JP2008188974A - 画像形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
カラー複写機等のデジタル機器の著しい発展により、画像形成体の複写による偽造が多発しているため、低コストで偽造を防止する画像形成体を提供する。
【解決手段】
基材上に、少なくとも二種類の色材を用い、二種類の色材により少なくとも二種類の画像が形成された画像形成体において、二種類の色材及び画像のうち、第一の色材により第一の画像が形成され、第二の色材により第二の画像が形成され、第一の画像及び第二の画像は少なくとも一部が重ならないように配置され、第一の画像及び第二の画像は、400〜600nmの波長領域では分光透過率の差が10%以内であり、第一の画像は、620〜680nmの波長領域では分光透過率が第二の画像よりも20%以上高い領域を含んで成り、第二の画像は、820〜880nmの波長領域では分光透過率が第一の画像よりも20%以上高い領域を含んでいることを特徴とする画像形成体である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有価証券、証明書、入場券又は各種チケット等の貴重印刷物において、カラー複写機等による偽造を困難にするとともに、特殊鑑定装置等を用いなければ確認することができない画像を兼ね備えた画像形成体に関するものである。
近年のスキャナ、プリンタ、カラー複写機等のデジタル機器の発展により、貴重印刷物の精巧な複製物を容易に作製することが可能となっている。その対策の一つとして、従来からメタメリズムを応用したメタメリックペアインキを用いる方法が多く試みられている。メタメリックペアインキを用いた貴重印刷物の目視による判別方法は、照明する光源の種類や特定波長を透過するフィルタの介在により、インキが同色と判断される、又は異なった色相として判断される特性を利用したものである。
前述のメタメリックペアインキとは、標準光源下では等色として認識されるが、可視光領域の中で比較的視感度の低い特定波長では異なる分光透過率を有した二種類のインキである。このインキを用いて形成する、偽造防止技術及び画像形成体は、特定光源下及び特定波長透過フィルタを介在させた時に、パターンが認識できるようにメタメリックな性質を有している(例えば、特許文献1参照)。
特開昭54−159004号 公報
しかしながら、前述の画像形成体では、メタメリックペアインキを用いた印刷物を光源の違い又は特定波長透過フィルタを介在させて確認することにより、色が異なるように認識できるようにしたもので、複製物の作製に対する効果はあったが、与えられる画像としては乏しいものであった。
また、更なる画像を付与する方法として、赤外線領域で吸収特性を有する材料を併用する方法等が考えられるが、赤外線領域において吸収特性を有する一般印刷用のカーボンブラックを使用して、一方の色材の透過率を特定波長領域から赤外線領域にかけて、もう一方の色材より低くなるように設定することも可能であるが、二箇所の領域で同じ画像を付与することしかできない。
近年、可視光下では、ほとんど色を持たず、赤外線領域で吸収特性を有する材料が市販されており、この材料を用いることにより、特定波長領域と赤外線領域に異なる二種類の画像を付与することも可能であるが、前述の赤外線吸収材料は非常に高価であり、幅広い製品への採用は、コストパフォーマンスの観点から困難であると考えられていた。そのため、安価な材料のみを用いて前述の二種類の画像を付与する方法が求められていた。
本発明は前述の点にかんがみなされたもので、一般的な着色材料を用いて、二種類以上の色材を使用し、特定波長領域でメタメリズムを持たせた二種類以上の色材に、前述の特定波長領域とは異なる赤外線領域でもメタメリズムを持たせ、前述の特定波長領域の画像と、赤外線領域の画像の二種類を組み合わせることが課題である。
また、一般的な材料のみを用いて形成する、前述の特定波長領域とは異なる赤外線領域でもメタメリズムを持たせた画像形成体を発明することで、他の偽造防止技術である磁気特性及び/又は発光特性と併用し、より高度な偽造防止技術を付与することについても課題であった。
