JP2008195248A - 自動車の前部構造 - Google Patents

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勝年 中村
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Abstract

【課題】フロントガラスを大きく傾斜させたことによってカウル等がエンジンルーム内のサスペンションタワー近傍あるいはその上方にまで張り出した場合でも、サスペンションタワーにエンジンハンガー設置部を設けることが可能な自動車の前部構造を提供する。
【解決手段】サスペンションタワー80の上面に、車両前方に延びる上面延長部80aを設けると共に、該上面延長部80aに、前記エンジンハンガー110を設置可能なエンジンハンガー設置部80bを設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の前部構造に関し、車体構造の技術分野に属する。
乗用車等の自動車の前部には、ボンネットフードにより開閉可能とされ、エンジンを収容するエンジンルームが設けられる。エンジンは、定期的あるいは必要に応じてエンジンルーム内から上方に吊り上げて点検整備を行う必要があり、この吊り上げを可能とするため、エンジンルーム内にはエンジンハンガーを設置する設置部が設けられる。
その場合に、エンジンは重量物であるので、従来、前記エンジンハンガー設置部は、ヒンジピラーから前方に延びて車体前部の中でも剛性の高いエプロンレインフォースメント等に設けられることが多かったが、近年、車体に作用する衝撃荷重の吸収性能を向上させるために該エプロンレインフォースメントの剛性を十分に確保できない場合があり、これに対応するため、特許文献1には、例えば剛性の高いサスペンションタワーの上面にエンジンハンガー設置部を設けることが開示されている。
特開2001−221057号公報
しかし、車体のデサイン上、フロントガラスを大きく傾斜させる場合があるが、このようにすると、該フロントガラスや、該フロントガラスの前端部を支持するカウル部の前端位置がエンジンルーム内のサスペンションタワー近傍あるいはその上方にまで張り出して、サスペンションタワーの上面にエンジンハンガーの設置部を設けるのが困難となる。
そこで、本発明は、フロントガラスを大きく傾斜させたことによってフロントガラスやカウル部がエンジンルーム内のサスペンションタワー近傍あるいはその上方にまで張り出した場合でも、サスペンションタワーにエンジンハンガー設置部を設けることが可能な自動車の前部構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、エンジンルーム内の左右のサスペンションタワーに跨ってエンジンハンガーが設置可能に構成された自動車の前部構造であって、前記サスペンションタワーの上面に、車両前方に延びる上面延長部が設けられていると共に、該上面延長部に、前記エンジンハンガーを設置可能なエンジンハンガー設置部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動車の前部構造において、平面視でフロントガラスの前端部がサスペンションタワー近傍に位置しており、該フロントガラスの前端縁における前記サスペンションタワーに対応する部位が、車両後方に後退していることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の自動車の前部構造において、前記サスペンションタワーの上面に、サスペンションダンパー補強部材が設けられており、該サスペンションダンパー補強部材に、前記上面延長部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の自動車の前部構造において、前記サスペンションダンパー補強部材が板状の部材で、上面延長部を構成する部位に段下げ部が設けられており、該段下げ部が、エンジンハンガー設置部を構成していることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動車の前部構造において、前記エンジンハンガー設置部に上方へ突出する突起が形成されており、該突起が、前記エンジンハンガーの脚部の下端面に形成された凹部に嵌合可能とされていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の自動車の前部構造において、前記上面延長部のうち少なくともエンジンハンガー設置部を構成する部分がそれ以外の部分とは別の部材で構成されていると共に、該エンジンハンガー設置部構成部材が前記それ以外の部分に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