JP2008190467A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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進 松田
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Abstract

【課題】 密閉ハウジングに対する圧縮機構の結合強度を向上させ、大容量インバータ機にも十分適応可能な密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】 円筒状の鋼板製密閉ハウジング2と、鋳鉄製の構造部品6を有する圧縮機構7と、を備え、圧縮機構7は、鋳鉄製構造部品6を介して密閉ハウジング2の内部に複数箇所の溶接部により結合固定される密閉型電動圧縮機1において、鋳鉄製構造部品6の少なくとも複数箇所の溶接部に対応する外周部位には、鋼製の溶接用構造物31が固定され、溶接用構造物31と密閉ハウジング1とは、複数箇所の溶接部32により結合固定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、密閉ハウジング内に、圧縮機構および電動モータを一体に内蔵して構成される密閉型電動圧縮機に関するものである。
密閉ハウジング内に、圧縮機構および電動モータを一体に内蔵して構成される密閉型電動圧縮機では、鋼板製の円筒状密閉ハウジング内部に、圧縮機構および電動モータを内蔵して固定設置する必要がある。圧縮機構は、一般に圧縮機構を構成するための構造部品として、軸受部材またはフレーム部材、あるいはシリンダ部材等を備えている。そして、圧縮機構の密閉ハウジング内への固定には、この構造部品である軸受部材またはフレーム部材、あるいはシリンダ部材を用い、その外周と密閉ハウジングとの間を複数箇所(一般的には、3ないし4箇所)で溶接あるいはカシメにより結合する固定構造を採用しているケースがほとんどである。
ところで、上記軸受部材またはフレーム部材、あるいはシリンダ部材は、鋳鉄製品である場合が多く、これらの部材を溶かして鋼製の密閉ハウジングと直接溶接することはできない。そこで、溶接あるいはカシメ結合用の下穴または溝を、鋳鉄製軸受部材等の外周面の複数箇所に加工し、この下穴または溝を利用して密閉ハウジングとの間を栓溶接をするか、あるいは密閉ハウジングを下穴または溝内にカシメすることによって、圧縮機構を密閉ハウジングの内部に結合固定している(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2005−195005号公報 特開2006−170102号公報 特許第3567237号公報
しかしながら、上記したような栓溶接構造やカシメ構造では、昨今の大容量密閉型電動圧縮機のインバータ化により、圧縮機構の回転モーメントにより圧縮機構と密閉ハウジングとの結合箇所に負荷される荷重が大きくなる傾向にあることから、過渡的に栓溶接やカシメ構造による荷重保持能力を超えることが懸念されている。特に、栓溶接の場合は、密閉ハウジングの外側から溶接トーチにより鋳鉄製軸受部材にアークを飛ばし、その際に発生する熱で溶接棒を溶かし込むことにより溶接がなされるが、以下の理由から溶接品質にバラツキが生じ易く、それが上記懸念の最大の要因であり、その対策が望まれる状況下にある。
(1)密閉ハウジングに熱が十分に伝わっていない状態で溶接棒が溶け込み、接合が不十分になる場合がある。
(2)溶接が止まった状態でなされるため、溶けた金属がうまい具合に流れ込まない場合がある。
(3)炭素を多く含有する鋳鉄に向ってアークを飛ばすため、ガスが発生し易く、そのガスが溶接に悪影響を及ぼす。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、密閉ハウジングに対する圧縮機構の結合強度を向上させ、大容量インバータ機にも十分適応可能な密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の密閉型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる密閉型電動圧縮機は、円筒状の鋼板製密閉ハウジングと、鋳鉄製の構造部品を有する圧縮機構と、を備え、前記圧縮機構は、前記鋳鉄製構造部品を介して前記密閉ハウジングの内部に複数箇所の溶接部により結合固定される密閉型電動圧縮機において、前記鋳鉄製構造部品の少なくとも前記複数箇所の溶接部に対応する外周部位には、鋼製の溶接用構造物が固定され、前記溶接用構造物と前記密閉ハウジングとは、複数箇所の溶接部により結合固定されることを特徴とする。
