したがって、製品に実装するDSPの選択には、性能とコストとのトレードオフを考慮する必要がある。
特開平6−327089(1994年11月25日公開)
特開2003−224898(2003年8月8日公開)
http://www.sound.sie.dendai.ac.jp/dsp/Text/PDF/Chap7-2.pdf(2007年1月25日確認)
上述したとおり、製品に実装されるDSPは、性能とコストとのトレードオフを考慮して選択される。そして、FIRフィルタは、選択されたDSPの積和演算の処理性能を考慮して設計される。そのため、FIRフィルタのタップ数(すなわち、フィルタ係数の数)は、DSPの仕様によって制限されることになる。
上述した逆フィルタによってFIRフィルタのフィルタ係数を求める場合、はじめに、音質補正の対象となる再生系において、TSP法などを用いてインパルス応答を測定し、測定されたインパルス応答(以下、測定インパルス応答と呼ぶ)の周波数特性を算出する。そして、算出された周波数特性をもとに逆フィルタの周波数特性を求め、逆フィルタの周波数特性に対して逆フーリエ変換を行って、逆フィルタに対応するインパルス応答(以下、逆フィルタのインパルス応答と呼ぶ)を求める。この逆フィルタのインパルス応答がFIRフィルタのフィルタ係数として設定される。
なお、上述したFIRフィルタの係数を求める処理はデジタル信号処理であり、上記の測定インパルス応答は連続的なアナログ信号として取り込まれた後、サンプリングされて離散的なデジタル信号に変換される。このとき、元のアナログ信号に含まれる高周波成分の情報がデジタル信号に含まれるようにするためには、サンプリング間隔を十分狭くする、すなわち、サンプリング数を十分多くする必要がある。そして、サンプリングされた測定インパルス応答を表すデータをもとに上述した逆フィルタのインパルス応答を表すデータ(すなわち、FIRフィルタのフィルタ係数)が算出される。
このとき、算出される逆フィルタのインパルス応答を表すデータの数は、測定インパルス応答を表すデータと同数になる。そして、算出された逆フィルタのインパルス応答を表すデータがFIRフィルタの係数として設定される。しかし、上述したとおり、FIRフィルタのタップ数(すなわち、フィルタ係数の数)は、DSPの仕様によって制限される。そのため、算出された逆フィルタのインパルス応答を表すデータを全てFIRフィルタの係数として利用することはできない。そこで、逆フィルタのインパルス応答を切り出す、すなわち、算出された逆フィルタのインパルス応答を表すデータの一部のみをFIRフィルタの係数として取り出すことになる。
しかしながら、逆フィルタのインパルス応答を表すデータの一部のみをFIRフィルタの係数として設定する場合、係数として設定されないデータについては切り捨てられることになるため、FIRフィルタの性能は劣化する。したがって、このようにして求められたFIRフィルタを用いて音質の補正を行った場合、補正後のインパルス応答の誤差が大きく、そのゲイン周波数特性においてゲイン差が発生するという問題がある。
図16は、測定インパルス応答(サンプリング数:512)をもとに算出した逆フィルタのインパルス応答を示す図である。図16に示す逆フィルタのインパルス応答のデータ数は、測定インパルス応答のサンプリング数と同じ512である。ここで、DSPの仕様によってFIRフィルタのタップ数が256に制限される場合、図16に示す逆フィルタのインパルス応答の中から、例えば、振幅のピーク値を中心にして256のデータをFIRフィルタの係数として抜き出すことになる。つまり、図16の一点鎖線で囲まれた領域におけるデータは切り捨てられる。この場合、切り捨てられる図16の一点鎖線で囲まれた領域におけるインパルス応答の振幅は大きく、インパルス応答全体の振幅の大きさに比べて無視できるほど小さくはない。したがって、求められたFIRフィルタによって音質を補正しても、補正後のインパルス応答やその周波数特性には誤差が多く含まれる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタのタップ数が制限される場合においても、音響特性の補正を精度良く行うことが可能となるフィルタ係数算出装置、フィルタ係数算出方法、制御プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および、音声信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係るフィルタ係数算出装置は、音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出装置であって、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出する直線位相インパルス応答算出手段と、上記インパルス応答のうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出手段と、上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出手段と、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、フィルタ係数算出装置は、音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出する。例えば、ある部屋において音声が再生される場合、部屋の種類や場所などに応じて伝達特性は異なり、再生される音声の時間特性や周波数特性などの音響特性が異なる。そこで、再生される音声の元となる音声信号に対してフィルタをかけることにより、視聴環境に適した音響特性に補正することになるが、本発明に係るフィルタ係数算出装置は、そのフィルタを構成するフィルタ係数を算出する。
そして、フィルタ係数算出装置では、直線位相インパルス応答算出手段が、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタのフィルタ係数として、該直線位相フィルタに対応するインパルス応答データを算出する。つまり、直線位相インパルス応答算出手段は、上記再生系のゲイン特性(振幅周波数特性)を補正するフィルタのフィルタ係数を算出する。ここで、直線位相インパルス応答算出手段によって算出されるフィルタのゲイン特性は、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有しており、このフィルタを適用した場合、上記再生系のゲイン特性をフラットな特性に近づけることができる。また、直線位相インパルス応答算出手段が算出するフィルタは、直線位相フィルタであり、上記再生系のゲイン特性のみを補正し、位相特性については変化させることはない。そして、直線位相インパルス応答算出手段は、上記直線位相フィルタのフィルタ係数として、該直線位相フィルタに対応するインパルス応答データを算出する。このとき、直線位相インパルス応答算出手段は、直線位相フィルタに対応するインパルス応答データを、上記再生系のゲイン特性の逆特性に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform;逆離散型フーリエ変換)することによって算出してもよいし、IDFTを高速に行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)によって算出してもよく、特に限定はされない。
そして、ゲイン補正特性算出手段は、上記インパルス応答データのうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答データであって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答データが表すインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出する。
通常、再生系の音響特性を算出する場合、実際に再生系において再生される音声に基づいて、例えば、インパルス応答などを測定するが、そのときの測定インパルス応答のサンプリング間隔が細かいほど、すなわちサンプリングデータが多いほど正確に測定できる。そして、例えば、測定インパルス応答のサンプリングデータをFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)することにより上記再生系の周波数特性を算出し、その周波数特性をもとに補正用フィルタの周波数特性を求め、それをIFFTしてフィルタ係数に対応するインパルス応答データを算出することになる。ここで、算出されるフィルタ係数に対応するインパルス応答のデータは、上述のFFTにおける測定インパルス応答のサンプリングデータと同数であるが、DSPの仕様などによってフィルタのタップ数、すなわち、フィルタ係数の数が制限される場合があり、IFFTによって算出されたフィルタ係数に対応するインパルス応答のデータを全てフィルタ係数として利用できない。そこで、IFFTによって算出されたインパルス応答のデータからDSPの仕様に応じてフィルタ係数として利用するデータを切り出す必要がある。
