JP2008194930A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同型の構造を有する記録素子列を備えながら、様々な物性のインクで安定した吐出特性を実現することが可能な記録ヘッドおよび当該記録ヘッドを用いた記録方法を提供する。
【解決手段】互いに異なる流抵抗を有するインク流路4を備えたノズルを、ノズル列内に複数配置する。これにより、どのようなインクを吐出する場合であっても、インクの物性に適応したノズル構成を複数の中から選択し、このノズルによって主たる吐出動作が行われるように、記録方法を制御することが出来る。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数種類のインクの使用に対応したインクジェット記録ヘッドと、当該記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置には、インクを吐出するために電気熱変換素子(ヒータ)を備えているものがある。このようなインクジェット記録装置では、インクを吐出させる吐出口と、この吐出口に向けて発泡を生じさせるための電気熱変換素子を備えた圧力室と、圧力室までインクを導くインク流路とから構成されるノズルを、複数配列して構成される記録ヘッドを用いている。そして、記録信号に応じて電気熱変換素子に電気信号を与えることにより、これを発熱させ、更にその近傍のインクに急激な相変化を生じさせ、ここから得られる発泡圧によって吐出口からインクを吐出させる仕組みになっている。一般に、これら複数のノズルは薄膜技術などを利用して同一の基板上にノズル列として形成され、高密度な集積配列が可能である。また、近年のカラー化に対応するため、異なる色や異なる種類のインクを吐出する複数のノズル列を、同一の基板上に一括して形成する技術も既に提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平1−234255号
インクジェット記録ヘッドにおいて、所定量のインクが圧力室から吐出された後、再度圧力室にインクが充填されるまでのリフィル時間(リフィルのしやすさ)は、インクの物性やインク流路の構造に依存する。例えば、粘度が高いインクは圧力室を含む領域の流抵抗が大きいので、リフィル時間が比較的長くなる。また、断面積が小さいインク流路の場合は、共通液室から圧力室までの流抵抗が大きくなるので、やはり相対的にリフィル時間が長くなる。以上より、1つのノズルが吐出を繰り返す周波数(吐出周波数)は、インクの物性およびインク流路の構造によって定められたリフィル時間よりも長い時間を周期とすることが求められる。
一方、リフィル時間が吐出周波数の周期に比べて必要以上に短く流抵抗が小さい場合、インク路におけるインク先端部(メニスカス)がリフィル時にオーバーシュートして、インクが吐出口周囲から溢れ出してしまうことがある。そして、このようなオーバーシュートの程度は、同じリフィル時間を有するインクであっても、インクの種類(物性)に応じて異なることが確認されている。以上より、記録素子における吐出周波数は、オーバーシュートを起こさない程度に短い周期とすることが求められる。
すなわち、実使用上のリフィル周波数は、インクの物性およびインク流路の構造によって上限と下限が定められ、この範囲に収まるように設定されることが望まれる。逆に言えば、所望の吐出周波数を実現するために、この周期にリフィルが間に合い、且つオーバーシュートが起こらない程度に、インクの物性やインク流路の構造を調整することも出来る。
特許文献1に記載のように、同一の基板上に複数のインク色に対応するノズル列を備える記録ヘッドの場合、複数のインク色でその物性値が異なることが想定される。その上で、全種類のインクで同じ吐出周波数を実現するためには、ノズル列ごとにインク流路の構造を調整することが有効となる。
但し、一つの記録ヘッドに供給するインクの種類が多様化する昨今、全色に対応した多数の記録素子列を同一の基板に形成することは困難であり、2つ以上の基板を並列配備した記録ヘッドも提供されている。この場合、ノズル列ごとにインク流路の構成を変えるのみならず、複数種類の基板でその構造を変える結果となり、生産性の観点からは好ましいことではない。