本発明によれば、鋳鉄製構造部品の外周部位に鋼製の溶接用構造物を固定し、圧縮機構を密閉ハウジングの内部に結合固定する溶接部を、鋼板製の密閉ハウジングと鋼製の溶接用構造物との鋼同士の溶接とすることができるため、溶接を容易化し、溶接不良を殆んどなくすることができる。従って、確実な溶接によって、十分な結合強度を確保することが可能となり、回転に伴い大きな荷重が発生する大容量の密閉型電動圧縮機における圧縮機構の結合構造にも十分適用することができる。また、従来の鋳鉄製構造部品の下穴に対する栓溶接に比べ、溶接時の位置決め精度を大幅に緩和することができるため、生産性を向上させ、製造コストを低減させることができる。また、鋳鉄製構造部品に栓溶接用の下穴を設ける必要がなくなるため、鋳鉄製構造部品の製造を容易化することができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上記の密閉型電動圧縮機において、前記溶接用構造物と前記密閉ハウジングとは、少なくとも円周上の3箇所で前記溶接部により結合固定されることを特徴とする。
本発明によれば、溶接用構造物と密閉ハウジングとを、少なくとも円周上の3箇所で溶接により結合固定することができるため、各箇所での溶接強度が向上される分、従来の3点栓溶接に比べてトータルの溶接強度を高めることができる。従って、密閉ハウジングに対する圧縮機構の結合強度を格段向上させることができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上述いずれかの密閉型電動圧縮機において、前記溶接用構造物は、前記鋳鉄製構造部品および前記密閉ハウジングに、その内周および外周が嵌合される円筒物により構成されることを特徴とする。
本発明によれば、溶接用構造物が、円筒物により構成されるため、その大きさの範囲において、密閉ハウジングとの溶接位置、溶接の大きさ、溶接の形を任意に設定することが可能となる。従って、溶接の自由度を大幅に高めることができ、生産性を格段に向上させることができるとともに、溶接強度を任意に調整することができるようになる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上記の密閉型電動圧縮機において、前記円筒物は、前記鋳鉄製構造部品の外周に圧入または焼き嵌めにより固定されることを特徴とする。
本発明によれば、円筒物を、鋳鉄製構造部品の外周に圧入または焼き嵌めによって固定することができる。この円筒物は、溶接用構造物としての専用部品であり、密閉ハウジングに比べて寸法精度を十分高くすることができる。従って、円筒物の圧入または焼き嵌めにより、鋳鉄製構造部品に対する必要な固定強度を十分に確保することができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上述いずれかの密閉型電動圧縮機において、前記円筒物と前記密閉ハウジングとは、前記円筒物の軸線方向に間隔をあけて複数箇所で前記溶接部により結合固定されることを特徴とする。
本発明によれば、円筒物と密閉ハウジングとが、円筒物の軸線方向に間隔をあけて複数箇所で結合固定されるため、圧縮機構の回転モーメントにより圧縮機構と密閉ハウジングとの結合箇所にかかる上下方向の荷重を、軸線方向の複数箇所で分散して保持することができる。従って、各結合箇所にかかる荷重を低減し、全体として圧縮機構の密閉ハウジングに対する結合強度を向上させることができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上記の密閉型電動圧縮機において、前記円筒物の軸線方向長さは、前記鋳鉄製構造部品の軸線方向長さよりも長くされ、前記軸線方向複数箇所の前記溶接部の1つは、前記鋳鉄製構造部品の軸線方向長さよりも長くされた部位に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、円筒物の長さを鋳鉄製構造部品の軸線方向長さよりも長くし、その部位に溶接部の1つを設けているため、軸線方向に沿う複数箇所の溶接部間の距離を十分大きくすることができる。これにより、圧縮機構の回転モーメントにより圧縮機構と密閉ハウジングとの結合箇所にかかる上下方向の荷重の一部を、半径方向に分散させることができる。従って、半径方向荷重に比べて大きい上下方向の荷重を低減し、保持荷重をバランス化させることにより、圧縮機構の密閉ハウジングに対する結合強度を向上させることができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上述いずれかの密閉型電動圧縮機において、前記軸線方向に沿う複数箇所の前記溶接部間の距離は、前記圧縮機構の回転モーメントにより前記圧縮機構と前記密閉ハウジングとの結合箇所にかかる上下方向荷重と半径方向荷重とがバランスする距離に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、軸線方向に沿う複数箇所の溶接部間の距離が、上下方向荷重と半径方向荷重とがバランスする距離に設定されるので、各結合箇所での保持荷重を均一化することができる。従って、特定の結合箇所に過大な荷重が付加されることがなく、保持荷重を安定化させ、結合強度を高めることができる。
