JP2008188926A - 感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】発色性に優れ、且つ熱及び湿熱に対する地肌かぶりが少なく、更に発色画像の保存安定性、特に耐湿熱性と耐可塑剤性とに優れた感熱記録材料を提供すること。
【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする感熱記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は感熱記録材料に関する。更に詳しくは、発色性に優れ、発色記録した後の乾熱及び湿熱に対する、地肌かぶり及び発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料に関するものである。
感熱記録材料は、一般にロイコ染料とフェノール性物質等の顕色剤をそれぞれ別個に微粒子状に分散化後、両者を混合し、これに結合剤、増感剤、充填剤、滑剤等の添加剤を添加して塗液とし、紙、フィルム、合成紙等に塗布したもので、加熱によりロイコ染料と顕色剤の一方又は両者が溶融、接触して起こる化学反応により発色記録を得るものである。このような感熱記録材料の発色のためには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられる。この感熱記録法は他の記録法に比較して、(1)記録時に騒音がでない、(2)現像、定着等の必要がない、(3)メンテナンスフリーである、(4)機械が比較的安価である等の特徴により、ファクシミリ分野、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分野、医療計測用のレコーダー分野、自動券売機分野、感熱記録型ラベル分野等に広く用いられている。
近年、小売店やスーパーマーケット等のPOSシステム化、交通機関の自動化システムに伴いラベル類や乗車券、回数券等への使用が増加している。これらの用途において、水、ラップ類、プラスチックシート類、油、脂肪等に触れて生じる記録画像(印字、画像、パターン)の耐水性、耐可塑剤性、耐油性等の保存性が必須条件である。その中でもラップ類については最近では種々のラップフィルムが使用されており、それらへの耐可塑剤性の向上が強く望まれている。同時に、高速記録に対する要求も一段と高くなり高速記録に十分対応しうる感熱記録材料の開発が強く望まれているが、一般に感熱記録材料の感度を高めて熱応答性を良くすると、製造時、使用時あるいは保管時における地肌かぶりが起こるという欠点があらわれやすくなる。このように感熱記録材料の未記録部(未使用部)についても安定性の向上が望まれている。
このような高温、高湿度の環境条件において地肌かぶりが少なく、各種記録画像の保存性等の良好な感熱記録材料への試みが種々行われている。例えば文献1〜3等に2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを顕色性化合物に使用すると、白紙の耐熱性あるいは地肌かぶり、各種画像保存性等の向上効果を有することが開示されているが、高品位あるいは長期間使用に要求される品質を満たすという点では未だ不十分である。
このような高温、高湿度の環境条件において地肌かぶりが少なく、各種記録画像の保存性等の良好な感熱記録材料への試みが種々行われている。例えば文献1〜3等に2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを顕色性化合物に使用すると、白紙の耐熱性あるいは地肌かぶり、各種画像保存性等の向上効果を有することが開示されているが、高品位あるいは長期間使用に要求される品質を満たすという点では未だ不十分である。
本発明の目的は前記、従来技術の欠点を解決することにある。即ち、発色性に優れ、且つ発色記録した後の乾熱及び湿熱に対する地肌かぶりが少なく、発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく種々の検討を重ねた結果、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、
(1)
支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする感熱記録材料、
(2)
発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物として、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと、下記式(1)、
(1)
支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする感熱記録材料、
(2)
発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物として、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと、下記式(1)、
(式(1)中R1は炭素原子数4以下のアルキル基又はシクロヘキシル基を、R2は炭素原子数4以下のアルキル基を表す。)、
下記式(2)、
下記式(2)、
下記式(3)、
または下記式(4)、
で示される化合物のいずれかとを併用することを特徴とする上記(1)に記載の感熱記録材料、
に関する。
に関する。
発色性に優れ、且つ発色記録した後の乾熱及び湿熱に対する地肌かぶりが少なく、発色画像の保存安定性に優れた感熱記録材料が得られた。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物と該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする。
本発明において用いられる上記のマレイン酸変性プロピレン共重合体とは、例えば下記式(5)で表される。
(式(5)中、lは200〜1200の数字を、mは10〜400の数字を、nは1〜50の数字を表す。又、x及びyは水素原子、Li、Na、K、NH4又はアルカノールアミンを表す。)
式(5)で表されるマレイン酸変性プロピレン共重合体はモノマー主成分がプロピレンとマレイン酸とからなり、分子量は5,000〜100万、好ましくは3万〜10万の化合物である。
