JP2008188126A - サージカルテープ - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚に貼り付けたときには十分に固定され、発汗があっても剥がれ難く、皮膚から剥がすときには粘着層に水を浸透させることにより容易に剥がすことが可能なサージカルテープを提供する。
【解決手段】フィルム状の基材と、基材の一方の面に配設される粘着層とを備え、粘着層が、スルホポリエステル及び粘着性成分を含み、粘着性成分が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、並びに粘着付与剤と可塑剤を含む組成物、からなる群から選択される少なくとも一種であるサージカルテープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、サージカルテープに関し、更に詳しくは、皮膚に貼り付けたときには十分に固定され、発汗があっても剥がれ難く、皮膚から剥がすときには粘着層に水を浸透させることにより容易に剥がすことが可能なサージカルテープに関する。
サージカルテープの接着力は、皮膚に貼り付けている間は十分に強いことが望まれている。しかし、強い接着力を持つサージカルテープは、剥離時に皮膚を損傷することがあるという問題があった。そのため、剥離時に、皮膚の損傷や皮膚への刺激がなくなる程度まで接着力を低下させることが可能なサージカルテープが望まれている。そして、剥離時の接着力を低下させようとするサージカルテープについて、幾つかの提案がなされている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特表平4−507425号公報 特開2000−271204号公報 特許第3387497号公報 特許第3549874号公報
上記、特許文献1には、20℃と35℃の間に溶融点を持つアクリル系側鎖結晶性ポリマーを粘着剤として利用し、氷嚢などで冷却する事により容易に剥離できるサージカルテープが記載されている。しかし、特許文献1に記載のサージカルテープは、初期接着力がなく、接着力を発現するまでテープを押えておく必要があり、固定に時間を要するものであった。
上記、特許文献2には、直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステルを粘着剤として利用したサージカルテープが記載されている。特許文献2に記載のサージカルテープは、初期接着力はあるが、低剥離力とするには20℃以下に冷却することが必要であるため、例えば、氷嚢で冷却する場合、90秒以上、サージカルテープ及び周辺の皮膚を冷却する必要があった。そのため、剥離に要する時間が長いだけでなく、患者に対しては長時間に亘って冷感を与えていた。
上記、特許文献3,4には、結晶性フッ素化アルキル基を有するアクリル系樹脂を含有する粘着剤を備え、40℃に加温することにより容易に剥離することが可能になるサージカルテープが記載されている。特許文献3,4に記載のサージカルテープは、火傷を起こさない40℃前後の温度における剥離は可能であるが、その反面、通常の使用時においても、使用者が40℃近傍まで発熱した場合や、電気毛布を使用した場合、あるいは入浴中等においては、サージカルテープが剥離してしまう温度に容易に到達することになるため、固定時の信頼性という点では十分ではなかった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その特徴は、皮膚に貼り付けたときには十分に固定され、発汗があっても剥がれ難く、皮膚から剥がすときには粘着層に水を浸透させることにより容易に剥がすことが可能なサージカルテープを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によって以下のサージカルテープが提供される。
[1] フィルム状の基材と、前記基材の一方の面に配設される粘着層とを備え、前記粘着層が、スルホポリエステル及び粘着性成分を含む粘着剤組成物から構成され、前記粘着性成分が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、並びに粘着付与剤と可塑剤を含む組成物、からなる群から選択される少なくとも一種であるサージカルテープ。
[2] 前記スルホポリエステルが、前記粘着剤組成物中に5〜80質量%含有される[1]に記載のサージカルテープ。
[3] 前記フィルム状の基材が、透水性の不織布又は透水性の多孔質フィルムである[1]又は[2]に記載のサージカルテープ。
[4] 前記粘着層が、前記基材の一方の面上に前記粘着剤組成物の塗布部と非塗布部よりなるパターン形状を形成する[3]に記載のサージカルテープ。
[5] 被貼付体の表面に貼り付けられた[1]〜[4]のいずれかに記載のサージカルテープの剥離方法であって、前記粘着層に水を供給し、前記粘着層と水との接触部分に音波発信素子を用いて振動させながら、前記サージカルテープを前記被貼付体の表面から引き剥がすサージカルテープの剥離方法。
本発明のサージカルテープによれば、粘着層に含有される粘着性成分が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、並びに粘着付与剤と可塑剤を含む組成物、からなる群から選択される少なくとも一種であるため、皮膚に貼り付けたときに十分に固定することが可能となる。そして、粘着層にスルホポリエステルが含有されるため、皮膚から剥がすときには粘着層に水を浸透させることにより容易に剥がすことが可能であるとともに、発汗に対しては剥がれ難くすることが可能である。
次に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明のサージカルテープは、フィルム状の基材と、基材の一方の面に配設される粘着層とを備えるものである。そして、上記粘着層は、スルホポリエステル及び粘着性成分を含むものであり、上記粘着性成分は、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、並びに粘着付与剤と可塑剤を含む組成物、からなる群から選択される少なくとも一種である。尚、本発明のサージカルテープは、ドレッシングフィルム(創傷被覆材)等を含むものである。