また、本発明の密閉型電動圧縮機は、上述いずれかの密閉型電動圧縮機において、前記溶接用構造物は、前記鋳鉄製構造部品の外周複数箇所にボルト結合された板材により構成されることを特徴とする。
本発明によれば、溶接用構造物が、鋳鉄製構造部品にボルト結合された板材によって構成されるため、板材の大きさの範囲において、密閉ハウジングとの溶接位置、溶接の大きさ、溶接の形を任意に設定することが可能となる。従って、溶接の自由度を大幅に高めることができ、生産性を格段に向上させることができるとともに、溶接強度を任意に調整することができるようになる。
本発明によると、鋳鉄製構造部品の外周部位に鋼製の溶接用構造物を固定し、鋼板製の密閉ハウジングと鋼製の溶接用構造物との鋼同士の溶接とすることができるため、溶接を容易化し、確実な溶接によって、十分な結合強度を確保することができる。従って、回転駆動により大きな荷重が発生される大容量インバータ機等にも十分適用可能となる。また、栓溶接に比べ、溶接時の位置決め精度を大幅に緩和できるため、生産性を向上させ、製造コストを低減させることができる。また、鋳鉄製構造部品に栓溶接用の下穴を設ける必要がなくなるため、鋳鉄製構造部品の製造を容易化することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るスクロール式の密閉型電動圧縮機1の縦断面図が示されている。なお、本実施形態では、スクロール式の密閉型電動圧縮機1を例に説明するが、本発明の密閉型電動圧縮機は、スクロール式に限定されるものではない。
スクロール式の密閉型電動圧縮機1は、鋼板製で円筒状の上下方向に長い有底の密閉ハウジング2を備えている。密閉ハウジング2の上部は、ディスチャージカバー3および上部カバー4により密閉されており、このディスチャージカバー3と上部カバー4間に、吐出チャンバー5が形成されている。
密閉ハウジング2内には、上方部に上部軸受部材(フレーム部材)6を介してスクロール圧縮機構7が設置されるとともに、その下方部にステータ8とロータ9とからなる電動モータ10が、ステータ8を密閉ハウジング2に固定することにより設置される。電動モータ10のロータ9には、駆動軸11が固定され、その上端部に設けられるクランクピン12をスクロール圧縮機構7に連結することにより、スクロール圧縮機構7を駆動できる構成とされる。駆動軸11の下端部は、密閉ハウジング2の下部に設けられた下部軸受13により支持される。この下部軸受13と駆動軸11の下端部間には、公知の容積式給油ポンプ14が設けられ、密閉ハウジング2の底部に充填されている潤滑油15を、吸入パイプ16を介して吸い込み、駆動軸11中に軸方向に沿って穿設されている給油穴17に排出する構成とされている。潤滑油15は、給油穴17を経て上部軸受部材6、スクロール圧縮機構7、および下部軸受13等の所要箇所に給油されるようになっている。
スクロール圧縮機構7は、上部軸受部材6をその構造部品の1つとし、この上部軸受部材6上に固定設置される固定スクロール部材18と、上部軸受部材6上に摺動自在に支持され、固定スクロール部材18に噛み合わされて圧縮室20を形成する旋回スクロール部材19と、上部軸受部材6と旋回スクロール部材19との間に介装され、旋回スクロール部材19の自転を阻止し、公転旋回運動を許容するオルダムリング等の自転阻止機構21と、駆動軸11のクランクピン12と旋回スクロール部材19の背面ボスとの間に介装され、旋回スクロール部材19に駆動軸11の回転力を伝えるドライブブッシュ22と、を備え、固定スクロール部材18がディスチャージカバー3に接続された状態で上部軸受部材6上に設置される。
上記スクロール圧縮機構7は、吸入配管23を介して密閉ハウジング2(低圧ハウジング)内に吸い込まれた冷媒ガスを、密閉ハウジング2内に開口されている吸入口24から圧縮室20内に吸い込み、高温高圧のガスに圧縮する。この圧縮ガスは、固定スクロール部材18の中央部に設けられている吐出口25およびディスチャージカバー3に設けられている吐出弁26を介して吐出チャンバー5内に吐き出され、さらに、吐出チャンバー5に接続されている吐出配管27を介して圧縮機外部へと吐出されるようになっている。
上記上部軸受部材(フレーム部材)6は、鋳鉄製であり、その外周部には、図2および図3に示されるように、密閉ハウジング2の内周面と対向する円筒面30が、全周またはその少なくとも一部に形成される。上部軸受部材6は、円筒面30を含め必要な箇所のみが切削加工仕上げされて使用され、他は鋳肌面のままとされる。この円筒面30には、上部軸受部材6を溶接により密閉ハウジング2対して結合固定するための溶接用円筒物31が、圧入または焼き嵌めにより固定される。
溶接用円筒物31は、密閉ハウジング2と同様、鋼製であり、その軸線方向長さは、円筒面30の軸線方向長さと略同一長さとされ、また、外周径は、密閉ハウジング2の内周面に嵌合される径とされている。