ここで、従来、上記補正用フィルタの周波数特性を算出する場合、ゲイン情報と位相情報とを含んだ逆フィルタの周波数特性が算出されていたが、その場合、IFFTによって算出されたインパルス応答の波形は広がり両端において収束しないため、上記切り出しを行った場合、切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)が大きいため、最終的に得られるフィルタによる補正の誤差が大きくなってしまうという問題があった。
これに対し、ゲイン補正特性算出手段によって算出されるインパルス応答の波形は中央に集中しており、ピーク値を中心にして左右対称に減衰し、両端において収束する。そのため、ゲイン補正特性算出手段が上記の切り出しを行う場合、すなわち、上記インパルス応答データのうち予め設定されたフィルタのタップ数のインパルス応答データを取り出すとき、切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)を小さくできるため、得られるフィルタによる補正の精度は良好である。
そして、位相補正特性算出手段は、上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する。つまり、位相補正特性算出手段は、ゲイン情報と位相情報とを含んだ上記再生系の周波数特性の逆特性について、全周波数帯域におけるゲインが1となるような正規化を施すことによって、位相補正特性を算出する。つまり、位相補正特性は、ゲイン特性を変化させることなく、位相特性のみを補正するオールパルフィルタの特性となる。
そして、フィルタ係数算出手段は、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出する。つまり、フィルタ係数算出手段は、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して合成補正特性を算出し、合成補正特性に対して、例えば、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform;離散型フーリエ変換)やIFFT(Inverse Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)などを行うことによって上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出する。
これにより、ゲイン特性のみを補正するフィルタに対応するゲイン補正特性と位相特性のみを補正するフィルタに対応する位相補正特性とが合成された合成補正特性に対応する再生特性補正フィルタを算出することができる。そして、再生特性補正フィルタによれば、ゲイン補正と位相補正の両方の補正を行うことができる。
したがって、本発明によれば、ゲイン特性を補正するゲイン補正特性を算出する場合に切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)を小さくでき、また、ゲイン補正特性と位相特性を補正する位相補正特性が合成されるため、フィルタのタップ数に制限がある場合であっても、精度よく音響特性の補正を行うことができるフィルタを実現できる。
本発明に係るフィルタ係数算出方法は、音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出方法であって、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出する直線位相インパルス応答算出ステップと、上記インパルス応答のうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出ステップと、上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出ステップと、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出ステップとを含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るフィルタ係数算出装置と同様の作用効果を奏する。
本発明に係るフィルタ係数算出装置では、上記再生系において測定用信号に基づいて再生される再生音を収音して得た音声データから、測定インパルス応答を算出する測定インパルス応答算出手段をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、測定インパルス応答算出手段は、上記再生系において測定用信号に基づいて再生される再生音を収音して得た音声データから、測定インパルス応答を算出する。これにより、上記再生系において実際に測定したインパルス応答に基づいて再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出できるようになる。
本発明に係るフィルタ係数算出装置では、予め定められた測定時間において上記測定インパルス応答の残響エネルギーが予め設定された閾値よりも小さくなるような指数減衰窓を上記測定インパルス応答にかけて、指数減衰インパルス応答を算出する減衰手段をさらに備え、上記位相補正特性算出手段は、上記指数減衰インパルス応答から、上記再生系の周波数特性の逆特性を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、減衰手段は、予め定められた測定時間において上記測定インパルス応答の残響エネルギーが予め設定された閾値よりも小さくなるような指数減衰窓をかけて、指数減衰インパルス応答を算出する。そして、上記位相補正特性算出手段は、上記指数減衰インパルス応答から、上記再生系の周波数特性の逆特性を算出する。
これにより、十分収束した波形のインパルス応答に基づいて位相補正特性を算出できるため、合成補正特性から再生特性補正フィルタを算出するときに、巡回畳み込みの影響によって発生するエイリアス現象を低減することができるようになる。したがって、再生特性補正フィルタによって音響特性の補正の精度を向上させることができるようになる。
本発明に係るフィルタ係数算出装置では、上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さいか否かを判定する減衰判定手段をさらに備え、上記減衰手段は、上記減衰判定手段において、上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さくないと判定された場合に、上記指数減衰窓を上記測定インパルス応答にかけることが好ましい。
上記の構成によれば、減衰判定手段は、上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さいか否かを判定する。そして、上記減衰手段は、上記減衰判定手段において、上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さくないと判定された場合に、上記指数減衰窓をかける。これにより、必要に応じて指数減衰窓をかける処理を実行できるようになる。
本発明に係るフィルタ係数算出装置では、上記タップ数の設定を変更するフィルタタップ数設定変更手段をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、フィルタタップ数設定変更手段は、設定されているフィルタのタップ数をユーザの指定に応じて変更できる。また、DSPから対応可能なフィルタのタップ数を表す情報を取得可能な場合には、取得したタップ数の情報に応じて設定を変更することができる。
本発明に係る音声信号処理装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルタ係数算出装置と、音声信号入力装置から入力される音声信号に対して、上記フィルタ係数算出手段によって算出された再生特性補正フィルタのフィルタ係数の畳み込み演算処理を行い、音声出力装置に供給する畳み込み演算装置とを備えている。
上記の構成によれば、本発明に係る音声信号処理装置では、上記フィルタ係数算出装置においてフィルタ係数算出手段が再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出する。そして、畳み込み演算装置が、音声信号入力装置から入力される音声信号に対して、再生特性補正フィルタのフィルタ係数の畳み込み演算処理を行い、合成補正特性の付与された音声信号を音声出力装置に供給する。
