JP2008196604A - 車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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太郎 河合
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Abstract

【課題】ディスクロータが異常摩耗することを抑制できる浮動型ディスクブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】車両と共に回転するディスクロータと、前記ディスクロータの両側面に対向して設けられる一対のパッドと、前記一対のパッドの夫々を前記ディスクロータ方向に押圧するキャリパと、前記キャリパを、スライドピン機構を介して、前記ディスクロータの回転軸に平行に摺動可能に支持し、かつ車両に固定されるマウンティングと、を備えたディスクブレーキ装置において、前記パッドと前記ディスクロータの空転状況を感知または予測する空転判定装置と、前記スライドピン機構の摺動摩擦力を可変する摩擦機構と、前記空転判定装置により感知または予測した空転状況に基づき前記摩擦機構を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を増加させ、非空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を減少させることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ディスクブレーキ装置に係り、特に浮動型ディスクブレーキ装置に関する。
図1は、従来の浮動型ディスクブレーキの主要な構成の一例を示した一部断面図である。
浮動型ディスクブレーキ装置は、インナパッド2a、およびアウタパッド2bをディスクロータ1に押圧し、2枚のパッド2a、2bとその間に挟み込まれたディスクロータ1との摩擦力で、制動力を発現するブレーキ装置である。インナパッド2aは、油圧によりピストン5でディスクロータ1へ押圧される。アウタパッド2bは、インナパッド2aをディスクロータ1に押圧する際の反力により、キャリパ3に固定されたスライドピン12がマウンティング7に固定されたピン孔11内を引き抜き方向に摺動するため、キャリパ3の爪3cでディスクロータ1へ押圧される。このようにして、2枚のバッド2a、2bでディスクロータ1を挟み込む。したがって、浮動型ディスクブレーキ装置は、制動開始時に、スライドピン12とピン孔11とが円滑に摺動する必要がある。
また、浮動型ディスクブレーキ装置は、制動解除時、インナパッド2aをディスクロータ1へ押圧する油圧を降下すると共に、ゴム製シール(リトラクトシール(図示せず))の弾性力を利用してインナパッド2aが後方に移動できるクリアランスをつくる。この結果、インナパッド2aは、ディスクロータ1の面振れにより、ディスクロータ1から離間される。一方、アウタパッド2bは、ディスクロータ1の面振れによりスライドピン12がピン孔11内を押し込み方向に摺動することにより、ディスクロータ1から離間される。したがって、浮動型ディスクブレーキ装置は、制動解除時に、スライドピン12とピン孔11とが円滑に摺動する必要がある。
このように、浮動型ディスクブレーキ装置においては、制動開始時および制動解除時において、スライドピン機構を構成するスライドピン12とピン孔11との円滑な摺動が重要となる。
特許文献1に記載のディスクブレーキ装置は、スライドピン12の先端部とピン孔11内の内周面とで形成される部位を外部と遮断して密閉空間を形成すると共に、前記密閉空間の内部の圧力と外部の圧力のうちの低圧力側に移動する圧力応動手段を備えることを特徴とする。
このような構成とすることにより、ピン孔11内に異物が入り込むのを防止すると共に、スライドピン12の摺動を容易にする。すなわち、異物によるスライドピン12の摺動抵抗を抑制すると共に、前記密閉空間の圧力変化によるスライドピン12の摺動抵抗を抑制し、円滑な摺動を可能としている。
特許文献2に記載のディスクブレーキ装置は、ピン穴11内に、制動開始時のキャリパ3の移動に応じて前記スライドピン12との間隙を広げ、容積を拡大する容積可変室を設け、前記ピン孔11の内部または外部に前記容積可変室とオリフィス通路にて連通する補給室を設け、さらに、前記容積可変室と前記補給室とに潤滑剤を封入したことを特徴とする。
このような構成とすることにより、制動開始時にスライドピン12がキャリパ3と共に車両側へ急激に移動することで、容積可変室には負圧が発生し、制動解除と同時に、スライドピン12がピン孔11に引き込まれ、キャリパ3は車両外側へ移動して非制動時の中立位置に戻る。
特開平8−219197号公報 特開平11−287267号公報