溶接用円筒物31と密閉ハウジング2とは、鋼同士であり、溶接が可能である。このため、図2および図3に示すように、溶接用円筒物31が圧入または焼き嵌めにより固定された上部軸受部材6を、密閉ハウジング2内の所定位置に嵌合した状態で、密閉ハウジング2と溶接用円筒物31とを円周上の複数箇所(通常は等間隔で3〜4箇所、本実施形態では、3箇所の例が示されている。)で溶接し、両者を結合することができる。この溶接部32は、密閉ハウジング2と溶接用円筒物31とを直接溶接により強固に結合固定し、ひいては、上部軸受部材6を介してスクロール圧縮機構7を密閉ハウジング2内に強固に固定設置することができる。
なお、溶接部32の円周方向位置は、図2に示されるように、溶接用円筒物31が上部軸受部材6と接触されている部位であってもよいが、必ずしも接触されている部位である必要はなく、溶接部32の位置と、溶接の大きさ、溶接の形は、上部軸受部材6側の構成に拘束されることなく、任意に設定することができる。
つぎに、以上構成の本実施形態に係る密閉型電動圧縮機1の動作を説明する。
電動モータ10が回転駆動されると、ロータ9の回転と共に駆動軸11が回転され、クランクピン12に連結されている旋回スクロール部材19が、自転阻止機構21により自転を阻止されつつ、固定スクロール部材18に対して公転旋回駆動される。このスクロール圧縮機構7の駆動により、吸入配管23を介して密閉ハウジング2内に吸入された冷媒ガスは、密閉ハウジング2内に開口されている吸入口24を経て圧縮室20内に吸い込まれる。圧縮室20は、外周側から中心側に移動されるにしたがって容積が減少され、この間に冷媒ガスを圧縮する。圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、固定スクロール部材18の中央部に設けられている吐出口25および吐出弁26を経て吐出チャンバー5へと吐き出され、さらに、吐出配管27を介して圧縮機外部へと吐出される。
スクロール圧縮機構7により、上記の圧縮作用がなされる間、上部軸受部材6には、その回転モーメントにより、周方向および上下方向の荷重が負荷される。この荷重は、溶接用円筒物31を介して上部軸受部材6を密閉ハウジング2に結合固定している溶接部32に負荷され、さらに、溶接部32を介して密閉ハウジング2が保持する。このため、溶接部32は、上記荷重に耐え得る荷重保持能力が必要であり、品質にバラツキのない、精度の高い確実な溶接が求められる。本実施形態では、上部軸受部材6の外周に鋼製の溶接用円筒物31を圧入または焼き嵌めにより固定し、この溶接用円筒物31と鋼板製の密閉ハウジング2とを溶接している。
上記の如く溶接用円筒物31と密閉ハウジング2とは、各々鋼製とされているため、前述した溶接品質にバラツキを生じさせる要因を排除することができる。そのため、溶接時に、溶接用円筒物31と密閉ハウジング2とを同条件で互いに溶融し、強固に接合することができる。これにより、溶接不良をなくし、品質にバラツキのない、安定した精度の高い、所期の目標強度を有する溶接を実行することができる。
かくして、以上説明の本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
スクロール圧縮機構7を密閉ハウジング2の内部に結合固定する溶接部32を、鋼板製の密閉ハウジング2と鋼製の溶接用円筒物31との鋼同士の溶接としているため、溶接を容易化し、溶接不良を殆んどなくすることができる。従って、安定した精度の高い確実な溶接によって、十分な結合強度を確保することが可能となり、大容量インバータ機が発生する大きな荷重に対しても十分適応可能な能力の溶接強度を確保することができる。つまり、溶接用円筒物31と密閉ハウジング2とは、少なくとも円周上の3箇所で溶接されるが、各箇所での溶接強度が高められるため、それに相応する分、従来の3点栓溶接に比べてトータルの溶接強度を高めることができる。これによって、密閉ハウジング2に対するスクロール圧縮機構7の結合強度を格段向上させることができる。
また、溶接用円筒物31を設けることにより、従来の下穴に対する栓溶接に比べ、溶接の位置、溶接の大きさ、溶接の形を任意に設定できる等、溶接の自由度を高めることができる。このため、溶接強度を容易に調整することができるとともに、溶接時の位置決め精度を大幅に緩和することができる。これにより、生産性を向上させ、製造コストを低減することができる。また、軸受部材側に栓溶接用の下穴を設ける必要がなくなるため、上部軸受部材6の製造を容易化することができる。
また、溶接用円筒物31は、上部軸受部材6の外周に圧入または焼き嵌めにより固定されるが、溶接用円筒物31は、溶接用構造物としての専用部品であり、密閉ハウジング2に比べて寸法精度を十分高くすることができるため、溶接用円筒物31の圧入または焼き嵌めによる固定強度も十分に確保することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態に対して、溶接部32Aを溶接用円筒物31の軸線方向の複数箇所(2箇所)に設けている点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