マレイン酸変性ポリプロピレンは、例えば分散剤、ホットメルト接着剤及び塗料添加剤など、様々な用途に使用できることが知られているが、感熱記録材料として使用できることはこれまで知られていなかった。上記式(5)の化合物としてはUMG ABS(株)製、TP−007M、TP−001Mなどが挙げられ、これらの化合物は好ましく使用することができる。
上記式(5)の化合物は感熱発色層中に含有させて使用する。
式(5)で表されるマレイン酸変性プロピレン共重合体はモノマー主成分がプロピレンとマレイン酸とからなり、分子量は5,000〜100万、好ましくは3万〜10万の化合物である。
マレイン酸変性ポリプロピレンは、例えば分散剤、ホットメルト接着剤及び塗料添加剤など、様々な用途に使用できることが知られているが、感熱記録材料として使用できることはこれまで知られていなかった。上記式(5)の化合物としてはUMG ABS(株)製、TP−007M、TP−001Mなどが挙げられ、これらの化合物は好ましく使用することができる。
上記式(5)の化合物は感熱発色層中に含有させて使用する。
顕色性化合物(顕色剤)としては下記するいずれの化合物も使用することができるが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと上記式(1)〜(4)で示される顕色剤のいずれかとを併用することがより好ましい。上記式(5)の化合物とこれらの顕色剤とを併用することにより、本発明の効果、すなわち記録画像の各種の保存性、特に耐湿熱性及び耐可塑剤性に優れた感熱記録材料を得ることができる。
上記式(1)で示される化合物の具体例としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(式(1)においてR1がt−ブチル、R2がメチルの化合物)、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(式(1)においてR1がt−ブチル、R2がエチルの化合物)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン(式(1)においてR1がシクロヘキシル、R2がメチルの化合物)等が挙げられる。これらは例えば、アデカ製、商品名:アデカスタブ AO−30または吉富製薬製、商品名:ヨシノックス 930(式(1)においてR1がt−ブチル、R2がメチルの化合物)、あるいはアデカアークルズ DH−43(式(1)においてR1がシクロヘキシル、R2がメチルの化合物)等として市場から入手することが可能である。
アデカスタブ AO−30およびアデカアークルズ DH−43は感熱記録紙などの用途に保存安定剤として、またヨシノックス 930は一般に酸化防止剤として使用できることがそれぞれ知られている。
アデカスタブ AO−30およびアデカアークルズ DH−43は感熱記録紙などの用途に保存安定剤として、またヨシノックス 930は一般に酸化防止剤として使用できることがそれぞれ知られている。
また式(2)で示される化合物は例えば、日本曹達株式会社製、商品名:D−90等として市場から入手することが可能である。なおD−90は上記式(2)においてzが2で表される化合物であり、本発明において好ましく使用することができる。
またD−90は感熱記録紙などの用途に顕色剤として使用できることが知られている。
またD−90は感熱記録紙などの用途に顕色剤として使用できることが知られている。
また式(3)で示される化合物は例えば、アデカ製、商品名:顕色剤UU等として市場から入手することが可能である。
顕色剤UUは感熱記録紙などの用途に顕色剤として使用でき、また上記式(3)中のメチル基の置換位置において、位置異性体の混合物であることが知られている。
顕色剤UUは感熱記録紙などの用途に顕色剤として使用でき、また上記式(3)中のメチル基の置換位置において、位置異性体の混合物であることが知られている。
また式(4)で示される化合物は例えば、日本曹達製、商品名:NTZ−95等として市場から入手することが可能である。
NTZ−95は感熱記録紙などの用途に保存安定剤として使用できることが知られている。
NTZ−95は感熱記録紙などの用途に保存安定剤として使用できることが知られている。
本発明における感熱発色層を形成するにあたり、発色性化合物は通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、顕色性化合物と式(1)〜(4)で示される化合物のいずれかは総量で通常1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%、増感剤は0〜80重量%、マレイン酸変性プロピレン共重合体は通常1〜90重量%、好ましくは2〜30重量%、充填剤は通常0〜80重量%、その他の滑剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤等は各々任意の割合で、例えば通常各々0〜30重量%、使用される。なお前記の重量%は、感熱発色層中に占める各成分の重量比である。更に好ましい態様としては、上記のような組成のうちで、各々の使用量が重量比で発色性化合物1に対してマレイン酸変性プロピレン共重合体は0.5〜30倍、好ましくは1〜10倍の重量比の範囲で、顕色性化合物と式(1)〜(4)で示される化合物のいずれかは総量で通常0.5〜20倍、より好ましくは1〜5倍の重量比の範囲でそれぞれ使用される。顕色性化合物:式(1)〜(4)で示される化合物のいずれかは9:1〜1:9、好ましくは9:1〜5:5の重量比の範囲でそれぞれ使用される。
本発明の感熱記録材料においては、前記以外の公知、公用の接着剤、又はその他の添加物を併用しても構わない。
本発明の感熱記録材料においては、前記以外の公知、公用の接着剤、又はその他の添加物を併用しても構わない。
本発明において用いられる発色性化合物は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられるものであればよく、特に制限されない。用いうる発色性化合物の例としては、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられる。