これにより、本発明に係る音声信号処理装置は、フィルタ係数算出装置において生成された再生特性補正フィルタを用いて上記音声信号に合成補正特性を付与できる。したがって、本発明に係る音声信号処理装置によれば、フィルタのタップ数に制限がある場合であっても、再生系における音響特性を精度よく補正することができる。
なお、上記フィルタ刑す算出装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記フィルタ係数算出装置をコンピュータにおいて実現する制御プログラム、およびその制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明に係るフィルタ係数算出装置は、音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出装置であって、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出する直線位相インパルス応答算出手段と、上記インパルス応答データのうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出手段と、上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出手段と、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出手段とを備えている。
また、本発明に係るフィルタ係数算出方法は、音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出方法であって、上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答データを算出する直線位相インパルス応答算出ステップと、上記インパルス応答のうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出ステップと、上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出ステップと、上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出ステップとを含んでいる。
それゆえ、ゲイン特性を補正するゲイン補正特性を算出する場合に切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)を小さくでき、また、ゲイン補正特性と位相特性を補正する位相補正特性とが合成された合成補正特性を用いて再生特性補正フィルタを算出するため、フィルタのタップ数に制限がある場合であっても、精度よく音響特性の補正を行うことができるフィルタを実現できる。
本発明に係る音響特性補正装置1の一実施形態について、図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
(音響特性補正装置1)
図1は、本発明に係る音響特性補正装置1(音声信号処理装置)の構成を示すブロック図である。本発明に係る音響特性補正装置1は、音響特性測定部2(測定インパルス応答算出手段)とゲイン補正特性算出部3(直線位相インパルス応答算出手段、ゲイン補正特性算出手段)と位相補正特性算出部4(位相補正特性算出手段、減衰手段、減衰判定手段)と補正特性合成部5(フィルタ係数算出手段)とフィルタ係数算出部6(フィルタ係数算出手段)と畳み込み演算部7(畳み込み演算装置)とタップ数変更部18(フィルタタップ数設定変更手段)とを含んで構成される。
図1は、本発明に係る音響特性補正装置1(音声信号処理装置)の構成を示すブロック図である。本発明に係る音響特性補正装置1は、音響特性測定部2(測定インパルス応答算出手段)とゲイン補正特性算出部3(直線位相インパルス応答算出手段、ゲイン補正特性算出手段)と位相補正特性算出部4(位相補正特性算出手段、減衰手段、減衰判定手段)と補正特性合成部5(フィルタ係数算出手段)とフィルタ係数算出部6(フィルタ係数算出手段)と畳み込み演算部7(畳み込み演算装置)とタップ数変更部18(フィルタタップ数設定変更手段)とを含んで構成される。
ここで、ゲイン補正特性算出部3と位相補正特性算出部4と補正特性合成部5とフィルタ係数算出部6とは、フィルタ係数算出部20(フィルタ係数算出装置)を構成している。
また、音響特性補正装置1は、記憶装置8とマイク9とAD変換器10とソース機器11(音声信号入力装)とDA変換器12とアンプ13とスピーカ14(音声出力装置)とともに、音響特性補正システム15を構成している。
図2は、本実施の形態において音響特性を補正する対象となる再生系17と各種機器の接続状態を示す図である。再生系17は、スピーカ14とリスニングルーム16とを含んで構成される。図2においては、AD変換器10、DA変換器12、記憶装置8の図示を省略しているが、図1と同様、音響特性補正装置1に接続されて音響特性補正システム15を構成しているものとする。また、図2示す例では、マイク9aとマイク9bとの2つのマイクが配置されているが、1本であってもよく、特に限定はされない。
音響特性補正装置1は、スピーカ14とリスニングルーム16とを含んで構成される再生系17の音響特性を補正する。例えば、音響特性補正装置1によれば、インパルス応答などの時間領域の応答特性や、インパルス応答などを周波数分析して得られる周波数領域での応答特性などを補正することができる。以下に、音響特性補正装置1を構成する各部の動作について説明する。
マイク9は音声を収集しアナログの電気信号に変換してAD変換器15に出力する。AD変換器15は、マイクを通じて入力された音声を表すアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、音響特性測定部2に出力する。
音響特性測定部2は、再生系17の音響特性を測定する。すなわち、音響特性測定部2は、マイク9を介して入力される音声信号に基づいて、再生系17の音響特性データを取得する。そして、音響特性測定部2は、取得した音響特性データを、ゲイン補正特性算出部3および位相補正特性算出部4に供給する。本実施の形態においては、音響特性測定部2は、音響特性の測定において、インパルス応答を測定する。インパルス応答は、TSP(Time Stretched Pulse)法やクロススペクトル法などによって測定するのが好ましいが、単一パルスによって測定する構成であってもよく、特に限定はされない。以下では、音響特性測定部2によって測定されるインパルス応答を、測定インパルス応答と呼ぶ。
なお、測定インパルス応答の測定について、より具体的に説明すれば次のとおりである。以下では、TSP法によって測定する場合を例に説明する。TSP法によるインパルス応答の測定では、TSP信号を用いる。TSP信号は、記憶装置8に記憶されている。また、TSP信号の応答をインパルス応答に変換するために用いられる逆TSP波形も記憶装置8に記憶されている。逆TSP波形は、TSP波形を時間的に逆にした波形である。そして、音響特性測定部2は、インパルス応答を測定するときに、記憶装置8からTSP信号を読み出して、スピーカ14を通じて再生する。再生されたTSP信号によって表される音声は、マイク9によって収音されて、収音波形が記憶装置8に記憶される。そして、記憶装置8に記憶された収音波形と上記逆TSP信号との畳み込み演算を行うことによって測定インパルス応答の波形を得ることができる。畳み込み演算は、畳み込み演算部7において実行されてもよい。
なお、図2において、マイク9aとマイク9bとの2本のマイクが設置された構成が示されているが、必ずしも2本で測定する必要はなく、マイク9a、マイク9bのいずれか一方を用いて測定インパルス応答を測定する構成であってもよく、特に限定はされない。
ゲイン補正特性算出部3は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(以下では、測定インパルス応答データ)をもとにゲイン補正用FIRフィルタを作成する。ゲイン補正用FIRフィルタは、位相の周波数特性については変化させることなく、振幅の周波数特性のみを補正するフィルタである。ここで、ゲイン補正用FIRフィルタを作成するとは、より具体的には、ゲイン補正用FIRフィルタの周波数特性(以下では、ゲイン補正特性と呼ぶ)を算出することを意味する。そして、ゲイン補正特性算出部3は、ゲイン補正特性を表すデータを補正特性合成部5に出力する。ゲイン補正特性算出部3についての詳細は後述する。
