JP2008194584A - エアフィルタ用濾材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低い圧力損失と高い捕集効率との両方を満たし、更に、シロキサン、フタル酸エステル等の半導体製造工程を汚染したり、健康に影響を及ぼしたりする可能性のある物質を含有せず、高い強度と撥水性を有するエアフィルタ用濾材の提供。
【解決手段】 この課題は、ガラス繊維を主体繊維としたエアフィルタ用濾材において、前記ガラス繊維の表面に90%までの鹸化度の部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させることによって解決される。

Description

本発明は、半導体、液晶、バイオ・食品工業関係のクリーンルーム、クリーンベンチなど、又は、ビル空調用エアフィルタ、空気清浄機用途などに使用されるエアフィルタ用濾材に関する。
従来、空気中のサブミクロン、又はミクロン単位の粒子を効率的に捕集するために、エアフィルタの捕集技術が用いられている。エアフィルタは、その対象とする粒子径や除塵効率の違いによって粗塵用フィルタ、中性能フィルタ、HEPAフィルタ、ULPAフィルタなどに大別される。これらエアフィルタの多くには不織布状、織布状、マット状などの繊維層エアフィルタ濾材が使用され、特に中性能フィルタ、HEPAフィルタ、ULPAフィルタには不織布状のガラス繊維製エアフィルタ用濾材が広く用いられている。これは、ガラス繊維の持つ不燃性に加え、エアフィルタの基本性能である圧力損失と捕集効率の特性が高いことに由来する。一般的に、このガラス繊維は、湿式抄紙法によってシート化され、濾材として形成される。
湿式抄紙法による製造方法とは、例えば、濾材を構成するガラス繊維をパルパーなどの分散機を用いて水中に分散させ、このスラリーを抄紙機でシート形成、脱水、乾燥を行い、濾材シートを得る方法である。
ここで、ガラス繊維には自己接着性がほとんど無いため、ほとんどの場合において、濾材に実用上必要とされる強度を付与するために、バインダーが付与される。バインダーとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂等の合成樹脂が広く用いられている。一般的に、これらのバインダー樹脂は、水溶液又は水系エマルジョンの形のものが、浸漬又はスプレーなどをされることによって濾材に付与される。また同時に、濾材に実用上必要とされる撥水性を付与するために、撥水剤が付与されることもある。この撥水剤も、一般的に、バインダー樹脂と同様に、浸漬又はスプレーなどをされることによって濾材に付与される。
現在、エアフィルタ用濾材の基本的な物性として、低圧力損失、かつ、高捕集効率であることが強く求められている。この低圧損・高効率を達成する方策としては、バインダーを付与するときに、バインダー液中に各種の薬剤を添加して、バインダー液の表面張力を低下させ、水かき状の皮膜の形成を抑える方法が提案されている。
たとえば、特許文献1においては、この目的のためにシリコン樹脂を用いる方法が提案されている。しかし、シリコン樹脂に含まれる環状シロキサンなどの低分子シロキサンが半導体製造工程に存在すると、シリコンウェハ上や半導体製造工程を汚染し、製品歩留まりの低下などを引き起こす。
以前に、本発明者らは、特許文献2においてフッ素系界面活性剤を用いる方法、また、特許文献3においてアセチレン系界面活性剤を用いる方法を提案している。しかし、このような界面活性剤の使用には、濾材の撥水性や強度を低下させる問題があった。
特開平7−185235号公報 特開平10−156116公報 特開2003−71219公報
本発明の目的は、低い圧力損失と高い捕集効率との両方を満たし、更に、シロキサン、フタル酸エステル等の半導体製造工程を汚染したり、健康に影響を及ぼしたりする可能性のある物質を含有せず、高い強度と撥水性を有するエアフィルタ用濾材を提供することである。
本発明者らは、ガラス繊維表面に、部分鹸化度90%までの部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させることにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明にかかるエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維を主体としたエアフィルタ用濾材において、前記ガラス繊維の表面に、部分鹸化度90%までの部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させていることを特徴とする。
濾材を構成するガラス繊維の表面に、部分鹸化度90%までの部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させることによって、低い圧力損失と高い捕集効率との両方を満たし、更に、半導体製造工程を汚染したり、健康に影響を及ぼしたりする可能性のある物質を含有せず、高い強度と撥水性とを有するエアフィルタ用濾材を提供することができるという効果が達成される。
以下に、本発明を詳細に説明する。
従来の低圧力損失・高捕集効率化の方法は、バインダー液の表面張力を低下させ、水かき状のバインダー皮膜の形成を抑えることで圧力損失を低下させ、更には、粒子捕集にかかわる繊維をバインダー皮膜により被覆させずに捕集効率を上昇させ、結果として、次式によって表されるフィルタ性能の指標値であるPF値を上昇させることができるという考え方に基づいている。
Figure 2008194584