本発明のかかる課題を解決するための手段として、基材上に、少なくとも二種類の色材を用い、二種類の色材により少なくとも二種類の画像が形成された画像形成体において、二種類の色材及び画像のうち、第一の色材により第一の画像が形成され、第二の色材により第二の画像が形成され、第一の画像及び第二の画像は少なくとも一部が重ならないように配置され、第一の画像及び第二の画像は、400〜600nmの波長領域では分光透過率の差が10%以内であり、第一の画像は、620〜680nmの波長領域では分光透過率が第二の画像よりも20%以上高い領域を含んで成り、第二の画像は、820〜880nmの波長領域では分光透過率が第一の画像よりも20%以上高い領域を含んでいる画像形成体であることを特徴としている。
また、前述の少なくとも二種類以上の色材のうち、第一の色材は、赤外線領域で吸収特性を有する材料を含み、第二の色材は、赤外線領域で吸収特性を有する材料を含まない画像形成体であることを特徴としている。
また、第一の色材及び/又は第二の色材がインキである画像形成体であることを特徴としている。
また、前述の少なくとも二種類以上の色材の一部又は全部には、発光材料及び/又は磁性材料を含む画像形成体であることを特徴としている。
本発明の画像形成体は、高級材料を用いなくても二箇所の領域における分光透過率を逆転させることができることから、スキャナ、プリンタ及びカラーコピー等のデジタル機器を用いた複写は極めて困難であり、かつ、どちらか一方の波長領域に関する偽造ができたとしても、二箇所の波長領域を同様に設計することは不可能である、高度な偽造防止技術を付与できるという効果を奏する。
また、一般的な材料のみで構成される安価な画像形成体であることから、その他の機能性材料との組合せ等が容易に行え、複数の画像及び偽造防止技術を備えた画像形成体を作製できるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態について説明する。本発明の画像形成体は、基材に少なくとも二種類以上の色材を使用するが、第一の色材は波長領域が620〜680nmの時、第二の色材よりも透過率が20%以上高く、波長領域が820〜880nmの時、第一の色材の透過率が第二の色材より20%以上低い色材を用いた画像形成体に関するものである。
以下、本発明について図面を用いて説明するが、色材については、本発明に最も適しているインキを使用した。図1は第一のインキと第二のインキの配合表を示す図であり、図2は第一のインキと第二のインキの分光スペクトルを示す一例を、図3は標準光源下における画像形成体の一例を、図4は650nm以下をカットするフィルタを用いた画像を、図5は赤外線領域(850nm)の画像についてそれぞれ示す。
インキの作製について図1を基に説明する。第一のインキには、600nm付近で透過するクロラニールと3−アミノ−9−カルバゾールとの縮合体などのジオキサジン系、キナクリドン系及び塩化コバルト化合物の何れかを材料として用い、赤外線領域で吸収特性を有するカーボンブラックを0.8重量%添加し、620〜680nm以降の赤外線領域の透過率を50%前後に設定する。
また、第二のインキとして、600〜750nmで光を吸収し、赤外線領域では透過する銅フタロシアニン系の材料を3重量%添加し、620〜680nmの透過率を10%前後に設定した。また、第二のインキに使用する材料は、赤外線領域で吸収特性を含まない材料のみを使用して作製する。
前述の第一のインキ及び第二のインキを用いた画像形成体(1)について、図3を用いて説明する。第二のインキを用いて、基材上に星型の画像(A)を構成する第一の画像を配置し、第一のインキを用いて、前述の星型の画像を囲む背景画像(B)を構成する第二の画像を配置した画像形成体を作製した。
なお、ここでは第一の画像と第二の画像はまったく重ならないように配置しているが、本発明を実施するには、第一の画像と第二の画像の少なくとも一部位が重ならない領域を持って配置してあれば重なる領域があっても良い。また、図3の印刷物に用いた第一のインキ及び第二のインキは、400〜600nmの波長領域のときに、分光透過率の差が10%以下であり、肉眼では等色として認識される褐色インキとしている。
前述の第一の画像及び第二の画像の分光透過率及び各波長領域における画像の視認性について、図2〜図5を用いて説明する。まず、図2において、波長領域が620〜680nmの人間の視認度が低い領域では、第一の画像の透過率が50%付近(12)であり、第二の画像の透過率が10%(13)であることで、二つの画像における透過率の差異により、第一の画像は淡く、第二の画像は濃く認識されることから、図4のように第二の画像である星型(A)の部分のみが画像として認識される。