(1)粘着剤組成物;
粘着層を構成する粘着剤組成物は、スルホポリエステル及び粘着性成分を含有するものである。粘着剤組成物は、「スルホポリエステル及び粘着性成分」のみを含有するものであってもよいし、それ以外の後述する「他の成分」を含有してもよい。粘着剤組成物中のスルホポリエステルの含有量は、5〜80質量%が好ましく、65〜75質量%が特に好ましい。スルホポリエステルの含有量をこのような範囲とすることにより、皮膚に貼り付けたときに、より優れた粘着性を有し、発汗があってもより剥がれ難く、剥離時に、水(非イオン水)を用いてより容易に剥離させることが可能なサージカルテープとすることができる。ここで、「非イオン水」というときは、蒸留水、イオン交換水などを意味するが、水道水もここでは含む。即ち、汗水、海水、生理食塩水などの電解質を意図的にあるいは多量に含むものが、「イオン水」を意味する。スルホポリエステルの含有量が5質量%より低いと、粘着層に水を浸透させても剥離し難いことがあり、80質量%より高いと、サージカルテープを皮膚等に貼り付けたときの粘着性が低下することがある。粘着剤組成物中の粘着性成分の含有量は、20〜95質量%が好ましく、25〜35質量%が特に好ましい。20質量%より低いと、サージカルテープを皮膚等に貼り付けたときの粘着性が低下することがあり、95質量%より高いと、粘着層に水を浸透させても剥離し難いことがある。
(1−1)スルホポリエステル;
粘着剤組成物に含有されるスルホポリエステルのTg(ガラス移転点)は、特に限定されないが、人の皮膚温度(約30℃)以下であることが好ましい。15℃以下が更に好ましい。Tgが、30℃以下であることより、人間の皮膚に本実施形態のサージカルテープを貼り付けた時、スルホポリエステルを含む粘着層は軟化状態で、容易に皮膚表面に追従できるため、接着が容易である。また接着後、水分を供給して剥離するときに、スルホポリエステルが水に分散し易くなるので、粘着剤組成物の皮膚への粘着力を低下でき、容易にサージカルテープを剥離することが可能となる。特にTgが15℃以下であれば、保管環境の室温以下のTgであり、本発明のサージカルテープを皮膚に貼り付ける前から柔軟性に富み、取り扱い性も良好である。Tgが30℃を超えると、人間の皮膚の表面温度より高くなるため、人間の皮膚に本実施形態のサージカルテープを貼り付けたときに、スルホポリエステルのTg未満の温度となる。そのため、スルホポリエステルが硬く、粘着層全体も固くなり、貼り付け時に柔軟性を欠き、接着性に劣る傾向となる。スルホポリエステルのTgの下限値は、特に限定されないが、−10℃以上であることが好ましい。−10℃より低くなると、皮膚温度である30℃程度の温度において流動性が高くなり、サージカルテープとして扱い難くなることがある。尚、「Tg」は、DSCなどの熱分析により測定した値である。
粘着剤組成物に含有されるスルホポリエステルは、ジカルボン酸、1個のスルホネート基を含有する2官能性スルホモノマー、及びジオール若しくはジアミンを含有する反応原料を、反応触媒を用いて反応させることにより得られるものであることが好ましい。上記ジカルボン酸は、スルホネート基を有さない(スルホモノマーでない)ものであることが好ましい。ジカルボン酸としては、特に限定されないが、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。上記2官能性スルホモノマーは、特に限定されないが、スルホネート基以外の官能基が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミン基であることが好ましく、例えば、5−ソジオスルホイソフタル酸等を挙げることができる。反応原料中に上記2官能性スルホモノマーは少なくとも一種含有されることが好ましい。ジオールまたはジアミンとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンビスメチルアミン、ヘプタメチレンジアミン等を挙げることができる。上記反応原料中に、更に、3個以上の官能基を有する多官能性反応剤が含有されてもよい。多官能性反応剤の官能基のそれぞれは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミン基であることが好ましい。3個以上の官能基を有する多官能性反応剤としては、特に限定されないが、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール等を挙げることができる。スルホポリエステル合成に利用する反応触媒としては、特に限定されないが、例えば「チタンテトライソプロポキシドおよび酢酸ナトリウム4水和物」等を挙げることができる。
スルホポリエステルの合成は各成分から選択される成分の反応基の当量が一致されるような配合とし、一般的ポリエステルの合成手法により合成される。成分配合を調整することにより、所望のTg、好ましくは、−10〜30℃のTgのスルホポリエステルを得る事ができる。
また、本実施形態のサージカルテープに使用するスルホポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、米国イーストマンケミカル社のAQポリマーシリーズを挙げることができる。例えば、直鎖状のスルホポリエステルとして、商品名:AQ2150(Tg:9℃)、商品名:AQ2350(Tg:11℃)等を挙げることができる。
