JP2008194985A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線パターンへのワイヤボンディング時等に、接続不良が発生するのを防止することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】液滴を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、流路形成基板の一方面側に設けられる圧電素子と、流路形成基板に接合された接合基板とを有し、接合基板の流路形成基板とは反対側の表面に圧電素子に接続される配線パターンが設けられた液体噴射ヘッドの製造方法であって、接合基板30の表面にめっきにより所定パターンのめっき金属層204を形成することで配線パターン200を形成し、めっき金属層204の表面をプレス部材250によって所定圧力で加圧することで平坦化する。
【選択図】図6
【解決手段】液滴を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、流路形成基板の一方面側に設けられる圧電素子と、流路形成基板に接合された接合基板とを有し、接合基板の流路形成基板とは反対側の表面に圧電素子に接続される配線パターンが設けられた液体噴射ヘッドの製造方法であって、接合基板30の表面にめっきにより所定パターンのめっき金属層204を形成することで配線パターン200を形成し、めっき金属層204の表面をプレス部材250によって所定圧力で加圧することで平坦化する。
【選択図】図6
Description
液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
液滴を吐出する液体噴射ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室とこの圧力発生室に連通する連通部とが形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接合され圧電素子を保持するための圧電素子保持部を有する接合基板とを具備し、この接合基板上に配線パターンを介して駆動ICが実装されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、このような接合基板上の配線パターンは、例えば、金(Au)等の材料を無電解めっきすることによって形成されていた。
このように無電解めっきによって配線パターンを形成することで、比較的短時間で所定の厚さとすることができる。しかしながら、無電解めっき方法では、大量のめっき液中に接合基板を浸漬させるため、例えば、接合基板表面のイオン濃度を一定に管理することは難しく、配線パターン表面にめっきムラや、異常析出等が発生してしまうという問題がある。また、このように配線パターンの表面に、例えば、異常析出等によって凸部が形成されてしまっていると、例えば、配線パターンと駆動ICとをワイヤボンディングする際に、配線パターン側のボンディング不良が発生してしまう虞がある。
また従来は、このようなボンディング不良等を防止するために、配線パターン表面の凸部を、針等によって機械的に除去していたが、配線パターンを傷つけて断線等の不良が発生するという問題があった。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法だけでなく、勿論、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドの製造方法においても、同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、配線パターンへのワイヤボンディング時等に、接続不良が発生するのを防止することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、液滴を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられる圧電素子と、該流路形成基板に接合された接合基板とを有し、該接合基板の前記流路形成基板とは反対側の表面に前記圧電素子に接続される配線パターンが設けられた液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記接合基板の表面にめっきにより所定パターンのめっき金属層を形成することで前記配線パターンを形成し、前記めっき金属層の表面をプレス部材によって所定圧力で加圧することで平坦化することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる本発明では、めっき金属層の表面、すなわち、配線パターンの表面が良好に平坦化される。したがって、例えば、ボンディングワイヤすることによって、配線パターンに良好に配線を接続することができるようになる。
かかる本発明では、めっき金属層の表面、すなわち、配線パターンの表面が良好に平坦化される。したがって、例えば、ボンディングワイヤすることによって、配線パターンに良好に配線を接続することができるようになる。
ここで、本発明では、前記めっき金属層の表面をプレス部材で加圧することで、前記めっき金属層の表面に形成される当該めっき金属層と同一材料からなる凸部を平坦化する。したがって、平坦化しても、配線パターン(めっき金属層)は良好に形成される。
また、本発明では、前記流路形成基板の一方面側に前記圧電素子を形成する工程と、前記配線パターンが形成された前記接合基板を前記流路形成基板に接合する工程と、前記流路形成基板に前記圧力発生室を形成する工程とを有し、前記接合基板を前記流路形成基板に接合する工程において、プレス部材によって前記接合基板を前記流路形成基板側に加圧することで接着すると共に前記めっき金属層の表面を平坦化するようにしてもよい。これにより、めっき金属層の表面を良好に平坦化することができ且つ製造工程を簡略化することができる。
また、前記めっき金属層が金からなることが好ましい。これにより、めっき金属層を比較的良好に形成することができ、且つ表面を良好に平坦化することができる。
また、前記接合基板がシリコンウェハからなる接合基板用ウェハに複数一体的に形成されている場合、前記めっき金属層の表面を平坦化する際には、前記接合基板用ウェハ上に形成された前記めっき金属層を50〜300(kgf)の荷重で加圧することが好ましい。このように所定の荷重を加えることで、接合基板の割れを防止しつつめっき金属層の表面をより確実に平坦化することができる。
また、前記配線パターン上には、前記圧電素子を駆動するための駆動回路を実装すると共に、該駆動回路と前記配線パターンとをワイヤボンディングによって電気的に接続する。上述したように配線パターンの表面が平坦化されていることで、駆動回路と配線パターンとをワイヤボンディングによって確実に接続することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造されるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る製造方法によって製造されるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板からなり、その一方面には酸化膜からなる弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。