また、特殊鑑定装置等を用いなければ確認することができない波長領域が820〜880nmでは、第一の画像における透過率が50%付近(15)であり、第二の画像における透過率が90%以上(14)あることで、二つの画像における透過率の差異により、第一の画像は濃く、第二の画像は淡く認識されることから、図5のように第一の画像である星型の背景画像(B)に配置された部分のみが認識され、星型の画像が白抜けとなって確認される。
また、前述の画像形成体(1)における機械読み取り方法の一例としては、図2の波長領域が650nm(10)の時の、第一の画像と第二の画像における分光透過率の差により読み取る方法、波長領域が850nm(11) の時の、第一の画像と第二の画像における分光透過率の差により読み取る方法及び前述の二箇所の領域(10)(11)の時の、第一の画像と第二の画像における分光透過率の差を組み合わせて読み取る方法等が考えられるが、読み取りが可能であれば、これらに限定されるものではない。
なお、第一の画像と第二の画像における分光透過率の差については、620〜680nm及び820〜880nmの各波長領域においての機械読み取り適性を考慮すると、20%以上の差があれば読み取りが可能であるが、画像の視認性を考慮すると好ましくは40%程度である。
また、基材と色相の異なる色材を使用する方法、基材と等色の色材を使用する方法及び前述の画像形成体の上から、分光透過率が600nm付近から赤外線領域にかけて90%以上透過するインキであれば、前述の画像形成体の上に重ね刷りしても、同様の効果を得る。
また、本発明の画像形成体に用いる色材は、前述のインキに限らず、熱転写製素材を用いる方法、材料を基材に含ませる方法及び粉黛材料として用いる方法等が考えられるが、本発明の分光透過率を再現できる色材であれば、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明するが、本発明の実施の形態は、下記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術の範囲内であれば、発明の実施の形態に適宜、変化を加えることができる。
(実施例1)
本発明の実施例として、二種類の色材を用いた画像形成体を、オフセット印刷により作製した。前述の二種類の色材については、等色の褐色インキとし、これを用いた画像形成体(1)について、図2〜図5に基づいて説明する。図2の分光透過率はこの印刷物(1)に使用した二種類のインキの分光スペクトルであり、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計「U−4100」を使用して、分光透過率の測定を行った。
なお、前述の分光光度計により分光透過率測定を行っているが、分光反射率測定を行っても同様の分光スペクトルを得るものであり、本願に記載されている透過率のすべては、反射率に置き換えることもできる。
前述の二種類のインキについては、第一のインキに600nm付近で分光透過率が透過に転じる青又は紫色系の材料を使用し、その他の材料は、赤色顔料、黄色顔料及び赤外線領域で吸収特性を有する材料を用いて作製した。
また、第二のインキは、750nm付近で分光透過率が透過に転じる銅フタロシアニン系顔料を使用し、その他の材料としては、赤色顔料、黄色顔料及び青色顔料を用いて作製した。このインキに含まれる材料のすべては、赤外線領域で吸収特性を含まない材料である。
図3の印刷物(1)は、前述の二種類のインキを使用した画像形成体(1)である。この印刷物(1)の波長領域650nm(10)における透過率の差により出現する星型の画像(A)には第二のインキを使用し、波長領域850nm(11) における透過率の差により出現する星型以外の画像(B)には第一のインキを使用した。
図2に示すように、前述の二種類のインキは肉眼では等色の褐色として認識されるが、650nm(10)の波長領域の時に第一のインキの透過率が50%程度(12)、第二のインキの透過率は10%程度(13)で、二種類のインキにおける透過率の差は40%程度である。また、850nm(11)の波長領域の時に、第一のインキの透過率が50%程度(15)、第二のインキの透過率が90%以上(14)で、二種類のインキにおける透過率の差は40%程度である。
