JP2008189066A - 自動車ルーフ構造およびルーフボウ - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーフボウをアルミニウム合金製とした場合に、ルーフパネルとルーフボウとの熱膨張の変形モードの違いから生じる、ルーフパネル側の変形を抑制した、自動車ルーフ構造およびルーフボウを提供する。
【解決手段】自動車ルーフ構造の内、アルミニウム合金製としたルーフボウ10のルーフパネル1裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って段差20を設けて、この段差20によってルーフボウ接合面16とルーフパネル1裏面とのクリアランスC1を確保しつつ、マスチック接着剤5によってルーフボウ接合面16とルーフパネル1裏面とを接合し、ルーフパネル1とルーフボウ10との熱膨張の変形モードの違いから生じるルーフパネル1側の変形を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金製ルーフボウによって支持されるルーフパネルの、熱膨張による変形の問題を解決した、自動車ルーフ構造およびルーフボウに関するものである。なお、本発明に係るルーフボウ(ルーフ支持部材)は、ルーフパネルリインフォースメント、ルーフパネルR/F、ルーフリインフォースメントなどとも別称される。
自動車上部車体構造は、ルーフパネルと、ヘッダーパネルやルーフボウなどのルーフ補強材、ルーフサイドレール、サイドパネルアウタ(ルーフサイドアウタパネルあるいはサイドメンバアウタパネルなどとも言う)とサイドパネルインナ(ルーフサイドインナパネルあるいはサイドメンバインナパネルなどとも言う)などで構成される。
周知の通り、現状の自動車のルーフ(屋根)の多くは、鋼製(鋼板)パネルからなっている。これに対して、自動車の走行性や操作性を向上するために、自動車車体上部の軽量化が有効である。また、自動車車体上部の軽量化は、近年の排気ガス等による地球環境問題に対する、自動車の燃費向上の点からも有効である。このため、上記した自動車の上部車体構造においても、例えば、ルーフパネルやルーフボウなどの部材を、従来の鋼製に代わって、より軽量なアルミニウム合金製とする構造が提案乃至適用されつつある。
しかし、自動車上部車体構造全てにアルミニウム合金材を使用した場合に、車体衝突時の車体の剛性確保が難しくなる。また、アルミニウム合金材は鋼材に比べれば成形しにくいため、自動車上部車体構造の構成部材に、全てアルミニウム合金材を使用した場合、部材の成形や車体の組み立てが、鋼材に比べれば、やりにくい問題もある。
このため、アルミニウム合金材の使用は、ルーフパネルやルーフボウなどの部材に限定して、他の構成部材を鋼材とした自動車上部の複合車体構造(ハイブリッド構造)とする方が合理的である。自動車上部車体構造を、このような鋼材との複合構造にした場合でも、全てを鋼材とした場合に比して、アルミニウム合金材使用による上部車体構造の軽量化効果は大きい。
ただ、ルーフパネルやルーフボウなどの部材に、部分的にアルミニウム合金材を使用して、他の構成部材を鋼材とした、自動車上部の複合車体構造(ハイブリッド構造)では、これら各部材に要求される強度や張り剛性などの機械的特性の確保などの他に、特に、熱ひずみ対策が必要となる。
例えば、アルミニウム合金材と鋼材とでは、線膨張係数が大きく違う。アルミニウム合金の線膨張係数は鋼の約2倍である。これによって、組み立てられた車体の塗装後に、塗料の熱硬化のための焼き付け硬化処理で加熱された際に、熱による膨張変形量が異なって、アルミニウム合金製の部材側に大きなひずみ変形が生じる。例えば、上記塗装焼き付け硬化処理工程では、加熱温度が低く、処理時間が短くても、170℃×20分程度の加熱処理が行なわれる。しかし、このような、比較的低温短時間の加熱によっても、アルミニウム合金側の膨張変形が大きくなり、熱ひずみが生じる。
このため、従来から、自動車上部のハイブリッド構造における、熱ひずみ対策が種々提案されている。例えば、アルミニウム合金製ルーフパネルの熱ひずみが生じた場合でも、ルーフパネル側縁部と、ルーフサイドレールやサイドメンバアウタパネルとの取り付け部に変形が生じない対策が提案されている。これは、自動車ルーフの取り付け構造を工夫したり、接合用樹脂を加熱により発泡するタイプの熱発泡型樹脂として柔らかくして接合したりするものである(例えば、特許文献1、2参照) 。また、アルミニウム合金からなるルーフパネルにおける車体側面側に L字状に折り曲げたフランジ部を設け、このフランジ部に凸型のビードを設けて、このフランジ部の凸型のビード以外の平坦部分において、自動車上部車体構造と接合する構造も提案されている(特許文献3)。
特開2004−130985号公報 特開2004−130986号公報 特開2005−343295号公報
ただ、これら従来の対策は、主として、ルーフパネルをアルミニウム合金製とし、自動車上部の他の構成部材を鋼材とした場合の、ルーフパネル自体の熱ひずみ対策でしかない。これに対して、ルーフパネルを下側から支持するルーフボウをアルミニウム合金製とした場合には、ルーフパネルの材質がアルミニウム合金製であるか、鋼製であるかにかかわらず、互いの形状の違いによる熱膨張の変形モードの違いから、ルーフパネル側が変形するという、新たに別の熱ひずみの問題が生じる。
(熱ひずみの問題)
この熱ひずみの問題を、図12、13を用いて説明する。図12、13は、図8で斜視図で示す車体のAA断面図であり、図12は変形前、図13は熱膨張(熱処理)時および冷却後の、ルーフパネル1とルーフボウ10とを示す。