位相補正特性算出部4は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(すなわち、測定インパルス応答データ)をもとに位相補正用FIRフィルタを作成する。位相補正用FIRフィルタは、振幅の周波数特性については変化させることなく、位相の周波数特性のみを補正するフィルタである。ここで、位相補正用FIRフィルタを作成するとは、より具体的には、位相補正用FIRフィルタの周波数特性(以下では、位相補正特性と呼ぶ)を算出することを意味する。そして、位相補正特性算出部4は、位相補正特性を表すデータを補正特性合成部5に出力する。位相補正特性算出部4についての詳細は後述する。
補正特性合成部5は、上記のゲイン補正特性と位相補正特性とを合成して、上記再生系の音響特性を補正するFIRフィルタを作成する。ここで、フィルタを作成するとは、より具体的には、フィルタの周波数特性(以下では、合成補正特性と呼ぶ)を算出することを意味する。つまり、補正特性合成部5は、上記のゲイン補正特性と位相補正特性とを合成して合成補正特性を算出し、合成補正特性を表すデータをフィルタ係数算出部6に出力する。
フィルタ係数算出部6は、合成補正特性を表すデータに対して逆フーリエ変換(より具体的には、IDFTやIFFT)し、合成補正特性に対応するインパルス応答を算出する。合成補正特性に対応するインパルス応答の時間軸上の各レベル値は、上記再生系の音響特性を補正するFIRフィルタの係数として設定される。フィルタ係数算出部6は、FIRフィルタの係数である前記時間軸上の各レベル値のデータを、記憶装置8に格納する。また、フィルタ係数算出部6は、FIRフィルタの係数を表す前記データを畳み込み演算部7に直接出力することもできる。
畳み込み演算部7は、ソース機器11から入力される音声信号に対して合成補正特性の付与、すなわち、FIRフィルタの係数と音声データとの畳み込み演算を行い、合成補正特性の付与された音声信号をDA変換器12に出力する。
DA変換器12は、畳み込み演算部7から入力されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換し、アンプ13に出力する。アンプ13は、DA変換器12から入力されるアナログの音声信号を増幅し、スピーカ14に出力する。スピーカ14は、アンプ13から入力される増幅されたアナログの音声信号を音声に変換して出力する。
音響特性補正装置1を構成する各部の機能は、CPUがオペレーティングシステムと協働してメモリに展開された各種のプログラムに従って処理を行うことによって実現される。なお、音響特性補正装置1を構成する各部の機能の一部または全部が、オペレーティングシステムを介することなく、CPUとメモリに展開された各種のプログラムのみによって実現されてもよい。また、オペレーティングシステムや各種のプログラムは、記憶装置8に格納されており、CPUによって読み出されて実行される。同様に、音響特性補正装置1が実行する処理において用いられる各種のデータも、記憶装置8に格納されており、必要に応じてCPUによって読み出される。
図3は、本実施の形態に係る音響特性補正装置1において行われる音響特性を補正する処理の流れの概要を示すフローチャートである。以下に、図3を用いて音響特性補正装置1における音響特性を補正する処理の流れの概要について説明する。
はじめに、音響特性測定部2が、TSP法やクロススペクトル法などによって、インパルス応答(すなわち、上述の測定インパルス応答)を測定する(S301)。
次に、ゲイン補正特性算出部3が、S301において測定された測定インパルス応答をもとにゲイン補正用FIRフィルタを作成する(S302)。より具体的には、ゲイン補正特性算出部3は、上記のゲイン補正特性を算出する。
次に、位相補正特性算出部4が、S301において測定された測定インパルス応答をもとに位相補正用FIRフィルタを作成する(S303)。より具体的には、位相補正特性算出部4は、上記の位相補正特性を算出する。
次に、補正特性合成部5が、S302において算出されたゲイン補正特性とS303において算出された位相補正特性とを合成して合成補正特性を算出し、フィルタ係数算出部6において、合成補正特性から補正用FIRフィルタのフィルタ係数を算出する(S304)。
そして、畳み込み演算部7が、ソース入力される音声信号とS304において算出されたフィルタ係数との畳み込み演算を繰り返す(S305)。これにより、音声信号に基づいて再生される音声の音質が調整される。すなわち、音響特性補正装置1は再生系の音響特性を補正する。
(ゲイン補正特性算出部3)
ゲイン補正特性算出部3は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(すなわち、測定インパルス応答を表すデータ)をフーリエ変換(より具体的には、DFT、FFT)して再生系17の周波数特性Hspを表す周波数特性データに変換する。
ゲイン補正特性算出部3は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(すなわち、測定インパルス応答を表すデータ)をフーリエ変換(より具体的には、DFT、FFT)して再生系17の周波数特性Hspを表す周波数特性データに変換する。
図4は、ゲイン補正特性算出部3においてゲイン補正特性を算出する場合に求められる各種の特性を示す図であり、(a)はサンプリングされた測定インパルス応答を示す図であり、(b)は測定インパルス応答の周波数特性を示す図であり、(c)は測定インパルス応答の周波数特性の逆特性に対応するインパルス応答を示す図であり、(d)ゲイン補正特性算出部3において算出されたゲイン補正特性を示す図である。
ここで、本実施の形態では、ゲイン補正特性算出部3における測定インパルス応答のサンプリング数を512とする。つまり、図4(a)に示す測定インパルス応答は、512のサンプリングデータによって表されている。そして、ゲイン補正特性算出部3は、これら512の測定インパルス応答を表すデータをフーリエ変換して、周波数特性Hspを表すデータを得る。
次に、ゲイン補正特性算出部3は、周波数特性Hspのゲインに関する周波数特性|Hsp|(特許請求の範囲におけるゲイン特性に対応し、以下では、ゲイン周波数特性|Hsp|と呼ぶ)を算出する。ゲイン周波数特性|Hsp|は、周波数特性Hspの絶対値として表現される。より具体的には、周波数特性Hspを表すデータは複素数に対応するデータ(以下複素形式データと呼ぶ)であり、実部データと虚部データとからなる。そっして、ゲイン補正特性算出部3は、周波数特性Hspを表す複素形式データの絶対値をゲイン周波数特性|Hsp|として算出する。|Hsp|は数1によって表される。ここで、Hsp*は、Hspの共役複素数である。図4(b)にゲイン周波数特性|Hsp|を示す。
次に、ゲイン補正特性算出部3は、ゲイン周波数特性|Hsp|を、所定の帯域幅(例えば、1/3オクターブや1/6オクターブなど)ごとに平均化して、平均ゲイン周波数特性|Hsp ̄|を算出する。図4(b)に平均ゲイン周波数特性|Hsp ̄|を示す。図4(b)に示すとおり、平均ゲイン周波数特性|Hsp ̄|は、ゲイン周波数特性|Hsp|に比べて平滑化された周波数特性を示す。1/3オクターブや1/6オクターブなどの平均化を行うことで人間の聴覚特性に近いゲイン特性周波数特性とすることができる。なお、平均ゲイン周波数特性|Hsp ̄|を算出することなく、ゲイン周波数特性|Hsp|を用いて後述する逆ゲイン周波数特性Hgainを算出してもよく、特に限定はされない。
さらに、ゲイン補正特性算出部3は、1/|Hsp ̄|の演算を行い、平均ゲイン周波数特性|Hsp ̄|の逆特性を示す逆ゲイン周波数特性Hgain(=1/|Hsp ̄|)を算出する。つまり、kを離散周波数とすると、Hgain(k)はHgain(k)=1/|Hsp ̄(k)|によって算出される。逆ゲイン周波数特性Hgainを表すデータもまた、複素形式データであり、虚部データを全て0としている。逆ゲイン周波数特性Hgainは、特許請求の範囲における再生系のゲイン特性の逆特性に対応している。
そして、ゲイン補正特性算出部3は、逆ゲイン周波数特性Hgainに対して逆フーリエ変換を行う。この逆フーリエ変換によって得られる複素形式データの実部は、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答を表している。
この逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答を表すデータは、再生系17のゲインに関する応答特性を補正するFIRフィルタの係数となる。そして、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答を表すデータは、特許請求の範囲における直線位相フィルタに対応するインパルス応答データに対応する。