6のいずれかに記載の自動車の前部構造において、前記サスペンションタワーの上方に設けられているカウル部の前部を構成するパネルが、エンジンハンガー設置時に後部に対して取り外し可能とされ、かつその前端部が前記上面延長部の上方に位置するように配設されていると共に、このパネルの前端部と前記上面延長部とを連結する連結パネルが設けられており、かつ、該連結パネルがエンジンハンガー設置時に取り外し可能とされていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、サスペンションタワーの上面に、車両前方に延びる上面延長部が設けられているので、該上面延長部に、エンジンハンガーを設置可能なエンジンハンガー設置部を設けることができる。したがって、フロントガラスを大きく傾斜させたことによってカウル部等がエンジンルーム内のサスペンションタワー付近にまで張り出した場合でも、サスペンションタワーにエンジンハンガーを設置することができるようになる。
ところで、平面視でフロントガラスの前端部がサスペンションタワー近傍に位置していると、上面延長部を設けたとしても、エンジンハンガー設置時に誤ってフロントガラスに接触する虞が残る。これを防止するには、上面延長部をフロントガラスに対する接触の虞がなくなる程度にまで十分前方に延長させることが考えられるが、この場合、サスペンションタワーの車両前方に配設される機器や部材との干渉が発生する虞がある。また、上面延長部はエンジンハンガー設置時にエンジン荷重を支持する必要があるが、上面延長部の前方延長量が大きくなると、大きくない場合よりも、剛性を高くする必要があるが、この場合、上面延長部を構成する部材の厚みを大きくする等の必要がある。
しかし、請求項2に記載の発明においては、該フロントガラスの前端縁における前記サスペンションタワーに対応する部位が、車両後方に後退しているから、上面延長部の前方延長量を少なくすることができる。したがって、サスペンションタワーの車両前方に配設される機器や部材との干渉を回避することができると共に、フロントガラスへのエンジンハンガーの接触を防止することができる。また、上面延長部を構成する部材の厚みを大きくする必要がない。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記サスペンションタワーの上面に、サスペンションダンパー補強部材が設けられており、該サスペンションダンパー補強部材に、前記上面延長部が形成されているから、補強部材を利用して部品点数を増加させることなく、エンジンハンガーの支持剛性を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記サスペンションダンパー補強部材が板状の部材で、上面延長部を構成する部位に段下げ部が設けられており、該段下げ部が、エンジンハンガー設置部を構成しているから、エンジンハンガー設置部に設置されたエンジンハンガーが不用意に後方に移動して、フロントガラスに接触するのが防止される。
また、請求項5に記載の発明によれば、位置決め用治具等を用いなくても、脚部の下端面の凹部とエンジンハンガー設置部の突起とを嵌合させるだけで、エンジンハンガーが位置決めされる。また、この嵌合によって、エンジンハンガーの後方への移動が防止され、フロントガラスに接触するのが防止される。また、請求項4に従属する場合は、両者によりその効果が一層確実なものとなる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記上面延長部のうち少なくともエンジンハンガー設置部を構成する部分がそれ以外の部分とは別の部材で構成されていると共に、該エンジンハンガー設置部構成部材が前記それ以外の部分に対して着脱自在に構成されているから、エンジンハンガー非設置時にはエンジンハンガー設置部構成部材を取り外しておける。したがって、エンジンハンガー非設置時におけるエンジンハンガー設置部周辺の保守整備性が向上する。また、上面延長部が取り外し不可能の場合、例えばサスペンションタワー上面の振動吸収性能等に与える影響を考慮して設ける必要があるが、エンジンハンガー非設置時には前述のように取り外しておくことにより、上面延長部を設けるに際してサスペンション性能への影響を考慮する必要がなくなる。
また、請求項7に記載の発明によれば、前記サスペンションタワーの上方に設けられているカウル部の前部を構成するパネルが、エンジンハンガー設置時に後部に対して取り外し可能とされ、かつその前端部が前記上面延長部の上方に位置するように配設されていると共に、このパネルの前端部と前記上面延長部とを連結する連結パネルが設けられており、かつ、該連結パネルがエンジンハンガー設置時に取り外し可能とされているから、エンジンハンガー非設置時におけるカウル部の剛性を、上面延長部を利用して向上させつつ、エンジンハンガー設置時に該連結パネルがエンジンハンガーの設置の邪魔となるのが防止されることとなる。