このようなスルホポリエステルは水分散性を有するが、汗などの体液や塩水には分散しにくい特徴を有する。これにより発汗を伴う皮膚においても、剥離しにくい粘着剤を作成することができる。例えば、粘着層と皮膚との接着領域において、剥離させようとしている端部(サージカルテープの一部が皮膚から剥離している場合は、粘着層と皮膚とが接着している領域:(接着領域)と、粘着層と皮膚とが剥離している領域との境界部分:(剥離端部))に、水(非イオン水)を噴霧等で接触させることにより、また、水と接触させるとともに音波発信素子を用いて振動させることにより、皮膚に貼り付けたサージカルテープを容易に剥離することができる。
(1−2)粘着性成分;
本実施形態のサージカルテープに使用する粘着性成分としては、アクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤と合成ゴム系粘着剤とを組成物、粘着付与剤と可塑剤とを含む組成物を挙げることができる。粘着層に含有されるスルホポリエステル自体は、粘着性が低いため、粘着層の粘着性を高めるために粘着性成分が必要である。粘着性成分は、環境面より溶剤を使用しないホットメルト粘着剤であることが好ましい。
アクリル系粘着剤としては、一般的に利用されている、アクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体を主成分に粘着付与剤、酸化防止剤等を混合したものを挙げることができる。ここで、「主成分」とは、50質量%を超えて含有される成分をいう。アクリル系粘着剤としては、特に限定されないが、スイスのコラノ社のEcomeltUVシリーズを挙げることができ、また、2−エチルへキシルアクリレート(96.5%)、アクリル酸(3.50%)、アクリロキシベンゾフェノン(0.05%)、チバスペシャリティーケミカルズ社製光開始剤Irgacure−184(0.50%)、チバスペシャリティーケミカルズ社の酸化防止剤Irganox−1076(0.50%)、及びイソオクチルグリコレート(0.05%)の混合液をEVA(エチレンビニルアセテート)の袋に充填密封し低圧水銀ランプで共重合させたホットメルト粘着組成物(アクリル系粘着剤)(A)等を挙げることができる。また、上記ホットメルト粘着組成物(A)85.00質量%と、米国Noveon社のAvalure AC210 アクリルオリゴマー15.00質量%とを、160℃で混合してアクリル系粘着剤としてもよい。このアクリル系粘着剤は、基材に塗布した後に、高圧水銀ランプによるUV−C波長により架橋することができるUV架橋型アクリルホットメルト粘着剤であり、比較的強い接着力と保持力をもつこと特徴とする。
合成ゴム系粘着剤は、合成ゴムを主成分とする粘着剤であり、例えば、SIS(Styrene−Isoprene−Styrene)、SBS(Styrene−Butadiene−Styrene)、及びSEBS(Styren−Ethylen/Butylene−Styrene)から選択される少なくとも一種の合成ゴムを主成分として、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、及びその他の添加剤を含有する粘着剤である。合成ゴム系粘着剤は、ホットメルト粘着剤であることが好ましい。SIS、SBS、及びSEBSとしては、米国KRATON社のクレイトンポリマーを挙げることができる。可塑剤としては、鉱物油、ベンゾエート等を挙げることができる。可塑剤の具体例としては、米国シェル化学社のShellflex鉱物油や、米国VELSICOL社のBENZOFLEXベンゾエート類等を挙げることができる。粘着付与剤としては、ロジン、レジン類に代表される天然樹脂類を挙げることができる。本実施形態のサージカルテープは皮膚に貼り付けるため、粘着付与剤としては、皮膚刺激が低い、水添ロジン、やC−5レジン類等が好ましい。例えば、米国イーストマンケミカル社のSTYBELITE水添ロジンおよびロジンエステル類、や米国SARTOMER社のWingtack Puls等のC−5レジン類等を挙げることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社のIRGANOXヒンダードフェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。また、その他の添加剤として、紫外線吸収剤等を目的に応じて添加することができる。合成ゴム系粘着剤は配合種と配合比により接着特性を制御することが可能である。各種接着特性を持つ混合された医療用の合成ゴム系粘着剤(ホットメルト)が販売されており、それらを合成ゴム系粘着剤として利用することが可能である。例えば、スイスのコラノ社のEcomelt(医療用ホツトメルト粘着剤)等を挙げることができる。尚、初期タックを向上させ、強い接着力と保持力を得るため合成ゴム系粘着剤とアクリル系粘着剤を混合して利用することも可能である。
粘着付与剤と可塑剤とを含む組成物に用いられる粘着付与剤、可塑剤としては、上述した、合成ゴム系粘着剤に含有させることができる粘着付与剤及び可塑剤を利用できる。
(1−3)他の成分(粘着剤組成物);
粘着剤組成物に含有される、「スルホポリエステル及び粘着性成分」以外の成分(他の成分)としては、充填剤、顔料等を挙げることができる。充填剤としては、酸化亜鉛等を挙げることができる。
顔料としては、酸化チタン等を挙げることができる。
(2)基材:
本実施形態のサージカルテープに用いる基材は、フィルム状であれば特に限定されないが、透水性であることが好ましく、透水性不織布、透水性多孔質フィルム等であることが更に好ましい。また、エンボス加工を施したものや、熱針により多孔処理を施した疎水性プラスチック等であってもよい。基材に透水性があると、水分の供給が、サージカルテープの周辺部のみでなく、基材背面(粘着層が積層されている基材面と反対側の基材面)からも供給でき、水分の粘着層への浸透スピードが速くなり、好ましい。しかしながら、水が付着する環境下でのサージカルテープの使用では、テープが剥離する可能性があり、この場合の基材としては非透水性の材料を用いることが好ましい。基材の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、レーヨン(レーヨンは透水性を望む場合のみ使用する)等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が混合されていてもよい。基材の厚さは、サージカルテープとして使用できる厚さであれば特に限定されないが、25〜200μm程度が好ましい。薄すぎると、強度が低下することがあり、厚すぎると剥がれ易くなり、また装着感が悪化することがある。