ルーフボウ10をアルミニウム合金製とした場合、前記焼き付け硬化処理などによって加熱された際に、鋼製の場合に比して、ルーフボウ10の変形量(熱膨張量)が大きくなる。また、ルーフボウ10は、ルーフパネル1とは、断面形状を含めて全体形状が大きく異なるために、アルミニウム合金製ルーフボウとルーフパネルとの熱膨張時の変形モードはより大きく異なる。
このような変形モードの違いは、熱変形(熱処理)前後でのルーフパネル1とアルミニウム合金製ルーフボウ10とのクリアランスCを変化させる。図12のクリアランスC1は、熱変形前のルーフパネル1とアルミニウム合金製ルーフボウ10との、予め設定(設計)して設けたクリアランスである。これに対して、熱処理を受けた際には、図13の熱膨張時の2つの図(上側の2図)に示すように、熱膨張時のルーフパネル1とアルミニウム合金製ルーフボウ10とのクリアランスC2は、図12のクリアランスC1に比して、殆ど無くなるくらい小さくなる。
これによって、アルミニウム合金製ルーフボウ10と、ルーフパネル1とのクリアランスC2に介装された接合用のマスチック接着剤5(接着用樹脂5)のスペースが小さくなる。このスペースが小さくなった状態で、マスチック接着剤5の前記焼き付け硬化処理による硬化が進行する。この結果、接着剤の特性上、クリアランス(スペース)C2が大きい場合の通常の硬化に比して、より硬い硬化となる。
今、後述する実施例の通り、マスチック接着剤をバネ要素(等価なバネ定数k)としてモデル化あるいはモデリング化(模擬)した場合、クリアランスC2が大きい場合には、硬化したマスチック接着剤は比較的柔らかいために、見掛けのバネ定数(バネ特性)kは比較的小さい(柔らかいバネになる)。これに対して、熱変形(熱処理)によってクリアランスC2が小さくなった場合には、硬化したマスチック接着剤の見掛けのバネ定数kは、後述する実施例の通り、非常に大きくなる(剛なバネになる)。
一方で、熱処理後(冷却後)には、一旦熱変形した、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1の両方とも、冷却されて、元の形状(熱変形前の初期形状、初期位置)に戻ろうとする。この際、熱変形によっても、クリアランスC2が大きく、硬化したマスチック接着剤の硬さが柔らかく、マスチック接着剤の見掛けのバネ定数kが小さい場合には、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1の両方とも、元の形状に戻ることができる。言い換えると、柔らかいバネ特性を有するマスチック接着剤の緩衝効果により、ルーフパネル1は、ルーフボウ10に引っ張られずに、元の形状に戻ることができる。
これに対して、熱変形によって、クリアランスC2が小さくなって、硬化したマスチック接着剤の硬さが硬くなり、マスチック接着剤の見掛けのバネ定数kが大きくなった場合でも、剛性や強度が比較的高いアルミニウム合金製ルーフボウ10の方は元の形状(熱変形前の初期形状、初期位置)に戻ることができる。しかし、このルーフボウに比して、比較的平坦な形状であり、板厚が薄く、強度や剛性が比較的低いルーフパネル1の方は、マスチック接着剤の見掛けのバネ定数kが大きい場合には、元の形状に戻ることができない。
ここで、仮にマスチック接着剤が無ければ、ルーフパネル1も元の形状に戻ることができる。しかし、マスチック接着剤の見掛けのバネ定数kが大きい場合には、丁度ルーフパネル1が剛なバネでつながっているような状態であり、冷却時には、元の形状に戻るルーフボウ10が、ルーフパネル1を下方側に引きずる形で変形する。即ち、熱変形によって、クリアランスC2が小さくなって、硬化したマスチック接着剤の硬さがより硬くなった場合には、ルーフパネル1の方は、結果的に、元の形状よりも車体下方側に下がる(変形する)こととなる。即ち、図13の冷却後の図(一番下側の図)に示すように、ルーフパネル1の特に頂部(中央部)4部分が、そのマスチック接着剤5の配置位置において、点線で示す本来の形状に比して、実線で示す4aのように、車体下方側に変形して凹む(窪む)。
ルーフパネル1の意匠面(特に頂部4)に、このような局部的な凹みや窪みが生じた場合には、ルーフパネル1の意匠性が損なわれる。また、このような局部的な凹みや窪みの部分は、樹脂によって接着されていることと相まって、修復が非常に困難となる。このため、自動車としての商品価値を損なう、大きな問題となりうる。
したがって、本発明の目的は、前記したような、従来の熱ひずみによるアルミニウム合金製ルーフパネル側の変形ではなく、ルーフボウをアルミニウム合金製とした場合に、ルーフパネルとルーフボウとの互いの形状の違いによる、熱膨張の変形モードの違いから生じる、ルーフパネル側の変形を抑制することである。そして、このよう変形モードの違いから生じる、ルーフパネル側の変形を抑制した、自動車ルーフ構造およびルーフボウを提供しようとするものである。
この目的を達成するために、本発明の自動車ルーフ構造の要旨は、ルーフボウによってルーフパネルを支持する自動車ルーフ構造であって、車体の前後方向に間隔をあけて配置された複数のルーフボウの内、いずれかまたは全部のルーフボウをアルミニウム合金製として、このアルミニウム合金製ルーフボウのルーフパネル裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って段差を設けて、この段差によって前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面とのクリアランスを確保しつつ、マスチック接着剤によって前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面とを接合したことである。