また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向一端部側には、隔壁11によって区画され各圧力発生室12に連通するインク供給路13と連通路14とが設けられている。さらに、連通路14の外側には、各連通路14と連通する連通部15が設けられている。この連通部15は、後述する接合基板30のリザーバ部32と連通して、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバ100の一部を構成する。
ここで、インク供給路13は、圧力発生室12よりも狭い断面積となるように形成されており、連通部15から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。例えば、本実施形態では、インク供給路13は、リザーバ100と各圧力発生室12との間の圧力発生室12側の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。各連通路14は、圧力発生室12の幅方向両側の隔壁11を連通部15側に延設してインク供給路13と連通部15との間の空間を区画することで形成されている。
流路形成基板10の材料として、本実施形態ではシリコン単結晶基板を用いているが、勿論これに限定されず、例えば、ガラスセラミックス、ステンレス鋼等を用いてもよい。
流路形成基板10の開口面側には、複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、例えば、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されており、各ノズル開口21は、各圧力発生室12のインク供給路13とは反対側の端部近傍にそれぞれ連通している。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼などからなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の面には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、弾性膜50とは異なる材料の酸化膜からなる絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜5[μm]の圧電体層70と、上電極膜80とからなる圧電素子300が形成されている。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を圧電体層70と共に圧力発生室12毎にパターニングして個別電極とする。そして、ここでは圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が実質的に振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。さらに、このような各圧電素子300の上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなるリード電極90がそれぞれ接続されており、このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300を接合するための圧電素子保持部31を有する接合基板30が、例えば、接着層35によって接合されている。なお、圧電素子保持部31によって画成される空間は、密封されていても、密封されていなくてもよい。また、接合基板30には、複数の圧力発生室12に供給するインクが貯留されるリザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、接合基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部15と連通されてリザーバ100を構成している。なお、流路形成基板10の連通部15を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバ部32のみをリザーバとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と接合基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバと各圧力発生室12とを連通するインク供給路13を設けるようにしてもよい。
このような接合基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス材料、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料であるシリコン単結晶基板を用いている。
また、接合基板30には、接合基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられており、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、この貫通孔33内に露出されている。また、接合基板30上には、複数の配線からなる配線パターン200が形成されており、この配線パターン200上には、複数の圧電素子300を駆動するための駆動回路210、例えば、回路基板、半導体集積回路(IC)等が固定されている。そして、駆動回路210とリード電極90とは、貫通孔33内に延設されるボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる第1の接続配線220によって電気的に接続されている。また、駆動回路210と配線パターン200とが、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる第2の接続配線230によって電気的に接続されている。なお、配線パターン200のパターン形状は、特に限定されるものではない。
また、このような接合基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する有機材料からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっており、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路210からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し圧電素子300を撓み変形させることによって、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出される。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。なお、図3、図4及び図7は、圧力発生室の長手方向の断面図であり、図5及び図6は、圧力発生室の幅方向の断面図である。