(3)サージカルテープ:
本実施の形態のサージカルテープは、上述したフィルム状の基材と、基材の一方の面に配設される上述した粘着層とを備えるものである。本実施形態のサージカルテープは、粘着層により、基材の一方の面の全面が覆われ、基材の表面が露出していない状態であってもよいが、粘着層が、基材の一方の面上に粘着剤組成物の塗布部と非塗布部よりなるパターン形状を形成していることが好ましい。そして、このパターン形状は、独立した縞状、島状に設けることが、好ましい。即ち、粘着層を塗布していない非塗布部分が連続した溝状、海状となっていることが、好ましい。例えば、パターン形状がストライプ形状の場合、帯状の粘着層が一定の間隔を開けて基材表面上に複数本並び、その隙間は、非塗布部分とする。
粘着剤組成物の塗布部分の厚さは、特に限定されないが、30〜100μmであることが好ましく、40〜70μmであることが更に好ましい。このような塗布部分の厚みにより、皮膚(被貼付体)に貼り付けたときに、より優れた粘着性を有し、剥離時に、水を用いて容易に剥離できるサージカルテープとすることができる。30μm未満であると、サージカルテープの粘着力が低下することがあり、100μmを超えると剥離し難いことがあり、また、粘着剤組成物を無駄に多く使用することになる。
水(非イオン水)との接触面積を増やして、水の粘着層(粘着剤組成物)への浸透を促進するため、粘着層が、基材の一方の面上にパターン形状を形成することが好ましい(この状態を、「粘着層がパターン形状を形成する」ということもある。)。つまり、粘着層により基材表面が覆われる塗布部と、粘着層により覆われず基材表面が露出する非塗布部とが形成されることが好ましい。このように基材表面(サージカルテープ)が塗布部と非塗布部とを有することより、粘着層に水を接触させたときに、水が非塗布部を通って粘着層内に入り込むことができ、粘着層内に容易に浸透することができる。そして、パターン形状を形成することにより、粘着層の表面積が大きくなるため、水が更に浸透し易くなる。これにより、より速やかに水が粘着層に浸透し、スルホポリエステルの分散を促進し、剥離力の低下を促進させることが可能となる。
上記パターン形状の中の一の構造として、サージカルテープの端部から、皮膚とサージカルテープとの間に水が入り込んでいくように、基材が露出する非塗布部が、基材の端部から内側に向かって伸びるように連続的に形成された構造であることが好ましい。これにより、サージカルテープの端部に水を接触させたときに、粘着層の、基材の非塗布部に対応する空間部分内に水が入り込み、非塗布部を通って粘着層内に入り込んだ水が、塗布部に位置する粘着剤組成物内に浸透してスルホポリエステルを分散させることができる。これにより、サージカルテープの剥離力の低下をより促進させることが可能となる。このようなパターン形状としては、ストライプ形状(帯状の塗布部と非塗布部とが交互に並ぶ形状)または独立島状の塗布部が好ましい。ストライプ形状の場合の塗布部の幅は、100〜5000μmが好ましく、非塗布部の幅は、100〜5000μmが好ましい。塗布部の幅が広すぎると、水の粘着剤組成物への浸透が遅くなることがあり、幅が狭すぎると、粘着層の粘着力が低下することがある。また、独立島状の塗布部の場合、塗布面積は、30〜50%が好ましい。塗布面積が30%未満であれば接着力が低下する可能性があり、50%を超える場合であれば、水の浸透スピードが遅くなる可能性がある。
上記パターン形状の中の他の構造として、格子形状を挙げることができる。粘着層のパターン形状を格子形状とすると、サージカルテープの端部から粘着層内部への水の入り込みは促進され難いが、基材を透水性のフィルムとしたときに、基材の背面から水を供給することができるので、水が基材を通過して粘着層の格子形状内(非塗布部に対応する空間部分)に入り込むようにすることができる。これにより、非塗布部内に入り込んだ水が、塗布部に位置する粘着剤組成物に浸透してスルホポリエステルの分散を促進させることができる。これにより、水と接触させたときのサージカルテープの剥離力の低下をより促進させることが可能となる。上記格子形状における「格子」の形状としては、特に限定されず、四角形、五角形等の多角形、円形、楕円形、その他不定形等いずれの形状でもよい。格子形状を形成する塗布部の幅は、50〜5000μm程度が好ましい。塗布部の幅が広すぎると、水の粘着剤組成物への浸透が遅くなることがあり、幅が狭すぎると、粘着層の粘着力が低下することがある。基材が透水性を有する場合の粘着層のパターン形状としては、上記ストライプ形状や独立島状も好ましい形状である。
サージカルテープと皮膚との接着面に多くの水(非イオン水)を早く浸透させるためには、サージカルテープ端部と基材背面の両方向から水を接触させることが好ましく、粘着層が、基材端部側からも基材背面側からも、水を入り込ませることができ、さらに、基材が水透過性(透水性)であることが好ましい。具体的には水の浸透が非常に良い不織布を基材に利用し、粘着層はストライプ形状または独立島状であることが好ましい。サージカルテープに水(非イオン水)を供給したときに、水との接触面積が最も大きくなるパターン形状は独立島状であるが、保管期間及び皮膚貼り付け期間に独立島状が維持できるだけの、十分な非塗布部の面積を有するパターンで形成することが好ましい。