ここで、前記段差によって確保される、前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面との接合後(マスチック接着剤の熱硬化後)のクリアランスを1〜3mmの範囲とすることが好ましい。また、前記アルミニウム合金製ルーフボウの幅方向断面形状が略HAT型であって、この略HAT型断面形状において側方に張り出した両フランジ部の上面が、前記ルーフパネル裏面との接合面であって、この接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って、前記段差を設けることが好ましい。また、前記アルミニウム合金製ルーフボウの幅方向断面形状が中空な略矩形型であって、この中空略矩形型における上部側横壁の上面か、あるいは、この横壁から別途側方に張り出させたフランジ部の上面かが、前記ルーフパネル裏面との接合面であって、この接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って、前記段差を設けることが好ましい。
更に、上記いずれかの要旨の自動車ルーフ構造に用いるアルミニウム合金製ルーフボウとしては、このルーフボウのルーフパネル裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って段差を設け、この段差の前記接合面からの高さを、マスチック接着剤の熱硬化後の設計厚さの50%以上とする。
本発明では、アルミニウム合金製ルーフボウとルーフパネルとの熱による変形モードが大きく異なったとしても、ルーフパネルとルーフボウとの予め設定(設計)して設けたクリアランスを確保して、ルーフパネル側の変形を抑制する。
このために、本発明では、上記クリアランスの確保を、このルーフボウのルーフパネル裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って、前記段差を設けることで達成する。
以下、本発明自動車ルーフ構造の実施の形態について、図を用いて、以下に説明する。
先ず、図8、9に前提となる、自動車車体における代表的なルーフ構造例を示す。図8はルーフパネル1と車体40との全体の斜視図を示す。図9は図8のAA断面図である。
(ルーフパネル)
ルーフパネル1は、アルミニウム合金製 (アルミニウム合金板製) あるいは鋼製 (鋼板製) からなり、本発明の課題はいずれの場合でも共通するので、そのいずれでも良い。
これらルーフパネル1は、設計される車体形状に応じた形状とされ、多くの場合に、その意匠面(全体形状)は、車体幅方向や車体前後方向に、ゆるやかな曲率を有している。更に、ルーフパネル1 は、通常、箱型形状に設計される。このため、ルーフパネル1における車体側面側 (車体幅方向の両側) の側縁部は、図9に示すように、例えば、端部2、3をL字状に折り曲げた、略垂直な縦壁部と、これに続く平坦なフランジ部とからなる。
(ルーフ構造)
図8に示すように、自動車のルーフ構造は、基本的に、ルーフパネルを断面が略HAT型形状などの複数のルーフボウ(ルーフ補強材)10、11によって、車体側(下方側)から支持する。それとともに、これらのルーフボウを、ルーフパネル1とルーフボウ10、11との間に、間隔をあけて介在させた、接合用のマスチック接着剤5によって、ルーフパネル1と接合している。
これら複数のルーフボウは、各々、車体前後方向に、適当な間隔をあけて配置される。これらのルーフボウの内、センターピラー41と接合されるルーフボウ10は、車体の側面衝突や、衝突による車体の回転時(ロールオーバー時)の対策として、他のルーフボウ11よりも高い強度や剛性が必要となる。このため、ルーフボウ10は、太幅あるいは厚肉となって、鋼製では重量が重くなり、アルミニウム合金製とした場合に、太幅あるいは厚肉となっても、軽量化効果が大きい。この点は他のルーフボウ11などでも同様である。
したがって、ルーフボウをアルミニウム合金化して、大きな軽量化効果を発揮するためには、前提として、特に、センターピラー41と接合されるルーフボウ10をアルミニウム合金製とすることが好ましい。勿論、ルーフボウを全てアルミニウム合金化すれば、大きな軽量化効果が得られるが、自動車車体やルーフ構造設計上の都合もあり、他のルーフボウ11も含めて、いずれのルーフボウをアルミニウム合金製とするかは、適宜選択される。
これらのルーフボウ10、11は、他のウインドシールドヘッダパネル12や、バックウインドウフレームアッパ13などとともに、自動車の車体幅方向に延在して両端が車体フレーム部品(ルーフサイドレール)42に連結されるクロスメンバーとして、車体側に取り付けられる。
これらルーフボウ10、11は、図9に示す、車体幅方向(図の左右方向)の両端部に設けた、端部フランジ17、17において、ルーフパネル1の両側端部2、3(の平坦なフランジ部)とで接合される。また、同時に、図示はしないが、ルーフサイドレール42のサイドメンバアウタパネルやサイドメンバインナパネルと接合される。これらの接合は、接合用のマスチック接着剤、ボルトやリベットなどの機械的接合あるいは溶接接合 (スポット溶接等) が適宜選択、組み合わされて用いられる。
(ルーフボウ)
前記した通り、ルーフボウ(ルーフパネル支持部材)10、11は、ルーフパネル1下方側から支持し、車体衝突に対するルーフ構造(車体上部)の強度や剛性を確保するために、本発明のように、鋼製からアルミニウム合金製に置き換わっても、鋼製と同様に、比較的高い強度や剛性が必要となる。
このため、図10、11に示す態様の通り、本発明のルーフボウ10、11の実施態様としては、代表的には、アルミニウム合金製であっても、通常の鋼製ルーフボウと同じ形状としている。即ち、鋼製ルーフボウと同様に、適度な幅あるいは肉厚を有するとともに、断面形状としては、略HAT型(シルクハット型)形状を有している。この他のルーフボウ11も、幅あるいは肉厚を除いて、通常の基本的な断面形状としては、同じ略HAT型形状を有している。ここで、図10は、略HAT型断面を有するルーフボウ10の全体斜視図、図11は、図10のBB断面である。