上記のフルオラン系化合物の具体例としては、例えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルフルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
また、上記のトリアリールメタン系化合物の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
更に上記のスピロ系化合物の具体例としては、例えば3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等が、ジフェニルメタン系化合物の具体例としては、例えばN−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が、チアジン系化合物の具体例としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタム系化合物の具体例としては、例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等が、フルオレン系化合物の具体例としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等が挙げられる。
これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いられる。
これらの発色性化合物は単独もしくは混合して用いられる。
上記の顕色性化合物としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているものであればよく、特に制限されない。例えばα−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−シクロ−ヘキシリデンジフェノール、2,2’−ビス(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸又はその多価金属塩等が挙げられる。
本発明において用いうる増感剤(熱可融性化合物)の具体例としては、例えば動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、ナフタレン誘導体、芳香族エーテル、芳香族カルボン酸誘導体、芳香族スルホン酸エステル誘導体、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体、ビフェニル誘導体、ターフェニル誘導体、スルホン誘導体等、常温で固体、より好ましくは約60℃以上の融点を有するものを使用することができる。
上記のワックス類の具体例としては、例えば木ろう、カルナウバろう、シェラック、パラフィン、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、例えばアセトトルイジド等が、ナフタレン誘導体としては、例えば1−ベンジルオキシナフタレン、2−ベンジルオキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル等が、芳香族エーテルとしては、例えば1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシブタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン等が、芳香族カルボン酸誘導体としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル等が、芳香族スルホン酸エステル誘導体としては、例えばp−トルエンスルホン酸フェニルエステル、フェニルメシチレンスルホナート、4−メチルフェニルメシチレンスルホナート等が、炭酸又はシュウ酸ジエステル誘導体としては、例えば炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステル類が、ビフェニル誘導体としては、例えばp−ベンジルビフェニル、p−アリルオキシビフェニル等が、ターフェニル誘導体としては、例えばm−ターフェニル等が、スルホン誘導体としては、例えばジフェニルスルホン等が、それぞれ例示される。
本発明において併用可能な接着剤の具体例としては、例えばメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、シリル基変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプン及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、水溶性イソプレンゴム、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソ(又はジイソ)ブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性の高分子、或は(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、カルボキシル化スチレン/ブタジエン(SB)共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸系共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、カルボキシル化アクリロニトリル/ブタジエン(NB)共重合体、コロイダルシリカと(メタ)アクリル樹脂の複合体粒子等の疎水性高分子エマルジョン等が挙げられる。
本発明において用いうる充填剤の具体例としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、クレー、アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂等が挙げられる。
更に本発明においては上記以外の種々の添加剤を使用することが出来るが、用いうるその他の添加物の例としては、例えばサーマルヘッド磨耗防止、スティッキング防止等の目的でのステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、酸化防止あるいは老化防止効果を付与する為のフェノール誘導体、ベンゾフェノン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物等の紫外線吸収剤、各種の界面活性剤、消泡剤等がそれぞれ挙げられる。