また、近年のインクジェット記録装置の中には、インクタンクを着脱可能な記録ヘッドの1つのタンク装着位置に対し、異なる種類のインクタンクを交換して使用するものがある。この場合、交換しながら同じ位置に装着される2種類のインクにおいて、互いの物性値が異なるとき、装着したインクの種類によって記録ヘッドの吐出特性が変化してしまう場合がある。
以上より、同型の構造を有しながらも、様々な物性のインクで安定した吐出特性が得られるようなノズル列が望まれる。しましながら、従来そのようなノズル列を有する記録ヘッドは提供されておらず、そのような提案もなされていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、同型の構造を有する記録素子列を備えながら、様々な物性のインクで安定した吐出特性を実現することが可能な記録ヘッドおよび記録方法を提供することである。
そのために本発明においては、インクが供給される1つの共通液室から分岐し、互いに異なる流抵抗を有するインク流路を備えたノズルが、複数配置されたノズル列を具備することを特徴とする。
また、上記インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法であって、前記流抵抗およびインクの物性に応じて前記ノズルごとに吐出周波数を調整する工程を有することを特徴とする。
さらに、上記記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であって、前記流抵抗およびインクの物性に応じて前記ノズルごとに吐出周波数を調整する手段を具備することを特徴とする。
本発明によれば、どのようなインクを吐出する場合であっても、インクの物性に適応したノズル構成を複数の中から選択し、このノズルによって主たる吐出動作が行われるように、記録方法を制御することが出来るので、安定した画像出力が実現される。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態において、表示された寸法、数値等は単なる一例を示したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
本明細書において「流抵抗」とは、リフィルの速度とオーバーシュートの発生具合を観察することによって決まる、「インク流路におけるインクの供給し易さ及び流動しやすさ」であって、主にインクの物性とインク流路の組み合わせによって定まる。例えば、リフィル時間が短かったりオーバーシュートしがちなインクとインク流路の組み合わせでは流抵抗が低いとされ、リフィル時間が長かったり、オーバーシュートし難かったりするインクとインク流路の組み合わせでは流抵抗が大きいとされる。
図1は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置100の概観斜視図である。キャリッジ11は、記録ヘッドカートリッジ(不図示)を搭載した状態で、キャリッジ駆動モータ12を駆動源として図の主走査方向に移動走査する。キャリッジ11には、光学式のエンコーダセンサが備えられており、記録走査方向に延在するエンコーダフィルム16にプリントされたコードを読み取ることにより、キャリッジ11の現在位置や速度を把握することが出来る。
インクジェット記録装置100の図示しない制御部から出力される記録ヘッドの制御信号は、キャリッジ11の移動走査に追従しながら記録ヘッドと制御部とを連結するフレキシブルケーブル13によって送信される。
給紙トレイ15に積載されている記録媒体の1枚がキャリッジ11に搭載された記録ヘッドによって記録可能な位置まで給紙されると、記録ヘッドはエンコーダセンサから得られる現在位置に基づき、制御信号に従った吐出を行いながら主走査方向に移動走査する。これにより、記録媒体に対する1行分の記録が完成する。その後、不図示の搬送ローラによって、上記主走査方向とは交差する副走査方向に記録媒体が搬送され、再び記録ヘッドによる記録走査が実行される。このような記録走査と副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に段階的に画像が記録されていく。記録媒体に対する全ての記録が完了すると、記録媒体は排紙トレイ17に排出される。
キャリッジ11の走査内で且つ記録ヘッドの記録領域外には、記録ヘッドのメンテナンスを行うための回復機構14が備えられている。非記録時や記録中であっても必要に応じて、キャリッジ11は回復機構14が配備された領域に移動し、ここで記録ヘッドは、吐出状態を安定に維持するための様々なメンテナンス処理を受ける。