本発明のアルミニウム合金製ルーフボウは、強度や剛性が確保できれば、押出や板からの成形が可能なアルミニウム合金製である特性を活かして、その断面形状は自由に選択できる。言い換えると、アルミニウム合金製ルーフボウの断面形状は、要求される強度や剛性に応じて、成形や製造のしやすい形状が適宜選択される。このように、断面形状が自由に選択できる点は、従来の鋼製ルーフボウと同様である。例えば、その断面形状は、略HAT型形状以外に、後述する通り、図6、7のような、アルミニウム合金押出形材からなる断面が中空構造を有していても良い。
図9、図10に示す通り、ルーフボウ10は、略HAT型断面において、ルーフパネル1への平坦な接合面である、各々両側方に張り出した平坦な両フランジ部16、16をルーフパネル1と接合する。このために、両フランジ部16、16の上面(ルーフパネル1とルーフボウ10との間の面)に、ルーフボウ10の長手方向に間隔をあけて、接合用のマスチック接着剤5を複数個配置している。そして、ルーフパネル1とルーフボウ10との間の介在させた、これらマスチック接着剤5が、車体塗料の焼き付け硬化処理により加熱された際に熱硬化して、両フランジ部16、16の上面(ルーフボウ10)を、ルーフパネル1と接合している。また、ルーフボウ10の端部フランジ17、17においても、ルーフパネル1の両側端部2、3(の平坦なフランジ部)とで接合されるのは前記した通りである。これらの接合の態様は、ルーフボウ10だけでなく、他のルーフボウ11でも同様である。
以上説明したように、本発明では、アルミニウム合金製ルーフボウ以外の、前提となる自動車上部車体構成は、これまでの自動車上部車体構造と同じである。したがって、これらルーフパネルの構造自体を大きく変えることなく、アルミニウム合金製ルーフボウ採用によるルーフパネルの熱ひずみ変形を防止できる点が、本発明の利点でもある。したがって、ルーフパネルの取り付け構造としては、一般的あるいは公知の取り付け構造が採用できる。
(本発明ルーフボウ構造)
以上のようなルーフ構造やルーフボウ形状を前提として、本発明に係るルーフボウの接合面とルーフパネル裏面とのクリアランスを確保する手段(ルーフボウ構造)について、以下に説明する。
図1〜7に、本発明に係るアルミニウム合金製ルーフボウの各態様を各々示す。図1〜4は、ルーフボウの幅方向(ルーフパネルの車体前後方向)の断面形状が、略HAT型のルーフボウ10の各態様を各々示す。図5は、図1の略HAT型のルーフボウのみの斜視図である。図6、7は、ルーフボウの幅方向(ルーフパネルの車体前後方向)断面形状が、中空な略矩形型のルーフボウ10の各態様を各々示す。
(ルーフボウの段差)
図1〜4の略HAT型断面のアルミニウム合金製ルーフボウ10は、共通して、基本的な構造(形状)として、略水平な下部側横壁(底壁、底板)14の両端から、上方に向かって各々略垂直に立ち上がる両側壁15、15と、この両側壁15、15の上端から、両側方に略水平方向に各々張り出した両フランジ部16、16を有する。そして、この両フランジ部16、16の上面側をルーフパネル1裏面との平坦な接合面とし、この面に、ルーフボウ10の長手方向に間隔をあけて接合用のマスチック接着剤5を複数個配置し、ルーフパネル1裏面と接合する。なお、これら図1〜4で図示しているのは、熱処理前の組み付けた状態のルーフ構造である。図1〜4で図示している、当初のクリアランスC1は、マスチック接着剤5の高さであり、図1〜4の各段差20、21、22、23の先端部分は未だルーフパネル1裏面と接合していない。
これら図1〜4のルーフボウ10においては、共通して、その平坦な接合面(両フランジ部16、16の上面側)に、ルーフボウ10の長手方向に亙って、段差20、21、22、23を各々設けている。ここで、ルーフボウ10の長手方向に亙ってとは、ルーフボウへの段差の設置方向を示している。即ち、段差の機能を果たせるのであれば、ルーフボウ10の長手方向に亙って、連続的にあるいは一様に、これら段差を設けてもよい。また、後述する図5のように、ルーフボウ10の長手方向に亙って、断続的にあるいは部分的に、これら段差を設けてもよい。ここで、図1〜4のルーフボウ10に、更に、下部側横壁14の両端から、両側方に略水平方向に各々張り出したフランジ部(下方側フランジ)を、上記上方側フランジ部16、16と平行に間隔をおいて設けたような(アラビア数字の2のような)断面形状としても良い。
(図1)
図1のルーフボウ10においては、両フランジ部16、16の先端部分に、上方に向かう凸な段差として、逆L字状の段差20を設けている。そして、この段差20の逆L字を構成する水平な先端部分20aをルーフパネル1裏面と接触させる支持面とし、傾斜部分20bの長さと傾斜角度によって、両フランジ部16、16にとって、上方に向かう凸な段差部分30を形成している。
この段差20は、前記焼き付け硬化処理(熱処理)などによって加熱された際に、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1との熱による変形モードが大きく異なった場合にでも、熱変形後(熱処理後)のクリアランスC2を確保する機能を有する。即ち、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1との熱による変形モードが大きく異なった場合にでも、段差20の水平な先端部分20aがルーフパネル1裏面と接触して、ルーフパネル1裏面に対する支持面(突っ張り面)となる。