浮動型ディスクブレーキでは、パッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスは、制動の効き始めまでの時間を短くするため、狭く設計される。また、キャリパ3は、車両に固定されたマウンティング7に対し、スライドピン機構(11、12)を介して、摺動可能に支持されるため、路面外乱(例えば、カーブ走行)により慣性力を受けると、キャリパ3の姿勢が不安定になる。キャリパ3の姿勢が不安定になると、もともとパッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスが狭いため、パッド2a、2bとディスクロータ1とが本来空転すべき空転時にも、パッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られる。空転時にパッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られると、ディスクロータ1は、僅かずつながら異常摩耗され、その厚みが周方向で不均一となるため、再研磨または交換することになる。尚、ディスクロータ1の厚みが周方向で不均一になると、ディスクロータ1が一回転する間に、ディスクロータ1を挟み込んだ2枚のパッド2a、2bの間が、広くなったり狭くなったりするため、大きなトルクが発生する。このトルクは、図示しないサスペンションを通じて車体に伝わり、車体振動を起こす。また、このトルクは、図示しないブレーキペダルを踏むとき、ブレーキオイルの油圧を介してブレーキペダルに伝わり、ブレーキペダルが前後に振動する所謂ブレーキジャダー現象を起こす。
特許文献1、および特許文献2に記載の浮動型ブレーキ装置は、スライドピン機構を構成するスライドピン12とピン孔11との円滑な摺動を可能とするが、路面外乱に対しキャリパ3の姿勢を安定化させて、パッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスを確保する機能はない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非空転時はスライドピン12とピン孔11との摺動を円滑に行うことができると共に、空転時はキャリパ3の姿勢を安定化させディスクロータ1が異常摩耗することを抑制できる浮動型ディスクブレーキ装置の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、第1の発明は、車両と共に回転するディスクロータと、
前記ディスクロータの両側面に対向して設けられる一対のパッドと、
前記一対のパッドの夫々を前記ディスクロータ方向に押圧するキャリパと、
前記キャリパを、スライドピン機構を介して、前記ディスクロータの回転軸に平行に摺動可能に支持し、かつ車両に固定されるマウンティングと、
を備えたディスクブレーキ装置において、
前記パッドと前記ディスクロータの空転状況を感知または予測する空転判定装置と、
前記スライドピン機構の摺動摩擦力を可変する摩擦機構と、
前記空転判定装置により感知または予測した空転状況に基づき前記摩擦機構を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を増加させ、非空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を減少させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係るディスクブレーキ装置において、
前記摩擦機構は、電磁バネにより摩擦力を可変することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に係るディスクブレーキ装置において、
前記摩擦機構は、液圧機構により摩擦力を可変することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明に係るディスクブレーキ装置において、
前記摩擦機構は、気圧機構により摩擦力を可変することを特徴とする。
本発明によれば、スライドピン機構の摺動摩擦力を制御することにより、非空転時はスライドピン12とピン孔11との摺動を円滑に行うことができると共に、空転時はキャリパ3の姿勢を安定化させディスクロータ1が異常摩耗することを抑制できる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図2は、本発明に係るディスクブレーキ装置の一実施例を示す一部断面図である。本実施例のディスクブレーキ装置は、図2に示すように、車両に固定されたマウンティング7と、マウンティング7に対し、スライドピン機構20を介して、ディスクロータ1の回転軸に平行に摺動可能に支持されたキャリパ3と、スライドピン機構20の摺動摩擦力を制御する図示しない摺動摩擦制御機構と、から構成される。尚、摺動摩擦制御機構の詳細については、後述する。以下、各構成について詳説する。
キャリパ3は、シリンダ3aと、爪部3cと、シリンダ3aと爪部3cとを連結するブリッジ部3bと、から構成される。シリンダ3aは、内孔4とピストン5とから構成される液圧室6を有する。液圧室6は、図示しない液圧源と接続され、液圧室6内の液圧が上昇及び下降可能とされている。液圧室6の液圧を制御することにより、パッド2a、2bをディスクロータ1へ押圧または離間させることができる。爪部3cは、ディスクロータ1に対し、シリンダ3aの反対側に配置される。爪部3cは、インナパッド2aがディスクロータ1へ押圧されると、その反力でスライドピン12がピン孔11内を引き抜き方向に摺動するため、アウタパッド2bをディスクロータ1へ押圧する。また、爪部3cは、液圧室6内の液圧が下降されると、ディスクロータ1の面振れによりスライドピン12がピン孔11内を押し込み方向に摺動するため、アウタパッド2bをディスクロータ1から離間する。
マウンティング7は、車両の非回転部分に固定されている。マウンティング7は、キャリパ3側に開口した略U字状をしており、略U字状の凹部にキャリパ3の爪部3cが対置される。マウンティング7は、スライドピン機構20を介して、キャリパ3をディスクロータ1の回転軸に平行に摺動可能に支持する。