本実施形態のサージカルテープは、粘着層の表面にライナーが配設されていてもよい。ライナーが配設されることにより、サージカルテープの使用前(保管期間)に粘着層が汚れたり、粘着すべきでない場所に粘着したりすることを防止することができる。ライナーとしては、特に限定されないが、厚さ20〜1000μm程度のフィルムを使用することが好ましい。ライナーの材質としては、離型性を有するPET、PP、紙等を挙げることができる。
(4)サージカルテープの製造方法:
粘着剤組成物をフィルム状の基材に塗布することにより、フィルム状の基材と、基材の一方の面に配設される粘着層とを備える本実施の形態のサージカルテープを得られる。また、ライナーを備えるサージカルテープを製造する場合には、ライナーに粘着剤組成物を塗布し、その粘着剤組成物が塗布されたライナーを、粘着層を基材側に向けるようにして基材に貼り付けてもよい。また、基材に粘着剤組成物を塗布した後に、ライナーを粘着層表面に貼り付けてもよい。粘着剤組成物を基材に塗布する方法としては、特に限定されないが、ホットメルトコーター等で基材に塗布温度を、140〜200℃で塗布することが好ましい。また、粘着剤組成物を溶媒に溶解させてソルベントコーターで基材に塗布してもよい。環境面からは、溶媒を使用しないホットメルトコーター等を用いる方法が好ましい。接着剤組成物を塗布するときの厚さは、30〜100μmが好ましい。また、粘着層を、上述した本実施形態のサージカルテープのようにパターン形状とする方法としては、特に限定されないが、粘着剤組成物を基材表面の全面に塗布した後にエンボス加工によりパターン化させる方法、転写ロールを使ってパターン塗布させる方法、メタルマスクを使ってスクリーン印刷させる方法、粘着剤組成物を溶剤に溶かして、グラビア印刷法によりパターン状に塗布する方法等を挙げることができる。
(5)サージカルテープの剥離方法:
本発明のサージカルテープの剥離方法は、被貼付体の表面に貼り付けられた本発明のサージカルテープの、粘着層に水を供給し、粘着層と水との接触部分に音波発信素子を用いて振動させながら、サージカルテープを被貼付体の表面から引き剥がす方法である。ここで、被貼付体は、通常、人の皮膚である。本発明のサージカルテープは、水により剥離が容易になるが、音波発信素子を用いて振動させることにより、水の粘着層への浸透が促進され、スルホポリエステルの水への分散が加速されるので、サージカルテープをより剥離し易くなる。
音波発信素子を用いて粘着層の水と接触している部分を振動させるときに使用する用具(剥離促進用具)としては、音波発信素子を備えた棒状、板状等の用具を用いることが好ましい。この剥離促進用具を、水を浸透させたサージカルテープのテープ端部または、基材背面に接触させることで、粘着層の水分散をより加速させることができ、容易に低剥離力で皮膚損傷なしに剥がすことができる。ここで、低剥離力とは、100g/inch以下の剥離強度をいう。また、上記用具にブラシが備えられてもよい。音波発信素子としては、ピエゾ素子等を用いることが好ましい。音波(超音波)発信素子が発する振動の周波数は、200Hz〜1.2MHzが好ましい。音波(超音波)発信素子が発する振動の出力は、1W〜3Wが好ましい。周波数及び出力が上記範囲であることにより、生体に利用しても安全な剥離促進用具とすることができる。音波(超音波)発信素子を有する剥離促進用具としては、家庭用音波歯ブラシ、または家庭用超音波歯ブラシを利用することができる。家庭用音波歯ブラシとしては、松下電器産業社製のDoltz音波振動歯ブラシ、Braun社製のSonic Complete ミクロ音波振動歯ブラシ、Philips社製のSonicare音波振動歯ブラシ等が挙げられる。これらは261Hz前後の振動を与えることができ、周波数、出力共に生体に利用しても、安全な器具である。また、家庭用超音波歯ブラシとしては、マリーヌ社製のEstena超音波振動歯ブラシ等が挙げられる。これらは1.2MHz前後の振動を与えることができ、周波数、出力共に生体に利用しても、安全な器具である。家庭用音波歯ブラシ、または家庭用超音波歯ブラシ以外でも、工業用の音波(超音波)発信素子を利用して、剥離促進用具作成することもできるが、生体に適用しても十分安全な出力と構造を考慮して作成する必要がある。上記剥離促進用具の中でも、家庭用音波歯ブラシが、振動が強く皮膚と粘着剤との剥離効果が良好であるため好ましい。また、ブラシを備えた剥離促進用具は、分散目的ではブラシは必要ないが、ブラシに水を保持させて水を接触させることができるため、取り扱いが容易であり好ましい。分散効果を高めるためには、ブラシ部分ではなく、棒状部分又は板状部分を接触させることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2150(商品名)(Tg=9℃)70.00質量%、粘着付与剤として米国イーストマンケミカル社のSTYBELITE Rosin−E(商品名)19.70質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))10.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.30質量%を、180℃でニーダーを用いて混合して、スルホポリエステルを含む粘着剤組成物を調製した。混合と同一温度のホッメルトコーターを用いて、50μmの厚みでPETライナーに塗布した。そして、PETライナーに塗布した粘着剤組成物の層を、厚さ20μmのPET基材の一方の面に貼り付け、PET基材/粘着層/PETライナーからなるサージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、以下に示す「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。原ロールは1インチ(2.5cm)幅にスリットし、評価用に5cm長さに切断し、評価試験用サージカルテープを作製した。結果を表1に示す。表1において、「粘着性成分配合」の欄は、粘着剤組成物中の、スルホポリエステル以外の物質の含有率を示す。
(初期接着力評価試験)