前記熱処理を受けた際の熱膨張時に、ルーフボウ段差20の先端部分20aはルーフパネル1と接するので、クリアランスはゼロになる。しかし、ルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とルーフパネル1裏面とは、段差20の先端部分20aの高さ分のクリアランスC2が確保される。このため、前記した図13のように、熱変形後(熱処理後)のクリアランスC2が小さくなることがない。そして、熱処理後(冷却後)は、段差20の先端部20aはほぼ元に戻るので、結果として、ルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とルーフパネル1裏面とのクリアランスは、段差20の先端部分20aの高さ分が確保される。この段差20の先端部20aがほぼ元に戻るのは、前記熱処理を受けた際の熱膨張時に、マスチック5の厚み(クリアランスC1)が確保されているため、マスチックが必要以上に硬くならないことによる。
以上のように、前記熱処理を受けマスチック接着剤5の前記焼き付け硬化処理による硬化が進行しても、熱変形後(熱処理後)のクリアランスC2が、段差20の先端部分20aの高さ分、大きく保たれている。この結果、硬化するマスチック接着剤5が必要以上に硬くならず、マスチック接着剤の見掛けのバネ定数kが小さくなる。
このため、一旦変形した、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1の両方とも、元の形状(熱変形前の初期形状、初期位置)に戻ることができる。言い換えると、柔らかいバネ特性を有するマスチック接着剤の緩衝効果により、ルーフパネル1は、ルーフボウ10に引っ張られずに、元の形状に戻ることができる。したがって、強度や剛性が比較的低いルーフパネル1の意匠面(特に頂部4)に、局部的な凹みや窪みが生じることがなく、ルーフパネル1の意匠性を損なうことが無い。これらの機構は、図2以下の本発明の実施態様でも同様に発揮される。
(図2)
図2のルーフボウ10においては、両フランジ部16、16の内側(根元)部分に、下方に向かう凹な段差21を設けている。即ち、上記図1と同様に、両フランジ部16、16の先端部分に、上方に向かう凸な段差として、逆L字状の段差20を設けているが、これに対応して、両フランジ部16、16の内側(根元)部分に、下方に向かう凹な段差21を設けている。このため、結果として、両フランジ部16、16に、下方に向かう凹な段差部分30を形成している。
そして、この段差21の逆L字を構成する水平な内側(根元)部分21aを、前記先端側段差20の水平な先端部分20aと同様に、ルーフパネル1裏面と接触させる支持面としている。また、前記先端側段差20と同様に、段差21の逆L字を構成する傾斜(壁)部分21bの長さと傾斜角度によって、下方に向かう凹な段差部分30を形成し、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスを確保している。
これら段差20と段差21とは、前記図1の段差20と同様に、焼き付け硬化処理などによって加熱された際に、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1との熱による変形モードが大きく異なった場合にでも、熱変形後も、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスを確保する機能を有する。即ち、アルミニウム合金製ルーフボウ10とルーフパネル1との熱による変形モードが大きく異なった場合にでも、段差20の水平な先端部分20aと段差21の水平な先端部分21aとが、ルーフパネル1裏面に対する支持面(突っ張り面)となる。これによって、熱変形後も、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2を確保する。この場合、このクリアランスC2は、段差20の先端部分20aまたは段差21の傾斜(壁)部分21bの高さまたは深さ、即ち、段差20の先端部分20aまたは段差21の傾斜(壁)部分21bの、両フランジ部16、16上面(接合面)からの高さまたは深さとなる。
(図3)
図3のルーフボウ10においては、前記図2と同様に、両フランジ部16、16に、下方に向かう凹な段差22を設け、下方に向かう凹な段差部分30を形成している。図3では、この段差22を下方に向かう円弧状としているために、ルーフパネル1裏面と接触させる支持面(突っ張り面)は、結果として、両フランジ部16、16の上面(接合面)となる。これによって、熱変形後も、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2を確保する。この場合には、クリアランスC2は、凹な段差22の最大深さ(高さ)、即ち、凹な段差22のフランジ部16、16からの最大深さ(高さ)となる。
(図4)
図4のルーフボウ10においては、両フランジ部16、16の先端部分に、上方に向かう、略垂直な縦壁状段差23を各々設けて、接合面に段差部分30を形成させている。両フランジ部16、16の先端部分を折り曲げても、このような略垂直な縦壁状段差23を形成できる。この場合には、縦壁状段差23が、ルーフパネル1裏面に対する支持面(突っ張り面)となる。これによって、熱変形後も、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2を確保する。この場合には、クリアランスC2は、縦壁状段差23の高さ、即ち、縦壁状段差23の両フランジ部16、16上面からの高さとなる。
(図5)
図5は前記した図1のルーフボウを示しているが、この図5では、両フランジ部16、16に設ける段差20と、接合用のマスチック接着剤5の配置位置を互いにずらして、両者が幅方向の位置で互いに重ならないようにしている。