この式で得られたPF値が高いほど、より低圧力損失・高捕集効率の濾材であることを意味する。
本発明による低圧力損失・高捕集効率化の方法は、従来の方法とは異なり、ガラス繊維表面を適度に疎水化させることによって、濾材内におけるガラス繊維の配列をより均一化させ、これによって、粒子捕集にかかわる繊維が効率的に配置され、捕集効率を高くできるという考え方に基づいている。
湿式抄紙法によるシート化したガラス繊維濾材に、バインダー液を付与してから乾燥させるまでの間において、ガラス繊維濾材は大量の水分を含んだ湿紙の状態にある。このとき、ガラス繊維表面を適度に疎水化させると、繊維同士が湿紙内で反撥し合って凝集を防ぎ、かつ、分散性が上昇し、乾燥後の濾材内におけるガラス繊維の配列をより均一にすることができる。ガラス繊維表面を適度に疎水化させる物質としては、単に疎水性を有しているだけでなく、親水性のガラス繊維表面に付着するために、適度な親水性も有している必要がある。
本発明者らは、このような物質として、部分鹸化度90%までの部分鹸化ポリビニルアルコールが適当であることを見出した。湿式抄紙後の湿潤状態にあるガラス繊維濾材に部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させた場合、繊維が適度に疎水化され、繊維の分散性が向上し、濾材内のガラス繊維の配列が均一となり、その結果、低圧力損失・高捕集効率のエアフィルタ用濾材を得ることができる。
ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを原料として、ポリ酢酸ビニル中のカルボキシル基を鹸化、すなわち、アルカリ加水分解による水酸基への変換によって製造される。ここで、水酸基に変換したカルボキシル基の割合を、特に鹸化度と呼ぶ。本発明において用いる部分鹸化ポリビニルアルコールは、一部のカルボキシル基を鹸化せずに残したポリビニルアルコールであり、ほとんどすべて(約98%以上)のカルボキシル基を水酸基に鹸化した完全鹸化ポリビニルアルコールと比べて疎水性が高い。また、部分鹸化ポリビニルアルコールは、鹸化度を変化することによって分子の疎水性を調節することが可能であり、鹸化度が低いほど疎水性も高くなる。
Figure 2008194584
ここで、鹸化度(%) = {m/(m+n)}×100
部分鹸化ポリビニルアルコールを、湿潤状態にあるガラス繊維濾材に付着させた場合、鹸化度が低くなるにしたがい、前述したガラス繊維表面の疎水化効果によって濾材内のガラス繊維配列が均一となり、その結果、PF値が上昇する。完全鹸化ポリビニルアルコールを使用した場合は、分子の親水性が強すぎるために、十分な疎水化効果が得られないため、PF値の上昇は非常に小さくなる。
本発明において使用する部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度は、疎水性および親和性の調和の観点から90%までの範囲、好ましくは20%〜90%、殊に好ましくは30%〜90%、特に好ましくは40%〜90%から選択される。鹸化度が低すぎると水に対する溶解性が低くなり、ガラス繊維表面へうまく付着させることができなくなる。一方、鹸化度が高すぎると、前述のとおり、十分な疎水化効果が得られなくなるため、PF値の上昇が小さくなる。これらのことから、例えば40%〜80%、40%〜70%、なかでも40〜60%の範囲の鹸化度が特に有利である。
ガラス繊維に対する部分鹸化ポリビニルアルコールの付着量としては、部分鹸化ポリビニルアルコールがガラス繊維表面を十分覆えば効果があり、本発明で特に限定しないが、十分覆う量としてはガラス繊維質量当たり0.01質量%以上、特に0.1質量%以上が好ましい。
本発明で主体繊維として使用するガラス繊維は、必要とされる濾過性能やその他物性に応じて、種々の繊維径と繊維長とを有する極細ガラス繊維及び/又はチョップドガラス繊維の中から自由に選ぶことが出来る。特に、極細ガラス繊維は、火焔延伸法又はロータリー法で製造されるウール状のガラス繊維であり、濾材の圧力損失を所定の値に保ち、適正な捕集効率とするための必須成分である。繊維径が細くなるほど捕集効率は高くなるため、高性能の濾材を得るためには平均繊維径の細かい極細ガラス繊維を配合する必要がある。ただし、繊維径が細くなると圧力損失が上昇しすぎる場合があるので、この範囲内で適正な繊維径のものを選択すべきである。なお、数種の繊維径のものをブレンドして配合しても構わない。また、半導体工程用途などでシリコンウェハのボロン汚染を防止する目的で、ローボロンガラス繊維、シリカガラス繊維などを使用することもできる。さらに、副資材として、本発明の効果に影響を与えない範囲内で天然繊維、有機合成繊維などをガラス繊維中に配合しても差し支えない。
本発明では、濾材にプリーツ加工などの二次加工に耐えるだけの強度をもたせるため、エアフィルタ用濾材のガラス繊維基材上にバインダー樹脂を付与することが好ましい。使用されるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等挙げられるが、目的を阻害するものでなければ、これらに限定するものではない。濾材基材に対するバインダー樹脂の付与率は、1〜10質量%が望ましく、1質量%未満の付与率では濾材加工、実使用に耐える濾材強度が出ず、10質量%以上ではバインダーが濾材の目詰まりを起こさせるため、圧力損失の上昇が起こり濾過性能が低下してしまう。また、可燃物であるバインダー量が多いと濾材の難燃性を悪化させてしまう。