この印刷物(1)を目視で見ると具体的な画像は確認できず、1色の正方形として認識されるが、650nm以下の光源をカットする株式会社富士フィルム社製のシャープカットフィルタを介在すると、星型の画像(A)が確認される。また、850nm以下の光源をカットする株式会社富士フィルム社製のシャープカットフィルタを介在すると、星型の画像を囲む背景部分のみが視認されることから、白抜けで星型の画像(A)が確認できる。
前述の二つのインキは、標準光源下では等色であることが好ましいが、二種類以上のインキを用いて、標準光源下で異なる色相のインキを使用しても前述の分光透過率を再現することで、同様の効果を得る。
また、前述の少なくとも二種類以上のインキを基材に印刷するが、印刷方式は、凹版、凸版、平版、グラビア、スクリーン、フレキソ等、特に印刷方式に限定されるものでなく、異なる波長領域の透過率の差を再現できれば、さまざまな印刷方式に対応可能であるとともに、前述の波長領域650nm(10)における透過率の差及び波長領域850nm(11)における透過率の差を用いて、機械読み取りを行うこと等も可能である。
また、第一及び第二のインキの色相は褐色としたが、各インキの分光透過率を前述の範囲に設定できればこれに限定されるものではなく、橙色、紅色、紫色等の色相でも同様の効果を得る(図示せず)。
(実施例2)
図8の画像形成体(4)は、三種類の等色のインキを用いてオフセット印刷により作製した。この印刷物(4)は、第一のインキでコピー(C)という画像を形成し、第二のインキで複写(E)という画像を形成した。また、第三のインキで、第一のインキ及び第二のインキにより形成されている画像以外の部分を印刷し、標準光源下では1色のベタ背景として確認される印刷物(4)である。
この三種類のインキの配合割合について図6に示す。第一及び第二のインキは、実施例1の第一及び第二のインキと若干異なる配合割合としたが、620〜680nm及び820〜880nmの各領域における透過率の差を30%程度になるように設定した。また、第三のインキは、第一のインキと同様に600nm付近で透過するクロラニールと3−アミノ−9−カルバゾールとの縮合体などのジオキサジン系、キナクリドン系及び塩化コバルト化合物のいずれかを材料として用い、残りの顔料は、赤外線領域で吸収特性を含まない材料で構成した。
前述の三種類のインキにおける分光透過率について図7を用いて説明する。第一及び第二のインキは実施例1の分光透過率と同様であり、第三のインキの分光透過率を、波長領域が650nm(10)の時の透過率を60%程度(12)、波長領域が850nm(11)の時に透過率が90%程度(14)と成るように設計した。
前述の三種類のインキにおける分光透過率が、400〜600nmの波長領域の時に10%以下の範囲に収まっていることから、この印刷物(4)を目視で確認すると、図8のように1色のベタ背景として認識されるが、波長領域が650nm(10)の時、第一のインキと第三のインキの透過率が60%程度(12)で等しく、第二のインキの透過率が30%程度(13)であることから、第一及び第三のインキと第二のインキの濃度差から、図9のように第二のインキを用いた部分がコピーという画像(C)として確認される。
また、波長領域が850nm(11)の時、第二のインキと第三のインキの透過率が90%程度(14)で等しく、第一のインキの透過率が60%程度(15)であることから、第二及び第三のインキと第一のインキの濃度差から、図10のように第一のインキを使用した部分が複写という画像(E)として確認される。
このことから、前述の印刷物(4)は、標準光源下での1色のベタ模様(D)、波長領域650nm(10)の時の第一及び第三のインキと第二のインキの濃度差から成るコピー(C)という画像及び波長領域が850nm(11) の時の第二及び第三のインキと第一のインキの濃度差から成る複写(E)という異なる三種類の画像を確認できる。
前述の実施例1及び実施例2の画像形成体(1)(4)は、地紋及び背景模様等として付与できることから、通常の印刷物と同様に、タイトル、両額及び個人情報等を重ね刷りすることが可能である。ただし、画像形成体の表面を完全に隠ぺいするものは含まない。