シリコンウェハであり流路形成基板10が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハ110の一方面側に圧電素子を形成する。
まず、図3(a)に示すように、シリコンウェハであり流路形成基板10が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハ110の表面に弾性膜50を構成する第1の酸化膜51を形成する。次に、図3(b)に示すように、弾性膜50上に、第1の酸化膜51とは異なる材料からなる第2の酸化膜である絶縁体膜55を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、絶縁体膜55上に下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、図3(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ110の全面に形成し、これら圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
次に、図3(e)に示すように、リード電極90を形成する。具体的には、まず流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って、密着層91を形成し、この密着層91上に、金属層92を形成する。そして、この金属層92上に、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を形成し、このマスクパターンを介して金属層92及び密着層91を圧電素子300毎にパターニングすることによってリード電極90を形成する。
一方、接合基板30が複数一体的に形成される接合基板用ウェハ130上に、配線パターン200を形成する。なお、接合基板用ウェハ130には、圧電素子保持部31、リザーバ部32及び貫通孔33を、例えば、異方性エッチングによって予め形成しておく。
具体的には、まず図4(a)に示すように、接合基板用ウェハ130の全面に、例えば、スパッタリング法等によって、ニッケルクロム(NiCr)からなり厚さが20[nm]程度の密着層201と、金(Au)からなり厚さが200[nm]程度の金属層202とを形成する。次いで、図4(b)に示すように、これら金属層202と密着層201とを、フォトリソグラフィ法により順次パターニングして、所定形状のベース金属層203を形成する。次に、図4(c)に示すように、ベース金属層203(金属層202)上に、例えば、無電解めっきによって金(Au)からなり厚さが1[mm]程度のめっき金属層204を形成する。すなわち、金属層202上に金(Au)を析出させることによってめっき金属層204を形成して配線パターン200とする。このとき、図4(c)のB−B′断面図である図5に示すように、めっき金属層204の表面には、金(Au)が異常析出することで、或いは金(Au)の異物が付着することで凸部205が形成されてしまう。なお、めっき金属層204の表面には、金属層202の材料と同一の材料、すなわち、金(Au)の異物は付着することがあるが、金属層202とは異なる材料からなる異物は殆ど付着することはない。
次に、このように表面に配線パターン200が形成された接合基板用ウェハ130を、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、エポキシ系の接着剤等からなる接着層35を介して接合する。具体的には、接合基板用ウェハ130を流路形成基板用ウェハ110上に接着層35を介して載置し、図6(b)に示すように、接合基板用ウェハ130上に形成された配線パターン200表面を、例えば、金属板等からなるプレス部材250によって、流路形成基板用ウェハ110側に所定圧力で加圧する。これにより、接合基板用ウェハ130が流路形成基板用ウェハ110に加圧接着され、また同時に、配線パターン200(めっき金属層204)の表面が平坦化される(図6(c))。
このようにプレス部材250によって配線パターン200表面を加圧する圧力は、接合基板用ウェハ130及び流路形成基板用ウェハ110等が割れない程度の圧力であればよいが、例えば、50〜300[kgf]程度の圧力とすることが好ましい。これにより、配線パターン200(めっき金属層204)の表面を良好に平坦化することができ、且つ接合基板用ウェハ130と流路形成基板用ウェハ110とを良好に接合することができる。
次いで、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さまで薄くした後、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、保護膜52を新たに形成して所定形状にパターニングする。そして、図8(a)に示すように、この保護膜52をマスクとして流路形成基板用ウェハ110を異方性エッチング(ウェットエッチング)して、流路形成基板用ウェハ110に圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15を形成する。すなわち、流路形成基板用ウェハ110を、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液等のエッチング液によって、弾性膜50が露出するまで流路形成基板用ウェハ110をエッチングすることより、圧力発生室12等を同時に形成する。また、弾性膜50及び絶縁体膜55を除去して連通部15とリザーバ部32とを連通させる。
次いで、図8(b)に示すように、接合基板用ウェハ130に形成された配線パターン200上に駆動回路210を実装し、駆動回路210とリード電極90及び配線パターン200とをワイヤボンディングすることによって電気的に接続する。すなわち、駆動回路210とリード電極90とを第1の接続配線220で接続すると共に、駆動回路210と配線パターン200とを第2の接続配線230によって接続する。
このとき、上述したように配線パターン200の表面が平坦化されているため、ボンディング不良が発生することなく、第2の接続配線230が配線パターン200に良好に接続される。したがって、接続不良等が発生することなく信頼性の高いインクジェット式記録ヘッドを製造することができる。