スライドピン機構20は、マウンティング7に設けられたピン孔11とキャリパ3に設けられピン孔11内に摺動可能に嵌挿されたスライドピン12とから構成される。スライドピン12とピン孔11とをディスクロータ1の回転軸に平行に設けることにより、パッド2a、2bを支持するキャリパ3をディスクロータ1の回転軸に平行に摺動可能とさせる。摺動面に異物が侵入すると円滑な摺動が妨げられるため、スライドピン12の露出部は、ピンブーツ12dにより保護される。また、スライドピン12の先端部は、図示しない周溝が形成され、この周溝に環状のゴムブッシュ22が嵌合される。スライドピン12がピン孔11内を摺動すると、ゴムブッシュ22は、ピン孔11と摩擦し合いながら、ピン孔11内を摺動する。
本実施例のディスクブレーキ装置は、その特徴的な構成として、スライドピン機構20の摺動摩擦力を制御する摺動摩擦制御機構を有する。図3は、スライドピン機構20の摺動摩擦力を制御する摺動摩擦制御機構の機能ブロック図である。摺動摩擦制御機構40は、パッド2a、2bとディスクロータ1の空転状況を感知または予測する空転判定装置41と、スライドピン機構20の摺動摩擦力を可変する摩擦機構43と、空転判定装置により感知または予測した空転状況に基づき摩擦機構43を制御するコントローラ42と、から構成される。コントローラ42は、空転時はスライドピン機構20の摺動摩擦力を増加させ、非空転時はスライドピン機構の摺動摩擦力を減少させる。
空転判定装置41は、パッド2a、2bとディスクロータ1との空転状況を感知または予測する。空転判定装置41は、例えば、ブレーキ液の液圧により空転状況を感知できる。すなわち、ドライバーがブレーキペダルを踏むと、ブレーキペダルの力は、ブレーキ液の液圧に変換され、ブレーキ液の配管を介して、ディスクブレーキ装置の液圧室6に伝達され、インナパッド2aをディスクロータ1へ押圧させる。したがって、ブレーキ液の液圧により空転状況を感知できる。ブレーキ液の液圧を測定する空転判定装置41は、ディスクブレーキ装置内に設置できるが、ディスクブレーキ装置と独立して、ブレーキ液の配管の途中に設置することもできる。尚、液圧式ブレーキの代わりに、空気圧式ブレーキを備えた車両であっても、同様に空気圧により空転状況を感知できる。また、空転判定装置41は、ブレーキ液の液圧計の代わりに、ドライバーがブレーキペダルを踏むことを感知する踏力スイッチ、ブレーキペダルの力をブレーキ液の液圧に変換する際にブレーキペダルの力を増幅するマスタシリンダに設置されたマスタシリンダ圧力センサー、またはブレーキ液の液圧をインナパッド2aの動きに変換するシリンダ3aに設置されたホイールシリンダ圧力センサー、を用いることができる。
或いは、空転判定装置41は、ブレーキ液の液圧の代わりに、車両の速度を用いて、パッド2a、2bとディスクロータ1との空転状況を予測できる。ドライバーがブレーキペダルを踏むためアクセルペダルを緩めると、車両はエンジンブレーキにより減速を始めるため、空転がその後終了することを予測できる。また、ドライバーがブレーキペダルを緩め、アクセルペダルを踏むと、車両は加速を始めるため、空転がその後開始することを予測できる。車両の速度により空転状況を予測する場合は、ブレーキ液の液圧の場合と異なり、車両に標準搭載される速度メータを空転判定装置41として用いることできるため、特に液圧計等の新たな空転判定装置41を設置する必要がない。尚、空転判定装置41は、ブレーキ液の液圧と車両の速度とを併用することもできる。
図4は、ブレーキ液の液圧と空転状況との関係の一例を示した図である。コントローラ42は、例えば、図4に示すように、ブレーキ液の液圧が常圧から所定の圧力P1へ上昇した時刻Taを空転終了時刻と判断し、前記液圧が所定の圧力P1より降下した時刻から一定時間tbを経過した時刻Tbを空転開始時刻と判断する。コントローラ42は、空転開始と判断するとスライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加する指令を摩擦機構43へ出力し、空転終了と判断するまで高い摺動摩擦力を維持させる。また、コントローラ42は、空転終了と判断するとスライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少する指令を摩擦機構43へ出力し、空転開始と判断するまで低い摺動摩擦力を維持させる。尚、コントローラ42は、ディスクブレーキ装置内に設置できるが、ディスクブレーキ装置と独立して設置することもできる。
図5は、車両速度と空転状況との関係の一例を示した図である。コントローラ42は、図5に示すように、車両が減速を一定時間tc続けた時刻Tcを空転終了時刻と判断し、車両停止後に速度が所定の速度V1を超えた時刻Tdを空転開始時刻と判断する。コントローラ42は、空転開始と判断するとスライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加する指令を摩擦機構43へ出力し、空転終了と判断するまで高い摺動摩擦力を維持させる。また、コントローラ42は、空転終了と判断するとスライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少する指令を摩擦機構43へ出力し、空転開始と判断するまで低い摺動摩擦力を維持させる。尚、コントローラ42は、ディスクブレーキ装置内に設置できるが、ディスクブレーキ装置と独立して設置することもできる。