上述の評価試験用サージカルテープからPETライナーを剥離し、人の下腕内側に貼り付け、その直後に、剥離試験機で15cm/分の速度で180°ピール試験を行い、初期接着力を測定した。剥離試験機としては、スリーエム社のI−MASS TESTERを使用した。
(剥離評価試験)
蒸留水(非イオン水)を、皮膚と粘着層との接着領域の端部に接触させた時の剥離力の低下の程度を調べるために、皮膚に貼り付けた評価試験用サージカルテープの端を指で少し剥がし、50gおよび100gの錘を紐で固定したクリップを取り付け、評価試験用サージカルテープの基材背面を下に向けるようにして、錘を吊り下げた。本テープは100g/inch(2.5cm)以下の低い剥離力で剥がすことを目的とするため、剥離時の荷重基準を50g(高感度)と100g(有効感度)の2水準で評価した。
剥離評価試験においては、サージカルテープの剥離時に、蒸留水(非イオン水)のスプレーと音波発信素子による分散促進操作を適宜行った。蒸留水を皮膚と粘着層との接着領域の端部にスプレーし続けて剥離した場合を「端部水スプレー」とし、音波発信素子を用いた音波振動歯ブラシに蒸留水を含ませ、皮膚と粘着層との接着領域の端部を擦りながら剥離した場合を「端部水ブラシ音波分散」とし、蒸留水を基材背面にスプレーしながら音波振動歯ブラシの棒状の部分で擦りながら剥離した場合を「背面水スプレー音波分散」とした。音波振動歯ブラシとしては、松下電器産業社製のDoltz音波振動歯ブラシを使用した。それぞれの方法で剥離を行ったときの剥離感度は下記の条件で判断した。
高感度剥離モード:50gの錘を吊るして上記剥離評価試験をしたときに(剥離強度50g/inch)、30秒未満で剥離した場合。
有効感度剥離モード:100gの錘を吊るして上記剥離評価試験をしたときに(剥離強度100g/inch)、30秒未満で剥離した場合。
弱い剥離モード:100gの錘を吊るして上記剥離評価試験をしたときに(剥離強度
100g/inch)、30秒以上3分未満で剥離した場合。
無効果:100gの錘を吊るして上記剥離評価試験をしたときに(剥離強度100g/inch)、3分未満で剥離しない場合。
(実施例2)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)(Tg=11℃)75.00質量%、粘着付与剤として米国イーストマンケミカル社のSTYBELITE Rosin−E(商品名)14.70質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))10.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.30質量%を、180℃で、ニーダーを用いて混合して、スルホポリエステルを含む粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)7.50質量%、ゴム系粘着剤1(合成ゴム系ホットメルト粘着剤)としてスイス国のコラノ社製のEcomelt M1−EX180(商品名)90.00質量%、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)1.47質量%、可塑剤として米国VELSICOL社製BENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))1.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.03質量%を実施例1の場合と同様の方法で混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を、混合と同一温度のホッメルトコーターを用いて、50μmの厚みでPETライナーの全面に塗布した。そして、PETライナーに塗布した粘着剤組成物の層を、厚さ135μmの不織布基材(スリーエム社製トランスポアホワイト(商品名)に用いられているレーヨンとPETからなる不織布)の剥離剤を塗布していない面に貼り付け、不織布基材/粘着層/PETライナーからなるサージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)22.50質量%、ゴム系粘着剤1(合成ゴム系ホットメルト粘着剤)としてEcomelt M1−EX180(商品名)70.00質量%、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)4.41質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))3.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.09質量%を実施例1の場合と同様の方法で混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)30.00質量%、ゴム系粘着剤1(合成ゴム系ホットメルト粘着剤)としてEcomelt M1−EX180(商品名)60.00質量%、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)5.88質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))4.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.12質量%を実施例1の場合と同様の方法で混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)52.50質量%、ゴム系粘着剤1(合成ゴム系ホットメルト粘着剤)としてEcomelt M1−EX180(商品名)30.00質量%、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)10.29質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))7.