前記材料を用いて、例えば次のような方法によって本発明の感熱記録材料が調製される。即ち、常法によりまず発色性化合物、顕色性化合物、式(1)〜(4)で示される化合物をそれぞれ別々に結合剤あるいは必要に応じてその他の添加剤等と共にボールミル、アトライター、サンドミルなどの分散機にて粉砕、分散化した後(粉砕、分散を湿式で行うときは通常水を媒体として用いる)混合し、更にマレイン酸変性プロピレン共重合体を添加して感熱発色層塗布液を調製し、紙(普通紙、上質紙、コート紙等が使用出来る)、プラスチックシート、合成紙等の支持体上に通常乾燥重量で1〜20g/m2になるようにバーコーター、ブレードコーター等により塗布、乾燥して本発明の感熱記録材料を得る。また、必要に応じて感熱発色層と支持体の間に中間層を設けたり感熱発色層上にオーバーコート層(保護層)を設けても良い。
中間層、オーバーコート層(保護層)は、例えば前記したような接着剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱発色層用塗布液調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散して中間層用塗布液又はオーバーコート層(保護層)用塗布液とした後、乾燥時の重量で通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾燥することにより設けられる。
中間層、オーバーコート層(保護層)は、例えば前記したような接着剤あるいは必要に応じてその他の添加物と共に、感熱発色層用塗布液調製におけるのと同様に必要に応じて粉砕、分散して中間層用塗布液又はオーバーコート層(保護層)用塗布液とした後、乾燥時の重量で通常0.1〜10g/m2程度となるように塗布し、乾燥することにより設けられる。
通常無色ないし淡色の発色性化合物、顕色性化合物、マレイン酸変性プロピレン共重合体及び、より好ましくは式(1)〜式(4)で示される化合物のいずれかとをさらに含有する本発明の感熱記録材料は、発色性に優れ、且つ発色記録した後の乾熱及び湿熱に対する地肌かぶりが少なく、従来公知のものに比べて発色画像の保存安定性、特に耐湿熱性及び耐可塑剤性に優れている。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。実施例中「部」は重量部、溶液の説明における「%」は重量%であり媒体は水であることを示す。
実施例1
(感熱発色層の形成)
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化してそれぞれ[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[B]液:ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[C]液:式(1)で示される化合物((株)アデカ製、商品名:
アデカアークルズ DH−43) 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
(感熱発色層の形成)
下記組成の混合物をサンドグラインダーを用いて平均粒径が1μm以下になるように粉砕、分散化してそれぞれ[A]液、[B]液、[C]液を調製した。
[A]液:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[B]液:ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
[C]液:式(1)で示される化合物((株)アデカ製、商品名:
アデカアークルズ DH−43) 25部
25%PVA水溶液 20部
水 55部
次いで、上記で得た各液及び下記する薬剤を下記の割合で混合して感熱発色層塗布液を調製し、坪量50g/m2の上質紙上に乾燥時の重量が10g/m2となるように塗布、乾燥して感熱発色層を形成した。
[A]液 16部
[B]液 30部
[C]液 15部
50%炭酸カルシウム水分散液 16部
30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;
TP−007M、UMG ABS(株)製) 12部
[A]液 16部
[B]液 30部
[C]液 15部
50%炭酸カルシウム水分散液 16部
30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;
TP−007M、UMG ABS(株)製) 12部
(保護層の形成)
次に下記割合からなる保護層塗布液を前記の感熱発色層上に乾燥時の重量が2g/m2となるように塗布、乾燥して保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 20部
5%ベントナイト水分散液 40部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液 3部
次に下記割合からなる保護層塗布液を前記の感熱発色層上に乾燥時の重量が2g/m2となるように塗布、乾燥して保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 20部
5%ベントナイト水分散液 40部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液 3部
実施例2
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(2)で示される化合物(日本曹達(株)製、商品名:D−90)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(2)で示される化合物(日本曹達(株)製、商品名:D−90)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(3)で示される化合物((株)アデカ製、商品名:UU)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(3)で示される化合物((株)アデカ製、商品名:UU)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例4