そして、この逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するFIRフィルタは、位相の周波数特性については変化させることなく、振幅の周波数特性のみを補正するフィルタとなる。このようなFIRフィルタは、一般的に、直線位相FIRフィルタと呼ばれる。
ところで、上述したとおり、ゲイン補正特性算出部3が取得する測定インパルス応答のサンプリング数は512であるため、ゲイン補正特性算出部3において算出される逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答を表すデータの数も512となる。図4(c)に示す1点鎖線によって囲まれた範囲のインパルス応答は、512のデータによって表される。
ここで、ゲイン補正特性算出部3は、畳み込み演算を行うDSPの仕様に応じて、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答の切り出しを行う。インパルス応答の切り出しについてより具体的に説明すれば以下のとおりである。
本実施の形態においては、DSPに相当する畳み込み演算部7の仕様によって、FIRフィルタのタップ数が256に制限されている。そのため、算出するFIRフィルタのタップ数は256に設定されており、最終的にFIRフィルタのフィルタ係数として用いることができるインパルス応答のデータは256に制限される。そこで、ゲイン補正特性算出部3は、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答を表す512のデータのうち、ピーク値(最大値、あるいは、最小値)を中心として時間的に連続した256のデータ(以下では、切り出しデータと呼ぶ)を取り出す。つまり、図4(c)に示す破線で囲まれた範囲におけるインパルス応答を表す256のデータを取り出す。図4(c)に示すとおり、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答は、振幅が中心に集中しており、両端においては収束した波形となる。
なお、フィルタのタップ数の設定は、例えば、記憶装置8に記憶され、ゲイン補正特性算出部3が、記憶装置8から読み出す構成が考えられる。
ところで、課題として既に説明したとおり、一般的な逆フィルタに対応するインパルス応答を算出する場合、ゲインに関する周波数特性(ゲイン特性)のみならず、位相に関する周波数特性(位相特性)の情報も含めて算出される。その場合、図16に示すとおり、算出されるインパルス応答は、振幅が全体的に広がっており、両端において収束した波形とはならない。そのため、例えば、インパルス応答を表す512のデータのうち、ピーク値を中心として256のデータの切り出しを行う場合、図16の一点鎖線で囲まれた領域におけるデータは切り捨てられる。この場合、切り捨てられる図16の一点鎖線で囲まれた領域におけるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)は、インパルス応答全体の振幅(FIRフィルタの係数)に比べて無視できるほど小さくはない。したがって、求められたFIRフィルタによって音質を補正しても、補正後のインパルス応答やその周波数特性には誤差が多く含まれる。
これに対し、本発明に係る音響特性補正装置1のゲイン補正特性算出部3において算出される逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答は、上述のように直線位相FIRフィルタに対応するインパルス応答であり、図4(c)に示すとおり、振幅が中心に集中しており、両端においては収束した波形となる。
したがって、ピーク値を中心として256のデータの切り出しを行う場合、図4(c)の破線で囲まれた範囲以外のインパルス応答のデータは切り捨てられても、切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)は、インパルス応答全体の振幅(FIRフィルタの係数)に比べて無視できるほど小さい。つまり、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答の切り出しでは、一般的な逆フィルタのインパルス応答に比べ、切り捨てられる振幅(FIRフィルタの係数)は小さいため、インパルス応答の切り出しの影響に起因して発生する音響補正の誤差は低減される。
しかしながら、ゲイン特性の情報のみを用いて作成したFIRフィルタは、伝達特性を改善することはできるものの、時間領域においては位相のずれを発生してしまう。そこで、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するFIRフィルタであって、切り出しを行ったFIRフィルタに、位相特性のみを補正するFIRフィルタを周波数領域において合成する。
そのため、256の切り出しデータによって表されるインパルス応答をフーリエ変換して、その周波数領域における情報に再度変換する。つまり、ゲイン補正特性算出部3は、256の切り出しデータをフーリエ変換して、周波数特性Hgain_256を表す複素形式データに変換する。
そして、ゲイン補正特性算出部3は、周波数特性Hgain_256のゲインに関する周波数特性|Hgain_256|(以下では、ゲイン周波数特性|Hgain_256|と呼ぶ)を、ゲイン周波数特性|Hsp|と同様の演算により算出する。
図4(d)にゲイン周波数特性|Hgain_256|を示す。ゲイン周波数特性|Hgain_256|は、図4(b)に示すゲイン周波数特性とは逆のゲイン特性を示している。また、図4(d)には、タップ数を128に設定した場合と512に設定した場合のゲイン周波数特性の例についても示されている。
ここで、ゲイン周波数特性|Hgain_256|は、再生系17のゲイン特性を補正するFIRフィルタに対応している。つまり、ゲイン補正特性算出部3は、ゲイン補正特性として、|Hgain_256|を算出する。
なお、本実施の形態では、最終的に音声データとの畳み込み演算に用いるFIRフィルタのタップ数(すなわち、フィルタ係数の数)は記憶装置8に予め設定されている。つまり、ゲイン補正特性算出部3は、記憶装置8から読み出したタップ数に基づいて、逆ゲイン周波数特性Hgainに対応するインパルス応答の切り出しを行う。畳み込み演算に用いるFIRフィルタのタップ数は、ユーザが任意に設定変更、あるいは、指定可能な構成であってもよく、特に限定はされない。
(位相補正特性算出部4)
位相補正特性算出部4は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(すなわち、測定インパルス応答を表すデータ)をフーリエ変換して上記再生系の周波数特性Hsp_wを表す周波数特性データに変換する。
位相補正特性算出部4は、音響特性測定部2から供給される音響特性データ(すなわち、測定インパルス応答を表すデータ)をフーリエ変換して上記再生系の周波数特性Hsp_wを表す周波数特性データに変換する。
図5は、位相補正特性算出部4においてサンプリングされた測定インパルス応答を示す図である。
なお、本実施の形態においては、フィルタのタップ数は256に設定されており、位相補正特性算出部4は、記憶装置8からタップ数の設定を読み出す。そして、位相補正特性を算出する場合、測定インパルス応答に対応する256のデータが必要となる。
ここで、本実施の形態では、位相補正特性算出部4における測定インパルス応答のサンプリング数を、フィルタのタップ数(256)の1/4となる64とする。フーリエ変換に必要な残りの192のデータについては、値を0に設定する。つまり、位相補正特性算出部4では、測定インパルス応答を表すデータとして、64のサンプリングデータに指数減衰窓をかけて得られたデータと値が0に設定された192のデータとを含む256のデータが用いられる。
なお、必ずしも測定インパルス応答のデータを切り出す構成とする必要はなく、測定インパルス応答のサンプリング数を256として、全て、測定インパルス応答のデータを用いる構成であってもよく、特に限定はされない。
また、本実施の形態では、位相補正特性算出部4において、巡回畳み込みの影響によって発生するエイリアス現象を低減させるため、測定インパルス応答に対して指数減衰窓をかける。巡回畳み込みの詳細については後述する。図5に示す測定インパルス応答は、測定インパルス応答の64のサンプリングデータに対して指数減衰窓をかけて得られたデータによって表されている。