なお、その後は、流路形成基板用ウェハ110及び接合基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の接合基板用ウェハ130とは反対側の面に、ノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、接合基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合する。そして、これら流路形成基板用ウェハ110、接合基板用ウェハ130等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドが製造される。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、流路形成基板用ウェハに接合基板用ウェハを接合する際に、接合基板用ウェハに形成された配線パターンの表面を同時に平坦化するようにしたが、勿論、流路形成基板用ウェハと接合基板用ウェハとを接合する接合工程とは別に、配線パターンの表面を加圧して平坦化する平坦化工程を実施するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、流路形成基板用ウェハに接合基板用ウェハを接合する際に、接合基板用ウェハに形成された配線パターンの表面を同時に平坦化するようにしたが、勿論、流路形成基板用ウェハと接合基板用ウェハとを接合する接合工程とは別に、配線パターンの表面を加圧して平坦化する平坦化工程を実施するようにしてもよい。
この場合、駆動回路210上のボンディングパッドと第2の接続配線230を介して接続する接合基板30上の配線パターン200を接合基板30の圧電素子保持部31に対向していない領域に形成することが好ましい。また流路形成基板10の配線パターン200に対向する領域にインク供給路13を形成しておくことが好ましい。このようにすることで、配線パターン200は、接合基板30の板厚が厚い領域であり、且つ流路形成基板10も剛性が高い領域に形成されることになる。したがって、配線パターン200を平坦化するための加圧する圧力を高めても、接合基板30や流路形成基板10が割れることなく、配線パターン200の表面をより確実に平坦化することができる。
また、接合工程とは別に平坦化工程を実施する場合、この平坦化工程は、接合基板用ウェハを流路形成基板用ウェハに接合する前に実施しても良いし、接合後に実施するようにしてもよい。何れにしても配線パターン上に駆動回路を実装する前に平坦化工程を実施すればよい。
なお、上述した実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 接合基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 91 密着層、 92 金属層、 95 不連続金属層、 100 リザーバ、 110 流路形成基板用ウェハ、 130 接合基板用ウェハ、 200 配線パターン、 210 駆動回路、 220 第1の接続配線、 230 第2の接続配線、 250 プレス部材、 300 圧電素子
Claims (6)
- 液滴を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられる圧電素子と、該流路形成基板に接合された接合基板とを有し、該接合基板の前記流路形成基板とは反対側の表面に前記圧電素子に接続される配線パターンが設けられた液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記接合基板の表面にめっきにより所定パターンのめっき金属層を形成することで前記配線パターンを形成し、前記めっき金属層の表面をプレス部材によって所定圧力で加圧することで平坦化することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。 - 前記めっき金属層の表面をプレス部材で加圧することで、前記めっき金属層の表面に形成される当該めっき金属層と同一材料からなる凸部を平坦化することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
- 前記流路形成基板の一方面側に前記圧電素子を形成する工程と、前記配線パターンが形成された前記接合基板を前記流路形成基板に接合する工程と、前記流路形成基板に前記圧力発生室を形成する工程とを有し、
前記接合基板を前記流路形成基板に接合する工程では、プレス部材によって前記接合基板を前記流路形成基板側に加圧することで接着すると共に前記めっき金属層の表面を平坦化することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。 - 前記めっき金属層が金からなることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
- 前記接合基板がシリコンウェハからなる接合基板用ウェハに複数一体的に形成され、前記めっき金属層の表面を平坦化する際には、前記接合基板用ウェハ上に形成された前記めっき金属層を50〜300(kgf)の荷重で加圧すること特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
- 前記配線パターン上に、前記圧電素子を駆動するための駆動回路を実装すると共に、該駆動回路と前記配線パターンとをワイヤボンディングによって電気的に接続することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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JP2007034134A Withdrawn JP2008194985A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | 液体噴射ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008194985A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102529381A (zh) * | 2010-11-24 | 2012-07-04 | 佳能株式会社 | 液体喷射头的制造方法 |
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2007
- 2007-02-14 JP JP2007034134A patent/JP2008194985A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102529381A (zh) * | 2010-11-24 | 2012-07-04 | 佳能株式会社 | 液体喷射头的制造方法 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091007 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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