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.21質量%を実施例1の場合と同様の方法で混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)63.75質量%、ゴム系粘着剤1(合成ゴム系ホットメルト粘着剤)としてEcomelt M1−EX180(商品名)15.00質量%に、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)12.50質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))8.50質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.25質量%を実施例1の場合と同様の方法で混合して粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)75.00質量%、粘着付与剤として米国SARTOMER社のWingtack Puls(商品名)14.70質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))10.00質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.30質量%を、160℃の温度下でニーダーを用いて混合してスルホポリエステル含有のプレミックス用粘着剤組成物を調製した。プレミックス用粘着剤組成物を予め調製したのは、アクリル系粘着剤との混和性をよくするためである。
アクリル系粘着剤(アクリル系UV架橋型ホットメルト粘着剤(アクリルPSA))を以下の方法で調製した。2−エチルヘキシルアクリレート(96.50質量%)及びアクリル酸(3.50質量%)からなるモノマー100質量部、紫外線安定剤としてアクリロキシベンゾフェノン0.05質量部、光重合開始剤としてIrgacure−184(チバスペシアリティーケミカル社製)0.50質量部、酸化防止剤としてIrganox−1076(チバスペシアリティーケミカル社製)0.50質量部、連鎖移動剤としてイソオクチルグリコレート0.05質量部を混合してポリエチレン酢酸ビニル(EVA)製のバッグに充填し、密封して、低圧水銀ランプで共重合させた。この重合生成物85.00質量%と、粘着付与剤として米国Noveon社のAvalure AC210アクリルオリゴマー15.00質量%とを160℃で混合して、アクリル系UV架橋型ホットメルト粘着剤(アクリル系粘着剤)を製造した。
プレミックス用粘着剤組成物50.00質量%とアクリル系UV架橋型ホットメルト粘着剤(アクリルPSA)50.00質量%とを160℃の温度下で混合して、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。粘着剤組成物を基材に配設した後に、粘着剤組成物に、アイグラフィック社製の高圧水銀ランプを用いて、UV−C波長で25mJ/cmから100mJ/cmの範囲で照射し、アクリル系粘着剤を架橋させた。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8で作成したスルホポリエステル含有のプレミックス用粘着剤組成物80.00質量%と上記アクリル系UV架橋型ホットメルト粘着剤(アクリルPSA)20.00質量%を160℃の温度下で混合して、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)70.00質量%、ゴム系粘着剤2としてスイス国のコラノ社製のEcomelt M1−EX200(商品名)25.00質量%、粘着付与剤としてSTYBELITE Rosin−E(商品名)4.90質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.10質量%を混合して粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、粘着層のパターン形状が格子形状となるように、実施例3で用いた不織布基材に転写ロールで塗布した。そして、粘着層の表面にPETライナーを貼り付けた。粘着層の格子形状は図1に示すように、非塗布部3が閉鎖系となる形状である。格子形状において、粘着剤組成物が配設されている被覆部2の幅Wは約1mmであった。図1は、実施例10で得られたサージカルテープ1の粘着層側の表面の一部を拡大した拡大写真である。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例10と同様にして粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、粘着層のパターン形状がストライプ形状となるように、実施例3で用いた不織布基材に転写ロールで塗布した。そして、粘着層の表面にPETライナーを貼り付けた。粘着層のパターン形状は図2に示すように、非塗布部13が開放系(基材端部まで非塗布部が形成されている)となる形状である。パターン形状において、粘着剤組成物が配設されている塗布部12の幅Wは約1mmであった。図2は、実施例11で得られたサージカルテープ11の粘着層側の表面の一部を拡大した拡大写真である。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