エイリアス現象を低減させるための指数減衰窓は、例えば、w(n)=ed・n/64(n=0,1,・・・,63)という式によって表される。そして、本実施の形態においては、この指数減衰窓を、サンプリングした測定インパルス応答(hsp(n)と表す)に適用してhsp_w(n)を算出し、hsp(n)ではなく、hsp_w(n)を用いて位相補正特性を算出する。hsp_w(n)は、hsp_w(n)=hsp(n)・w(n)(n=0,1,・・・,63)の演算によって算出される。しかしながら、必ずしも指数減衰窓を用いる必要はなく、特に限定はされない。
そして、位相補正特性算出部4は、これら256のデータ測定インパルス応答に対応するデータをフーリエ変換して、周波数特性Hsp_wを表すデータを得る。ここで得られるデータは、実部データと虚部データとからなる複素形式データである。
次に、位相補正特性算出部4は、1/Hsp_wの演算を行い、再生系17の逆フィルタに対応する周波数特性Htemp(=1/Hsp_w)を算出する。離散周波数をkとすると、Htemp(k)=Hsp_w*(k)/(Hsp_w*(k)・Hsp_w(k)の演算によって算出される。ここで、Hsp_w*(k)は、Hsp_w(k)の共役複素数である。周波数特性Htempを表す複素形式データには、実部データ、虚部データのいずれにも値が設定されている。ここで、Htempは特許請求の範囲における再生系の周波数特性の逆特性に対応する。
さらに、位相補正特性算出部4は、Htemp/|Htemp|の演算を行い、逆フィルタの周波数特性Htempを正規化して、周波数特性Hap(=Htemp/|Htemp|)を算出する。ここで、周波数特性Hapは、複素形式データによって表され、複素形式データの絶対値として算出されるゲイン周波数特性|Hap|は全ての周波数に対して1となり、全ての周波数においてゲインは一定となる。つまり、周波数特性Hapは、オールパスフィルタ、すなわち、振幅の周波数を変化させることなく位相の周波数特性のみを補正するフィルタの周波数特性となる。
周波数特性Hapは、再生系17の位相特性を補正するFIRフィルタに対応している。つまり、位相補正特性算出部4は、位相補正特性として周波数特性Hapを算出する。
以下では、巡回畳み込みの詳細について説明する。上述したとおり、本実施の形態においては、畳み込み演算部7の仕様によってFIRフィルタのタップ数は256に制限されている。そのため、最終的に合成されるFIRフィルタのタップ数(すなわち、フィルタ係数の数)は256であり、周波数特性Hsp_wを算出するためのフーリエ変換を行う場合に必要となる測定インパルス応答を表すデータの数も256となる。
ところで、逆フィルタを算出する場合、測定インパルス応答をフーリエ変換して周波数特性を求め、求められた周波数特性の逆特性について逆フーリエ変換を行うことにより、逆フィルタに対応するインパルス応答を算出する。ここで、フーリエ変換は、より具体的には、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)を用いた離散的なフーリエ変換(DFT;Discrete Fourier Transform)である。このようにして求められた逆フィルタに対応するインパルス応答は、非周期数列を逐次的にN点づつシフトして繰り返し重ね合わされた周期数列の1周期分である。そして、FFT長を十分に長く設定していない場合、巡回畳み込みの影響によってエイリアス現象が発生する。
図6は、エイリアス現象を説明する図である。図6における破線で囲まれた部分は、周期数列の1周期分、すなわち、逆フィルタに対応するインパルス応答であり、正の時間と負の時間とが同居している様子を示している。
そして、巡回畳み込みの影響によるエイリアス現象を発生させないようにするためには、逆フーリエ変換された応答に0の区間が生じるように、FFT長を十分長く設定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、求めるFIRフィルタのタップ数(すなわち、FFT長に対応)の256に対して、測定インパルス応答のサンプリング数を64として、さらに、測定インパルス応答の64番目のサンプリング点におけるインパルス応答の残響エネルギーが、予め定められた閾値としての−60dBより小さく減衰するように測定インパルス応答に指数減衰窓をかけることによって相対的にFFT長を十分長く設定する。なお、フーリエ変換に必要な残りの192のデータについては値を0とする。
つまり、上述したとおり、本実施の形態においては、この指数減衰窓を、サンプリングした測定インパルス応答(hsp(n)と表す)に適用してhsp_w(n)を算出し、hsp(n)ではなく、hsp_w(n)を用いて位相補正特性を算出する。
指数減衰窓は、例えば、w(n)=ed・n/64(n=0,1,・・・,63)という式によって表される。そして、インパルス応答の残響エネルギーは、例えば、残響時間を測定する際に用いられる自乗積分法を用いて、測定インパルス応答全体のエネルギーと、あるサンプリング点における測定インパルス応答のエネルギーとの比から算出できる。より具体的には、残響エネルギーは、数2の式によって評価できる。
エイリアス現象の影響が少なくなるのは、数2によって算出されるSが−60以下の場合である。そして、本実施の形態においては、数2を利用して、位相補正特性の算出に用いるhsp_w(n)について、タップ数の1/4のサンプリング点において、残響エネルギーが十分減衰しているか否かを評価する。
ここで、hsp_w(n)の残響エネルギーの減衰を評価する場合、エイリアスの影響が少なくなるように、すなわち、−60以下となるように指数減衰窓のdを調整する。ここで、d=0のときは、指数減衰窓が無いのと同じである。ただし、dを小さくし過ぎるとδ関数に近づき、つまりHsp_wの位相が0に近づき、位相情報が低減する。なお、−60は検討結果から求めた汎用的な基準値で必ずしもこの値には限定されない。
これにより、最終的に補正特性合成部5において合成される合成補正特性を逆フーリエ変換して得られるインパルス応答において、巡回畳み込みの影響によって発生するエイリアス現象を低減できる。
(合成逆フィルタ)
音響特性補正装置1では、補正特性合成部5が、ゲイン補正特性算出部3において算出されたゲイン補正特性と位相補正特性算出部4において算出された位相補正特性とを合成して、合成補正特性Hを算出する。より具体的には、補正特性合成部5は、|Hgain_256|・Hapの演算を行って合成補正特性Hを算出する。つまり、補正特性合成部5は、離散周波数をkとすると、合成補正特性H(k)を算出するために、H(k)=|Hgain_256(k)|・Hap(k)の演算を行う。
音響特性補正装置1では、補正特性合成部5が、ゲイン補正特性算出部3において算出されたゲイン補正特性と位相補正特性算出部4において算出された位相補正特性とを合成して、合成補正特性Hを算出する。より具体的には、補正特性合成部5は、|Hgain_256|・Hapの演算を行って合成補正特性Hを算出する。つまり、補正特性合成部5は、離散周波数をkとすると、合成補正特性H(k)を算出するために、H(k)=|Hgain_256(k)|・Hap(k)の演算を行う。
そして、フィルタ係数算出部6が、補正特性合成部5において算出された合成補正特性Hに対して逆フーリエ変換を行い、合成補正特性Hに対応するインパルス応答を算出する。図7は、合成補正特性Hに対応するインパルス応答を示す図である。ここで、|Hgain_256|、および、Hapを表す複素形式データの数はいずれも256であり、これらを合成して得られる複素形式データと、それを逆フーリエ変換して算出されるインパルス応答を表すデータの数も256となる。
そして、本発明に係る音響特性補正装置1では、合成補正特性に対応するインパルス応答を表すデータをフィルタ係数とするFIRフィルタ(特許請求の範囲における再生特性補正フィルタに対応し、以下では、合成逆フィルタと呼ぶ)によって、再生系17の音響特性を補正する。より具体的には、畳み込み演算部7において、ソース機器11から入力される音声データと合成逆フィルタのフィルタ係数との畳み込み演算を行うことにより、音声データに合成補正特性を付与する。合成逆フィルタによれば、再生系17のゲイン特性と位相特性の両方を補正できる。
また、上述したとおり、DSPに対応する畳み込み演算部7は、処理可能なFIRフィルタのタップ数は256である。一方、合成逆フィルタのフィルタ係数の数も256であるため、畳み込み演算部7において、合成逆フィルタの畳み込み演算を実行することは可能である。