本発明の製造方法としては、次に示す製造方法などによって本発明のエアフィルタ用濾材を得ることができる方法が挙げられる。すなわち、濾材を構成するガラス繊維をパルパーなどの分散機を用いて水中に分散させ、得られたスラリーを抄紙機で湿式抄紙して湿紙を得る。原料繊維の分散工程において、分散性を良くするために、硫酸酸性でpH2〜4の範囲で調整する方法を取るが、pH中性で分散剤などの界面活性剤を使用してもよい。次に、バインダーを前述の湿紙に付着させ、これを乾燥機で乾燥させる方法である。バインダーの付着方法としては、湿紙をいったん乾燥した乾紙にバインダーを付与し再度乾燥させる方法又は予め原料スラリーにバインダーを混合する方法も挙げられる。湿紙への付与方法としては、特に限定されるものではないが、湿紙又は乾紙を付着液に浸漬する方法、湿紙又は乾紙にスプレーで吹き付ける方法、ロールに付着液を付着させ湿紙又は乾紙に転写する方法が挙げられる。撥水性、難燃性などを付与するため、本発明の目的の範囲内でバインダー液に撥水剤、難燃剤などを添加することも可能である。これら付与方法については、本発明の効果が得られる最適の方法が選ばれる。
ガラス繊維濾材に部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させる方法としては、濾材を湿式抄紙でシート形成する前に原料スラリーと混合する方法もあるが、湿式抄紙シート形成後の湿紙に部分鹸化ポリビニルアルコールを浸漬、スプレーなどで付着させる方法が付着効率の観点からより好ましい。ただし、湿式抄紙シートの乾燥前の湿潤状態において、部分鹸化ポリビニルアルコールを湿紙に付着させておく必要がある。これは、ガラス繊維濾材を一度乾燥させてしまうと、繊維配列を変化させる効果が弱くなるためであり、特に、ガラス繊維の分散性を向上させるために、酸性条件で抄紙した場合、乾燥後にガラス繊維同士が酸接着によって固定化されるため、繊維配列を変化させることが難しくなる。
部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させるときの形態としては、バインダー樹脂と撥水剤などとの混合液、又は、部分鹸化ポリビニルアルコール単体の水溶液のどちらの状態で付着させてもよいが、他の成分と混合して用いる場合には、部分鹸化ポリビニルアルコールのガラス繊維への付着が、他の成分との間の相互作用によって妨げられないように留意する必要がある。
湿紙の乾燥方法としては、熱風乾燥機、ロールドライヤーなどを利用し、120℃以上、好ましくは140℃以上の乾燥温度が望ましい。
以下に、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これによって何ら限定されるものではない。
平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維60質量%、平均繊維径2.70μmの極細ガラス繊維35質量%、平均繊維径6μmのチョップドガラス繊維5質量%を、濃度0.5%、硫酸酸性pH 2.5の条件でミキサー離解した。次いで、手抄装置を用いて抄紙して湿紙を得た。次に、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))、フッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))及び鹸化度48%の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーLW-200、製造元:日本合成化学工業(株))を、固形分質量比100/5/5となるように配合し、混合したバインダー液を湿紙に付与し、その後、130℃のドライヤーで乾燥し、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.5%のHEPA濾材を得た。
バインダー液として、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))、フッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))及び鹸化度55%の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーLW-300、製造元:日本合成化学工業(株))を、固形分質量比100/5/5となるように配合し、混合したバインダー液を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.5%のHEPA濾材を得た。
バインダー液として、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))、フッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))及び鹸化度88%の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217、製造元:(株)クラレ)を、固形分質量比100/5/5となるように配合し、混合したバインダー液を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.6%のHEPA濾材を得た。
比較例1
バインダー液として、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))及びフッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))を、固形分質量比100/5となるように配合し、混合したバインダー液を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.6%のHEPA濾材を得た。