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(4)で示される化合物(日本曹達(株)製、商品名:NTZ−95)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1の[C]液の式(1)で示される化合物(アデカアークルズ DH−43)の代わりに式(4)で示される化合物(日本曹達(株)製、商品名:NTZ−95)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例5
実施例1の30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;TP−007M、UMG ABS(株)製)の代わりに30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;TP−001M、UMG ABS(株)製)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
実施例1の30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;TP−007M、UMG ABS(株)製)の代わりに30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョン(商品名;TP−001M、UMG ABS(株)製)を使用する以外は実施例1におけるのと同様にして保護層付きの本発明の感熱記録材料を得た。
比較例1
実施例1の[C]液を用いない他は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
実施例1の[C]液を用いない他は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例1の30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョンの代わりに50%カルボキシル化SB共重合体エマルジョンを使用する以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
実施例1の30%マレイン酸変性プロピレン共重合体エマルジョンの代わりに50%カルボキシル化SB共重合体エマルジョンを使用する以外は実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
以上の様にして得られた本発明の感熱記録材料の品質性能表を表1及び表2に表す。
表1
品質性能試験
地肌1) 発色濃度2) 耐熱性3) 耐湿熱性4)
実施例1 0.04 1.38 0.04/1.37 0.05/1.37
実施例2 0.04 1.35 0.04/1.35 0.05/1.34
実施例3 0.04 1.36 0.04/1.34 0.05/1.33
実施例4 0.04 1.36 0.04/1.35 0.05/1.34
実施例5 0.04 1.35 0.04/1.34 0.05/1.35
比較例1 0.04 1.40 0.05/1.39 0.05/1.37
比較例2 0.04 1.39 0.04/1.28 0.05/0.88
品質性能試験
地肌1) 発色濃度2) 耐熱性3) 耐湿熱性4)
実施例1 0.04 1.38 0.04/1.37 0.05/1.37
実施例2 0.04 1.35 0.04/1.35 0.05/1.34
実施例3 0.04 1.36 0.04/1.34 0.05/1.33
実施例4 0.04 1.36 0.04/1.35 0.05/1.34
実施例5 0.04 1.35 0.04/1.34 0.05/1.35
比較例1 0.04 1.40 0.05/1.39 0.05/1.37
比較例2 0.04 1.39 0.04/1.28 0.05/0.88
表2
品質性能試験
耐可塑剤性5) 耐可塑剤性6)
実施例1 0.04/1.38 1.27
実施例2 0.04/1.35 1.30
実施例3 0.04/1.34 1.33
実施例4 0.04/1.35 1.32
実施例5 0.04/1.35 1.21
比較例1 0.05/1.30 0.78
比較例2 0.04/1.28 1.05
品質性能試験
耐可塑剤性5) 耐可塑剤性6)
実施例1 0.04/1.38 1.27
実施例2 0.04/1.35 1.30
実施例3 0.04/1.34 1.33
実施例4 0.04/1.35 1.32
実施例5 0.04/1.35 1.21
比較例1 0.05/1.30 0.78
比較例2 0.04/1.28 1.05
1)地肌 :市販のサーマルプリンター(イシダL−2000)で印字し、試料の未発色部をマクベス反射濃度計(RD−914型、マクベス社製)で測定した値(マクベス反射濃度)。
2)発色濃度 :上記プリンターで発色させた試料の画像部分のマクベス反射濃度。
3)耐熱性 :上記プリンターで発色させた試料を60℃の恒温器中に24時間放置した後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
4)耐湿熱性 :上記プリンターで発色させた試料を40℃、相対湿度90%の恒湿器中に24時間放置した後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
5)耐可塑剤性:上記プリンターで発色させた試料にPVCラップフィルムを両面に合わせて0.098MPa(300g/cm2)の荷重下、40℃で24時間後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
6)耐可塑剤性:上記プリンターで発色させた試料に水を滴下しナイロンフィルム(市販品)を表面に乗せて0.0294MPa(300gf/cm2)の荷重下、40℃で48時間後の画像部分のマクベス反射濃度。
なおマクベス反射濃度は、数値が大きいほど発色濃度が高いことを示す。従って、画像部分については該数値の大きいものが好ましい。
2)発色濃度 :上記プリンターで発色させた試料の画像部分のマクベス反射濃度。