さらに、図7に示すとおり、本発明に係る音響特性補正装置1によって算出される合成逆フィルタのインパルス応答は、図16に示す一般的な逆フィルタのインパルス応答から256のサンプルを切り出した場合と比較して波形が中央に集中しているため、巡回畳み込みの影響による補正後の誤差は少ない。
図8は、再生系17におけるインパルス応答を示す図であり、(a)は合成逆フィルタによる補正を行わない場合のインパルス応答を示す図であり、(b)は合成フィルタによる補正を行った場合のインパルス応答を示す図である。なお、図8(b)には、合成逆フィルタのタップ数を128に設定した場合と256に設定した場合の例を示している。また、図8(b)には、タップ数256の場合において、ゲイン周波数特性|Hsp|を1/3オクターブ平均して算出される合成逆フィルタによる補正を行った場合のインパルス応答と1/6オクターブ平均して算出される合成逆フィルタによる補正を行った場合のインパルス応答を示している。
図8(a)に示す補正されていないインパルス応答は、単位インパルスとは異なる周期を持った波形を示しているのに対し、図8(b)に示す補正後のインパルス応答は、鋭い立ち上がりの単位インパルスに近い波形を示している。つまり、合成逆フィルタによってインパルス応答が単位インパルスとなるような補正が行われている。また、合成逆フィルタのタップ数を256よりさらに少ない128とした場合、すなわち、ゲイン補正特性算出部3においてゲイン補正特性を算出する場合に切り捨てられるデータ数がさらに多い場合においても、タップ数が256の場合と同等のインパルス応答を示している。
図9は、合成逆フィルタによる補正を行った場合の再生系17におけるゲインの周波数特性を示す図であり、(a)は全周波帯域におけるゲインの周波数特性を示す図であり、(b)は高周波数帯域におけるゲインの周波数特性を示す図である。図9(a)、および、図9(b)には、合成逆フィルタのタップ数を128に設定した場合と256に設定した場合の例を示している。また、タップ数256の場合において、ゲイン周波数特性|Hsp|を1/3オクターブ平均して算出される合成逆フィルタによる補正を行った場合のゲインの周波数特性と1/6オクターブ平均して算出される合成逆フィルタによる補正を行った場合のゲインの周波数特性を示している。
図9(a)に示すとおり、合成逆フィルタによる補正を行った場合、全周波数帯域においてゲインの周波数特性はフラットになっている。また、合成逆フィルタのタップ数を256よりさらに少ない128とした場合であっても、タップ数が256(1/3オクターブ平均)の場合と同等の補正効果が得られる。さらに、図9(b)に示すとおり、高周波数帯域においては、合成逆フィルタのタップ数を256よりさらに少ない128とした場合であっても、タップ数が256(1/6オクターブ平均)の場合と同等の補正効果が得られる。
(位相補正および指数減衰窓による効果)
以下では、位相補正による効果、および、指数減衰窓を利用した場合の効果について、より詳細に説明する。
図10は、再生系17を構成するリスニングルーム16に設置されたマイク9a、および、マイク9bによるインパルス応答の測定結果であって、FIRフィルタによる補正を行わない場合のインパルス応答の測定結果を示す図である。図10に示すとおり、FIRフィルタによる補正を行わない場合、マイク9a、および、マイク9bによるいずれの測定結果においても、インパルス応答は単位インパルスとならずに周期波形を示す。
以下では、位相補正による効果、および、指数減衰窓を利用した場合の効果について、より詳細に説明する。
図10は、再生系17を構成するリスニングルーム16に設置されたマイク9a、および、マイク9bによるインパルス応答の測定結果であって、FIRフィルタによる補正を行わない場合のインパルス応答の測定結果を示す図である。図10に示すとおり、FIRフィルタによる補正を行わない場合、マイク9a、および、マイク9bによるいずれの測定結果においても、インパルス応答は単位インパルスとならずに周期波形を示す。
図11は、位相補正特性を合成することなくゲイン補正特性のみに基づいて算出されたFIRフィルタによる再生系17における音響特性の補正効果を示す図であり、(a)は位相補正特性を合成することなくゲイン補正特性のみに基づいて算出されたFIRフィルタのインパルス応答を示す図であり、(b)はマイク9a、および、マイク9bによるインパルス応答の測定結果であって、補正前と補正後のインパルス応答を示す図である。図11(a)に示すとおり、ゲイン補正特性のみを逆フーリエ変換して得られるフィルタのインパルス応答は、波形が中央に集中しており、中央のレベル値のピークを中心として左右対称に減衰している。この場合、FIRフィルタのタップ数の制限に応じて切り出しを行っても、切り捨てられるインパルス応答の振幅(FIRフィルタの係数)は小さく、切り出しを行うことに起因する補正誤差は少ない。しかしながら、図11(b)に示すとおり、ゲイン補正特性のみに基づいて算出したFIRフィルタ、すなわち、位相補正特性を合成せずに算出したFIRフィルタでは、インパルス応答は、立ち上がりの鋭い単位インパルスとはなっていない。
図12は、ゲイン補正特性と、指数減衰窓による調整を行わずに算出された位相補正特性とを合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタによる再生系17における音響特性の補正効果を示す図であり、(a)は位相補正特性を合成する場合に用いる測定インパルス応答を示す図であり、(b)は(a)に示す測定インパルス応答について各サンプリング点における残響エネルギーの減衰を示す図であり、(c)は指数減衰窓による調整を行わずに算出された位相補正特性をゲイン補正特性に合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタのインパルス応答を示す図であり、(d)はマイク9a、および、マイク9bによるインパルス応答の測定結果であって、補正前と補正後のインパルス応答を示す図である。
図12(a)に示すインパルス応答のサンプル数は64であるが、64番目のサンプリング点においてインパルス応答は収束していない。また、図12に示す例においては、測定インパルス応答に対して指数減衰窓はかけない。そのため、図12(b)に示すとおり、64番目のサンプリング点においては、残響エネルギーは−20dbまでしか減衰しない。その結果、図12(c)に示すとおり、指数減衰窓による調整を行わずに算出された位相補正特性をゲイン補正特性に合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタのインパルス応答は、巡回畳み込みの影響によって波形が全体に広がり、両端において収束しない。このようにして算出されたFIRフィルタを用いて補正を行った場合、図12(d)に示すとおり、図11(b)に示す位相補正を含まないFIRフィルタによるインパルス応答に比べれば立ち上がりの鋭い単位インパルスに近い波形を示しているが、立ち上がり波形の前にプリエコーが発生している。
図13は、ゲイン補正特性と、指数減衰窓による調整を行って算出された位相補正特性とを合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタによる再生系17における音響特性の補正効果を示す図であり、(a)は位相補正特性を合成する場合に用いる測定インパルス応答を示す図であり、(b)は(a)に示す測定インパルス応答について各サンプリング点における残響エネルギーの減衰を示す図であり、(c)は指数減衰窓による調整を行って算出された位相補正特性をゲイン補正特性に合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタのインパルス応答を示す図であり、(d)はマイク9a、および、マイク9bによるインパルス応答の測定結果であって、補正前と補正後のインパルス応答を示す図である。
図13(a)に示すインパルス応答のサンプル数は64であり、64番目のサンプリング点においてインパルス応答が収束するように指数減衰窓がかけられている。そのため、図13(b)に示すとおり、64番目のサンプリング点においては、エネルギーは−60dbまで減衰している。その結果、図12(c)に示すとおり、指数減衰窓による調整を行って算出された位相補正特性をゲイン補正特性に合成した合成補正特性に基づいて算出されたFIRフィルタのインパルス応答は、巡回畳み込みの影響が低減されて波形が両端において収束している。このようにして算出されたFIRフィルタを用いて補正を行った場合、図13(d)に示すとおり、図12(d)に示すインパルス応答の波形に比べ、さらに立ち上がりの鋭い単位インパルス波形となり、立ち上がり波形の前のプリエコーが抑制される。