また、前述の重ね刷りをするインキについては、波長領域が600nm付近からの分光透過率が、実施例1及び2における第一のインキの透過率よりも高いインキであれば、画像を完全に隠ぺいしても、印刷方式にかかわらず、印刷基材として重ね刷りを行うことが可能である(図示せず)。
また、前述の第一、第二及び/又は第三のインキに蛍光、りん光、畜光、赤外発光材料等の発光材料を併用することも可能であり、例えば、シアン、マゼンタ及びイエローに発光する材料を第一、第二及び第三のインキに併用することで、フルカラー蛍光画像を備えた印刷物の作製等も可能である(図示せず)。
(実施例3)
図13の印刷物(7)は、実施例2の三種類の等色のインキによりベタ模様が施された図8の印刷物(4)を基材とし、赤外線領域で吸収特性を持たない磁性材料を含む第四のインキを重ね刷り(F)した印刷物(7)であり、目視では、褐色のベタ背景の上に第四のインキが画像を形成する印刷物(7)として確認される。
前述の第四のインキは、凹版インキとし、図11に示す配合割合で作製した。なお、第四のインキに含む磁性材料及び顔料は、赤外線領域で吸収特性を含まない材料を使用した。分光透過率については、図12を用いて説明する。この第四のインキの色相を橙色とし、波長領域が600nm付近から分光透過率が透過に転じ、波長領域が650nm(10)の時及び波長領域が850nm(11)の時には、透過率が90%以上となるインキである。
この第四のインキは、第一、第二及び第三のインキが画像を形成する二箇所の領域(10)(11)での透過率が90%以上であることから、メタメリズムを持たせた第一、第二及び第三のインキを完全に隠ぺいしても、二箇所の領域(10)(11)における画像の顕出を阻害することなく、第一、第二及び第三のインキを印刷した背景画像まで光を透過するため、画像顕出の効果にはほとんど影響しない。
この印刷物(7)を標準光源下で見ると褐色の地紋印刷上に、橙色の凹版印刷(F)が施された印刷物(7)と認識されるが、波長領域650nm(10)及び波長領域850nm(11)で、凹版インキの分光透過率は90%以上と透過しているため、波長領域650nm(10)では図14に示すようにコピーという画像(C)のみが確認され、波長領域850nm(11)では図15に示すように複写という画像(E)のみが確認される。
また、前述の印刷物(7)における第四のインキには、磁性材料が使用されていることから、印刷物(7)の機械読み取り方法として、磁気特性による読み取り方法、波長領域が650nm(10)での、第一のインキと第二のインキにおける分光透過率の差により読み取る方法及び波長領域が850nm(11) での、第一のインキと第二のインキにおける分光透過率の差により読み取る方法等が可能であり、複数の機械読み取り情報を備えている。
また、第四のインキは、橙色の凹版インキとしたが、透過率を波長領域600nm付近から赤外領域にかけて90%以上に設定できる色相及び版式であれば、これに限定されるものではなく、色相については褐色、赤色、紅色等、版式についてもオフセット、スクリーン、フレキソ等でも同様の効果を得ることができる(図示せず)。
(実施例4)
図16は、実施例1に用いた第一及び第二のインキを用いて網点により階調画像を形成する印刷物の網点領域を拡大した図である。この印刷物は、第一のインキを用いた網点領域と、第二のインキを用いた網点領域が任意に配置されており、網点の大小及び二種類の網点を重ねることによって、階調画像を形成するものである(図示せず)。
この印刷物には、第一のインキを用いた網点領域及び第二のインキを用いた網点領域の一部が重ならないように配置されているため、620〜680nm及び820〜880nmの各波長領域において、第一のインキのみを用いた網点領域(16)及び第二のインキのみを用いた網点領域(17)で機械読み取りを行うこともできる。
なお、二種類の画像の少なくとも一部が重ならないように配置されることは、図16に示す印刷物上に第一の画像領域(16)と第二の画像領域(17)の少なくとも一部が重ならないように配置されていることであり、前述の二種類の画像が重なっている部分(18)の独立した網点が重ならずに混ざり合って配置された領域(20)及び独立した網点の一部が重なって配置されている領域は(21) 本発明における、二種類の画像の少なくとも一部が重ならないように配置されていることには含まない。