上記両者が幅方向の位置で互いに重なった場合、丁度、図1に示す、段差20の逆L字を構成する水平な先端部分20aとマスチック接着剤5とが近接することとなる。このような場合、前記焼き付け硬化処理時に、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)との変形により、変形したマスチック接着剤5が、先端部分20aとルーフパネル1裏面との隙間に侵入する可能性が生じる。
そして、このマスチック接着剤5の隙間侵入が生じた場合、先端部20aとルーフパネル1裏面のクリアランスが小さい。そして、マスチック接着剤5の前記焼き付け硬化処理による硬化が進行する結果、この先端部20aとルーフパネル1裏面に侵入し硬化したマスチック接着剤5の、ルーフパネル1に対する引張力(引き寄せ力)が強くなり、ルーフパネル1の特に頂部(中央部)4部分の変形が生じる可能性が高くなる。
これに対して、図5のように、両フランジ部16、16に設ける段差20と、接合用のマスチック接着剤5の配置位置を互いにずらして、両者が幅方向の位置で互いに重ならないようにすれば、前記焼き付け硬化処理時に、マスチック接着剤5が、両フランジ部16、16の先端部分20aとルーフパネル1裏面との隙間に侵入する可能性が無くなる。
(図6、7)
図6、7のアルミニウム合金製ルーフボウの態様は、ルーフボウの幅方向の断面形状が中空な略矩形型である場合を示している。
この内、図6のルーフボウでは、この中空略矩形型における上部側の略水平な横壁18の上面か、あるいは、この上部側横壁18面から別途側方に張り出させた略水平なフランジ部16、16の上面かが、前記ルーフパネル裏面との平坦な接合面となる。これらのいずれか、あるいは両方に、ルーフボウ10の長手方向に間隔をあけて接合用のマスチック接着剤5を複数個配置する。
図6のルーフボウでは、一個の略矩形の中空部19における略水平な下部側横壁(底壁、底板)14の両端から、上方に向かって各々略垂直に立ち上がる両側壁15、15の延長線上を、更に上方に向かって略垂直に延びる縦壁状段差24、24によって、上部側横壁18面とフランジ部16、16の上面とに、段差部分を形成している。
ここで、この縦壁状段差24、24が、図示しないルーフパネル裏面に対する支持面(突っ張り面)となる。これによって、熱変形後も、ルーフパネル裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2を確保する。この場合には、クリアランスC2は、縦壁状段差24、24の両フランジ部16、16上面からの高さ(長さ)となる。
図7のルーフボウでは、2つに分割され間隔をおいて配置された互いの略矩形の中空部19を略水平な下部側横壁(底壁、底板)14が繋ぐ、幅方向の断面形状を有している。このルーフボウでは、互いの略矩形の中空部19における上部側の略水平な横壁18の上面が、ルーフボウ10の長手方向に間隔をあけて接合用のマスチック接着剤5を複数個配置する、ルーフパネル裏面との平坦な接合面となる。
そして、各中空部19における略水平な下部側横壁(底壁、底板)14の各端部から、上方に向かって各々略垂直に立ち上がる両側壁15、15の延長線上を、更に上方に向かって略垂直に延びる縦壁状段差25、25によって、各中空部19における略水平な上部側横壁18面に、段差部分を形成している。
ここで、この縦壁状段差25、25が、図示しないルーフパネル裏面に対する支持面(突っ張り面)となる。これによって、熱変形後も、ルーフパネル裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2を確保する。この場合には、クリアランスC2は、縦壁状段差25、25の両フランジ部16、16上面からの高さとなる。
(クリアランス)
以上説明した、各ルーフボウにおける各段差が確保する、ルーフボウとルーフパネルとの熱変形後(車体塗装焼き付け硬化加熱処理後)のルーフボウ接合面とルーフパネル裏面とのクリアランスC2は、1〜3mmの範囲であることが好ましく、1.5〜2.5mmの範囲であることがより好ましい。この点、前記した通り、本発明においてルーフボウに設ける、前記した各段差の高さ乃至深さ分だけ、ルーフパネル1裏面とルーフボウ10の両フランジ部16、16上面(接合面)とのクリアランスC2が確保される。したがって、このクリアランスC2を上記範囲で確保するために、本発明においてルーフボウに設ける段差の高さ乃至深さは1〜3mmの範囲、より好ましくは1.5〜2.5mmの範囲とする。
クリアランスC2(段差の高さ乃至深さ)が小さすぎると、勿論、接合条件にもよるが、段差の無い従来技術と大差なくなり、前記した通り、マスチック接着剤5の硬化が大きくなり、ルーフパネル1の頂部(中央部)4部分に変形が生じやすくなる。一方、クリアランスC2(段差の高さ乃至深さ)を過剰に大きくする必要は無い。そればかりか、クリアランスC2(段差の高さ乃至深さ)が大きすぎる場合には、ルーフボウとルーフパネルとの接合強度が弱まるか、マスチック接着剤5の量を多くする必要が生じ不経済である。
ここで、ルーフボウに設ける段差の高さ乃至深さは、マスチック接着剤の熱処理前の当初の設計厚さ(塗布厚さ)の最適範囲(当初のクリアランスC1)が、一般的な自動車ルーフ構造の場合に2〜6mmの範囲、好ましくは3〜5mmの範囲であることに対応し、この設計厚さの50%を基準とする。即ち、各ルーフボウに設ける各段差の高さ(深さ)は、クリアランスC2を上記最適範囲にするために、熱硬化前のマスチック接着剤の設計厚さの50%以上とすることが好ましい。このマスチック接着剤5の前記設計厚さは、前記した図1〜4のマスチック接着剤5の高さ、即ち、熱変形前のルーフ構造の組付け時のクリアランスC1となる。