以下、本発明の実施の形態に係る自動車の前部構造について説明する。
図1(自動車の斜め前方からの斜視図であり、自動車の外面を構成する部材や、エンジンルームの内部に配設されている機器は省略し、自動車の前部の車体構造を中心として記載している)、図2(後述する樹脂製カウル部材105及びカウルクロスメンバ104は取り外した状態を示している)に示すように、第1の実施の形態に係る自動車1の前部には、図示しないボンネットフードにより開閉可能なエンジンルーム2が設けられてエンジン3が配設されていると共に、該エンジンルーム2の車両後方にはダッシュパネル10を挟んで車室が設けられている。ダッシュパネル10は、該パネルの下側部分を構成するダッシュロアパネル11と、上側部分を構成するダッシュアッパパネル12とで構成されている。
ダッシュパネル10の左右の側縁部には、上下に延び、左右のフロントサイドドアの前端部を支持する閉断面構造のヒンジピラー20,20が接合されている。左右のヒンジピラー20,20の上端部からはそれぞれフロントピラー30,30が後方上方に大きく傾斜して延び、下端部からはそれぞれサイドシル40,40が後方に延びている。
左右のヒンジピラー20,20の上端側前方にはそれぞれサイドエプロン50,50が設けられている。このサイドエプロン50は、ヒンジピラー20の上端よりも若干低い位置から前方に延びるエプロンレインフォースメント51を有している。エプロンレインフォースメント51は、図3に示すように、断面ハット状の外側部材52と内側部材53の上下のフランジ部を接合することにより閉断面構造体として構成されている。
図1〜図3に示すように、ダッシュパネル10(ダッシュロアパネル11)から、左右のヒンジピラー20,20よりも車幅方向内方側で、かつエプロンレインフォースメント50,50よりも下方において左右のフロントサイドフレーム60,60が前方に延びている。このフロントサイドフレーム60は、図3に示すように、断面ハット状の外側部材61と内側部材62の上下のフランジ部を接合することにより閉断面構造体として構成されている。
左右のフロントサイドフレーム60,60のダッシュパネル10(ダッシュロアパネル11)への接続部同士を、ダッシュパネル10のエンジンルーム2側において連結するダッシュクロスメンバ70が設けられている。該ダッシュクロスメンバ70は、車幅方向に延びる断面ハット状のもので、上下のフランジ部がダッシュパネル10(ダッシュロアパネル11)に接合されると共に、左右の端部がフロントサイドフレーム60,60の内側部材62に接合され、前記ダッシュパネル10との間に閉断面構造を形成している。
図1〜図3に示すように、フロントサイドフレーム60よりも車幅方向外側で、エプロンレインフォースメント50よりも車幅方向内側に、かつダッシュパネル10の左右の側部の前方に、サスペンションタワー80,80が設けられている。該サスペンションタワー80を構成するホイールハウスインナパネル81の内端部(下端部)がフロントサイドフレーム60の外側部材61の上部フランジ部に接合され、外端部がエプロンレインフォースメント50の内側部材53に接合され、後端部がダッシュパネル10のダッシュアッパパネル12に接合されている。
サスペンションタワー80を構成するホイールハウスインナパネル81のほぼ平坦な頂部81aの上面及び下面には、図4にも示すように、該頂部81aを補強する略リング状の上面補強部材90及び下面補強部材95が接合されている。そして、このサスペンションタワー80の上面におけるこのように上面補強部材90及び下面補強部材95により補強された部位に、サスペンションダンパSが固定部材ST(例えばボルト・ナット)により固定されている。
このうち上面補強部材90は、板状の第1、第2の補強部材91,22で構成され、その後端部には、ダッシュアッパパネル12の側部の前端部が接合されている。第1の補強部材91の前縁部及び後縁部には上下方向への折り返し部が設けられ、これにより該部材91の剛性が高められている。また、第2の補強部材92は。第1の補強部材91よりも板厚が厚くされ、これにより剛性が高められている。
図1に示すように、ダッシュパネル10の前方上方には、左右のヒンジピラー20間で車幅方向に延びるカウル100が設けられている。該カウル100は、図4、図5に示すように、カウルパネル101と、フロントダッシュアッパパネル102と、フロントカウルパネル103と、カウルクロスメンバ104と、樹脂製カウル部材105とを有している。