3)耐熱性 :上記プリンターで発色させた試料を60℃の恒温器中に24時間放置した後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
4)耐湿熱性 :上記プリンターで発色させた試料を40℃、相対湿度90%の恒湿器中に24時間放置した後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
5)耐可塑剤性:上記プリンターで発色させた試料にPVCラップフィルムを両面に合わせて0.098MPa(300g/cm2)の荷重下、40℃で24時間後の未発色部分と画像部分のマクベス反射濃度。
6)耐可塑剤性:上記プリンターで発色させた試料に水を滴下しナイロンフィルム(市販品)を表面に乗せて0.0294MPa(300gf/cm2)の荷重下、40℃で48時間後の画像部分のマクベス反射濃度。
なおマクベス反射濃度は、数値が大きいほど発色濃度が高いことを示す。従って、画像部分については該数値の大きいものが好ましい。
表1及び表2から明らかなように、本発明の感熱記録材料は発色性に優れ、熱及び湿熱による地肌発色が小さく、更に発色画像の保存性、特に耐湿熱性、及び耐可塑剤性において優れた結果を与えている。
具体的にいうと、耐湿熱性4)の画像部分のマクベス反射濃度において、本発明の実施例1〜5は1.33〜1.37であるのに対して比較例2は0.88であり、比較例2の記録画像には明らかな退色が認められた。
また耐可塑剤性6)の画像部分のマクベス反射濃度においては、本発明の実施例1〜5が1.21〜1.33であるのに対して、比較例1及び2はそれぞれ0.78及び1.05であり、各比較例の記録画像には明らかな退色が認められた。
以上のように、感熱発色層に通常無色ないし淡色の発色性化合物、顕色性化合物、及び接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を、さらにいえば特に顕色性化合物としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと、上記式(1)〜式(4)で示される化合物のいずれかとを含有する本発明の感熱記録材料は、式(1)〜式(4)で示される化合物をいずれも含有しない比較例1、及び接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有しない比較例2に対して、耐湿熱性及び耐可塑剤性において、明らかな記録画像の保存安定効果を示した。
具体的にいうと、耐湿熱性4)の画像部分のマクベス反射濃度において、本発明の実施例1〜5は1.33〜1.37であるのに対して比較例2は0.88であり、比較例2の記録画像には明らかな退色が認められた。
また耐可塑剤性6)の画像部分のマクベス反射濃度においては、本発明の実施例1〜5が1.21〜1.33であるのに対して、比較例1及び2はそれぞれ0.78及び1.05であり、各比較例の記録画像には明らかな退色が認められた。
以上のように、感熱発色層に通常無色ないし淡色の発色性化合物、顕色性化合物、及び接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を、さらにいえば特に顕色性化合物としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと、上記式(1)〜式(4)で示される化合物のいずれかとを含有する本発明の感熱記録材料は、式(1)〜式(4)で示される化合物をいずれも含有しない比較例1、及び接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有しない比較例2に対して、耐湿熱性及び耐可塑剤性において、明らかな記録画像の保存安定効果を示した。
Claims (2)
- 支持体上に通常無色ないし淡色の発色性化合物、及び該発色性化合物を熱時発色させうる顕色性化合物とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該感熱発色層が接着剤としてマレイン酸変性プロピレン共重合体を含有することを特徴とする感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007027585A JP2008188926A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | 感熱記録材料 |
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JP2007027585A JP2008188926A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | 感熱記録材料 |
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JP2007027585A Pending JP2008188926A (ja) | 2007-02-07 | 2007-02-07 | 感熱記録材料 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014151611A (ja) * | 2013-02-13 | 2014-08-25 | Oji Holdings Corp | 感熱記録体 |
JP2015013422A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | 王子ホールディングス株式会社 | 感熱記録体 |
WO2015108173A1 (ja) * | 2014-01-17 | 2015-07-23 | 日本化薬株式会社 | 感熱記録材料 |
-
2007
- 2007-02-07 JP JP2007027585A patent/JP2008188926A/ja active Pending
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JP2015013422A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | 王子ホールディングス株式会社 | 感熱記録体 |
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