図2は、本実施例で採用するインクジェット記録ヘッドの記録素子列の一部構成を説明するための模式図である。また、図3は、図2のX−X´で記録ヘッドを切断した場合の断面図である。インク供給口から共通液室5に供給されたインクは、左右に互い違いに延びる複数のインク流路4に分岐し、それぞれのインク流路4の先端に備えられた圧力室2まで到達する。圧力室2内のSi基板(ウエハ)10上に備えられた電気熱変換体9は、記録信号に応じて電圧パルスが印加されると、急激に発熱する。この発熱により、インク流路から圧力室に存在するインク中に膜沸騰による発泡が生じ、所定量のインク滴が吐出口3から記録ヘッドの外部に吐出される。以下、本明細書において、インク流路4から吐出口までの構成を1つのノズルと定義する。なお、ここでは、基板10の材質としてSiを用いたが、流路構成部材の一部となり、電気熱変換体、インク流路および吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るのであれば、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等の材質であってもよい。
図2を参照するに、共通液室5に対し左右に延びる複数のインク流路4は、それぞれの列において1/600インチのピッチで382個ずつ配列し、更に右列と左列では図の上下方向に互いに半ピッチずれている。すなわち、記録ヘッドが図の主走査方向に走査しながらインクを吐出することにより、記録媒体には副走査方向に1200dpi(ドット/インチ;参考値)で764個のドットを記録することが出来る。
本実施例の各ノズルにおいて、吐出口3の直径は12.5μm、インク流路4の高さHは14μmとし、各圧力室の大きさも統一されているものとする。但し、インク流路4の幅については、互いに異なる2種類の構造AおよびBを用意し、AおよびBは副走査方向に交互に配列するように構成されている。本実施例において、ノズルAの流路幅Waは12μm、ノズルBの流路幅Wbは21μmとする。よって、ノズルAのインク流路4の断面積は168μm、ノズルBのインク流路4の断面積は294μmとなる。このように、インク流路断面積の異なる2つのノズルを備える記録ヘッドでは、ノズルのタイプに応じてリフィルの速度が異なることが想定される。詳しくは、よりインク流路断面積が大きいノズルBの方が流抵抗が少なく、リフィルが速いことが想定される。
図4は、図2および図3で説明した本実施例の記録ヘッドを用いて記録を実行した際の、インクの物性値と各ノズルに適切なリフィル周波数を、インクの色ごとに示した図である。本実施例で使用する4色のインクの中では、特にブラック(K)の粘度が低く、且つ表面張力が高い。よって、ブラックインクは他色に比べて、ノズルAおよびB共に、適切なリフィル周波数が高くなっている。ここで、例えば記録装置で実行する駆動周波数を24KHzとすると、ノズルAのシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)では、リフィルが間に合わない恐れが生じる。よって、本実施例では、シアン、マゼンタおよびイエローについては、ノズルAが連続して駆動されないように、すなわち駆動周波数が24KHzにならないように工夫された4パスのマルチパス記録方法を採用する。
マルチパス記録では、1つのノズルが1回の記録主走査で記録可能な画像データを複数の記録走査に分割し、更に各記録走査の間にノズル列よりも短い所定量の搬送動作を行う。これにより、主走査方向に配列する記録媒体上のドットは、複数種類のノズルによって記録されるので、ノズル特有のばらつきが分散され、画像全体が滑らかな状態になる。
図5は、上記4パスのマルチパス記録を実行する際の、画像データにおける各ラスタ(行)に配列する記録データを複数のノズルへ割り振る方法を示した図である。本実施例の記録装置では、各記録主走査の間に191画素分(1200dpi)の副走査を実行する。すなわち、1回目の記録主走査でノズル0によってドットが記録されるラスタ0は、2回目の記録主走査ではノズル191によって、3回目の記録主走査ではノズル382によって、更に4回目の記録主走査ではノズル573によってドットが記録される。そして、これら4回の記録主走査によってラスタ0の記録は完了する。一般に、このようなラスタデータの割り振りには「マスクパターン」と呼ばれる2値データが利用される。