つまり、本実施形態では、図4に示すように、溶接部32Aを円周上の3箇所だけではなく、溶接用円筒物31の軸線方向(図4の上下方向)に間隔をあけて2箇所に設け、溶接箇所を増やしている。なお、上下の溶接部32Aは、必ずしも円周上の同一角度位置である必要はなく、例えば、円周上の3箇所等間隔配置の場合は、互いに60度ずらせた位置としてもよい。
上記のように、溶接用円筒物31と密閉ハウジング2とを、溶接用円筒物31の軸線方向に間隔をあけて複数箇所で溶接部32Aにより結合固定することによって、スクロール圧縮機構7の回転モーメントにより該圧縮機構7と密閉ハウジング2との結合箇所、すなわち溶接部32Aにかかる上下方向の荷重を、軸線方向の複数箇所で分散して保持することができるようになる。このため、各溶接部32Aにかかる荷重を低減し、全体として圧縮機構7の密閉ハウジング2に対する結合強度を一段と向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記第1および第2実施形態に対して、溶接用円筒物31Aの軸線方向長さを長くしている点が異なっている。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので、説明は省略する。
つまり、本実施形態では、図5(A)に示すように、溶接用円筒物31Aの軸線方向長さを、上部軸受部材6の軸線方向長さよりも長くして、下方に延在させ、上下方向2箇所の溶接部32Aの1つを、この下方延在部に設けている。
このように、溶接用円筒物31Aの長さを、上部軸受部材6の軸線方向長さよりも長くし、その延長部位に溶接部32Aの1つを設けることにより、軸線方向に沿う複数箇所の溶接部32A,32A間の距離を十分に取ることができる。かかる構成の採用により、スクロール圧縮機構7の回転モーメントにより該圧縮機構7と密閉ハウジング2との結合箇所、すなわち溶接部32Aにかかる上下方向の荷重の一部を、図5(B)に示すように、半径方向に分散させることができる。このため、半径方向荷重に比べて大きい上下方向の荷重を低減し、保持荷重をバランス化させることができる。このように、複数の溶接部32Aにかかる荷重をバランス化させることによっても、極端な過大荷重を低減し、全体として圧縮機構7の密閉ハウジング2に対する結合強度を向上させることができる。
なお、上記第3実施形態において、複数箇所の溶接部32A,32A間の軸線方向に沿う距離を、溶接部32A,32Aにかかる上下方向荷重と半径方向荷重とがバランスする距離に設定することができる。
このように、複数箇所の溶接部32A,32A間の軸線方向に沿う距離を、上下方向荷重と半径方向荷重とがバランスする距離に設定することにより、各溶接部32Aでの保持荷重を均一化することができる。従って、特定の溶接部32Aに過大な荷重が負荷されることがなく、保持荷重を安定化させ、結合強度を高めることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態に対して、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、ボルト41A,41Bを設けている点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
つまり、図6に示す本実施形態では、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、鋼製の頭なしボルト41Aをネジ込んで、上部軸受部材6に溶接可能な部分を作り、ボルト41Aと密閉ハウジング2とを溶接部32で溶接する構成としている。
また、図7に示す本実施形態では、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、鋼製の六角穴付ボルト41Bをネジ込んで、上部軸受部材6に溶接可能な部分を作り、このボルト41Bの六角穴と密閉ハウジング2とを溶接部32で溶接する構成としている。
上記のように、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、鋼製のボルト41A,41Bをネジ込み、このボルト41A、41Bと密閉ハウジング2とを、鋼同士で溶接して上部軸受部材6を密閉ハウジング2に結合固定することができる。これによって、溶接を容易化し、溶接不良を殆んどなくすることができる。このため、安定した精度の高い確実な溶接によって、十分な結合強度を確保することが可能となり、回転に伴い大きな荷重が発生する大容量インバータ機における圧縮機構7の結合構造にも十分適用することが可能となる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、図8および図9を用いて説明する。
本実施形態は、上記第1実施形態に対して、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、板材51をボルト結合している点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