なお、位相補正特性算出部4において、測定インパルス応答の64のサンプリングデータに対して、必ずしも、指数減衰窓をかける必要はない。例えば、64番目のサンプリング点において、インパルス応答の波形が十分収束しており、残響エネルギーが−60dbまで減衰している場合には、指数減衰窓をかけない構成としてもよく、特に限定はされない。
また、位相補正特性算出部4が、測定インパルス応答データに基づいて64番目のサンプリング点において、残響エネルギーが−60dBまで減衰しているか否かを判定し、残響エネルギーが−60dBまで減衰していない場合にのみ指数減衰窓をかける構成としてもよく、特に限定はされない。
なお、本発明を、以下のように表現することも可能である。
(第1の構成)
スピーカとマイクロホンとを備えた音質調整装置において、前記装置は、ゲイン特性と位相特性を取得する手段と、ゲイン特性と位相特性を周波数領域で合成する手段と、前記合成したゲイン特性と位相特性を用いて補正する手段を具備することを特徴とする第1の構成。
スピーカとマイクロホンとを備えた音質調整装置において、前記装置は、ゲイン特性と位相特性を取得する手段と、ゲイン特性と位相特性を周波数領域で合成する手段と、前記合成したゲイン特性と位相特性を用いて補正する手段を具備することを特徴とする第1の構成。
(第2の構成)
前記装置はインパルス応答を取得する手段を具備することを特徴とする第2の構成。
前記装置はインパルス応答を取得する手段を具備することを特徴とする第2の構成。
(第3の構成)
前記補正手段は、インパルス応答継続時間よりも短いタップ数のFIRフィルタであることを特徴とする第3の構成。
前記補正手段は、インパルス応答継続時間よりも短いタップ数のFIRフィルタであることを特徴とする第3の構成。
(第4の構成)
前記FIRフィルタのタップ長を可変にする手段を特徴とする第4の構成。
前記FIRフィルタのタップ長を可変にする手段を特徴とする第4の構成。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、音響特性補正装置1の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、音響特性補正装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである補正値調整装置9の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、音響特性補正装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、音響特性補正装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明に係るフィルタ係数算出装置は、音声出力装置から出力される音声のリスニングルームなどにおける応答特性を補正する装置に実装でき、例えば、ルームイコライザなどを構成した場合に好適に利用することができる。
1 音響特性補正装置(音声信号処理装置)
2 音響特性測定部(測定インパルス応答算出手段)
3 ゲイン補正特性算出部(直線位相インパルス応答算出手段、ゲイン補正特性算出手段)
4 位相補正特性算出部(位相補正特性算出手段、減衰手段、減衰判定手段)
5 補正特性合成部(フィルタ係数算出手段)
6 フィルタ係数算出部(フィルタ係数算出手段)
7 畳み込み演算部(畳み込み演算装置)
8 記憶装置
9 マイク
10 AD変換器
11 ソース機器(音声信号入力装置)
12 DA変換器
13 アンプ
14 スピーカ(音声出力装置)
15 音響特性補正システム
16 リスニングルーム
17 再生系
18 タップ数変更部(フィルタタップ数設定変更手段)
20 フィルタ係数算出部(フィルタ係数算出装置)
2 音響特性測定部(測定インパルス応答算出手段)
3 ゲイン補正特性算出部(直線位相インパルス応答算出手段、ゲイン補正特性算出手段)
4 位相補正特性算出部(位相補正特性算出手段、減衰手段、減衰判定手段)
5 補正特性合成部(フィルタ係数算出手段)
6 フィルタ係数算出部(フィルタ係数算出手段)
7 畳み込み演算部(畳み込み演算装置)
8 記憶装置
9 マイク
10 AD変換器
11 ソース機器(音声信号入力装置)
12 DA変換器
13 アンプ
14 スピーカ(音声出力装置)
15 音響特性補正システム
16 リスニングルーム
17 再生系
18 タップ数変更部(フィルタタップ数設定変更手段)
20 フィルタ係数算出部(フィルタ係数算出装置)
Claims (9)
- 音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出装置であって、
上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出する直線位相インパルス応答算出手段と、
上記インパルス応答のうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出手段と、
上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出手段と、
上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出手段とを備えていることを特徴とするフィルタ係数算出装置。 - 上記再生系において測定用信号に基づいて再生される再生音を収音して得た音声データから、測定インパルス応答を算出する測定インパルス応答算出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ係数算出装置。
- 予め定められた測定時間において上記測定インパルス応答の残響エネルギーが予め設定された閾値よりも小さくなるような指数減衰窓を上記測定インパルス応答にかけて、指数減衰インパルス応答を算出する減衰手段をさらに備え、
上記位相補正特性算出手段は、
上記指数減衰インパルス応答から、上記再生系の周波数特性の逆特性を算出することを特徴とする請求項2に記載のフィルタ係数算出装置。 - 上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さいか否かを判定する減衰判定手段をさらに備え、
上記減衰手段は、
上記減衰判定手段によって、上記測定インパルス応答の残響エネルギーが、上記測定時間において、上記閾値より小さくないと判定された場合に、上記指数減衰窓を上記測定インパルス応答にかけることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ係数算出装置。 - 上記タップ数の設定を変更するフィルタタップ数設定変更手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタ係数算出装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルタ係数算出装置と、
音声信号入力装置から入力される音声信号に対して、上記フィルタ係数算出手段によって算出された再生特性補正フィルタのフィルタ係数の畳み込み演算処理を行い、音声出力装置に供給する畳み込み演算装置とを備えていることを特徴とする音声信号処理装置。 - 音場を含んで構成される再生系の音響特性を補正する再生特性補正フィルタのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出方法であって、
上記再生系のゲイン特性の逆特性を有する直線位相フィルタに対応するインパルス応答を算出する直線位相インパルス応答算出ステップと、
上記インパルス応答のうち、予め設定されたフィルタのタップ数と同数のインパルス応答であって、ピーク値を含む時間的に連続したインパルス応答の周波数特性を、ゲイン補正特性として算出するゲイン補正特性算出ステップと、
上記再生系の周波数特性の逆特性から、該逆特性のゲイン特性を正規化して位相補正特性を算出する位相補正特性算出ステップと、
上記ゲイン補正特性と上記位相補正特性とを合成して得られる合成補正特性を有するフィルタのフィルタ係数を、上記再生特性補正フィルタのフィルタ係数として算出するフィルタ係数算出ステップとを含んでいることを特徴とするフィルタ係数算出方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルタ係数算出装置を動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
- 請求項8に記載の制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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