カウルパネル101は、前記ダッシュアッパパネル12の上端部からフロントガラス5の前端部(下端部)に向かって斜め前方上方に延び、前端部がシール材106を介してフロントガラス5の前端部を支持している。フロントダッシュアッパパネル102は、左右の端部がダッシュアッパパネル12とダッシュロアパネル11との接合部に接合され、後端部のフランジがダッシュアッパパネル12に接合され、前端部がサスペンションタワー80の後端部上方に位置している。フロントカウルパネル103は、車幅方向中間部に設けられ、カウルパネル101の前後方向中間部とフロントダッシュアッパパネル102の前端近傍部とを連結している。カウルクロスメンバ104は、左右両端部が、図2、図3に示すようにエプロンレインフォースメント50の車内側のパネル54に固着されたカウルクロスサイドメンバ107に一端部につき2点でボルト固定され、図4に示すように後端部がフロントダッシュアッパパネル102の前端近傍部にシール部材108を介して載置されると共にボルト固定され、前端部が、図2、図4に示すようにサスペンションタワー80の前方上方に位置している。樹脂性カウル部材105は、カウル100の外側意匠面を形成するもので、通気口やワイパー用開口等が設けられ、前端部(下端部)のフランジがカウルクロスメンバ104の前端部にボルト固定され、後端部(上端部)がフロントガラス5の前端部上面に当接している。
そして、カウルクロスメンバ104及び樹脂性カウル部材105は、前記ボルト締結を解除することにより、図6に示すように取り外すことが可能となっている。つまり、これらの部材104,105は着脱可能となっている。
ここで、本実施の形態に係る自動車においては、図示しないボンネットフードを所定状態まで開き、前記カウルクロスメンバ104及び樹脂性カウル部材105を取り外した状態において、エンジン3の点検整備時に該エンジン3の吊り上げを可能とするため、左右のサスペンションタワー80,80、及び左右のフロントサイドフレーム60,60に跨ってエンジンハンガー110が設置可能となっている(図8参照)。
その場合に、本実施の形態に係る自動車1においては、図1、図2からわかるように、フロントガラス5及びフロントピラー30が大きく傾斜させたデザインが採用されており、そのため、図2、図4、図6からわかるように、フロントガラス5の前端部、及び該フロントガラス5の前端部を支持するカウル100が、サスペンションタワー80の上面(上面部80p:ほぼ水平で平坦な部位)上方にまで張り出して、これらの前端部が平面視でサスペンションタワー80の後部に重なっている。したがって、サスペンションタワー80の上面部80pの上方にエンジンハンガー110の設置部を設けると、該設置部が平面視でフロントガラス5やカウル100に近接することとなり、エンジンハンガー110の設置時に接触等の虞がある。
そこで、本実施の形態においては、前記サスペンションタワー80の上面に、車両前方にほぼ水平に延びる上面延長部80aを設けると共に、この上面延長部80aに、前記エンジンハンガー80aを設置可能なエンジンハンガー設置部80bを設けている。なお、図2に前記上面部80pの前端縁を一点鎖線xで示すが、これは上面延長部80aが設けられない場合におけるエンジンハンガー設置可能範囲の前端縁でもある。
加えて、フロントガラス5の前端縁における前記サスペンションタワー80に対応する部位に、より詳しくは前記上面延長部80aの後方となる部位に、緩やかに車両後方に後退する後退部5aを設けている(後退させない場合の前端縁は一点鎖線yで示すようになる)。
その場合に、この上面延長部80a及びエンジンハンガー設置部80bは、図7に示すように、前記上面補強部材90に形成された上面延長部90aにより構成されている。すなわち、この上面補強部材90を構成する第1、第2の補強部材91,92の前部には、前記サスペンションインナパネル81の上面部80pよりも車両前方側に面的に延びる前方延長部91a,92aがそれぞれ形成されていると共に、第2の補強部材92には、段下げ部92bが形成されており、上面補強部材90における該段下げ部92bが設けられた部位が、エンジンハンガー設置部80bを構成している。なお、前記上面部80pの前端縁を示す一点鎖線xは、上面補強部材を前方に延長せず上面延長部が設けられていないとした場合の上面補強部材の前端縁とも近似する。
このエンジンハンガー設置部80b(段下げ部92b)の上面には、上方へ突出する突起80c(92c)が形成されている。この突起80c(92c)は、例えばプレス加工により形成される。