(アルミニウム合金)
本発明でルーフボウに用いるアルミニウム合金や、ルーフパネルに選択的に用いるアルミニウム合金は、通常、製造がしやすく、ルーフボウやルーフパネルへの成形が容易で、強度にも優れたAA乃至JIS3000系、5000系、6000系等のアルミニウム合金が適宜選択して用いられる。特に、6000系アルミニウム合金は、自動車車体の塗装焼き付け処理条件での人工時効硬化性を有する。このため、ルーフパネルとして必要な強度 (耐力) を得るのに合金元素量が少なくて済み、そのスクラップを元の6000系アルミニウム合金の溶解原料としてリサイクルできる利点がある。
(アルミニウム合金材)
前記図1〜4のルーフボウは、素材板(圧延板)からプレス成形して製造してもよく、また、長手方向の断面形状が同じな熱間押出材として製造しても良い。一方、前記図6、7のような断面が中空のルーフボウは、素材板(圧延板)をプレス成形するよりも、熱間押出材として製造した方が作りやすい。
なお、本発明では、ルーフパネルや、複数配列されるルーフボウの内から選択されるルーフボウに用いる材料は、アルミニウム合金でなくとも、従来から使用されている、ハイテンや軟鋼などの鋼板、鋼材でも良い。
ルーフパネルと、この裏面に接合された、前記図8に示したセンターピラー41と接合されるルーフボウであって、段差を設けた図1の略HAT型断面のアルミニウム合金製ルーフボウ10とを、図14〜16に示すようにモデル化し、車体塗装焼き付け硬化処理による熱変形後(熱処理後)を模擬した、ルーフパネル中央断面の変形量をFEM解析により求めた。なお、ルーフボウ10は、段差20を図5のようにマスチック接着剤5の設置位置からずらして設けている。この結果を図17に示す。
比較のために、段差を設けない以外は、発明例と解析条件を同じとした、図10と同じ形状の比較例の解析結果を図17に示す。図17は横軸がルーフパネルの車体幅方向の各位置(右半分)を示し、左端の500mmの位置がルーフパネルの車体幅方向の中心である。また、縦軸がルーフパネルの車体上下方向の変形量であり、変形量0.0mmの位置が熱処理後も変形が無いことを示し、変形量0.0mmより下が下方への変形、変形量0.0mmより上が上方への変形を示している。
モデル化した図14〜16の内、図14は斜視図、図15は上面視図、図16は中央断面図であり、各々ルーフパネルとルーフボウともに、図の左右あるいは上下対称に、表示は半分のみであり、表示寸法も半分である。図14の斜視図では図の左右対称に、図15の上面視図では図の上下対称に、図16の中央断面図では図の左右対称に示し、図14、15の各図において、一点鎖線にて、これらの対称面を示す。
(ルーフパネル条件)
ルーフパネルは図9に示した形状とし、各部とも均一な1.0mmの板厚とした、0.2%耐力が120MPaの、6000系アルミニウム合金板を成形したものとした。ルーフパネルの大きさは、図14のように、車体幅方向の長さを1000mm(表示は半分の500mm)、車体長さ方向の長さを2000mmとした。
(ルーフボウ条件)
ルーフボウ10の形状は、図1の略HAT型断面の、0.2%耐力が120MPaの、6000系アルミニウム合金板製(成形板)とした。板厚は各部とも均一な1.2mmとした。ルーフボウ10の長さ(車体幅方向)は1000mm(図14の表示は半分の500mm)とした。また、水平な下部側横壁14の外側の幅(車体長さ方向)は30mm、両側壁15、15の高さ(車体上下方向)は20mm、両フランジ部16、16の両端部同士の間隔(車体長さ方向)は50mm、フランジ自体の幅(車体長さ方向)は各10mmとした。
そして、段差を設けた発明例は両フランジ部16、16における、段差20の平坦な接合面16からの高さを1.5mmとして、下記マスチック接着剤の熱硬化前に設ける設計高さ(厚さ)3mmの50%とした。この熱硬化前のマスチック接着剤の設計厚さ(高さ)が、接合面16とルーフパネル1裏面との当初のクリアランスC1となる。
(マスチック)
引張特性(50%モジュラス)σ50が0.10MPaの熱硬化型接着樹脂を、接合用のマスチック接着剤5として、図14のXで示す位置に、各々配置した。これは、前記図5のように、略HAT型断面における、ルーフパネル1への平坦な接合面である、各々両側方に張り出した平坦な両フランジ部16、16面上である。そして、この両フランジ部16、16面をルーフパネル1の裏面と接合することとした。
(温度変化条件)
温度変化は、室温20℃と熱処理温度180℃との間の変化を想定して、160℃とした。即ち、ルーフパネルの熱歪み条件としては、20℃から180℃にルーフパネルが加熱され、再び20℃に冷却されることを模擬している。
(解析条件)
これらのFEM解析には、汎用解析ソフト:有限要素ソルバーABAQUS6.3を用いた。この際、マスチックのモデル化は、マスチックをバネ要素(等価なバネ定数k)でモデルした。即ち、熱処理時の熱膨張時に、そのときのルーフパネル裏面とルーフボウ接合面とのクリアランスδ(mm)に応じた、バネ定数kを以下の式で定義した。バネ定数k(N/mm)=F/x=(σ50:マスチック引張特性×A:マスチック断面積mm2 )/0.5δ=(π/2)×(σ50/δ)×d2 (d:マスチック直径mm)。なお、ここで、マスチック直径dは20mmとした。