比較例2
バインダー液として、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))、フッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))及び鹸化度99%の完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA-117、製造元:(株)クラレ)を、固形分質量比100/5/5となるように配合し、混合したバインダー液を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.5%のHEPA濾材を得た。
比較例3
バインダー液として、アクリル系ラテックス(商品名:ボンコートAN-155、製造元:大日本インキ化学工業(株))、フッ素系撥水剤(商品名:ライトガードT-10、製造元:共栄社化学(株))及びフッ素系界面活性剤(商品名:メガファックF-142D、製造元:大日本インキ化学工業(株))を、固形分質量比100/5/5となるように配合し、混合したバインダー液を用いた以外は実施例1と同様にして、坪量70g/m2、バインダー組成物固形分付着量5.5%のHEPA濾材を得た。
実施例及び比較例で得た各濾材の分析は、次の方法で行った。
撥水性は、MIL-STD-282,“Filter Units, Protective Clothing, Gas-Mask Components and Related Products: Performance-Test Methods,” 28 May 1956 に準拠して測定した。
引張強さは、JIS P 8113: 1998「紙及び板紙−引張特性の試験方法」に準拠して測定した。
層間剥離強さは、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.18-1に準拠して測定した。
圧力損失は、有効面積100cm2の濾材に面風速5.3cm/秒で空気を通過させたときの差圧を、マノメーターを用いて測定した。
DOP捕集効率は、ラスキンノズルで発生させた多分散DOP粒子を含む空気を、有効面積100cm2の濾材に面風速5.3cm/秒で通過させたときのDOP捕集効率を、レーザーパーティクルカウンターを用いて測定した。なお、対象粒径は、0.3〜0.4μmとした。
PF値は、圧力損失とDOP捕集効率の測定値から、前記式を用いて計算した。なお、対象粒径は、0.3〜0.4μmとした。
Figure 2008194584
実施例1〜3及び比較例1〜3の評価結果は、表1のとおりとなった。
バインダー液に部分鹸化ポリビニルアルコールを添加した実施例1〜3と、部分鹸化ポリビニルアルコールを添加していない比較例1を比較すると、バインダー液に部分鹸化ポリビニルアルコールを添加してこれを濾材に付着させることによって、撥水性、引張強さ及び層間剥離強さを低下させることなく、PF値が15.10以上と向上した。特に、部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度が低くなるほどPF値の向上効果は大きくなり、60%以下の場合においては、PF値が15.5を超える高い値となった。すなわち、本発明の目的とする効果が得られ、低い圧力損失と高い捕集効率との両方を満たし、かつ、高い強度と撥水性を有するエアフィルタ用濾材が得られた。
バインダー液に完全鹸化ポリビニルアルコールを添加した比較例2においては、引張強さ、層間剥離強さが向上するものの、未添加の比較例1と同様に、PF値の向上がほとんど見られず、圧力損失も304 Paと高く、本発明の効果が得られず、実用性がない。
バインダー液にフッ素系界面活性剤を添加した比較例3においては、PF値が16.07とその向上は見られたものの、撥水性、引張強さ、層間剥離強さの大きな低下が見られ、本発明の効果が得られず、実用性がない。

Claims (6)

  1. ガラス繊維を主体繊維としたエアフィルタ用濾材において、前記ガラス繊維の表面に90%までの鹸化度の部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させたことを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度が40〜90%である、請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. 部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度が40〜60%である、請求項1または2に記載のエアフィルタ用濾材。
  4. 湿式抄紙法によって製造されるガラス繊維を主体繊維としたエアフィルタ用濾材において、湿式抄紙後の湿潤状態にある前記ガラス繊維の表面に、90%までの鹸化度の部分鹸化ポリビニルアルコールを付着させた後、乾燥させることを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
  5. 鹸化度が40〜90%である部分鹸化ポリビニルアルコールを使用する、請求項4に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
  6. 鹸化度が40〜60%である部分鹸化ポリビニルアルコールを使用する、請求項4または5に記載のエアフィルタ用濾材の製造方法。
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