ここで、エンジンハンガー110について簡単に説明しておくと、図8に示すように、該エンジンハンガー110は、左右のエンジンハンガー設置部80b,80bに載置される後脚部111,111と、左右のフロントサイドフレーム60の前端部上面に載置される前脚部112,112と、前脚部112,112及び後脚部111,111に前端側及び後端側が上下に移動可能に支持され、前後に延びる前後フレーム部材113,113と、該前後フレーム部材113,113の前後方向中間位置から上方に延びる上下フレーム部材114,114と、左右の上下フレーム部材114,114の上端部同士を連結し、車幅方向に延びる横フレーム部材115と、該横フレーム部材115に車幅方向に移動可能に支持された懸架部材116とを有している。
その場合に、図7に示すように、後脚部111の下端面には、エンジンハンガー設置部80bの突起80c(92c)と嵌合可能な凹部111aが形成されている。
また、前脚部112の下端部には、図9に示すように、フロントサイドフレーム60の前後に延びる上部フランジ60aに係合可能な溝112aが形成されている。
次に、第1の実施の形態に係る自動車の前部構造の作用・効果について説明する。
まず、エンジン3の保守整備の際の手順等について説明する。
まず、ボンネットフードを開いて所定の状態に固定した後、カウル100の樹脂製カウル105を取り外し、次いで、カウルクロスメンバ104を取り外す。なお、これらは、前述のようにボルト締結されているだけなので、容易に取り外すことができる。
次いで、エンジンハンガー110の後脚部111,111を、サスペンションタワー80,80の上面延長部80a,80aのエンジンハンガー設置部80b,80bに、後脚部111,111の下端面の凹部111a,111aとエンジンハンガー設置部80b,80bの上面の突起80c,80cとが嵌合するように載置すると共に、前脚部112,112を、フロントサイドフレーム60,60に、前脚部112,112の溝112a,112aとフロントサイドフレーム60,60の上部フランジ60a,60aとが係合するように載置する。これにより、エンジンハンガー110の設置位置が位置決めされる。そして、懸架部材116の車幅方向位置を本自動車1のエンジン位置に適した位置に調整した後、エンジン3を吊り上げて、所定の保守整備を行う。
以上のように、本実施の形態においては、サスペンションタワー80の上面に、車両前方に延びる上面延長部80aが設けられているので、該上面延長部80aに、エンジンハンガー110を設置可能なエンジンハンガー設置部80bを設けることが可能となった。したがって、フロントガラス5を大きく傾斜させたことによってカウル100等がエンジンルーム2内のサスペンションタワー80付近にまで張り出した場合でも、サスペンションタワー80にエンジンハンガー110を設置することができるようになる。
ところで、フロントガラス5の前端縁におけるサスペンションタワー80に対応する部位に、車両後方に後退する後退部5aが設けられていない場合、上面延長部80aを設けたとしても、エンジンハンガー110の設置時に誤ってフロントガラス5に接触する虞がわずかながら残る。後退部5aを設けないでこの接触をさらに防止するには、上面延長部80aをフロントガラス5に対する接触の虞がなくなる程度にまで十分前方に延長させることが考えられるが、この場合、サスペンションタワー80の車両前方に配設される機器や部材との干渉が発生する虞がある。また、上面延長部80aはエンジンハンガー110の設置時にエンジン3の荷重を支持する必要があるが、上面延長部80aの前方延長量が大きくなると、大きくない場合よりも剛性を高くする必要があるが、この場合、上面延長部80aを構成する補強部材91,92の厚みを大きくする等の必要がある。
しかし、本実施の形態においては、フロントガラス5の前端縁におけるサスペンションタワー80に対応する部位に、車両後方へ後退する後退部5aが設けられているから、上面延長部80aの前方延長量を少なくすることができる。したがって、サスペンションタワー80の車両前方に配設される機器や部材との干渉を回避することができると共に、フロントガラス5へのエンジンハンガー110の接触を防止することができる。また、上面延長部80aを構成する補強部材91,92の厚みを大きくする必要がない。
また、サスペンションタワー80の上面に、サスペンションダンパー補強部材90(91,92)が設けられており、該サスペンションダンパー補強部材90(91,92)に上面延長部80aを構成する前方延長部90a(91a,92a)が形成されているから、補強部材90(91,92)を利用して部品点数を増加させることなく、エンジンハンガー110の支持剛性を向上させることができる。
また、サスペンションダンパー補強部材91,92が板状の部材で、上面延長部を構成する部位に段下げ部92bが設けられており、該段下げ部92bにエンジンハンガー110が載置されるから、エンジンハンガー設置部80bに設置されたエンジンハンガー110が不用意に後方に移動して、フロントガラス5に接触するのが防止される。