図6(a)〜(c)は、上記4パスのマスクパターンの一例を示した図である。ここでは、簡単のためラスタ0〜ラスタ3に含まれる主走査方向に連続した4つの画素に対する、4回の記録主走査で用いるマスクパターンを示している。各記録走査に用意された4画素×4画素の領域は、その記録走査でドットを記録することを許容する画素を黒、許容しない画素を白で示している。4種類のマスクパターンは互いに補完の関係を有しており、全ての画素は4回の記録主走査のいずれかによって1回ずつ記録が許容されている。実際の記録時には、各ラスタに与えられた記録/非記録が定められた2値の記録データと、ここに示したマスクパターンとの間で論理積を取り、その結果に従って、各記録走査で吐出動作を行う。
第1記録走査〜第4記録走査で使用する4種類のマスクパターンにおいては、互いに補完の関係さえ保たれていれば、記録画素(黒画素)がどのように配置されていてもマルチパス記録は実現できる。しかし、その配置方法を工夫することによって、さらに様々な効果を得ることが出来る。本実施例では、このマスクパターンに所定の条件を加えることによって、ノズルAおよびノズルB共に、見かけ上24KHzの駆動を可能にする。
例えば図6(a)は、24KHzのリフィル周波数が困難なノズルAを用いず、24KHzのリフィル周波数を十分に満たすノズルBのみを用いて記録を行うように工夫したマスクパターンを示している。また、同図(b)は、24KHzのリフィル周波数を十分に満たすノズルBでは連続吐出を認め、24KHzのリフィル周波数が困難なノズルAでは連続吐出を認めないようなマスクパターンを示している。連続吐出が行われなければ、実質的な吐出周波数は24KHzの半分の12KHz以下になる。また、同図(c)は、連続吐出を回避しながらも、全てのノズルを均等に使用するようにしたマスクパターンを示している。本実施例においては、以上3種類のマスクパターンのいずれを使用しても、安定した吐出状態のまま、記録装置における24KHzでの駆動が実現でき、記録された画像にも支障が現れない。
実施例2においても、記録装置および記録ヘッドの構成は、図1〜図3で説明した実施例1の構成と略同様とする。但し、本実施例ではノズルAとノズルCの2種類のノズル構造を用意し、インク流路4の幅については、ノズルAの流路幅Waは14μm、ノズルCの流路幅Wbは21μmとする。また、吐出口3の直径は全ノズル共通で12.3μm、インク流路4の高さHも全ノズル共通で16μmとする。よって、ノズルAのインク流路4の断面積は224μm、ノズルCのインク流路4の断面積は336μmとなる。
本実施例では、ノズル構造に応じたリフィル時間のみならず、駆動時の最大発泡位置の状態に応じて、駆動周波数を制御するようなマスクパターンを用意する。ここで、簡単に本実施例における最大発泡長についての説明を行う。
図7は、本実施例で使用するノズルの1つを図2と同じ方向から観察した状態を説明するための図である。電気熱変換素子9に電圧パルスが印加されると、膜沸騰によりインク中に泡20が生じこれが成長する。図では、泡20の成長が圧力室2からインク流路4まで及んでいる様子を示している。本実施例において最大発泡長とは、このように泡の成長が最大値に達した瞬間における、電気熱変換素子9の中心からインク流路4内の発泡の端の位置までの距離を示す。
図8は、本実施例の記録ヘッドを用いて記録を実行した際の、インクの物性値と適切なリフィル周波数、最大発泡長および吐出口からのインク溢れ状態を、インクの色ごとおよびノズル構造ごとに示した図である。本実施例で使用するノズルはノズルAとノズルCの2種類であるが、ここでは比較の対象として、インク流露の幅Wbが18μmで断面積が228μmのノズルBでの結果も示している。本実施例では、シアン、マゼンタおよびイエローの3色を使用するがシアンやマゼンタと比較してイエローは表面張力が高い。よって、最大発泡長が比較的大きい一方で、シアンやマゼンタに比べてメニスカスのオーバーシュートによるインク溢れが起きやすく、適切なリフィル周波数も高くなっている。
記録装置本体で24KHzの駆動周波数を実現するためには、24KHz以上のリフィル周波数を有するノズルを使用することが望まれる。シアンおよびマゼンタのノズルAについては、リフィル周波数が24KHz未満であるので、ノズルCを主として使用するようにする。一方、イエローについては、ノズルAもノズルCも共にリフィル周波数は24KHz以上である。但し、流路幅の大きいノズルCではインク溢れが生じやすいので、ノズルAを主として使用するようにする。