また、前述の印刷物は、等色のインキを用いているため、網点の濃度及び二種類の網点を重ねることにより濃淡として認識されることによる階調画像であるが、第一のインキを用いた網点領域と第二のインキを用いた網点領域の一部に重ならない領域があれば、プロセスインキを併用したフルカラー印刷も対応可能である(図示せず)。
実施例4では、網点を用いて印刷物を作製したが、二種類の画像の少なくとも一部が重ならないように配置された印刷物が作製できれば、これに限定されるものではない。
本発明の色材の配合割合を示す図 本発明に少なくとも必要な二種類の色材の分光スペクトルを示す図 本発明の画像形成体の一例及び実施例1を示す図 図2の画像形成体を波長領域650nmで確認した場合の図 図2の画像形成体を波長領域850nmで確認した場合の図 実施例2に用いるインキの配合割合を示す図 実施例2に用いた色材の分光スペクトルを示す図 実施例2の画像形成体を示す図 図8の画像形成体を波長領域650nmで確認した場合の図 図8の画像形成体を波長領域850nmで確認した場合の図 実施例3に用いるインキの配合割合を示す図 実施例3に用いた色材の分光スペクトルを示す図 実施例3の画像形成体を示す図 図13の画像形成体を波長領域650nmで確認した場合の図 図13の画像形成体を波長領域850nmで確認した場合の図 実施例4の網点領域を示す図 図16の二種類の画像が重なっている部分の拡大図の一例を示す図
符号の説明
1 実施例1の画像形成体
2 実施例1の650nmの画像
3 実施例1の850nmの画像
4 実施例2の画像形成体
5 実施例2の650nmの画像
6 実施例2の850nmの画像
7 実施例3の画像形成体
8 実施例3の650nmの画像
9 実施例3の850nmの画像
10波長領域650nmを示す部分
11波長領域850nmを示す部分
12波長領域650nmを示す部分の透過率が50%付近
13波長領域650nmを示す部分の透過率が10%付近
14波長領域850nmを示す部分の透過率が90%付近
15波長領域850nmを示す部分の透過率が50%付近
16第一のインキを用いた網点領域
17第二のインキを用いた網点領域
18第一のインキ及び第二のインキを用いた網点領域が重なって配置された網点領域
19実施例4の網点領域を示す図
20独立した網点が重なり合っていることを示す図
21独立した網点が重ならずに混ざり合っていることを示す図
A 実施例1の第二のインキによる画像
B 実施例1の第一のインキによる画像
C 実施例2及び3の第二のインキによる画像
D 実施例2及び3の第一のインキによる画像
E 実施例2及び3の第三のインキによる画像
F 実施例3の第四のインキによる画像

Claims (4)

  1. 基材上に、少なくとも二種類の色材を用い、前記二種類の色材により少なくとも二種類の画像が形成された画像形成体において、
    前記二種類の色材及び画像のうち、第一の色材により第一の画像が形成され、第二の色材により第二の画像が形成され、前記第一の画像及び前記第二の画像は少なくとも一部が重ならないように配置され、前記第一の画像及び前記第二の画像は、400〜600nmの波長領域では分光透過率の差が10%以内であり、前記第一の画像は、620〜680nmの波長領域では分光透過率が前記第二の画像よりも20%以上高い領域を含んで成り、前記第二の画像は、820〜880nmの波長領域では分光透過率が前記第一の画像よりも20%以上高い領域を含んでいることを特徴とする画像形成体。
  2. 前記少なくとも二種類以上の色材のうち、前記第一の色材は、赤外線領域で吸収特性を有する材料を含み、前記第二の色材は、赤外線領域で吸収特性を有する材料を含まないことを特徴とする請求項1記載の画像形成体。
  3. 前記第一の色材及び/又は第二の色材がインキであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成体。
  4. 前記少なくとも二種類以上の色材の一部又は全部には、発光材料及び/又は磁性材料を含むことを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成体。


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