摺動摩擦力を増加する指令は、例えば、ブレーキ液の液圧が所定の圧力P1より低下した時刻から一定時間tbを経過した時刻Tbから、更に一定時間teを経過した時刻Teまで、連続的に摺動摩擦力を増加させる指令とできる。或いは、ONとOFFとの2値制御の指令とし、時刻Tbにおいて摺動摩擦力を一気に増加させる指令とできる。
また、摺動摩擦力を増加する指令は、車両速度が車両停止後に所定の速度V1を超えた時刻Tdから、更に一定時間tfを経過する時刻Tfまで、連続的に摺動摩擦力を増加させる指令とできる。或いは、ONとOFFとの2値制御の指令とし、時刻Tdにおいて摺動摩擦力を一気に増加させる指令とできる。
摩擦力を減少する指令は、例えば、ブレーキ液の液圧が常圧から所定の圧力P1へ上昇した時点Taから、更に一定時間thが経過する時点Thまで、徐々に摺動摩擦力を減少させる指令とできる。或いは、ONとOFFとの2値制御の指令とし、時刻Taにおいて摺動摩擦力を一気に減少させる指令とできる。
また、摺動摩擦力を減少する指令は、車両速度が、一定時間tcの間減速を続けた時刻Tcから、更に一定時間tiを経過する時刻Tiまで、連続的に摺動摩擦力を減少させる指令とできる。或いは、ONとOFFとの2値制御の指令とし、時刻Tcにおいて摺動摩擦力を一気に減少させる指令とできる。
図6は、摩擦機構43の一例を示す断面図である。摩擦機構43には、電磁バネ60を用いる。電磁バネ60は、例えば、図6に示すように、励磁コイル61と可動鉄芯62とを備える電磁ソレノイド63と、可動鉄芯62に固着されたゴム64と、図示しない電気回路と、図示しない電圧源と、から構成される。
励磁コイル61は、スライドピン12内部に設置され、可動鉄芯62およびゴム64は、スライドピン12の中心軸と略直交する溝65へ摺動可能に嵌挿される。励磁コイル61は、図示しない電気回線を介して、図示しない電圧源に接続される。電圧源は、図示しないコントローラ42により制御される。
励磁コイル61に通電すると、可動鉄芯62に磁場が作用し、可動鉄芯62の先端に固定された摺動ゴム64をピン孔11へ押圧する。摺動ゴム64がピン孔11へ押圧されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加できる。また、励磁コイル61への通電を止めると、可動鉄芯62の先端に固定された摺動ゴム64がスライドピン12の内側へ収納される。摺動ゴム64がスライドピン12の内側へ収納されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少できる。
以上のように、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1とが空転を開始すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、電圧源をONにする。電圧源がONにされると、励磁コイル61に電圧が供給され、磁場が励起される。励起された磁場が可動鉄芯62に作用すると、可動鉄芯62に固着された摺動ゴム64がピン孔11へ押圧され、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力が増加する。この摺動摩擦力が増加した状態は、コントローラ42により空転終了まで維持される。このように、空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加することにより、キャリパ3の姿勢を安定化させ、パッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスを確保できる。したがって、路面外乱によりキャリパ3の姿勢が変化して、パッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止でき、ディスクロータ1が異常摩耗することを抑制できる。また、空転時にパッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止できるため、燃料を節約できる。
また、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1との空転が終了すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、電圧源をOFFにする。電圧源がOFFにされると、励磁コイル61への電圧が止められ、励起された磁場が消滅する。励起された磁場が消滅すると、可動鉄芯62に固着された摺動ゴム64がスライドピン12の内側へ収納され、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力が減少する。この摺動摩擦力が減少した状態は、コントローラ42により空転開始まで維持される。このように、非空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少することにより、スライドピン12とピン孔11との摺動を円滑に行うことができる。
図7は、摩擦機構43の別の例を示す断面図である。摩擦機構43には、液圧機構70を用いる。液圧機構70は、例えば、図7に示すように、液圧配管71と、摺動ゴム72と、図示しない液圧源から構成される。