スルホポリエステルとして米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)63.75質量%、ゴム系粘着剤2としてEcomelt M1−EX200(商品名)15.00質量%、粘着付与剤として米国SARTOMER社のWingtack Puls(商品名)12.50質量%、可塑剤として米国VELSICOL社のBENZOFLEX 9−88(商品名)(ジプロピレングリコールジベンゾエート(DPGDB))8.50質量%、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社のIrganox−1010(商品名)0.25質量%を混合して粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を、粘着層のパターン形状が独立島状となるように、実施例3で用いた不織布基材に以下の方法で塗布した。すなわち、0.1mm厚のステンレス板21に、複数の円形の孔22を、図3に示すような細密構造パターンになるようにエッチングにより形成したメタルマスク23を作成し、このメタルマスクを実施例3で使用した不織布基材に被せ、180℃の温度下でメタルスキージにより不織布基材上に粘着剤組成物をスクリーン塗布した。メタルマスクの、円形の孔22の孔径Dを1.5mm、ピッチPを2.8mmとし、開口率(メタルマスク全体の面積に対する孔22の面積の比率)を45.1%とした。基材に粘着剤組成物を塗布した後に、粘着層の表面にPETライナーを貼り付けてサージカルテープとした。図3は、実施例12のサージカルテープの作製に使用するメタルマスクの一部を拡大した平面図である。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例8と同様にして粘着剤組成物を調製した。得られた粘着剤組成物を用いて、実施例12と同様にして、粘着層のパターン形状を独立島状としたサージカルテープを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例8と同様にして作製したUV架橋型アクリルホットメルト粘着組成物85質量%と、米国Noveon社製のAvalure AC210 アクリルオリゴマー(粘着付与剤)15質量%とを、160℃で混合して粘着剤組成物を作製した。得られた粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
スイス国のコラノ社製のEcomelt M1−EX180(商品名)を粘着剤組成物として使用した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
スイス国のコラノ社製のEcomelt M1−EX200(商品名)を粘着剤組成物として使用した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
粘着剤組成物として、スルホポリエステルのみ(100質量%)を使用した。スルホポリエステルとしては、米国イーストマンケミカル社のAQ2350(商品名)を使用した。この粘着剤組成物を用いて、実施例3と同様にして、サージカルテープの原ロールを作製した。得られたサージカルテープについて、上記「初期接着力評価試験」及び「剥離評価試験」を行った。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜13と、比較例1〜4とを比較すると、スルホポリエステルと所定の粘着剤とを含有する粘着剤組成物を使用したサージカルテープが、被貼付体に貼り付けたときには十分に固定され、被貼付体から剥がすときには、粘着層に水を浸透させることにより容易に剥がすことができるものであった。実施例1〜7と、実施例8,9とを比較すると、粘着付与剤+可塑剤、及びゴム系粘着剤を使用した場合は、アクリル系粘着剤を使用した場合と比較すると、水の粘着層内への分散がより容易に行われていることがわかる。また、アクリル系粘着剤を使用した場合(実施例8,9,13)であっても、音波発信素子を用いた振動を加えることにより、サージカルテープを容易に剥離させることが可能であることがわかる。
本発明のサージカルテープは、医療用のサージカルテープ(ドレッシングフィルムを含む)として好適に利用することができる。
実施例10で得られたサージカルテープ1の粘着層側の表面の一部を拡大した拡大写真である。 実施例11で得られたサージカルテープの粘着層側の表面の一部を拡大した拡大写真である。 実施例12のサージカルテープの作製に使用するメタルマスクの一部を拡大した平面図である。
符号の説明
1:サージカルテープ、2:塗布部、3:非塗布部、11:サージカルテープ、12:塗布部、13:非塗布部、21:ステンレス板、22:孔、23:メタルマスク、P:ピッチ、D:孔径、W:幅。

Claims (5)

  1. フィルム状の基材と、前記基材の一方の面に配設される粘着層とを備え、
    前記粘着層が、スルホポリエステル及び粘着性成分を含む粘着剤組成物から構成され、
    前記粘着性成分が、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、並びに粘着付与剤と可塑剤を含む組成物、からなる群から選択される少なくとも一種であるサージカルテープ。
  2. 前記スルホポリエステルが、前記粘着剤組成物中に5〜80質量%含有される請求項1に記載のサージカルテープ。
  3. 前記フィルム状の基材が、透水性の不織布又は透水性の多孔質フィルムである請求項1又は2に記載のサージカルテープ。
  4. 前記粘着層が、前記基材の一方の面上に前記粘着剤組成物の塗布部と非塗布部よりなるパターン形状を形成する請求項3に記載のサージカルテープ。
  5. 被貼付体の表面に貼り付けられた請求項1〜4のいずれかに記載のサージカルテープの剥離方法であって、前記粘着層に水を供給し、前記粘着層と水との接触部分に音波発信素子を用いて振動させながら、前記サージカルテープを前記被貼付体の表面から引き剥がすサージカルテープの剥離方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115537140A (zh) * 2020-03-25 2022-12-30 王鹏轩 一种防汗透气医用胶布的制作与使用方法

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