これによると、バネ定数kとクリアランスTの関係は以下の通りとなる。即ち、クリアランス0.5mmでバネ定数kは126N/mm、クリアランス1mmでバネ定数kは63N/mm、クリアランス2mmでバネ定数kは31N/mm、クリアランス5mmでバネ定数kは13N/mm、クリアランス10mmでバネ定数kは6N/mmとなる。これから分かる通り、前記した通りに、クリアランスが小さくなるにつれて、硬化したマスチックのバネ定数kは劇的に大きくなり、クリアランスが大きくなるにつれてバネ定数kは劇的に小さくなる。したがって、この結果からも、本発明で課題とするルーフ側の変形が、熱変形によるルーフボウとのクリアランスの減少によるものであることが裏付けられる。
また、これらの解析結果を示す図15から分かる通り、段差を設けてクリアランスを確保した発明例は、ルーフパネルの変形量が小さく、変形抑制効果が大きい。これに対して、このような段差を設けない以外は、発明例と解析条件を同じとした比較例は、ルーフパネルの変形量が著しく大きい。この発明例では、熱変形後の接合面16とルーフパネル1裏面とのクリアランスC2は、段差20の平坦な接合面16からの高さ1.5mm分だけ確保されている。これに対して、比較例では、段差が無いために、前記クリアランスC2は、熱硬化後のマスチック接着剤のわずかな高さ(厚さ)のみである。
本発明によれば、ルーフボウをアルミニウム合金製とした場合に、ルーフパネルとルーフボウとの互いの形状の違いによる、熱膨張の変形モードの違いから生じる、ルーフパネル側の変形を抑制した、自動車ルーフ構造およびルーフボウを提供することができる。このため、ルーフボウのアルミニウム合金化による、自動車上部車体構造の軽量化を促進でき、自動車の種類に依らず、共通して、走行安定性や操縦性を増すことができ、また、アルミニウム合金材の用途も一層拡大する。
図1〜4は、ルーフボウの幅方向(ルーフパネルの車体前後方向)の断面形状が、略HAT型のルーフボウ10の各態様を各々示す。図5は、図1の略HAT型のルーフボウのみの斜視図である。図6、7は、ルーフボウの幅方向(ルーフパネルの車体前後方向)断面形状が、中空な略矩形型のルーフボウ10の各態様を各々示す。
本発明自動車ルーフ構造の一態様を示す断面図である。 本発明自動車ルーフ構造の他の態様を示す断面図である。 本発明自動車ルーフ構造の他の態様を示す断面図である。 本発明自動車ルーフ構造の他の態様を示す断面図である。 図1の斜視図である。 本発明自動車ルーフ構造の他の態様を示す断面図である。 本発明自動車ルーフ構造の他の態様を示す断面図である。 自動車の車体構造例を示す斜視図である。 図8のAA断面図である。 従来の略HAT型断面を有するルーフボウ10の全体斜視図である。 図10のBB断面図である。 従来のルーフパネルとルーフボウとを示す、図8の熱変形前の車体のAA断面図である。 従来のルーフパネルとルーフボウとを示す、図8の熱変形後の車体のAA断面図である。 本発明自動車ルーフ構造の解析モデル化例を示す斜視図である。 本発明自動車ルーフ構造の解析モデル化例を示す平面図である。 本発明自動車ルーフ構造の解析モデル化例を示す断面図である。 図14〜16の解析モデルの変形量解析結果を示す説明図である。
符号の説明
1:ルーフパネル、2、3:ルーフパネルフランジ部、4:ルーフパネル中央部、5:マスチック接着剤、10、11:ルーフボウ、14:ルーフボウ下部側横壁、15:ルーフボウ側壁、16:ルーフボウフランジ部、17:ルーフボウ取り付け部分、18:ルーフボウ横壁、20、21、22、23、24、25:ルーフボウ段差、30:ルーフボウ段差部分、

Claims (5)

  1. ルーフボウによってルーフパネルを支持する自動車ルーフ構造であって、車体の前後方向に間隔をあけて配置された複数のルーフボウの内、いずれかまたは全部のルーフボウをアルミニウム合金製として、このアルミニウム合金製ルーフボウのルーフパネル裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って段差を設けて、この段差によって前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面とのクリアランスを確保しつつ、マスチック接着剤によって前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面とを接合したことを特徴とする自動車ルーフ構造。
  2. 前記段差によって確保される、前記ルーフボウ接合面とルーフパネル裏面との接合後のクリアランスを1〜3mmの範囲とした請求項1に記載の自動車ルーフ構造。
  3. 前記アルミニウム合金製ルーフボウの幅方向断面形状が略HAT型であって、この略HAT型断面形状において側方に張り出した両フランジ部の上面が、前記ルーフパネル裏面との接合面であって、この接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って、前記段差を設けた請求項1または2に記載の自動車ルーフ構造。
  4. 前記アルミニウム合金製ルーフボウの幅方向断面形状が中空な略矩形型であって、この中空略矩形型における上部側横壁の上面か、あるいは、この横壁から別途側方に張り出させたフランジ部の上面かが、前記ルーフパネル裏面との接合面であって、この接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って、前記段差を設けた請求項1または2に記載の自動車ルーフ構造。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの自動車ルーフ構造に用いるアルミニウム合金製ルーフボウであって、このルーフボウのルーフパネル裏面との接合面に、ルーフボウの長手方向に亙って段差を設け、この段差の前記接合面からの高さを、熱硬化前のマスチック接着剤の設計厚さの50%以上としたことを特徴とするルーフボウ。
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