また、エンジンハンガー110の設置に際して、位置決め用治具等を用いなくても、エンジンハンガー110の後脚部111,111の下端面の凹部111a,111aとエンジンハンガー設置部80b,80bの突起80c,80cとを嵌合させるだけで、エンジンハンガー110が位置決めされる。また、この嵌合によっても、エンジンハンガー110の後方への移動が防止され、フロントガラス5に接触するのが一層確実に防止されることとなる。
次に、第2の実施の形態に係る自動車の前部構造について説明する。
この第2の実施の形態においては、図10に示すように、カウル100′のカウルクロスメンバ104の前部側下面に、サスペンションタワー80′の上面延長部80a′の上方において、ブラケット108′が接合されていると共に、該ブラケット108′とサスペンションタワー80′の上面延長部80a′との間にカウルレインフォースメント109′が設けられている。その場合に、このカウルレインフォースメント109′は、上端部及び下端部においてブラケット108′及び上面延長部80aのエンジンハンガー設置部80b′に着脱可能にボルト・ナットにより固定されている。なお、カウルレインフォースメント109′にこのボルトを挿通する孔は、前記突起(80c)とは車幅方向において異なる位置に設けられている。そして、カウルレインフォースメント109′には、突起(前述の突起80cに対応するもの)に対応する位置に、該突起が嵌る孔が設けられている。
この第2の実施の形態によれば、エンジンハンガー非設置時におけるカウル100′の剛性を上面延長部80aを利用して向上させつつ、該カウルレインフォースメント109′がエンジンハンガー110の設置の邪魔となるのが防止されることとなる。
次に、第3の実施の形態に係る自動車の前部構造について説明する。
この第3の実施の形態においては、図11に示すように、上面補強部材90″の第1、第2の補強部材91″,92″のうち、第1の補強部材91″にのみ前方に延びる前方延長部91a″が形成されている。そして、該延長部91a″よりも前方に延び、エンジンハンガー設置部80b″(段下げ部93b″)が形成されたエンジンハンガー設置部構成部材93″がボルトナットにより第1の補強部材91″の前方延長部91a″に固定され、着脱可能となっている。そして、このエンジンハンガー設置部構成部材93″と前方延長部91a″とで上面延長部80a″が構成されている。このように構成したことにより、上面延長部80a″が、第1、第2の実施の形態の上面延長部80a,80a′と比べて前方にまで延びている。
この第3の実施の形態によれば、上面延長部80a″の一部、詳しくは前部側がエンジンハンガー設置部構成部材93″(別部材)で構成されていると共に、該エンジンハンガー設置部構成部材93″が着脱可能に構成されているから、エンジンハンガー110の非設置時にはエンジンハンガー設置部構成部材93″を取り外しておける。したがって、エンジンハンガー100非設置時におけるエンジンハンガー設置部80b″周辺の保守整備性が向上する。また、上面延長部8が取り外し不可能の場合、例えばサスペンションタワー80上面の振動吸収性能等に与える影響を考慮して設ける必要があるが、エンジンハンガー110非設置時には前述のように取り外しておけるので、上面延長部80a″を設けるに際してサスペンション性能への影響を考慮する必要がなくなる。
なお、前記各実施の形態においては、上面延長部80a,80a′,80a″のエンジンハンガー設置部80b,80b′,80b″に突起80c(第2、第2の実施の形態では符号なし)を形成すると共に、該突起80cにエンジンハンガー110の後脚部111の下端面に形成した凹部111aを嵌合させることにより位置決め可能としたが、これに代えて、エンジンハンガー設置部80b,80b′,80b″に下方へ凹み、後脚部111の下端部が嵌る程度の凹部を設け、これにより位置決め可能としてもよい。また、他の位置決め構造としては、エンジンハンガー設置部80b,80b′,80b″にボルトを挿通可能な上下に貫通する孔を設けておき、エンジンハンガー設置時にボストを挿通してナットで固定することにより位置決め部を構成し、該ボルトの頭部にエンジンハンガー110の後脚部111の下端面に形成した凹部を嵌合させることにより位置決め可能としてもよい。