本実施例においても、実施例1と同様、マルチパス記録を実施する際に用いるマスクパターンに特徴を持たせ、使用するノズルに上述したような偏りを生じさせる。
図9は、本実施例に適用可能なマスクパターンの一例を図6と同様に示した図である。上段の4つは互いに補完の関係を有する、シアンおよびマゼンタ用のマスクパターンである。また、下段の4つはやはり互いに補完の関係を有しするイエロー用のマスクパターンである。シアンおよびマゼンタ用のマスクパターンでは、ノズルAがノズルCよりも多く使用されるように、記録許容画素(黒)と非許容画素(白)が配置されている。一方、イエロー用のマスクパターンでは、ノズルCがノズルAよりも多く使用されるように、記録許容画素(黒)と非許容画素(白)が配置されている。このように、インクの物性に応じて調整されたインク色ごとに異なるマスクパターンを用いることにより、24KHz以上の駆動周波数で記録を行っても、個々の記録素子においては、より低減された適切な周波数で吐出を行うことが出来る。結果、安定した吐出を維持した状態で、支障のない画像を出力することが出来る。
本実施例においても、記録装置および記録ヘッドの構成は、図1〜図3で説明した上記実施例の構成と略同様である。但し、本実施例の記録ヘッドは、一つのインク供給口および共通液室に対し、異なる種類のインクを収容したインクタンクを交換しながら使用する。具体的には、記録媒体の表面に色材が残りやすく高濃度画像が期待できるマッドブラックインク(MBk)と、記録媒体に色材が浸透しやすく定着時間の短いフォトブラックインク(PBk)とが用意され、これらが用途に応じて交換される。2つのインクはそれぞれの特徴を発揮するために、含有される成分が調整され、粘度や表面張力のような物性値も互いに異なっている。本実施例では、これら2種類のインクを、同じ記録ヘッドによって吐出する。
本実施例の記録ヘッドは、ノズルAとノズルBの2種類のノズル構造を有し、インク流路4の幅については、ノズルAの流路幅Waは12μm、ノズルBの流路幅Wbは21μmとする。また、吐出口3の直径は全ノズル共通で12.5μm、インク流路4の高さHは全ノズル共通で14μmとする。よって、ノズルAのインク流路4の断面積は168μm、ノズルBのインク流路4の断面積は294μmとなる。
図10は、本実施例の記録ヘッドを用いて記録を実行した際の、インクの物性値と適切なリフィル周波数を、インクの色ごとおよびノズル構造ごとに示した図である。PBkはMBkに比べて粘度が高く表面張力が低い。よって同じ記録ヘッドから吐出動作を行った場合でも、適切なリフィル周波数がMBkに比べて小さくなっている。本実施例の記録装置において25KHzの駆動周波数で記録を行う場合、PBkのノズルAではリフィルが間に合わなくなる恐れがある。よって本実施例においては、記録ヘッドにPBkが装着されている場合には、ノズルBを主として使用する、あるいはノズルAで連続吐出が行われないようにする。一方、MBkが装着されている場合には、ノズルAとノズルBともに24KHz以上のリフィル周波数を有しているので、これらが均等に使用されるようにする。
本実施例においても、実施例1と同様、マルチパス記録を実施する際に用いるマスクパターンに特徴を持たせて、使用するノズルに上述したような偏りを生じさせ。例えば、PBkについてはノズルAを使用しない図6(a)のマスクパターンを使用し、MBkについては、ノズルA、Bともに記録許容画素が均等に割り振られた同図(c)のマスクパターンを使用するようにしてもよい。
このように、装着されたインクタンクの種類に応じてマルチパス記録を行う際に使用するマスクパターンを自動的に切り替えることにより、どちらのインクタンクを装着した場合でも、安定した吐出を維持した状態で、支障のない画像を出力することが可能となる。
以上説明した実施例では、記録ヘッドに備えられたノズル構造のそれぞれに適応した吐出周波数が実質的に得られるように、4パスのマルチパス記録を行う際に利用するマスクパターンに特徴を持たせているが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。マルチパス数は3パス以下であっても、5パス以上であっても良い。マルチパス数が少ないほど、記録許容画素の存在率は高く、吐出周波数が高くなり易いので、マスクパターンによる制御の効果が高い。