液圧配管71は、第1の配管73と第2の配管74とから構成される。第1の配管は、スライドピン12の中心軸に沿って埋設され、図示しない液圧源まで延設される。第2の配管74は、第1の配管73の端部から、スライドピン12の中心軸に直交する方向に放射状に形成される。摺動ゴム72は、図7に示すように、第2の配管74を覆うようにスライドピン12の外周に環状に設置される。図示しない液圧源は、図示しないコントローラ42により制御される。
液圧配管71の液圧を上昇させると、スライドピン12の外周に環状に設置した摺動ゴム72は、ピン孔11へ押圧される。摺動ゴム72がピン孔11へ押圧されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加できる。また、液圧配管71の液圧を下降させると、摺動ゴム72は、スライドピン12の内側へ収納される。摺動ゴム72がスライドピン12の内側へ収納されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少できる。
以上のように、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1とが空転を開始すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、液圧源の液圧を上昇させる。液圧源の液圧が上昇し、液圧配管71の液圧が上昇すると、摺動ゴム72がピン孔に押圧され、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力が増加する。この摺動摩擦力が増加した状態は、コントローラ42により空転終了まで維持される。このように、空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加することにより、キャリパ3の姿勢を安定化させ、パッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスを確保できる。したがって、路面外乱によりキャリパ3の姿勢が変化して、パッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止でき、ディスクロータ1が異常摩耗することを抑制できる。また、空転時にパッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止できるため、燃料を節約できる。
また、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1との空転が終了すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、液圧源の液圧を下降させる。液圧源の液圧が下降し、液圧配管71の液圧が下降すると、摺動ゴム72がスライドピン12内に収納され、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力が減少する。この摺動摩擦力が減少した状態は、コントローラ42により空転開始まで維持される。このように、非空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少することにより、スライドピン12とピン孔11との摺動を円滑に行うことができる。
摩擦機構43に液圧機構70を用いた場合、電磁バネ60を用いた場合と異なり、摺動ゴム72がスライドピン12の外周に環状に設置されるため、摺動ゴム72をピン孔11の内周方向へ均一に押圧できる。したがって、路面外乱に対して、キャリパ3の姿勢をより安定に保持できる。
図8は、摩擦機構43の別の例を示す断面図である。摩擦機構43には、気圧機構80を用いる。気圧機構80は、例えば、図8に示すように、気圧配管81と、摺動ゴム82と、図示しない気圧源から構成される。
気圧配管81は、第1の配管83と第2の配管84とから構成される。第1の配管は、スライドピン12の中心軸に沿って埋設され、図示しない気圧源まで延設される。第2の配管84は、第1の配管83の端部から、スライドピン12の中心軸に直交する方向に放射状に形成される。摺動ゴム82は、図8に示すように、第2の配管84を覆うようにスライドピン12の外周に環状に設置される。図示しない気圧源は、図示しないコントローラ42により制御される。
気圧配管81の気圧を上昇させると、スライドピン12の外周に環状に設置した摺動ゴム82は、ピン孔11へ押圧される。摺動ゴム82がピン孔11へ押圧されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加できる。また、気圧配管81の気圧を下降させると、摺動ゴム82は、スライドピン12の内側へ収納される。摺動ゴム82がスライドピン12の内側へ収納されると、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少できる。
以上のように、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1とが空転を開始すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、気圧源の気圧を上昇させる。気圧源の気圧が上昇し、気圧配管81の気圧が上昇すると、摺動ゴム72がピン孔に押圧され、スライドピン12とピン孔11との摩擦力が増加する。この摺動摩擦力が増加した状態は、コントローラ42により空転終了まで維持される。このように、空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を増加することにより、キャリパ3の姿勢を安定化させ、パッド2a、2bとディスクロータ1とのクリアランスを確保できる。したがって、路面外乱によりキャリパ3の姿勢が変化して、パッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止でき、ディスクロータ1が異常摩耗することを抑制できる。また、空転時にパッド2a、2bがディスクロータ1に引き摺られることを防止できるため、燃料を節約できる。