本発明は、エンジンルーム内の左右のサスペンションタワーに跨ってエンジンハンガーが設置可能に構成された自動車の前部構造に広く適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動車の前部構造の車両斜め前方からの要部斜視図である。 サスペンションタワー周辺の平面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 カウルパネル等を取り外した状態における図3相当の図である。 図4の矢印Dで示す部分の拡大図である(なお、便宜上エンジンハンガーの脚部も記載してある)。 エンジンハンガーを載置した状態における図1相当の図である(車体は仮想線で示している)。 図2のE−E断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る自動車の前部構造についての図4相当の図である。 本発明の第3の実施の形態に係る自動車の前部構造についての図7相当の図である。
符号の説明
1 自動車
2 エンジンルーム
3 エンジン
5 フロントガラス
80 サスペンションタワー
80a,80a′,80a″ 上面延長部
80b,80b′,80b″ エンジンハンガー設置部
80c 突起
90 上面補強部材(サスペンションダンパー補強部材)
90a 上面補強補強部材における上面延長部を構成する部位
92b,93b″ 上面補強補強部材における段下げ部を構成する部位
93″ エンジンハンガー設置部材
100,100′ カウル(カウル部)
109′ カウルレインフェースメント(連結パネル)
110 エンジンハンガー
111 後脚部(脚部)
111a 凹部

Claims (7)

  1. エンジンルーム内の左右のサスペンションタワーに跨ってエンジンハンガーが設置可能に構成された自動車の前部構造であって、
    前記サスペンションタワーの上面に、車両前方に延びる上面延長部が設けられていると共に、
    該上面延長部に、前記エンジンハンガーを設置可能なエンジンハンガー設置部が設けられていることを特徴とする自動車の前部構造。
  2. 前記請求項1に記載の自動車の前部構造において、
    平面視でフロントガラスの前端部がサスペンションタワー近傍に位置しており、
    該フロントガラスの前端縁における前記サスペンションタワーに対応する部位が、車両後方に後退していることを特徴とする自動車の前部構造。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の自動車の前部構造において、
    前記サスペンションタワーの上面に、サスペンションダンパー補強部材が設けられており、
    該サスペンションダンパー補強部材に、前記上面延長部が形成されていることを特徴とする自動車の前部構造。
  4. 前記請求項3に記載の自動車の前部構造において、
    前記サスペンションダンパー補強部材が板状の部材で、前記上面延長部を構成する部位に段下げ部が設けられており、
    該段下げ部が、前記エンジンハンガー設置部を構成していることを特徴とする自動車の前部構造。
  5. 前記請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動車の前部構造において、
    前記エンジンハンガー設置部に上方へ突出する突起が形成されており、
    該突起が、前記エンジンハンガーの脚部の下端面に形成された凹部に嵌合可能とされていることを特徴とする自動車の前部構造。
  6. 前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の自動車の前部構造において、
    前記上面延長部のうち少なくともエンジンハンガー設置部を構成する部分がそれ以外の部分とは別の部材で構成されていると共に、該エンジンハンガー設置部構成部材が前記それ以外の部分に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする自動車の前部構造。
  7. 前記請求項1から請求項6のいずれかに記載の自動車の前部構造において、
    前記サスペンションタワーの上方に設けられているカウル部の前部を構成するパネルが、エンジンハンガー設置時に後部に対して取り外し可能とされ、かつその前端部が前記上面延長部の上方に位置するように配設されていると共に、
    このパネルの前端部と前記上面延長部とを連結する連結パネルが設けられており、かつ、該連結パネルがエンジンハンガー設置時に取り外し可能とされていることを特徴とする自動車の前部構造。
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JP2018167761A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 三菱自動車工業株式会社 車両の車体構造

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