また、個々のノズルの吐出頻度(実質的な吐出周波数)に制限を与えることが可能な方法はマスクパターンを利用する方法のみではない。例えば、多値のデータを2値データに変換する量子化処理において、個々のノズル位置に応じて記録頻度に制限を加えることも可能である。どのような手法であれ、個々のノズルの吐出頻度に制限を与えることが可能な方法が採用されれば、本発明の効果を得ることが出来る。以上の実施例では、1つの手段としてマスクパターンを利用したに過ぎない。
本発明によれば、構成の異なる複数の種類のノズルを有する記録ヘッドを1種類だけ用意することにより、様々な物性のインクに対応することが可能となる。すなわち、どのような物性のインクを吐出する場合であっても、そのインクの物性に適応したノズル構成を複数の中から選択し、このノズルによって主たる吐出動作が行われるように、記録方法を制御することが出来るのである。
本発明に適用可能なインクジェット記録装置の概観斜視図である。 本発明の実施例で採用するインクジェット記録ヘッドの記録素子列の一部構成を説明するための模式図である。 図2のX−X´で記録ヘッドを切断した場合の断面図である。 インクの物性値と各ノズルに適切なリフィル周波数をインクの色ごとに示した図である。 4パスのマルチパス記録を実行する際の、画像データにおける各ラスタ(行)に配列する記録データを複数のノズルへ割り振る方法を示した図である。 (a)〜(c)は、4パスのマスクパターンの一例を示した図である。 1つのノズルにおける発泡状態を説明するための図である。 インクの物性値と適切なリフィル周波数、最大発泡長および吐出口からのインク溢れ状態を、インクの色ごとおよびノズル構造ごとに示した図である。 実施例2に適用可能なマスクパターンの一例を示した図である。 インクの物性値と適切なリフィル周波数を、インクの色ごとおよびノズル構造ごとに示した図である。
符号の説明
2 圧力室
3 吐出口
4 インク流路
5 共通液室
9 電気熱変換素子
10 基板
20 泡

Claims (9)

  1. インクが供給される1つの共通液室から分岐し、互いに異なる流抵抗を有するインク流路を備えたノズルが、複数配置されたノズル列を具備することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記ノズルは、前記インク流路に連結した圧力室と、該圧力室内のインクに発泡を生じさせるための電気熱変換素子と、前記発泡の圧力に応じてインクを吐出させるための吐出口とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 流抵抗が相対的に高い前記インク流路は、該インク流路の断面積が相対的に小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 流抵抗が相対的に高い前記インク流路と流抵抗が相対的に低い前記インク流路が、前記共通液室から交互に分岐していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. インクの種類に応じて、前記ノズル列を複数具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記ノズル列の1つに対し、異なる種類のインクを供給することが可能な請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法であって、
    前記流抵抗およびインクの種類に応じて前記ノズルごとに吐出周波数を調整する工程を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記調整工程では、インクの種類に応じて異なるマスクパターンを用いたマルチパス記録を実行することにより、前記ノズルごとに吐出周波数を調整することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項1乃至6いずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であって、
    前記流抵抗およびインクの種類に応じて前記ノズルごとに吐出周波数を調整する手段を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
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