つまり、本実施形態では、上部軸受部材6の複数箇所の溶接部に対応する外周部位に、2本のボルト52により、矩形の鋼製板材51を結合固定し、この矩形板材51と密閉ハウジング2とを上下2箇所で溶接部32B,32Bにより溶接する構成としている。
上記のように、上部軸受部材6の外周部位に、矩形の鋼製板材51をボルト結合し、この鋼製板材51と密閉ハウジング2とを、鋼同士で溶接して上部軸受部材6を密閉ハウジング2に結合固定するようにしているため、安定した精度の高い確実な溶接を行い、十分な結合強度を確保することができる。また、板材51の大きさの範囲において、密閉ハウジング2との溶接位置、溶接の大きさ、溶接の形を任意に設定できるため、溶接の自由度を大幅に高めることができ、生産性を格段に向上させることができるとともに、溶接強度を任意に調整することができるようになる。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更が可能である。例えば、本発明は、スクロール式の密閉型電動圧縮機だけでなく、ロータリ式、他の方式の密閉型電動圧縮機にも適用できることはもちろんである。また、上部軸受部材6の外周に固定される溶接用構造物についても、その形状、構造は様々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の縦断面図である。 図1に示すスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略横断面図である。 図1に示すスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略縦断面図(A)と荷重方向解析図(B)である。 本発明の第4実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の変形例の主要部概略縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係るスクロール式密閉型電動圧縮機の主要部概略縦断面図である。 図8に示すスクロール式密閉型電動圧縮機の部分斜視図である。
符号の説明
1 密閉型電動圧縮機
2 密閉ハウジング
6 上部軸受部材(鋳鉄製構成部品)
7 スクロール圧縮機構
31 溶接用円筒物
32,32A,32B 溶接部
41A,41B ボルト
51 板材
52 ボルト

Claims (8)

  1. 円筒状の鋼板製密閉ハウジングと、鋳鉄製の構造部品を有する圧縮機構と、を備え、
    前記圧縮機構は、前記鋳鉄製構造部品を介して前記密閉ハウジングの内部に複数箇所の溶接部により結合固定される密閉型電動圧縮機において、
    前記鋳鉄製構造部品の少なくとも前記複数箇所の溶接部に対応する外周部位には、鋼製の溶接用構造物が固定され、
    前記溶接用構造物と前記密閉ハウジングとは、複数箇所の溶接部により結合固定されることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 前記溶接用構造物と前記密閉ハウジングとは、少なくとも円周上の3箇所で前記溶接部により結合固定されることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  3. 前記溶接用構造物は、前記鋳鉄製構造部品および前記密閉ハウジングに、その内周および外周が嵌合される円筒物により構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. 前記円筒物は、前記鋳鉄製構造部品の外周に圧入または焼き嵌めにより固定されることを特徴とする請求項3に記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 前記円筒物と前記密閉ハウジングとは、前記円筒物の軸線方向に間隔をあけて複数箇所で前記溶接部により結合固定されることを特徴とする請求項3または4に記載の密閉型電動圧縮機。
  6. 前記円筒物の軸線方向長さは、前記鋳鉄製構造部品の軸線方向長さよりも長くされ、前記軸線方向複数箇所の前記溶接部の1つは、前記鋳鉄製構造部品の軸線方向長さよりも長くされた部位に設けられることを特徴とする請求項5に記載の密閉型電動圧縮機。
  7. 前記軸線方向に沿う複数箇所の前記溶接部間の距離は、前記圧縮機構の回転モーメントにより前記圧縮機構と前記密閉ハウジングとの結合箇所にかかる上下方向荷重と半径方向荷重とがバランスする距離に設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の密閉型電動圧縮機。
  8. 前記溶接用構造物は、前記鋳鉄製構造部品の外周複数箇所にボルト結合された板材により構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型電動圧縮機。

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