また、本実施例によれば、パッド2a、2bとディスクロータ1との空転が終了すると、コントローラ42が、空転判定装置41の情報に基づき、気圧源の気圧を下降させる。気圧源の気圧が下降し、気圧配管81の気圧が下降すると、摺動ゴム82がスライドピン12内に収納され、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力が減少する。この摺動摩擦力が減少した状態は、コントローラ42により空転開始まで維持される。このように、非空転時は、スライドピン12とピン孔11との摺動摩擦力を減少することにより、スライドピン12とピン孔11との摺動を円滑に行うことができる。
摩擦機構43に気圧機構80を用いた場合、電磁バネ60を用いた場合と異なり、摺動ゴム82がスライドピン12の外周に環状に設置されるため、摺動ゴム82をピン孔11の内周方向へ均一に押圧できる。したがって、路面外乱に対して、キャリパ3の姿勢をより安定に保持できる。
また、摩擦機構43に気圧機構80を用いた場合、液圧機構70を用いた場合と異なり、気圧配管81の圧力を負圧にすることができるため、摺動ゴム82をスライドピンの内側に迅速に収納できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施例のスライドピン機構20は、キャリパ3にスライドピン12を設け、マウンティング7にピン孔11を設けたが、キャリパ3をマウンティング7に対して摺動可能に支持できる限り、キャリパ3にピン孔11を設け、マウンティング7にスライドピン12を設けてもよい。
また、本実施例の摩擦機構43は、スライドピン12側に設置したが、スライドピン12とピン孔11との摩擦力を制御できる限り、ピン孔11側に設置してもよい。
また、本実施例の空転判定装置41は、ブレーキ液の液圧計等を用いたが、液圧計等と共に、カメラやレーダ等のセンサーにより前方の障害物などを検知する衝突防止支援システムを併用することができる。すなわち、衝突防止支援システムが前方の障害物などを検知すると、コントローラ42は、運転者がブレーキを踏む前に、あらかじめスライドピン機構20の摺動摩擦力を減少させる。そうすると、実際に運転手がブレーキペダルを踏むときは、既にスライドピンの摺動摩擦力が減少しているため、パッド2a、2bをディスクロータ1に迅速に押圧でき、制動の効き始めまでの時間を短縮できる。
従来の浮動型ディスクブレーキの主要な構成の一例を示した上面図である。 本発明に係るディスクブレーキ装置の一実施例を示す一部断面図である。 スライドピン機構20の摺動摩擦力を制御する摺動摩擦力制御機構の機能ブロック図である。 ブレーキ液の液圧と空転状況との関係の一例を示した図である。 車両速度と空転状況との関係の一例を示した図である。 摩擦機構43の一例を示す概略図である。 摩擦機構43の別の例を示す概略図である。 摩擦機構43の別の例を示す概略図である。
符号の説明
1 ディスクロータ
2a インナパッド
2b アウタパッド
3 キャリパ
3c 爪部
7 マウンティング
11 ピン孔
12 スライドピン
20 スライドピン機構
40 摺動摩擦力制御機構
41 空転判定装置
42 コントローラ
43 摩擦機構
60 電磁バネ
70 液圧機構
80 気圧機構

Claims (4)

  1. 車両と共に回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの両側面に対向して設けられる一対のパッドと、
    前記一対のパッドの夫々を前記ディスクロータ方向に押圧するキャリパと、
    前記キャリパを、スライドピン機構を介して、前記ディスクロータの回転軸に平行に摺動可能に支持し、かつ車両に固定されるマウンティングと、
    を備えたディスクブレーキ装置において、
    前記パッドと前記ディスクロータの空転状況を感知または予測する空転判定装置と、
    前記スライドピン機構の摺動摩擦力を可変する摩擦機構と、
    前記空転判定装置により感知または予測した空転状況に基づき前記摩擦機構を制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を増加させ、非空転時は前記スライドピン機構の前記摺動摩擦力を減少させることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記摩擦機構は、電磁バネにより摩擦力を可変することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記摩擦機構は、液圧機構により摩擦力を可変することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記摩擦機構は、気圧機構により摩擦力を可変することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
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